説明

クリーニング装置及び画像形成装置

【課題】パーツの交換作業を行い易いクリーニング装置及び画像形成装置を実現する。
【解決手段】画像形成装置1の中間転写ベルト8の表面に付着した異物を除去するクリーニング装置9において、クリーニングブレード91aを備える第1ユニット91と、スクレーパ92aを備える第2ユニット92を、別体に構成することで、第1ユニット91と第2ユニット92を個別にメンテナンスすることが可能になり、そのパーツの交換作業を行い易くした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニング装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トナーによる画像を用紙に形成する画像形成装置において、トナー像を坦持する像坦持体である感光体ドラムや、そのトナー像を用紙に転写する転写ベルト等の表面に付着した紙粉や残留トナー等を除去するためのクリーニング装置が用いられている。
感光体ドラムや転写ベルト等の一部に当接して、その表面をクリーニングするクリーニング装置として、クリーニングブレードとスクレーパを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−347864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の場合、ウレタンゴム製のクリーニングブレードと、ステンレス製のスクレーパとでは、磨耗など劣化の進行度が異なるのでクリーニングブレードの交換頻度が高くなるが、クリーニングブレードとスクレーパが一体型のクリーニング装置であるため、クリーニングブレードとスクレーパの一方のパーツを交換する際には、クリーニング装置自体を取り外すなどしなければならず、個別の交換ができないという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、パーツの交換作業を行い易いクリーニング装置及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
クリーニング対象物の表面に付着した異物を除去するクリーニング装置であって、
所定方向に回動する前記クリーニング対象物の表面に当接して前記異物を除去する除去部材を有する第1ユニットと、
前記第1ユニットよりも下流側で、前記クリーニング対象物の表面に当接して前記異物を除去する除去部材を有する第2ユニットと、
を備え、
前記第1ユニットと前記第2ユニットは、別体で構成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のクリーニング装置において、
前記第1ユニットと前記第2ユニットの少なくとも一方は、
前記除去部材の上流側で前記クリーニング対象物の表面に当接し前記クリーニング対象物の表面から除去された前記異物をユニット内に保持するシール部材と、
前記クリーニング対象物の裏面に当接するように配置された対向部材と、
を備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のクリーニング装置において、
前記除去部材は、前記対向部材との間に前記クリーニング対象物を挟まない位置に当接していることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のクリーニング装置において、
前記シール部材は、前記対向部材との間に前記クリーニング対象物を挟む位置に当接していることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4の何れか一項に記載のクリーニング装置において、
前記クリーニング対象物は、無端状のベルト部材であり、
前記対向部材が、前記ベルト部材のテンション調整及び/又はステアリング調整のために、前記シール部材が接触している前記ベルト部材のベルト面を動かす場合、
前記シール部材を備えた前記第1ユニット及び/又は前記第2ユニットは、前記ベルト面に追従してその配置を変更可能に配設されていることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、画像形成装置であって、
請求項1〜5の何れか一項に記載のクリーニング装置と、トナー像を担持する像担持体と、前記像坦持体から用紙に転写されたトナー像を定着する定着部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、パーツの交換作業を行い易く、また同じクリーニング部材でも必要な部材のみ交換すればよいので、コストダウンを達成することができ、交換作業の効率を高めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】画像形成装置のクリーニング装置を示す拡大図である。
【図3】画像形成装置のクリーニング装置を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0015】
図1は、画像形成装置1を示す概略構成図である。
画像形成装置1は、原稿から画像を読み取り、読み取った画像データに基づく画像を用紙P上に形成して出力するコピー機能や、外部装置等から画像データを含むページデータや各画像データの画像形成条件等を含むジョブデータを受信し、受信したページデータ及びジョブデータに基づく画像を用紙P上に形成して出力するプリント機能等を具備している。
【0016】
画像形成装置1は、図1に示すように、画像読取部10と、画像形成部20と、用紙収容部25と、搬送部30と、操作部40と、制御部50等を備えて構成されている。
【0017】
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿送り部11と、読取部12とを備えている。
読取部12は、読取個所であるコンタクトガラス12a上に載置された原稿dの画像をCCD(Charge Coupled Device)により読み取る。
また、自動原稿送り部11の原稿トレイ11aに載置された原稿dは、読取個所であるコンタクトガラス12a上に搬送され、CCDによってその原稿dの片面又は両面の画像が読み取られる。
ここで、画像とは、図形や写真等のイメージデータに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む。
【0018】
画像読取部10により読み取られた画像(アナログ画像信号)は、制御部50のCPU(図示省略)に出力され、アナログ処理、A/D変換処理、シェーディング補正、画像圧縮処理等の各種画像処理が施された後、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色に色分解され、デジタルの画像データとして画像形成部20に出力される。
【0019】
画像形成部20は、入力された画像データに基づいて、電子写真方式の画像形成処理を行う。
画像形成部20は、露光ユニット2Y、2M、2C、2Kと、現像ユニット3Y、3M、3C、3Kと、像担持体である感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kと、帯電部5Y、5M、5C、5Kと、感光体ドラム用のクリーニング部6Y、6M、6C、6Kと、一次転写ローラ7Y、7M、7C、7Kと、中間転写ベルト8と、中間転写ベルト用のクリーニング装置9と、二次転写ローラ21と、定着部22と、を備えて構成されている。
この画像形成部20において、中間転写ベルト8と二次転写ローラ21とが圧接している箇所が、用紙Pに画像を転写して画像形成を行う画像転写部として機能する。
また、この中間転写ベルト8が、本実施形態でのクリーニング対象物となる。
【0020】
露光ユニット2Y、2M、2C、2Kは、LD等のレーザ光源、ポリゴンミラー、複数のレンズ等から構成されている。
露光ユニット2Y、2M、2C、2Kは、制御部50から送られた画像データに基づいて、感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kの表面をレーザビームにより走査露光する。このレーザビームの走査露光により、帯電部5Y、5M、5C、5Kによって帯電された感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kに潜像が形成され、すなわち画像が書き込まれる。
【0021】
感光体ドラム4Y、4M、4C、4K上に形成された潜像は、対応する現像ユニット3Y、3M、3C、3Kにそれぞれ保持されているトナーによる現像によって顕像化され、各感光体ドラム4Y、4M、4C、4K上にはトナー像が形成される。
感光体ドラム4Y、4M、4C、4K上に形成されて担持されたトナー像は一次転写ローラ7Y、7M、7C、7Kにより、中間転写ベルト8上の所定位置に重ね合わせるように順次一次転写される。
【0022】
トナー像の転写を終えた各感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kの表面は、クリーニング部6Y、6M、6C、6Kによって残留トナーが除去される。
【0023】
中間転写ベルト8は、複数のローラ(例えば、張架ローラ81、88)に懸架され回転可能に支持された無端状のベルト部材(エンドレスベルト)であり、ローラの回転に伴って図中時計回りに回動される。
この中間転写ベルト8は、一次転写ローラ7Y、7M、7C、7Kによりそれぞれの感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kに押圧される。これにより各感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kの表面に現像された各トナー像が、各一次転写ローラ7Y、7M、7C、7Kによる転写位置で中間転写ベルト8に転写(一次転写)される。この中間転写ベルト8も像担持体である。
また、中間転写ベルト8は、二次転写ローラ21による転写位置で用紙Pと圧接し、その用紙Pに一次転写で形成されたトナー像を転写(二次転写)する。
そして、中間転写ベルト8は、二次転写ローラ21によって用紙Pにトナー像を転写した後、用紙Pを曲率及び静電的に分離して定着部22へ送る。
トナー像を用紙Pに転写した中間転写ベルト8は、クリーニング装置9により残留トナー等の異物が除去される。
【0024】
クリーニング装置9は、図1、図2に示すように、中間転写ベルト8の表面側に並んで配置された第1ユニット91と第2ユニット92を備えている。第1ユニット91が中間転写ベルト8の回転方向上流側に配設されており、第2ユニット92が第1ユニット91に隣接して中間転写ベルト8の回転方向下流側に配設されている。
【0025】
第1ユニット91は、所定方向(図中時計回り)に回動する中間転写ベルト8の表面に当接して異物を除去する除去部材であるクリーニングブレード91aと、クリーニングブラシ91b、クリーニングブレード91a及びクリーニングブラシ91bを支持するケーシング91cと、を備えている。
第2ユニット92は、第1ユニット91よりも下流側で、中間転写ベルト8の表面に当接して異物を除去する除去部材であるスクレーパ92aと、スクレーパ92aの上流側で中間転写ベルト8の表面に当接しているシール部材92bと、スクレーパ92aとシール部材92bを支持するケーシング92cと、中間転写ベルト8の裏面に当接するように配置された対向部材である対向ローラ92dを備えている。
この第1ユニット91と第2ユニット92は、別体で構成されており、個別にメンテナンスを行うことができるようになっている。
【0026】
第1ユニット91の除去部材であるクリーニングブレード91a、クリーニングブラシ91bは、中間転写ベルト8の表面に付着したトナーを含む異物を除去する部材である。
クリーニングブレード91aは、張架ローラ88に対向した配置で中間転写ベルト8の回動方向に対してカウンター方向に、クリーニングブレード91aの先端(エッヂ)を中間転写ベルト8の表面に当接させている。クリーニングブレード91aの材質は、例えばウレタンゴムであるが、その他任意の弾性材料を用いてもよい。
クリーニングブラシ91bはローラ形状のブラシであり、中間転写ベルト8に当接しており、中間転写ベルト8上の異物を除去するとともに、クリーニングブラシ91bでブレードめくれが発生するのを防止するために、潤滑材として一定量のトナーを中間転写ベルト8上に塗布している。
【0027】
第2ユニット92の除去部材であるスクレーパ92aは、中間転写ベルト8の表面に付着したトナーを含む異物を除去する部材である。
スクレーパ92aは、対向ローラ92dとの間に中間転写ベルト8を挟まない位置であって、対向ローラ92dよりも下流側で中間転写ベルト8の表面に当接している。このスクレーパ92aは、中間転写ベルト8の回動方向に対してカウンター方向に、スクレーパ92aの先端(エッヂ)を中間転写ベルト8の表面に当接させている。スクレーパ92aの材質は、例えばステンレスなどの金属であるが、その他任意の材料を用いてもよい。
シール部材92bは、対向ローラ92dとの間に中間転写ベルト8を挟む位置で、中間転写ベルト8の表面に当接している。シール部材92bは、例えば可撓性を有する樹脂フィルムからなり、中間転写ベルト8の表面から除去された異物をユニット内に保持し、ユニットのケーシング92c外へ異物がこぼれたり漏れたりしないように、中間転写ベルト8の表面に密接している。特に、シール部材92bと対向ローラ92dとで中間転写ベルト8を挟み込んでいるため、シール部材92bと中間転写ベルト8の間に隙間ができにくくなっており、シール部材92bは、回収した異物をユニット内に保持する良好なこぼれ防止機能を有している。
【0028】
対向ローラ92dは、中間転写ベルト8を懸架して支えることに加えて、中間転写ベルト8のテンションを調整する機能やステアリング調整機能を有している。
そして、対向ローラ92dは、中間転写ベルト8のテンション調整及び/又はステアリング調整のため、図示しない駆動部によって作動されて、中間転写ベルト8のベルト面を動かすことがある。
この対向ローラ92dが中間転写ベルト8のテンション調整及び/又はステアリング調整のために、シール部材92bが接触している中間転写ベルト8のベルト面を動かす場合、図3に示すように、シール部材92bを備えた第2ユニット92は、そのベルト面に追従して移動する。
つまり、シール部材92bを備えた第2ユニット92は、シール部材92bとスクレーパ92aが常に中間転写ベルト8のベルト面に対して接触するように弾性的に支持されており、動く中間転写ベルト8のベルト面に追従してその配置を変更可能に配設されている。
【0029】
定着部22は、用紙Pに転写されたトナー像を熱定着させる。これにより、用紙Pにトナー像が定着して画像が形成される。この定着部22による定着処理を終えた用紙Pは排紙トレイ91に排紙される。
【0030】
すなわち、画像形成部20による画像形成とは、露光ユニット2Y、2M、2C、2Kにより各感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kに潜像を形成し、形成された潜像にトナーを付着させて現像したトナー像を中間転写ベルト8に一次転写し、さらに用紙Pに二次転写して、その用紙P上に転写されたトナー像を定着部22で熱定着する一連の動作のことを意味する。
【0031】
用紙収容部25は、複数の給紙トレイ25a、25b、25cと、給紙手段25dとを備えて構成されている。
給紙トレイ25a、25b、25cには、用紙Pの斤量やサイズ等に応じて識別された各種用紙が予め設定された種類毎に格納されている。
給紙手段25dは、各給紙トレイに収容されている用紙Pを最上部から1枚ずつ搬送部30に向けて給紙する。
【0032】
搬送部30は、用紙収容部25から画像転写部(中間転写ベルト8および二次転写ローラ21)に向かう搬送路Rと、その搬送路Rに配置されて用紙収容部25から給紙された用紙Pを画像転写部に搬送するための複数の搬送ローラ対(31、32、33)とにより構成されている。なお、搬送路Rの一部は、画像転写部から排紙トレイ91に向かう経路や、用紙の表裏を反転させるための経路に延在している。
特に、搬送部30は、搬送ローラ対として、搬送路Rにおいて画像転写部(中間転写ベルト8および二次転写ローラ21)の上流側直近に配されたレジストローラ32と、そのレジストローラ32の上流側に隣接して配されたループローラ31と、そのループローラ31と給紙トレイ(給紙手段25d)との間に配された給紙用ローラ33とを備えている。
【0033】
ループローラ31は、用紙Pの曲がり(斜行)を矯正する機能を有する。具体的には、ループローラ31を通過した用紙Pは、停止した状態のレジストローラ32に突き当たる。そして、そのレジストローラ32に突き当たった用紙Pは、さらにループローラ31により搬送されることで湾曲し、レジストローラ32のニップ線に倣って斜行が矯正される。
レジストローラ32は、画像形成に備えて搬送途中の用紙Pを挟持しながら用紙の搬送方向と直交する方向に揺動して、中間転写ベルト8に一次転写されたトナー像に対する用紙Pの位置調整を行う機能を有する。
【0034】
操作部40は、例えば、液晶表示パネルとその液晶表示パネルの表示画面上に設けられたタッチパネルとを備えて構成されており、液晶表示パネルに表示される各種操作キー等をタッチ操作することにより、タッチパネルがタッチ指示された位置を検出し、検出した位置に応じた操作信号を制御部50に出力するようになっている。
【0035】
また、画像形成装置1は、装置の各部を統括制御する制御部50を備えており、その制御部50に、画像読取部10、画像形成部20、搬送部30、操作部40等が接続されている。
【0036】
次に、画像形成装置1におけるクリーニング装置9による、中間転写ベルト8の表面に付着したトナーを含む異物の除去について説明する。
【0037】
トナー像を用紙Pに二次転写した中間転写ベルト8は回動し、そのトナー像が形成されていた部分がクリーニング装置9に向けて送られる。
【0038】
まず、中間転写ベルト8の表面に付着している転写残トナーを含んだ異物は、クリーニング装置9の第1ユニット91のクリーニングブラシ91b、クリーニングブレード91aによって擦り落とされる。
クリーニングブレード91aによって中間転写ベルト8の表面から除去された異物は、第1ユニット91のケーシング91c内に溜められる。
【0039】
次いで、クリーニングブレード91aによって除去しきれなかった異物は、クリーニング装置9の第2ユニット92のスクレーパ92aによって掻き取られる。
スクレーパ92aによって中間転写ベルト8の表面から除去された異物は、第2ユニット92のケーシング92c内に溜められる。この第2ユニット92には、ケーシング92c内に溜まった異物をユニット内に保持するためのシール部材92bが設けられているので、一旦回収された異物がこぼれ出ないようになっている。
特に、対向ローラ92dが中間転写ベルト8のテンション調整及び/又はステアリング調整のために、シール部材92bが接触している中間転写ベルト8のベルト面を動かすことがあっても、シール部材92b及びスクレーパ92aを備えた第2ユニット92はベルト面に追従して移動することができるので、スクレーパ92aによる異物の除去と、その除去した異物の貯留を継続して良好に行うことができる。
【0040】
また、ステンレス薄板などからなる比較的硬いスクレーパ92aは、対向ローラ92dとの間に中間転写ベルト8を挟まない位置で中間転写ベルト8の表面に当接しているので、中間転写ベルト8に傷を付け難くなっている。
例えば、スクレーパ92aが、対向ローラ92dとの間に中間転写ベルト8を挟む位置で中間転写ベルト8の表面に当接している場合、中間転写ベルト8の裏面にゴミなどの小片が付着した状態で、その小片ごと中間転写ベルト8をスクレーパ92aと対向ローラ92dとで挟み込んでしまうと、中間転写ベルト8の裏面に傷が付くなど損傷してしまうことがあった。たとえ裏面側でも中間転写ベルト8に傷が付いてしまうと、二次転写ローラ21による圧接が均一にならず、用紙Pに転写したトナー像に画像斑が生じるなどの不具合が発生してしまうことがある。
それに対し、本実施形態の第2ユニット92では、スクレーパ92aは対向ローラ92dとの間に中間転写ベルト8を挟まない位置で中間転写ベルト8の表面に当接しているので、可撓性を有する中間転写ベルト8に必要以上の力がスクレーパ92aから作用することなく、中間転写ベルト8が損傷し難くなっている。
【0041】
そして、このクリーニング装置9において、第1ユニット91と第2ユニット92は、別体で構成されているので、第1ユニット91と第2ユニット92を個別にメンテナンスすることができる。
例えば、第2ユニット92のスクレーパ92aよりも第1ユニット91のクリーニングブレード91aの方が磨耗など劣化の進行度が早いので、その交換頻度が高くなる。
そのクリーニングブレード91aの劣化が進行して使用に耐えられなくなった際、クリーニング装置9における第1ユニット91だけを取り外すなどして、クリーニングブレード91aを交換することができるので、従来技術のようなクリーニングブレードとスクレーパが一体型のクリーニング装置に比べて、余計なパーツを外さなくてもよくなり、その交換作業などのメンテナンスを行い易くなっている。
また、殆ど劣化していないスクレーパ92aなどのパーツを交換せずに済むので、不要な交換を無くしてコストダウンを図ることもできる。
【0042】
以上のように、本実施形態の画像形成装置1のクリーニング装置9は、クリーニングブレード91aを備える第1ユニット91と、スクレーパ92aを備える第2ユニット92が、別体に構成されているので、第1ユニット91と第2ユニット92を個別にメンテナンスすることが可能になり、そのパーツの交換作業が行い易い。
【0043】
なお、以上の実施の形態においては、第1ユニット91の除去部材としてクリーニングブレードを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ブラシローラであってもよい。
【0044】
また、以上の実施の形態においては、第2ユニット92のみにシール部材や対向ローラを備えるようにしたが、第1ユニット91にもシール部材や対向ローラを備えるようにしてもよい。
【0045】
また、以上の実施の形態においては、中間転写ベルト8をクリーニング対象物として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、像担持体である感光体ドラム(4Y、4M、4C、4K)をクリーニング対象物としてもよく、例えば、感光体ドラムの表面に付着した異物を除去するクリーニング部(6Y、6M、6C、6K)に本発明のクリーニング装置を適用してもよい。
【0046】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0047】
1 画像形成装置
4Y、4M、4C、4K 感光体ドラム(像担持体)
8 中間転写ベルト(クリーニング対象物)
9 クリーニング装置
91 第1ユニット
91a クリーニングブレード(除去部材)
91c ケーシング
92 第2ユニット
92a スクレーパ(除去部材)
92b シール部材
92c ケーシング
92d 対向ローラ(対向部材)
10 画像読取部
20 画像形成部
22 定着部
25 用紙収容部
30 搬送部
40 操作部
50 制御部
P 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーニング対象物の表面に付着した異物を除去するクリーニング装置であって、
所定方向に回動する前記クリーニング対象物の表面に当接して前記異物を除去する除去部材を有する第1ユニットと、
前記第1ユニットよりも下流側で、前記クリーニング対象物の表面に当接して前記異物を除去する除去部材を有する第2ユニットと、
を備え、
前記第1ユニットと前記第2ユニットは、別体で構成されていることを特徴とするクリーニング装置。
【請求項2】
前記第1ユニットと前記第2ユニットの少なくとも一方は、
前記除去部材の上流側で前記クリーニング対象物の表面に当接し前記クリーニング対象物の表面から除去された前記異物をユニット内に保持するシール部材と、
前記クリーニング対象物の裏面に当接するように配置された対向部材と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
【請求項3】
前記除去部材は、前記対向部材との間に前記クリーニング対象物を挟まない位置に当接していることを特徴とする請求項2に記載のクリーニング装置。
【請求項4】
前記シール部材は、前記対向部材との間に前記クリーニング対象物を挟む位置に当接していることを特徴とする請求項2又は3に記載のクリーニング装置。
【請求項5】
前記クリーニング対象物は、無端状のベルト部材であり、
前記対向部材が、前記ベルト部材のテンション調整及び/又はステアリング調整のために、前記シール部材が接触している前記ベルト部材のベルト面を動かす場合、
前記シール部材を備えた前記第1ユニット及び/又は前記第2ユニットは、前記ベルト面に追従してその配置を変更可能に配設されていることを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載のクリーニング装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載のクリーニング装置と、トナー像を担持する像担持体と、前記像坦持体から用紙に転写されたトナー像を定着する定着部と、を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−203293(P2012−203293A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69443(P2011−69443)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】