説明

コンクリートホッパ

【課題】生コンクリートのフロー値を算出して適合しているか否か、また、混合が均一でない製品を検出するコンクリートホッパを提供する。
【解決手段】
生コンクリートの材料をミキサで混練した生コンクリートをコンクリートホッパに一時貯留して排出するコンクリートホッパで、所定の配合比で混練する生コンクリートの目標フロー値を入力手段によって入力し、ホッパのゲート開口を所定の断面積と形状とに固定する所定開口制御手段を設け、生コンクリートの重量を検知する重量センサとを設け、所定開口時における生コンクリートの目標フロー値毎に重量センサの荷重の経時変化の標準テーブルを用意して、目標フロー値が与えられている生コンクリートをホッパから排出する際に重量センサの荷重の経時変化を検出して、荷重の経時変化の検出値と標準テーブルとを比較手段によって比較し、排出する生コンクリートのフロー値を算出するとともに混合品質を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生コンクリートプラントにおいて、コンクリート材料から生コンクリートを生コンクリートのミキサ車への積載するコンクリートホッパに関し、特に、自動的にフロー値を算出、及び混合品質を検出するコンクリートホッパに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建設工事等に使用される生コンクリートは、生コンクリート製造装置のミキサに、セメント、水、骨材(砂や砂利)、混和剤などのコンクリート構成材料を投入し、所定時間混練することにより製造されているが、所定量の生コンクリートを複数バッチに分けて製造する場合に、1バッチごとに予め設定された設計スランプフロー値を目標値として、予備製造試験を行ってセメント、水、骨材(砂や砂利)、混和剤の配合比を決定している。
しかし、上記のコンクリート構成材料を予め設計値どおりに計量し所定の配合で混練しても、材料中の骨材に付着している表面水量などに起因して、生コンクリートの品質に関係するスランプ値又はスランプフロー値を設計値どおりに得ることは一般に困難であるが、近時、高層建築において流動性のある生コンクリートの需要が高まり、このため生コンクリート毎のフロー値の確保が重要となっている。
このため製品毎の生コンクリートのフロー値の測定は、従来より、ミキサで混練した生コンクリートの製品の一部をミキサ或いはミキサ下流のコンクリートホッパ内から取り出し、スランプコーン(特許文献1:実公平6−8533号公報)によって生コンクリートの広がり範囲を測定し、この範囲をスランプフロー値として流動性の指標としていた。
【0003】
しかしながら、生コンクリートの製造工程でのミキサ或いはミキサ下流の生コンクリートホッパ内から生コンクリートの取出作業は、製造プラントを一時停止しなければならず、また、手作業でのスランプコーンでの測定も煩わしく、製造時間も長くなり作業効率も低下するものであった。
このため、ミキサから生コンクリートがコンクリートホッパに供給される際、或いは、コンクリートホッパから外部に排出される際の単位時間当たりの増減量を検出して生コンクリートの流動性を評価する流動性評価装置を設ける技術が提案されている(特許文献2:特開平9−61332号公報)。
また、生コンクリートには、ミキサの混練が完全ではなく、水・セメント・砂・砂利等の割合が不均一な場合もあり、これを排除しなくてはならないが、不良の生コンクリートを排除する有効な手だてが無かった。
【特許文献1】実公平6−8533号公報
【特許文献2】特開平9−61332号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献2(特開平9-61332号公報)の技術は、生コンクリートの製造工程において、生コンクリートの増減をレベル計、或いは、ロードセルを用いて検出しているが、レベル計を用いる方法は、コンクリートホッパが逆四角錐の形状であることから、ホッパの上部での数cmの誤差でも貯留量に換算すると、大きな誤差になり、特に、排出初期の貯留量変化では正確な数値が得られないという問題点があり、生コンクリートの液面が波立ったりするだけでレベルの検出が不正確になるので、生コンクリートの排出量を制御するコンクリートホッパのゲートに用いるのには不向きであるという問題点があった。また、特許文献2でのロードセルを用いる方法は、ミキサからコンクリートホッパへの移動は短時間に終了すること、また、ミキサから大量の生コンクリートがドット落下するので落下の衝撃が加わること等で、正確に荷重の経時的変化を検出することが出来ず、コンクリートホッパから外部に排出される場合はラバーシールのホッパゲートの形状が一定しないことから、同じ生コンクリートでもその都度の検出値が異なり正確な測定値が得られないといった問題点があり、実用化には至っていない。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、生コンクリートの製造工程、すなわち、生コンクリートを一時貯留するコンクリートホッパにおいて、生コンクリートのフロー値を自動的に算出するとともに、均一混合されていない不良製品を検出するコンクリートホッパを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、生コンクリートの材料をミキサで混練した生コンクリートを下流に配置されたコンクリートホッパに一時貯留して排出するコンクリートホッパにおいて、所定の配合比で混練する生コンクリートの目標フロー値を入力手段によって入力し、前記ホッパのゲート開口を所定の断面積と形状とに固定する所定開口制御手段を設けるとともに、生コンクリートの重量を検知する重量センサとを設け、該所定開口時における生コンクリートの目標フロー値毎に前記重量センサの荷重の経時変化の標準テーブルを用意して、前記目標フロー値が与えられている生コンクリートを前記ホッパから排出する際に重量センサの荷重の経時変化を検出して、該荷重の経時変化の検出値と前記標準テーブルとを比較手段によって比較し、排出する生コンクリートのフロー値を算出するとともに混合品質を検出することを特徴とするコンクリートホッパである。
【0006】
請求項2の発明は、前記比較手段が、目標フロー値が与えられている生コンクリートの荷重の経時変化と、目標フロー値に対応する標準テーブルでの荷重の経時変化とを比較し、生コンクリートの経時変化の値の一部又は全部が前記標準テーブルの経時変化の許容範囲外にある場合には警告手段により警告することを特徴とする請求項1に記載のコンクリートホッパである。
請求項3の発明は、前記ホッパゲートが一対の二段空気シリンダーによって移動する押圧ローラにより挟圧されるものであり、該二段空気シリンダーは前記所定開口制御手段によって一段目の空気シリンダに圧縮空気を供給して一段目のシリンダ駆動軸を末端まで後退させ、このことにより前記押圧ローラの位置を強固に固定してゲート開口を所定の断面積と形状とにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンクリートホッパである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、生コンクリートを一時貯留するコンクリートホッパにおける生コンクリート排出の速度を利用するので、生コンクリート製造工程に特別の工程を設けることなく、従来のようにクランプコーンを使用して計測しなくても、通常の工程の流れの中で、自動的に的確なフロー値や混合状態の品質管理をすることができ、管理作業の軽減、品質管理が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、生コンクリートを一時貯留するコンクリートホッパにおいて、生コンクリート排出をミキサ車に積載する際に、ホッパにロードセル等の重量センサを設けて、排出に伴う重量が減る速度を検出すれば、この排出速度と生コンクリートの流動性であるフロー値とが緊密な相関関係にあること、また、混練が完全ではなく均一に混合されていないコンクリートは、スムースに重量が減らず荷重−時間との曲線が通常の曲線に比較して乱れることを見いだしたことを基礎とするものであり、この知見に基づいて、コンクリートホッパのゲート開口の面積と形状を制御すれば、自動的に的確なフロー値や混合状態の品質状態を検出できることを特徴とするものである。
【0009】
[実施例]
ここで、本発明に好適なコンクリートホッパの実施例を、図面に沿って説明する。
図1は、実施例のコンクリートホッパを用いたバッチャープラント設備の全体を示したもので、コンクリートホッパ1は生コンクリートを一時貯留するもので、コンクリートミキサ7と分離してコンクリートホッパ単独構造とし重量センサー21を組み込み、その検出値によってホッパ1の下端部に設けたゲート2の開口度合いを制御し、ゲート2の直下に待機するミキサー車6の供給口に所定量の生コンクリートを供給する。
コンクリートホッパ1の上流にはコンクリートミキサ7が位置し、更に、その上流には計量ホッパ8、及び、セメント91、砂利92、砂93の各貯留ビン9が設けられ、ミキサー車6が積載する生コンクリートの量に対応して、所定量のコンクリート、砂利、砂を計量ホッパ8で計量し、計量された原料に水供給装置81から水82を供給してコンクリートミキサ7で所定量の生コンクリートを製造し、ミキサゲート71を開いて、コンクリートホッパ1に製造した生コンクリートを移送して一時貯留する。
ここで、重量センサー21(22)は、生コンクリートの有無を検出してシステム制御装置27に検出信号を送り、コンクリートミキサ7とホッパゲート2を制御するともに、経時的に重量変化を測定し、その検出信号を測定装置28に伝達し、測定装置での比較分析手段によって製品たる生コンクリートのフロー値や混合状態の品質状態を検出し、その結果が表示装置(手段)29によって出力される。
【0010】
[コンクリートホッパの荷重計量構造]
[ロードセルの実施例1]
図2及び図3に示すように、コンクリートミキサ7と分離してコンクリートホッパ1の単独構造としコンクリートホッパ1とコンクリートミキサ7の床面72の間に重量センサー21を組み込んだ構造にし、コンクリートホッパの形状は従来公知のものと同じ形状で生コンクリート3を貯留する逆四角錐の形状のコンクリートホッパ1で、重量センサー21として3個の圧縮型ロードセル21(21a,b,c)が組み込まれている。
この実施例の圧縮型ロードセル21の設置構造は、まず、コンクリートミキサ7の下端にミキサ床面72があり、ミキサ床面72のコンクリートホッパ1の設置部分には3個のロードセルベース73をなるべく正三角形の頂点に位置するように設置し、その上に3個の圧縮型ロードセル21を固定し、コンクリートホッパ1の最上部の外周11にロードセル受けである張り出したベース取付部12を設け、3個のロードセル21a,b,cの上面に載せる。
したがって、コンクリートホッパ1が三点でのロードセル21a,b,cで支持され、コンクリートホッパの重量がロードセル21a,b,cの数値となって検出される。実施例のロードセル21a,b,cの3点支持の実施例の場合は、コンクリートホッパ1の逆四角錐の上面が四方形であり、そのベース取付部12の一枠辺12aの中心に1個のロードセル21aを設置し、なるべく正三角形の頂点に位置するように、その対枠辺12cの両端に1個づつロードセル21b,cの計3個のロードセル21を設置したものである。
この圧縮型ロードセル21a,b,cの3点支持の設置構造では、3個のロードセル21a,b,cの重量の平均値を算出するので、より正確な値が検出でき、実際の実験でも計量誤差が10kg以下であり、充分許容範囲である。
【0011】
[別のロードセルの実施例2]
次に、コンクリートホッパの荷重計量構造の別の実施例を、図4、図5に示して説明する。
この実施例の場合は、圧縮型ロードセルを1固にして、経済性や保守性を高めた例であるが、前述の実施例と同様にコンクリートホッパ1の逆四角錐で上面が四方形であるが、そのベース取付部12の一枠辺12aの中心に圧縮型ロードセル22を1個設置し、その対枠辺12cの両端に自在ジョイント金具23を2個(23a,23b)を設置したものである。
この圧縮型ロードセル22の1点支持の設置構造では、計量誤差が20kg以下であり、例えば、生コンクリート4.5m3で重量約11tonなので誤差20kgで0.2%以下となるのでゲートの操作及び重量確認にはロードセル1点設置でも許容範囲である。
以上のように、実施例及び別の実施例での実験の結果、生コンクリートが液状であること、及びコンクリートホッパ形状が逆四角錐の形状である為に、均一にホッパ内に貯蔵されるので誤差が少ない。
【0012】
[重量変化測定装置の構成]
重量センサー21(22)は、生コンクリートの有無を検出してシステム制御装置27に検出信号を送り、コンクリートミキサ7とホッパゲート1を制御する。
また、経時的に重量変化を測定する測定装置28は、図6に示すように、重量センサー21(22)その検出信号を測定装置28に伝達するが、測定装置28には生コンクリート混合比入力手段282と標準テーブル選択手段283と比較手段281と判定手段284から構成されている。
ところで、生コンクリートを製造する際には、予め設定された設計スランプフロー値を目標値として、予め製造試験を行ってセメント、水、骨材(砂や砂利)、混和剤の配合比を決定するが、その目標フロー値の配合比に従ってセメント、水、骨材(砂や砂利)、混和剤などのコンクリート構成材料を投入するが、前記測定装置28の混合比入力手段282には、この予め設定された配合比に従って配合された生コンクリートの配合比のデータを入力する。
標準テーブル選択手段283には、フロー値毎の経時変化の標準データのテーブルが用意されており、この標準データは完全に混練した所定フロー値の生コンクリートを試験したデータから作成されている。
【0013】
したがって、目標フロー値が与えられている生コンクリートについて、荷重センサー21(22)からの経時変化のデータが伝達されると、対象の生コンクリートの配合比のデータを混合比入力手段282により入力され、これに対応するフロー値毎の経時変化の標準データのテーブルが標準テーブル選択手段283により選択され、この選択された標準テーブルのデータと前記対象の生コンクリートの経時変化のデータとを比較手段284によって、目標フロー値に対応する標準テーブルでの荷重の経時変化とを比較し、その結果を判別手段284によって判別し、生コンクリートの経時変化の値の一部又は全部が前記標準テーブルの経時変化の表示装置(手段)29に表示し、許容範囲外にある場合には警告装置291により警告する。この比較手段や判別手段の内容は後述する。
【0014】
[コンクリートホッパゲートの構成]
次に、コンクリートホッパのゲートの実施例と作動を説明するが、常に、より正確な生コンクリートのフロー値や、混合状態の品質を検出するためには、コンクリートホッパゲートの開口の面積と形状を一定に制御する必要がある。
このホッパゲート開口を、所定の面積と形状(菱形開口)に固定するための1実施例を図7から図12を用いて説明する。
図7は、セメント・砂利・砂・水等を混合した生コンクリートを貯蔵するコンクリートホッパ1のホッパ下部の排出口を近傍の断面図で、図8は図7の主要部の平面図、図9は図7の主要部の側面図で、ホッパ1の下部排出口13の外側には、筒状のラバーシール2が取付けバンド15等で固定されている。
このラバーシール2は、図10に示すように、適度の厚みを有しており、内周に耐磨耗ゴム24が設けられ、外周のゴム25にはナイロンハブ26が埋め込まれ、ラバーシール2の外側にローラ4からなる一対の押圧ローラ支持部材3がラバーシール2を挟んで相対向する位置に配設され、押圧ローラ支持部材3が圧縮空気供給のための電磁弁5A・5B(図12)により駆動される二段空気シリンダ5の伸長によって、ラバーシール2を互いに押圧して水分が下に漏れないように閉口状態Aに維持しており、図11bに示すように排出ゲートを初期開口状態B、図11cに示すように通常開口状態C、及び、図11dに示すように全開口状態Dとなる場合には操作部からの指令信号により、二段シリンダ5が縮む方向に作動する。
【0015】
図7に示されるように、この押圧ローラ支持部材3及びエアーで駆動する二段シリンダ5は、ホッパ1の下部排出口13近傍の固定フレーム14に設けられており、一対の押圧ローラ支持部材3の上端は、固定フレーム14の排出口13近傍の一対の回動軸31を中心に揺動し、一対の対向する押圧ローラ支持部材3の揺動角度が同じになるようにリンクアーム311が掛け渡され、押圧ローラ支持部材3の下端にはそれぞれ片側二本の押圧ローラ41a,41b(41c,41d)が設けられ、これら押圧ローラ41a,41bに伸縮方向にシリンダ5の駆動軸51が連なっており、固定フレーム14に設けられたそれぞれのシリンダ取付部材52を介してこれも揺動自在に取り付けられている。
また、装置両側面で対向する一対の押圧ローラ支持部材3には、挟圧部材59によって互いに挟圧する方向に常に付勢するようにし、ラバーシールを押圧してゲートを閉口状態とする際には前記シリンダ5によって二本のローラの配列を直線状として挟圧し、開口初期段階、及び、測定を実施する通常開口段階では二本のローラの連結部を屈曲させて約「く」の字状、若しくは、半楕円状に配列し、ゲートを全開状態とする最終段階では前記シリンダによってラバーシールの開口断面が円形に近い形状となるようにローラを外側に退避させている。
【0016】
前述した押圧ローラ支持部材3、ローラ4、二段シリンダ5の更に詳細な構成を、図7乃至図10に沿って説明する。
図8は、揺動する押圧ローラ支持部材3の下端部の主要部を上から見た平面図で、押圧ローラ支持部材3には一対の両端部フレーム32と連結フレーム33とからなるスラスト軸受36の支持枠が回動ピン38(図10(b)を参照)によって回動自在に連結されており、この一対の両端部フレーム32の間隔は、筒型のラバーシール2の挟圧した時の幅よりもやや広く、かつ、この両端部フレーム32の一端はオイレスベアリングであるスラスト軸受36が第1シリンダ駆動軸51aが直線になることを許容するように押圧ローラ支持部材3に回動ピン38によって回動自在に支持されている。また、押圧ローラ支持部材3の上端部は、図7に示したように、それぞれ回動軸31を中心に揺動自在に軸支されている。
押圧ローラ支持部材3の下端部の両端部フレーム32には、二本の押圧ローラ41a,41bが直線方向に連設され、図10(a)に示すように、端部フレーム32には軸受け(揺動可能)34aが設けられ、ローラ41aの両端部フレーム32のほぼ中央部の外側に屈曲する位置には、そのローラ軸42aの為の軸受け34aが、回転自在に且つ軸方向に移動自在に軸受け34aに軸支されている。このローラ軸42aは、後述するように、押圧ローラ41a,41bが引っ張られた時に、移動を許容するように所定の長さを有しており、末端部は脱落を防ぐために軸受け34aの内径よりも大きな径のストッパ43aが設けられている。一方、ローラ41aの内側に向かう側のローラ軸42aは、シリンダ5の本体部53の第1シリンダ駆動軸51aの先端押圧部54に揺動自在の軸受け35aに回転自在に軸支され、ローラ軸42aの末端の球面凸状45aのオイレスベアリング344設けられ脱落を防止している。
【0017】
ここで、軸受け34aについて、図10(a)を用いて詳細な構成を説明すると、押圧ローラ支持部材3の両端に固着具342(342a,342b)により軸受け枠体341が取り付けられ、軸受け枠体341には揺動自在に軸受け本体343が嵌合されており、他方、軸受け本体343に接するローラ軸42aの外周にはオイレスベアリング344が設けられスラスト方向に移動自在に構成されている。したがって、ローラ軸42aは回転自在で軸線方向に移動自在に軸受34aで支持されている。
また、第1シリンダ駆動軸51aの先端押圧部54は、二本のローラ41a,41bの連結部での軸受け部が設けられているが、後述するように、開口初期段階において連結部で二本のローラの軸方向を屈曲させて約「く」の字状に配列するものである。先端押圧部54と第1シリンダ駆動軸51aとは回動自在の連結部材55によって連結され、二本のローラ41a,41bのローラ軸42a,42bのための中央軸受35a、35bが、先端押圧部54の一対の軸受取付部541a,541bに固定され、二つの軸受取付部541a,541bはボルト等により中央軸受枠体542に取り付けられている。他の押圧ローラ41bも、先端押圧部54の中央に対して面対象であるだけで、同様の構成を有している。
この先端押圧部54は、中央軸受35a、35b等の軸受部材の全体を覆うようにカバー部材56が設けられ、このカバー部材56のラバーシール2に接触する先端押圧部分は、二本のローラのラバーシールに接触する接触面とほぼ連続する挟圧面を形成しており、押圧することができる強度の構成と素材からなっている。
【0018】
二段空気シリンダー5について説明すると、図7乃至図13に示したように、二段空気シリンダ5からの進退自在の第2シリンダ軸51bの他端は固定フレーム14に設けられたシリンダ取付部材52を介してこれも揺動自在に取り付けられ、シリンダの本体部53から進退する第1シリンダ駆動軸51aは一旦スラスト軸受36に支持される。このスラスト軸受36は押圧ローラ支持部材3の下端部の揺動自在に支持される連結フレーム33のほぼ中央に設けられ、連結フレーム33はの両端は端部フレーム32が設けられ、端部フレーム32の端部は押圧ローラ支持部材3に回動ピン38によって揺動自在に支持されている。更に、シリンダ軸51の先端の先端押圧部54には前述したように中央軸受35a,35bが設けられ、図10、図11aはゲートが閉口状態Aである場合で、押圧ローラ支持部材3が二段空気シリンダ5の第1シリンダ駆動軸51aが全て繰り出され、互いの伸長によってラバーシール2を互いに押圧している状態の図である。即ち、押圧ローラ支持部材3の二本のローラ41a,41bの配列を直線状として、この直線状の二本のローラ41a,41bがラバーシール2を狭圧してゲートを閉口状態とする図である。
【0019】
この先端押圧部54は、ラバーシール2にコンクリート等が排出される時は、ラバーシール2が膨らむようにする力に抗して開口形状を維持する機能が課せられているために、非常に大きな負荷が加わり、且つ、二本のローラ41a,41bの連結部での中央軸受35a,35bが屈曲可能な構成であるので、図12に示すように、上下方向の屈曲を防止するため吊り下げ式の揺動支持部材である先端支持部材58が設けられている。
この先端支持部材58の揺動中心軸581は押圧ローラ支持部材3の回動軸31と同軸で、揺動アーム582の他端は先端押圧部54の中央軸受枠体542の上端部57に固定されていて、いわば吊り下げ状態にして、シリンダ駆動部51が進退して二本のローラの連結部で、上下方向の移動を阻止し、軸方向を水平面で屈曲させて約「く」の字状に配列するものである。
この先端支持部材58の揺動アーム582の揺動角度や挙動は、押圧ローラ支持部材3と揺動中心軸31(581)と同軸であっても、押圧ローラ支持部材3とは異なるものであるので、揺動アーム58(582)は独立した専ら先端押圧部54を吊り下げ式に支持し上下方向の屈曲を防止する構成である。
【0020】
次に、挟圧部材59について説明するが、図7及び図12に示すように、対向して揺動する一対の押圧ローラ支持部材3の対向するばね係止部37に収縮付勢されたコイルばね59(591)をばね収縮力を調節しうる固定部材371で所望の強さで掛け渡し、互いに挟圧する方向に常に付勢するようにして、図11aに示すように、ラバーシール2を押圧してゲートを閉口状態Aとする際には前記シリンダによって二本のローラの配列を直線状として挟圧し、図11bに示すように、初期開口時では、先ず、第1シリンダ駆動軸51aが後退(矢印x)して先端押圧部54も後退するが、押圧ローラ支持部材3の両端部の連結フレーム33はコイルばね59(591)の挟圧力によって後退を阻止され(矢印y)、二本のローラの連結部を内在する先端押圧部54を、屈曲点としてほぼ「く」の字形状、あるいは台形形状の配列とし、閉口状態の開口線Zに対して、ローラ軸42a,42b(42c、42d)が平行でなく斜めとなり、全体では断面楕円開口B(断面菱形開口)となり、更に、初期段階から通常段階へは徐々にほぼ「く」の字形状、あるいは台形形状の高さを大きくして、徐々に開口面積を大きくしていくが、通常段階Cでは図11c・図12に示すように、二段空気シリンダー5の一段目のシリンダ53aのシリンダー駆動軸51aの全てを末端まで退出させ(圧縮空気配管5Aa'に圧縮空気を供給してピストンPを末端まで後退させ)、二段目のシリンダ53bは圧縮空気配管5Ba'から圧縮空気を供給したまま、断面積が大きな菱形開口或いは楕円開口とし、こうして、その形状はラバーシール2の外周に位置する4個のローラ41a,41b,41c,41dと2個の先端押圧部54によって固定され、常に、強固に固定された一定の開口断面積および形状とする。
なお、二本のローラ41a,41bの連結部分である前記先端押圧部54にはカバー部材56が設けられ、このカバー部材56のラバーシール2に接触する部分は二本のローラのラバーシールに接触する接触面とほぼ連続する挟圧面を形成し、菱形あるいは台形をより楕円形開口に近づけて砂利等の通過をよりスムースにしている。
そして、生コンクリートのフロー値の測定と混合品質を検出するために、ラバーシール2の開口を所定の形状にし、測定が終了すれば、図11dに示すように、第2シリンダー駆動軸51bが更に退出し、中央軸受枠体542がストッパ機能を有し第1シリンダーと枠体3とが一体となって後退してゲートの全開状態Dを形成する。このストッパ機能を有する中央軸受枠体542の位置(或いは、巾)を変えれば、先端押圧部54の位置を前後に変えることができ、結果として、開口状態Cの形状を微妙に変えることができる微調整部材の機能も有する。
なお、この時のコイルばね591は伸びた状態のままであり互いに挟圧する方向に常に付勢している。
【0021】
この図11aと図11cでの状態の更に具体的構成を示したのが、図12及び図13であり、図12において、その右半分は図11(a)の閉口状態Aのとき、開口中心線である二点鎖線Zの左半分は図11cの通常状態の規制された開口状態Cのときのそれぞれ中央部の断面図であり、同様に、図13において、その右半分は図11aの閉口状態Aのとき、左半分は図11cの測定時である通常開口状態Cのときのそれぞれ主要部の平面図である。
なお、押圧ローラ支持部材3を挟圧するためにエアーで駆動する二段空気シリンダ5を用いたが、空気(エヤー)駆動の二段空気シリンダ5は応答が速くラバーシール2のゲートの開口制御に向いているが、空気駆動が油圧駆動とは異なり空気が圧縮性であるので、段階的進退位置を正確に維持するのは困難であるため、これを補うなめに二段空気シリンダー5を用いたものである。
具体的に、二段空気シリンダ5の作動を図12を用いて説明すると、第1シンリンダ軸51aの駆動は電磁弁5Aからの圧縮空気配管5Aa,5Aa',5Ab,5Ab'の圧縮空気の供給・排出によってピストンPの移動が制御され、第2シンリンダ軸51bの駆動も電磁弁5Bからの圧縮空気配管5Ba,5Ba',5Bb,5Bb'の圧縮空気の供給・排出によってピストンPの移動が制御されるので、迅速に且つ正確な位置に押圧ローラ支持部材3を制御することができる。
すなわち、図12の左半分において、測定時の通常状態では、電磁弁5Aによっての二段空気シリンダー5の一段目シリンダ53aの圧縮空気配管5Aa'には圧縮空気が供給され、ピストンPは末端まで後退(左側)し、駆動シリンダー軸51bは完全に末端まで後退し、一方、電磁弁5Bの二段シリンダー5の二段目シリンダ53bの圧縮空気配管5Ba'には圧縮空気が供給されたままであるので、ピストンPも末端まで後退(左側)し、駆動シリンダー軸51bは完全に露出した状態であるので、一段目シリンダ53aと二段目シリンダ53bとが協動して強固に位置固定をするので、結果として、押圧ローラ4,41a,41b,41c,41dを確実で正確な位置に強固に固定してゲート開口を所定の断面積と形状にして、計測中は維持することができ、且つ変動することもない。
逆に、ゲート閉口工程は、正確な位置を維持する必要もないので、二段空気シリンダー5の一段目シリンダ53aと二段目シリンダ53bとが同時に作動して、素早く閉口状態となる。
【0022】
この測定時である通常開口状態C「く」の字状の傾斜角度は、具体的には各ローラ41a,41bの長さ約40cm(一対のローラでは約80cm)に対して片側5〜8cmの幅が適当であり、4個のローラ41a,41b,41c,41dと2個の先端押圧部54によって固定され、常に、所定の開口断面積および形状に固定され、生コンクリートが完全に混練されていればスムースに排出される。
更に、計測が終了して、ゲートの全開状態では二本のローラ41a,41bをラバーシール2の開口断面が円形開口D(内壁直径約50cm)となるように、第2シリンダ駆動軸51bの後退に伴って押圧ローラ支持部材3を外側に退避させるためのものである。
【0023】
以上のように、本発明の上記実施例のコンクリート用ホッパ排出ゲートでは、ゲートを半開状態とする初期段階では二本のローラの配列を約「く」の字状として後退しラバーシールの開口断面を横に対して縦の比率が大きい楕円(菱形)開口Bとしたので、ゲートの排出断面積は同じでも、従来のゲート断面が横に対して縦の比率が小さい細長い開口とは異なり、コンクリート中に混在する径の大きな砂利(直径5cm以下)等が通過し、楕円(菱形)開口Bに引っ掛かることもなく、結果として砂利が詰まることが無くなる。
そして、初期開口Bに続く生コンクリートのフロー値の測定や混合状態の検出が、正確に行われるように、通常開口時Cにおいても、ラバーシール2の開口の断面積と形状を常に一定にすることができる。また、ローラを二分割しただけの比較的簡単な構成であるので、堅牢な構造にすることができ、コンクリート製品のように重量があり、ラフな使用にも耐える構造にすることも可能である。
なお、通常開口時においても、ラバーシール2の開口の断面積と形状を常に一定にすることができれば、上記実施例に限られるものではなく、本出願人が特願2005-232672号として提案したように、コンクリート用ホッパ排出ゲートの筒状のラバーシールにおいて、排出ゲートを形成する締付部、及び、開口末端近傍はラバーシールに一対の断面半円状の金属の弾性部材を設け、通常開口でも常にラバーシールを強制的に円筒形状を維持するように付勢するコンクリート用ホッパの排出ゲートを用いてもよい。
【0024】
[フロー値の測定、および、混合状態の検出]
以上のようなホッパ1のゲート2構造を用いて、図1に示すように、ミキサー車6へ生コンクリートを供給するが、これらの生コンクリートは、それぞれのスランプ値やフロー値によってミキサー車の生コンクリート積み込み速度が異なり、低スランプでは速度が落ち、高スランプや高流動では生コンクリートの飛び散りが多くなる。
本発明の実施例では、それぞれ生コンクリートのスランプ値やフロー値が異なっても、それぞれに適した排出速度、すなわち、コンクリートホッパ1の減量速度があり、ゲート(ラバーシール)2に砂利が詰まることが無くなることから、ゲート2が予め決められた所定の開口形状までゲートを徐々に開くことを特徴としたものである。
ここで、生コンクリートでいうスランプ値及びフロー値について説明すると、[JISR5201」で規定される生コンクリートの値で、スランプ値とは、上の内径が10cm、下の内径が20cm、高さが30cmの鋼製中空のコーンに詰めた生コンクリートが、コーンを引き抜いた後に最初の高さからどのくらい下がる(スランプする)かを示すものであり、スランプ値が大きいとコンクリートは柔らかいコンクリートということになる。最近では、高流動性コンクリートの要請が高まりつつあるが、同様にフロー値とは、スランプ試験の所定時間後のコンクリートの広がり具合の値で、これらを併用してコンクリートの柔らかさと流動性を判定している。
【0025】
ここで、実際のフロー値の算出と混合状態の検出について、図14のグラフを参照して説明する。
先ず、本実施例のコンクリートホッパ1は測定をおこなう通常開口のゲート2の開口は600cm2として、1バッチの容量を最大の2.5m3(生コンクリートの総重量=6000kg)であるが、目標フロー値[80×80(cm)]で重量が6000Kgの生コンクリートを製造する場合の測定について説明する。
まず、生コンクリートのコンクリートホッパ1のゲート2での排出速度からフロー値を算出するが、このフロー値を算出するため、目標とするフロー値毎の経時変化の標準データのテーブルを用意して、対象のコンクリートの実際のデータと比較するが、まず、このフロー値の標準データは、管理装置のパソコンに、各フロー値を有する生コンクリート毎に対応すべく用意する。
この標準テーブルには、フロー値が40×40(cm)から10(cm)毎に、50×50、60×60、・・・・190×190、200×200の17種類の標準生コンクリートを制作して、これを該当コンクリートホッパに投入してロードセル(21,21a,21b,21c,22)からの荷重の経時変化のデータを複数(3回から5回)採取し、その平均を標準テーブルとして管理装置のパソコンのデータベースに格納しておく。
なお、本実施例のホッパおよび2.5m3の生コンクリートのフロー値が40×40(cm)と200×200(cm)とでは、排出時間に10秒程度の差があり、十分にフロー値の測定が可能である。
本実施例でも、勿論、実際の対象コンクリートの目標フロー値である図14で使用する80×80(cm)のフロー値での標準データも格納しており、これが図14の標準テーブルの曲線Aとなり、排出の初期状態と完了状態は排出状態が安定しておらず誤差が多いので、比較するデータは5000kgから500kgの範囲を採用する。
【0026】
この図14のグラフの曲線Aを、図11a〜図11dと合わせて説明する。
図11aにおいて、ゲートが閉口しているコンクリートホッパ1には、6000kgが貯留されているT0の状態で、荷重センサ21(22)からの信号は6000kgを検知し、次いで、ゲートを徐々に開口するが、図11bの初期開口の時間T1からT2では、生コンクリートは徐々に排出され、図14のグラフに示されるように、荷重センサは緩やかに荷重が減じる。この初期開口は、各フロー値での生コンクリートが詰まることも溢れることもないスムーズな供給である最適な開口面積、形状、時間で制御すればよい。
次に、初期開口から通常開口の図11cに示す状態に移行するが、この時の荷重変化は時間T3からT7の曲線Aとなり、後述するように、対象生コンクリートのフロー値等を計測する範囲は、この荷重が5000kgから500kgの範囲のT4からT7の曲線Aが標準荷重−経時変化曲線Aとなる。そして、荷重が500kgになり通常開口での計測が終了すると、全ての生コンクリートをホッパ1から排出するために、T7時間以降は図11dのラバーシール2に何の規制もない全開口状態に移行したものである。
ところで、通常、生コンクリートミキサの1バッチ容量は0.5m3〜6m3まであるが、データを正確に採取するためには、製造する容量で異なってくるので、容量0.25m3毎に荷重の経時変化曲線を用意しておくことが望ましく、本実施例では1バッチの容量が最大の2.5m3としたが、それ以下の製造もありうるので、容量変更によるデータの種類は、2.25m3、2.0m3、1.75m3、1.5m3、1.25m3、1.0m3のデータを用意することが望ましい。
【0027】
上述したように、標準テーブルには図14グラフの曲線Aは、生コンクリートのフロー値や混合品質を判定するために判定手段284により選択されて準備されるが、曲線Aの中心に上下に許容範囲が予め定められており、下限値が曲線X1であり、上限値が曲線X2であり、図14での点模様の範囲が許容範囲として設定されている。
ここで、実際に、目標フロー値[80×80(cm)]の生コンクリートの6000kg(2.5m3)の計測手順を説明すると、先ず、図6での生コンクリートの混合比入力手段282には混合比あるいは目標フロー値、この場合には目標フロー値[80×80(cm)]を測定装置28の混合比入力手段282に入力する。ここで、標準テーブル選択手段283では、上述した測定装置28のデータベースに格納されている標準フロー値[80×80(cm)]のデータを標準テーブルから選択して測定に備える。
【0028】
[荷重−経過時間曲線が許容範囲内である場合]
今、生コンクリートをホッパ1から排出し始め、荷重センサーが5000kgになったことを検出すると計測が開始される。この時をスタートとして、測定装置28のパソコンの比較手段281では、実際の目標フロー値[80×80(cm)]の測定対象の生コンクリートの荷重(5000kg)−経過時間T4と、標準テーブルの荷重(5000kg)−経過時間曲線の経過時間T4とを一致させる(図14の「スタート」)。
時間T4に一致させた計測対象の生コンクリートの荷重−経過時間曲線が、荷重5000kgから500kgの範囲において、曲線X1とX2の許容範囲内で推移すれば、所定の目標フロー値の許容範囲内であることを表示装置(手段)29に表示し、必要に応じてプリントアウトする。
【0029】
[荷重−経過時間曲線Bの場合]
次に、図14のグラフにおいて、測定対象の生コンクリートの荷重−経過時間曲線Bが、曲線X1よりも下側にずれ、500kgになった時間が曲線X1のT6よりも短時間T5で終わった場合は、所定の目標フロー値より流動性のある生コンクリートであるから、このことを表示装置(手段)29に表示するとともに、警告手段291で警告する。
【0030】
[荷重−経過時間曲線Cの場合]
次に、図14のグラフにおいて、測定対象の生コンクリートの荷重−経過時間曲線Cが、曲線X2よりも上側にずれ、500kgになった時間が曲線X1のT8よりも長時間T9で終わった場合は、所定の目標フロー値より流動性のない固目の生コンクリートであるから、このことを表示装置(手段)29に表示するとともに、警告手段291で警告する。
【0031】
[荷重−経過時間曲線Dの場合]
次に、図14のグラフにおいて、測定対象の生コンクリートの荷重−経過時間曲線Dがスムースではなく、500kgに達する前に一部が許容曲線X2よりも上側(D点)にはみ出た場合は、十分に混練されてなく生コンクリートが部分的に流動性のムラがあることが予想されるので、たとえ、500kgになった時間が曲線X2のT8よりも短時間T5で許容範囲に入っていても、このことを表示装置(手段)29に表示するとともに、警告手段291で警告する。
なお、500kgに達する前に一部が許容曲線X1よりも下側にはみ出た場合も同様に作動する。
【0032】
このように、本発明の実施例では、ホッパのゲート開口を所定の断面積と形状とに固定する所定開口制御手段を設けて、実際の製造する目標フロー値が与えられている生コンクリートを、ホッパから排出する際に重量センサの荷重の経時変化を検出して、該荷重の経時変化の検出値と前記標準テーブルとを比較手段によって比較し、排出する生コンクリートのフロー値を算出するとともに混合品質を検出するので、通常の生コンクリートを一時貯留するコンクリートホッパにおける生コンクリート排出の速度を利用するだけで、生コンクリート製造工程に特別の工程を設けることなく、従来のようにスランプコーンを使用して計測しなくても、通常の工程の流れの中で、自動的に的確なフロー値や混合状態の品質管理をすることができ、管理作業の軽減、品質管理が容易になる。
【0033】
[コンクリートホッパからミキサー車への積載]
このように、コンクリートホッパ1から生コンクリートをシステム制御装置24で排出制御させつつ、所定のミキサー車6の生コンクリート供給口61から供給して積載する。
バッチャープラントのミキサー車ブース62に所定のミキサー車6が入車すると、在車センサー63のセンサー発光部631からの光が遮られセンサー受光部632から所定位置にミキサー車6が在車したことを確認信号として管理センターに送信する。
この管理センターのシステムプログラムは、在車確認信号を受信して、コンクリートホッパ1の開口動作を開始する信号を発信し、コンクリートホッパ1のゲート2から生コンクリート供給口61に供給を開始し、重量センサー21からの信号がホッパ1内が空であることを確認する。
そして、継続して、次のバッチの生コンクリートを積載する場合にはそのまま在車し、所定バッチを終了した場合にはシステムプログラムから積載完了の通報(指令信号)を送信するとともに、積載した生コンクリートのフロー値や混合品質程度が測定装置28によって記録されるので、許容範囲のものであれば、このデータをミキサー車6に渡し、ミキサー車ブース62内の出車合図(ベル、ランプ等)によりミキサー車6の運転手に退車を促す。
ミキサー車6が退車すると、在車センサー63がミキサー車が居ないことを確認して管理センターに送信し、場合よっては、次に予定されているミキサー車の入車を促して、所定のミキサー車6への積載作業を完了する。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、上記の実施例に限定されるものでないことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明のコンクリートホッパを用いたバッチャープラント設備の全体を示した概略図、
【図2】本発明の実施例のコンクリートホッパを用いたロードセルの平面図、
【図3】図2の側断面図、
【図4】本発明の別の実施例のコンクリートホッパを用いたロードセルの平面図、
【図5】図4の側断面図、
【図6】本発明図の測定装置のブロック図、
【図7】本発明の実施例のコンクリート用ホッパ排出ゲートの閉口状態を示す断面図である。
【図8】図7の主要部の平面図、
【図9】図7のコンクリート用ホッパ排出ゲートの全体の側面図である。
【図10】図10(a)は、押圧ローラと押圧ローラ支持部材を上方から拡大した部分平面図であり、図10(b)はその部分側面図、
【図11a】実施例のコンクリート用ホッパ排出ゲートの作動状態を説明するゲート主要部のホッパゲートが閉口状態Aの説明平面図で、
【図11b】同、ホッパゲートの初期開口状態Bの説明平面図、
【図11c】同、ホッパゲートの計測時である通常開口状態Cの説明平面図、
【図11d】同、ホッパゲートの全開口状態Dの説明平面図である。
【図12】右半分は図11aの閉口状態Aのとき、左半分は図11cの計測の通常状態Cのときのそれぞれ中央部の断面図である。
【図13】右半分は図11aの閉口状態Aのとき、左半分は図11cの全開開口状態Cのときのそれぞれ主要部の平面図である。
【図14】本発明の実施例のコンクリートホッパでの生コンクリートの排出における荷重の経時変化を表すグラフの図である。
【符号の説明】
【0035】
A…閉口状態、B…初期開口状態、C…測定時の通常開口状態、
D…全開口状態、Z…閉状態の開口線、P…ピストン、
1…ホッパ、11…ホッパ外周、12…ベース取付部、12a,12b,12c,12d…枠辺、
13…下部排出口、14…固定フレーム、15…取付けバンド、
2…ゲート(ラバーシール)、
21,21a,21b,21c,22…重量センサー(圧縮型ロードセル)、
23,23a,23b…自在ジョイント金具、24…耐磨耗ゴム、25…外周ゴム、
26…ナイロンハブ、27…システム制御装置、28…測定装置、281…比較手段、 282…生コンクリート混合比入力手段、283…標準テーブル選択手段、
284…判定手段、29…表示装置(手段)、291…警告手段、
3…押圧ローラ支持部材、31…回動軸、311…リンクアーム、
32…端部フレーム、33…連結フレーム、34a,34b…軸受、341…軸受枠体、
342a,342b…固着具、343…軸受け本体、344…オイレスベアリング、
35a,35b…中央軸受、36…スラスト軸受、37…ばね係止部、
371…ばね収縮力調節固定部材、38…回動ピン、
4,41a,41b,41c,41d…押圧ローラ、42a,42b…ローラ軸、
45a,45b…球面凸部、
5…二段空気シリンダ、5A,5B…電磁弁、
5Aa,5Aa',5Ab,5Ab',5Ba,5Ba',5Bb,5Bb'…圧縮空気配管、P…シリンダ部材、
51a…第1シリンダ駆動軸、51b…第2シリンダ駆動軸、
52…シリンダ取付部材、53…シリンダ本体部、53a…一段目シリンダ、
53b…二段目シリンダ、54…先端押圧部、541a,541b…軸受取付部、
542…中央軸受枠体、55…連結部材、56…カバー部材、57…上端部、
58…先端支持部材、581…揺動中心軸、582…揺動アーム、
59…挟圧部材、591…コイルばね、
6…ミキサー車、61…生コンクリート供給口、62…ミキサー車ブース、
63…在車センサー、631…センサー発光部、632…センサー受光部、
7…コンクリートミキサ、71…ミキサゲート、72…ミキサ床面、
73…ロードセルベース、
8…計量ホッパ、81…水供給装置、82…水、
9…貯蔵ビン、91…セメント貯蔵ビン、92…砂利貯蔵ビン、93…砂貯蔵ビン、
x1…下限許容範囲曲線、x2…上限許容範囲曲線、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生コンクリートの材料をミキサで混練した生コンクリートを下流に配置されたコンクリートホッパに一時貯留して排出するコンクリートホッパにおいて、
所定の配合比で混練する生コンクリートの目標フロー値を入力手段によって入力し、前記ホッパのゲート開口を所定の断面積と形状とに固定する所定開口制御手段を設けるとともに、生コンクリートの重量を検知する重量センサとを設け、該所定開口時における生コンクリートの目標フロー値毎に前記重量センサの荷重の経時変化の標準テーブルを用意して、前記目標フロー値が与えられている生コンクリートを前記ホッパから排出する際に重量センサの荷重の経時変化を検出して、該荷重の経時変化の検出値と前記標準テーブルとを比較手段によって比較し、排出する生コンクリートのフロー値を算出するとともに混合品質を検出することを特徴とするコンクリートホッパ。
【請求項2】
前記比較手段は、目標フロー値が与えられている生コンクリートの荷重の経時変化と、目標フロー値に対応する標準テーブルでの荷重の経時変化とを比較し、生コンクリートの経時変化の値の一部又は全部が前記標準テーブルの経時変化の許容範囲外にある場合には警告手段により警告することを特徴とする請求項1に記載のコンクリートホッパ。
【請求項3】
前記ホッパゲートは一対の二段空気シリンダーによって移動する押圧ローラにより挟圧されるものであり、該二段空気シリンダーは前記所定開口制御手段によって一段目の空気シリンダに圧縮空気を供給して一段目のシリンダ駆動軸を末端まで後退させ、このことにより前記押圧ローラの位置を強固に固定してゲート開口を所定の断面積と形状とにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンクリートホッパ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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