説明

キッチン情報端末

【課題】 料理によって発生する高温の水蒸気や湯気の影響を受けることの少ない、キッチンの天井又は収納棚に吊り下げられて取り付けられるキッチン情報端末を提供する。
【解決手段】 キッチンの天井又は収納棚11の下部に取り付けられるキッチン情報端末1であって、情報処理をする情報端末本体3と、情報端末本体3から吊り下げられてモニター画面4を有する情報端末モニター2とを備えてなり、モニター画面の横幅よりも長い空気噴出口6を情報端末モニターの下辺部分に有する通風装置を備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キッチンの天井又は収納棚の下部に取り付けられて、料理人に各種の情報を提供するキッチン情報端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、料理のために料理情報を入手したり、料理中に屋内外の状況を監視するために、キッチン情報端末をキッチンに取り付けることがなされている。料理人は、このキッチン情報端末の情報端末モニターを見ながら、インターネット等を通じての料理情報を見ながら料理をしたり、玄関等に取り付けられたカメラを通じて来客者を確認することができる。ここで、キッチンでは、料理人が見やすい場所であって、情報端末モニターを設置する場所は限られている。このために、キッチンの天井に情報端末モニターを吊り下げて取付けられているものが特開平7―105981号公報に開示され、収納棚の下部に情報端末モニターを吊り下げて取付けられているものが特開2002−238675号公報に開示されている。
【0003】
しかしながら、キッチンのスペースは限られていて、しかも、煮物を鍋で料理するような場合には、高温の水蒸気や湯気が鍋から発生して、これらが情報端末モニターに接触するおそれがあった。特に、情報端末モニターとしては、最近は液晶が使用されることが多く、水蒸気や湯気が液晶のモニター画面に接触すると、液晶が高温となり、モニター画面の映りに悪影響をを及ぼすおそれがあった。さらに、モニター画面に高温の水分が接触すると、モニター画面が劣化するおそれがあった。
【特許文献1】特開平7―105981号公報
【特許文献2】特開2002−238675号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記背景技術に鑑みて発明されたものであり、料理をする際に発生する高温の水蒸気や湯気の影響を受けることの少ない、キッチンの天井又は収納棚の下部に取り付けられるキッチン情報端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のキッチン情報端末は、キッチンの天井又は収納棚の下部に取り付けられるキッチン情報端末であって、情報処理をする情報端末本体と、情報端末本体から吊り下げられてモニター画面を有する情報端末モニターとを備えてなり、モニター画面の横幅よりも長い空気噴出口を情報端末モニターの下辺部分に有する通風装置を備えてなる。
【発明の効果】
【0006】
本発明のキッチン情報端末は、モニター画面の横幅よりも長い空気噴出口を情報端末モニターの下辺部分に有する通風装置を備えてなるので、料理によって発生する高温の水蒸気や湯気の影響を受けることが少なくなっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(実施形態1)
本発明の実施形態1のキッチン情報端末を図1及び図2に基づいて説明する。図1に示すように、キッチン情報端末1は、情報端末モニター2と情報端末本体3を備え、収納棚11の下部に吊り下げられて取り付けられている。ここで、情報端末本体3は、インターネット等に接続して情報処理をする機能を有している。また、情報端末モニター2には、液晶のモニター画面4が設けられて、情報端末本体3からの情報を表示するよう機能を有している。さらに、情報端末モニター2の下部には湿度を測定する湿度センサ5が取り付けられているとともに、下辺部には空気噴出口6が形成されている。ここで、空気噴出口6の長さは、モニター画面4の横幅よりも長くなっている。この空気噴出口6の内部には、モーター(図示せず)によって駆動するファン7が取り付けられている。また、情報端末モニター2の背面には、空気取入口8が形成されている。そして、ファン7によって空気取入口8から取り入りられた空気は、空気噴出口6から噴出されることになる。つまり、空気噴出口6、ファン7、空気取入口8とによって、通風装置が構成されている。
【0008】
また、キッチン情報端末1の下側には、システムキッチン12が設置されている。そして、このものには、鍋14を載せて煮物の料理をするためのコンロ13が取り付けられている。また、システムキッチン12の料理台の上には、ご飯を炊くための炊飯器15が載設されることもある。
【0009】
料理人は、キッチンで料理をしながら、キッチン情報端末1によって、各種料理情報(レシピ、料理のカロリー情報等)を得ることができる。ここで、情報端末モニター2のモニター画面4はタッチパネルになっていて、これに人の手が触れると、表示内容が変化するようになっている。したがって、料理人は、情報端末本体3を操作することなく、料理をしながら、必要な情報を得ることができる。また、料理人がタッチパネルを操作して、キッチン情報端末1の機能内容を変更することにより、インターネットを介して、各種料理情報の入手ができるたげでなく、直接に料理素材の購入発注もできるようになっている。さらに、キッチン情報端末1の機能を変更することにより、他の部屋や玄関に取り付けられているモニターカメラ(図示せず)を通して、他の部屋を監視したり、訪問者を確認したりすることもできるようになっている。さらに、情報端末本体3に取れ付けられているスピーカーとマイク(図示せず)によって、訪問者と話すこともできるようになっている。加えて、キッチン情報端末1の機能を変更することにより、情報端末モニター2を通常のテレビとして利用することもできるようになっている。このように、このキッチン情報端末1は、多くの機能を有しており、料理人は、キッチンにいながらにして、料理をしながら多くの情報を得ることができるようになっている。
【0010】
ここで、煮物の料理や炊飯をしている場合には、鍋14や炊飯器15から水蒸気又は湯気9が発生して、上方に吹き上げることになる。この吹き上げられた水蒸気又は湯気9は、そのままだと、情報端末モニター2のモニター画面4に接触するおそれがある。モニター画面4の表示としては、液晶が使用されているので、水蒸気又は湯気9が触れた部分の温度が上昇すると、この部分のモニター画面4の映りが悪くなることがあった。さらに、モニター画面4に高温の水分が接触すると、モニター画面4そのものや、タッチパネル用センサが劣化するおそれがあった。
【0011】
本実施形態のキッチン情報端末1の情報端末モニター2では、水蒸気又は湯気9が、湿度センサ5によって検知されるとファン7が運転される。この結果として、図2(b)に示すように、空気取入口8から取り入れられた空気が、空気噴出口6からA方向に空気が通風されることにより、水蒸気又は湯気9は、吹き飛ばされて、モニター画面4から遠ざけられる。特に、空気噴出口6は、モニター画面4の横幅よりも長いので、高温の水蒸気又は湯気9は、モニター画面4に接触することがほとんどなくなり、モニター画面4の映りが悪くなったり、モニター画面4そのものや、タッチパネル用センサが劣化するおそれもなくなる。
【0012】
なお、水蒸気又は湯気9の発生量が多いために、ファン7を運転して空気を通風しても、湿度がまだ高い場合には、モニター画面4上に、その旨を表示してコンロ13又は炊飯器15の火力を弱くして水蒸気又は湯気9の発生量を低減するように料理人に注意を喚起することもできる。さらに、高湿の状態が継続するようであれば、情報端末モニター2を情報端末本体3の内部に収納させることにより、画面モニター4を湿度から保護することもできる。
【0013】
本実施形態のキッチン情報端末は、モニター画面の横幅よりも長い空気噴出口を下辺部分に有する通風装置を備えてなるので、料理によって発生する高温の水蒸気や湯気がモニター画面に接触するおそれがすくなくなっている。このために、料理中であっても、料理人は、安定してモニター画面4を見ることができ、各種の情報を入手することができる。また、下部に湿度センサを具備していて、水蒸気や湯気が発生した時のみ、ファンによる通風をするので、ファンの運転時間を短くすることができ、結果として省エネ化を図ることができる。
【0014】
(実施形態2)
本発明の実施形態2のキッチン情報端末を図3に基づいて説明する。図3に示すように、本実施形態のキッチン情報端末の構造は、実施形態1のものと略同じ構造であるが、空気の取り入れ口である空気取入口8が、情報端末本体3の上部に設けられていることが異なっている。そして、この空気取入口8から取り入れられた空気は、情報端末本体1と情報端末モニター2の内部の通気管10を通って、情報端末モニター2の下辺部の空気噴出口6から、A方向に空気が通風されることになる。
【0015】
本実施形態のキッチン情報端末1の動作・機能は、実施形態1のものとほぼ同様である。ただし、キッチン情報端末1の上部に設けられている空気取入口8から空気を取り込むので、料理によって発生する高温の水蒸気や湯気9が、情報端末モニター2の背面にまわり込むおそれが少なくなっている。
【0016】
本実施形態のキッチン情報端末は、ファンの空気取入口を情報端末モニターの上部に設けてなり、空気取入口から取り入れた空気を空気噴出口から噴出しているので、料理によって発生する高温の水蒸気や湯気が、情報端末モニターの背面にまわり込むおそれが少なくなっている。このために、水蒸気や湯気がモニター画面に接触するおそれがさらにすくなくなっている。
【0017】
(実施形態3)
本発明の実施形態2のキッチン情報端末を図4に基づいて説明する。図4に示すように、本実施形態のキッチン情報端末1の構造は、実施形態1のものと略同じ構造であるが、情報端末モニター2の上部にある情報端末本体3の上辺部の略全体に空気噴出口6を有する通風装置を備えていることが異なっている。そして、この空気噴出口6からファン7によって送風された空気は、モニター画面4の表面全体を通って、情報端末モニター2の下部に送られて、水蒸気又は湯気9を吹き飛ばして、モニター画面4から遠ざけることになる。
【0018】
本実施形態のキッチン情報端末1の動作・機能は、実施形態1のものとほぼ同様である。ただし、通風装置が情報端末本体3に備えられているので、情報端末モニター2のモニター画面4に、料理によって発生する高温の水蒸気や湯気9が、直接に接触することを防止している。
【0019】
本実施形態のキッチン情報端末は、モニター画面の横幅よりも長い空気噴出口を情報端末本体の底面に有する通風装置を備えてなるので、料理によって発生する高温の水蒸気や湯気が、情報端末モニターの背面にまわり込むおそれが少なくなっている。このために、水蒸気や湯気がモニター画面に接触するおそれがさらにすくなくなっている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態1のキッチン情報端末を示す斜視図である。
【図2】実施形態1のキッチン情報端末を示す図面であり、(a)は前面図で、(b)は側面図である。
【図3】実施形態2のキッチン情報端末を示す側面図である。
【図4】実施形態3のキッチン情報端末を示す図面であり、(a)は前面図で、(b)は側面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 キッチン情報端末
2 情報端末モニター
3 情報端末本体
4 モニター画面
5 湿度センサ
6 空気噴出口
7 ファン
8 空気取入口
9 水蒸気又は湯気
A 空気の流れの方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キッチンの天井又は収納棚の下部に取り付けられるキッチン情報端末であって、情報処理をする情報端末本体と、情報端末本体から吊り下げられてモニター画面を有する情報端末モニターとを備えてなり、モニター画面の横幅よりも長い空気噴出口を情報端末モニターの下辺部分に有する通風装置を備えてなることを特徴とするキッチン情報端末。
【請求項2】
前記通風装置の空気を取り入れる空気取入口をキッチン情報端末の上部に設けてなることを特徴とする請求項1記載のキッチン情報端末。
【請求項3】
キッチンの天井又は収納棚の下部に取り付けられるキッチン情報端末であって、情報処理をする情報端末本体と、情報端末本体から吊り下げられてモニター画面を有する情報端末モニターとを備えてなり、モニター画面の横幅よりも長い空気噴出口を情報端末本体の底面に有する通風装置を備えてなることを特徴とするキッチン情報端末。
【請求項4】
情報端末モニターの下部に湿度センサを具備してなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のキッチン情報端末。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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