説明

コンクリートの締固め度合い表示装置、及びコンクリートの締固め度合い表示方法

【課題】フレッシュコンクリートにおける締固めが十分な部分及び/又は締固めが不十分な部分を表示する。
【解決手段】バイブレータ4の位置をバイブレータ位置検知手段110,111にて検知し、該バイブレータ4の作動をバイブレータ作動手段(不図示)にて検知し、それらの検知結果に基づいて、バイブレータ4が作動された位置を判別する。そして、締固め範囲判別手段(不図示)にて“フレッシュコンクリートが締固められた範囲”を判別し、締固め度合い表示手段にて、フレッシュコンクリートにおける締固めが十分な部分及び/又は締固めが不十分な部分を表示する。この表示を見て、締固めが不十分な部分に対して締固め作業を追加することで、締固め不良箇所を無くすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートバイブレータ(以下、「バイブレータ」とする)を順次移動させながら複数の位置にて締固めを行うフレッシュコンクリートについて締固めが十分な部分及び/又は締固めが不十分な部分を表示する、コンクリートの締固め度合い表示装置及び締固め度合い表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリートを打設する際には、フレッシュコンクリート内部の空隙部や気泡を排除してコンクリートの強度や水密性や耐久性の向上を図り、型枠との間の空隙部や気泡を排除してコンクリート表面の平滑化を図り、さらには、鉄筋との間の空隙部や気泡を排除して該鉄筋とコンクリートとの付着力の向上を図ること等を目的としてコンクリートの締固めが行われており、その締固めのためにバイブレータが使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなバイブレータには、
・ 型枠全体を振動させるような大型のもの(例えば、型枠振動機やテーブル型振動機など)と、
・ 作業者が携行できるような小型のもの(例えば、外部振動型の表面仕上げ機や、内部振動型のバイブレータなど)と、
があるが、小型のバイブレータでは、締固めることができる範囲が比較的小さいため、広い面積に打設されたコンクリート(例えば、フーティングや底板や上床版など)の全体の締固めを行う場合には、該バイブレータを移動させながら順次締固めを行っていく必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−324328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、バイブレータによる振動を適切な箇所に与えなければ、締固め不良箇所が出来てしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上述の問題を解消することのできるコンクリートの締固め度合い表示装置及びコンクリートの締固め度合い表示方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、図1及び図2に例示するものであって、コンクリートバイブレータ(以下、「バイブレータ」とする)(4)を順次移動させながら複数の位置にて締固めを行うフレッシュコンクリート(2)について締固めが十分な部分及び/又は締固めが不十分な部分を表示する、コンクリートの締固め度合い表示装置(1)において、
前記フレッシュコンクリート(2)に対して移動される前記バイブレータ(4)の平面位置を検知するバイブレータ位置検知手段(11)と、
前記バイブレータ(4)の作動による前記フレッシュコンクリート(2)の締固めが行われたタイミングを検知するバイブレータ作動検知手段(12)と、
前記バイブレータ位置検知手段(11)及び前記バイブレータ作動検知手段(12)からのデータに基づいて前記フレッシュコンクリート(2)における前記バイブレータ(4)が作動された位置(図3の符号P1,…参照)を判別するバイブレータ作動位置判別手段(13)と、
該バイブレータ作動位置判別手段(13)からのデータに基づいて締固められたフレッシュコンクリート(2)の範囲を判別する締固め範囲判別手段(14)と、
該締固め範囲判別手段(14)からのデータに基づいて前記フレッシュコンクリート(2)における締固めが十分な部分及び/又は締固めが不十分な部分を表示する締固め度合い表示手段(15)と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記バイブレータ(4)が作動している時間を計測するバイブレータ計時手段(16)、
を備え、
前記締固め範囲判別手段(14)は、前記バイブレータ作動位置判別手段(13)及び前記バイブレータ計時手段(16)からのデータに基づいて締固められたフレッシュコンクリート(2)の範囲を判別することを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、前記バイブレータ(4)は、前記フレッシュコンクリート(2)に挿入して振動を与えるタイプであり、
前記バイブレータ位置検知手段(11)は、前記バイブレータ(4)の平面位置及び前記フレッシュコンクリート(2)への挿入深さの両方を検知する手段であり、
前記締固め範囲判別手段(14)は、前記バイブレータ(4)の平面位置及び前記フレッシュコンクリート(2)への挿入深さに基づいて締固められたフレッシュコンクリート(2)の範囲を三次元的に判別する手段であり、
前記締固め度合い表示手段(15)は、前記フレッシュコンクリート(2)における締固めが十分な部分及び/又は不十分な部分を三次元的に表示する手段であることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、バイブレータ(図2の符号4参照)を順次移動させながら複数の位置にて締固めを行うフレッシュコンクリート(2)について締固めが十分な部分及び/又は締固めが不十分な部分を表示する、コンクリートの締固め度合い表示方法において、
前記フレッシュコンクリート(2)に対して移動される前記バイブレータ(4)の平面位置を検知するバイブレータ位置検知工程と、
前記バイブレータ(4)の作動による前記フレッシュコンクリート(2)の締固めが行われたタイミングを検知するバイブレータ作動検知工程と、
前記バイブレータ位置検知工程及び前記バイブレータ作動検知工程にて得たデータに基づいて前記フレッシュコンクリート(2)における前記バイブレータ(4)が作動された位置(図3の符号P1,…参照)を判別するバイブレータ作動位置判別工程と、
該バイブレータ作動位置判別工程にて得たデータに基づいて締固められたフレッシュコンクリート(2)の範囲を判別する締固め範囲判別工程と、
該締固め範囲判別工程にて得たデータに基づいて前記フレッシュコンクリート(2)における締固めが十分な部分及び/又は締固めが不十分な部分を表示する締固め度合い表示工程と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の発明において、前記バイブレータ(4)が作動している時間を計測するバイブレータ計時工程、
を備え、
前記締固め範囲判別工程において、前記バイブレータ作動位置判別工程及び前記バイブレータ計時工程にて得たデータに基づいて締固められたフレッシュコンクリート(2)の範囲を判別することを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項4又は5に記載の発明において、前記バイブレータ(4)は、前記フレッシュコンクリート(2)に挿入して振動を与えるタイプであり、
前記バイブレータ位置検知工程は、前記バイブレータ(4)の平面位置及び前記フレッシュコンクリート(2)への挿入深さの両方を検知する工程であり、
前記締固め範囲判別工程は、前記バイブレータ(4)の平面位置及び前記フレッシュコンクリート(2)への挿入深さに基づいて締固められたフレッシュコンクリート(2)の範囲を三次元的に判別する工程であり、
前記締固め度合い表示工程は、前記フレッシュコンクリート(2)における締固めが十分な部分及び/又は不十分な部分を三次元的に表示する工程であることを特徴とする。
【0013】
なお、括弧内の番号などは、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【発明の効果】
【0014】
請求項1及び4に係る発明によれば、バイブレータによるフレッシュコンクリートの締固め度合いが表示されるので、締固めが不十分な部分に対して締固め作業を追加することで、締固め不良箇所を無くすことができる。
【0015】
請求項2及び5に係る発明によれば、前記バイブレータによって締固められるフレッシュコンクリートの範囲を、該バイブレータの作動時間を考慮して正確に求めることが出来、前記フレッシュコンクリートにおける締固めが十分な部分及び/又は不十分な部分をより正確に表示することができる。
【0016】
請求項3及び6に係る発明によれば、前記フレッシュコンクリートにおける締固めが十分な部分及び/又は不十分な部分を三次元的に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明に係るコンクリートの締固め度合い表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図2は、コンクリートの締固め作業の様子の一例を示す斜視図である。
【図3】図3は、フレッシュコンクリートの締固め度合いの表示の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1乃至図3に沿って、本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
本発明に係るコンクリートの締固め度合い表示装置は、コンクリートバイブレータ(以下、「バイブレータ」とする)4を作業者自身が或いは重機を使って順次移動させながら複数の位置にて締固めを行うフレッシュコンクリート2について、
・ 締固めが十分な部分
・ 締固めが不十分な部分
・ 締固めが十分な部分及び不十分な部分の両方
のいずれか(つまり、締固めが十分な部分及び/又は締固めが不十分な部分)を表示する装置である。図2は、バイブレータを使ったフレッシュコンクリートの締固め作業の様子の一例を示す斜視図であり、符号2は、打設されたフレッシュコンクリートを示し、符号4は、フレッシュコンクリート2を締固めるためのバイブレータを示し、符号5は、該バイブレータ4を持って締固め作業を行う作業者を示す。なお、前記フレッシュコンクリート2上には足場(不図示)が配置されており、前記作業者5は、該足場の上を随時移動しながらフレッシュコンクリート2にバイブレータ4による振動を与えて締固め作業を行うこととなる。
【0020】
なお、図2に示すバイブレータ4は棒状をしているが、棒状以外の形状であっても良い。つまり、本発明に用いるバイブレータは、フレッシュコンクリートに沿って順次移動させながら該フレッシュコンクリートの各所にて締固めを行うタイプのもの(いわゆる移動形のもの)であれば良く、具体的には、
・ 移動形の内部振動機(つまり、フレッシュコンクリートの各所に挿入して振動を与えるタイプのもの)や、
・ 移動形の外部振動機(つまり、フレッシュコンクリートの表面に沿って移動させながら該表面に振動を与えるタイプのもの)
を挙げることができる。
【0021】
本発明に係るコンクリートの締固め度合い表示装置は、図1に符号1で例示するものであって、
・ 前記フレッシュコンクリート2に対して移動される前記バイブレータ4の少なくとも平面位置を検知するバイブレータ位置検知手段11と、
・ 前記バイブレータ4の作動による前記フレッシュコンクリート2の締固めが行われたタイミングを検知するバイブレータ作動検知手段12と、
・ 前記バイブレータ位置検知手段11及び前記バイブレータ作動検知手段12からのデータに基づいて前記フレッシュコンクリート2における前記バイブレータ4が作動された位置(図3の符号P1,…参照)を判別するバイブレータ作動位置判別手段13と、
・ 該作動位置判別手段13からのデータに基づいて、締固められたフレッシュコンクリート2の範囲を判別する締固め範囲判別手段14と、
・ 該締固め範囲判別手段14からのデータに基づいて、前記フレッシュコンクリート2における締固めが十分な部分及び/又は締固めが不十分な部分(図3参照)を表示する締固め度合い表示手段15と、
を備えている。なお、各手段間におけるデータの通信は有線又は無線で行うと良い。
【0022】
ここで、上述のバイブレータ位置検知手段11は、バイブレータ4自体の位置を直接検知する手段に限定されるものではなく、該バイブレータ4を持っている作業者の位置を検知する手段(つまり、該作業者の位置からバイブレータ4の位置を推定するようにしたもの)や、バイブレータ4を保持するアーム(前記重機のアーム)の位置を検知する手段(つまり、該アームの位置からバイブレータ4の位置を推定するようにしたもの)を挙げることができる。また、このバイブレータ位置検知手段11としては、図2に示すように、
・ バイブレータ4等の被写体(つまり、バイブレータ4や、該バイブレータ4を保持する作業者5や、該バイブレータ4を把持するアーム)を複数の方向から撮影する複数台のカメラ(静止画像又は動画像を撮影するカメラ)110,…と、
・ 該複数台のカメラ110,…で撮影した画像をソフトウェア(例えば、INCOM社製の2次元・3次元運動解析ソフトウェア“DIPP−Motion XD”)で処理して前記バイブレータ4や前記作業者5や前記アームの位置を解析する位置解析部(例えば、パソコン)111と、
からなるものを挙げることができる。このような構成の場合、被写体(例えば、作業者がかぶるヘルメット)に反射板を取り付けておいて画像処理し易いようにしておくと良い。また、このバイブレータ位置検知手段11を、
・ バイブレータ等(つまり、バイブレータ4や、該バイブレータ4を保持する作業者5や、該バイブレータ4を把持するアーム)に取り付けたGPS受信部(不図示)と、
・ 該GPS受信部からの信号に基づいて前記バイブレータ4や前記作業者5や前記アームの位置を演算する位置演算部(不図示)と、
により構成しても良い。
【0023】
一方、フレッシュコンクリート2の締固めが行われるタイミング(つまり、前記バイブレータ4が作動されるタイミング)を前記バイブレータ作動検知手段12により検知する方法としては種々の方法が考えられるが、前記バイブレータ4によってコンクリート2の締固めを行う間は(該締固めを行う前に比べて)該バイブレータ4を流れる電流が増加するので、その電流増加分を検知することにより前記バイブレータ4の作動を検知するようにすると良い。
【0024】
また一方、前記バイブレータ作動位置判別手段13は前記バイブレータ4が作動された位置(平面位置)P1,…を(x1,y1)(x2,y2)(x3,y3)(x4,y4)(x5,y5)(x6,y6)(x7,y7)(x8,y8)…のような座標データとして出力するようにすると良い。
【0025】
ところで、バイブレータの1箇所への作動(加振)により締固めることのできる範囲(つまり、締固めることのできるフレッシュコンクリート2の二次元的範囲及び三次元的範囲)は、バイブレータ自体の能力やフレッシュコンクリートの流動性(スランプ)によって異なる。本発明に係るコンクリートの締固め度合い表示装置1においては、その範囲(つまり、バイブレータの作動により締固めることのできる範囲)を前記締固め範囲判別手段14に予め入力できるようになっており、前記作動位置判別手段13からのデータに基づいて締固められたフレッシュコンクリート2の範囲を判別できるようになっている。例えば、バイブレータ4で締固めを行うことのできる範囲(二次元的範囲)が半径rであって、前記作動位置判別手段13が(xi,yi)の平面位置で前記バイブレータ4が作動されたことを判別した場合、前記締固め範囲判別手段14は(x−xi)+(y−yi)=rの範囲を“締固められたフレッシュコンクリートの範囲”と判別する。
【0026】
一方、前記締固め度合い表示手段15としてはディスプレイ画面やプリンターを挙げることができる。この締固め度合い表示手段15による締固め度合いの表示は二次元的に行っても、或いは三次元的に行ってもどちらでも良い。
【0027】
本発明によれば、バイブレータ4によるフレッシュコンクリート2の締固め度合いが表示されるので、締固めが不十分な部分に対して締固め作業を追加することで、締固め不良箇所を無くすことができる。なお、該締固め度合い表示手段15を小型で携帯できるようにしておけば、該表示手段15を携帯している作業者はコンクリートの締固め度合いを作業中に即座に知ることができ、締固め作業を効率良くかつ不備なく完了させることができる。
【0028】
ところで、前記バイブレータ4が外部振動機ではなくて内部振動機(つまり、前記フレッシュコンクリート2に挿入して振動を与えるタイプ)である場合には、前記バイブレータ位置検知手段11を、前記バイブレータ4の平面位置及び前記フレッシュコンクリート2への挿入深さの両方を検知する手段とし、前記締固め範囲判別手段14を、前記バイブレータ4の平面位置及び前記フレッシュコンクリート2への挿入深さに基づいて締固められたフレッシュコンクリート2の範囲を三次元的に判別する手段とし、前記締固め度合い表示手段15を、前記フレッシュコンクリート2における締固めが十分な部分及び/又は不十分な部分を三次元的に表示する手段とすると良い。そのようにした場合には、前記フレッシュコンクリート2における締固めが十分な部分及び/又は不十分な部分を三次元的に知ることができる。
【0029】
また、前記バイブレータ4が作動している時間を計測するバイブレータ計時手段16を設けておいて、前記バイブレータ4が作動されたそれぞれの位置P1,…における該バイブレータ4の作動時間を計測できるようにし、前記締固め範囲判別手段14は、前記バイブレータ作動位置判別手段13及び前記バイブレータ計時手段16からのデータに基づいて、締固められたフレッシュコンクリート2の範囲を判別するようにすると良い。前記バイブレータ4によって締固められるフレッシュコンクリート2の範囲は、該バイブレータ4の作動時間と密接な関係があるので、上述のように構成することで、前記フレッシュコンクリート2における締固めが十分な部分及び/又は不十分な部分をより正確に表示することができる。なお、前記バイブレータ計時手段16によって前記バイブレータ4の作動時間を計測する方法としては種々の方法が考えられるが、前記バイブレータ4によってコンクリート2の締固めを行う間は該バイブレータ4を流れる電流が増加しているので、その電流増加分を検知することにより前記作動時間を計測するようにすると良い。
【0030】
一方、本発明に係るコンクリートの締固め度合い表示方法は、前記バイブレータ4を順次移動させながら複数の位置にて締固めを行うフレッシュコンクリート2について締固めが十分な部分及び/又は締固めが不十分な部分を表示する方法であって、
・ 前記フレッシュコンクリート2に対して移動される前記バイブレータ4の平面位置を検知するバイブレータ位置検知工程と、
・ 前記バイブレータ4の作動による前記フレッシュコンクリート2の締固めが行われたタイミングを検知するバイブレータ作動検知工程と、
・ 前記バイブレータ位置検知工程及び前記バイブレータ作動検知工程にて得たデータに基づいて、前記フレッシュコンクリート2における前記バイブレータ4が作動された位置(図3の符号P1,…参照)を判別するバイブレータ作動位置判別工程と、
・ 該バイブレータ作動位置判別工程にて得たデータに基づいて締固められたフレッシュコンクリート2の範囲を判別する締固め範囲判別工程と、
・ 該締固め範囲判別工程にて得たデータに基づいて、前記フレッシュコンクリート2における締固めが十分な部分及び/又は締固めが不十分な部分を表示する締固め度合い表示工程と、
を備えたことを特徴とする。該方法によれば、バイブレータ4によるフレッシュコンクリート2の締固め度合いが表示されるので、締固めが不十分な部分に対して締固め作業を追加することで、締固め不良箇所を無くすことができる。
【0031】
この場合、前記バイブレータ4が作動している時間を計測するバイブレータ計時工程を設けておいて、前記締固め範囲判別工程において、前記バイブレータ作動位置判別工程及び前記バイブレータ計時工程にて得たデータに基づいて、締固められたフレッシュコンクリート2の範囲を判別するようにすると良い。前記バイブレータ4によって締固められるフレッシュコンクリート2の範囲は、該バイブレータ4の作動時間と密接な関係があるので、上述のように構成することで、前記フレッシュコンクリート2における締固めが十分な部分及び/又は不十分な部分をより正確に表示することができる。
【0032】
また、前記バイブレータ4を、前記フレッシュコンクリート2に挿入して振動を与えるタイプとし、前記バイブレータ位置検知工程を、前記バイブレータ4の平面位置及び前記フレッシュコンクリート2への挿入深さの両方を検知する工程とし、前記締固め範囲判別工程を、前記バイブレータ4の平面位置及び前記フレッシュコンクリート2への挿入深さに基づいて締固められたフレッシュコンクリート2の範囲を三次元的に判別する工程とし、前記締固め度合い表示工程を、前記フレッシュコンクリート2における締固めが十分な部分及び/又は不十分な部分を三次元的に表示する工程にすると良い。そのようにした場合には、前記フレッシュコンクリート2における締固めが十分な部分及び/又は不十分な部分を三次元的に知ることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 コンクリートの締固め度合い表示装置
2 フレッシュコンクリート
4 コンクリートバイブレータ
11 バイブレータ位置検知手段
12 バイブレータ作動検知手段
13 バイブレータ作動位置判別手段
14 締固め範囲判別手段
15 締固め度合い表示手段
16 バイブレータ計時手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリートバイブレータ(以下、「バイブレータ」とする)を順次移動させながら複数の位置にて締固めを行うフレッシュコンクリートについて締固めが十分な部分及び/又は締固めが不十分な部分を表示する、コンクリートの締固め度合い表示装置において、
前記フレッシュコンクリートに対して移動される前記バイブレータの平面位置を検知するバイブレータ位置検知手段と、
前記バイブレータの作動による前記フレッシュコンクリートの締固めが行われたタイミングを検知するバイブレータ作動検知手段と、
前記バイブレータ位置検知手段及び前記バイブレータ作動検知手段からのデータに基づいて前記フレッシュコンクリートにおける前記バイブレータが作動された位置を判別するバイブレータ作動位置判別手段と、
該バイブレータ作動位置判別手段からのデータに基づいて締固められたフレッシュコンクリートの範囲を判別する締固め範囲判別手段と、
該締固め範囲判別手段からのデータに基づいて前記フレッシュコンクリートにおける締固めが十分な部分及び/又は締固めが不十分な部分を表示する締固め度合い表示手段と、
を備えたことを特徴とする、コンクリートの締固め度合い表示装置。
【請求項2】
前記バイブレータが作動している時間を計測するバイブレータ計時手段、
を備え、
前記締固め範囲判別手段は、前記バイブレータ作動位置判別手段及び前記バイブレータ計時手段からのデータに基づいて締固められたフレッシュコンクリートの範囲を判別する、
ことを特徴とする請求項1に記載の、コンクリートの締固め度合い表示装置。
【請求項3】
前記バイブレータは、前記フレッシュコンクリートに挿入して振動を与えるタイプであり、
前記バイブレータ位置検知手段は、前記バイブレータの平面位置及び前記フレッシュコンクリートへの挿入深さの両方を検知する手段であり、
前記締固め範囲判別手段は、前記バイブレータの平面位置及び前記フレッシュコンクリートへの挿入深さに基づいて締固められたフレッシュコンクリートの範囲を三次元的に判別する手段であり、
前記締固め度合い表示手段は、前記フレッシュコンクリートにおける締固めが十分な部分及び/又は不十分な部分を三次元的に表示する手段である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の、コンクリートの締固め度合い表示装置。
【請求項4】
バイブレータを順次移動させながら複数の位置にて締固めを行うフレッシュコンクリートについて締固めが十分な部分及び/又は締固めが不十分な部分を表示する、コンクリートの締固め度合い表示方法において、
前記フレッシュコンクリートに対して移動される前記バイブレータの平面位置を検知するバイブレータ位置検知工程と、
前記バイブレータの作動による前記フレッシュコンクリートの締固めが行われたタイミングを検知するバイブレータ作動検知工程と、
前記バイブレータ位置検知工程及び前記バイブレータ作動検知工程にて得たデータに基づいて前記フレッシュコンクリートにおける前記バイブレータが作動された位置を判別するバイブレータ作動位置判別工程と、
該バイブレータ作動位置判別工程にて得たデータに基づいて締固められたフレッシュコンクリートの範囲を判別する締固め範囲判別工程と、
該締固め範囲判別工程にて得たデータに基づいて前記フレッシュコンクリートにおける締固めが十分な部分及び/又は締固めが不十分な部分を表示する締固め度合い表示工程と、
を備えたことを特徴とする、コンクリートの締固め度合い表示方法。
【請求項5】
前記バイブレータが作動している時間を計測するバイブレータ計時工程、
を備え、
前記締固め範囲判別工程において、前記バイブレータ作動位置判別工程及び前記バイブレータ計時工程にて得たデータに基づいて締固められたフレッシュコンクリートの範囲を判別する、
ことを特徴とする請求項4に記載の、コンクリートの締固め度合い表示方法。
【請求項6】
前記バイブレータは、前記フレッシュコンクリートに挿入して振動を与えるタイプであり、
前記バイブレータ位置検知工程は、前記バイブレータの平面位置及び前記フレッシュコンクリートへの挿入深さの両方を検知する工程であり、
前記締固め範囲判別工程は、前記バイブレータの平面位置及び前記フレッシュコンクリートへの挿入深さに基づいて締固められたフレッシュコンクリートの範囲を三次元的に判別する工程であり、
前記締固め度合い表示工程は、前記フレッシュコンクリートにおける締固めが十分な部分及び/又は不十分な部分を三次元的に表示する工程である、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の、コンクリートの締固め度合い表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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