キャブおよび建設機械
【課題】コストの大幅な増大を回避しつつ外部からGPS受信機が容易に視認できない建設機械のキャブを提供する。
【解決手段】GPS受信機70を支持する支持部材60を設け、支持部材60を天井20に設けられた非金属製の天窓26と前窓34の回動軌跡との間に配置するとともに、支持部材60により、GPS受信部73の少なくとも一部と天窓26とが平面視で重複してGPS受信機70のうちこのGPS受信部73の少なくとも一部が配置された部分の上方に天窓26のみが存在する位置に、GPS受信機70を支持する。
【解決手段】GPS受信機70を支持する支持部材60を設け、支持部材60を天井20に設けられた非金属製の天窓26と前窓34の回動軌跡との間に配置するとともに、支持部材60により、GPS受信部73の少なくとも一部と天窓26とが平面視で重複してGPS受信機70のうちこのGPS受信部73の少なくとも一部が配置された部分の上方に天窓26のみが存在する位置に、GPS受信機70を支持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械に設けられる箱状のキャブおよび当該キャブを有する建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、油圧ショベル等の建設機械において、盗難防止のためにGPSを利用して建設機械の位置を把握する防犯装置がキャブに搭載されたものが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、GPS衛星からの位置情報を受信するGPS受信部を有するGPS受信機と、GPS受信機が受信した位置情報を管理サーバに送信するデータ通信用アンテナを含み管理サーバとの間で通信を行う通信手段とを有する防犯装置が搭載されたキャブが開示されている。
【0004】
ここで、GPS受信機は、位置情報としてGPS衛星から電波信号を受信するものであり、GPS受信機のGPS受信部が金属部材で遮蔽されているとその受信感度は悪化する。そして、キャブを構成するフレーム部材や壁は、主に鋼等の金属からなる。そのため、受信感度を良好に維持するべく、GPS受信機がキャブの外側に配置された建設機械が用いられる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−267568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記のようにGPS受信機がキャブの外側に配置されたものでは、GPS受信機の位置が外部から容易に視認可能となるため、盗難時にGPS受信機が取り外されてしまい、建設機械の位置把握ができなくなるおそれがある。これに対して、GPS受信機の位置が容易に視認されないようにするべく、キャブの外側に配置されたGPS受信機を覆い隠す非金属部材からなるカバーを別途設けることが考えられる。しかしながら、このように別途カバーを設けた場合には、コストがかかるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み、コストの大幅な増大を回避しつつ外部からGPS受信機が容易に視認できないキャブの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は、建設機械に設けられる箱状のキャブであって、前記キャブの幅方向両端においてそれぞれ前後方向に延びて前記キャブの天井を支持する金属製の一対の天井フレームと、前記キャブの天井に形成された天井開口部を塞ぐ非金属製の天窓と、前記キャブの前面に形成された前面開口部を塞ぐ位置と前記キャブの天井の下方において当該天井に沿い前記前面開口部を開く位置との間で移動可能な前窓と、建設機械の位置情報をGPS衛星から受信する受信部を有するGPS受信機と、前記キャブ内に設けられて、前記GPS受信機を支持する支持部材とを有し、前記支持部材は、前記GPS受信機が固定される固定部を有し、前記天窓と前記前窓の回動軌跡との間に配置されて、前記GPS受信機を、前記天窓と前記前窓の回動軌跡との間であって前記受信部の少なくとも一部と前記天窓とが平面視で重複して前記GPS受信機のうちこの受信部の少なくとも一部が配置された部分の上方に前記天窓のみが存在する位置に支持することを特徴とするキャブを提供する。
【0009】
この構成によれば、簡単な構成でコストの増大を回避しつつGPS受信機のGPS受信部の受信感度を高くし、かつ、GPS受信機の外部からの視認を困難にすることができる。
【0010】
具体的には、この構成では、GPS受信機がキャブの内側に配置されていることでGPS受信機が外部から容易に視認されるのを回避しつつ、GPS受信部の少なくとも一部が非金属製の天窓と重複してその上方にこの天窓のみが存在する状態とされることでGPS受信部の受信感度を高く維持することができる。特に、本構成では、この視認性の悪化と受信感度の維持という効果を作業機の状態をキャブ内の運転者が目視するために天井に設けられる天窓を利用することで得ており、従来の建設機械からの構造変更を小さく抑えてコストの増大を回避することができる。しかも、この構成では、支持部材およびGPS受信機が前窓の回動軌跡よりも上方に配置されるため、支持部材およびGPS受信機と前窓との衝突を確実に回避しつつ前窓の回動を可能とすることができる。
【0011】
本発明において、前記天井の天井開口部の開口縁に設けられて前記天窓の周縁の少なくとも一部を支持する天窓支持部を有し、前記支持部材は、前記天窓支持部から前記天井開口部の内側に向かって突出する形状を有し、その突出端部が前記固定部を構成するのが好ましい。
【0012】
この構成では、固定部ひいてはGPS受信機のGPS受信部を天窓と重複する位置に配置しつつ、支持部材およびGPS受信機が天井に近接した位置に配置されるため、支持部材およびGPS受信機が運転者の視界をさえぎる量を少なく抑えることができる。このことは、高い操作性を維持する。
【0013】
また、本発明において、前記支持部材の固定部は、前記天窓と略平行に延びる形状を有し、前記GPS受信機は、前記固定部と前記天窓との隙間に配置されているのが好ましい。
【0014】
この構成によれば、支持部材の固定部が天窓と略平行に配置されて、これらの隙間にGPS受信機が配置されるため、固定部およびGPS受信機が天窓から下方に突出する量を小さく抑えることができ、これらが運転者の視界に入り操作の邪魔になるのをより確実に回避することができる。このことは、より高い操作性を確保する。
【0015】
また、本発明において、前記支持部材の固定部は、前記GPS受信機を下方から覆う形状を有するのが好ましい。
【0016】
このようにGPS受信機が固定部により下方から隠されていれば、GPS受信機の位置をより分かりにくくすることができる。
【0017】
さらに、前記GPS受信機から延びる通信線と、前記支持部材に連設される遮蔽部材とを有し、前記通信線は、前記GPS受信機から前記天井フレームに向かって略水平延びた後、当該天井フレームの内側に挿入されており、前記遮蔽部材は、前記支持部材から前記天井フレーム側に延びて、前記通信線のうち前記GPS受信機と前記天井フレームとの間に位置する部分を下方から覆う形状を有するのが好ましい。
【0018】
このようにすれば、GPS受信機に加えてGPS受信機から延びる通信線が下方から覆われるため、GPS受信機の位置の外部からの視認がより一層困難になる。また、通信線の視認が困難になることで、通信線が切断されて建設機械の位置の把握が不可能になるという事態を回避することができる。
【0019】
また、本発明は、下部走行体と、旋回フレームを有し前記下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体とを有し、前記旋回フレーム上に、前記キャブと前記作業機とが建設機械の幅方向に並んで配置されており、前記支持部材が、前記キャブの幅方向の前記作業機と反対側の端部に設けられていることを特徴とする建設機械を提供する。
【0020】
この建設機械によれば、運転者が作業機を目視しつつ各種の操作を行う際に、支持部材および支持部材に支持されるGPS受信機が運転者の視界に入り操作の邪魔になるのをより確実に回避することができる。このことは、より高い操作性を確保する。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、コストの大幅な増大を回避しつつ外部からのGPS受信機の位置の視認を困難にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る建設機械の概略側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る建設機械の概略上面図である。
【図3】図1に示す建設機械のキャブの概略斜視図である。
【図4】図3の一部を拡大して示した図である。
【図5】キャブの概略正面図である。
【図6】キャブの概略断面図である。
【図7】前窓の回動の様子を示した概略側面図である。
【図8】図6の一部を拡大して示した図である。
【図9】図4に対応する部分を下方から見た概略底面図である。
【図10】GPSアンテナの概略斜視図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係るブラケット周辺の概略底面図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係るブラケット周辺の概略断面図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係るブラケット周辺の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る建設機械について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
図1は、建設機械の一例である油圧ショベル1の概略側面図である。図2は、油圧ショベル1の概略上面図である。油圧ショベル1は、下部走行体2と、この下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とを有する。上部旋回体3は、旋回フレーム10を有し、その上には、作業機4と、運転席が設けられたオペレータ用のキャブ5と、エンジンや油圧ポンプ等の各種機器が収容されるエンジンルーム6と、カウンタウェイト7とが搭載されている。図2に示すように、作業機4とキャブ5とは車幅方向に並んでいる。具体的には、作業機4は、油圧ショベル1の車幅方向略中央に設けられており、キャブ5は、油圧ショベル1の車幅方向一方(図2の右側)寄りに設けられている。以下、油圧ショベル1の車幅方向であってキャブ5の幅方向を左右方向という。
【0025】
図3は、キャブ5の概略斜視図である。図4は、図3の破線領域Aを拡大した図である。図5は、キャブ5の概略正面図である。図6は、キャブの概略縦断面図である。図7は、後述する前窓34の移動構造を説明するための図である。図8は、図6の部分拡大図である。図9は、図4に対応する部分を下方から見た概略底面図である。
【0026】
キャブ5の全体構造について説明する。
【0027】
キャブ5は、それぞれ面状を呈する天井20と、前面30と、後面40と、左右両側面50,50と、底面とを有する略直方体の箱状部材である。キャブ5は、キャブ5の骨格を構成してこれら天井20等を支持する棒状の複数のフレームを有する。
【0028】
具体的には、キャブ5は、フレームとして、一対の天井フレーム21,21と、一対の第1ピラー31,31と、一対の第2ピラー41,41と、ドアピラー51と、第1補強メンバ23と、第2補強メンバ24等を有する。天井フレーム21,21は、天井20の左右両端に設けられて前後方向に延びている。第1ピラー31,31は、各天井フレーム21,21の前端から下方に延びている。第2ピラー41,41は、天井フレーム21,21の後端から下方に延びている。ドアピラー51は、一方の天井フレーム21の前後略中央位置から下方に延びている。第1補強メンバ23は、天井フレーム21,21の前端間で延びている。第2補強メンバ24は、第1補強メンバ23よりも後方において、天井フレーム21,21間で延びている。
【0029】
天井20は、天井フレーム21,21間で延びる金属製の天井本体25と、非金属製の透明な天窓26とを有する。天窓26は、主に作業機4の先端等が上方に移動した際に作業機4の状態をキャブ5内の運転者が目視するために用いられる。天窓26は、天井20の前端部に設けられている。具体的には、略長方形の天井本体25の前端部に略長方形の天井開口部25aが形成されており、天窓26はこの天井開口部25aを塞ぐ略長方形を呈している。本実施形態では、天井20の前端部および天窓26は、前方に向かうほど下方に傾斜している。
【0030】
天窓26の材質は、非金属であればどのようなものであってもよいが、落下物によって天窓26が損傷しないように樹脂製のもの(例えば、ポリカーボネートやアクリル等)が好ましい。また、天窓26の色は、特に限定されず、無色・有色のいずれであってもよい。本実施形態では、天窓26は、ポリカーボネート製であって無色透明である。
【0031】
天窓26は、図8等に示すように、その周縁の下面(キャブ5の内側の面)が天井本体25の天井開口部25aの開口縁の上面にシール部材を介して接着等により固定されている。
【0032】
図8等に示すように、第1補強メンバ23および第2補強メンバ24は、天井本体25の天井開口部25aの開口縁の上下縁部分であって天窓26の上下縁と対応する位置に設けられており、天井本体25の天井開口部25aの開口縁の一部ひいては天窓26の周縁の一部(上下縁)を支持している。このように、本実施形態では、第1補強メンバ23および第2補強メンバ24は、天窓26の周縁の少なくとも一部を支持する天窓支持部として機能している。ここで、第1補強メンバ23および第2補強メンバ24は、天井フレーム21,21と天井本体25の下面とに固定されており、天井本体25との間で下方に突出する閉断面を形成する。
【0033】
第2補強メンバ24には、GPSアンテナ(GPS受信機)70を支持するためのブラケット(支持部材)60が固定されている。これらGPSアンテナ70およびブラケット60の詳細については後述する。
【0034】
図5等に示すように、キャブ5の前面30は、金属製の前面本体33と、非金属部材からなる透明な前窓34とを有する。前窓34は、前面30の上部に設けられている。具体的には、略長方形の前面本体33の上部に略長方形の開口(前面開口部)33aが形成されている。前窓34は、この前面開口部33aを塞ぐ略長方形を呈する。前窓34は、例えば、天窓26と同様、無色透明なポリカーボネートで形成されている。
【0035】
前窓34は、開閉可能な窓である。前窓34は、図7に示すように、キャブ5内において、上下方向に延びて前面開口部33aを塞ぐ閉じ位置(図7の符号34_1で示す状態)と、キャブ5の天井20の下方において天井20に沿って延びて前面開口部33aを開く全開位置(図7の符号34_2で示す状態)との間で移動可能である。
【0036】
本実施形態では、前窓34の移動方式としてリンク式が用いられている。具体的には、前窓34の左右両縁の上下略中央に、前窓34に対して前後に回動可能なリンク35が固定されている。リンク35の上端(閉じ位置にある状態で上端となる部分)にはローラ35aが設けられている。天井フレーム21,21には、前後方向に延びてこのリンク35のローラ35aを前後方向にスライドさせるレール35bが形成されている。また、前窓34の左右両縁の下端(閉じ位置にある状態で下端となる部分)にはローラ34aが設けられている。第1ピラー31,31には、上下方向に延びてこの前窓34のローラ34aを上下方向にスライドさせるレール(不図示)が形成されている。
【0037】
前窓34は、リンク35の回動を伴いつつ、リンク35のローラ35aおよび前窓34のローラ34aが、それぞれレール上をスライドすることで、図7の符号34_1で示す閉じ位置と図7の符号34_2で示す全開位置との間で移動する。
【0038】
なお、前窓34の移動方式は、このリンク式に限らず、前窓34の上端にローラが設けられて前窓34の上下端のローラが天井フレーム21および第1ピラー31に形成されたレールに沿って移動することで前窓34が移動するレール式が用いられてもよい。
【0039】
図3等に示すように、キャブ5の側面50のうち作業機4と反対側に設けられた側面50aは、第1ピラー31と第2ピラー41との間で延びる金属製の側面本体52aと、ドア53aとを有する。ドア53aは、側面50aの前部に設けられている。ドア53aの上部には透明な窓54aが設けられている。
【0040】
側面50のうち他方側に設けられた側面50bは、第1ピラー31と第2ピラー41との間で延びる金属製の側面本体52bと、透明な窓53bとを有する。この窓53bは、側面本体52bの上部に設けられている。
【0041】
キャブ5の後面40は、第2ピラー41,41間で延びる金属製の後面本体42と、透明な窓43とを有する。この窓43は、後面本体42の上部に設けられている。
【0042】
次に、GPSアンテナ70を含む油圧ショベル1に搭載された防犯装置およびブラケット60の構造について説明する。図10は、GPSアンテナ70の概略斜視図である。
【0043】
防犯装置は、油圧ショベル1が盗難された際に油圧ショベル1の位置を管理者に伝えるための装置である。防犯装置は、GPSアンテナ70に加えて、コントローラ(不図示)と、送信アンテナとを有する。
【0044】
GPSアンテナ70は、略直方体形状を有する。GPSアンテナ70には、GPS衛星からの位置情報を含む電波信号を受信するGPSアンテナ部73(受信部)が内蔵されている。本実施形態では、このアンテナ部73は、図10に示すように、平板状であって、GPSアンテナ70の上面71と略平行に配置されている。
【0045】
送信アンテナは、油圧ショベル1側から管理者(管理サーバ)側にデータ送信を行うものである。本実施形態では、GPSアンテナ70に送信アンテナ機能が組み込まれており、GPSアンテナ70と送信アンテナとは一体に構成されている。コントローラは、GPSアンテナ70で受信した位置情報を取り込み、送信アンテナを通じて管理者側に送信する。GPSアンテナ70とコントローラとは、通信線72で結ばれている。コントローラは、キャブ5の底部等に搭載されている。
【0046】
GPSアンテナ70は、ブラケット60によりキャブ5内に支持されている。
【0047】
図4等に示すように、ブラケット60は、所定の方向に延びる板状部材である。ブラケット60は、長手方向一方側に設けられてキャブ5に取り付けられる取付部61と、他方側に設けられてGPSアンテナ70が固定される固定部62とを有する。
【0048】
取付部61は、第2補強メンバ24に、第2補強メンバ24に下方から当接する状態で、ボルト90等により取り付けられている。この取付け状態において、ブラケット60は、後述する前窓34の回動軌跡よりも上方に位置している。これにより、ブラケット60およびこのブラケット60の固定部62の上面に支持されているGPSアンテナ70と前窓34との衝突は回避されている。また、この取付状態において、取付部61は、第2補強メンバ24の下面に沿って前後方向に延びている。取付部61は、図8等に示すように、天井本体25の天井開口部25aの上縁付近まで延びている。
【0049】
固定部62は、その前端の上面に、GPSアンテナ70を、GPSアンテナ70の上面71が固定部62の上面と平行となる姿勢で支持する。例えば、GPSアンテナ70の底面が、固定部62の上面に磁石等により固定されている。
【0050】
固定部62は、取付部61から前方に延びている。そのため、取付部61が天井本体25の天井開口部25aの上縁付近まで延びているのに伴って、固定部62は天井本体25の天井開口部25aの内側に配置される。このように、本実施形態では、ブラケット60は第2補強メンバ24から天井開口部25aの内側に向かって突出して、その突出端部に固定部62が設けられている。
【0051】
固定部62が天井本体25の天井開口部25aの内側に配置されるのに伴い、固定部62に固定されたGPSアンテナ70は、天井開口部25aひいては天窓26と平面視で重複する位置に配置され、GPSアンテナ70の上面71の上方には非金属製の天窓26のみが存在することになる。本実施形態では、GPSアンテナ70の上面71全体が天井開口部25aと重複して、GPSアンテナ70全体がその上方に非金属製の天窓26のみが存在する位置に配置されている。
【0052】
このようにGPSアンテナ70の上方に金属製部材が存在しないことにより、GPSアンテナ70がキャブ5の内側に配置されているにも関わらず、上方から降りてくるGPS衛星の電波はGPSアンテナ70の上面71ひいてはGPSアンテナ部73に確実に入射することができ、GPSアンテナ70の受信感度は高く維持される。
【0053】
固定部62は、GPSアンテナ70よりも大きな面積を有しており、GPSアンテナ70全体を下方から覆う状態で支持している。そのため、下方から見た際に、GPSアンテナ70は固定部62により隠される。このように、固定部62は、GPSアンテナ70を支持しつつ、GPSアンテナ70の外部からの視認性を低く抑える。ここで、視認性を確実に低く抑えるべく、固定部62は不透明であるのが好ましい。
【0054】
固定部62は、天窓26と略平行に延びている。前述のように、天窓26は、前方に向かうほど下方に傾斜しており、固定部62も、前記取付部61の前端から前方に向かうほど下方に傾斜している。このように、固定部62が天窓26と略平行に延びていることで、固定部62と天窓26との間にGPSアンテナ70を配置しつつ、固定部62ひいてはブラケット60の天窓から下方への突出量は小さく抑えられている。この突出量の抑制は、ブラケット60が運転者の視界を遮り操作の邪魔になるのを抑制する。
【0055】
図9等に示すように、ブラケット60は、第2補強メンバ24の左側端部、すなわち、左右方向において作業機4と反対側の端部付近に設けられている。ここで、運転者は、作業機4を視認しながら作業を行う、そのため、運転者は、作業中、主に左右方向において作業機4側を見る。従って、ブラケット60およびGPSアンテナ70が作業機4と反対側に設けられていることは、ブラケット60およびGPSアンテナ70が運転者の視界を遮り操作の邪魔になるのを抑制する。
【0056】
また、本実施形態では、ブラケット60は、ブラケット60およびGPSアンテナ70が側面視で天井フレーム21と重複する位置になるよう構成されている。そのため、側方から見た際にGPSアンテナ70は天井フレーム21により隠され、GPSアンテナ70の視認性はより低く抑えられている。
【0057】
ここで、GPSアンテナ70から延びる通信線72は、GPSアンテナ70から、GPSアンテナ70に近接する左側の天井フレーム21に延びて、この天井フレーム21内を通って、コントローラまで延びている。具体的には、天井フレーム21は中空部材であり、通信線72は、天井フレーム21の内側から天井フレーム21の内側側面に形成された開口部を通って外側に引き出され、GPSアンテナ70に向かって略水平に延びている。
【0058】
以上のように、本実施形態に係る油圧ショベル1では、GPSアンテナ70が、ブラケット60により、天窓26の下方かつ前窓34の回動軌跡の上方であって、その全体が平面視で非金属製の天窓26と重複して上方にこの天窓26のみが存在する位置に支持されているため、GPSアンテナ70をキャブ5の内側に配置してGPSアンテナ70の外部からの視認性を低く抑えつつ、また、前窓34とブラケット60およびGPSアンテナ70との衝突を回避しつつ、GPSアンテナ70の受信感度を高く維持することができる。特に、GPSアンテナ70を固定部62および天井フレーム21が、GPSアンテナ70を隠しているため、GPSアンテナ70の視認性の確実に低く抑えることができる。しかも、これらの効果を、作業機4の状態をキャブ5内の運転者が目視するために天井20に設けられた天窓26を利用することで得ることができ、従来からの構造変更を小さく抑えてコストの増大を回避することができる。また、ブラケット60が、作業機4と反対側の端部付近に設けられるとともに、固定部62が天窓26と平行に延びて、これらの隙間にGPSアンテナ70が配置されており、ブラケット60およびGPSアンテナ70が運転者の視界を遮り操作の邪魔になるのを抑制して、高い操作性を維持することができる。
【0059】
また、GPSアンテナ70がキャブ5内に配置されているため、GPSアンテナ70とコントローラとの間の配線をキャブ5内で行うことができる。そのため、この配線において、防水処理を施す必要がなく、構造を簡素化することができる。すなわち、GPSアンテナ70がキャブ5の外側に配置されている場合では、コントローラとGPSアンテナ70とを結ぶ通信線72を、キャブ5の各面等に形成された貫通孔を通してキャブ5の内外にわたって配索する必要があり、貫通孔回りに高い防水処理を施す必要があるが、本実施形態では、このような防水処理を省略することができる。
【0060】
ここで、GPSアンテナ70の視認性をより低く抑えるべく、図11に示すように、ブラケット60に遮蔽部材75を延設してもよい。この遮蔽部材75は、ブラケット60と天井フレーム21との間で延びており、GPSアンテナ70から延びる通信線72を下方から覆っている。このようにすれば、通信線72をたどることでGPSアンテナ70の位置が把握される、また、通信線72が切断されるのを回避することができ、防犯性能をより一層高めることができる。
【0061】
また、前記ブラケット60の取付け位置は、第2補強メンバ24に限らない。例えば、図12に示すように、ブラケット60を、第1補強メンバ23に、第1補強メンバ23から天井開口部25aの内側に突出する姿勢で取り付けて、その突出端部を固定部62として、この突出端部にGPSアンテナ70を固定してもよい。また、図13に示すように、ブラケット60を、天井本体25のうち天井開口部25aの周縁から天井開口部25aの内側に突出する形状とし、その突出端部を固定部62として、この突出端部にGPSアンテナ70を固定してもよい。ただし、ブラケット60を第1補強メンバ23,24等の、天窓26を支持する天窓支持部材に設ければ、ブラケット60ひいてはGPSアンテナ70を安定して固定することができる。
【0062】
また、前記実施形態では、GPSアンテナ70が、その上面71の全体が天窓26と重複してその上方に天窓26のみが存在するように支持された場合について説明したが、GPSアンテナ70は、GPS衛星からの電波信号を受信するGPSアンテナ部73の少なくとも一部が天窓26と重複して、GPSアンテナ70のうちこの天窓26と重複するGPSアンテナ部73の少なくとも一部が配置されている部分の上方に天窓26のみが存在するように支持されていればよい。ただし、平板状のGPSアンテナ部73が内蔵されてGPSアンテナ70の上面71がこのGPSアンテナ部73と平行に形成されたGPSアンテナ70を用いる場合には、GPSアンテナ70の上面71全体を天窓26と重複させれば、受信感度を確実に高くすることができる。
【符号の説明】
【0063】
1 建設機械
4 作業機
5 キャブ
20 天井
24 第2補強メンバ(天窓支持部)
25a 天井開口部
26 天窓
30 前面
33a 前面開口部
34 前窓
60 ブラケット(支持部材)
62 固定部
70 GPSアンテナ(GPS受信機)
73 GPSアンテナ部(GPS受信部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械に設けられる箱状のキャブおよび当該キャブを有する建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、油圧ショベル等の建設機械において、盗難防止のためにGPSを利用して建設機械の位置を把握する防犯装置がキャブに搭載されたものが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、GPS衛星からの位置情報を受信するGPS受信部を有するGPS受信機と、GPS受信機が受信した位置情報を管理サーバに送信するデータ通信用アンテナを含み管理サーバとの間で通信を行う通信手段とを有する防犯装置が搭載されたキャブが開示されている。
【0004】
ここで、GPS受信機は、位置情報としてGPS衛星から電波信号を受信するものであり、GPS受信機のGPS受信部が金属部材で遮蔽されているとその受信感度は悪化する。そして、キャブを構成するフレーム部材や壁は、主に鋼等の金属からなる。そのため、受信感度を良好に維持するべく、GPS受信機がキャブの外側に配置された建設機械が用いられる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−267568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記のようにGPS受信機がキャブの外側に配置されたものでは、GPS受信機の位置が外部から容易に視認可能となるため、盗難時にGPS受信機が取り外されてしまい、建設機械の位置把握ができなくなるおそれがある。これに対して、GPS受信機の位置が容易に視認されないようにするべく、キャブの外側に配置されたGPS受信機を覆い隠す非金属部材からなるカバーを別途設けることが考えられる。しかしながら、このように別途カバーを設けた場合には、コストがかかるという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み、コストの大幅な増大を回避しつつ外部からGPS受信機が容易に視認できないキャブの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は、建設機械に設けられる箱状のキャブであって、前記キャブの幅方向両端においてそれぞれ前後方向に延びて前記キャブの天井を支持する金属製の一対の天井フレームと、前記キャブの天井に形成された天井開口部を塞ぐ非金属製の天窓と、前記キャブの前面に形成された前面開口部を塞ぐ位置と前記キャブの天井の下方において当該天井に沿い前記前面開口部を開く位置との間で移動可能な前窓と、建設機械の位置情報をGPS衛星から受信する受信部を有するGPS受信機と、前記キャブ内に設けられて、前記GPS受信機を支持する支持部材とを有し、前記支持部材は、前記GPS受信機が固定される固定部を有し、前記天窓と前記前窓の回動軌跡との間に配置されて、前記GPS受信機を、前記天窓と前記前窓の回動軌跡との間であって前記受信部の少なくとも一部と前記天窓とが平面視で重複して前記GPS受信機のうちこの受信部の少なくとも一部が配置された部分の上方に前記天窓のみが存在する位置に支持することを特徴とするキャブを提供する。
【0009】
この構成によれば、簡単な構成でコストの増大を回避しつつGPS受信機のGPS受信部の受信感度を高くし、かつ、GPS受信機の外部からの視認を困難にすることができる。
【0010】
具体的には、この構成では、GPS受信機がキャブの内側に配置されていることでGPS受信機が外部から容易に視認されるのを回避しつつ、GPS受信部の少なくとも一部が非金属製の天窓と重複してその上方にこの天窓のみが存在する状態とされることでGPS受信部の受信感度を高く維持することができる。特に、本構成では、この視認性の悪化と受信感度の維持という効果を作業機の状態をキャブ内の運転者が目視するために天井に設けられる天窓を利用することで得ており、従来の建設機械からの構造変更を小さく抑えてコストの増大を回避することができる。しかも、この構成では、支持部材およびGPS受信機が前窓の回動軌跡よりも上方に配置されるため、支持部材およびGPS受信機と前窓との衝突を確実に回避しつつ前窓の回動を可能とすることができる。
【0011】
本発明において、前記天井の天井開口部の開口縁に設けられて前記天窓の周縁の少なくとも一部を支持する天窓支持部を有し、前記支持部材は、前記天窓支持部から前記天井開口部の内側に向かって突出する形状を有し、その突出端部が前記固定部を構成するのが好ましい。
【0012】
この構成では、固定部ひいてはGPS受信機のGPS受信部を天窓と重複する位置に配置しつつ、支持部材およびGPS受信機が天井に近接した位置に配置されるため、支持部材およびGPS受信機が運転者の視界をさえぎる量を少なく抑えることができる。このことは、高い操作性を維持する。
【0013】
また、本発明において、前記支持部材の固定部は、前記天窓と略平行に延びる形状を有し、前記GPS受信機は、前記固定部と前記天窓との隙間に配置されているのが好ましい。
【0014】
この構成によれば、支持部材の固定部が天窓と略平行に配置されて、これらの隙間にGPS受信機が配置されるため、固定部およびGPS受信機が天窓から下方に突出する量を小さく抑えることができ、これらが運転者の視界に入り操作の邪魔になるのをより確実に回避することができる。このことは、より高い操作性を確保する。
【0015】
また、本発明において、前記支持部材の固定部は、前記GPS受信機を下方から覆う形状を有するのが好ましい。
【0016】
このようにGPS受信機が固定部により下方から隠されていれば、GPS受信機の位置をより分かりにくくすることができる。
【0017】
さらに、前記GPS受信機から延びる通信線と、前記支持部材に連設される遮蔽部材とを有し、前記通信線は、前記GPS受信機から前記天井フレームに向かって略水平延びた後、当該天井フレームの内側に挿入されており、前記遮蔽部材は、前記支持部材から前記天井フレーム側に延びて、前記通信線のうち前記GPS受信機と前記天井フレームとの間に位置する部分を下方から覆う形状を有するのが好ましい。
【0018】
このようにすれば、GPS受信機に加えてGPS受信機から延びる通信線が下方から覆われるため、GPS受信機の位置の外部からの視認がより一層困難になる。また、通信線の視認が困難になることで、通信線が切断されて建設機械の位置の把握が不可能になるという事態を回避することができる。
【0019】
また、本発明は、下部走行体と、旋回フレームを有し前記下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体とを有し、前記旋回フレーム上に、前記キャブと前記作業機とが建設機械の幅方向に並んで配置されており、前記支持部材が、前記キャブの幅方向の前記作業機と反対側の端部に設けられていることを特徴とする建設機械を提供する。
【0020】
この建設機械によれば、運転者が作業機を目視しつつ各種の操作を行う際に、支持部材および支持部材に支持されるGPS受信機が運転者の視界に入り操作の邪魔になるのをより確実に回避することができる。このことは、より高い操作性を確保する。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、コストの大幅な増大を回避しつつ外部からのGPS受信機の位置の視認を困難にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る建設機械の概略側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る建設機械の概略上面図である。
【図3】図1に示す建設機械のキャブの概略斜視図である。
【図4】図3の一部を拡大して示した図である。
【図5】キャブの概略正面図である。
【図6】キャブの概略断面図である。
【図7】前窓の回動の様子を示した概略側面図である。
【図8】図6の一部を拡大して示した図である。
【図9】図4に対応する部分を下方から見た概略底面図である。
【図10】GPSアンテナの概略斜視図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係るブラケット周辺の概略底面図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係るブラケット周辺の概略断面図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係るブラケット周辺の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る建設機械について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
図1は、建設機械の一例である油圧ショベル1の概略側面図である。図2は、油圧ショベル1の概略上面図である。油圧ショベル1は、下部走行体2と、この下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とを有する。上部旋回体3は、旋回フレーム10を有し、その上には、作業機4と、運転席が設けられたオペレータ用のキャブ5と、エンジンや油圧ポンプ等の各種機器が収容されるエンジンルーム6と、カウンタウェイト7とが搭載されている。図2に示すように、作業機4とキャブ5とは車幅方向に並んでいる。具体的には、作業機4は、油圧ショベル1の車幅方向略中央に設けられており、キャブ5は、油圧ショベル1の車幅方向一方(図2の右側)寄りに設けられている。以下、油圧ショベル1の車幅方向であってキャブ5の幅方向を左右方向という。
【0025】
図3は、キャブ5の概略斜視図である。図4は、図3の破線領域Aを拡大した図である。図5は、キャブ5の概略正面図である。図6は、キャブの概略縦断面図である。図7は、後述する前窓34の移動構造を説明するための図である。図8は、図6の部分拡大図である。図9は、図4に対応する部分を下方から見た概略底面図である。
【0026】
キャブ5の全体構造について説明する。
【0027】
キャブ5は、それぞれ面状を呈する天井20と、前面30と、後面40と、左右両側面50,50と、底面とを有する略直方体の箱状部材である。キャブ5は、キャブ5の骨格を構成してこれら天井20等を支持する棒状の複数のフレームを有する。
【0028】
具体的には、キャブ5は、フレームとして、一対の天井フレーム21,21と、一対の第1ピラー31,31と、一対の第2ピラー41,41と、ドアピラー51と、第1補強メンバ23と、第2補強メンバ24等を有する。天井フレーム21,21は、天井20の左右両端に設けられて前後方向に延びている。第1ピラー31,31は、各天井フレーム21,21の前端から下方に延びている。第2ピラー41,41は、天井フレーム21,21の後端から下方に延びている。ドアピラー51は、一方の天井フレーム21の前後略中央位置から下方に延びている。第1補強メンバ23は、天井フレーム21,21の前端間で延びている。第2補強メンバ24は、第1補強メンバ23よりも後方において、天井フレーム21,21間で延びている。
【0029】
天井20は、天井フレーム21,21間で延びる金属製の天井本体25と、非金属製の透明な天窓26とを有する。天窓26は、主に作業機4の先端等が上方に移動した際に作業機4の状態をキャブ5内の運転者が目視するために用いられる。天窓26は、天井20の前端部に設けられている。具体的には、略長方形の天井本体25の前端部に略長方形の天井開口部25aが形成されており、天窓26はこの天井開口部25aを塞ぐ略長方形を呈している。本実施形態では、天井20の前端部および天窓26は、前方に向かうほど下方に傾斜している。
【0030】
天窓26の材質は、非金属であればどのようなものであってもよいが、落下物によって天窓26が損傷しないように樹脂製のもの(例えば、ポリカーボネートやアクリル等)が好ましい。また、天窓26の色は、特に限定されず、無色・有色のいずれであってもよい。本実施形態では、天窓26は、ポリカーボネート製であって無色透明である。
【0031】
天窓26は、図8等に示すように、その周縁の下面(キャブ5の内側の面)が天井本体25の天井開口部25aの開口縁の上面にシール部材を介して接着等により固定されている。
【0032】
図8等に示すように、第1補強メンバ23および第2補強メンバ24は、天井本体25の天井開口部25aの開口縁の上下縁部分であって天窓26の上下縁と対応する位置に設けられており、天井本体25の天井開口部25aの開口縁の一部ひいては天窓26の周縁の一部(上下縁)を支持している。このように、本実施形態では、第1補強メンバ23および第2補強メンバ24は、天窓26の周縁の少なくとも一部を支持する天窓支持部として機能している。ここで、第1補強メンバ23および第2補強メンバ24は、天井フレーム21,21と天井本体25の下面とに固定されており、天井本体25との間で下方に突出する閉断面を形成する。
【0033】
第2補強メンバ24には、GPSアンテナ(GPS受信機)70を支持するためのブラケット(支持部材)60が固定されている。これらGPSアンテナ70およびブラケット60の詳細については後述する。
【0034】
図5等に示すように、キャブ5の前面30は、金属製の前面本体33と、非金属部材からなる透明な前窓34とを有する。前窓34は、前面30の上部に設けられている。具体的には、略長方形の前面本体33の上部に略長方形の開口(前面開口部)33aが形成されている。前窓34は、この前面開口部33aを塞ぐ略長方形を呈する。前窓34は、例えば、天窓26と同様、無色透明なポリカーボネートで形成されている。
【0035】
前窓34は、開閉可能な窓である。前窓34は、図7に示すように、キャブ5内において、上下方向に延びて前面開口部33aを塞ぐ閉じ位置(図7の符号34_1で示す状態)と、キャブ5の天井20の下方において天井20に沿って延びて前面開口部33aを開く全開位置(図7の符号34_2で示す状態)との間で移動可能である。
【0036】
本実施形態では、前窓34の移動方式としてリンク式が用いられている。具体的には、前窓34の左右両縁の上下略中央に、前窓34に対して前後に回動可能なリンク35が固定されている。リンク35の上端(閉じ位置にある状態で上端となる部分)にはローラ35aが設けられている。天井フレーム21,21には、前後方向に延びてこのリンク35のローラ35aを前後方向にスライドさせるレール35bが形成されている。また、前窓34の左右両縁の下端(閉じ位置にある状態で下端となる部分)にはローラ34aが設けられている。第1ピラー31,31には、上下方向に延びてこの前窓34のローラ34aを上下方向にスライドさせるレール(不図示)が形成されている。
【0037】
前窓34は、リンク35の回動を伴いつつ、リンク35のローラ35aおよび前窓34のローラ34aが、それぞれレール上をスライドすることで、図7の符号34_1で示す閉じ位置と図7の符号34_2で示す全開位置との間で移動する。
【0038】
なお、前窓34の移動方式は、このリンク式に限らず、前窓34の上端にローラが設けられて前窓34の上下端のローラが天井フレーム21および第1ピラー31に形成されたレールに沿って移動することで前窓34が移動するレール式が用いられてもよい。
【0039】
図3等に示すように、キャブ5の側面50のうち作業機4と反対側に設けられた側面50aは、第1ピラー31と第2ピラー41との間で延びる金属製の側面本体52aと、ドア53aとを有する。ドア53aは、側面50aの前部に設けられている。ドア53aの上部には透明な窓54aが設けられている。
【0040】
側面50のうち他方側に設けられた側面50bは、第1ピラー31と第2ピラー41との間で延びる金属製の側面本体52bと、透明な窓53bとを有する。この窓53bは、側面本体52bの上部に設けられている。
【0041】
キャブ5の後面40は、第2ピラー41,41間で延びる金属製の後面本体42と、透明な窓43とを有する。この窓43は、後面本体42の上部に設けられている。
【0042】
次に、GPSアンテナ70を含む油圧ショベル1に搭載された防犯装置およびブラケット60の構造について説明する。図10は、GPSアンテナ70の概略斜視図である。
【0043】
防犯装置は、油圧ショベル1が盗難された際に油圧ショベル1の位置を管理者に伝えるための装置である。防犯装置は、GPSアンテナ70に加えて、コントローラ(不図示)と、送信アンテナとを有する。
【0044】
GPSアンテナ70は、略直方体形状を有する。GPSアンテナ70には、GPS衛星からの位置情報を含む電波信号を受信するGPSアンテナ部73(受信部)が内蔵されている。本実施形態では、このアンテナ部73は、図10に示すように、平板状であって、GPSアンテナ70の上面71と略平行に配置されている。
【0045】
送信アンテナは、油圧ショベル1側から管理者(管理サーバ)側にデータ送信を行うものである。本実施形態では、GPSアンテナ70に送信アンテナ機能が組み込まれており、GPSアンテナ70と送信アンテナとは一体に構成されている。コントローラは、GPSアンテナ70で受信した位置情報を取り込み、送信アンテナを通じて管理者側に送信する。GPSアンテナ70とコントローラとは、通信線72で結ばれている。コントローラは、キャブ5の底部等に搭載されている。
【0046】
GPSアンテナ70は、ブラケット60によりキャブ5内に支持されている。
【0047】
図4等に示すように、ブラケット60は、所定の方向に延びる板状部材である。ブラケット60は、長手方向一方側に設けられてキャブ5に取り付けられる取付部61と、他方側に設けられてGPSアンテナ70が固定される固定部62とを有する。
【0048】
取付部61は、第2補強メンバ24に、第2補強メンバ24に下方から当接する状態で、ボルト90等により取り付けられている。この取付け状態において、ブラケット60は、後述する前窓34の回動軌跡よりも上方に位置している。これにより、ブラケット60およびこのブラケット60の固定部62の上面に支持されているGPSアンテナ70と前窓34との衝突は回避されている。また、この取付状態において、取付部61は、第2補強メンバ24の下面に沿って前後方向に延びている。取付部61は、図8等に示すように、天井本体25の天井開口部25aの上縁付近まで延びている。
【0049】
固定部62は、その前端の上面に、GPSアンテナ70を、GPSアンテナ70の上面71が固定部62の上面と平行となる姿勢で支持する。例えば、GPSアンテナ70の底面が、固定部62の上面に磁石等により固定されている。
【0050】
固定部62は、取付部61から前方に延びている。そのため、取付部61が天井本体25の天井開口部25aの上縁付近まで延びているのに伴って、固定部62は天井本体25の天井開口部25aの内側に配置される。このように、本実施形態では、ブラケット60は第2補強メンバ24から天井開口部25aの内側に向かって突出して、その突出端部に固定部62が設けられている。
【0051】
固定部62が天井本体25の天井開口部25aの内側に配置されるのに伴い、固定部62に固定されたGPSアンテナ70は、天井開口部25aひいては天窓26と平面視で重複する位置に配置され、GPSアンテナ70の上面71の上方には非金属製の天窓26のみが存在することになる。本実施形態では、GPSアンテナ70の上面71全体が天井開口部25aと重複して、GPSアンテナ70全体がその上方に非金属製の天窓26のみが存在する位置に配置されている。
【0052】
このようにGPSアンテナ70の上方に金属製部材が存在しないことにより、GPSアンテナ70がキャブ5の内側に配置されているにも関わらず、上方から降りてくるGPS衛星の電波はGPSアンテナ70の上面71ひいてはGPSアンテナ部73に確実に入射することができ、GPSアンテナ70の受信感度は高く維持される。
【0053】
固定部62は、GPSアンテナ70よりも大きな面積を有しており、GPSアンテナ70全体を下方から覆う状態で支持している。そのため、下方から見た際に、GPSアンテナ70は固定部62により隠される。このように、固定部62は、GPSアンテナ70を支持しつつ、GPSアンテナ70の外部からの視認性を低く抑える。ここで、視認性を確実に低く抑えるべく、固定部62は不透明であるのが好ましい。
【0054】
固定部62は、天窓26と略平行に延びている。前述のように、天窓26は、前方に向かうほど下方に傾斜しており、固定部62も、前記取付部61の前端から前方に向かうほど下方に傾斜している。このように、固定部62が天窓26と略平行に延びていることで、固定部62と天窓26との間にGPSアンテナ70を配置しつつ、固定部62ひいてはブラケット60の天窓から下方への突出量は小さく抑えられている。この突出量の抑制は、ブラケット60が運転者の視界を遮り操作の邪魔になるのを抑制する。
【0055】
図9等に示すように、ブラケット60は、第2補強メンバ24の左側端部、すなわち、左右方向において作業機4と反対側の端部付近に設けられている。ここで、運転者は、作業機4を視認しながら作業を行う、そのため、運転者は、作業中、主に左右方向において作業機4側を見る。従って、ブラケット60およびGPSアンテナ70が作業機4と反対側に設けられていることは、ブラケット60およびGPSアンテナ70が運転者の視界を遮り操作の邪魔になるのを抑制する。
【0056】
また、本実施形態では、ブラケット60は、ブラケット60およびGPSアンテナ70が側面視で天井フレーム21と重複する位置になるよう構成されている。そのため、側方から見た際にGPSアンテナ70は天井フレーム21により隠され、GPSアンテナ70の視認性はより低く抑えられている。
【0057】
ここで、GPSアンテナ70から延びる通信線72は、GPSアンテナ70から、GPSアンテナ70に近接する左側の天井フレーム21に延びて、この天井フレーム21内を通って、コントローラまで延びている。具体的には、天井フレーム21は中空部材であり、通信線72は、天井フレーム21の内側から天井フレーム21の内側側面に形成された開口部を通って外側に引き出され、GPSアンテナ70に向かって略水平に延びている。
【0058】
以上のように、本実施形態に係る油圧ショベル1では、GPSアンテナ70が、ブラケット60により、天窓26の下方かつ前窓34の回動軌跡の上方であって、その全体が平面視で非金属製の天窓26と重複して上方にこの天窓26のみが存在する位置に支持されているため、GPSアンテナ70をキャブ5の内側に配置してGPSアンテナ70の外部からの視認性を低く抑えつつ、また、前窓34とブラケット60およびGPSアンテナ70との衝突を回避しつつ、GPSアンテナ70の受信感度を高く維持することができる。特に、GPSアンテナ70を固定部62および天井フレーム21が、GPSアンテナ70を隠しているため、GPSアンテナ70の視認性の確実に低く抑えることができる。しかも、これらの効果を、作業機4の状態をキャブ5内の運転者が目視するために天井20に設けられた天窓26を利用することで得ることができ、従来からの構造変更を小さく抑えてコストの増大を回避することができる。また、ブラケット60が、作業機4と反対側の端部付近に設けられるとともに、固定部62が天窓26と平行に延びて、これらの隙間にGPSアンテナ70が配置されており、ブラケット60およびGPSアンテナ70が運転者の視界を遮り操作の邪魔になるのを抑制して、高い操作性を維持することができる。
【0059】
また、GPSアンテナ70がキャブ5内に配置されているため、GPSアンテナ70とコントローラとの間の配線をキャブ5内で行うことができる。そのため、この配線において、防水処理を施す必要がなく、構造を簡素化することができる。すなわち、GPSアンテナ70がキャブ5の外側に配置されている場合では、コントローラとGPSアンテナ70とを結ぶ通信線72を、キャブ5の各面等に形成された貫通孔を通してキャブ5の内外にわたって配索する必要があり、貫通孔回りに高い防水処理を施す必要があるが、本実施形態では、このような防水処理を省略することができる。
【0060】
ここで、GPSアンテナ70の視認性をより低く抑えるべく、図11に示すように、ブラケット60に遮蔽部材75を延設してもよい。この遮蔽部材75は、ブラケット60と天井フレーム21との間で延びており、GPSアンテナ70から延びる通信線72を下方から覆っている。このようにすれば、通信線72をたどることでGPSアンテナ70の位置が把握される、また、通信線72が切断されるのを回避することができ、防犯性能をより一層高めることができる。
【0061】
また、前記ブラケット60の取付け位置は、第2補強メンバ24に限らない。例えば、図12に示すように、ブラケット60を、第1補強メンバ23に、第1補強メンバ23から天井開口部25aの内側に突出する姿勢で取り付けて、その突出端部を固定部62として、この突出端部にGPSアンテナ70を固定してもよい。また、図13に示すように、ブラケット60を、天井本体25のうち天井開口部25aの周縁から天井開口部25aの内側に突出する形状とし、その突出端部を固定部62として、この突出端部にGPSアンテナ70を固定してもよい。ただし、ブラケット60を第1補強メンバ23,24等の、天窓26を支持する天窓支持部材に設ければ、ブラケット60ひいてはGPSアンテナ70を安定して固定することができる。
【0062】
また、前記実施形態では、GPSアンテナ70が、その上面71の全体が天窓26と重複してその上方に天窓26のみが存在するように支持された場合について説明したが、GPSアンテナ70は、GPS衛星からの電波信号を受信するGPSアンテナ部73の少なくとも一部が天窓26と重複して、GPSアンテナ70のうちこの天窓26と重複するGPSアンテナ部73の少なくとも一部が配置されている部分の上方に天窓26のみが存在するように支持されていればよい。ただし、平板状のGPSアンテナ部73が内蔵されてGPSアンテナ70の上面71がこのGPSアンテナ部73と平行に形成されたGPSアンテナ70を用いる場合には、GPSアンテナ70の上面71全体を天窓26と重複させれば、受信感度を確実に高くすることができる。
【符号の説明】
【0063】
1 建設機械
4 作業機
5 キャブ
20 天井
24 第2補強メンバ(天窓支持部)
25a 天井開口部
26 天窓
30 前面
33a 前面開口部
34 前窓
60 ブラケット(支持部材)
62 固定部
70 GPSアンテナ(GPS受信機)
73 GPSアンテナ部(GPS受信部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械に設けられる箱状のキャブであって、
前記キャブの幅方向両端においてそれぞれ前後方向に延びて前記キャブの天井を支持する金属製の一対の天井フレームと、
前記キャブの天井に形成された天井開口部を塞ぐ非金属製の天窓と、
前記キャブの前面に形成された前面開口部を塞ぐ位置と前記キャブの天井の下方において当該天井に沿い前記前面開口部を開く位置との間で移動可能な前窓と、
建設機械の位置情報をGPS衛星から受信する受信部を有するGPS受信機と、
前記キャブ内に設けられて、前記GPS受信機を支持する支持部材とを有し、
前記支持部材は、前記GPS受信機が固定される固定部を有し、前記天窓と前記前窓の回動軌跡との間に配置されて、前記GPS受信機を、前記天窓と前記前窓の回動軌跡との間であって前記受信部の少なくとも一部と前記天窓とが平面視で重複して前記GPS受信機のうちこの受信部の少なくとも一部が配置された部分の上方に前記天窓のみが存在する位置に支持することを特徴とするキャブ。
【請求項2】
請求項1に記載のキャブにおいて、
前記天井の天井開口部の開口縁に設けられて前記天窓の周縁の少なくとも一部を支持する天窓支持部を有し、
前記支持部材は、前記天窓支持部から前記天井開口部の内側に向かって突出する形状を有し、その突出端部が前記固定部を構成することを特徴とするキャブ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のキャブにおいて、
前記支持部材の固定部は、前記天窓と略平行に延びる形状を有し、前記GPS受信機は、前記固定部と前記天窓との隙間に配置されていることを特徴とするキャブ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のキャブにおいて、
前記支持部材の固定部は、前記GPS受信機を下方から覆う形状を有することを特徴とするキャブ。
【請求項5】
請求項4に記載のキャブにおいて、
前記GPS受信機から延びる通信線と、
前記支持部材に連設される遮蔽部材とを有し、
前記通信線は、前記GPS受信機から前記天井フレームに向かって略水平延びた後、当該天井フレームの内側に挿入されており、
前記遮蔽部材は、前記支持部材から前記天井フレーム側に延びて、前記通信線のうち前記GPS受信機と前記天井フレームとの間に位置する部分を下方から覆う形状を有することを特徴とするキャブ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のキャブを有する建設機械であって、
下部走行体と、旋回フレームを有し前記下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体とを有し、
前記旋回フレーム上に、前記キャブと前記作業機とが建設機械の幅方向に並んで配置されており、
前記支持部材が、前記キャブの幅方向の前記作業機と反対側の端部に設けられていることを特徴とする建設機械。
【請求項1】
建設機械に設けられる箱状のキャブであって、
前記キャブの幅方向両端においてそれぞれ前後方向に延びて前記キャブの天井を支持する金属製の一対の天井フレームと、
前記キャブの天井に形成された天井開口部を塞ぐ非金属製の天窓と、
前記キャブの前面に形成された前面開口部を塞ぐ位置と前記キャブの天井の下方において当該天井に沿い前記前面開口部を開く位置との間で移動可能な前窓と、
建設機械の位置情報をGPS衛星から受信する受信部を有するGPS受信機と、
前記キャブ内に設けられて、前記GPS受信機を支持する支持部材とを有し、
前記支持部材は、前記GPS受信機が固定される固定部を有し、前記天窓と前記前窓の回動軌跡との間に配置されて、前記GPS受信機を、前記天窓と前記前窓の回動軌跡との間であって前記受信部の少なくとも一部と前記天窓とが平面視で重複して前記GPS受信機のうちこの受信部の少なくとも一部が配置された部分の上方に前記天窓のみが存在する位置に支持することを特徴とするキャブ。
【請求項2】
請求項1に記載のキャブにおいて、
前記天井の天井開口部の開口縁に設けられて前記天窓の周縁の少なくとも一部を支持する天窓支持部を有し、
前記支持部材は、前記天窓支持部から前記天井開口部の内側に向かって突出する形状を有し、その突出端部が前記固定部を構成することを特徴とするキャブ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のキャブにおいて、
前記支持部材の固定部は、前記天窓と略平行に延びる形状を有し、前記GPS受信機は、前記固定部と前記天窓との隙間に配置されていることを特徴とするキャブ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のキャブにおいて、
前記支持部材の固定部は、前記GPS受信機を下方から覆う形状を有することを特徴とするキャブ。
【請求項5】
請求項4に記載のキャブにおいて、
前記GPS受信機から延びる通信線と、
前記支持部材に連設される遮蔽部材とを有し、
前記通信線は、前記GPS受信機から前記天井フレームに向かって略水平延びた後、当該天井フレームの内側に挿入されており、
前記遮蔽部材は、前記支持部材から前記天井フレーム側に延びて、前記通信線のうち前記GPS受信機と前記天井フレームとの間に位置する部分を下方から覆う形状を有することを特徴とするキャブ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のキャブを有する建設機械であって、
下部走行体と、旋回フレームを有し前記下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体とを有し、
前記旋回フレーム上に、前記キャブと前記作業機とが建設機械の幅方向に並んで配置されており、
前記支持部材が、前記キャブの幅方向の前記作業機と反対側の端部に設けられていることを特徴とする建設機械。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−87466(P2013−87466A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227726(P2011−227726)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
【Fターム(参考)】
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