説明

クーラント再生方法

【課題】使用済クーラントからシリコン切削屑を除去し、再利用可能なクーラントを生成することが可能なクーラント再生方法を提供することを課題とする。
【解決手段】クーラント再生方法1aは、縦型遠心分離装置を有する遠心分離ユニット2に使用済クーラント3の一部を供給し、固形分17と遠心分離液19とに遠心分離する遠心分離工程S2、及び遠心分離液19を使用済クーラント3と混合する遠心分離液混合工程S3を備える遠心分離循環工程Aと、濾過膜6を有する膜分離ユニット7に使用済クーラント3の残部を供給し、濃縮液22と膜濾過液21とに膜分離する膜分離工程S4、及び濃縮液22を使用済クーラント3と混合する濃縮液混合工程S5とを備える膜分離循環工程Bと、循環させた遠心分離液19、及び、回収した膜濾過液21を混合し、クーラント4を生成するクーラント混合生成工程S6とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クーラント再生方法に関するものであり、特にシリコン材料を切断するスライシング工程で使用された使用済クーラントを回収し、再利用可能なクーラントに再生するためのクーラント再生方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体素子や太陽電池パネルに使用される太陽電池素子等の各種製品を製造するために、多結晶或いはアモルファス性のシリコン材料が生産されている。生産されたシリコン材料は、一般的に塊状を呈しており、上記各素子として使用するためには予め規定されたサイズにカットする必要がある。このとき、シリコン材料をカットする工程(スライシング工程、または切断工程等)では、極細のワイヤーを利用したワイヤーソー切断装置が主に用いられている。係るワイヤーソー切断装置は、所定の張力で張設されたワイヤーを高速で稼動させ、シリコン材料と接触させることにより、互いが接触した部位で切断を行うものである。このとき、高速で稼動するワイヤーによって上記接触部位では摩擦熱が発生する。そのため、当該摩擦熱によってワイヤー自体が焼付けを起こし、破断や破損したり、熱変形することがあり、シリコン材料の切断精度を低下させる等のトラブルの要因となっていた。そこで、クーラントと呼ばれる有機液体をワイヤー及びシリコン材料の接触部位に連続的に供給し、発生した摩擦熱を除去することが行われている。なお、シリコン材料を切断するための硬質の砥粒をワイヤーに貼着した「固定砥粒方式」の他に、上記クーラントに砥粒を混入しクーラントと同時に接触部位に供給する「遊離砥粒方式」が行われることがある。
【0003】
接触部位に供給された使用後のクーラントは、使用済クーラントとして回収される。この使用済クーラントは、スライシング加工の際にシリコン材料から発生した微細な屑(シリコン切削屑)が多量に混入している。なお、先に説明した「遊離砥粒方式」の場合、クーラントと共に供給される硬質ダイヤモンド等の砥粒も混在している。その結果、シリコン切削屑及びその他物質が混在した使用済クーラントを回収したままの状態で再利用することはできず、上記シリコン切削屑等を除去する処理を行う必要がある。例えば、周知の遠心分離装置を利用した遠心分離処理や膜分離フィルタを利用した膜分離処理等を用い、液体及び固体の混在した使用済クーラントから固体のシリコン切削屑等を除去し、再利用可能なクーラントを生成する再生技術についての開発が行われている(例えば、引用文献1及び引用文献2参照)。さらに、使用済クーラントを加熱し蒸留することによって、蒸留後のクーラントを再利用する試みもなされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した使用済クーラントから再利用可能なクーラントを再生する技術は、以下に掲げる問題点を生じることがあった。すなわち、引用文献1及び引用文献2に記載の遠心分離処理の場合、高速で回転する回転体が横置され、当該回転体の内部に使用済クーラントが導入される横型(横置型)の遠心分離機が用いられている。これにより、回転体の内部に供給された使用済クーラントに含まれるシリコン切削屑等は遠心力によって回転体の内面に押付けられて堆積し、一方、シリコン切削屑等の除去されたクーラントは精製液として回収されていた。このとき、回転体を横置した遠心分離装置を利用しているため、回転体内壁に堆積した少量のクーラントとシリコン切削屑等からなる粘土状のスラッジが流動性を失う程度まで遠心分離を進行させると、回転体からスラッジを排出する作業が困難になることがあった。そのため、ある程度のクーラントを含み流動性を有した状態のスラッジを回転体から回収していた。そのため、クーラントの回収率は、50%程度に留まっていた。一方、膜分離処理の場合、微細なシリコン切削屑でも除去可能であるものの、固形分濃度の高い使用済クーラントを直接処理すると、膜分離フィルタが目詰まりを起こすことがあった。さらに、一般的な膜分離処理の場合、膜分離フィルタを通過し固形分の除去された膜濾過液を回収するものであり、膜分離フィルタを通過することのできなかった固形分(シリコン切削屑)を含む液体(濃縮液)は、スラッジとともに排出されることがあった。ここで、濃縮液には、シリコン切削屑等の固形分とともに、未分離の再利用可能なクーラントが多く含まれていた。そのため、濃縮液をそのままスラッジとともに排出することは、クーラントの回収率を低下させる要因ともなっていた。
【0005】
さらに、使用済クーラントに含まれるシリコン切削屑は、0.1μm以下の非常に微細なシリコン微粒子と1μm以上の比較的大きなシリコン粒子とが混在し、その粒度分布が0.1μm付近と1μm付近とにそれぞれピークを有する所謂「二峰性」の性状を呈することが一般に知られていた。
【0006】
したがって、横置型の遠心分離装置を利用して上記使用済クーラントからシリコン切削屑を除去しようとした場合、有機液体のクーラントに対して比重の大きな1μm以上のシリコン粒子はクーラントとの比重差が大きいため、遠心分離作用によって比較的容易に除去することが可能であり、例えば、引用文献1及び引用文献2に記載されているようにシリコン切削屑の固形分濃度を6〜8重量%程度に調整することが可能であった。しかしながら、0.1μm以下のシリコン微粒子は、遠心分離作用による分離が十分にできない場合があった。そのため、0.1μm以下のシリコン微粒子は、再生されたクーラントに高い確率で残存する可能性があった。特に、スライシング工程で使用される再生されたクーラントは、その後再び回収され、上記の遠心分離処理等を経て繰返し使用されていた。そのため、複数回の再生処理を経たクーラントは、ワイヤーソー切断装置のワイヤー自体が焼付けを起こす等のトラブルを発生させる要因となっていた。加えて、引用文献1及び引用文献2の場合、遠心分離機に使用済クーラントが供給され、シリコン切削屑が除去された後のクーラントは供給タンクに供給され、当該供給タンクで蒸発等の減少分を補充するための新たなクーラントやその他成分を追加された後、そのままワイヤーソー切断装置で再利用されていた。すなわち、遠心分離機による遠心分離処理を一回しか受けていなかった。そのため、シリコン切削屑の固形分濃度が6〜8重量%程度であった。クーラント中のシリコン切削屑の濃度はワイヤーソー切断装置の切断性能に大きな影響を与えるため、係る固形分濃度を遠心分離処理によってさらに低下させることが期待されていた。
【0007】
一方、膜分離フィルタ等の濾過膜を利用して使用済クーラントを濾過し、シリコン切削屑を含有する濃縮液と濾過膜を通過した膜濾過液(濾液)とに膜分離する技術は、0.1μm以下のシリコン微粒子であっても良好に分離することができた。しかしながら、先に示したように高い固形分濃度の液体では濾過膜が目詰まりを起こすため係る膜分離処理の使用が制限され、また濃縮液を循環させることがないためクーラントの回収率を低下させる可能性があった。さらに、使用済クーラントを加熱し蒸留する技術は、不純物の混入していない高純度のクーラントを再生することができた。しかしながら、使用済クーラントを蒸発させるために高温で加熱させる必要があり、エネルギー効率の点から不利であった。また、最終的に回収されるクーラントの回収率も低くなり、加熱による熱変性によってクーラント自体の性能が劣化する虞もあった。そのため、蒸留分離技術を利用したクーラントの再生は実用上の課題が残っていた。
【0008】
そこで、本発明は上記実情に鑑み、使用済クーラントから効率的かつ安定的に再利用可能なクーラントを再生することが可能なクーラント再生方法の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明のクーラント再生方法は、
「ワイヤーソーでシリコン材料を切断する際に発生するシリコン切削屑を含む使用済クーラントから前記シリコン切削屑を除去し、再利用可能なクーラントを再生するクーラント再生方法であって、
縦型遠心分離装置を有する遠心分離ユニットに前記使用済クーラントの一部を供給し、前記シリコン切削屑を含む固形分と遠心分離液とに遠心分離する遠心分離工程、及び遠心分離された前記遠心分離液を前記使用済クーラントと混合する遠心分離液混合工程を備え、前記遠心分離液を循環させる遠心分離循環工程と、
前記遠心分離循環工程と並行して行われ、
濾過膜を有する膜分離ユニットに前記使用済クーラントの残部を供給し、前記シリコン切削屑を含む濃縮液と膜濾過液とに膜分離する膜分離工程、及び前記膜分離工程によって膜分離された前記濃縮液を前記使用済クーラントと混合する濃縮液混合工程とを備え、前記濃縮液を循環させる膜分離循環工程と、
前記遠心分離循環工程によって循環させた前記遠心分離液、及び、前記膜分離工程によって回収された前記膜濾過液を混合し、前記再利用可能なクーラントを生成するクーラント混合生成工程と」
を主に具備している。
【0010】
ここで、本発明の使用済クーラントは、ワイヤーソー切断装置を用いてシリコン材料を切断するスライシング工程の際に使用される有機液体を回収したものであり、切断の際に発生するシリコン切削屑を一般的には5〜20重量%程度含んで構成されるものである。使用済クーラントは、上記シリコン切削屑等が混入しているため、流動性を有する泥状(スラリー状)の液体の態様を呈している。なお、本明細書中において、使用済クーラントは、所謂「固定砥粒方式」のワイヤーソー切断装置で使用されたクーラントを回収したものに加え、クーラント中に予め砥粒を分散させた「遊離砥粒方式」のワイヤーソー切断装置で使用されたクーラントを回収したものを含むものとする。「遊離砥粒方式」で使用されたクーラントの場合、クーラントに分散された砥粒を予め周知の遠心分離装置によって除去したものが使用される。ここで、砥粒は、クーラント及びシリコン切削屑との比重差が著しいため、上記遠心分離装置によって低い遠心力(500〜800G程度)で容易に分離することができる。
【0011】
これにより、回転軸に従って高速で回転体を回転させることにより、回転体の内空間に遠心力を発生させ、当該内空間に吐出された使用済クーラントを遠心分離作用によって分離する機能を有している。ここで、吐出された使用済クーラントは液体であり、回転体内壁に向けて噴出されることにより、上記内空間に発生した遠心力の作用を受けることになる。このとき、比重の大きな固形分(シリコン切削屑)等は、回転体の内壁面に移動して堆積し、スラッジとして回収される。一方、比重の比較的小さな成分(クーラントなどの液体成分)は、遠心力の影響をそれほど強く受けることがないため、比重の大きな固形分よりも回転体の内空間の回転軸心方向に存在する。そして、回転体の内空間に滞留している液体成分が一定量以上になると、シリコン切削屑等が沈降した使用済クーラントの上澄みが回転体から排出される。ここで、使用済クーラントが吐出された回転体の内空間での当該クーラントの滞留時間を長くすることにより、固形分及び液体成分の分離効率を向上させることができる。そのため、使用済クーラントの吐出量(供給量)或いは吐出間隔を調整することにより、上記滞留時間が長くなるように設定が行われる。これにより、比重差を利用して固液分離(或いは液液分離)が可能となり、かつ開口部を下方に向けた回転体を有する縦型遠心分離装置であるため、使用済クーラントを回転体に連続的に供給し、分離後の液相の遠心処理済クーラントを連続的に回収することができるため、従来に比して遠心分離処理を長時間に亘って継続することができる。その結果、従来型(バッチ式)の遠心分離装置に比べて処理効率が向上する。なお、回転体の回転体内壁に堆積した比重の大きな固形分等(スラッジ)は、そのままの状態では遠心分離性能に影響を与えるため、例えば、所定時間毎にスクレーパー等を利用して回転体内壁から掻落とされ、回収される。回収されるスラッジは、クーラントを主成分とする液分率が30〜60%程度の粘土状物質である。さらに、固定砥粒方式の使用済クーラントから得られるスラッジのシリコン純度は、液分を除いた状態で2〜3Nの値を示すことが確認されている。したがって、スラッジ自体も取扱性に優れ、かつ再生利用にも適している。
【0012】
一方、本発明の膜分離ユニットは、複数本のストロー状の中空糸膜をまとめて形成された濾過膜が利用され、中空部分に浸出した膜濾過液と、当該濾過膜を通過することのできなかった濃縮液とに分離するものが好ましい。ここで、濾過膜を通過できなかった濃縮液には、シリコン切削屑を含む固形分が多く含まれ、一方、膜濾過液には、ほとんどシリコン切削屑は含有されていない。そのため、膜濾過液はそのまま回収クーラントとして再利用可能な性能を有している。
【0013】
したがって、本発明のクーラント再生方法によれば、スライシング工程を経て回収された使用済クーラントが遠心分離ユニットを利用した遠心分離循環工程及び膜分離ユニットを利用した膜分離循環工程にそれぞれ供給されることになる。ここで、回収された使用済クーラントは所定の比率で分配される。つまり、使用済クーラントの一部が遠心分離ユニットに供給され、遠心分離ユニットに供給されなかった使用済クーラントの残部が膜分離ユニットに供給される。そして、遠心分離循環工程に供給された使用済クーラント(一部)は遠心分離ユニットによって遠心分離され、シリコン切削屑を含む固形分と遠心分離液とに分けられる。そして、当該遠心分離液は使用済クーラントと混合された後、遠心分離循環工程または膜分離循環工程のいずれかに再び分配されて供給される。このとき、遠心分離液はシリコン切削屑を含む固形分が除去されているため、遠心分離液の混合された使用済クーラントのシリコン含有率は当初よりも低くなる。そして、遠心分離液の循環を行うことにより、処理系の外にシリコン切削屑を含む固形分が排出されるため、徐々にシリコン含有率が低下することになる。
【0014】
一方、遠心分離ユニットに供給されなかった使用済クーラント(残部)は、膜分離循環工程に供給された場合、膜分離ユニットによる膜分離処理が行われ、濾過膜を通過した膜濾過液は膜分離処理の処理系外で回収される。係る膜濾過液にはシリコン切削屑はほとんど含有されておらず、回収クーラントとして使用することが可能となる。一方、濾過膜を通過することのできなかった濃縮液は、膜濾過液(回収クーラント)が除去されている。そして、濃縮液の循環を行うことにより、処理系の外に膜濾過液が排出されるため、徐々にシリコン含有率が高くなる。膜分離処理において、濾過膜表面にスラッジが付着し、濾過能力が低下すると、定期的に逆洗を行い、濾過能力を回復させることが望ましい。すなわち、逆洗方式としては、気体(空気、窒素など)逆洗、液体逆洗が挙げられ、適宜選択可能であるが、逆洗後に回収クーラントの組成が変わらない点や洗浄効率の点で気体逆洗が好ましい。液体逆洗を採用する場合は、クーラントや濾過処理水、水道水などの清浄な水、なかでもクーラントや濾過処理水を逆洗水として処理水側に圧送し、洗浄用水を処理水側から原水側へと濾過膜を原水の濾過方向とは逆方向に通過させ、濾過膜表面に堆積したスラッジを剥離除去することが望ましい。逆洗の間隔は特に限定されるものではないが、1〜5分に1度の間隔で行い、逆洗時間は5〜60秒間行われるのが一般的である。
【0015】
そして、それぞれの処理を繰返し、遠心分離液及び濃縮液を循環させることにより、遠心分離処理によって固形分が処理系外に排除されて遠心分離液の混合された使用済クーラントの固形分濃度が低下し、膜分離処理によって膜濾過液が処理系外で回収されて、循環する濃縮液の固形分濃度が上昇する。そのため、処理開始直後は遠心分離による固形分排出が優勢で固形分濃度は低下するが、徐々にその速度は低下する。実際の運転では、固形分濃度低下の速度から処理時間を設定する場合がある。その後、複数回の遠心分離処理を経てシリコン切削屑の含有率が低くなった遠心分離液と膜分離処理によって回収された膜濾過液を混合する。これにより、いずれもシリコン含有率の低くなった両者を混合することで、シリコン切削屑がほとんど除去された回収クーラントが生成される。そして、生成された回収クーラントをスライシング工程に再利用することができる。ここで、通常の遠心分離では十分に分離され難い0.1μm以下のシリコン微粒子が、本発明のクーラント再生方法によって分離されるメカニズムについては、以下のように推察できる。すなわち、濾過膜を通過することのできなかったシリコン切削屑等の固形物は、濾過膜表面に層となって付着している。この固形物層は、気体逆洗または液体逆洗によって、濾過膜から剥がされる。剥がされた固形物層は使用済クーラントと混合され、遠心分離循環工程または膜分離循環工程のいずれかに再び分配されて供給される。このとき、剥がされた固形物層は、ある程度の粒径をもった塊となって使用済クーラントと混合されるものと推察する。したがって、該塊は、大きい粒径の切削屑と同様の様態となって、遠心分離機で分離されることが予想される。
【0016】
一方、本発明のクーラント再生方法は、
「ワイヤーソーでシリコン材料を切断する際に発生するシリコン切削屑を含む使用済クーラントから前記シリコン切削屑を除去し、再利用可能なクーラントを再生するクーラント再生方法であって、
縦型遠心分離装置を有する遠心分離ユニットに前記使用済クーラントを供給し、前記シリコン切削屑を含む固形分と第一遠心分離液とに遠心分離する第一遠心分離工程、及び前記第一遠心分離液を前記使用済クーラントと混合する第一遠心分離液混合工程を備え、前記第一遠心分離液を循環させる第一遠心分離循環工程と、
濾過膜を有する膜分離ユニットに前記第一遠心分離循環工程によって循環させた前記第一遠心分離液を供給し、前記シリコン切削屑を含む濃縮液と膜濾過液とに膜分離する膜分離工程、及び前記濃縮液を前記第一遠心分離液と混合する濃縮液混合工程とを備え、前記濃縮液を循環させる膜分離循環工程と、
縦型遠心分離装置を有する第二遠心分離ユニットに前記膜分離循環工程によって循環させた前記濃縮液を供給し、前記シリコン切削屑を含む固形分と第二遠心分離液とに遠心分離する第二遠心分離工程、及び前記第二遠心分離液を前記濃縮液と混合する第二遠心分離液混合工程を備え、前記第二遠心分離液を循環させる第二遠心分離循環工程と、
前記第二遠心分離循環工程によって循環させた前記第二遠心分離液、及び、前記膜分離循環工程によって回収された前記膜濾過液を混合し、前記再利用可能なクーラントを生成するクーラント混合生成工程と」
を主に具備している。
【0017】
ここで、本発明の遠心分離ユニットを利用した遠心分離処理及び膜分離ユニットを利用した膜分離処理の基本的な構成及び処理の具体例については既に説明をしているため、ここでは詳細は省略するものとする(以下、同じ)。
【0018】
したがって、本発明のクーラント再生方法によれば、使用済クーラントを遠心分離ユニットを利用して遠心分離処理した後、得られた第一遠心分離液を使用済クーラントと混合し、第一遠心分離液の循環を行う。その後、所定の循環回数を経た後の第一遠心分離液を膜分離ユニットに供給し、シリコン切削屑を含む濃縮液及び膜濾過液に膜分離する。さらに、濾過膜を通過しなかった濃縮液と第一遠心分離液を混合し、濃縮液を循環させる。このとき、第一遠心分離循環工程によって、膜循環工程に供給される第一遠心分離液は使用済クーラントに比べてシリコン含有率(以下、「固形分濃度」と記載することがある。)が著しく低下している。そのため、膜分離ユニットの濾過膜が目詰まりを起こすことなく安定した膜分離処理が可能となる。なお、膜濾過液は別途回収する。その後、所定の循環回数を経た後の濃縮液を第二遠心分離ユニットに供給し、シリコン切削屑を含む固形分及び第二遠心分離液に分離する。このとき、濃縮液を遠心分離処理することによって得られた第二遠心分離液の固形分濃度も使用済クーラントに比べて低いため、膜濾過液及び第二遠心分離液を混合して生成されたクーラントも同様に固形分濃度が低くなる。
【0019】
以上より、遠心分離処理による固形分濃度を低下する処理と、膜分離処理による使用済クーラント等を効率的に分離する処理により、得られた回収クーラントの性能を安定させることができる。本実施形態は、第一段階として遠心分離処理を行うことから、使用済クーラントの当初固形分濃度が高い場合に好適である。
【0020】
一方、本発明のクーラント再生方法は、
「ワイヤーソーでシリコン材料を切断する際に発生するシリコン切削屑を含む使用済クーラントから前記シリコン切削屑を除去し、再利用可能なクーラントを再生するクーラント再生方法であって、
縦型遠心分離装置を有する遠心分離ユニットに前記使用済クーラントを供給し、前記シリコン切削屑を含む固形分と遠心分離液とに遠心分離する遠心分離工程、及び前記遠心分離液を前記使用済クーラントと混合する遠心分離液混合工程を備え、前記遠心分離液を循環させる遠心分離循環工程と、
前記遠心分離循環工程によって循環させた前記遠心分離液の一部を濾過膜を有する膜分離ユニットに供給し、前記シリコン切削屑を含む濃縮液と膜濾過液とに膜分離する膜分離工程、及び前記膜分離工程によって膜分離された前記濃縮液を前記遠心分離液と混合する濃縮液混合工程とを備え、前記濃縮液を循環させる膜分離循環工程と、
前記膜分離循環工程と並行して行われ、前記遠心分離循環工程によって循環させた前記遠心分離液の残部を縦型遠心分離装置を有する第二遠心分離ユニットに供給し、前記シリコン切削屑を含む固形分と第二遠心分離液とに遠心分離する第二遠心分離工程、及び遠心分離された前記第二遠心分離液を前記遠心分離液と混合する第二遠心分離液混合工程を備え、前記第二遠心分離液を循環させる第二遠心分離循環工程と、
前記第二遠心分離循環工程によって循環させた前記第二遠心分離液、及び、前記膜分離循環工程によって回収された前記膜濾過液を混合し、前記再利用可能なクーラントを生成するクーラント混合生成工程と」
を主に具備している。
【0021】
したがって、本発明のクーラント再生方法によれば、使用済クーラントを遠心分離ユニットを利用して遠心分離処理(第一遠心分離処理)した後、得られた遠心分離液を使用済クーラントと混合し、遠心分離液の循環を行う。その後、所定の循環回数を経た後の遠心分離液の一部を膜分離ユニットに連続的に供給し、シリコン切削屑を含む濃縮液及び膜濾過液に膜分離する。一方、膜分離ユニットに供給される以外の遠心分離液は第二遠心分離ユニットに連続的に供給し、シリコン切削屑を含む固形分及び第二遠心分離液に遠心分離処理(第二遠心分離処理)される。このとき、前記膜分離処理と前記第二遠心分離処理とは並行して行われる。
【0022】
また、上述の第二遠心分離処理は、前記第一遠心分離処理を継続して実施する様態で行うこともできる。すなわち、始めに遠心分離処理を行い、ある程度のシリコン切削屑の除去された遠心分離液は、継続された遠心分離処理によって固形分を除去する処理と、膜分離ユニットによって膜濾過液を生成する処理とが並行して行われる。
【0023】
これにより、遠心分離処理によってシリコン切削屑の大部分が除去された後、さらに遠心分離処理を継続しシリコン切削屑(固形分)の除去を行うとともに、シリコン含有率の低くなった遠心分離液の一部を膜分離処理して膜濾過液を生成し回収することが可能となる。これにより、クーラントの再生効率が高くなる。
【0024】
さらに、本発明のクーラント再生方法は、上記構成に加え、「生成された再利用可能な前記クーラントは、残存シリコン成分の含有量が前記クーラント全体の0.01重量%以上、3.0重量%以下であり、且つ前記残存シリコン成分に含まれる0.1μm以下の粒径のシリコン粒子の割合が前記残存シリコン成分全体の0.01重量%以上、30重量%以下である」ものであっても構わない。
【0025】
したがって、このような構成をさらに具備する本発明のクーラント再生方法によれば、遠心分離処理及び膜分離処理を組合わせて使用済クーラントから生成された回収クーラントが予め規定した範囲の条件を満たすことになり、再利用可能な十分な性能を有するものとなる。
【0026】
さらに、本発明のクーラント再生方法は、上記構成に加え、「前記使用済クーラントの
投入量に対し、前記再利用可能なクーラントの回収率が85重量%以上、98重量%以下である」ものであっても構わない。
【0027】
したがって、このような構成をさらに具備する本発明のクーラント再生方法によれば、遠心分離処理及び膜分離処理を組合わせることにより、高い回収率でクーラントを再生することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の効果として、縦型遠心分離装置を有する遠心分離ユニットによって遠心分離液等を循環させ、膜分離ユニットによって濃縮液を循環させ、さらに膜分離ユニットによって処理した液を再度縦型遠心分離装置を有する遠心分離ユニットによって処理することによって、使用済クーラントから高い回収率でクーラントを再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】クーラント再生方法の流れを模式的に示す説明図である。
【図2】クーラント再生方法の別例の流れを模式的に示す説明図である。
【図3】クーラント再生方法の別例の流れを模式的に示す説明図である。
【図4】遠心分離ユニットの概略構成を示す説明図である。
【図5】クーラント再生方法によるクーラント再生結果を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態であるクーラント再生方法1a,1b,1cについて、図1乃至図5に基づいて主に説明する。ここで、図1は本実施形態のクーラント再生方法1aの流れを模式的に示す説明図であり、図2及び図3はクーラント再生方法1b,1cの別例の流れを模式的に示す説明図であり、図4は遠心分離ユニット2の概略構成を示す説明図であり、図5はクーラント再生方法1a,1b,1cによるクーラント再生結果を示す説明図である。ここで、本実施形態のクーラント再生方法1a等は、ワイヤーソー切断装置を利用してブロック状のシリコンインゴット(シリコン材料)を予め規定されたサイズに切断するスライシング工程で発生する使用済クーラント3を回収し、再利用可能なクーラント4に再生するものについて例示する。なお、本実施形態で回収される使用済クーラント3は、ワイヤーソー自体に硬質ダイヤモンド等の砥粒が貼着された「固定砥粒方式」のワイヤーソー切断装置から回収されたものを想定している。そのため、使用済クーラント3から砥粒を回収する前工程が不要となっている。
【0031】
本実施形態のクーラント再生方法1a,1b,1cは、図1乃至図5にそれぞれ示すように、縦型遠心分離装置5を有する遠心分離ユニット2と、複数の中空糸膜を束ねて形成された濾過膜6を有する膜分離ユニット7とを利用するものであり、上記遠心分離ユニット2を使用した遠心分離循環工程Aと、膜分離ユニット7を使用した膜分離循環工程Bとを組合わせることによって構成されている。
【0032】
さらに具体的に説明すると、遠心分離ユニット2は、図4に示すように、略筐体状に形成された装置本体5aと、装置本体5aの内部に収容され、開口部8,28が下方、上方の2箇所に形成されるとともに、一方の開口部8を下方に向けた状態で配設されたボウル状の回転体9と、回転体9の上面と連結し一部を装置本体5aから突設させた回転軸10、当該回転軸10に従って回転体9を高速で軸回転させる回転力を発生する回転モータ11a、及び回転モータ11aの回転を回転軸10に伝達する回転伝達部11bを有する回転体駆動部11と、回転体駆動部11を制御し回転体9の回転数等を電気的に制御する回転体制御部(図示しない)と、開口部8から回転体9の内空間12に送出された吐出ノズル13の先端のノズル口13aから遠心分離対象の使用済クーラント3を吐出するクーラント吐出部と、回転体9の回転によって内空間12に発生する遠心力を利用して遠心分離され、回転体内壁15に堆積したシリコン切削屑16を含む固形分17(スラッジに相当)を掻落とすためのスクレーパ18を有し、内空間12でスクレーパ18の位置を変位させるスクレーパ変位機構部(図示しない)と、装置本体5aの内部の回転体9の下方に設けられ、一方向に傾斜した傾斜床面25及び傾斜床面25を伝わって流れる遠心分離液19を回収する回収ドレン26を有する液体回収部27と、回転体9の開口部8の直下に傾斜床面25の一部に貫設された固形分回収口29、及び、開口部8及び固形分回収口29の間に設けられ固形分回収口29の開閉状態をコントロールする開閉蓋部30を有する固形分回収部31とを具備する縦型遠心分離装置5から主に構成されている。このとき、開口部8,28は、回転軸を中心として上方に設けられた開口部28の直径が下方の開口部8よりも大きくなるように形成されている。
【0033】
ここで、回転体駆動部11によって軸回転するボウル状の回転体9は、高速で回転することにより内空間12内に100Gから3000G程度の遠心力を発生させることができる。これにより、内空間12に吐出された液体は、比重差によって遠心分離され、比重の大きな成分(例えば、固形分17等)が回転体内壁15に向かって押付けられ、一方、比重の小さな成分(液体の遠心分離液19等)は、回転体内壁15の壁面から離間した回転体9の内空間12の中心付近に集まり、回転体9の上側の開口部28からオーバーフローして回転体9の外部に導出される。その後、重力に従って、回転体9の外側面及び装置本体5aの内壁面の間を通って落下し、液体回収部27の傾斜床面25まで到達する。そして、傾斜床面25の傾斜を伝って回収ドレン26から液体の遠心分離液19が回収される(図4における二点鎖線参照)。これにより、固体成分及び液体成分を含む使用済クーラント3をそれぞれの成分に分離することができる。なお、使用済クーラント3の固形分濃度やシリコン切削屑16のサイズ、種類等に応じ、発生する遠心力の強さを適宜変更することができる。さらに、回転体内壁15に押付けられた固形分17は、内空間12に挿入されたスクレーパ18を作動させることにより、回転体内壁15から落とすことができる(図4における一点鎖線参照)。このとき、回転体9の回転数は20〜30回/分程度である。固形分回収部31の開閉蓋部30を動かし、固形分回収口29及び開口部8を対向させることにより、掻き落とされた固形分17を回転体9から回収される。
【0034】
一方、膜分離ユニット7は、分解精度が2μmの親水化ポリフッ化ビニリデン中空糸膜(膜面積が1.8平方メートルのモジュール)を12本並列させて構成した濾過膜6を使用することができる。そして、膜分離の際には、10リットル/h・本の供給速度で処理対象の液体(使用済クーラント3等)を供給することができる。このとき、濾過方式は、外圧循環濾過方式(循環線速度=0.1m/s)で濾過圧力を30kPaに設定した条件で行うのが好ましい。さらに、処理対象の液体の供給を120秒間継続した後、エアーによる逆洗を5秒間実施する工程を1サイクルとして行うのが好ましい。ここで、エアーによる逆洗は、膜分離工程で中空糸膜表面に付着したシリコン切削屑16等によって目詰まりし、濾過性能が低下することを防ぐためである。係る膜分離ユニット7を使用することによって、濾過膜6を通過した膜濾過液21と、濾過膜6を通過することのできなかったシリコン切削屑16を含む濃縮液22とに分離することができる。
【0035】
次に、本実施形態のクーラント再生方法1aの流れについて主に図1に基づいて説明する。始めに、スライシング工程で使用されるクーラントは、例えば、未使用の状態でジエチレングリコール70重量%、水27重量%、及びその他添加剤3重量%の比率で混合された有機液体が用いられる。そして、スライシング工程で使用された後の使用済クーラント3は、シリコン切削屑16を含む固形分17の固形分濃度が6.3重量%のものを本実施形態では使用するものとする。ここで、上記使用済クーラント3中の固形分濃度は、測定対象液を蒸留水で約20倍に希釈した後、0.45μmのセルロースアセテート製のメンブレンフィルタを用いて吸引濾過し、その後乾燥させることによりフィルタに残る固形分17の重量を測定することによって定量している。
【0036】
回収された180リットルの使用済クーラント3が予め貯留タンク(図示しない)に貯留されている。該貯留タンクは、遠心分離ユニット2及び膜分離ユニット7とそれぞれ接続し、各ユニット2,7に使用済クーラント3を供給可能となっている。そのため、貯留タンクから周知のポンプ等の圧送手段を利用して各ユニット2,7にそれぞれ使用済クーラント3を分配して供給する(分配供給工程S1)。ここで、各ユニット2,7への供給量は、それぞれ個別に設定することができる。また、一般的に遠心分離処理に対し、膜分離処理は単位時間当たりの処理能力が小さいことが知られているため、本実施形態でも遠心分離ユニット2への供給量が膜分離ユニット7よりも多くなるように設定されている。
【0037】
これにより、貯留タンクから送出された使用済クーラント3の一部は、縦型遠心分離装置5を有する遠心分離ユニット2に供給される。ここで、遠心分離ユニット2では高速で回転する回転体9を有し、供給された使用済クーラント3の一部は吐出ノズル13を通じて回転体9の内空間12に18リットル/分の吐出速度で吐出される。その結果、内空間12で生じる遠心力によって比重差に基づく分離が行われ、比較的比重の大きいシリコン切削屑16を含む固形分17が回転体内壁15に向かって押付けられるように堆積し、一方、固形分17が除去された液体成分を主体とする遠心分離液19は内空間12に滞留し、回転体9の上側の開口部28からオーバーフローさせることで回収される(遠心分離工程S2)。オーバーフローによって回転体9の外部に導出された遠心分離液19は、液体回収部27の傾斜床面25の傾斜を伝って回収ドレン26から回収される。その後、回収された遠心分離液19は、使用済クーラント3の貯留された貯留タンクに送られ、当該使用済クーラント3と混合される(遠心分離液混合工程S3)。その結果、遠心分離処理によってシリコン切削屑16等の固形分17が除去され、使用済クーラント3中の固形分濃度が低下する。さらに、回収した遠心分離液19を再び使用済クーラント3と混合し、所定回数(または所定時間)遠心分離循環工程Aで処理することにより、使用済クーラント3中の固形分濃度が徐々に低下することになる。ここで、遠心分離工程S2及び遠心分離液混合工程S3が本発明の遠心分離循環工程Aに相当する。
【0038】
一方、貯留タンクから膜分離ユニット7側に供給される使用済クーラント3は、濾過膜6による膜分離処理が行われる(膜分離工程S4)。これにより、中空糸膜から構成された濾過膜6を通過したシリコン切削屑16をほとんど含まない膜濾過液21と、濾過膜6を通過することのできないシリコン切削屑16を含み、固形分17の濃度が濃縮された濃縮液22とに分離することができる。その後、濃縮液22は使用済クーラント3の貯留された貯留タンクに導出され、当該使用済クーラント3と混合される(濃縮液混合工程S5)。ここで、濃縮液22は、液体成分のクーラントと固形分17とが含まれているものであり、再分離することにより、遠心分離液19または膜濾過液21と、固形分17または濃縮液22とに分離することができる。その結果、膜分離処理によってシリコン切削屑16等の固形分17の除去された膜濾過液21を回収することができ、さらに濃縮液22を再び使用済クーラント3に戻すことで、遠心分離処理または膜分離処理を繰り返し行うことができ、使用済クーラント3から再生されるクーラント4の回収率を高めることが可能となる。特に、濃縮液22を循環させ、使用済クーラント3と混合することで濃縮液22を使用済クーラント3で希釈することになり、再び膜分離ユニット7に供給した際に目詰まり等を発生させることがない。さらに、同時並行で遠心分離ユニット2による処理が行われているため、貯留タンク中の使用済クーラント3の固形分濃度が徐々に低下している。ここで、膜分離工程S4及び濃縮液混合工程S5が本発明の膜分離循環工程Bに相当する。
【0039】
その後、遠心分離循環工程A及び膜分離循環工程Bを所定回数(または所定時間)、繰返した後にそれぞれ回収した遠心分離液19及び膜濾過液21を混合し、クーラント4を生成する(クーラント混合生成工程S6)。これにより、遠心分離処理によって固形分濃度を減少させた遠心分離液19と、膜分離処理によってほとんどシリコン切削屑16等の除去された膜濾過液21とによって、固形分濃度を予め規定条件以下(例えば、3.0重量%以下)にした再利用可能なクーラント4が生成される。特に、遠心分離処理及び膜分離処理を並行して行うことにより、遠心分離処理による固形分17の固形分除去率及び膜分離処理による処理速度等の双方のデメリットを相補して効率的にクーラント4の生成を行うことができる。さらに、縦型遠心分離装置5を有する遠心分離ユニット2を採用することにより、貯留タンクに貯留された使用済クーラント3を連続的に供給することができ、回転体内壁15に堆積した固形分17(スラッジ)をスクレーパ18で掻取る作業以外、遠心分離ユニット2の稼動を停止する必要がない。そのため、長時間に亘って稼動を継続して行うことができる。したがって、スライシング工程から回収された使用済クーラント3を常に貯留タンクに送出しながらの連続運転も可能となる。ここで、遠心分離ユニット2には、使用済クーラント3を連続的に供給するものを示したが、例えば、使用済クーラント3の吐出を間欠的に制御し、固形分17の除去率を高めるようにするものであっても構わない。これにより、本実施形態のクーラント再生方法1aにおける固形分17の処理系外への排出を良好なものとすることができる。なお、本実施形態のクーラント再生方法1aの場合、遠心分離処理及び膜分離処理が同時並行で開始されるため、特に処理開始時の固形分濃度が高めの使用済クーラント3がそのまま膜分離ユニット7に供給されると、濾過膜6の目詰まりが発生しやすい可能性がある。従って、予め固形分濃度が比較的低いことが分かっている場合に適用するのが好適と考えられる。
【0040】
さらに、本実施形態の別例のクーラント再生方法1bについて、図2等に基づいて説明する。なお、説明を簡略化するため、上述のクーラント再生方法1aにおいて説明した構成及び作用効果と同一のものについては説明を省略するものとする。本実施形態のクーラント再生方法1bは、第一遠心分離循環工程A’と、膜分離循環工程Bと、第二遠心分離循環工程A”とを具備して主に構成されている。第一遠心分離循環工程A’及び第二遠心分離循環工程A”は既に説明した遠心分離循環工程Aと類似するものである。また、処理対象の使用済クーラント3は、固形分濃度が10.1重量%のものを使用している。
【0041】
始めに、使用済クーラント3を遠心分離ユニット2に供給し、高速で回転する回転体9に吐出して内空間12で生じる遠心作用によって比重差に基づく分離を行う(第一遠心分離工程T1)。これにより、比重の大きいシリコン切削屑16を含む固形分17が回転体内壁15に蓄積し、一方、固形分17の除去された第一遠心分離液23は開口部28からオーバーフローされ、液体回収部27に回収される。さらに、回収された第一遠心分離液23を使用済クーラント3の貯留された貯留タンクに導出し、混合する(第一遠心分離液混合工程T2)。その結果、遠心分離処理によって固形分17が除去され、使用済クーラント3中の固形分濃度が低下する。さらに、回収した第一遠心分離液23を再び使用済クーラント3と混合し、遠心分離処理系で循環させることにより、当該固形分濃度が循環の度に徐々に低下することになる。ここで、第一遠心分離工程T1及び第一遠心分離液混合工程T2が本発明の第一遠心分離循環工程A’に相当する。
【0042】
その後、所定回数(または所定時間)を繰返し、固形分17の濃度が低下した第一遠心分離液23を膜分離ユニット7に供給し濾過膜6による膜分離処理を行う(膜分離工程T3)。これにより、シリコン切削屑16をほとんど含まない膜濾過液21と、濾過膜6を通過することのできないシリコン切削屑16を含み、固形分17の濃度が濃縮された濃縮液22とに分離することができる。その後、濃縮液22は第一遠心分離液23の貯留された貯留タンクに導出され、当該第一遠心分離液23と混合される(濃縮液混合工程T4)。ここで、膜分離工程T3及び濃縮液混合工程T4が本発明の膜分離循環工程Bに相当する。また、詳細については既に説明したため、説明を省略する。
【0043】
そして、所定回数(または所定時間)を繰返した後の濃縮液22を遠心分離ユニット2(第二遠心分離ユニットに相当)に再び供給し遠心分離処理を行う(第二遠心分離工程T5)。これにより、固形分17と当該固形分17の除去された第二遠心分離液24とに分離される。さらに、分離した第二遠心分離液24を再び濃縮液22と混合し(第二遠心分離液混合工程T6)、遠心分離処理系で循環させることにより、濃縮液22中の固形分濃度が循環の度に徐々に低下することになる。ここで、第二遠心分離工程T5及び第二遠心分離液混合工程T6が本発明における第二遠心分離循環工程A”に相当する。
【0044】
その後、所定回数(または所定時間)、上記循環を繰返した第二遠心分離液24と、膜分離循環工程Bによって回収された膜濾過液21とを混合し、クーラント4を生成する(クーラント混合生成工程T7)。これにより、固形分濃度が低下した再利用可能なクーラント4が形成される。本例のクーラント再生方法1bによれば、第一段階として遠心分離処理を行うことにより、高い固形分濃度をある程度下げ、その後、膜分離ユニット7による膜分離処理に切替えることで固形分17をほとんど含まない膜濾過液21を得ることができる。そのため、クーラント再生方法1aに比べて高い固形分濃度の使用済クーラント3でも対応することができる。具体的には、固形分濃度が5%以上の使用済クーラント3を処理する場合に、本クーラント再生方法1b(および1c)のように第一段階として遠心分離処理を行う方法を採用するのが好ましい。さらに、膜分離の際に分離された濃縮液22を再び遠心分離することで、濃縮液22中に含まれる液体成分を分離することができる。これにより、最終的に回収されるクーラント4の回収効率を高めることができる。特に、第一段階で遠心分離処理を行うことで、膜分離ユニット7を使用する際の目詰まり等を防止することができ、効率的な再生処理が可能となる。
【0045】
一方、本実施形態のさらに別例のクーラント再生方法1cについて、図3等に基づいて説明する。なお、上述のクーラント再生方法1a,1bと同一構成等については説明を省略する。ここで、本実施形態の別例のクーラント再生方法1cは、遠心分離循環工程Aと、遠心分離循環工程Aの途中から並行して実施される膜分離循環工程Bとを具備して主に構成されている。また、処理対象の使用済クーラント3は、上記クーラント再生方法1bと同様に固形分濃度が10.1重量%のものを使用している。
【0046】
始めに、使用済クーラント3を遠心分離ユニット2に供給し、遠心分離循環工程Aを行う(遠心分離工程U1及び遠心分離液混合工程U2)。これにより、固形分濃度が循環によって徐々に低下した遠心分離液19が得られる。そして、所定回数(または所定時間)を経過した後、遠心分離液19の一部を膜分離ユニット7に供給し、膜分離循環工程Bを行う(膜分離工程U3及び濃縮液混合工程U4)。このとき、膜分離ユニット7に供給される遠心分離液19は一部のみであり、残部は依然として遠心分離ユニット2(第二遠心分離ユニットに相当)に供給されている。これにより、遠心分離処理及び膜分離処理が並行して行われる。ここで、膜分離ユニット7に一部の遠心分離液19を供給した後に実施される遠心分離工程が本発明における第二遠心分離工程U5、遠心分離液混合工程が第二遠心分離液混合工程U6、及びこれらを含む遠心分離循環工程が第二遠心分離循環工程A”に相当する。さらに、第二遠心分離ユニットから遠心分離された遠心分離液が第二遠心分離液32にそれぞれ相当する。各処理の詳細については既に説明したため説明を省略する。
【0047】
その後、それぞれの循環工程A,Bで所定回数(または所定時間)の循環を繰返し、得られた第二遠心分離液32と膜濾過液21とを混合し、クーラント4を生成する(クーラント混合生成工程U7)。これにより、固形分濃度が低下した再利用可能なクーラント4が形成される。すなわち、固形分濃度が高い状態では、遠心分離処理のみを実施し、濾過膜6の目詰まりを防止するとともに、ある程度まで固形分濃度が低下した段階で、遠心分離処理及び膜分離処理を併用することで、全体の処理時間の短縮を図ることができる。
【0048】
図5は、既に説明したクーラント再生方法1a,1b,1cによる再生結果を示すものである。ここで、実施例1はクーラント再生方法1aを、実施例2はクーラント再生方法1bを、及び実施例3はクーラント再生方法1cを表している。さらに、比較例1として遠心分離循環工程Aのみを行った場合、比較例2として膜分離循環工程Bのみを行った場合、比較例3として遠心分離→膜分離→遠心分離の工程を循環させない条件で行った場合、比較例4として遠心分離→膜分離の工程を循環させない条件で行った場合を併せて図示している。ここで、“並列”とは、遠心分離循環工程A(または遠心分離工程)及び膜分離循環工程B(膜分離工程)を同じタイミングで並列的に実施した場合を示し、一方、“直列”とは、遠心分離循環工程A(または遠心分離工程)の後に、膜分離循環工程B(または膜分離工程)を直列的に実施したものとして定義している。
【0049】
これによると、実施例1乃至実施例3のいずれについても、投入した使用済クーラント3(180リットル)に対し、85重量%以上の高い回収率で再利用可能なクーラント4を再生することができる。さらに、最終的に得られたクーラント4の固形分濃度(シリコンの残存率)は1%台であり、非常に低い値に抑えられ、クーラント4として使用可能な十分な性能を有していることが示された。これにより、85重量%以上の高い回収率でクーラントを再生することができ、かつ残存シリコン成分の含有量が0.01重量%以上、3.0重量%以下の優れたクーラント4とすることができる。さらに、膜分離処理を併用することで、0.1μm以下の微細なシリコン微粒子(シリコン切削屑)を除去することができ、これらのシリコン粒子の占める割合を残存シリコン成分に対して0.01重量%以上、30重量%以下に抑えることができる。そのため、スライシング工程の際にワイヤーの破断や破損等のトラブルが発生することを抑制することができる。なお、シリコン微粒子の粒径は、レーザ散乱式粒度分布測定装置を利用して質量分布に基づいて評価した後、0.1μm以下の微粒子の含有率は面積比によって算出することができる。
【0050】
一方、比較例1の場合、固形分濃度の増加が示された。すなわち、遠心分離循環工程Aのみで使用済クーラント3を処理した場合、実施例1乃至実施例3に比べて、いずれも得られる再生クーラントの品質等が低くなることが確認され、膜分離循環工程Bを並列若しくは直列で併用する方が効果が高くなることが認められた。また、比較例2の場合も同様に、固形分濃度を著しく低く抑えることができるものの、固形分濃度の高いクーラントを膜分離循環工程Bに付すため、膜分離速度が開始直後から低下する傾向がみられ、一定の処理時間範囲内では回収率が50%以下となり実用性がほとんどないことが示された。さらに、比較例3の固形分濃度が僅かにしか変化しなかった(10.1%→8.5%)。これは、膜が目詰まりすることにより、膜分離の処理時間が短くなり、所望の固形分濃度まで低下させることができず、最終的な固形分濃度に膜分離工程がほとんど寄与しなかったものと推定される。これにより、それぞれの工程において遠心分離液19及び濃縮液22を循環させる処理を行うことの有効性が示された。一方、比較例4の場合、比較例2と同様に膜分離工程の作用によって固形分濃度の低下は確認されるものの、膜分離工程を循環せずに直列で実施するため、クーラントに含まれる固形分が膜表面に堆積することによって膜が閉塞し、長時間運転しても回収率の向上は認められなかった。さらに、処理時間も実施例1等と比べて大幅に増加していた。そのため、実用性に乏しいものとなった。すなわち、遠心分離工程(または遠心分離循環工程A)及び膜分離工程(または膜分離循環工程B)を循環せずに直列的に併用した場合は回収率及び処理時間の点において実施例1等よりも劣っていることが確認された。
【0051】
以上示したように、本実施形態のクーラント再生方法1a等によれば、遠心分離循環工程A等及び膜分離循環工程Bを組合わせることにより、固形分濃度を抑え、かつ回収率を高めた状態でクーラントの生成(再生処理)が可能となることが示された。
【0052】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0053】
すなわち、本実施形態のクーラント再生方法1a等において、固定砥粒方式のワイヤーソー切断装置から回収される砥粒の未混入の使用済クーラント3を使用するものを示したが、これに限定されるものではなく、遊離砥粒方式のワイヤーソー切断装置から回収されたものを用いるものであっても構わない。係る場合、遠心分離ユニット2等を利用して使用済クーラント3から予め砥粒を遠心分離する前工程が必要となる。砥粒は、使用済クーラント3に含まれるシリコン切削屑16等と比べて比重が著しく大きいため、上記遠心分離処理によってほとんどを回収することができる。そのため、本実施形態のクーラント再生方法1a等によるクーラント4の再生処理に影響を及ぼすことがない。さらに、本実施形態のクーラント再生方法1a等において、遠心分離循環工程A及び膜分離循環工程B等における循環回数や循環条件等は分離対象となる使用済クーラント3等に応じて任意に設定することができる。
【符号の説明】
【0054】
1a,1b,1c クーラント再生方法
2 遠心分離ユニット(第二遠心分離ユニット)
3 使用済クーラント
4 クーラント
5 縦型遠心分離装置
6 濾過膜
7 膜分離ユニット
8,28 開口部
9 回転体
16 シリコン切削屑
19 遠心分離液
21 膜濾過液
22 濃縮液
23 第一遠心分離液
24,32 第二遠心分離液
A 遠心分離循環工程
A’ 第一遠心分離循環工程
A” 第二遠心分離循環工程
B 膜分離循環工程
S1 分配供給工程
S2,U1 遠心分離工程
S3,U2 遠心分離液混合工程
S4,T3,U3 膜分離工程
S5,T4,U4 濃縮液混合工程
S6,T7,U7 クーラント混合生成工程
T1 第一遠心分離工程
T2 第一遠心分離液混合工程
T5,U5 第二遠心分離工程
T6,U6 第二遠心分離液混合工程
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】
【特許文献1】特開2010−253621号公報
【特許文献2】特開2010−253622号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤーソーでシリコン材料を切断する際に発生するシリコン切削屑を含む使用済クーラントから前記シリコン切削屑を除去し、再利用可能なクーラントを再生するクーラント再生方法であって、
縦型遠心分離装置を有する遠心分離ユニットに前記使用済クーラントの一部を供給し、前記シリコン切削屑を含む固形分と遠心分離液とに遠心分離する遠心分離工程、及び遠心分離された前記遠心分離液を前記使用済クーラントと混合する遠心分離液混合工程を備え、前記遠心分離液を循環させる遠心分離循環工程と、
前記遠心分離循環工程と並行して行われ、濾過膜を有する膜分離ユニットに前記使用済クーラントの残部を供給し、前記シリコン切削屑を含む濃縮液と膜濾過液とに膜分離する膜分離工程、及び前記膜分離工程によって膜分離された前記濃縮液を前記使用済クーラントと混合する濃縮液混合工程とを備え、前記濃縮液を循環させる膜分離循環工程と、
前記遠心分離循環工程によって循環させた前記遠心分離液、及び、前記膜分離工程によって回収された前記膜濾過液を混合し、前記再利用可能なクーラントを生成するクーラント混合生成工程と
を具備することを特徴とするクーラント再生方法。
【請求項2】
ワイヤーソーでシリコン材料を切断する際に発生するシリコン切削屑を含む使用済クーラントから前記シリコン切削屑を除去し、再利用可能なクーラントを再生するクーラント再生方法であって、
縦型遠心分離装置を有する遠心分離ユニットに前記使用済クーラントを供給し、前記シリコン切削屑を含む固形分と第一遠心分離液とに遠心分離する第一遠心分離工程、及び前記第一遠心分離液を前記使用済クーラントと混合する第一遠心分離液混合工程を備え、前記第一遠心分離液を循環させる第一遠心分離循環工程と、
濾過膜を有する膜分離ユニットに前記第一遠心分離循環工程によって循環させた前記第一遠心分離液を供給し、前記シリコン切削屑を含む濃縮液と膜濾過液とに膜分離する膜分離工程、及び前記濃縮液を前記第一遠心分離液と混合する濃縮液混合工程とを備え、前記濃縮液を循環させる膜分離循環工程と、
縦型遠心分離装置を有する第二遠心分離ユニットに前記膜分離循環工程によって循環させた前記濃縮液を供給し、前記シリコン切削屑を含む固形分と第二遠心分離液とに遠心分離する第二遠心分離工程、及び前記第二遠心分離液を前記濃縮液と混合する第二遠心分離液混合工程を備え、前記第二遠心分離液を循環させる第二遠心分離循環工程と、
前記第二遠心分離循環工程によって循環させた前記第二遠心分離液、及び、前記膜分離循環工程によって回収された前記膜濾過液を混合し、前記再利用可能なクーラントを生成するクーラント混合生成工程と
を具備することを特徴とするクーラント再生方法。
【請求項3】
ワイヤーソーでシリコン材料を切断する際に発生するシリコン切削屑を含む使用済クーラントから前記シリコン切削屑を除去し、再利用可能なクーラントを再生するクーラント再生方法であって、
縦型遠心分離装置を有する遠心分離ユニットに前記使用済クーラントを供給し、前記シリコン切削屑を含む固形分と遠心分離液とに遠心分離する遠心分離工程、及び前記遠心分離液を前記使用済クーラントと混合する遠心分離液混合工程を備え、前記遠心分離液を循環させる遠心分離循環工程と、
前記遠心分離循環工程によって循環させた前記遠心分離液の一部を濾過膜を有する膜分離ユニットに供給し、前記シリコン切削屑を含む濃縮液と膜濾過液とに膜分離する膜分離工程、及び前記膜分離工程によって膜分離された前記濃縮液を前記遠心分離液と混合する濃縮液混合工程とを備え、前記濃縮液を循環させる膜分離循環工程と、
前記膜分離循環工程と並行して行われ、前記遠心分離循環工程によって循環させた前記遠心分離液の残部を縦型遠心分離装置を有する第二遠心分離ユニットに供給し、前記シリコン切削屑を含む固形分と第二遠心分離液とに遠心分離する第二遠心分離工程、及び遠心分離された前記第二遠心分離液を前記遠心分離液と混合する第二遠心分離液混合工程を備え、前記第二遠心分離液を循環させる第二遠心分離循環工程と、
前記第二遠心分離循環工程によって循環させた前記第二遠心分離液、及び、前記膜分離循環工程によって回収された前記膜濾過液を混合し、前記再利用可能なクーラントを生成するクーラント混合生成工程と
を具備することを特徴とするクーラント再生方法。
【請求項4】
生成された前記再利用可能なクーラントは、
残存シリコン成分の含有量が前記クーラント全体の0.01重量%以上、3.0重量%以下であり、
且つ前記残存シリコン成分に含まれる0.1μm以下の粒径のシリコン粒子の割合が前記残存シリコン成分全体の0.01重量%以上、30重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載のクーラント再生方法。
【請求項5】
前記使用済クーラントの投入量に対し、前記再利用可能なクーラントの回収率が85重量%以上、98重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載のクーラント再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−66994(P2013−66994A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−121749(P2012−121749)
【出願日】平成24年5月29日(2012.5.29)
【出願人】(301035172)ジー・フォースジャパン株式会社 (6)
【出願人】(000001085)株式会社クラレ (1,607)
【Fターム(参考)】