説明

カーボンナノファイバーおよびその分散液と組成物

【課題】過度な酸化処理でCNFが切断されて導電性が低下する問題、酸化処理が不十分で分散性が劣る問題があり、高濃度のときにCNFの分散性が低い問題を解決する。
【解決手段】このカーボンナノファイバーは、カーボンナノファイバー原料に酸化処理を行うことによって、酸素含有量が8〜20質量%に制御されており、極性溶媒中の分散性に優れている。前記酸化処理は、好ましくは、硝酸と硫酸の混酸中の硝酸濃度比が10〜30質量%の混酸を用い、100℃以上で行われる。カーボンナノファイバー分散液は、前記カーボンナノファイバーを極性溶媒に分散させたものであり、カーボンナノファイバー組成物は、前記分散液とバインダー成分を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素含有量を制御して分散性を高めたカーボンナノファイバーとその分散液および組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、カーボンナノチューブを代表とした各種のカーボンナノ材料が開発されており、例えば、導電フィラー、熱伝導材料、発光素子、電池やキャパシターの電極材料、配線材料や配線どうしの電極接合材料、補強材料、黒色顔料などの各種用途において、多様な機能を有する材料として有望視されている。
【0003】
しかし、一般にカーボンナノ材料は、製造されたままの状態では凝集体を形成しており、溶媒中で十分に分散させた状態にするのが非常に難しい。このため、製品にした際に特性を十分に発揮できないという問題がある。
【0004】
従来、カーボンナノ材料の分散性を高める手段として、例えば、微細炭素繊維の酸性懸濁液に酸化剤を添加して表面を酸化させたもの(特許文献1)や、硝酸あるいは硝酸と硫酸との混酸を用いて湿式酸化してCOOM基を導入したもの(特許文献2)や、発煙硝酸中または発煙硝酸と濃硫酸との混酸中で超音波処理してニトロ基を導入したもの(特許文献3)などが知られている。
【0005】
しかし、これらの従来例は、過度な酸化処理によるカーボンナノファイバーの切断によって導電性が劣化することや、酸化処理が不十分で分散性が劣るという問題があり、また、ニトロ化では分散媒が有機溶剤であって高濃度のときにカーボンナノファイバーの分散性が十分ではないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−270204号公報
【特許文献2】特開2008−251272号公報
【特許文献3】特開2010−24127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来の上記問題を解決したものであり、分散性、特に高濃度での分散性に優れた高導電性を有するカーボンナノファイバー、およびこのカーボンナノファイバーを含有し分散剤を必要としない分散液、これらの分散液によって製造される塗料組成物およびペースト組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下に示す構成によって上記課題を解決したカーボンナノファイバー、この分散液およびこの分散液によって製造したカーボンナノファイバーを含有する組成物等に関する。
〔1〕酸化処理による酸素含有量が8〜20質量%であることを特徴とするカーボンナノファイバー。
〔2〕硝酸と硫酸の混酸中の硝酸濃度比が10〜30質量%の混酸を用い、100℃以上で酸化処理することによって酸素含有量を8〜20質量%に制御した上記[1]に記載するカーボンナノファイバー。
〔3〕繊維径が1〜100nm、アスペクト比5以上、X線回折測定によるグラファイト層の[002]面の間隔が0.35nm以下である上記[1]または上記[2]に記載するカーボンナノファイバー。
〔4〕前記カーボンナノファイバーを圧密体にしたときの、圧密体の体積抵抗値が1.0Ω・cm以下である上記[1]または上記[2]に記載するカーボンナノファイバー。
〔5〕前記カーボンナノファイバーを圧密体にしたときの、圧密体の体積抵抗値が1.0Ω・cm以下である上記[3]に記載するカーボンナノファイバー。
〔6〕繊維径は5〜50nmであり、繊維のアスペクト比は10〜1000であり、X線回折測定によるグラファイト層の[002]面の間隔は0.337〜0.345nmであり、圧密体を形成したときの圧密体の体積抵抗値は0.5Ω・cm以下であり、前記カーボンナノファイバーをXPS分析するとC−O結合のピーク定量値が2〜5%である上記[1]または上記[2]に記載するカーボンナノファイバー。
〔7〕上記[1]または上記[2]に記載するカーボンナノファイバーを、極性溶媒から選ばれた一種以上の分散媒に分散させてなるカーボンナノファイバー分散液。
〔8〕上記[3]に記載するカーボンナノファイバー分散液と、バインダー成分とを含有する組成物。
〔9〕上記[1]または上記[2]に記載するカーボンナノファイバーを0.5〜8質量%、極性溶媒を32〜94.5質量%、バインダー成分を5〜60質量%含む組成物。
〔10〕上記[8]に記載する組成物によって形成された導電性塗膜。
【発明の効果】
【0009】
本発明のカーボンナノファイバーは、従来と比較して、特に有機溶剤中に分散させた際に、高濃度でも均一に分散が可能である。さらに、このカーボンナノファイバーの分散液を利用した塗料組成物またはペースト組成物を用いることによって、優れた導電性を有する導電性塗膜を容易に形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施形態に基いて具体的に説明する。
本発明のカーボンナノファイバーは、酸化処理による酸素含有量が8〜20質量%であることを特徴とする。好ましくは、硝酸と硫酸の混酸中の硝酸濃度比が10〜30質量%の混酸を用い、カーボンナノファイバー原料を100℃以上で酸化処理することによって酸素含有量を8〜20質量%に制御したカーボンナノファイバーである。
【0011】
本発明において用いるカーボンナノファイバー原料は、繊維径1〜100nm、アスペクト比5以上で、X線回折測定によるグラファイト層の[002]面の間隔が0.35nm以下であるものが好ましい。カーボンナノファイバー(カーボンナノファイバー原料)の繊維径とアスペクト比が上記範囲内であれば、溶媒に分散させたときに、カーボンナノファイバーの繊維同士の間に相互に十分な接触点を形成することができるので、高い導電性を有する導電性塗膜を得ることができる。また、X線回折測定によるグラファイト層の[002]面の積層間隔が上記範囲内であるカーボンナノファイバーは結晶性が高いため、電気抵抗が小さく、従って高導電性の材料を得ることができる。さらに、カーボンナノファイバーの圧密体の体積抵抗値が1.0Ω・cm以下であると、良好な導電性を発揮することができる。上記各効果を高めるために、カーボンナノファイバー原料の繊維径はより好ましくは5nm〜50nmであり、アスペクト比はより好ましくは10〜1000であり、X線回折測定によるグラファイト層の[002]面の間隔はより好ましくは0.337nm〜0.345nmであるが、これらの範囲に限定はされない。また、カーボンナノファイバーの圧密体の体積抵抗値はより好ましくは0.5Ω・cm以下であるが、この範囲に限定はされない。なお、上記酸化処理の前後で、これらの特性は変化しない。
【0012】
上記カーボンナノファイバーは、例えば、一酸化炭素を主な原料ガスとした気相成長法によって製造することができる。この気相成長法によって製造されたカーボンナノファイバーは、トルエン着色透過率が概ね95%以上であり、分散性および透明性に優れている。トルエン着色透過率とは、カーボンナノファイバーをトルエンで抽出したトルエン抽出液の着色度を、特定波長光の透過率(純トルエンを100%)で表した値であり、カーボンナノファイバーに含まれる未分解有機物の残留程度を表す指標である。トルエン着色透過率はJIS K6221−1982「ゴム用カーボンブラックの試験方法」6.2.4 項によって求めた。製造コストと分散性および透明性のバランスの観点からは、トルエン着色透過率はより好ましくは98%以上である。
【0013】
本発明のカーボンナノファイバーは、カーボンナノファイバー原料に酸化処理を行って酸素含有量を8〜20質量%に制御したファイバーである。一般に、製造された直後のカーボンナノファイバー原料の酸素含有量は0.1〜0.5質量%である。酸化処理を行ったカーボンナノファイバーの酸素含有量が8質量%未満では、溶媒に分散させたときに、高濃度で分散することができない。一方、この酸素含有量が20質量%を超えると導電性が低下する。カーボンナノファイバーの酸素含有量は、分散性および導電性のバランスの観点から、より好ましくは8〜15質量%である。酸素含有量は例えば、不活性ガス搬送融解赤外線吸収法によって測定することができる。
【0014】
本発明のカーボンナノファイバーにおいて、酸化処理による酸素含有量を8〜20質量%に制御するには、例えば、硝酸と硫酸の混合物であって硝酸濃度比が10〜30質量%の混酸を用い、酸素含有量が8〜20質量%になるように処理条件を整えて湿式酸化を行えばよい。
【0015】
硝酸と硫酸の混酸であっても、硝酸濃度比が30質量%より高いと、酸化処理が過度になり、カーボンナノファイバーの酸素含有量が20質量%を超える可能性が高くなる。一方、硝酸濃度比が10質量%より低いと、酸化処理が不十分になり、カーボンナノファイバーの酸素含有量は8質量%より少なくなる可能性が高くなる。
【0016】
なお、硝酸と硫酸の混酸を用いてカーボンナノファイバーの酸化処理を行う場合、後述の実施例に示すように、酸化処理後のカーボンナノファイバーの酸素含有量は混酸中の硝酸濃度比に必ずしも比例しないので、カーボンナノファイバー原料の特性や処理条件に応じて酸素含有量が8〜20質量%になる範囲の硝酸濃度比の混酸を用いる。ちなみに、硝酸と硫酸の混酸に代えて、硝酸または硫酸を単独で用いると、何れの場合にもカーボンナノファイバーの酸素含有量は8質量%より少なくなる。
【0017】
酸化処理は、硝酸と硫酸の混酸中にカーボンナノファイバー原料を浸漬し、100℃以上の温度下で反応させればよい。液温は好ましくは100℃〜200℃が良く、100℃〜160℃がさらに好ましい。100℃未満の液温では酸化が不十分になり易く、カーボンナノファイバーの酸素含有量が8質量%より少なくなり易い。液温が200℃を超えると酸化処理が過度になり易い。酸化処理の好ましい反応時間は、例えば30〜180分であるが、この範囲に限定はされない。酸化処理中の混合物は攪拌し続けることが好ましい。
【0018】
上記酸化処理において、硝酸と硫酸の混酸とカーボンナノファイバー原料との量比は、カーボンナノファイバー原料の1重量部に対して、混酸1〜100重量部の範囲が適当であり、より好ましい混酸の重量比は10〜60重量部である。
【0019】
混酸の硝酸濃度比および処理条件を上記のように調整した酸化処理を行うことによって、カーボンナノファイバー表面にカルボキシル基などが導入され、酸素含有量を8〜20質量%に制御したカーボンナノファイバーを得ることができる。酸化処理後のカーボンナノファイバーをXPS分析すると、C−O結合のピーク定量値が2〜5%であり、酸素はC−O結合を有する基によって導入されていることが判明した。上記酸素含有量を有するカーボンナノファイバーをアルコールなどの極性溶媒から選択した一種以上の分散媒に分散させることにより、カーボンナノファイバーの分散性に優れた分散液が得られる。
【0020】
本発明のカーボンナノファイバーは、特に極性溶媒に対する分散性に優れており、例えば、エタノールに分散させた分散液において、ヘーズ1.0以下で、カーボンナノファイバー量を分散液1gあたり0.05〜0.10gまで高めることができる。ヘーズは、分散液を通過する透過光のうち、入射光から2.5°以上それた透過光を百分率で表した値であり、カーボンナノファイバーの分散性が高いほどヘーズ値は小さくなる。
【0021】
本発明のカーボンナノファイバー分散液にバインダー成分(樹脂成分)を加えることにより、塗料組成物、またはペースト組成物を得ることができる。このような組成物において、樹脂成分は絶縁性であるので、樹脂成分の量が多く、カーボンナノファイバーの量が少ないと、組成物の導電性が低下するが、本発明のカーボンナノファイバーは分散性が良いので、少ない含有量でも高い導電性を発揮し、良好な導電性塗膜を得ることができる。
【0022】
塗料組成物またはペースト組成物の好ましい組成としては、例えば、極性溶媒を32〜94.5質量%、カーボンナノファイバーを0.5〜8質量%、バインダー成分を5〜60質量%含む組成が挙げられる。極性溶媒の他に必要であれば無極性溶媒を含んでも良いし、塗料組成物又はペースト組成物として必要な他の成分を加えても良い。
極性溶媒の例としては、水、エタノール、IPA、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、NMPが例示できる。バインダー成分としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂などが例示できるが、これらに限定されない。
【実施例】
【0023】
以下、本発明の実施例を比較例と共に示す。なお、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0024】
〔実施例1〜6:酸化処理〕
市販のカーボンナノファイバー(CNFと略記する。三菱マテリアル社製品、繊維径20nm、アスペクト比5以上)を原料として用い、市販の濃硝酸(濃度60質量%)および濃硫酸(濃度95質量%)を用い、表1に示す条件にて表面酸化処理を行い、酸素含有量を制御した表面処理CNFを得た。酸化処理の結果を表1に示す。酸素含有量は不活性ガス搬送融解赤外線吸収法によって測定した。
【0025】
【表1】

【0026】
表1に示すように、混酸中の硝酸濃度比が10%未満では酸化不足になり、CNFの酸素含有量が10質量%に達しなかった(比較例1)。また、混酸中の硝酸濃度比が30%より僅かに高くても酸化過剰になり、CNFの酸素含有量が20質量%を超えた(比較例2)。よって、硝酸濃度比10%〜30%の混酸を用いるのが好ましいことが判った。なお、硝酸または硫酸を単独に用いると、何れの場合にもCNF酸素含有量は8質量%より少なくなった(比較例4、5)。
【0027】
上記硝酸濃度比の範囲において、硝酸濃度比30%の場合(実施例4)よりも、硝酸濃度比14%の場合(実施例1)は、CNF酸素含有量が高く、CNF酸素含有量は混酸の硝酸濃度比に必ずしも比例しなかった。ただし、混酸の硝酸濃度比が30%より高いと過度な酸化処理のためにCNF酸素含有量が20質量%を超え、一方、硝酸濃度比が10%未満では酸化不足のためCNF酸素含有量が10質量%に達しなかった。したがって、硝酸濃度比10%〜30%の混酸が好ましいことが判った。この硝酸濃度比の範囲において、CNF酸素含有量が8〜20%になるような処理条件としては、例えば、液温は100℃以上が適当であり、100℃〜160℃が好ましいことが判った。また、混酸とカーボンナノファイバーとの量比は、CNF1重量部に対して混酸1〜100重量部の範囲が適当であった。
【0028】
〔実施例1〜6:分散液、塗料組成物〕
表1のCNFを乾燥して粉末化し、その粉末をエタノールに混合し、ビーズミルを使用してエタノール分散液を調製した。分散液のCNF含有量を表2に示す。この分散液に乾燥塗膜固形分中のCNF含有量が4.5質量%になるようにアクリル樹脂溶液を混合して塗料組成物を調製した。この塗料組成物中の極性溶媒は68.6質量%、カーボンナノファイバーは1.4質量%、バインダー成分は30質量%であった。この塗料組成物を、バーコーターを用いて、厚さ100μmのポリエステルフィルムの表面に塗工量0.25g/m2になるように塗布し、80℃で3分間乾燥して塗膜を作製した。
【0029】
このCNF分散液のヘーズ、塗膜の表面抵抗率、および塗膜のヘーズ(%)を測定した。これらのヘーズはスガ試験機株式会社製ヘーズメーター「HGM-3D」(商品名)を用いて測定した。分散液のヘーズは、CNF濃度が40ppmになるように分散媒(エタノール)を用いて希釈し、この希釈液を光路長3mmの石英セルに入れ、石英セルのヘーズ(0.3%)を含めて測定した。塗膜のヘーズはベースフィルムであるポリエステルフィルムのヘーズ(1.8%)を含めて測定した。塗膜の表面抵抗率(Ω/□)は株式会社三菱化学製「ハイレスタUPMCD-H450型」(商品名)を用いて、二重リング電極法にて測定した。これらの結果を表2に示す。
【0030】
【表2】

【0031】
表2に示すように、酸素含有量が2〜3質量%の比較例4および比較例5のCNFは溶媒に分散しなかった。また、比較例1のCNFは酸素含有量が6質量%と少ないので、分散液中のCNF量が多かった(比較例1a:10質量%)と分散せず、CNF量が5質量%では分散するものの分散液および塗膜のヘーズが高い(比較例1b)。酸素含有量が20%より多い比較例2のCNFは、溶媒での分散性はよいが、塗膜の表面抵抗が高くなった。また、酸素含有量が5%の比較例3のCNFは溶媒での分散性が劣り、分散液のヘーズおよび塗膜のヘーズが著しく高くなった。
【0032】
一方、A1〜A6のCNF(酸素含有量8〜20%)はCNF濃度40ppmに希釈した分散液のヘーズは0.6以下であり、またCNF含有量4.5質量%の塗膜のヘーズは2.2以下であって、CNFの分散性が良く、また表面抵抗(Ω/□)は5.6×106以下であり、高い導電性を有していた。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明のカーボンナノファイバーは、特に有機溶剤中に分散させた際に、高濃度でも均一に分散が可能である。さらに、このカーボンナノファイバーの分散液を利用した塗料組成物またはペースト組成物を用いることによって、優れた導電性を有する導電性塗膜を容易に形成することができるから、産業上利用が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化処理による酸素含有量が8〜20質量%であることを特徴とするカーボンナノファイバー。
【請求項2】
硝酸と硫酸の混酸中の硝酸濃度比が10〜30質量%の混酸を用い、100℃以上で酸化処理することによって酸素含有量を8〜20質量%に制御した請求項1に記載するカーボンナノファイバー。
【請求項3】
繊維径が1〜100nm、アスペクト比5以上、X線回折測定によるグラファイト層の[002]面の間隔が0.35nm以下である請求項1または請求項2に記載するカーボンナノファイバー。
【請求項4】
前記カーボンナノファイバーを圧密体にしたときの、圧密体の体積抵抗値が1.0Ω・cm以下である請求項1または請求項2に記載するカーボンナノファイバー。
【請求項5】
前記カーボンナノファイバーを圧密体にしたときの、圧密体の体積抵抗値が1.0Ω・cm以下である請求項3に記載するカーボンナノファイバー。
【請求項6】
繊維径は5〜50nmであり、繊維のアスペクト比は10〜1000であり、X線回折測定によるグラファイト層の[002]面の間隔は0.337〜0.345nmであり、圧密体を形成したときの圧密体の体積抵抗値は0.5Ω・cm以下であり、前記カーボンナノファイバーをXPS分析するとC−O結合のピーク定量値が2〜5%である請求項1または請求項2に記載するカーボンナノファイバー。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載するカーボンナノファイバーを、極性溶媒から選ばれた一種以上の分散媒に分散させてなるカーボンナノファイバー分散液。
【請求項8】
請求項3に記載するカーボンナノファイバー分散液と、バインダー成分とを含有する組成物。
【請求項9】
請求項1または請求項2に記載するカーボンナノファイバーを0.5〜8質量%、極性溶媒を32〜94.5質量%、バインダー成分を5〜60質量%含む組成物。
【請求項10】
請求項8に記載する組成物によって形成された導電性塗膜。

【公開番号】特開2013−83034(P2013−83034A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−217403(P2012−217403)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【出願人】(597065282)三菱マテリアル電子化成株式会社 (151)
【Fターム(参考)】