ガス栓の設置方法、及び、ガス栓の設置構造
【課題】ガス栓の設置を簡易に行うことができ、ガス栓を設置対象部に設置するための部材点数の低減を図り、構造の簡素化及びコストの低減を図ること。
【解決手段】ガス栓本体通過孔13が形成された固定部材8を備え、ガス栓本体3の外周部にガス栓側貫通位置調整部4が形成され、固定部材8のガス栓本体通過孔13の内周部にガス栓側貫通位置調整部4と係合自在な固定部材側貫通位置調整部14が形成され、ガス栓側貫通位置調整部4と固定部材側貫通位置調整部14との係合により固定部材8のガス栓本体通過孔13を貫通する貫通方向に移動自在にガス栓本体3を固定部材8に装着し、そのガス栓本体3が装着された固定部材8を設置対象部Sに形成される開口部S1に挿入させて設置対象部Sに固定部材8を固定させる。
【解決手段】ガス栓本体通過孔13が形成された固定部材8を備え、ガス栓本体3の外周部にガス栓側貫通位置調整部4が形成され、固定部材8のガス栓本体通過孔13の内周部にガス栓側貫通位置調整部4と係合自在な固定部材側貫通位置調整部14が形成され、ガス栓側貫通位置調整部4と固定部材側貫通位置調整部14との係合により固定部材8のガス栓本体通過孔13を貫通する貫通方向に移動自在にガス栓本体3を固定部材8に装着し、そのガス栓本体3が装着された固定部材8を設置対象部Sに形成される開口部S1に挿入させて設置対象部Sに固定部材8を固定させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁部やキッチン天板等の設置対象部に対して、ガス接続具を接続自在な接続部を有するガス栓本体を設置するガス栓の設置方法、及び、ガス栓の設置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなガス栓を設置対象部に設置する形態は、例えば、設置対象部をどこにするかによって変更されており、下記の2つがある。
1つ目は、部屋の壁部等を設置対象部とするものである。この場合には、壁部に形成される開口部にガス栓本体の接続部を臨ませてガス栓本体を壁部内に埋め込む形態でガス栓本体を壁部に取り付けて、埋込設置にてガス栓を設置している(例えば、特許文献1参照。)。
2つ目は、キッチン天板等を設置対象部とするものである。この場合には、ガス管とガス栓本体とを接続するジョイントをキッチン天板に形成されB07-0118の件る開口部を通して上下にキッチン天板を貫通させて配置して、キッチン天板よりも突出側(上方側)にガス栓本体を露出させる形態でガス栓本体をキッチン天板に取り付けて、露出設置にてガス栓を設置している(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
特許文献1に記載の埋込設置では、壁部内でガス栓本体を保持するスライド板と、壁部に形成された開口部に対して遠近方向にスライド板をスライド移動自在に保持するバックプレートと、壁部に形成された開口部を通して壁部内に挿入自在な凹状のカバー体と、そのカバー体の凹部内に挿入自在な着脱ユニットと、壁部の表面に取り付ける取付板と、その取付板を覆うプレートとが備えられている。この埋込設置での設置方法は、まず、壁部内において、バックプレートにより、ガス栓本体を保持したスライド板を開口部に対して遠近方向にスライド移動自在に取り付ける。そして、カバー体の凹部内に着脱ユニットを挿入させた状態でカバー体を壁部の開口部に挿入させ、カバー体の外側に配置させた取付板とスライド板とで着脱ユニットを挟み込む状態でネジの螺合によってカバー体、着脱ユニット及び取付板を固定する。このとき、ネジの螺合によってスライド板が開口部に近づく側にスライド移動するので、ガス栓本体の接続部が開口部に臨む遠近方向での所望位置にガス栓本体が固定され、最後に、取付板の外側にプレートを取り付けている。
【0004】
特許文献2に記載の露出設置では、キッチン天板の表面に取り付けるリング状の取付プレートと、キッチン天板の裏側に配置されて取付プレートとの間でキッチン天板を挟持するリング状のバックプレートとが備えられている。この露出設置での設置方法は、まず、ネジの螺合により、取付プレートとバックプレートとによりキッチン天板の開口部の周縁を上下から挟持させて、キッチン天板の表面に取付プレートを固定する。そして、キッチン天板の内部に配設されたガス管を開口部を通して取り出して、その取り出したガス管をジョイントを介してガス栓本体に接続し、そのガス栓本体をキッチン天板の表面の取付プレートに上方側から押し付けながら、ガス栓本体を回転させる。このガス栓本体の回転によって、ガス栓本体の係合爪と取付プレートの係合爪とを係合させて、取付プレートの上面にガス栓本体を固定させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−208948号公報
【特許文献2】特開平8−174438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の如く、設置対象部を壁部等とする埋込設置と、設置対象部をキッチン天板等とする露出設置とでは、その設置方法が異なっている。したがって、同じ部屋にガス栓を設置する場合でも、埋込設置するか露出設置するかによって、その設置方法も変えなければならず、ガス栓の設置が手間のかかるものとなっている。また、ガス栓を設置するための部材についても、埋込設置と露出設置との夫々について各別に用意しておく必要があり、部材点数の増加を招き、構造の複雑化及びコストアップに繋がっている。
【0007】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、ガス栓の設置を簡易に行うことができながら、ガス栓を設置対象部に設置するための部材点数の低減を図り、構造の簡素化及びコストの低減を図ることができるガス栓の設置方法、及び、ガス栓の設置構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明に係るガス栓の設置方法は、設置対象部に対して、ガス接続具を接続自在な接続部を有するガス栓本体を設置するガス栓の設置方法であって、その特徴構成は、ガス栓本体通過孔が形成された固定部材を備え、前記ガス栓本体の外周部にガス栓側貫通位置調整部が形成され、前記固定部材の前記ガス栓本体通過孔の内周部に前記ガス栓側貫通位置調整部に係合自在な固定部材側貫通位置調整部が形成され、前記ガス栓側貫通位置調整部と前記固定部材側貫通位置調整部との係合により前記固定部材の前記ガス栓本体通過孔を貫通する貫通方向に移動自在に前記ガス栓本体を前記固定部材に装着し、そのガス栓本体が装着された前記固定部材を前記設置対象部に形成される開口部に挿入させて前記設置対象部に前記固定部材を固定させる点にある。
【0009】
本発明に係るガス栓の設置方法では、ガス栓本体が貫通方向に移動自在に装着された固定部材を、開口部に挿入させて設置対象部に固定させているので、貫通方向が設置対象部の表裏方向となり、ガス栓側貫通位置調整部と固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整することで、設置対象部の表裏方向でのガス栓本体の位置を調整することができる。ガス栓本体を設置対象部内に埋め込む形態でガス栓本体を設置対象部に設置する埋込設置の場合には、ガス栓側貫通位置調整部と固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整することで、貫通方向(表裏方向)でのガス栓本体の位置を設置対象部内に埋め込む位置に調整することができる。ガス栓本体を設置対象部よりも突出側に露出させる形態でガス栓本体を設置対象部に設置する露出設置の場合にも、ガス栓側貫通位置調整部と固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整することで、貫通方向(表裏方向)でのガス栓本体の位置を設置対象部よりも突出側に露出させる位置に調整することができる。したがって、埋込設置の場合であっても、露出設置の場合であっても、ガス栓本体が貫通方向に移動自在に装着された固定部材を設置対象部に固定させて、ガス栓側貫通位置調整部と固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整するという共通の設置方法によって、貫通方向(表裏方向)で所望の位置にガス栓本体を設置することができる。そして、貫通方向(表裏方向)で所望の位置にガス栓本体を設置するに当たり、共通の固定部材を用いることができる。以上のことから、埋込設置の場合と露出設置の場合とにおいて、ガス栓の設置方法及びガス栓を設置するための部材について共通化を図ることで、ガス栓の設置を簡易に行うことができながら、構造の簡素化及びコストの低減を図ることができる。
【0010】
本発明に係るガス栓の設置方法にあっては、前記固定部材として、底部に前記ガス栓本体通過孔が形成された有底筒状の前記固定部材、筒内壁に前記ガス栓本体通過孔が形成された筒状の前記固定部材、又は筒内壁から内側に延びる延出部の内側端部に前記ガス栓本体通過孔が形成された筒状の前記固定部材の何れか1つを用いることが好ましい。
これにより、固定部材として任意の好ましい形状を採用しながら、ガス栓本体を、ガス栓本体通過孔を貫通する貫通方向に良好に移動させることができる。
【0011】
本発明に係るガス栓の取り付け方法では、前記ガス栓本体を前記設置対象部内に埋め込む形態で前記ガス栓本体を前記設置対象部に設置する埋込設置の場合には、前記ガス栓本体が装着された前記固定部材を前記設置対象部に固定した状態で、前記ガス栓側貫通位置調整部と前記固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整して前記貫通方向での前記ガス栓本体の位置を前記設置対象部内に埋め込む位置に調整し、前記固定部材に着脱ユニットを挿入させて取り付けた後、前記固定部材を覆うように第1プレートを取り付けると好適である。
【0012】
埋込設置の場合には、固定部材を設置対象部に固定した状態で、ガス栓側貫通位置調整部と固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整することで、貫通方向(表裏方向)でのガス栓本体の位置を設置対象部内に埋め込む位置に調整することができる。このように、埋込設置において貫通方向(表裏方向)で所望の位置にガス栓本体を設置すると、固定部材に着脱ユニットを挿入させて取り付けた後、固定部材を覆うように第1プレートを取り付けることで、埋込設置の形態でガス栓を適切に設置することができる。
【0013】
本発明に係るガス栓の取り付け方法では、前記ガス栓本体を前記設置対象部よりも突出側に露出させる形態で前記ガス栓本体を前記設置対象部に設置する露出設置の場合には、前記ガス栓本体が装着された前記固定部材を前記設置対象部に固定した状態で、前記ガス栓側貫通位置調整部と前記固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整して前記貫通方向での前記ガス栓本体の位置を前記設置対象部よりも突出側に露出させる位置に調整し、その露出する前記ガス栓本体に係合部を外嵌係合させて前記固定部材を覆うように第2プレートを取り付けると好適である。
【0014】
露出設置の場合には、固定部材を設置対象部に固定した状態で、ガス栓側貫通位置調整部と固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整することで、貫通方向(表裏方向)でのガス栓本体の位置を設置対象部よりも突出側に露出させる位置に調整することができる。露出設置において貫通方向(表裏方向)で所望の位置にガス栓本体を設置すると、露出するガス栓本体に係合部を外嵌係合させて固定部材を覆うように第2プレートを取り付けることで、露出設置の形態でガス栓を適切に設置することができる。しかも、第2プレートの係合部がガス栓本体に外嵌係合しているので、ガス栓本体が回転するのを防止することができ、貫通方向(表裏方向)で所望の位置から外れた位置にガス栓本体が移動するのを防止することができる。
【0015】
上記目的を達成するための本発明に係るガス栓の設置構造は、設置対象部に対して、ガス接続具を接続自在な接続部を有するガス栓本体を設置するガス栓の設置構造であって、その特徴構成は、前記ガス栓本体を外嵌自在なガス栓本体通過孔が形成された固定部材を備え、前記ガス栓本体の外周部にガス栓側貫通位置調整部が形成され、前記固定部材の前記ガス栓本体通過孔の内周部に前記ガス栓側貫通位置調整部に係合自在な固定部材側貫通位置調整部が形成され、前記ガス栓側貫通位置調整部と前記固定部材側貫通位置調整部との係合により前記固定部材を貫通する貫通方向に移動自在に前記ガス栓本体を前記固定部材に装着自在に構成され、そのガス栓本体が設置された前記固定部材を前記設置対象部に形成される開口部に挿入させて前記設置対象部に前記固定部材を固定自在に構成されている点にある。
【0016】
本発明に係るガス栓の設置構造の特徴構成によれば、上述の本発明に係るガス栓の設置方法でも述べた如く、埋込設置の場合であっても、露出設置の場合であっても、ガス栓本体が貫通方向に移動自在に装着された固定部材を設置対象部に固定させて、ガス栓側貫通位置調整部と固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整するという共通の設置方法によって、貫通方向(表裏方向)で所望の位置にガス栓本体を設置することができる。そして、貫通方向(表裏方向)で所望の位置にガス栓本体を設置するに当たり、共通の固定部材を用いることができる。したがって、埋込設置の場合と露出設置の場合とにおいて、ガス栓の設置方法及びガス栓を設置するための部材について共通化を図ることで、ガス栓の設置を簡易に行うことができながら、構造の簡素化及びコストの低減を図ることができる。
【0017】
本発明のガス栓の設置構造では、前記固定部材は、底部に前記ガス栓本体通過孔が形成された有底筒状、筒内壁に前記ガス栓本体通過孔が形成された筒状、及び筒内壁から内側に延びる延出部の内側端部に前記ガス栓本体通過孔が形成された筒状の何れか1つの形状を有することが好ましい。
これにより、固定部材として任意の好ましい形状を採用しながら、ガス栓本体を、ガス栓本体通過孔を貫通する貫通方向に良好に移動させることができる。
【0018】
本発明に係るガス栓の設置構造の更なる特徴構成は、前記固定部材の壁部に形成された貫通部を通した移動により前記固定部材内に収納される収納姿勢と前記固定部材の外部に突出する突出姿勢とに姿勢変更自在な固定板が、固定ネジに螺合された状態で前記固定部材に備えられ、前記固定部材は、前記固定板を前記収納姿勢として前記開口部に前記固定部材を挿入自在であり、且つ、前記開口部に前記固定部材を挿入した場合に前記固定板を前記突出姿勢として前記固定ネジの締め付けにより前記設置対象部に固定自在に構成されている点にある。
【0019】
本特徴構成によれば、固定部材は、固定板を収納姿勢として開口部に挿入自在であるので、固定板が邪魔になることなく、固定部材の開口部への挿入を簡易に行うことができる。しかも、固定部材は、開口部に挿入した場合に固定板を突出姿勢として固定ネジの締め付けにより設置対象部に固定自在であるので、固定板の姿勢を収納姿勢から突出姿勢に変更して固定ネジの締め付けを行うだけで、固定部材を設置対象部に適切に固定することができる。したがって、設置対象部への固定部材の固定を簡易に行うことができ、ガス栓の設置がより簡単に行えるものとなる。
【0020】
本発明に係るガス栓は、上述のガス栓の設置構造に用いるガス栓であって、外周部に前記ガス栓側貫通位置調整部が形成された前記ガス栓本体を備えている点にある。
【0021】
ガス栓は、外周部にガス栓側貫通位置調整部が形成されたガス栓本体を備えているので、上述のガス栓の設置構造にて述べた如く、そのガス栓を用いることで、埋込設置の場合と露出設置の場合とにおいて、ガス栓の設置方法及びガス栓を設置するための部材について共通化を図ることで、ガス栓の設置を簡易に行うことができながら、構造の簡素化及びコストの低減を図ることができる。
【0022】
本発明に係るガス栓の更なる特徴構成は、前記ガス栓本体は、直線状に設けている点にある。
【0023】
例えば、ガス栓本体がL字状に設けているものでは、ガス栓本体のうち、固定部材の底部を貫通する部位が、固定部材の横側に飛び出してしまう。よって、固定部材を開口部に挿入する際に、固定部材を斜めに傾ける等の作業を行わなければならず、固定部材を設置対象部の開口部に挿入する作業が手間のかかるものとなる。また、開口部の開口面積も、L字状のガス栓本体が挿入できるだけの大きさを確保しなければならず、開口部の開口面積が大きくなってしまう。
そこで、本特徴構成によれば、ガス栓本体を直線状とすることで、ガス栓本体のうち、固定部材の底部を貫通する部位は、固定部材から横側に飛び出すことがなくなる。したがって、固定部材を単純に開口部に挿入させるだけで、固定部材を設置対象部の開口部に挿入することができ、しかも、開口部の開口面積も極力小さいものとすることができる。
更に、ガス栓本体を直線状とすることで、ガス栓を設置する場合に、ガス栓本体に接続するガス配管と同軸にガス栓を設置することが可能となり、設置スペースの縮小を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】ガス栓本体と固定部材とを分解した斜視図
【図2】ガス栓本体を固定部材に装着した断面図
【図3】ガス栓本体を固定部材に装着した正面図
【図4】ガス栓本体が装着された固定部材を設置対象部の開口部に挿入する際の斜視図
【図5】ガス栓本体が装着された固定部材を設置対象部の開口部に挿入した断面図
【図6】埋込設置の手順を示す断面図
【図7】ガス栓本体が装着された固定部材を設置対象部の開口部に挿入した正面図
【図8】埋込設置の手順を示す斜視図
【図9】埋込設置にてガス栓を設置した水平断面図
【図10】埋込設置にてガス栓を設置した水平断面図
【図11】露出設置の手順を示す断面図
【図12】露出設置の手順を示す斜視図
【図13】露出設置にてガス栓を設置した縦断面図
【図14】別実施形態を示す断面図
【図15】別実施形態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に係るガス栓の設置方法及びガス栓の設置構造の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態におけるガスコンセントとしてのガス栓1の設置方法及び設置構造は、図8〜図10、並びに、図12及び図13に示すように、壁部Saやキッチン天板Sb等の設置対象部Sに対して、固定部材8を用いて、ガス接続具Gを接続自在な接続部2を有するガス栓本体3を取り付けるものである。図8は、ガス栓1を壁部Saに設置する過程での斜視図を示しており、図9及び図10は、ガス栓1を壁部Saに設置した状態での下方視の水平断面図を示している。図12は、ガス栓1をキッチン天板Sbに設置する過程での斜視図を示しており、図13は、ガス栓1をキッチン天板Sbに設置した状態での縦断面図を示している。
【0026】
ガス栓1を設置対象部Sに設置する形態としては、次の2つがある。1つ目は、図8〜図10に示すように、設置対象部Sを部屋の壁部Sa等として、ガス栓本体3を設置対象部S内に埋め込む形態でガス栓本体3を設置対象部Sに設置する埋込設置である。2つ目は、図12及び図13に示すように、設置対象部Sをキッチン天板Sb等として、ガス栓本体3を設置対象部Sよりも突出側に露出させる形態でガス栓本体3を設置対象部Sに設置する露出設置である。
【0027】
本実施形態におけるガス栓1の設置方法及び設置構造では、埋込設置の場合と露出設置の場合とにおいて、ガス栓1の設置方法及びガス栓1を設置するための部材について共通化を図ることで、ガス栓1の設置を簡易に行うことができながら、構造の簡素化及びコストの低減を図るようにしている。
【0028】
ガス栓1は、図1〜図3に示すように、円筒直線状のガス栓本体3を備えている。図1は、ガス栓本体3と固定部材8とを分解した斜視図を示しており、図2は、ガス栓本体3を固定部材8に装着した断面図を示しており、図3は、ガス栓本体3を固定部材8に装着した正面図を示している。ガス栓本体3の一端部位には、ガス接続具Gを接続する接続部2が形成されており、ガス栓本体3の他端部位には、ガス栓本体3の外周部にガス栓側ネジ部4(ガス栓側貫通位置調整部に相当する)が形成されている。ガス栓本体3において接続部2とガス栓側ネジ部4との間の中間部位5は、接続部2よりも大径でその外径形状が多角形(例えば8角形)に形成されている。
【0029】
ガス栓本体3は、図4及び図5に示すように、その他端部に設置対象部S内に配管されたフレキ管等のガス管6をガス管継手7により接続して、設置対象部Sに設置するようにしている。ガス栓本体3を設置対象部Sに設置した状態において、図10及び図13に示すように、ガス機器へのガス供給管が接続されたガス接続具Gを接続部2に外嵌接続させることで、ガス接続具Gの先端にある進退筒G1が進出して接続がロックされ、ガス栓本体3内に設けられた開閉弁(図示せず)が開弁して、ガス管6からのガスがガス栓本体3を介してガス接続具G側へ流入して、ガス機器へのガス供給を行うようにしている。
【0030】
図1〜図3に示すように、ガス栓本体3を設置対象部Sに設置するための部材として、固定部材8が備えられている。固定部材8は、ほぼ円形の凹部9を有する有底筒状に形成されており、その底部が内側へ凹入する形状に形成されている。固定部材8は、外周壁を形成する4つの外壁部10と底壁部を形成する外底壁部11を備え、外壁部10の端部には、外側へ突出するフランジ部12が連設されている。
【0031】
固定部材8の外底壁部11には、その中央部にガス栓本体通過孔13が形成されており、そのガス栓本体通過孔13の内周部に固定部材側ネジ部14(固定部材側貫通位置調整部に相当する)が形成されている。これにより、ガス栓本体3の外周部に形成されたガス栓側ネジ部4と固定部材8の固定部材側ネジ部14とを螺合させて、固定部材8のガス栓本体通過孔13を貫通する貫通方向(図中X方向)に移動自在にガス栓本体3を固定部材8に装着自在に構成されている。
【0032】
固定部材8には、上方側と下方側との夫々に、固定ネジ15に螺合された固定板16が備えられている。固定部材8の外壁部10のうち、上壁部と下壁部には、平面視でほぼT字状の貫通部17(図1参照)が形成されており、フランジ部12に形成された切欠部18に係合された固定ネジ15が、貫通部17を貫通する状態で設けられている。固定板16は、固定ネジ15に螺合された状態で、貫通部17を通して凹部9の内部と外部とを移動自在に設けられている。固定板16は、貫通部17を通した移動により固定部材8(凹部9)内に収納される収納姿勢(図5中実線)と固定部材8(凹部9)の外部に突出する突出姿勢(図5中点線)とに姿勢変更自在に構成されている。
【0033】
固定部材8は、固定板16を収納姿勢として、設置対象部Sに形成された円形状の開口部S1に挿入自在である。固定部材8は、図5中一点鎖線及び図6に示すように、開口部S1に挿入した場合に、固定板16を突出姿勢として固定ネジ15の締め付けにより設置対象部Sに固定自在に構成されている。また、固定部材8のフランジ部12の4隅には、ネジ挿通孔21が形成されており、このネジ挿通孔21を通してネジNの締め付けを行うようにしている。
【0034】
以下、ガス栓1を設置対象部Sに設置する設置方法の手順について説明する。
ガス栓1の設置形態は、埋込設置と露出設置とがあるが、埋込設置であっても露出設置であっても、共通の手順により、ガス栓本体3を装着した固定部材8を設置対象部Sに固定しているので、まず、この共通の手順について説明する。
【0035】
(埋込設置と露出設置で共通の手順)
まず、図1及び図2に示すように、ガス栓本体3を回転させて、ガス栓側ネジ部4と固定部材8の固定部材側ネジ部14とを螺合させ、固定部材8のガス栓本体通過孔13を貫通する貫通方向(図2中X方向)に移動自在にガス栓本体3を固定部材8に装着する。このとき、貫通方向(図2中X方向)でのガス栓本体3の位置は適宜変更することができるが、図2及び図5では、埋込設置での所望位置と露出設置での所望位置との間にガス栓本体3を位置させた状態を示している。そして、図4に示すように、設置対象部Sに形成された開口部S1を通して設置対象部S内に配管されたガス管6を取り出して、そのガス管6にガス管継手7を接続し、ガス管継手7によりガス管6を固定部材8に装着されたガス栓本体3に接続する。
【0036】
次に、図5に示すように、固定板16を収納姿勢(図5中実線)として、ガス栓本体3が装着された固定部材8を設置対象部Sの開口部S1に挿入させる。そして、固定板16を突出姿勢(図5中一点鎖線)として、図6及び図7に示すように、固定ネジ15の締め付けにより固定ネジ15の頭部と固定板16とで設置対象部Sを挟み込んで設置対象部Sに固定部材8を固定させる。また、ネジ挿通孔21を通してネジNの締め付けも行っている。
【0037】
このようにして、設置対象部Sに対して、貫通方向(図中X方向)に移動自在にガス栓本体3が装着された固定部材8を固定している。ガス栓1の設置形態は、上述の如く、埋込設置の場合と露出設置の場合とがあるが、設置対象部Sに対するガス栓本体3が装着された固定部材8の設置については、埋込設置の場合も露出設置の場合も同様の設置方法であり、しかも、同様の固定部材8を用いている。したがって、埋込設置の場合と露出設置の場合とにおいて、ガス栓1の設置方法及びガス栓1を設置するための部材について共通化を図ることができる。
【0038】
ガス栓本体3が装着された固定部材8を設置対象部Sに固定した後の手順が、埋込設置の場合と露出設置の場合とで多少異なるので、以下、その手順について説明する。
【0039】
(埋込設置の手順)
埋込設置の場合には、ガス栓本体3が装着された固定部材8を設置対象部S(壁部Sa)に固定すると、図6に示すように、ガス栓本体3を回転させて貫通方向(図中X方向)でのガス栓本体3の位置を設置対象部S(壁部Sa)内に埋め込む位置に調整する。このようにして、ガス栓本体3を回転させることで、埋込設置において貫通方向(設置対象部Sの表裏方向、図中X方向)で所望の位置にガス栓本体を設置するようにしている。ここで、ガス管継手7は、ガス管6とガス栓本体3とを相対回転自在に接続しており、ガス栓本体3を回転させる場合には、ガス管6に対してガス栓本体3が回転するだけで、ガス管6は回転しない。そして、埋込設置において貫通方向(表裏方向、図中X方向)で所望の位置にガス栓本体3を設置すると、図8に示すように、固定部材8(凹部9)に着脱ユニットYを挿入させて取り付けた後、固定部材8を覆うように第1プレートPを取り付けている。
【0040】
着脱ユニットYは、正面視においてほぼ矩形状に形成されており、その表側に開閉自在な蓋Y1を備え、その裏側の横幅方向の両端部の夫々に、ボルト挿通孔を有するボルト挿通用脚部Y2が突設されている。固定部材8に着脱ユニットYを取り付ける場合には、固定部材8(凹部9)に着脱ユニットYを挿入させて、着脱ユニット取付ネジ19をボルト挿通用脚部Y2を貫通させて固定部材8の外底壁部11に形成された螺合用のネジ孔20(図3及び図7参照)に螺合させることで、着脱ユニットYを固定部材8に固定している。第1プレートPは、その中央部に矩形状の窓孔P1が形成されている。第1プレートPは、固定部材8(凹部9)に挿入された着脱ユニットYと凹部9の内壁部との隙間に裏側に突出する嵌合部(図示省略)を嵌め込んで、窓孔P1内に着脱ユニットYの蓋Y1を配置させる状態で、固定部材8を覆うように設置している。
【0041】
図9及び図10は、埋込設置にてガス栓1の設置が完了した状態での下方視の水平断面図を示している。この図9及び図10に基づいて、着脱ユニットYの構成について説明するが、着脱ユニットYの構成については既に公知であるので、簡単に説明する。
着脱ユニットYは、閉状態(図9参照)と開状態(図10参照)とに回転自在な蓋Y1を備えており、その蓋Y1に形成されたスライドピンY3が設置対象部Sの表裏方向(固定部材8のガス栓本体通過孔13を貫通方向、図中X方向)に沿うスライド溝Y4に係合されている。蓋Y1は、スライドピンY3がスライド溝Y4に係合した状態で、スライドピンY3周りで回転自在であるとともに、開状態(図10参照)において、設置対象部Sの表裏方向(固定部材8のガス栓本体通過孔13を貫通方向、図中X方向)の裏側に押し込み移動自在に備えられている。図10は、蓋Y1が開状態において設置対象部Sの表裏方向の裏側に押し込み移動された状態を示している。また、着脱ユニットYには、蓋Y1を閉状態(図9参照)に復
帰するように付勢する付勢バネY5、及び、蓋Y1の押し込み移動に伴って揺動自在な揺動レバーY6も備えられている。
【0042】
設置対象部Sである壁部Saに設置されたガス栓本体3に、ガス機器へのガス供給管が接続されたガス接続具Gを接続する際には、閉状態(図9参照)である蓋Y1を回転させて開状態(図10参照)として、固定部材8の凹部9にガス接続具Gを挿入してガス接続具Gを接続部2に外嵌接続させることで、ガス接続具Gの先端にある進退筒G1が進出して接続がロックされる。ガス栓本体3からガス接続具Gを取り外す際には、開状態(図10参照)となっている蓋Y1を押し込み移動させて蓋Y1にて揺動レバーY6を押圧し、その押圧によって揺動レバーY6が揺動されてガス接続具Gの進退筒G1を引退側に押圧する。これにより、進退筒G1が引退側に移動して接続のロックが解除され、ガス接続具Gを固定部材8の凹部9から引き出してガス栓本体3を取り外すようにしている。
【0043】
(露出設置の手順)
露出設置の場合には、ガス栓本体3が装着された固定部材8を設置対象部S(キッチン天板Sb)に固定すると、図11に示すように、ガス栓本体3を回転させて貫通方向(図中X方向)でのガス栓本体3の位置を設置対象部S(キッチン天板Sb)よりも突出側(上方側)に露出させる位置に調整する。このようにして、ガス栓本体3を回転させることで、露出設置において貫通方向(表裏方向、図中X方向)で所望の位置にガス栓本体を設置するようにしている。そして、露出設置において貫通方向(表裏方向)で所望の位置にガス栓本体3を設置すると、図12に示すように、その露出するガス栓本体3に係合部Q1を外嵌係合させて固定部材8を覆うように第2プレートQを取り付けている。第2プレートQは、その中央部に係合部Q1が形成されており、その係合部Q1は、ガス栓本体3の中間部位5の外形形状と同様の形状に形成されており、例えば、多角形(例えば8角形)に形成されている。係合部Q1がガス栓本体3に外嵌係合することで、ガス栓本体3が回転されることを防止している。第2プレートQは、固定部材8(凹部9)に挿入された着脱ユニットYと凹部9の内壁部との隙間に裏側に延設された嵌合部(図示省略)を嵌め込んで、固定部材8を覆うように設置している。
【0044】
図13は、露出設置にてガス栓1の設置が完了した状態での断面図を示している。このように、設置対象部Sから突出側に露出する形態でガス栓本体3が設置されているので、その露出するガス栓本体3の接続部2に対してガス接続具Gを接続することができる。
【0045】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、ガス栓本体3を直線状に形成したが、例えば、ガス栓本体3をL字状に形成することもでき、各種の形状に適応することができる。
【0046】
(2)上記実施形態では、ガス栓本体3とガス管6との接続について、固定部材8に装着されたガス栓本体3を、ガス管継手7によりガス管6を接続しているが、例えば、ガス栓本体3にガス管継手7によりガス管6を接続したのち、固定部材8を回転させて、ガス栓側ネジ部4と固定部材8の固定部材側ネジ部14とを螺合させ、貫通方向に移動自在にガス栓本体3を固定部材8に装着することもできる。
【0047】
(3)上記実施形態では、ガス栓側貫通位置調整部及び固定部材側貫通位置調整部の両者をネジ部にて構成しているが、この構成に限らず、例えば、固定部材に対してガス栓本体を貫通方向に押し込み操作及び引き出し操作を行うことで、ガス栓側貫通位置調整部と固定部材側貫通位置調整部との係合位置を貫通方向に調整して、貫通方向でのガス栓本体の位置を調整自在にガス栓側貫通位置調整部と固定部材側貫通位置調整部とを係合させることもできる。
【0048】
(4)上記実施形態では、固定部材8は、図1に示すように、ほぼ円形の凹部9を有する有底筒状に形成されており、外周壁を形成する4つの外壁部10と底壁部を形成する外底壁部11を備え、当該外底壁部11には、その中央部にガス栓本体通過孔13が形成されており、そのガス栓本体通過孔13の内周部に固定部材側ネジ部14(固定部材側貫通位置調整部に相当する)が形成さているものを、例に説明した。
しかしながら、固定部材8は、その固定部材側ネジ部14にガス栓本体3のガス栓側ネジ部4を係合させて、ガス栓本体通過孔13を貫通する貫通方向でガス栓本体3を移動可能な状態で、設置対象部Sに固定可能であれば、どのような構成のものも採用することができる。
例えば、固定部材8は、図14に示すように、その外周壁を形成する外壁部10(筒内壁の一例)の内側をガス栓本体通過孔13とし、その内周部に固定部材側ネジ部14を設ける構成を採用しても構わない。この場合、ガス栓本体3は、図14に示すように、大径部3aを設け、当該大径部3aの外周部にガス栓側ネジ部4を設けることとなる。
他の例として、固定部材8は、図15に示すように、その外周壁を形成する外壁部10(筒内壁の一例)から内側へ延びる延出部10aを備え、当該延出部10aの内側端部をガス栓本体通過孔13とし、当該ガス栓本体通過孔13に固定部材側ネジ部14を設ける構成を採用しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、設置対象部に対して、ガス接続具を接続自在な接続部を有するガス栓本体を設置するガス栓の設置方法及びガス栓の設置構造において、ガス栓の設置を簡易に行うことができながら、ガス栓を設置対象部に設置するための部材点数の低減を図り、構造の簡素化及びコストの低減を図ることができる各種のガス栓の設置方法及びガス栓の設置構造に適応可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 ガス栓
2 接続部
3 ガス栓本体
4 ガス栓側ネジ部(ガス栓側貫通位置調整部)
8 固定部材
13 ガス栓本体通過孔
14 固定部材側ネジ部(固定部材側貫通位置調整部)
15 固定ネジ
16 固定板
17 貫通部
S 設置対象部
S1 開口部
G ガス接続具
Y 着脱ユニット
P 第1プレート
Q 第2プレート
Q1 係合部
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁部やキッチン天板等の設置対象部に対して、ガス接続具を接続自在な接続部を有するガス栓本体を設置するガス栓の設置方法、及び、ガス栓の設置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなガス栓を設置対象部に設置する形態は、例えば、設置対象部をどこにするかによって変更されており、下記の2つがある。
1つ目は、部屋の壁部等を設置対象部とするものである。この場合には、壁部に形成される開口部にガス栓本体の接続部を臨ませてガス栓本体を壁部内に埋め込む形態でガス栓本体を壁部に取り付けて、埋込設置にてガス栓を設置している(例えば、特許文献1参照。)。
2つ目は、キッチン天板等を設置対象部とするものである。この場合には、ガス管とガス栓本体とを接続するジョイントをキッチン天板に形成されB07-0118の件る開口部を通して上下にキッチン天板を貫通させて配置して、キッチン天板よりも突出側(上方側)にガス栓本体を露出させる形態でガス栓本体をキッチン天板に取り付けて、露出設置にてガス栓を設置している(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
特許文献1に記載の埋込設置では、壁部内でガス栓本体を保持するスライド板と、壁部に形成された開口部に対して遠近方向にスライド板をスライド移動自在に保持するバックプレートと、壁部に形成された開口部を通して壁部内に挿入自在な凹状のカバー体と、そのカバー体の凹部内に挿入自在な着脱ユニットと、壁部の表面に取り付ける取付板と、その取付板を覆うプレートとが備えられている。この埋込設置での設置方法は、まず、壁部内において、バックプレートにより、ガス栓本体を保持したスライド板を開口部に対して遠近方向にスライド移動自在に取り付ける。そして、カバー体の凹部内に着脱ユニットを挿入させた状態でカバー体を壁部の開口部に挿入させ、カバー体の外側に配置させた取付板とスライド板とで着脱ユニットを挟み込む状態でネジの螺合によってカバー体、着脱ユニット及び取付板を固定する。このとき、ネジの螺合によってスライド板が開口部に近づく側にスライド移動するので、ガス栓本体の接続部が開口部に臨む遠近方向での所望位置にガス栓本体が固定され、最後に、取付板の外側にプレートを取り付けている。
【0004】
特許文献2に記載の露出設置では、キッチン天板の表面に取り付けるリング状の取付プレートと、キッチン天板の裏側に配置されて取付プレートとの間でキッチン天板を挟持するリング状のバックプレートとが備えられている。この露出設置での設置方法は、まず、ネジの螺合により、取付プレートとバックプレートとによりキッチン天板の開口部の周縁を上下から挟持させて、キッチン天板の表面に取付プレートを固定する。そして、キッチン天板の内部に配設されたガス管を開口部を通して取り出して、その取り出したガス管をジョイントを介してガス栓本体に接続し、そのガス栓本体をキッチン天板の表面の取付プレートに上方側から押し付けながら、ガス栓本体を回転させる。このガス栓本体の回転によって、ガス栓本体の係合爪と取付プレートの係合爪とを係合させて、取付プレートの上面にガス栓本体を固定させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−208948号公報
【特許文献2】特開平8−174438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の如く、設置対象部を壁部等とする埋込設置と、設置対象部をキッチン天板等とする露出設置とでは、その設置方法が異なっている。したがって、同じ部屋にガス栓を設置する場合でも、埋込設置するか露出設置するかによって、その設置方法も変えなければならず、ガス栓の設置が手間のかかるものとなっている。また、ガス栓を設置するための部材についても、埋込設置と露出設置との夫々について各別に用意しておく必要があり、部材点数の増加を招き、構造の複雑化及びコストアップに繋がっている。
【0007】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、ガス栓の設置を簡易に行うことができながら、ガス栓を設置対象部に設置するための部材点数の低減を図り、構造の簡素化及びコストの低減を図ることができるガス栓の設置方法、及び、ガス栓の設置構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明に係るガス栓の設置方法は、設置対象部に対して、ガス接続具を接続自在な接続部を有するガス栓本体を設置するガス栓の設置方法であって、その特徴構成は、ガス栓本体通過孔が形成された固定部材を備え、前記ガス栓本体の外周部にガス栓側貫通位置調整部が形成され、前記固定部材の前記ガス栓本体通過孔の内周部に前記ガス栓側貫通位置調整部に係合自在な固定部材側貫通位置調整部が形成され、前記ガス栓側貫通位置調整部と前記固定部材側貫通位置調整部との係合により前記固定部材の前記ガス栓本体通過孔を貫通する貫通方向に移動自在に前記ガス栓本体を前記固定部材に装着し、そのガス栓本体が装着された前記固定部材を前記設置対象部に形成される開口部に挿入させて前記設置対象部に前記固定部材を固定させる点にある。
【0009】
本発明に係るガス栓の設置方法では、ガス栓本体が貫通方向に移動自在に装着された固定部材を、開口部に挿入させて設置対象部に固定させているので、貫通方向が設置対象部の表裏方向となり、ガス栓側貫通位置調整部と固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整することで、設置対象部の表裏方向でのガス栓本体の位置を調整することができる。ガス栓本体を設置対象部内に埋め込む形態でガス栓本体を設置対象部に設置する埋込設置の場合には、ガス栓側貫通位置調整部と固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整することで、貫通方向(表裏方向)でのガス栓本体の位置を設置対象部内に埋め込む位置に調整することができる。ガス栓本体を設置対象部よりも突出側に露出させる形態でガス栓本体を設置対象部に設置する露出設置の場合にも、ガス栓側貫通位置調整部と固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整することで、貫通方向(表裏方向)でのガス栓本体の位置を設置対象部よりも突出側に露出させる位置に調整することができる。したがって、埋込設置の場合であっても、露出設置の場合であっても、ガス栓本体が貫通方向に移動自在に装着された固定部材を設置対象部に固定させて、ガス栓側貫通位置調整部と固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整するという共通の設置方法によって、貫通方向(表裏方向)で所望の位置にガス栓本体を設置することができる。そして、貫通方向(表裏方向)で所望の位置にガス栓本体を設置するに当たり、共通の固定部材を用いることができる。以上のことから、埋込設置の場合と露出設置の場合とにおいて、ガス栓の設置方法及びガス栓を設置するための部材について共通化を図ることで、ガス栓の設置を簡易に行うことができながら、構造の簡素化及びコストの低減を図ることができる。
【0010】
本発明に係るガス栓の設置方法にあっては、前記固定部材として、底部に前記ガス栓本体通過孔が形成された有底筒状の前記固定部材、筒内壁に前記ガス栓本体通過孔が形成された筒状の前記固定部材、又は筒内壁から内側に延びる延出部の内側端部に前記ガス栓本体通過孔が形成された筒状の前記固定部材の何れか1つを用いることが好ましい。
これにより、固定部材として任意の好ましい形状を採用しながら、ガス栓本体を、ガス栓本体通過孔を貫通する貫通方向に良好に移動させることができる。
【0011】
本発明に係るガス栓の取り付け方法では、前記ガス栓本体を前記設置対象部内に埋め込む形態で前記ガス栓本体を前記設置対象部に設置する埋込設置の場合には、前記ガス栓本体が装着された前記固定部材を前記設置対象部に固定した状態で、前記ガス栓側貫通位置調整部と前記固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整して前記貫通方向での前記ガス栓本体の位置を前記設置対象部内に埋め込む位置に調整し、前記固定部材に着脱ユニットを挿入させて取り付けた後、前記固定部材を覆うように第1プレートを取り付けると好適である。
【0012】
埋込設置の場合には、固定部材を設置対象部に固定した状態で、ガス栓側貫通位置調整部と固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整することで、貫通方向(表裏方向)でのガス栓本体の位置を設置対象部内に埋め込む位置に調整することができる。このように、埋込設置において貫通方向(表裏方向)で所望の位置にガス栓本体を設置すると、固定部材に着脱ユニットを挿入させて取り付けた後、固定部材を覆うように第1プレートを取り付けることで、埋込設置の形態でガス栓を適切に設置することができる。
【0013】
本発明に係るガス栓の取り付け方法では、前記ガス栓本体を前記設置対象部よりも突出側に露出させる形態で前記ガス栓本体を前記設置対象部に設置する露出設置の場合には、前記ガス栓本体が装着された前記固定部材を前記設置対象部に固定した状態で、前記ガス栓側貫通位置調整部と前記固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整して前記貫通方向での前記ガス栓本体の位置を前記設置対象部よりも突出側に露出させる位置に調整し、その露出する前記ガス栓本体に係合部を外嵌係合させて前記固定部材を覆うように第2プレートを取り付けると好適である。
【0014】
露出設置の場合には、固定部材を設置対象部に固定した状態で、ガス栓側貫通位置調整部と固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整することで、貫通方向(表裏方向)でのガス栓本体の位置を設置対象部よりも突出側に露出させる位置に調整することができる。露出設置において貫通方向(表裏方向)で所望の位置にガス栓本体を設置すると、露出するガス栓本体に係合部を外嵌係合させて固定部材を覆うように第2プレートを取り付けることで、露出設置の形態でガス栓を適切に設置することができる。しかも、第2プレートの係合部がガス栓本体に外嵌係合しているので、ガス栓本体が回転するのを防止することができ、貫通方向(表裏方向)で所望の位置から外れた位置にガス栓本体が移動するのを防止することができる。
【0015】
上記目的を達成するための本発明に係るガス栓の設置構造は、設置対象部に対して、ガス接続具を接続自在な接続部を有するガス栓本体を設置するガス栓の設置構造であって、その特徴構成は、前記ガス栓本体を外嵌自在なガス栓本体通過孔が形成された固定部材を備え、前記ガス栓本体の外周部にガス栓側貫通位置調整部が形成され、前記固定部材の前記ガス栓本体通過孔の内周部に前記ガス栓側貫通位置調整部に係合自在な固定部材側貫通位置調整部が形成され、前記ガス栓側貫通位置調整部と前記固定部材側貫通位置調整部との係合により前記固定部材を貫通する貫通方向に移動自在に前記ガス栓本体を前記固定部材に装着自在に構成され、そのガス栓本体が設置された前記固定部材を前記設置対象部に形成される開口部に挿入させて前記設置対象部に前記固定部材を固定自在に構成されている点にある。
【0016】
本発明に係るガス栓の設置構造の特徴構成によれば、上述の本発明に係るガス栓の設置方法でも述べた如く、埋込設置の場合であっても、露出設置の場合であっても、ガス栓本体が貫通方向に移動自在に装着された固定部材を設置対象部に固定させて、ガス栓側貫通位置調整部と固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整するという共通の設置方法によって、貫通方向(表裏方向)で所望の位置にガス栓本体を設置することができる。そして、貫通方向(表裏方向)で所望の位置にガス栓本体を設置するに当たり、共通の固定部材を用いることができる。したがって、埋込設置の場合と露出設置の場合とにおいて、ガス栓の設置方法及びガス栓を設置するための部材について共通化を図ることで、ガス栓の設置を簡易に行うことができながら、構造の簡素化及びコストの低減を図ることができる。
【0017】
本発明のガス栓の設置構造では、前記固定部材は、底部に前記ガス栓本体通過孔が形成された有底筒状、筒内壁に前記ガス栓本体通過孔が形成された筒状、及び筒内壁から内側に延びる延出部の内側端部に前記ガス栓本体通過孔が形成された筒状の何れか1つの形状を有することが好ましい。
これにより、固定部材として任意の好ましい形状を採用しながら、ガス栓本体を、ガス栓本体通過孔を貫通する貫通方向に良好に移動させることができる。
【0018】
本発明に係るガス栓の設置構造の更なる特徴構成は、前記固定部材の壁部に形成された貫通部を通した移動により前記固定部材内に収納される収納姿勢と前記固定部材の外部に突出する突出姿勢とに姿勢変更自在な固定板が、固定ネジに螺合された状態で前記固定部材に備えられ、前記固定部材は、前記固定板を前記収納姿勢として前記開口部に前記固定部材を挿入自在であり、且つ、前記開口部に前記固定部材を挿入した場合に前記固定板を前記突出姿勢として前記固定ネジの締め付けにより前記設置対象部に固定自在に構成されている点にある。
【0019】
本特徴構成によれば、固定部材は、固定板を収納姿勢として開口部に挿入自在であるので、固定板が邪魔になることなく、固定部材の開口部への挿入を簡易に行うことができる。しかも、固定部材は、開口部に挿入した場合に固定板を突出姿勢として固定ネジの締め付けにより設置対象部に固定自在であるので、固定板の姿勢を収納姿勢から突出姿勢に変更して固定ネジの締め付けを行うだけで、固定部材を設置対象部に適切に固定することができる。したがって、設置対象部への固定部材の固定を簡易に行うことができ、ガス栓の設置がより簡単に行えるものとなる。
【0020】
本発明に係るガス栓は、上述のガス栓の設置構造に用いるガス栓であって、外周部に前記ガス栓側貫通位置調整部が形成された前記ガス栓本体を備えている点にある。
【0021】
ガス栓は、外周部にガス栓側貫通位置調整部が形成されたガス栓本体を備えているので、上述のガス栓の設置構造にて述べた如く、そのガス栓を用いることで、埋込設置の場合と露出設置の場合とにおいて、ガス栓の設置方法及びガス栓を設置するための部材について共通化を図ることで、ガス栓の設置を簡易に行うことができながら、構造の簡素化及びコストの低減を図ることができる。
【0022】
本発明に係るガス栓の更なる特徴構成は、前記ガス栓本体は、直線状に設けている点にある。
【0023】
例えば、ガス栓本体がL字状に設けているものでは、ガス栓本体のうち、固定部材の底部を貫通する部位が、固定部材の横側に飛び出してしまう。よって、固定部材を開口部に挿入する際に、固定部材を斜めに傾ける等の作業を行わなければならず、固定部材を設置対象部の開口部に挿入する作業が手間のかかるものとなる。また、開口部の開口面積も、L字状のガス栓本体が挿入できるだけの大きさを確保しなければならず、開口部の開口面積が大きくなってしまう。
そこで、本特徴構成によれば、ガス栓本体を直線状とすることで、ガス栓本体のうち、固定部材の底部を貫通する部位は、固定部材から横側に飛び出すことがなくなる。したがって、固定部材を単純に開口部に挿入させるだけで、固定部材を設置対象部の開口部に挿入することができ、しかも、開口部の開口面積も極力小さいものとすることができる。
更に、ガス栓本体を直線状とすることで、ガス栓を設置する場合に、ガス栓本体に接続するガス配管と同軸にガス栓を設置することが可能となり、設置スペースの縮小を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】ガス栓本体と固定部材とを分解した斜視図
【図2】ガス栓本体を固定部材に装着した断面図
【図3】ガス栓本体を固定部材に装着した正面図
【図4】ガス栓本体が装着された固定部材を設置対象部の開口部に挿入する際の斜視図
【図5】ガス栓本体が装着された固定部材を設置対象部の開口部に挿入した断面図
【図6】埋込設置の手順を示す断面図
【図7】ガス栓本体が装着された固定部材を設置対象部の開口部に挿入した正面図
【図8】埋込設置の手順を示す斜視図
【図9】埋込設置にてガス栓を設置した水平断面図
【図10】埋込設置にてガス栓を設置した水平断面図
【図11】露出設置の手順を示す断面図
【図12】露出設置の手順を示す斜視図
【図13】露出設置にてガス栓を設置した縦断面図
【図14】別実施形態を示す断面図
【図15】別実施形態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に係るガス栓の設置方法及びガス栓の設置構造の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態におけるガスコンセントとしてのガス栓1の設置方法及び設置構造は、図8〜図10、並びに、図12及び図13に示すように、壁部Saやキッチン天板Sb等の設置対象部Sに対して、固定部材8を用いて、ガス接続具Gを接続自在な接続部2を有するガス栓本体3を取り付けるものである。図8は、ガス栓1を壁部Saに設置する過程での斜視図を示しており、図9及び図10は、ガス栓1を壁部Saに設置した状態での下方視の水平断面図を示している。図12は、ガス栓1をキッチン天板Sbに設置する過程での斜視図を示しており、図13は、ガス栓1をキッチン天板Sbに設置した状態での縦断面図を示している。
【0026】
ガス栓1を設置対象部Sに設置する形態としては、次の2つがある。1つ目は、図8〜図10に示すように、設置対象部Sを部屋の壁部Sa等として、ガス栓本体3を設置対象部S内に埋め込む形態でガス栓本体3を設置対象部Sに設置する埋込設置である。2つ目は、図12及び図13に示すように、設置対象部Sをキッチン天板Sb等として、ガス栓本体3を設置対象部Sよりも突出側に露出させる形態でガス栓本体3を設置対象部Sに設置する露出設置である。
【0027】
本実施形態におけるガス栓1の設置方法及び設置構造では、埋込設置の場合と露出設置の場合とにおいて、ガス栓1の設置方法及びガス栓1を設置するための部材について共通化を図ることで、ガス栓1の設置を簡易に行うことができながら、構造の簡素化及びコストの低減を図るようにしている。
【0028】
ガス栓1は、図1〜図3に示すように、円筒直線状のガス栓本体3を備えている。図1は、ガス栓本体3と固定部材8とを分解した斜視図を示しており、図2は、ガス栓本体3を固定部材8に装着した断面図を示しており、図3は、ガス栓本体3を固定部材8に装着した正面図を示している。ガス栓本体3の一端部位には、ガス接続具Gを接続する接続部2が形成されており、ガス栓本体3の他端部位には、ガス栓本体3の外周部にガス栓側ネジ部4(ガス栓側貫通位置調整部に相当する)が形成されている。ガス栓本体3において接続部2とガス栓側ネジ部4との間の中間部位5は、接続部2よりも大径でその外径形状が多角形(例えば8角形)に形成されている。
【0029】
ガス栓本体3は、図4及び図5に示すように、その他端部に設置対象部S内に配管されたフレキ管等のガス管6をガス管継手7により接続して、設置対象部Sに設置するようにしている。ガス栓本体3を設置対象部Sに設置した状態において、図10及び図13に示すように、ガス機器へのガス供給管が接続されたガス接続具Gを接続部2に外嵌接続させることで、ガス接続具Gの先端にある進退筒G1が進出して接続がロックされ、ガス栓本体3内に設けられた開閉弁(図示せず)が開弁して、ガス管6からのガスがガス栓本体3を介してガス接続具G側へ流入して、ガス機器へのガス供給を行うようにしている。
【0030】
図1〜図3に示すように、ガス栓本体3を設置対象部Sに設置するための部材として、固定部材8が備えられている。固定部材8は、ほぼ円形の凹部9を有する有底筒状に形成されており、その底部が内側へ凹入する形状に形成されている。固定部材8は、外周壁を形成する4つの外壁部10と底壁部を形成する外底壁部11を備え、外壁部10の端部には、外側へ突出するフランジ部12が連設されている。
【0031】
固定部材8の外底壁部11には、その中央部にガス栓本体通過孔13が形成されており、そのガス栓本体通過孔13の内周部に固定部材側ネジ部14(固定部材側貫通位置調整部に相当する)が形成されている。これにより、ガス栓本体3の外周部に形成されたガス栓側ネジ部4と固定部材8の固定部材側ネジ部14とを螺合させて、固定部材8のガス栓本体通過孔13を貫通する貫通方向(図中X方向)に移動自在にガス栓本体3を固定部材8に装着自在に構成されている。
【0032】
固定部材8には、上方側と下方側との夫々に、固定ネジ15に螺合された固定板16が備えられている。固定部材8の外壁部10のうち、上壁部と下壁部には、平面視でほぼT字状の貫通部17(図1参照)が形成されており、フランジ部12に形成された切欠部18に係合された固定ネジ15が、貫通部17を貫通する状態で設けられている。固定板16は、固定ネジ15に螺合された状態で、貫通部17を通して凹部9の内部と外部とを移動自在に設けられている。固定板16は、貫通部17を通した移動により固定部材8(凹部9)内に収納される収納姿勢(図5中実線)と固定部材8(凹部9)の外部に突出する突出姿勢(図5中点線)とに姿勢変更自在に構成されている。
【0033】
固定部材8は、固定板16を収納姿勢として、設置対象部Sに形成された円形状の開口部S1に挿入自在である。固定部材8は、図5中一点鎖線及び図6に示すように、開口部S1に挿入した場合に、固定板16を突出姿勢として固定ネジ15の締め付けにより設置対象部Sに固定自在に構成されている。また、固定部材8のフランジ部12の4隅には、ネジ挿通孔21が形成されており、このネジ挿通孔21を通してネジNの締め付けを行うようにしている。
【0034】
以下、ガス栓1を設置対象部Sに設置する設置方法の手順について説明する。
ガス栓1の設置形態は、埋込設置と露出設置とがあるが、埋込設置であっても露出設置であっても、共通の手順により、ガス栓本体3を装着した固定部材8を設置対象部Sに固定しているので、まず、この共通の手順について説明する。
【0035】
(埋込設置と露出設置で共通の手順)
まず、図1及び図2に示すように、ガス栓本体3を回転させて、ガス栓側ネジ部4と固定部材8の固定部材側ネジ部14とを螺合させ、固定部材8のガス栓本体通過孔13を貫通する貫通方向(図2中X方向)に移動自在にガス栓本体3を固定部材8に装着する。このとき、貫通方向(図2中X方向)でのガス栓本体3の位置は適宜変更することができるが、図2及び図5では、埋込設置での所望位置と露出設置での所望位置との間にガス栓本体3を位置させた状態を示している。そして、図4に示すように、設置対象部Sに形成された開口部S1を通して設置対象部S内に配管されたガス管6を取り出して、そのガス管6にガス管継手7を接続し、ガス管継手7によりガス管6を固定部材8に装着されたガス栓本体3に接続する。
【0036】
次に、図5に示すように、固定板16を収納姿勢(図5中実線)として、ガス栓本体3が装着された固定部材8を設置対象部Sの開口部S1に挿入させる。そして、固定板16を突出姿勢(図5中一点鎖線)として、図6及び図7に示すように、固定ネジ15の締め付けにより固定ネジ15の頭部と固定板16とで設置対象部Sを挟み込んで設置対象部Sに固定部材8を固定させる。また、ネジ挿通孔21を通してネジNの締め付けも行っている。
【0037】
このようにして、設置対象部Sに対して、貫通方向(図中X方向)に移動自在にガス栓本体3が装着された固定部材8を固定している。ガス栓1の設置形態は、上述の如く、埋込設置の場合と露出設置の場合とがあるが、設置対象部Sに対するガス栓本体3が装着された固定部材8の設置については、埋込設置の場合も露出設置の場合も同様の設置方法であり、しかも、同様の固定部材8を用いている。したがって、埋込設置の場合と露出設置の場合とにおいて、ガス栓1の設置方法及びガス栓1を設置するための部材について共通化を図ることができる。
【0038】
ガス栓本体3が装着された固定部材8を設置対象部Sに固定した後の手順が、埋込設置の場合と露出設置の場合とで多少異なるので、以下、その手順について説明する。
【0039】
(埋込設置の手順)
埋込設置の場合には、ガス栓本体3が装着された固定部材8を設置対象部S(壁部Sa)に固定すると、図6に示すように、ガス栓本体3を回転させて貫通方向(図中X方向)でのガス栓本体3の位置を設置対象部S(壁部Sa)内に埋め込む位置に調整する。このようにして、ガス栓本体3を回転させることで、埋込設置において貫通方向(設置対象部Sの表裏方向、図中X方向)で所望の位置にガス栓本体を設置するようにしている。ここで、ガス管継手7は、ガス管6とガス栓本体3とを相対回転自在に接続しており、ガス栓本体3を回転させる場合には、ガス管6に対してガス栓本体3が回転するだけで、ガス管6は回転しない。そして、埋込設置において貫通方向(表裏方向、図中X方向)で所望の位置にガス栓本体3を設置すると、図8に示すように、固定部材8(凹部9)に着脱ユニットYを挿入させて取り付けた後、固定部材8を覆うように第1プレートPを取り付けている。
【0040】
着脱ユニットYは、正面視においてほぼ矩形状に形成されており、その表側に開閉自在な蓋Y1を備え、その裏側の横幅方向の両端部の夫々に、ボルト挿通孔を有するボルト挿通用脚部Y2が突設されている。固定部材8に着脱ユニットYを取り付ける場合には、固定部材8(凹部9)に着脱ユニットYを挿入させて、着脱ユニット取付ネジ19をボルト挿通用脚部Y2を貫通させて固定部材8の外底壁部11に形成された螺合用のネジ孔20(図3及び図7参照)に螺合させることで、着脱ユニットYを固定部材8に固定している。第1プレートPは、その中央部に矩形状の窓孔P1が形成されている。第1プレートPは、固定部材8(凹部9)に挿入された着脱ユニットYと凹部9の内壁部との隙間に裏側に突出する嵌合部(図示省略)を嵌め込んで、窓孔P1内に着脱ユニットYの蓋Y1を配置させる状態で、固定部材8を覆うように設置している。
【0041】
図9及び図10は、埋込設置にてガス栓1の設置が完了した状態での下方視の水平断面図を示している。この図9及び図10に基づいて、着脱ユニットYの構成について説明するが、着脱ユニットYの構成については既に公知であるので、簡単に説明する。
着脱ユニットYは、閉状態(図9参照)と開状態(図10参照)とに回転自在な蓋Y1を備えており、その蓋Y1に形成されたスライドピンY3が設置対象部Sの表裏方向(固定部材8のガス栓本体通過孔13を貫通方向、図中X方向)に沿うスライド溝Y4に係合されている。蓋Y1は、スライドピンY3がスライド溝Y4に係合した状態で、スライドピンY3周りで回転自在であるとともに、開状態(図10参照)において、設置対象部Sの表裏方向(固定部材8のガス栓本体通過孔13を貫通方向、図中X方向)の裏側に押し込み移動自在に備えられている。図10は、蓋Y1が開状態において設置対象部Sの表裏方向の裏側に押し込み移動された状態を示している。また、着脱ユニットYには、蓋Y1を閉状態(図9参照)に復
帰するように付勢する付勢バネY5、及び、蓋Y1の押し込み移動に伴って揺動自在な揺動レバーY6も備えられている。
【0042】
設置対象部Sである壁部Saに設置されたガス栓本体3に、ガス機器へのガス供給管が接続されたガス接続具Gを接続する際には、閉状態(図9参照)である蓋Y1を回転させて開状態(図10参照)として、固定部材8の凹部9にガス接続具Gを挿入してガス接続具Gを接続部2に外嵌接続させることで、ガス接続具Gの先端にある進退筒G1が進出して接続がロックされる。ガス栓本体3からガス接続具Gを取り外す際には、開状態(図10参照)となっている蓋Y1を押し込み移動させて蓋Y1にて揺動レバーY6を押圧し、その押圧によって揺動レバーY6が揺動されてガス接続具Gの進退筒G1を引退側に押圧する。これにより、進退筒G1が引退側に移動して接続のロックが解除され、ガス接続具Gを固定部材8の凹部9から引き出してガス栓本体3を取り外すようにしている。
【0043】
(露出設置の手順)
露出設置の場合には、ガス栓本体3が装着された固定部材8を設置対象部S(キッチン天板Sb)に固定すると、図11に示すように、ガス栓本体3を回転させて貫通方向(図中X方向)でのガス栓本体3の位置を設置対象部S(キッチン天板Sb)よりも突出側(上方側)に露出させる位置に調整する。このようにして、ガス栓本体3を回転させることで、露出設置において貫通方向(表裏方向、図中X方向)で所望の位置にガス栓本体を設置するようにしている。そして、露出設置において貫通方向(表裏方向)で所望の位置にガス栓本体3を設置すると、図12に示すように、その露出するガス栓本体3に係合部Q1を外嵌係合させて固定部材8を覆うように第2プレートQを取り付けている。第2プレートQは、その中央部に係合部Q1が形成されており、その係合部Q1は、ガス栓本体3の中間部位5の外形形状と同様の形状に形成されており、例えば、多角形(例えば8角形)に形成されている。係合部Q1がガス栓本体3に外嵌係合することで、ガス栓本体3が回転されることを防止している。第2プレートQは、固定部材8(凹部9)に挿入された着脱ユニットYと凹部9の内壁部との隙間に裏側に延設された嵌合部(図示省略)を嵌め込んで、固定部材8を覆うように設置している。
【0044】
図13は、露出設置にてガス栓1の設置が完了した状態での断面図を示している。このように、設置対象部Sから突出側に露出する形態でガス栓本体3が設置されているので、その露出するガス栓本体3の接続部2に対してガス接続具Gを接続することができる。
【0045】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、ガス栓本体3を直線状に形成したが、例えば、ガス栓本体3をL字状に形成することもでき、各種の形状に適応することができる。
【0046】
(2)上記実施形態では、ガス栓本体3とガス管6との接続について、固定部材8に装着されたガス栓本体3を、ガス管継手7によりガス管6を接続しているが、例えば、ガス栓本体3にガス管継手7によりガス管6を接続したのち、固定部材8を回転させて、ガス栓側ネジ部4と固定部材8の固定部材側ネジ部14とを螺合させ、貫通方向に移動自在にガス栓本体3を固定部材8に装着することもできる。
【0047】
(3)上記実施形態では、ガス栓側貫通位置調整部及び固定部材側貫通位置調整部の両者をネジ部にて構成しているが、この構成に限らず、例えば、固定部材に対してガス栓本体を貫通方向に押し込み操作及び引き出し操作を行うことで、ガス栓側貫通位置調整部と固定部材側貫通位置調整部との係合位置を貫通方向に調整して、貫通方向でのガス栓本体の位置を調整自在にガス栓側貫通位置調整部と固定部材側貫通位置調整部とを係合させることもできる。
【0048】
(4)上記実施形態では、固定部材8は、図1に示すように、ほぼ円形の凹部9を有する有底筒状に形成されており、外周壁を形成する4つの外壁部10と底壁部を形成する外底壁部11を備え、当該外底壁部11には、その中央部にガス栓本体通過孔13が形成されており、そのガス栓本体通過孔13の内周部に固定部材側ネジ部14(固定部材側貫通位置調整部に相当する)が形成さているものを、例に説明した。
しかしながら、固定部材8は、その固定部材側ネジ部14にガス栓本体3のガス栓側ネジ部4を係合させて、ガス栓本体通過孔13を貫通する貫通方向でガス栓本体3を移動可能な状態で、設置対象部Sに固定可能であれば、どのような構成のものも採用することができる。
例えば、固定部材8は、図14に示すように、その外周壁を形成する外壁部10(筒内壁の一例)の内側をガス栓本体通過孔13とし、その内周部に固定部材側ネジ部14を設ける構成を採用しても構わない。この場合、ガス栓本体3は、図14に示すように、大径部3aを設け、当該大径部3aの外周部にガス栓側ネジ部4を設けることとなる。
他の例として、固定部材8は、図15に示すように、その外周壁を形成する外壁部10(筒内壁の一例)から内側へ延びる延出部10aを備え、当該延出部10aの内側端部をガス栓本体通過孔13とし、当該ガス栓本体通過孔13に固定部材側ネジ部14を設ける構成を採用しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、設置対象部に対して、ガス接続具を接続自在な接続部を有するガス栓本体を設置するガス栓の設置方法及びガス栓の設置構造において、ガス栓の設置を簡易に行うことができながら、ガス栓を設置対象部に設置するための部材点数の低減を図り、構造の簡素化及びコストの低減を図ることができる各種のガス栓の設置方法及びガス栓の設置構造に適応可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 ガス栓
2 接続部
3 ガス栓本体
4 ガス栓側ネジ部(ガス栓側貫通位置調整部)
8 固定部材
13 ガス栓本体通過孔
14 固定部材側ネジ部(固定部材側貫通位置調整部)
15 固定ネジ
16 固定板
17 貫通部
S 設置対象部
S1 開口部
G ガス接続具
Y 着脱ユニット
P 第1プレート
Q 第2プレート
Q1 係合部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置対象部に対して、ガス接続具を接続自在な接続部を有するガス栓本体を設置するガス栓の設置方法であって、
ガス栓本体通過孔が形成された固定部材を備え、前記ガス栓本体の外周部にガス栓側貫通位置調整部が形成され、前記固定部材の前記ガス栓本体通過孔の内周部に前記ガス栓側貫通位置調整部に係合自在な固定部材側貫通位置調整部が形成され、前記ガス栓側貫通位置調整部と前記固定部材側貫通位置調整部との係合により前記固定部材の前記ガス栓本体通過孔を貫通する貫通方向に移動自在に前記ガス栓本体を前記固定部材に装着し、そのガス栓本体が装着された前記固定部材を前記設置対象部に形成される開口部に挿入させて前記設置対象部に前記固定部材を固定させるガス栓の設置方法。
【請求項2】
前記固定部材として、底部に前記ガス栓本体通過孔が形成された有底筒状の前記固定部材、筒内壁に前記ガス栓本体通過孔が形成された筒状の前記固定部材、又は筒内壁から内側に延びる延出部の内側端部に前記ガス栓本体通過孔が形成された筒状の前記固定部材の何れか1つを用いる請求項1に記載のガス栓の設置方法。
【請求項3】
前記ガス栓本体を前記設置対象部内に埋め込む形態で前記ガス栓本体を前記設置対象部に設置する埋込設置の場合には、前記ガス栓本体が装着された前記固定部材を前記設置対象部に固定した状態で、前記ガス栓側貫通位置調整部と前記固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整して前記貫通方向での前記ガス栓本体の位置を前記設置対象部内に埋め込む位置に調整し、前記固定部材に着脱ユニットを挿入させて取り付けた後、前記固定部材を覆うように第1プレートを取り付ける請求項1又は2に記載のガス栓の設置方法。
【請求項4】
前記ガス栓本体を前記設置対象部よりも突出側に露出させる形態で前記ガス栓本体を前記設置対象部に設置する露出設置の場合には、前記ガス栓本体が装着された前記固定部材を前記設置対象部に固定した状態で、前記ガス栓側貫通位置調整部と前記固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整して前記貫通方向での前記ガス栓本体の位置を前記設置対象部よりも突出側に露出させる位置に調整し、その露出する前記ガス栓本体に係合部を外嵌係合させて前記固定部材を覆うように第2プレートを取り付ける請求項1又は2に記載のガス栓の設置方法。
【請求項5】
設置対象部に対して、ガス接続具を接続自在な接続部を有するガス栓本体を設置するガス栓の設置構造であって、
前記ガス栓本体を外嵌自在なガス栓本体通過孔が形成された固定部材を備え、前記ガス栓本体の外周部にガス栓側貫通位置調整部が形成され、前記固定部材の前記ガス栓本体通過孔の内周部に前記ガス栓側貫通位置調整部に係合自在な固定部材側貫通位置調整部が形成され、前記ガス栓側貫通位置調整部と前記固定部材側貫通位置調整部との係合により前記固定部材を貫通する貫通方向に移動自在に前記ガス栓本体を前記固定部材に装着自在に構成され、そのガス栓本体が設置された前記固定部材を前記設置対象部に形成される開口部に挿入させて前記設置対象部に前記固定部材を固定自在に構成されているガス栓の設置構造。
【請求項6】
前記固定部材は、底部に前記ガス栓本体通過孔が形成された有底筒状、筒内壁に前記ガス栓本体通過孔が形成された筒状、及び筒内壁から内側に延びる延出部の内側端部に前記ガス栓本体通過孔が形成された筒状の何れか1つの形状を有する請求項5に記載のガス栓の設置構造。
【請求項7】
前記固定部材の壁部に形成された貫通部を通した移動により前記固定部材内に収納される収納姿勢と前記固定部材の外部に突出する突出姿勢とに姿勢変更自在な固定板が、固定ネジに螺合された状態で前記固定部材に備えられ、前記固定部材は、前記固定板を前記収納姿勢として前記開口部に前記固定部材を挿入自在であり、且つ、前記開口部に前記固定部材を挿入した場合に前記固定板を前記突出姿勢として前記固定ネジの締め付けにより前記設置対象部に固定自在に構成されている請求項5又は6に記載のガス栓の設置構造。
【請求項8】
請求項5乃至7の何れか一項に記載のガス栓の設置構造に用いるガス栓であって、外周部に前記ガス栓側貫通位置調整部が形成された前記ガス栓本体を備えているガス栓。
【請求項9】
前記ガス栓本体は、直線状に設けられている請求項8に記載のガス栓。
【請求項1】
設置対象部に対して、ガス接続具を接続自在な接続部を有するガス栓本体を設置するガス栓の設置方法であって、
ガス栓本体通過孔が形成された固定部材を備え、前記ガス栓本体の外周部にガス栓側貫通位置調整部が形成され、前記固定部材の前記ガス栓本体通過孔の内周部に前記ガス栓側貫通位置調整部に係合自在な固定部材側貫通位置調整部が形成され、前記ガス栓側貫通位置調整部と前記固定部材側貫通位置調整部との係合により前記固定部材の前記ガス栓本体通過孔を貫通する貫通方向に移動自在に前記ガス栓本体を前記固定部材に装着し、そのガス栓本体が装着された前記固定部材を前記設置対象部に形成される開口部に挿入させて前記設置対象部に前記固定部材を固定させるガス栓の設置方法。
【請求項2】
前記固定部材として、底部に前記ガス栓本体通過孔が形成された有底筒状の前記固定部材、筒内壁に前記ガス栓本体通過孔が形成された筒状の前記固定部材、又は筒内壁から内側に延びる延出部の内側端部に前記ガス栓本体通過孔が形成された筒状の前記固定部材の何れか1つを用いる請求項1に記載のガス栓の設置方法。
【請求項3】
前記ガス栓本体を前記設置対象部内に埋め込む形態で前記ガス栓本体を前記設置対象部に設置する埋込設置の場合には、前記ガス栓本体が装着された前記固定部材を前記設置対象部に固定した状態で、前記ガス栓側貫通位置調整部と前記固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整して前記貫通方向での前記ガス栓本体の位置を前記設置対象部内に埋め込む位置に調整し、前記固定部材に着脱ユニットを挿入させて取り付けた後、前記固定部材を覆うように第1プレートを取り付ける請求項1又は2に記載のガス栓の設置方法。
【請求項4】
前記ガス栓本体を前記設置対象部よりも突出側に露出させる形態で前記ガス栓本体を前記設置対象部に設置する露出設置の場合には、前記ガス栓本体が装着された前記固定部材を前記設置対象部に固定した状態で、前記ガス栓側貫通位置調整部と前記固定部材側貫通位置調整部との係合状態を調整して前記貫通方向での前記ガス栓本体の位置を前記設置対象部よりも突出側に露出させる位置に調整し、その露出する前記ガス栓本体に係合部を外嵌係合させて前記固定部材を覆うように第2プレートを取り付ける請求項1又は2に記載のガス栓の設置方法。
【請求項5】
設置対象部に対して、ガス接続具を接続自在な接続部を有するガス栓本体を設置するガス栓の設置構造であって、
前記ガス栓本体を外嵌自在なガス栓本体通過孔が形成された固定部材を備え、前記ガス栓本体の外周部にガス栓側貫通位置調整部が形成され、前記固定部材の前記ガス栓本体通過孔の内周部に前記ガス栓側貫通位置調整部に係合自在な固定部材側貫通位置調整部が形成され、前記ガス栓側貫通位置調整部と前記固定部材側貫通位置調整部との係合により前記固定部材を貫通する貫通方向に移動自在に前記ガス栓本体を前記固定部材に装着自在に構成され、そのガス栓本体が設置された前記固定部材を前記設置対象部に形成される開口部に挿入させて前記設置対象部に前記固定部材を固定自在に構成されているガス栓の設置構造。
【請求項6】
前記固定部材は、底部に前記ガス栓本体通過孔が形成された有底筒状、筒内壁に前記ガス栓本体通過孔が形成された筒状、及び筒内壁から内側に延びる延出部の内側端部に前記ガス栓本体通過孔が形成された筒状の何れか1つの形状を有する請求項5に記載のガス栓の設置構造。
【請求項7】
前記固定部材の壁部に形成された貫通部を通した移動により前記固定部材内に収納される収納姿勢と前記固定部材の外部に突出する突出姿勢とに姿勢変更自在な固定板が、固定ネジに螺合された状態で前記固定部材に備えられ、前記固定部材は、前記固定板を前記収納姿勢として前記開口部に前記固定部材を挿入自在であり、且つ、前記開口部に前記固定部材を挿入した場合に前記固定板を前記突出姿勢として前記固定ネジの締め付けにより前記設置対象部に固定自在に構成されている請求項5又は6に記載のガス栓の設置構造。
【請求項8】
請求項5乃至7の何れか一項に記載のガス栓の設置構造に用いるガス栓であって、外周部に前記ガス栓側貫通位置調整部が形成された前記ガス栓本体を備えているガス栓。
【請求項9】
前記ガス栓本体は、直線状に設けられている請求項8に記載のガス栓。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−211689(P2012−211689A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−60448(P2012−60448)
【出願日】平成24年3月16日(2012.3.16)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月16日(2012.3.16)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】
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