説明

ガラス交換用補助パッキン

【課題】 ペアガラスを用いた複層ガラス窓が破損した場合でも、居住性を損なわず、防犯上も安全な応急処置を簡単容易に実施可能とすると共に、PET樹脂を用いることで、リサイクル可能な環境に優しいガラス交換用補助パッキンの提供。
【解決手段】 ペアガラスから成る複層ガラス破損時の応急処置に際し、交換するための単板ガラスGS及び屋外シールパッキンPSと共に、窓の透視性、防音性、防雨性、防風性、防犯性の各機能を兼ね備える構成の一要素となる窓ガラス固定用部材Fxとしてのガラス交換用補助パッキンであって、断面が中空方形状の弾性を有する細長部材を形成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にペアガラス窓の破損の際の応急処置用のガラス交換用補助パッキンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、結露防止、防音、遮音のために、製造技術の進歩と共にペアガラスを用いた複層ガラス窓が多く採用されるようになった。
【0003】
複層ガラス窓の場合の窓枠のガラス溝の幅、ガラスの厚みは、規制された範囲に集中しているのが通例である。
【0004】
また、二重ガラス張りにするための複合型の固定用パッキンとアダプターとして、「室内の冷暖房効果をあげ、エネルギーの節減と結露の発生防止を重視し、安くて簡易に複層ガラスの効果を挙げるようにする、また軽くて破損しにくいアクリル板を使用して・・・」という提案が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実用新案登録第3059074号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
然しながら、ペアガラスを用いた複層ガラス窓の場合、破損すると修復するのに少なくとも数日間〜1週間ぐらい掛かることが多く、その間、防犯、居住性、及び諸処の条件を考慮すると、即入手可能な単板ガラスを用いて応急的処置をすることが望まれる。
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑みて成されたもので、ペアガラスを用いた複層ガラス窓が破損した場合でも、居住性を損なわず、防犯上も安全な応急処置を簡単容易に実施可能とすると共に、PET樹脂を用いることで、リサイクル可能な環境に優しいガラス交換用補助パッキンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記構成を備えることにより上記課題を解決できるものである。
【0008】
(1)ペアガラスから成る複層ガラス破損時の応急処置に際し、交換するための単板ガラスGS及び屋外シールパッキンPSと共に、窓の透視性、防音性、防雨性、防風性、防犯性の各機能を兼ね備える構成の一要素となる窓ガラス固定用部材Fxとしてのガラス交換用補助パッキンであって、断面が中空方形状の弾性を有する細長部材を形成するガラス交換用補助パッキン。
【0009】
(2)窓ガラス固定用部材は、断面方形の一辺が直交する辺の外面よりやや外側に伸延して外観が偏平の細長い鰭状体を突設し、また、該鰭状体の位置から断面において対角線上向う側の位置に接近し、且つ前記鰭状体を有する辺の反対側端部に直交する辺の延長端部に窓枠のガラス溝の縁部に嵌合する断面コ字形溝部を形成して成る前項(1)記載のガラス交換用補助パッキン。
【0010】
(3)窓ガラス固定用部材は、PET樹脂、または合成ゴムから成る前項(1)記載のガラス交換用補助パッキン。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ペアガラスを用いた複層ガラス窓が破損した場合でも、居住性を損なわず、防犯上も安全な応急処置を簡単容易に実施可能とすると共に、PET樹脂を用いることで、リサイクル可能な環境に優しいガラス交換用補助パッキンを提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明に係るガラス交換用補助パッキンの実施の形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明に係るガラス交換用補助パッキンの要部構成を示す説明図、(a)はガラス交換用補助パッキンの端部形状を示す正面図、(b)は斜視図、(c)は全体形状を示す外観斜視図であり、一側から見た斜視図と反対側から見た斜視図、図2は、応急処置としての補修後の組立て状態を示す縦断面図、図3は、窓枠下部の構造の一例を示す断面斜視図である。
【実施例】
【0014】
以下実施例を図面に基いて説明する。
【0015】
ペアガラスから成る複層ガラス破損時の応急処置に際し、新規のペアガラスが入荷するまでの間、一時交換するための単板ガラスGS及び屋外シールパッキンPSと共に、窓の透視性、防音性、防雨性、防風性、防犯性等の各機能を兼ね備える構成の一要素となる窓ガラス固定用部材Fxとしてのガラス交換用補助パッキンであって、断面が中空方形状の弾性を有する細長部材を形成することを特徴とする。
【0016】
図1において、上記の窓ガラス固定用部材Fxは、断面方形の一辺1aが直交する辺1bの外面よりやや外側に伸延して外観が偏平の細長い鰭状体2を突設し、また、該鰭状体2の位置から断面において対角線DL上の向う側の位置に接近し、且つ前記鰭状体2を有する辺1aの反対側端部に直交する辺1cの延長端部1dに窓枠WFのガラス溝Grの縁部4に嵌合する断面コ字形溝部3を形成して成ることを特徴とする。
【0017】
また、窓ガラス固定用部材Fxは、一般のペットボトルに使用されるPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、または合成ゴムから成ることを特徴とする。
【0018】
図1(c)は、本発明に係る窓ガラス固定用部材Fxとしてのガラス交換用補助パッキンの全体構成を示す斜視図であり、図中A側から見た斜視図とB側から見た斜視図である。窓ガラス固定用部材Fxは、窓枠WFが上下左右縦方向の4辺で構成されている場合、前記4辺のそれぞれの窓枠の長さに対し、コーナー部分を除いた少し短目の長さで十分であり、市販の屋外シールパッキンPSと組合せて用いることで、正規のペアガラスが入荷するまでの間、通常のガラス窓としての機能を十分満足することが出来る。
【0019】
図2は、本発明に係る窓ガラス固定用部材Fxとしてのガラス交換用補助パッキンを用いて応急処置を施した状態を示す。
【0020】
窓ガラス固定用部材Fxの鰭状体2は単板ガラスGSの上縁端部に当接して組み込まれた時、窓ガラス固定用部材Fxの万一の場合のずれ落ちや落下防止の役目を成し、また縦方向左右の窓枠WFに用いた場合は、倒れ防止の役目を果すもので、応急処置の単板ガラスGSを取付ける際の取付け作業を簡便容易にし得る役目を有している。
【0021】
因みにガラス溝Grの幅寸法は、20〜26mmの範囲において、23mmの幅寸法の場合が多く、また、単板ガラスの厚みは2,3,4、及び6.8mmが一般的であり、本発明の窓ガラス固定用部材Fxとしてのガラス交換用補助パッキンの寸法は、図1(a)において、窓枠WFのガラス溝Grの縁部4に嵌合する断面コ字形溝部3の底部3aを基準にして辺1bの外面までの幅寸法Lwは13〜17mmとし、縦方向の寸法Lhを10〜15mmのものを用意しておくことで、形状や厚みが数種類ある屋外シールパッキンPSと組合せて必要の際に即座に対応することが出来る。使い方としては、ガラス板と本発明に係る窓ガラス固定用部材Fxとしてのガラス交換用補助パッキンを先に窓枠WFに嵌め込み、次いで数種類から適宜選択した一番弾力性の大きい屋外シールパッキンPSをあてがって組み込むようにする。
【0022】
本発明に係る窓ガラス固定用部材Fxとしてのガラス交換用補助パッキンは、PET樹脂を用いた場合は、容器包装リサイクル法に適合する環境に優しい製品として提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係るガラス交換用補助パッキンの要部構成を示す説明図、(a)ガラス交換用補助パッキンの端部形状を示す正面図、(b)斜視図、(c)全体形状を示す外観斜視図で一側から見た斜視図と反対側から見た斜視図
【図2】応急処置としての補修後の組立て状態を示す縦断面図
【図3】窓枠下部の構造の一例を示す断面斜視図
【符号の説明】
【0024】
Fx 窓ガラス固定用部材
2 鰭状体
3 断面コ字形溝部
4 縁部
Gr ガラス溝
WF 窓枠
PS 屋外シールパッキン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペアガラスから成る複層ガラス破損時の応急処置に際し、交換するための単板ガラスGS及び屋外シールパッキンPSと共に、窓の透視性、防音性、防雨性、防風性、防犯性の各機能を兼ね備える構成の一要素となる窓ガラス固定用部材Fxとしてのガラス交換用補助パッキンであって、断面が中空方形状の弾性を有する細長部材を形成することを特徴とするガラス交換用補助パッキン。
【請求項2】
窓ガラス固定用部材は、断面方形の一辺が直交する辺の外面よりやや外側に伸延して外観が偏平の細長い鰭状体を突設し、また、該鰭状体の位置から断面において対角線上向う側の位置に接近し、且つ前記鰭状体を有する辺の反対側端部に直交する辺の延長端部に窓枠のガラス溝の縁部に嵌合する断面コ字形溝部を形成して成ることを特徴とする請求項1記載のガラス交換用補助パッキン。
【請求項3】
窓ガラス固定用部材は、PET樹脂、または合成ゴムから成ることを特徴とする請求項1記載のガラス交換用補助パッキン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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