説明

カメラの三脚及びストラップ取付け具

【課題】 カメラの小型化を容易にし、なおかつストラップも取付けられて、カメラ表面における各部材の効率的な配置を可能にする三脚取付け具を提供する。
【解決手段】 デジタルカメラ側面30S上に設けられる三脚取付け具10は、本体部12と、リング状のストラップ取付け部材20とを有する。本体部12は、ネジ穴14が設けられた中心部24と、ストラップ取付け部材20が取付けられた外周部26とを含む。中心部24は、ネジ穴14に沿った方向の長さが、外周部26よりも長く、ネジ穴14は、三脚のネジを強固に固定するために必要な深さを有する。外周部26は、ネジ穴14に垂直な方向の長さが中心部24よりも長いため、外周部26の側面26Sとネジ穴14との間で、デジタルカメラ30の自重に耐えるために必要とされる軸部材22の長さは、容易に確保される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラを三脚に取付けるための三脚取付け具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、三脚の雲台にカメラを取付けるために、カメラの底面には三脚取付け用のネジ穴が設けられている。また、カメラの表面、主として側面には、カメラを持ち運ぶためのストラップが取付けられるように、ストラップ取付け部が設けられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
カメラに三脚取付け用のネジ穴を設ける場合、カメラ内部における部品の配置について制約が生じ、カメラの小型化が困難になる。また、一般に、三脚取付け用部材とストラップ取付け部とは、いずれもカメラの自重を支える必要があるために強度が高められており、互いに独立して設けられている。このため、それぞれの配置スペースが必要となり、カメラ表面における各部材の効率的な配置の制約となっている。
【0004】
本発明は、カメラの小型化を容易にし、なおかつカメラ表面における各部材の効率的な配置を可能にするために、ストラップも取付け可能な三脚取付け具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の三脚取付け具は、カメラに設けられ、三脚取付け用のネジ穴が設けられた本体部と、本体部に設けられたストラップ取付け部とを備えている。そして、本体部が、ネジ穴の開口部側の先端部がカメラの外装面よりも外側に突出するように設けられることを特徴とする。
【0006】
ストラップ取付け部は、例えば本体部の異なる2箇所を連結する環状の部材である。また、ストラップ取付け部は、カメラ外装面近傍に取付けられていることが好ましい。
【0007】
ストラップ取付け部は、本体部のネジ穴の軸方向に対して垂直に挿入される軸部材を有し、軸部材を中心に回転可能であることが望ましい。
【0008】
ネジ穴は、カメラ外装面に対して垂直な方向に設けられていることが好ましく、この場合、ストラップ取付け部が、ネジ穴の中心軸に対して互いに対称な位置にある2箇所を連結することがより好ましい。また、先端部には、ネジ穴の軸方向に対して垂直な平面を有することが好ましい。
【0009】
本体部は、例えば、ネジ穴が設けられた中心部と、中心部の周囲にある外周部とを有し、ストラップ取付け部が、外周部に取付けられている。この場合、外周部のネジ穴径方向の長さが、中心部のネジ穴径方向の長さよりも長いことが好ましく、また、中心部のネジ穴軸方向の長さが、外周部のネジ穴軸方向の長さよりも長いことが好ましい。
【0010】
本発明のカメラには、三脚取付け用のネジ穴が設けられた本体部と、本体部に設けられたストラップ取付け部とを備えた三脚取付け具が設けられている。三脚取付け具が表面上に設けられている。そして、本体部が、ネジ穴の開口部側の先端部がカメラ外装面よりも外側に突出するように設けられていることを特徴とする。
【0011】
カメラは、例えば、撮影光学系を有する撮像部と、連結軸を介して撮像部に連結されたカメラ本体部とを有し、撮像部とカメラ本体部とが連結軸を中心に回転自在である。この場合、三脚取付け具は、連結軸の延長線上に設けられることが好ましく、三脚取付け具は、例えば、連結軸を含まないカメラの側面に設けられる。
【0012】
三脚取付け具は、カメラの重心を通り、カメラのいずれかの表面に平行な直線上にあることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、カメラの小型化を容易にし、なおかつストラップも取付けられて、カメラ表面における各部材の効率的な配置を可能にする三脚取付け具を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、三脚取付け具とデジタルカメラとを示す斜視図である。図2は、三脚取付け具とデジタルカメラの正面図である。
【0015】
三脚取付け具10は、デジタルカメラ30を三脚に固定するためと、デジタルカメラ30の携帯用のストラップ(図示せず)を取付けるために、デジタルカメラ30の側面30S上に設けられる。三脚取付け具10は、三脚取付け用のネジ穴14が設けられた本体部12と、本体部12上の2箇所を連結するD字型のリング状のストラップ取付け部材20とを有する。本体部12は、その一端がデジタルカメラ30内の不図示の部材に固定されており、ネジ穴14の開口を有する先端部が、デジタルカメラ30の外装面から外側に突出している。ストラップは、ストラップ取付け部材20のリングの内側に通され、ストラップ取付け部材20に取付けられる。ストラップ取付け部材20は、デジタルカメラ側面30Sの近傍に取付けられており、本体部12に挿入される軸部材22を中心に、矢印Aが示すように、揺動自在である。
【0016】
デジタルカメラ30は、撮影光学系32を有する撮像部34と、液晶モニタ36などを有するカメラ本体部40とを含む。撮像部34とカメラ本体部40とは、カメラ本体部上面40Uに平行な連結軸42を介して接続されていて(図2参照)、連結軸42を中心に互いに回転可能である。また、連結軸42の中心は、デジタルカメラ30の重心(図示せず)を通っており、三脚取付け具10は、連結軸42の延長線L上に設けられている。このため、三脚取付け時、及びストラップによる携帯時のデジタルカメラ30のバランスが良好に保たれる。なお、図2より明らかなように、三脚取付け具10は、連結軸42を含まないデジタルカメラ側面30S上に設けられている。
【0017】
本体部12は、ネジ穴14が設けられた中心部24と、中心部24の周囲にあって、ストラップ取付け部材20が取付けられた外周部26とを含む。本体部12は、ネジ穴の深さ方向(ネジ穴軸方向)を中心軸とした円柱形状をなす。中心部24の先端部には、ネジ穴14の軸方向に垂直な平面である先端面14Dが設けられており、三脚取り付け時において、この先端面14Dが三脚の雲台面と当接して、カメラの安定保持に寄与する。中心部24は、ネジ穴14の中心軸に沿った方向の長さ、すなわち連結軸42方向の長さが、外周部26よりも長い。このため、ネジ穴14は、デジタルカメラ30の外側に設けられているにも関わらず、三脚のネジを強固に固定するのに十分な深さを有する。
【0018】
図3は、三脚取付け具とデジタルカメラの側面図である。なお、図3においては、ストラップ取付け部材20は、デジタルカメラ側面30Sに平行な位置にある。
【0019】
ストラップ取付け部材20の両端にある2つの軸部材22は、外周部26上の、ネジ穴14の中心軸Cに対して互いに対称な位置に挿入されている。さらに、ストラップ取付け部材20は、内周寸法が外周部26の半径方向寸法よりも大きいため、本体部12と接触せずに回転することが可能である。このように、本体部12によってストラップ取付け部材20の回転が妨げられず、ストラップの使用における利便性が保たれる。
【0020】
図4は、三脚取付け具10とデジタルカメラ30の上面図であり、図5は、三脚取付け具10とデジタルカメラ30の底面図である。なお、図4及び図5においては、ストラップ取付け部材20は、デジタルカメラ側面30Sに垂直な位置にある。
【0021】
中心部24と外周部26は、いずれもデジタルカメラ側面30S、もしくはデジタルカメラ側面30Sに平行な面を底面とする円柱状であり、外周部26は、ネジ穴14に垂直な方向(ネジ穴の径方向)の長さが中心部24よりも長い。すなわち、外周部26の径方向寸法は、中心部24の径方向寸法よりも大きく、外周部26は径方向の肉厚が厚い。このため、ストラップ取付け部材20が、ストラップ使用時にデジタルカメラ30の自重に耐えるために必要とされる軸部材22の長さが、軸部材22が取付けられた外周部26の側面26Sとネジ穴14との間で、容易に確保できる。
【0022】
図6は、デジタルカメラ30に取付けられた状態の三脚取付け具10の断面図である。なお、図6においては、ストラップ取付け部材20は、デジタルカメラ側面30Sに垂直な位置にある。
【0023】
ネジ穴14は、デジタルカメラ側面30Sに垂直な方向に設けられている。そして、ネジ穴14の開口は、デジタルカメラ側面30Sの外装面よりも外側に設けられ、ネジ穴14の底側先端部14Tは、デジタルカメラ側面30Sの内壁よりも外側、すなわちストラップ取付け部材20側にある。このため、三脚取付け具10は、デジタルカメラ30内部の空間をほとんど占めることはなく、デジタルカメラ30内における部品の配置に制約は生じない。このため、デジタルカメラ30の小型化が容易である。また、本実施形態においては、軸部材22が挿入される取付け穴14Hは、肉厚の厚い外周部26に形成されている。外周部26の径方向寸法は、取付け穴14Hの深さに対して十分に大きく、このように、本体部12の径方向の長さを十分に長くすることにより、本体部12の強度を高めることができる。
【0024】
以上のように本実施形態によれば、三脚取付け用のネジ穴14をデジタルカメラ30内に設けることなく、デジタルカメラ30の小型化を容易にするとともに、三脚とストラップとをいずれも取付けられるために、デジタルカメラ30表面の部材の配置を単純にする三脚取付け具10を実現できる。
【0025】
本体部12の形状は、本実施形態に限定されない。例えば、十分なネジ穴14の深さと軸部材22の長さを確保できる場合、本体部12は、デジタルカメラ30の表面を底面とする円柱形であっても良く、また、円柱形以外の形状であっても良い。
【0026】
三脚取付け具10の位置は、三脚取付け時、及びストラップによる携帯時のデジタルカメラ30のバランスが良好である限り、本実施形態に限定されない。例えば、デジタルカメラ30の重心を通って、デジタルカメラ側面30Sに平行な直線上、すなわちデジタルカメラ30の底面にあっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】三脚取付け具とデジタルカメラの斜視図である。
【図2】三脚取付け具とデジタルカメラの正面図である。
【図3】三脚取付け具とデジタルカメラの側面図である。
【図4】三脚取付け具とデジタルカメラの上面図である。
【図5】三脚取付け具とデジタルカメラの底面図である。
【図6】三脚取付け具の断面図である。
【符号の説明】
【0028】
10 三脚取付け具
12 本体部
14 ネジ穴
14D 先端面(先端部)
20 ストラップ取付け部材(ストラップ取付け部)
22 軸部材
24 中心部
26 外周部
30 デジタルカメラ(カメラ)
32 撮影光学系
34 撮像部
40 カメラ本体部
42 連結軸
C 中心軸


【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラに設けられる三脚取付け具であって、
三脚取付け用のネジ穴が設けられた本体部と、
前記本体部に設けられたストラップ取付け部とを備え、
前記本体部が、前記ネジ穴の開口部側の先端部が前記カメラの外装面よりも外側に突出するように設けられることを特徴とする三脚取付け具。
【請求項2】
前記ストラップ取付け部が、前記本体部の異なる2箇所を連結する環状部材であることを特徴とする請求項1に記載の三脚取付け具。
【請求項3】
前記ストラップ取付け部が、前記カメラ外装面近傍に取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の三脚取付け具。
【請求項4】
前記ストラップ取付け部が、前記本体部の前記ネジ穴の軸方向に対して垂直に挿入される軸部材を有し、前記軸部材を中心に回転可能であることを特徴とする請求項1に記載の三脚取付け具。
【請求項5】
前記ネジ穴が、前記カメラ外装面に対して垂直な方向に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の三脚取付け具。
【請求項6】
前記ストラップ取付け部が、前記ネジ穴の中心軸に対して互いに対称な位置にある2箇所を連結することを特徴とする請求項5に記載の三脚取付け具。
【請求項7】
前記先端部に、前記ネジ穴の軸方向に対して垂直な平面が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の三脚取付け具。
【請求項8】
前記本体部が、前記ネジ穴が設けられた中心部と、前記中心部の周囲にある外周部とを有し、前記ストラップ取付け部が、前記外周部に取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の三脚取付け具。
【請求項9】
前記外周部の前記ネジ穴径方向の長さが、前記中心部の前記ネジ穴径方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項8に記載の三脚取付け具。
【請求項10】
前記中心部の前記ネジ穴軸方向の長さが、前記外周部の前記ネジ穴軸方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項8に記載の三脚取付け具。
【請求項11】
三脚取付け用のネジ穴が設けられた本体部と、
前記本体部に設けられたストラップ取付け部とを備えた三脚取付け具が設けられたカメラであって、
前記本体部が、前記ネジ穴の開口部側の先端部が前記カメラ外装面よりも外側に突出するように設けられていることを特徴とするカメラ。
【請求項12】
前記カメラが、撮影光学系を有する撮像部と、連結軸を介して前記撮像部に連結されたカメラ本体部とを有し、
前記撮像部と前記カメラ本体部とが前記連結軸を中心に回転自在であって、前記三脚取付け具が、前記連結軸の延長線上に設けられたことを特徴とする請求項11に記載のカメラ。
【請求項13】
前記三脚取付け具が、前記連結軸を含まない前記カメラの側面に設けられたことを特徴とする請求項12に記載のカメラ。
【請求項14】
前記三脚取付け具が、前記カメラの重心を通り、前記カメラのいずれかの表面に平行な直線上にあることを特徴とする請求項11に記載のカメラ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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