説明

クッション及び通風装置が内設された履き物

【課題】本発明は、空気を吸入するエアーポンプの復原力を高め、熱融着過程で空気流路が閉鎖されるのを防止できることはもちろん、エアーチャンバーに格納される空気の格納時間を可能な限り遅延させて、クッション力を上げるようにしたクッション及び通風装置が内設された履き物を提供する。
【解決手段】本発明のクッション及び通風装置が内設された履き物は、一側に空気排出管を有するエアーポンプ、前記エアーポンプの空気排出管に連結する連結管路及びエアーチャンバーを有するエアーチューブで構成したクッション及び通風装置が内設された履き物において、前記エアーポンプは、吸入孔を有する下部シート上に中空部を有する上部シートを載置し、前記上部シート及び下部シートの周囲面を高周波で熱融着させて構成し、前記上部シート及び下部シートの内部には、収縮及び復原力を有するスポンジをさらに内蔵する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履き物に関し、特に、空気を吸入するエアーポンプの復原力を高め、熱融着過程で空気流路が閉鎖されるのを防止できることはもちろん、エアーチャンバーに格納される空気の格納時間を可能な限り遅延させて、クッション力を上げるようにしたクッション及び通風装置が内設された履き物に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、履き物は、歩行中の人の足を保護する手段であって、通常、通風が良くない革や合成樹脂などを利用して製作されることによって、履き物の内部の空気循環が悪くなり、したがって、汗や湿気等による悪臭が発生し、細菌繁殖による水虫や湿疹等の疾病を引き起こす原因となる。
上記のような問題点を解決するために、近来では、通風装置が内設された履き物が多数考案されたことがある。これらの通風履き物の概略的な構造は、履き物の中敷下に設置され空気を吸入するポンプと、前記ポンプで吸入された空気を一方向に通過させるチェックバルブ、そして前記チェックバルブと連結され、前記チェックバルブを通過した空気を履き物の内部に排出させる空気排出管で構成される。
上記の構成からなる従来の通風履き物は、歩行過程で前記エアーポンプが繰り返し的に圧縮、復元されポンピング動作が行われるようにすることで、外気を履き物の内部に持続的に供給させて、履き物内の汗や悪臭などを効果的に除去できるようにした有用な考案ではあるが、従来の通風履き物には、次のような問題点が予想される。
まず、従来の通風履き物に用いられるエアーポンプは、歩行過程で足の圧力により収縮し空気を吸入した後、圧力解放時に復元され、吸入された空気を排出管に排出させる機能を行うようになるが、このとき、エアーポンプは、収縮及び復元動作を行えるように、弾性力のある素材を利用して、内部の空いた中空の形状で製作する。しかしながら、このような形状のエアーポンプは、長時間の収縮及び復元動作により弾性力が低下して復元動作が正しく行われず、ポンピング動作が円滑に行われないという問題がある。
また、従来の通風履き物は、単純に履き物内に空気を循環させる通風機能のみが備えられるだけで、歩行過程で足の衝撃を緩和させうる手段が備えられないことにより、歩行者は、歩行過程で足に加えられ続ける衝撃により疲労感を感じやすいという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、エアーポンプにスポンジを内設してエアーポンプの復原力を高めることができるクッション及び通風装置が内設された履き物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、スポンジの周囲面に弾性部材を設置して、スポンジの復原力を高め、かつ、収縮過程でスポンジのつぶれを補強するようにしたクッション及び通風装置が内設された履き物を提供することにある。
また、本発明のさらに他の目的は、エアーポンプと、空気排出管及びエアーチューブで構成されたクッション及び通風装置を一度の高周波熱融着法により製作するようにしたクッション及び通風装置が内設された履き物を提供することにある。
また、本発明のさらに他の目的は、高周波熱融着過程で空気排出管の流路が閉鎖されるのを防止するようにしたクッション及び通風装置が内設された履き物を提供することにある。
また、本発明のさらに他の目的は、エアーチューブに格納された空気が履き物の内部に排出するのを可能な限り遅延させて、クッション力を高めるようにしたクッション及び通風装置が内設された履き物を提供することにある。
また、本発明のさらに他の目的は、排出される空気を汗が発生する部位に集中的に供給できるようにしたクッション及び通風装置が内設された履き物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成すべく、本発明に係るクッション及び通風装置が内設された履き物は、一側に空気排出管を有するエアーポンプ、前記エアーポンプの空気排出管に連結する連結管路及びエアーチャンバーを有するエアーチューブで構成したクッション及び通風装置が内設された履き物において、前記エアーポンプは、吸入孔を有する下部シート上に中空部を有する上部シートを載置し、前記上部シート及び下部シートの周囲面を高周波で熱融着させて構成し、前記上部シート及び下部シートの内部には、収縮及び復原力を有するスポンジをさらに内蔵したことを特徴とする。
前記上部シート及び下部シートの内部には、前記スポンジの上面に載置され、周囲面に沿って弾性突起部が延設された弾性部材がさらに内蔵されることが好ましい。
前記エアーチューブに形成された連結管路の入口には、エアーチューブと異なる材質で製作された非導電体が嵌め込まれることを特徴とする。
エアーチャンバーの前方には、空気を履き物の内部に排出させる補助チャンバーが熱融着部に区画形成され、前記補助チャンバーは、前記熱融着部の中央に形成された排出流路と連通するようにすることが好ましい。
前記排出流路は、入口側から出口側へ行くほど、狭く形成されることが好ましい。
前記補助チャンバーは、前記排出流路と連通する中央補助チャンバーと、前記中央補助チャンバーの両側に位置し、前記中央補助チャンバーと補助熱融着部に区画された状態で前記補助熱融着部に形成された分岐流路を介して中央補助チャンバーと連通する側面補助チャンバーとに分けられるように構成されることが好ましい。
前記分岐流路は、入口側から出口側へ行くほど、狭く形成されることが好ましい。
前記中央補助チャンバーと側面補助チャンバーには、スポット熱融着部が融着形成されることが好ましい。
一方、本発明では、人の歩行動作(足のかかとがまず地面に触れた後、足の裏が続けて地面に触れる動作)を利用して、通風及びクッション機能が繰り返し的に行われるようにしたクッション機能を有する通風履き物に関するものであって、歩行時に地面に最も先に触れるかかとにエアーポンプを設置して空気を一次に吸入する過程でエアーポンプの復原力を高めることと、エアーチャンバーに格納された空気の格納時間を可能な限り遅延させて、足の裏の衝撃を吸収するようにクッション力を提供することと、エアーチャンバーから少しずつ排出される空気を介して通風効果を実現することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係るクッション機能を有する通風履き物は、次のような多くの効果を発揮する。
まず、本発明は、エアーポンプに内設されたスポンジを介して長時間のポンピング動作によりエアーポンプの復原力が低下するのを防止して、エアーポンプのポンピング動作を円滑にすることができるという効果を有する。
また、エアーポンプと、空気排出管及びエアーチューブで構成されたクッション及び通風装置を一回の高周波熱融着法で製作するようにして、作業工程を簡素化させることができ、また非導電体を介して融着過程で連結管路の入口が閉鎖するのを防止できるという効果を有する。
また、本発明は、エアーチューブに格納された空気が履き物の内部に排出されるのを可能な限り遅延させて、クッション力をさらに長時間維持できるという効果を有する。
また、本発明は、排出される空気を汗が発生する部位に集中的に供給できるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付図面に基づき詳細に説明する。
添付された図1は、通風履き物の全体構成を示す図である。図1に示すように、通風履き物は、外形をなす甲皮10、前記甲皮10の底をなす中敷12(又はパッド)、中底14、履き物底本体16で構成される。
一方、前記通風履き物の底面、好ましくは中敷12の下には本発明の主要構成をなすクッション及び通風装置20が設置される。以下では本発明のクッション及び通風装置20を中敷12下に設置されるものと限定して説明するが、前記通風装置20を中底14の内部にインサート射出方式で挿入させて製作するか、又は中底14と履き物底本体16との間に嵌めこんだ状態で設置されることもでき、これは当該分野における通常の知識を有した者には自明な事項であろう。
添付された図2は、前記クッション及び通風装置20の平面図である。図2に示すように、クッション及び通風装置20は、後方にエアーポンプ22が備えられ、前記エアーポンプ22に備えられた空気排出管30には、エアーチューブ38が連結管路44で連結構成された構造を有する。前記エアーポンプ22は、収縮及び復元動作により外部空気を吸入して空気排出管30に排出させ、前記空気排出管30に排出された空気は、連結管路44を通過してエアーチューブ38に形成されたエアーチャンバー48に格納される。
添付された図3は、前記クッション及び通風装置の構成を分解して示す図である。
図3に示すように、エアーポンプ22は、上部シート24及び下部シート26で構成される。
前記上部シート24は、ポリウレタン(PU:polyurethane)材質で製作されたものであって、中央には一定大きさ分の中空部24aが形成される。
前記の下部シート26は、前記上部シート24と同じ物性であるポリウレタン材質で製作されて、前記上部シート24が載置された状態でその周囲面を高周波で熱融着させて付着する。
前記下部シート26の中央には、吸入孔26aが形成される。前記吸入孔26aは、上部シート24及び下部シート26で構成したエアーポンプ22が収縮するとき、外気を上部シート24内の中空部24aに吸入させるようになる。
また、前記吸入孔26aが形成された下部シート26の内面には、弾性膜28が付着される。前記弾性膜28は、前記吸入孔26aに吸入される空気の圧力によって弾性的に曲げられ、吸入孔26aを開放させる機能と共に中空部24aに空気が吸入されると、吸入された空気の圧力で再び吸入孔26aを密閉させて、空気が外部に排出されるのを防止する。
【0007】
上記のように、上部シート24及び下部シート26で構成したエアーポンプ22の一側には、空気排出管30が一体に延設される。前記空気排出管30は、エアーポンプ22で吸入された空気をエアーチューブ38の連結管路44に流入させる管であって、前記空気排出管30の内部には、バルブ31が内蔵される。
一方、前記エアーポンプ22の内部には、スポンジ32が内蔵される。前記スポンジ32は、上部シート24及び下部シート26を熱融着する前に前記上部シート24の中空部24aに挿入されるものであって、前記スポンジ32は、エアーポンプ22の繰り返し的な収縮及び復元動作(すなわち、ポンピング動作)により、エアーポンプ22の復原力が低下しないように自体クッション力でエアーポンプ22、特に上部シート24の復原力を高め、したがって長時間の使用によるエアーポンプ22のポンピング力の低下を防止することができる。
また、前記スポンジ32上には、別途の弾性部材36がさらに備えられる。前記弾性部材36は、ゴム等の弾力性を有した材質で製作されたものであって、この弾性部材36は、スポンジ32の上面に密着される平面部36aと、前記平面部36aの周囲面に沿って突設され、前記スポンジ32の周囲面を取り囲む弾性突起部36bで構成する。前記弾性部材36は、スポンジ32の復原力を弾力的に高め、また、前記弾性部材36に備えられた弾性突起部36bがスポンジ32が収縮される過程でつぶれた状態から復元されない場合、これを弾力的に補強し、スポンジ32を復元させるようになる。
一方、エアーチューブ38は、ポリウレタン(PU:polyurethane)材質の上部シート40及び下部シート42を互いに面接触させた状態で、その周囲面を高周波で熱融着させて、上部シート40及び下部シート42の間に連結管路44と、前記連結管路44から拡張形成されるエアーチャンバー48が形成されるように構成する。
前記連結管路44の入口には、ポリエチレン(pe:polyethylene)又はポリプロピレン(pp:polypropylene)の材質で製作された非導電体46が嵌め込まれる。前記非導電体46は、上部シート40及び下部シート42の周囲面を熱融着させる過程で、連結管路44の入口44aが密閉されることを遮断する。
すなわち、前記非導電体46は、言及した通り、上部シート40及び下部シート42とは異なる物性を有した材質(ポリプロピレン)で製作されることによって、連結管路44が形成される入口44a側に非導電体46を嵌め込んだ状態で上部シート40及び下部シート42の周囲面の全体を熱融着させると、前記非導電体46が嵌め込まれた部分には、上部シート40及び下部シート42が互いに接触されなくなることにより、熱融着が起きないようになり、したがって、連結管路44の入口44aを開放させた状態で製作できる。
【0008】
また、前記非導電体46は、空気を一方向にのみ通過させるチェックバルブとしての機能も兼ねる。添付された図7Aと図7Bに示すように、エアーポンプ22のポンピング動作により空気が空気排出管30に供給されると、供給された空気圧力により非導電体46と、連結管路44との間には隙間Kが発生し、この隙間Kを介して空気は連結管路44を経てエアーチャンバー48に格納されることができる。また、空気の供給が完了すると、非導電体46と連結管路44の入口44aは互いに密着されることによって、エアーチャンバー48に格納された空気の逆流を遮断できるようになるため、これについての説明は、下記の動作説明の際にさらに詳細に説明する。
添付された図4は、エアーチューブに備えられているエアーチャンバーをさらに詳細に示す図である。
図4に示すように、エアーチャンバー48は、流入管路44を介して供給された空気を一定時間の間に格納し、歩行者の足にクッション力を提供して衝撃を緩和させる手段である。
すなわち、エアーポンプ22のポンピング動作によって空気が流入管路44を経て前記エアーチャンバー48に流入されると、エアーチャンバー48は膨脹して膨らむようになり、以後足の裏が前記エアーチャンバー48に接触するようになると、エアーチャンバー48は弾性的に押さえられ、足の裏の衝撃を吸収するようになるものである。
前記エアーチャンバー48の前方には熱融着部50を形成して、補助チャンバーを別に区画形成する。このとき、前記熱融着部50の中央には排出流路50aを形成して、エアーチャンバー48に格納された空気が補助チャンバーに通過できるように構成する。
前記補助チャンバーは、3個の空間に分割されるが、具体的に前記排出流路50aと連通する中央補助チャンバー52と、前記中央補助チャンバー52の両側に補助融着部56に区画される側面補助チャンバー54に分けられる。このとき、前記補助融着部56には、それぞれの分岐流路56aが形成されており、前記分岐流路56aは、中央補助チャンバー52に格納された空気を側面補助チャンバー54に通過させる。
前記側面補助チャンバー54には、排出口58が貫通形成される。前記排出口58は、中央補助チャンバー52及び側面補助チャンバー54に供給された空気を履き物の内部、好ましくはユーザの足の指の間に排出させて、通風効果を実現する。
すなわち、上記の通りにエアーチャンバー48を熱融着50させて別途の補助チャンバー48aを形成し、また互いに排出流路50a及び分岐流路56aを介して連通するように構成したことは、エアーチャンバー48に格納されている空気が履き物の内部に排出する時間を可能な限り遅延させて、エアーチャンバー48のクッション力をさらに長時間維持させるためである。
【0009】
添付された図5は、エアーチャンバー及び補助チャンバーに空気を供給する流路及び分岐流路の構造をさらに詳細に示す図である。
図5に示すように、エアーチャンバー48と中央補助チャンバー52とを連通させる排出流路50aは、入口50b側から出口50c側へ行くほど次第に狭い直径を有するように製作する。これは、エアーチャンバー48から中央補助チャンバー52に排出する空気の排出速度を遅らせてエアーチャンバー48のクッション力を有するためである。
また、中央補助チャンバー52と側面補助チャンバー54とを連通させる分岐流路56aも、入口56b側から出口56c側へ行くほど次第に狭い直径を有するように製作し、これも中央補助チャンバー52から側面補助チャンバー54に排出する空気の排出速度を遅らせて、遅くなった分だけ残存圧力として残って、エアーチャンバーを作ってクッション部を有するためである。
また、前記中央補助チャンバー52には、スポット熱融着部60が融着形成される。前記スポット熱融着部60は、排出流路50aを介して中央補助チャンバーに排出される空気の排出速度を安定的に調節する手段である。すなわち、1つの排出流路を通過した空気は、前記スポット熱融着部を介して二通りに分けられ、中央補助チャンバーに格納されることで、空気の排出速度を安定的に調節することができる。ここで、空気の排出速度を安定的に調節するというのは、空気の排出速度を可能な限り遅らせるという意味である。
一方、前記スポット熱融着部60は、融着位置に応じて空気の排出速度を再度調節できるが、具体的にスポット熱融着部が排出流路50aの出口50c側に近接した状態で形成されると、排出流路50aの出口50cは狭くなりながら吐出圧力が上昇し、したがって空気の排出速度を安定にすることができ、これとは反対にスポット熱融着部60を排出流路50aの出口50c側から遠く形成させると、排出流路50aの出口50cは広くなるから、空気の排出速度を速くすることができる。
一方、前記側面補助チャンバー54にもスポット熱融着部62が融着形成される。前記スポット熱融着部62は、分岐流路56aを介して中央補助チャンバー52から側面補助チャンバー54に排出される空気の排出速度を安定的に調節する手段である。すなわち、分岐流路56aを通過した空気は、前記スポット熱融着部62を介して二通りに分けられ、側面補助チャンバー54に格納されることにより、空気の排出速度を可能な限り遅らせることができる。また、前記スポット熱融着部62の融着位置を分岐流路56aの出口56c側に近接するか、又は遠く形成させることで、空気の排出速度を調節できる。
結果的に、本発明はスポット熱融着部60、62を介して1つの排出流路50aを介して排出された空気が中央補助チャンバー52に流入する過程において二通りに分けられ、また2つの分岐流路56aを介して中央補助チャンバー52に格納された空気は、再度四通りに分けられた状態で側面補助チャンバー54に流入するようにした排出構造を有することによって、空気の排出速度を安定的に調節できるようになる。
以下、本発明に係るクッション及び通風装置が内設された通風履き物の作用を添付された図3〜図7Bを参照して記述する。
【0010】
まず、本発明の主要構成に該当するクッション及び通風装置20の製作過程を記述する。
図3に示すように、クッション及び通風装置20は、大きくエアーポンプ22とエアーチューブ38を別途に製作した状態で、その連結部位を高周波で熱融着させて製作する。
まず、下部シート26上にスポンジ32及び弾性部材36を順次に載置した後、その上に上部シート24を重ねてエアーポンプ22を製作する。
次に、先工程を経て連結管路44及びエアーチャンバー48を有するエアーチューブ38を製作した後、前記エアーチューブ38の連結管路44の入口44aをエアーポンプ22の空気排出管30の間に一部挿入させた後、エアーポンプ22の上部シート24及び下部シート26の周囲面を高周波で熱融着させて、エアーチューブ38とエアーポンプ22とを互いに融着させて、クッション及び通風装置20を製作する。
このとき、エアーチューブ38の連結管路44の入口44aに嵌め込まれた非導電体46を介して、エアーポンプ22及びエアーチューブ38を融着させる過程で、連結管路44の入口44aは共に融着され、閉鎖されずに開放された状態を維持できる。
一方、上記のように製作されたクッション及び通風装置20が設置された履き物の作用を記述する。
履き物にクッション及び通風装置20を設置した状態で歩行者が歩行し始めると、図6A及び図6Bに示すように、足裏側部分(かかと)が地面にまず触れるようになり、この過程でエアーポンプ22は収縮し、吸入孔26aを介して空気を吸入するようになる。このとき、エアーポンプ22は、空気の吸入が完了すると、スポンジ32及び前記スポンジ32を弾力支持する弾性部材36を介して迅速に最初の状態に復元できる。
次に、前記エアーポンプ22内に吸入された空気は、空気排出管30に供給された後、前記空気排出管30の間に挿入されたエアーチューブ38の連結管路44に流入する。このとき、前記連結管路44の入口44aに嵌め込まれた非導電体46がチェックバルブとして機能し、空気を一方向にのみ通過させる。すなわち、添付された図7Aと図7Bに示すように、空気排出管30に供給された空気の圧力により、連結管路44の入口44aに嵌め込まれた非導電体46の上、下面には、隙間Kが発生し、前記隙間Kを介して空気は連結管路44に流入する。また、空気の流入が完了すると、非導電体46の上、下面は、再度連結管路44に密着されることにより、空気の逆流を防止するようになる。前記連結管路44に流入した空気は、以後、エアーチャンバー48に格納される。
次に、図4に示すように、歩行者の足の前の部分(足の裏)が前記エアーチャンバー48に接触すると、前記エアーチャンバー48に格納された空気の圧力でクッション力を発揮し、歩行者の足の裏に加えられる衝撃を緩和させる。
【0011】
これと同時に、前記エアーチャンバー48に格納されている空気は、足の裏の押さえ圧力により排出流路50aを介して中央補助チャンバー52に流入した後、分岐流路56aを介して側面補助チャンバー54に流入した後、側面補助チャンバー54に形成された排出口58を介して履き物の内部に流入する。すなわち、エアーチャンバー48に格納された空気は、複数の排出流路50a及び分岐流路52aを介して、複数の補助チャンバー48a(中央補助チャンバー52から側面補助チャンバー54に)を経由した後に履き物の内部に流入することで、空気の排出時間を遅らせて、エアーチャンバー48のクッション力を長時間維持できる。
また、図5に示すように、排出流路50a及び分岐流路56aの直径の大きさを入口側から出口側へ狭く形成することで、空気の排出時間を遅くし、圧力を上昇させて安定的に吐出できる構造であって、エアーチャンバー48のクッション力をさらに効果的に遅延させることができる。
一方、上記のように排出流路50a及び分岐流路56aを介してエアーチャンバー48に格納された空気が、中央補助チャンバー52及び側面補助チャンバー54に排出される過程で中央補助チャンバー52及び側面補助チャンバー56に融着形成されたスポット熱融着部60、62が排出流路50aの出口50c及び分岐流路56aの出口56cを調節することによって、空気の排出時間を調節できる。
図8は、本発明の他の実施の形態を示すクッション及び通風装置を示す平面図であり、同じ構成に対しては同じ参照符号を使用し、これについての詳細な説明は省略する。
他の実施の形態のクッション及び通風装置20aは、後方にエアーポンプ22が備えられ、前記エアーポンプ22に備えられた空気排出管30には、エアーチューブ38が第2エアーチャンバー49及びエアーチャンバー48で構成される。
前記第2エアーチャンバー49は、足の裏の掌心(arch)部、すなわち、足の裏の凹んでいる部分に位置するように形成し、空気の流入により第2エアーチャンバー49が膨脹するとき、足の裏の掌心部を支えるようにすることが好ましい。
空気排出管30と第2エアーチャンバー49との間には、空気を一方向にのみ通過させる非導電体46が構成され、前記第2エアーチャンバー49とエアーチャンバー48との間には、第2排出流路49aが形成される。
前記第2排出流路49aは、入口49bから出口49cに行くほど、次第に狭い直径を有するように形成されることが好ましい。これは、第2エアーチャンバー49からエアーチャンバー48に排出される空気の排出速度を遅らせて、第2エアーチャンバー49のクッション力を有するためである。
上記のように構成された他の実施の形態のクッション及び通風装置の作用状態を説明するものの、同じ構成は同じ作用状態を有するので、これについての作用説明は省略する。
まず、履き物にクッション及び通風装置20aを設置した状態で歩行者が歩行し始めると、足裏側部分(かかと)が地面にまず触れ、この過程でエアーポンプ22は収縮しながら外部空気を吸入し、前記吸入された空気は、空気排出管30を介してエアーチューブ38に流入する。
【0012】
なお、前記エアーチューブ38は、第2エアーチャンバー49及びエアーチャンバー48で構成され、前記空気排出管30から排出される空気は、非導電体46により一方向にのみ空気を流入させるため、第2エアーチャンバー49が膨脹する。
そして、前記第2エアーチャンバー49に流入した空気は、第2排出流路49aを介してエアーチャンバー48に流入するが、前記第2排出流路49aは、入口49bから出口49cへ行くほど狭くなる直径で形成されるから、空気の排出時間を遅らせて、クッション力と共に足の裏の掌心部を支える。
また、前記第2エアーチャンバー49の第2排出流路49aを介して排出された空気は、エアーチャンバー48に流入することによって、上述のように、エアーチャンバー48を介して補助チャンバーに流入し、前記補助チャンバーに形成された排出口を介して外部に排出される。
上述した本発明の好ましい実施の形態は、例示の目的のために開示されたものであり、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形、及び変更が可能であり、このような置換、変更などは、特許請求の範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の好ましい実施の形態によるクッション及び通風装置が内設された履き物の構成を示す断面図である。
【図2】図1におけるクッション及び通風装置を示す平面図である。
【図3】図2におけるクッション及び通風装置を示す分解斜視図である。
【図4】クッション及び通風装置に備えられたエアーチャンバーの一部を抜萃して示す平面図である。
【図5】エアーチャンバー及び補助チャンバーに備えられた排出流路及び分岐流路を詳細に示す図である。
【図6−A】エアーポンプの動作状態を順次示す図である。
【図6−B】エアーポンプの動作状態を順次示す図である。
【図7−A】非導電体と連結流路との間の密着及び密着解消状態を示す図である。
【図7−B】非導電体と連結流路との間の密着及び密着解消状態を示す図である。
【図8】本発明の他の実施の形態を示すクッション及び通風装置を示す平面図である。
【符号の説明】
【0014】
20 クッション及び通風装置
22 エアーポンプ
24 上部シート
26 下部シート
30 空気排出管
32 スポンジ
36 弾性部材
38 エアーチューブ
44 連結管路
44a 入口
46 非導電体
48 エアーチャンバー
50 熱融着部
50a 排出流路
52 中央補助チャンバー
54 側面補助チャンバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側に空気排出管を有するエアーポンプ、前記エアーポンプの空気排出管に連結する連結管路及びエアーチャンバーを有するエアーチューブで構成したクッション及び通風装置が内設された履き物において、
前記エアーポンプは、吸入孔を有する下部シート上に中空部を有する上部シートを載置し、前記上部シート及び下部シートの周囲面を高周波で熱融着させて構成し、
前記上部シート及び下部シートの内部には、収縮及び復原力を有するスポンジをさらに内蔵したことを特徴とするクッション及び通風装置が内設された履き物。
【請求項2】
前記上部シート及び下部シートの内部には、前記スポンジの上面に載置され、周囲面に沿って弾性突起部が延設された弾性部材がさらに内蔵されたことを特徴とする請求項1に記載のクッション及び通風装置が内設された履き物。
【請求項3】
前記エアーチューブに形成された連結管路の入口には、エアーチューブと異なる材質で製作された非導電体が嵌め込まれることを特徴とする請求項1又は2に記載のクッション及び通風装置が内設された履き物。
【請求項4】
エアーチャンバーの前方には、空気を履き物の内部に排出させる補助チャンバーが熱融着部に区画形成され、
前記補助チャンバーは、前記熱融着部の中央に形成された排出流路と連通するようにしたことを特徴とする請求項3に記載のクッション及び通風装置が内設された履き物。
【請求項5】
前記排出流路は、入口側から出口側へ行くほど、狭く形成されたことを特徴とする請求項4に記載のクッション及び通風装置が内設された履き物。
【請求項6】
前記補助チャンバーは、前記排出流路と連通する中央補助チャンバーと、前記中央補助チャンバーの両側に位置し、前記中央補助チャンバーと補助熱融着部に区画された状態で前記補助熱融着部に形成された分岐流路を介して中央補助チャンバーと連通する側面補助チャンバーとに分けられることを特徴とする請求項5に記載のクッション及び通風装置が内設された履き物。
【請求項7】
前記分岐流路は、入口側から出口側へ行くほど、狭く形成されることを特徴とする請求項6に記載のクッション及び通風装置が内設された履き物。
【請求項8】
前記中央補助チャンバーと側面補助チャンバーには、スポット熱融着部が融着形成されることを特徴とする請求項6に記載のクッション及び通風装置が内設された履き物。
【請求項9】
前記連結管路は、空気連結管の一側に連結され、他側は、エアーチャンバーに連結されるものの、前記エアーチャンバーに流入する空気の排出速度が遅くなるように、入口から出口に狭くなる直径を有する第2排出流路が形成された第2エアーチャンバーで構成されることを特徴とする請求項1に記載のクッション及び通風装置が内設された履き物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−A】
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【図6−B】
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【図7−A】
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【図7−B】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−283100(P2007−283100A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−101322(P2007−101322)
【出願日】平成19年4月9日(2007.4.9)
【出願人】(507116824)
【出願人】(507116835)
【Fターム(参考)】