説明

カップの断熱把持具

【課題】 ゴミ公害と環境ホルモンによる害毒を防止し、断熱効果を高めるとともに、互換使用を可能とする。
【解決手段】 下細のカップに備える断熱把持具を作るに当り、方形または扁平逆V字形短冊状の段ボールシート1の短辺同士を上広がり斜めの接合部2で接着して下細の段ボール筒体3を作り、この筒体内にその上部内法よりも下径が小さく上径が大きい下細の紙カップ4を嵌入し、このカップの下細外周面を前記段ボール筒体3の下細内周面で受け止めてカップを段ボール筒体で把持可能とした。さらに、段ボール筒体の左右両側に把持片1Bを突設してもよく、筒体内面となるシート面に「当り」マークmを付してもよい。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カップ内に加熱加工済乾燥食品とか保冷食品等を収納し、ユーザがカップ内に熱湯を注ぐだけで食せる容器に用い好適なカップの断熱把持具に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の断熱容器としては、従来、発泡スチロール等の発泡樹脂で成形した断熱容器が主流であるが、このものでは、例えば、ビスフェノールAと称する環境ホルモンの発生により、生体に対して毒性が有ることが近年判明し、さらに、発泡樹脂は腐らないので、大量の廃品はそのまま捨てる訳にもゆかず、使用済容器のゴミ焼却時には高熱が生じるため、炉が短命化すると共に、有害ガスが生じたり、嵩張るのでゴミ処理上、厄介かつ面倒であった。
【0003】他の断熱容器としては、従来、例えば実開昭56−94713号公報や特開昭50−36284号公報記載のものも有る。この従来の技術は、極めて小さいテーパーを有し、その大径側端に外側に円弧状に弯曲する鍔部を形成した筒状の外套体と、前記テーパーよりも大きいテーパーを有し、小径端の底部に形成し、大径側端の外径が前記外套体の大径側端の内径に等しくかつ前記大径側端に外側に弯曲し、前記鍔部と同心円状の鍔部を形成してなる容器体と、前記容器体の鍔部に嵌合する鍔付の蓋体とで構成した断熱容器である。
【0004】この従来技術は、容器体の上部外周面に外套体の上部内周面が直接に面接触してしまっているので、外套体の上部に内容器内の食品の熱が素材の肉厚方向に伝導してしまい、食品が熱湯を注いだインスタントラーメン等の熱い食品の場合には、外套上部を持った手指が急に熱くなって火傷をしたり、手指の火傷を防ごうとするため、外套から手を離して熱い食品や熱湯を内容器ごと落下させてしまうことも有るという問題点が有った。
【0005】この他に、把持具付きのコップとして、従来、例えば実開昭52−105585号公報記載のものも有る。この従来の技術は、紙製、薄合成樹脂製等により形成したコップ体の外側面に任意形状の凹陥部を形成し、該凹陥部内に起立型ハンドルを位置し、ハンドルを起立して形成するようにその一部を貼着して成るハンドル付コップである。
【0006】このコップは、ハンドル以外の部分を持つと断熱不良のため手指が熱くなることも有り、また、ハンドルは、コップ周面から突出し易く、不安定のため、自販機内にスタックした多数のコップを自販機内のロボットアームで1個ずつ自動的にドリップステージに移動させる場合に、隣接したコップ同士が分離し辛く採用できない。このため、自販機向きの紙カップにユーザが付加して使用する断熱把持具として、従来、例えば登録実用新案第3044075号公報記載のものも有る。
【0007】この従来の技術は、プラスチック射出成形により、係止部、把持部、当接部からなるフレーム体とを構成し、該把持部は、側面視で横向きの略U形を呈し、その中空部に使用者の人指し指を掛け、上方の外側壁を親指で押さえ、下方の外側壁を中指で支持して持ち上げ可能となし、該把持部の上側端が係止部と連接し、該把持部の下側端が当接部と連接し、上記当接部は、カップ外壁に当接し、そのその上方に適当な長さの弯曲部を具え、該弯曲部の内側面が係止部の外側壁と適当な距離を保持して一つの挾持空間を形成し、該挾持空間に下から差し込んだカップの側壁上部を係止部の外側壁と弯曲部上端部が挾持すると共に、該弯曲部上端部カップ上端部に外側への折り曲げて形成したフランジの内側を挟んで係止するようにし、該弯曲部の上端部がその上方の係止部の止めブロックとの間に適当な距離を保持し、上記係止部は、略逆U形を呈し、その外側壁上方と当接部の弯曲部が相互に適当な距離を保持し、該外側壁の下端に比較的大面積の円弧部を形成し、該係止部の上壁の内側に止めブロックを形成し、該止めブロックが当接部の弯曲部の上端と適当な距離を保ち、上記当接部の弯曲部と係止部の外側壁の間の挾持空間にカップを挾持し、当接部の弯曲部の上端部でカップ上端のフランジの内側を係止し、係止部の止めブロックでカップのフランジの外側を押さえて、カップを揺動させることなく保持でき、カップ内の飲料の重力により係止部の外側壁がカップを緊締する作用を提供することも合わせて、カップを安定して保持でき、使用者の握持と火傷防止に利用できると称するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来の技術は、矢張り把持片以外の処は断熱不良で熱いカップは持てず、また、把持片は、ブラスチック成形による厚みの有る立体物のため飲用カップの付属品として自販機で付加提供し辛く、しかもカップの開口縁を外側に丸めてカールしたカールフランジ用の把持具であるので、フランジのないカップには当然使えず、カップフランジを水平に張り出し突設しただけのフランジ付きのカップにも適用できないという多くの本質的かつ、重大な問題点が有る。
【0009】また、この従来例におけるカールフランジクランプ用の係止部と称する部分は、上記カールフランジに対応した精確な寸法精度で精密に作る必要が有るので、カップのカール形状種類数だけ、上記係止部形状の異なる多種類の把持具が必要となり、その製造・保管や流通・販売とか購入・使用等すべての系統での管理や保守点検が繁雑で不経済でも有るという第2の問題点も有る。
【0010】さらにこの従来例は、プラスチック成形品のため腐らないので、使用済把手は焼却処理となり、この焼却時の高熱により炉が短命化すると共に有害ガスの発生による公害を生じたり、さらに、成形用プラスチック内に混入した充填材や軟化材等により、近年問題化されつつ有るビスフェノールAやダイオキシンといったような所謂『環境ホルモン』の害毒も生じる問題点も有る。この他に特開昭50−30675号公報にあるように、金属箔や紙製円筒をそのまま開閉式の折り目付けローラ間に通すことで、縦蛇腹円筒を作り、この円筒内に紙カップを無理嵌めした例も有る。
【0011】しかしながら、この従来例では、紙やプラスチック薄板・アルミ箔等で作った筒状体を一個ずつ開閉接離式折り目付けローラ対のうちの一つのローラに差し入れた後、他のローラを上記筒状体の外周面にきつく押し当てつつ各ローラを回転させることで、筒状体に平行な多数の縦折り目を付けた後、ローラを開き離して筒体単品をローラから外し成品とするものだから、筒状体に一個ずつ縦折り目付けするたび毎に、上記折り目付けローラ対を開閉接離させて筒状体を挿脱させなければならず、この作業が面倒で繁雑を極め厄介かつ作業性悪く、結局、コスト高となり不経済であるという本質的な問題点が有る。
【0012】また、この従来例における縦蛇腹円筒は、その外径が極めて変り易く、不安定のため、カップに対する嵌合位置が変化し易く、しかも、円筒表面がそのまま縦蛇腹となっているので、その稜線部の機械的強度が弱く、手指の把持圧力で潰れてしまい易く、使い勝手も悪いし、連続した美しい表装印刷ができないというような多くの問題点が有る。
【0013】本発明は、以上のような従来例における多くの問題点を除去するためになされたもので、その目的とするところは、断熱容器素材として、天然資源から得る紙を用いることで、ゴミ公害と環境ホルモンによる害毒を阻止することと、断熱用外筒に短冊状段ボール紙を用いることで、その肉厚方向に直接伝わる熱伝導をなくして断熱効果を高めると共に、長尺段ボール紙からのシート截断による紙無駄を無くし、かつ、カップに対する把持強度を強化することと、段ボールによる波紙内面の断熱筒体とすることで、筒体表面の見栄えを良くし、かつ、印刷適性を向上させることと、扁平に折り畳みできる断熱筒体とすることで、カップの付属品として付加提供し易くし、また、下細のカップを上広がりの筒体に入れて支持することで、大きさが若干異なるカップやフランジ形状が異なるカップに対しても良くフィットした互換使用を可能とすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記したこの発明の目的は、下細のカップに備える把持具を作るに当り、方形または扁平逆V字形短冊状の段ボールシートの短辺同士を上広がり斜めの接合部で接着して下細の段ボール筒体を作り、この筒体内にその上部内法よりも下径が小さく上径が大きい下細の紙カップを嵌入し、このカップの下細外周面を前記段ボール筒体の下細内周面で受け止めてカップを段ボール筒体で把持可能としたことで達成できた。
【0015】また、下細のカップに備える把持具を作るに当り、短冊状の段ボールシートの長さ方向両側に外向きの折り線をそれぞれ経て把持片を連設するとともに、前記シートをその波紙を内側にして長さ方向に折り曲げながら前記把持片同士を上広がり斜めの接合部で合着することで、把持片付きの下細段ボール筒体を形成してなり、この筒体内にその上部内法よりも下径が小さく上径が大きい下細のカップを嵌入し、このカップの下細外周面を前記筒体の下細内周面で受け止めてカップを前記把持片で把持可能としてもよい。さらに、段ボール筒体の左右両側に把持片を突設してもよく、また、扁平逆V形の段ボールシートから下細の筒体を作ってもよく、筒体内面となるシート面に「当り」マークを付してもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態例について図面を参照して説明する。先ず、この発明の基本実施形態は、下細のカップに備える断熱把持具を作るに当り、図1R>1(a)のような方形短冊状の段ボールシート1の短辺同士を上広がり斜めの接合部2で図1(b)のように斜め封筒貼り接着して下細の段ボール筒体3を作り、この筒体3の上記接合部2側を上に傾けながら、この筒体3内にその上部内法よりも下径が小さく上径が大きい下細の紙カップ4を図1(c)のようにほぼ鉛直に嵌入し、カップ4の下細外周面を前記段ボール筒体3の波紙1Aの内周面に形成して有る多数の稜線部1Cで図1(c)のように受け止めてカップ4を段ボール筒体3で鉛直に把持可能としたものである。
【0017】このように作った本発明による紙製またはプラスチック成形カップの断熱把持具とする筒体3は、図1(c)に示す立体的なものをシート長方向に図1(b)のように潰し折りすることで扁平化でき、カップの付属品として提供し易くなる。そして、購入者は、図1R>1(b)のような扁平のものを筒状に広げて立体化するだけで、接合部2側を少し上に傾けた筒体3内に下細のカップ4を鉛直に図1(c)のようにフィット状態良好に嵌入支持することができ、カップ4を筒体3を介し断熱的に手指aで安定に掴み持つことができ、カップ4内のホットな飲料や食品を手指aを熱くすることなく飲用したり、食することができる。
【0018】次に、本発明における前記ダンボール筒体3の外周面に把持片1Bを突設するには、図1(a)で示すような方形短冊状の段ボールシート1の長さ方向両側に上広がり斜めの折り線Lをそれぞれ経て把持片1Bを連設するとともに、前記シート1をその波紙1Aを内側にして長さ方向に折りながら前記把持片1B同士を上広がり斜めの接合部2で波紙1Aを押し潰して合掌貼り合着することで、図2のような把持片付きの下細段ボール筒体3を形成することができる。そして、前記のように少し傾けた筒体3内にその上部内法よりも下径が小さく上径が大きい下細のカップ4を図1(c)のようにほぼ鉛直に嵌入し、このカップ4の下細外周面を前記筒体3の下細内周面で受け止めてカップ4を前記把持片1Bで図1(c)のように把持可能とすることができる。
【0019】なお、前記把持片1Bの上広がり斜めの接合部2は、糊料接着でもよいが、段ボールシート1における波紙1Aの面または二枚合せの波紙1Aの合接面に被着して有るポリエチレンコート層のような加熱接着性樹脂のコート層やラミネート層のヒートシール接着でもよい。また、前記各段ボール筒体3は、周面方向に変形可能でフレキシブルだから、前例の円形カップ以外に、例えば角形カップや角形深皿容器にも良く馴染ませて被せることができ、さらに、カップ4の開口縁を図1(c)のように外向きにカールさせるなどして外鍔4aを形成するとともに、この外鍔まで前記筒体3をカップ4に被せても良く、カップ4の外周面に筒体3を部分的にスポット付け接着してもよい。
【0020】このようにして作った本発明による断熱把持具とした筒体3は、上広がりなので、段ボール筒体3に把持片1Bが有ってもカップ外周面に沿わせて把持片3を折り曲げ、断熱容器の多数を嵩張ることなく重合集積でき、製造元から食品メーカまで効率よく運搬できると共に、食品メーカでは、カップ4内に加熱調理済乾燥食品や他のもの(図示せず)を入れた後、カップ4の上縁に蓋板を気密貼着し出荷する。
【0021】購入者は、カップ4から蓋板を部分的に剥し、カップ内の即席食品に熱湯を注いで蓋をして3分程待ち、食するのであるが、この際にカップ外側の段ボール筒体3を手で持って食べても、紙カップ4から出る熱は、図1(c)で示すように、前記波紙1Aの多数の稜線部1Cと谷線部1D間における波紙1Aの斜辺1Eで遮断でき、ダンボール筒体3の紙の肉厚方向に直接伝わろうとする熱伝導を阻止することができ、上記筒体3の外面は熱くならず、この筒体3を安心して手で持ちながら紙カップ4内の食品を食することができる。
【0022】使用済の容器は、全体として天然素材である段ボール紙製だから、ゴミ処理が容易で環境ホルモン害もなく、筒体3を段ボール紙で作ったので、紙カップ4に被せた段ボール筒体3を手で強く持っても波紙稜線部1Cや斜辺1Eは潰れず、液体を入れてかなり重くなった容器でも安心して持ち運べる。
【0023】また、前記ダンボール筒体3に把持片1Bを図2のように突設した場合には、この把持片1Bまたは、筒体3を手で持ち食するのであるが、この際に上記把持片1Bを手で持って食べても、カップ4は上記筒体3にかなり強固に嵌入位置決めできるので、ズリ落ちることがなく、しかも、カップ4から出る熱は、把持片1Bで遮断でき、安心してカップ4を手で持ちながらカップ4内の食品を食することができる。
【0024】
【実施例】大形インスタントラーメンのように扁平大形で大重量のカップに本発明を採用するには、図3の(a)に示すように、短冊状のシート1をその中央折り目1aで折り返し、その所定範囲部分を押し潰して上広がりに合掌貼りして把持片1Bを形成すると共に、この把持片1Bの形成個所の筒体対向側にも前記図1に示す例と同様に他の把持片1Bを形成して、合計二つの把持片1B,1Bを左右に突設した図3(a)のような筒体3を作り、この筒体内に図3(b)のように扁平大形のラーメンカップ4を嵌入し、このカップの下細外周面を前記筒体3の下細内周面における波紙1Aの多数の稜線部1Cで受け止めて前記二つの把持片1B,1Bを両手で把持可能としたカップの断熱把持具としてもよい。
【0025】この場合、扁平大形かつ、大重量カップでも両手鍋を持つ要領で安定にしかも確実に持ち運べる。この例では、カップ4に対して段ボール筒体3をほぼ直交して嵌挿でき、また、二枚の短冊状段ボールシート1の両端同士を上広がりに合掌貼りして筒体3を作っても二つの把持片1B,1Bを左右両側に有する両手持ち式段ボール筒体による断熱把持具を得ることができる。
【0026】また、前記段ボールシート1に両面ダンボール紙を用いて図4(a),(b)のようにダンボール筒体3の内・外各周面間に波紙1Aをサンドイッチ構成してもよい。
【0027】さらに、段ボールシート1の形状を図5のように扁平逆V字形の短冊状となし、これを前例と同様に折り曲げて上広がり斜めの接合部2で合着することで、今度は、図6のようなほぼ水平側面を呈する下細の段ボール筒体3を作ることができ、この筒体3内にその軸線に対しほぼ直交してカップ4を図7のように鉛直に嵌入し、その下細外周面を多数の波紙稜線部1Cで受け止めて、このカップ4を上記段ボール筒体3または把持片1Bで前記のように把持できるようにしてもよい。この例では、段ボール筒体1Bを傾けなくても、カップ4をほぼ鉛直に嵌入支持でき使用安定感が増すと共に見栄えが良くなる。
【0028】さらにまた、筒体3の内面となるシート1の面に図1(b)、図2のように「当り」マークmを文字や記号により、シート1000枚に対し1枚程の割合で印刷等表記することで、インスタント加熱食品等の最終ユーザが、上記食品に添付した前記二つ折り二枚合せのシート1をその合接面から手指等で引き離す作業に『○○温泉御招待』といったような賞を与えることで、一種の射幸心的なスリル感を付与することができ、最終ユーザが二枚合わせのシートから筒体3を作る作業に張り合いを持たせることができ、購売意欲を向上させることもできる。
【0029】さらに、本発明による断熱把持具は、その縦横比をカップに応じて任意に選べるが、前例に比べ、より扁平またはより縦長の断熱容器用の把持具とすることもでき、また、カップ4に対して筒体3をスポット付け接着等で分離不可能に固着する際には、例えば筒体3の内面となる波面または、カップ4の外周面にポリエチレンラミネート層(所謂ポリラミ層)のような加熱接着性合成樹脂層を被着した紙を用いれば、カップ4に対し筒体3を部分的に加熱加圧するだけで両者をスポット付け接着できる。
【0030】なお、カップ4の内面にもポリラミ層を被着してもよく、また、筒体3の下部をカップ4の底よりもかなり上部までに止どめてもよく、さらに、前記カップ4の外鍔4aは、必ずしも要しないが、外鍔4aを形成するに当っては、周知の紙カップの開口縁をカーリングマシーンでカール形成してもよく、また、カールしないでそのまま横方向に若干延ばした平面鍔としてもよく、これらの鍔4aで筒体3からのカップのズリ落ちをより一層防止できる。
【0031】
【発明の効果】この発明は、以上のような形態を採用したので、以下に記載の効果を奏する。本発明のうち、請求項1の発明によれば、カップに付加使用するカップの断熱把持具を天然資源から得た段ボール紙で作ったので、把持具とした段ボール筒体3の何処を持っても手指は熱くならず、しかも、断熱把持具のプラスチック成形を不要化して環境ホルモンによる害毒をなくし、ゴミ公害をもなくすることができ、しかも、段ボールシート1は短冊状でよいから、長尺段ボール紙のシート截断による紙無駄を皆無にでき、カップの付属品としてプラスチック成形による立体的な把手よりも付加提供し易くでき、また、下細のカップを筒体に入れて支持することで、大きさが若干異なるカップやフランジがないカップとかフランジ形状が異なるカップに対し、良くフィットした断熱互換使用が可能となったという多くの実益が有る。
【0032】また、本発明における段ボール筒体3は、その内面に有る波紙1Aが外側の紙葉に接着して有るから、波紙1Aの外力に対する強度が大で変形せず安定で手でカップ4を確実・安定に把持できると共に、筒体3の外面は平坦弧面だから、印刷適性に優れ、連続した美しい筒体外面印刷が可能であり、見栄えのよいカップ把持具となし得たという多くの効果が有る。
【0033】次に、請求項2の発明によれば、段ボール筒体3の外側に把持片1Bを突設したので、この把持片でもカップ4を把持でき、より一層カップを断熱的に持ち易くできたという効果を付加できた。
【0034】さらに、請求項3の発明では、カップ4に被せた下細段ボール筒体3の左右両側に上広がり斜めに接合した把持片1Bが存在するので、筒体3を傾けなくてもカップ4をほぼ鉛直に筒体3内に嵌入支持でき見栄えよく、左右の把持片1Bを両手で持つことで、大重量内容物を入れた扁平大形のカップ4でも容易かつ、安定に断熱性良く持ち運べるという効果を付加できた。
【0035】また、請求項4の発明によれば、扁平逆V字形短冊状の段ボールシート1を丸めて筒体3を作ったので、筒体3の把持具対向側縁も上広がり斜めなすことができ、カップ4に対し筒体3をほぼ直交させて嵌挿できるので、安定感を向上させ、かつ、見栄え良くできたという効果を付加できた。
【0036】さらに、請求項5の発明によれば、筒体3の内面となる原紙1の面に「当り」マークmを文字や記号により、シート1000枚に対し1枚程の割合で表記したので、インスタント加熱食品等の最終ユーザが、上記食品に添付した前記二つ折り二枚合せの段ボールシート1をその合接面から手指等で引き離す作業に賞を与えることで、一種の射幸心的なスリル感を付与することができ、最終ユーザが二つ折り合せシートから筒体3を作る作業に張り合いを持たせることができ、購売意欲を向上させることもできるという効果を付加できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカップ用断熱把持具の製造過程の一例を示す工程略図
【図2】本発明によるカップ用断熱把持具の他の例を示す斜視図
【図3】本発明による断熱把持具のさらに他の例を示す構成図
【図4】両面段ボールシートを用いた本発明による断熱把持具の一例を示す斜視図
【図5】本発明における段ボールシートの他の例を示す展開図
【図6】同上のシートで作った下細段ボール筒体の一例を示す斜視図
【図7】図6に示す筒体内にカップを挿入した状態を示す縦断立面図
【符号の説明】
1 短冊状段ボールシート
1A 波紙
1B 把持片
1C 波紙稜線部
1D 波紙谷線部
1E 波紙斜辺
2 上広がり斜めの接合部
3 下細の段ボール筒体
4 下細のカップ
m 当りマーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】 下細のカップに備える把持具において、短冊状の段ボールシート1の短辺同士を上広がり斜めの接合部2で接着して下細の段ボール筒体3を作り、この筒体3内にその上部内法よりも下径が小さく上径が大きい下細の紙カップ4を嵌入し、このカップ4の下細外周面を前記段ボール筒体3の下細内周面で受け止めてカップ4を段ボール筒体3で把持可能となしたカップの断熱把持具。
【請求項2】 下細のカップに備える把持具において、短冊状の段ボールシート1の長さ方向両側に上広がり斜めの折り線Lをそれぞれ経て把持片1Bを連設するとともに、前記シート1をその波紙1Aを内側にして長さ方向に折り曲げて前記把持片1B同士を上広がり斜めの接合部2で合着することで、把持片付きの下細段ボール筒体3を形成してなり、この筒体3内にその上部内法よりも下径が小さく上径が大きい下細のカップ4を嵌入し、このカップ4の下細外周面を前記筒体3の下細内周面で受け止めてカップ4を前記把持片1Bで把持可能となしたカップの断熱把持具。
【請求項3】 前記段ボール筒体3の両側に把持片1B,1Bを突設した請求項2記載のカップの断熱把持具。
【請求項4】 前記段ボール筒体3を扁平逆V形の段ボールシート1から作ることで、段ボール筒体3の把持具対向縁を上広がり斜めとなした請求項1から3までに記載のカップの断熱把持具。
【請求項5】 前記段ボール筒体3の内面となる段ボールシート面に「当り」マークmを付してなる請求項1から請求項4までに記載のカップの断熱把持具。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図3】
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【図7】
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【公開番号】特開2000−197556(P2000−197556A)
【公開日】平成12年7月18日(2000.7.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−377380
【出願日】平成10年12月29日(1998.12.29)
【出願人】(000118419)
【Fターム(参考)】