説明

コロニー数の計数方法

【課題】シャーレを撮像手段で撮像した撮影画像をデータ処理して計数する際に、撮像条件によるコロニー数の計数のばらつきを排除し、簡易な手段で信頼性の高い安定したコロニー数の計数値を取得できるコロニーの計数方法を提供する。
【解決手段】シャーレ2内の培地1で生成された微生物コロニーを、シャーレの培地面1fの中心付近を回転軸C1とし該回転軸の延長線方向に配置したCCDカメラ7(撮像手段)により撮像してデータ処理するコロニー数の計数に際して、シャーレの1回転を所定数に分割して得た指定角度ずつの回転軸を中心としたシャーレの回転と共に、指定角度ずつのシャーレの回転ごとにシャーレの培地面全体の画像データを取得し、指定角度におけるシャーレの培地面全体の画像データをデータ処理して指定角度ごとのコロニー数を個別に計数し、各指定角度ごとに個別に計数したコロニー数を数値処理しシャーレ内のコロニー数を算定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャーレを利用して培地中に菌類、カビ等の微生物を培養した後、生成した微生物のコロニー数を数えるコロニー数の計数方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品工業分野では、微生物の計数対象となる製品が問題を起こさないように、あるいは、食品の製造工程で有用な微生物が適正に増殖していること等を確認する必要がある。この確認に用いられる生菌検出システムとして、培地を利用した培養型の計数手段が利用されることが多い。例えば、微生物計数の公定法として寒天培地を利用して微生物のコロニー数を計測する方法が採用されている。特に微生物の分散度が低い計数対象製品において、微生物を短時間に培養して微生物のコロニーを生成させ、簡易に精度良く微生物の数を計測する手段として広く利用されている。
【0003】
そして、寒天培地等に生成したコロニー数を目視で計数する旧来の方法に替えて、CCDカメラ等を利用して撮像した計数対象培地の画像データをデータ処理してコロニー数を自動的に計数する幾つかの手段が提案されている。すなわち、連結したコロニーを形状から識別してコロニーを計数する方法(特許文献1参照)、群体微生物に対して色相の濃淡を利用して外周円弧を検出して微生物数を計数する方法(特許文献2参照)が提案されている。
【0004】
また、色相を利用したCCDカメラ画像を簡易にデータ処理してコロニー数を精度良く計数する方法(特許文献3参照)が提案されている。本件発明の出願人は、コロニーの検査領域を分割して単色のCCDカメラを利用してコロニーを精度良く自動的に計数する検査方法(特許文献4参照)を提案している。
【0005】
しかしながら、従来のコロニー計数手段では、同じ計数対象シャーレのコロニー数を計数しても、対象シャーレに対する照明の平面位置や照明角度、及びCCDカメラのシャーレまでの距離等を変動させてコロニー数を計数した場合、計測の度に計数したコロニー数の値が異なることが従来から経験により明らかとなってきた。この理由は、主として寒天培地等のいろいろな深度に点在して生成した微小なコロニーに対して、照明やCCDカメラの相対位置、及びコロニー同士の相対位置等が複雑に関係して、CCDカメラによるコロニーの画像データが変化して、画像データのデータ処理方法と連動してコロニーの自動的な計数値が変動するものと考えられる。
【0006】
このため、特に正確なコロニー数の把握を義務付けられている食品業界において、同一シャーレ内のコロニー計測値変動幅のばらつきを排除して計測データが安定する実用的なコロニー数の計数方法が求められていた。
【特許文献1】特開平9−140397号公報
【特許文献2】特開2001−22929号公報
【特許文献3】特開2004−194610号公報
【特許文献4】特開2006−345750号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みて提案されたものであって、撮像条件によるコロニー数の計数のばらつきを排除して、簡易な手段で信頼性の高い安定したコロニー数の計数値を取得できるコロニーの計数方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、シャーレ内の培地で生成された微生物のコロニーを、前記シャーレの培地面の中心付近を回転軸とし該回転軸の延長線方向に配置した撮像手段により撮像してデータ処理することによりコロニー数を計数するに際して、前記シャーレの1回転を所定数に分割して得た指定角度ずつ前記回転軸を中心にして前記シャーレを回転させると共に、前記指定角度ずつのシャーレの回転ごとに前記シャーレの培地面全体を撮像して前記指定角度における前記シャーレの培地面全体の画像データを取得し、前記指定角度における前記シャーレの培地面全体の画像データをデータ処理して前記指定角度ごとのコロニー数を個別に計数し、前記各指定角度ごとに個別に計数したコロニー数を数値処理して前記シャーレ内のコロニー数を算定することを特徴とするコロニー数の計数方法に係る。
【0009】
請求項2に記載の発明は、シャーレ内の培地で生成された微生物のコロニーを、前記シャーレの培地面の中心付近を回転軸とし該回転軸の延長線方向に配置した撮像手段により撮像してデータ処理することによりコロニー数を計数するに際して、前記シャーレの1回転を所定数に分割して得た指定角度ずつ前記撮像手段を回転させると共に、前記指定角度ずつの前記撮像手段の回転ごとに前記シャーレの培地面全体を撮像して前記指定角度における前記シャーレの培地面全体の画像データを取得し、前記指定角度における前記シャーレの培地面全体の画像データをデータ処理して前記指定角度ごとのコロニー数を個別に計数し、前記各指定角度ごとに個別に計数したコロニー数を数値処理して前記シャーレ内のコロニー数を算定することを特徴とするコロニー数の計数方法に係る。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記各指定角度における前記シャーレの培地面全体の撮像に際して、前記撮像手段は一の指定角度につき複数回ずつ撮像して前記一の指定角度における複数の画像データを取得し、前記取得した画像データをそれぞれデータ処理して前記一の指定角度におけるコロニー数を複数回計数し、前記各指定角度ごとにそれぞれ個別に計数されたコロニー数を数値処理して前記シャーレ内のコロニー数を算定することを特徴とする請求項1又は2に記載のコロニー数の計数方法に係る。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記シャーレを前記指定角度回転させるごとに一旦停止して前記撮像手段により前記シャーレの培地面全体を撮像する請求項1又は3に記載のコロニー数の計数方法に係る。
【0012】
請求項5に記載の発明は、前記撮像手段を前記指定角度回転させるごとに一旦停止して前記撮像手段により前記シャーレの培地面全体を撮像する請求項2又は3に記載のコロニー数の計数方法に係る。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明に係るコロニー数の計数方法によれば、シャーレ内の培地で生成された微生物のコロニーを、前記シャーレの培地面の中心付近を回転軸とし該回転軸の延長線方向に配置した撮像手段により撮像してデータ処理することによりコロニー数を計数するに際して、前記シャーレの1回転を所定数に分割して得た指定角度ずつ前記回転軸を中心にして前記シャーレを回転させると共に、前記指定角度ずつのシャーレの回転ごとに前記シャーレの培地面全体を撮像して前記指定角度における前記シャーレの培地面全体の画像データを取得し、前記指定角度における前記シャーレの培地面全体の画像データをデータ処理して前記指定角度ごとのコロニー数を個別に計数し、前記各指定角度ごとに個別に計数したコロニー数を数値処理して前記シャーレ内のコロニー数を算定するため、シャーレやコロニーに対し照明や撮像手段が特定の位置にある場合に取得されてしまう偏った画像データに基づいたコロニー計数値を採用する不具合が解消される。よって、複数の撮像条件により平準化された安定したデータ算定が可能となる。
【0014】
請求項2の発明に係るコロニー数の計数方法によれば、シャーレ内の培地で生成された微生物のコロニーを、前記シャーレの培地面の中心付近を回転軸とし該回転軸の延長線方向に配置した撮像手段により撮像してデータ処理することによりコロニー数を計数するに際して、前記シャーレの1回転を所定数に分割して得た指定角度ずつ前記撮像手段を回転させると共に、前記指定角度ずつの前記撮像手段の回転ごとに前記シャーレの培地面全体を撮像して前記指定角度における前記シャーレの培地面全体の画像データを取得し、前記指定角度における前記シャーレの培地面全体の画像データをデータ処理して前記指定角度ごとのコロニー数を個別に計数し、前記各指定角度ごとに個別に計数したコロニー数を数値処理して前記シャーレ内のコロニー数を算定するため、シャーレやコロニーに対し照明や撮像手段が特定の位置にある場合に取得されてしまう偏った画像データに基づいたコロニー計数値を採用する不具合が解消される。よって、複数の撮像条件により平準化された安定したデータ算定が可能となる。加えて、大きさや重さ、壊れやすさ等から容易に被撮像物品を回転できない場合にも都合よい。
【0015】
請求項3の発明に係るコロニー数の計数方法によれば、請求項1又は2に記載の発明において、前記各指定角度における前記シャーレの培地面全体の撮像に際して、前記撮像手段は一の指定角度につき複数回ずつ撮像して前記一の指定角度における複数の画像データを取得し、前記取得した画像データをそれぞれデータ処理して前記一の指定角度におけるコロニー数を複数回計数し、前記各指定角度ごとにそれぞれ個別に計数されたコロニー数を数値処理して前記シャーレ内のコロニー数を算定するため、各指定角度ごとに生ずる画像データの撮影条件等のばらつきを複数回の撮像により排除でき、シャーレ内のコロニー数をさらに安定して計数できる。
【0016】
請求項4の発明に係るコロニー数の計数方法によれば、請求項1又は3に記載の発明において、前記シャーレを前記指定角度回転させるごとに一旦停止して前記撮像手段により前記シャーレの培地面全体を撮像するため、指定角度ごとの撮影画像が鮮明になり、その画像データ処理によるコロニー計数の精度が向上する。
【0017】
請求項5の発明に係るコロニー数の計数方法によれば、請求項2又は3に記載の発明において、前記撮像手段を前記指定角度回転させるごとに一旦停止して前記撮像手段により前記シャーレの培地面全体を撮像するため、指定角度ごとの撮影画像が鮮明になり、その画像データ処理によるコロニー計数の精度が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本件発明のコロニー数計数方法を図1ないし図5に基づいて説明する。
図1は本発明に係るコロニー計数を実施する装置の構造断面図、図2は図1の装置の上面図、図3はシャーレ内の培地で生成されたコロニーを例示する撮像画像の模式図、図4は本発明に係るコロニー計数の工程を示すフローチャート、図5は他の実施形態に係るコロニー計数を実施する装置の構造断面図である。
【0019】
(第1の実施形態)
図1の構造断面図及び図2の上面図を用い、本発明のコロニー数の計数方法を実施するために好適な計数装置50を説明する。この計数装置50は、シャーレ回転載置装置55、撮像手段(CCDカメラ7)、データ処理装置9を有する。
【0020】
シャーレ回転載置装置55には、上部に支え板5を有する架台17、この上に透明回転板22、駆動モーター19が備えられる。透明回転板22は回転台16の上にねじ等の図示省略の手段で固定され、さらに回転台16は支持ローラー23(図示では3箇所)により、支え板5上で回転可能に支持される。回転台16には駆動ベルト21が張設され、支え板5上の駆動モーター19に固定された駆動プーリー20の駆動が駆動ベルト21に伝達されて駆動される。計数対象となるシャーレ2(当該シャーレの培地1)は、円盤状の透明回転板22の略回転中心位置上に載置される。そして、計数対象となるシャーレ2の培地面1fの中心付近に回転軸C1が設定される。回転軸C1はシャーレの培地面1fと直交している。
【0021】
回転台16が取り付けられている支え板5は、図示の架台17の上部に配置され、同支え板5上には拡散板4が備えられる。架台17の内部には、下方から順に照明装置6、平行板18が備えられる。平行板18は照明装置6の光線を上方に平行光線として安定して進行させる。拡散板4はこの光線を均一に拡散させて培地1の画像を正確に撮影させる機能を果たしている。
【0022】
撮像手段の一例として開示するCCDカメラ7は、シャーレ2の上方、すなわち回転軸C1の延長線方向に配置される。シャーレ2はシャーレ開口部3を下方に向けた状態(ひっくり返した状態)で透明回転板22に載置され、その培地1は下方の照明装置6に照明される。そして、CCDカメラ7はシャーレの底面方向から当該シャーレの外周を含めた培地の画像を透過光として撮像する。図示の実施形態によると、回転軸C1はシャーレ2の培地面1fの中心に設定され、CCDカメラ7はシャーレ2の回転軸C1をほぼそのままのばした延長線上に配置される。なお、CCDカメラとシャーレの回転軸の位置関係は、シャーレ全体の撮像が可能な位置であれば良く、厳密な延長線上ではなく、多少の軸の位置ずれも許容される。また、シャーレ(培地面)に設定される回転軸の位置も、必ずしも厳密ではなくシャーレの大きさ(直径)、透明回転板に載せるときの位置のずれ等により影響される。このため、回転軸はシャーレ全体の撮像、シャーレの回転に支障を来さない範囲で概ねシャーレの中心に設定される。図示において、シャーレは蓋を外してひっくり返した状態で透明回転板に載置されているが、シャーレの蓋をしたままで載置しても良く、いずれでも適宜である。
【0023】
データ処理装置9はパーソナルコンピューター等の適宜の演算装置であり、CCDカメラ7からの信号ケーブル8cが接続されている。シャーレを撮影した際の画像データがデータ処理装置9に送られ、詳細後述のデータ処理が実施されることにより、シャーレ内のコロニーKの数が計数される。また、必要に応じて撮影したシャーレの画像等は画像モニター12に表示される。さらに、駆動モーター19とデータ処理装置9の間にも信号ケーブル8mが備えられる。データ処理装置9の制御に基づいて、CCDカメラ7による撮像と連動して駆動モーター19の駆動が行われ、所定量の透明回転板22(シャーレ2)の回転が行われる。
【0024】
図示のCCDカメラ7はその支持具を省略している。撮像手段は当該実施形態のCCDカメラの他にCMOSイメージセンサ等の公知の機器を用いることができる。また、培地1の撮像に際してシャーレ開口部3を下方にして下方から照明する構成を例示したが、シャーレ1を上向きに配置して照明装置6とCCDカメラ7を上下逆の配置とすることも可能であり、特に図示した実施形態に限定されるものではない。図中、符号2aはシャーレ側壁である。
【0025】
図3はCCDカメラ7によりシャーレ2の底面を撮影した際の撮像画像14の例である。シャーレ側壁2aの内側は培地1であり、計数対象となる微生物のコロニーKが多様な形状で生成している。本件発明の実施形態のコロニー計数手法において、シャーレ側壁2a内部のコロニー計数領域13は、中心部を占める中心画像領域10とその外側の外周画像領域11に分割されている。図示のとおり、CCDカメラ7による撮像ではシャーレの全体(その培地面1f全体)が撮像され、画像データとしてデータ処理装置9に取り込まれる。
【0026】
上記の中心画像領域10、外周画像領域11のシャーレ側壁2aの内径に対する寸法、または比率は特に指定されない。過去の経験に基づいて中心画像領域10は、シャーレ側壁2aの影響が少なく良好な画像が取得できる領域から選定される。外周画像領域11は、シャーレ側壁2aに近接して撮像画像によるコロニーKの計数が困難な領域から指定される。
【0027】
図4に示すフローチャートに従って、コロニーの計数方法の全体を説明する。まず、角度分割設定(J0)において、シャーレを1回転させるときにその360°をいずれの所定数に分割するか設定される。以下の実施形態において、分割数(所定数に該当)に対応するコロニー計数は、撮像及びデータ処理工数とのバランスで比較的効率良く実施されると考えられる6分割(所定数=6)に設定される。すなわち、指定角度を60°としてこの指定角度ごとに回転軸C1を中心としてシャーレを回転、停止させ、CCDカメラ7でその培地面全体の撮影を1ずつ行うコロニーの計数方法に設定されている。以下、6分割(所定数=6)を例にして説明する。
【0028】
透明回転板22上に載置されたシャーレに対し、CCDカメラ7による1番目のシャーレ撮像(Ji=J1)が実施され、そのシャーレ全体の撮像画像の画像データ14(図3参照)は信号ケーブル8cで送信されデータ処理装置9に入力される(S1)。詳細後述のデータ処理により当該指定角度のコロニー計数が行われる。シャーレは指定角度(60°)だけ回転後に停止され、当初から60°回転した2番目のシャーレ撮像(Ji=J2)が行われる。以下、順次シャーレの回転軸を中心とした指定角度の回転、そして指定角度の回転ごとに一旦停止され、当該指定角度ごとの撮像及びコロニー計数が継続される。
【0029】
データ処理装置9に取り込まれた撮像画像14の画像データから計数対象となる計数画像が生成される(S2)。撮像画像14の画像データ処理においては、図3に示したとおり、あらかじめ設定した条件に従ってシャーレ側壁2aの内側にコロニーKを計数する計数領域13が決定される(S3)。また、計測領域13をシャーレ2の反射光等によるデータの外乱が多い外周画像領域11とデータが安定している中心画像領域10に分割される(S4)。そして、それぞれの画像領域10,11に適合した画像データの前処理及び計数手段を採用して、コロニー数は個別に計数される(S5、S6)。
【0030】
例えば、シャーレ側壁2aに近接して反射光等によるデータの外乱が多い外周画像領域11の画像データに関しては、あらかじめ指定した一つのしきい値を使用してデータの2値化画像を作成することによりコロニー数は計数される。また、計数領域13の面積の主要部を占めてデータが安定している中心画像領域10では、対象物としてのコロニーKと背景の培地との違いが際立つように自動しきい値決定法の判別分析法により2値化を行う方法が用いられコロニーKは計数される。
【0031】
外周画像領域11のコロニー計数値と中心画像領域10のコロニー計数値はそれぞれの領域ごとで統合される(S7)。続いて、領域ごとに統合された計数値から当該指定角度における計測領域13全体のコロニー数が計数されて取得され(S8)、当該指定角度におけるコロニー数のデータとしてデータ処理装置9に記録される(S9)。
【0032】
なお、撮像画像14の画像データからのコロニー数を計数するに際し、上記の方法(背景技術に示した特許文献4(特開2006−345750号公報))をはじめとする公知の計数方法が適用される。
【0033】
そして、S9の個別角度のコロニー数記録により蓄積された各指定角度ごとのコロニー数データの数(累計)がJ0で設定した分割数に到達したか否か確認される(S10)。この実施形態によると、分割数(所定数)が6に達したか否か確認される。
【0034】
ここで、分割数(所定数)が6に達していなければ、シャーレはさらに60°回転され(S11)、計数対象のシャーレに対する第2度目の撮像が実施されて(Ji=J2)撮像画像14は取得され、フローチャートの撮像画像データ入力(S1)から各指定角度のコロニー数記録(S9)に至るコロニーKの計数に関するデータ処理が継続して実施される。
【0035】
以後、順次各指定角度ごとにコロニー数の計数は継続し、個々の指定角度のコロニー数記録により蓄積された各指定角度ごとのコロニー数データの数(累計数)が分割数(所定数)と同じ6、つまり第6番目(300°)に達したことを確認して、当該シャーレに対する撮像及びコロニー数の計数を終了する。
【0036】
そして、これまでデータ処理装置9に記録した0°,60°,120°,180°,240°,300°の各々の角度に対する6個のコロニー数が数値処理され、最終的に当該シャーレにおけるコロニー数が算定される(S12)。この実施形態においては、第1番目(0°)ないし第6番目(300°)の6個のコロニー計数値に基づいてそれらの平均値を算出することによって、シャーレのコロニー数は算定される。以後、コロニー計数の対象シャーレを別のシャーレに更新して、0°から始まる指定角度60°ごとのコロニー数計数及びデータ記録を実施しながら、順次、各シャーレに対するコロニー数の算定を実施する。なお、シャーレの撮像に当たり、第1番目を60°からはじめて第6番目を360°として終えてもよい。
【0037】
実施形態では、360°を6分割する角度としたが、特に6分割に制限されるものではなく、シャーレ撮像以降のコロニー計数工数と計数値の精度向上の価値を勘案して、シャーレの1回転を望ましい分割数(所定数)に分け、同分割数に基づく指定角度ずつシャーレを回転させてコロニー数を計数することができる。本件発明のコロニー数の計数方法によれば、コロニー数の計算値に端数が発生することもあるが、計数したコロニー数の利用目的に応じて、そのままデータを端数付で使用するか、四捨五入等の処理を行って整数として使用するかは自由に選択できる。
【0038】
この実施形態のコロニー数の計数方法にあっては、従来指摘されていたような、シャーレやコロニーに対し照明や各種カメラが特定の位置にある場合に取得されてしまう偏った画像データに基づいたコロニー計数値を採用する不具合が解消される。つまり、複数の撮像条件により平準化された安定したデータ算定が可能となる。とりわけ、各指定角度の回転ごとに一旦停止されることから、指定角度ごとの撮像画像が鮮明になり、その画像データ処理によるコロニー計数の精度は向上する。また、コロニー計数値の安定化と信頼性向上により、微生物等の試験条件とコロニー数の相関が明確となり、微生物に関する技術開発や不具合原因究明等の方向付けが明確となり、技術研究活動を加速させる効果がある。
【0039】
(第2の実施形態)
第2実施形態においては、第1実施形態で説明した1回転の分割数(所定数)から得られる指定角度において、その一の指定角度につき、CCDカメラ7により複数回撮像される。そして、当該一の指定角度における複数枚の培地面全体の画像データが取得される。取得された当該一の指定角度における複数枚の培地面全体の画像データそれぞれについて、図3に示し前記したコロニー計数方法によるデータ処理が適用され、一の指定角度におけるコロニー数が複数回計数される。続いて、各指定角度ごとにそれぞれ個別に計数されたコロニー数が数値処理されることによって、当該シャーレ内のコロニー数が算定される。ちなみに、第2実施形態に当たり、図4のフローチャート中、Jiのシャーレ撮像は、「複数回のシャーレ撮像」となる。
【0040】
例えば、分割数(所定数)を6とすると、対応する指定角度は60°となる。まず、第1番目(0°)に5回撮像される。次に指定角度60°回転した第2番目(60°)でも5回撮像され、続く第3番目(120°)でも5回撮像される。そして、最終第6番目(300°)でも5回撮像される。こうして取得された合計30の培地面全体の画像データそれぞれについてコロニー数が計数される。すると、当該シャーレにつき30個のコロニー計数値が生じる。そこで、数値処理をして30個のコロニー計数値から平均値が算出される。この平均値が当該計数対象シャーレのコロニー数の算定値となる。
【0041】
あるいは、個々の指定角度ごとで取得した5枚の培地面全体の画像データから得られる5個のコロニー計数値が平均され、いったん一の指定角度におけるコロニー数の算定値が求められる。全ての指定角度におけるコロニー数の算定値が求められ、これらの平均が算出されるようにすることもできる。
【0042】
また、各指定角度で計数した5個のコロニー数の平均値から例えば5%以上差異のある特異な数値データを除去して該当する指定角度のコロニー数の平均値とし、全体のコロニー数の平均値を算出して、計数対象シャーレのコロニー数として設定する等、使用目的に応じた各種のデータ処理を実施してコロニー数を算定することができる。加えて、数値データの取捨にあたり適宜の検定を行うことにより算出数値の信頼度を高めることもできる。また、一の指定角度での撮像枚数は、コロニーを計数する目的や条件に応じて適宜変更することができる。第2実施形態によると、各指定角度ごとに生ずる画像データの撮影条件等のばらつきを複数回の撮像により排除でき、シャーレ内のコロニー数をさらに安定して計数できる。
【0043】
(第3の実施形態)
第3実施形態は、第1実施形態のように指定角度回転させるごとのシャーレの一旦停止を行わず、シャーレを連続回転させながら順次、各指定角度の回転ごとにシャーレの撮像を実施して、取得された画像データのデータ処理からコロニー数が計数、記録される。そして、これらコロニー計数値に基づいて対象とするシャーレのコロニー数が算定される。コロニー計数方法やデータ処理、数値処理は第1実施形態に準ずる。このようにすると、シャーレの一旦停止がなくなるため、単位時間当たりのシャーレ計測数を増やすことができる。ただし、シャーレが回転状態での撮像となるため、コロニー計数方法の画像処理精度を勘案する必要もある。
【0044】
(第4の実施形態)
第4実施形態は計数対象となるシャーレを回転させるのではなく、撮像手段を回転させて撮像、計数する形態である。図5の構造断面図からも理解されるように、計数装置60は、シャーレ載置装置65、撮像手段(CCDカメラ7)、回転撮像部66、データ処理装置9を有して構成されている。
【0045】
シャーレ載置装置65では、架台17の上部に支え板5が配置され、同支え板5上には拡散板4が備えられる。架台17の内部には、下方から順に照明装置6、平行板18が備えられる。支え板5には脚部5hが設けられ、その上部に保持板5bが接続される。
【0046】
回転撮像部66は保持板5b上に設けられ、回転撮像部66には回転台16、回転板22r、及び駆動モーター19が備えられる。円盤状の回転板22rは回転台16の上にねじ等の図示省略の手段で固定され、さらに回転台16は支持ローラー23により保持板5b上で回転可能に支持される。回転台16には駆動ベルト21が張設され、保持板5b上の駆動モーター19に固定された駆動プーリー20の駆動が駆動ベルト21に伝達されて駆動される。円盤状の回転板22rの中心位置に撮像手段であるCCDカメラ7が組み込まれている。
【0047】
CCDカメラ7(撮像手段)は、計数対象となるシャーレ2(シャーレの培地面1f)の中心付近を回転軸C1とするときの回転軸C1の延長線方向に配置される。この実施形態において、撮像手段側の回転軸C2は回転板22rの中心位置に直交して設定され、シャーレの培地面の中心付近に設定される回転軸C1とほぼ一致する配置である。むろん、シャーレの回転軸C1とCCDカメラ側(その回転軸C2)との位置関係は、前述の第1実施形態と同様の理由により、シャーレ全体の撮像が可能な位置であれば良く、厳密な延長線上ではなく、多少の軸の位置ずれも許容される。また同様に、シャーレ(培地面)に設定される回転軸C1の位置も、必ずしも厳密ではなくシャーレの大きさ(直径)、図5の拡散板4にシャーレを載せるときの位置のずれ等により影響される。このため、シャーレの回転軸C1はシャーレ全体の撮像、シャーレの回転に支障を来さない範囲で概ねシャーレの中心に設定される。第4実施形態の撮像手段、データ処理装置9の詳細は第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。また、図1等と共通する箇所は同一符号として示す。
【0048】
第4実施形態として図5に開示する計数装置60を用いたコロニー数の計数方法であっても、図4のフローチャートに示す第1実施形態等とほぼ同様である。この場合、S11のシャーレ回転が「カメラ回転」と変更される。また、当該実施形態である計数装置60を用いたコロニー数の計数方法においても、既述の一の指定角度につき撮像手段による複数回撮像する第2実施形態、シャーレに代えて撮像手段を連続回転させながら撮像する第3実施形態、その他、数値の取捨、平均値の求め方等を組み合わせることは可能である。
【0049】
第4実施形態によると、シャーレ等の被撮像物品側は固定されて撮像手段側が回転できる。このため、大きさや重さ、壊れやすさ等から容易に回転できない被撮像物品の撮像、計測に都合よい。例えば、液体培地等で培養した場合にこの上から撮像する状況が想定される。なお、図示において、シャーレは蓋を外してひっくり返した状態で拡散板に載置されているが、シャーレは蓋をしたままで載置しても良く、いずれでも適宜である。
【0050】
上記の第1ないし第4の各実施形態では、シャーレの撮像位置を均等な角度に分割して撮像条件を均等化している。その結果として、シャーレ撮像位置は最初に撮像する位置により決定されるという偶然に頼っている。そこで、まずシャーレを回転させながら各指定角度におけるコロニー数を試験的に計数して、例えば、このうち多くのコロニー数を計数した角度の近傍の角度において、別途指定する数の撮像及びコロニー数計数を実施して、このコロニー数計数データをデータ処理して検査対象のシャーレのコロニー数として設定すれば、実態に近付いた多くのコロニー数を計数できる可能性がある。このように、コロニー数に関する計数データの使用目的に応じて、望ましい条件の複数の撮影画像を撮影及びコロニー数計数を行って、これら複数の計数値をデータ処理してコロニー数を計数することができる。
【0051】
なお、本件発明におけるコロニー数の計数手段として、図4の説明において、それぞれ検査領域を外周画像領域11、中心画像領域10に分割して、撮影画像のコロニー計数のデータ処理を行う実施例を説明したが、本件発明は前記撮影画像のコロニー計数のデータ処理に限定されることなく各種の撮影画像データ処理手段を利用してコロニーを計数することもできる。
【0052】
すなわち、計数対象とするシャーレあるいは撮像手段を回転させて、当該撮像手段で撮影した複数の撮影画像の画像データをデータ処理して安定したコロニー計数値を取得する点に本件発明の主眼がある。例示のコロニーの計数方法に留まらず本発明の主旨の範囲で各種のデータ処理手段や計数方法を採用することができる。
【0053】
また、本件発明はシャーレを利用した培地におけるコロニーKの計数方法を説明したが、シャーレに替えてプラスチックシートを利用した培地に生成させたコロニー等他の方式の培地にも適用することができる。
【実施例】
【0054】
発明者らはこれまでに詳述した実施形態のコロニー数の計数方法を用い、A,B,Cの3種類の菌種を培養したシャーレにおけるコロニー数の計測を試みた。菌種Aについては試料番号1,2,3,4のシャーレであり、菌種Bについては試料番号5,6,7,8のシャーレであり、菌種Cについては試料番号9,10,11,12のシャーレである。詳細な計測結果は表1である。
【0055】
表1の最上段に示される1分割、2分割、4分割、6分割、8分割、12分割、15分割は、シャーレを1回転(360°)させる際に撮像した分割数、つまり所定数を示す。1分割の場合、計測対象のシャーレをひとつの位置のみでシャーレを回転させずに撮像した。例えば6分割の場合、360°を分割数(所定数)である6で除した60°を指定角度とし、この60°の指定角度ずつシャーレを回転させて6回の異なる条件で同じシャーレを撮像してコロニー数を計数した。他の分割数も同様である。表中の分割数に付された括弧の度数は分割数に対応した指定角度である。
【0056】
なお、表1に示したコロニー数の計数方法では、個々の指定角度ずつの回転において一旦停止して4回の撮像を行い、その指定角度あたり4の培地面全体の画像データを取得した。得られた画像データより計測対象のシャーレ内のコロニー数を平均して計数した。ちなみに、分割数が6、指定角度が60°ならば、24の画像データの取得となる。各試料番号のシャーレについてそれぞれの分割数ごと計数の結果が表1中の個数である。試料番号のシャーレの下段に記載した%の数値は、「各コロニー計数個数」の「15等分したときのコロニー計数個数」に対する割合のパーセントによる表示である。
【0057】
例えば、試料番号1において、15分割として指定角度24°ずつシャーレを回転及び停止させてそれぞれの回転位置で4回ずつ撮像して計数したコロニー数の平均値は「177.2個」である。これに対して、シャーレを回転させない1分割のときのコロニー数は「179.5個」を示した。このため、その割合は「101.3%」となる。同様に、6分割のときのコロニー数は「176.3個」であるため、その割合は「99.5%」となる。そして、表1の下方3段は、各試料番号ごとの1分割ないし12分割のコロニー計数値における15分割のコロニー計数値に対する割合のパーセント表示の最大値、最小値、及びその標準偏差である。
【0058】
【表1】

【0059】
上記の結果より、シャーレを回転させない1分割のときに示すパーセント表示の値は、最大値「102.2%」、最小値「98.3%」と大きな振れ幅を示す。また、各分割数における試料番号1ないし12のパーセント表示の値から標準偏差を求めると、シャーレを回転させない1分割の場合が最大値を示す。
【0060】
コロニー数のパーセント表示による振れ幅及び標準偏差は、シャーレを回転させずに計数した場合のコロニー計数値がシャーレを回転させて数多くの条件で撮像してコロニー数を計数した計数値と比較してばらつきが大きいことを示す。このことはコロニー計数対象のシャーレを回転させないで撮像してコロニー計数を実施する従来のコロニー方法に対して、シャーレを回転させてコロニーを計数する本件発明のコロニーの計数方法が、より安定した計数データを提供できることを示している。
【0061】
また、分割数を変更したときのコロニー計数の計測精度を比較すると、4分割あるいは6分割で振れ幅、及び標準偏差が少なく略均等な値を示し、8分割以上では撮像や画像データ処理等の手間の増大に比して計数精度の向上が少ない。このため、計数対象の微生物や培養条件、及びコロニー計数データの利用目的によるものの、4分割または6分割程度がコロニー計数の効率として好適な分割数である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係るコロニー計数を実施する装置の構造断面図である。
【図2】図1の装置の上面図である。
【図3】シャーレ内の培地で生成されたコロニーを例示する撮像画像の模式図である。
【図4】本発明に係るコロニー計数の工程を示すフローチャートである。
【図5】他の実施形態に係るコロニー計数を実施する装置の構造断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 培地
2 シャーレ
2a シャーレ側壁
3 シャーレ開口部
4 拡散板
5 支え板
6 照明装置
7 CCDカメラ(撮像手段)
8c,8m 信号ケーブル
9 データ処理装置
10 中心画像領域
11 外周画像領域
12 画像モニター
13 計数領域
14 撮影画像
16 回転台
17 架台
18 平行板
19 駆動モーター
20 駆動プーリー
21 駆動ベルト
22 透明回転板
23 支持ローラー
50,60 計数装置
55 シャーレ回転載置装置
65 シャーレ載置装置
66 回転撮像部
C1 シャーレの回転軸
C2 撮像手段の回転軸
K コロニー
J0 角度分割数設定
Ji シャーレ撮像
S1 撮像画像データ入力
S2 計数画像生成
S3 計数領域自動抽出
S4 計数領域分割
S5 外周画像領域の計数
S6 中心画像領域の計数
S7 計数値の統合
S8 指定角度のコロニー計数
S9 指定角度のコロニー数記録
S10 分割数との比較
S11 シャーレ回転
S12 最終値算出

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャーレ内の培地で生成された微生物のコロニーを、前記シャーレの培地面の中心付近を回転軸とし該回転軸の延長線方向に配置した撮像手段により撮像してデータ処理することによりコロニー数を計数するに際して、
前記シャーレの1回転を所定数に分割して得た指定角度ずつ前記回転軸を中心にして前記シャーレを回転させると共に、前記指定角度ずつのシャーレの回転ごとに前記シャーレの培地面全体を撮像して前記指定角度における前記シャーレの培地面全体の画像データを取得し、
前記指定角度における前記シャーレの培地面全体の画像データをデータ処理して前記指定角度ごとのコロニー数を個別に計数し、
前記各指定角度ごとに個別に計数したコロニー数を数値処理して前記シャーレ内のコロニー数を算定する
ことを特徴とするコロニー数の計数方法。
【請求項2】
シャーレ内の培地で生成された微生物のコロニーを、前記シャーレの培地面の中心付近を回転軸とし該回転軸の延長線方向に配置した撮像手段により撮像してデータ処理することによりコロニー数を計数するに際して、
前記シャーレの1回転を所定数に分割して得た指定角度ずつ前記撮像手段を回転させると共に、前記指定角度ずつの前記撮像手段の回転ごとに前記シャーレの培地面全体を撮像して前記指定角度における前記シャーレの培地面全体の画像データを取得し、
前記指定角度における前記シャーレの培地面全体の画像データをデータ処理して前記指定角度ごとのコロニー数を個別に計数し、
前記各指定角度ごとに個別に計数したコロニー数を数値処理して前記シャーレ内のコロニー数を算定する
ことを特徴とするコロニー数の計数方法。
【請求項3】
前記各指定角度における前記シャーレの培地面全体の撮像に際して、
前記撮像手段は一の指定角度につき複数回ずつ撮像して前記一の指定角度における複数の画像データを取得し、
前記取得した画像データをそれぞれデータ処理して前記一の指定角度におけるコロニー数を複数回計数し、
前記各指定角度ごとにそれぞれ個別に計数されたコロニー数を数値処理して前記シャーレ内のコロニー数を算定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコロニー数の計数方法。
【請求項4】
前記シャーレを前記指定角度回転させるごとに一旦停止して前記撮像手段により前記シャーレの培地面全体を撮像する請求項1又は3に記載のコロニー数の計数方法。
【請求項5】
前記撮像手段を前記指定角度回転させるごとに一旦停止して前記撮像手段により前記シャーレの培地面全体を撮像する請求項2又は3に記載のコロニー数の計数方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−295424(P2008−295424A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−147919(P2007−147919)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(000128131)株式会社エヌテック (16)
【出願人】(000006884)株式会社ヤクルト本社 (132)
【出願人】(593205831)東邦商事株式会社 (14)
【Fターム(参考)】