説明

コンテンツの同期/追跡のための方法及び装置

【課題】複数の機器に亘って存在するコンテンツを効率的に管理する。
【解決手段】一実施の形態においては、コンテンツを同期及び追跡する方法及び装置は、特定のコンテンツに対応する要求を受信し、要求に応じて特定のコンテンツに関連する記録をレビューし、レビューに基づいて、要求に対する確認を選択的に送信し、確認の受信に基づいて、要求された処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツの同期及び追跡に関し、特に、保存されているコンテンツの感知に基づくコンテンツの同期及び追跡に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが利用するコンテンツの量が急増している。これらのコンテンツには、通常、ドキュメント、オーディオトラック、ビデオトラック、グラフィック画像、写真等が含まれる。ユーザによって利用されるコンテンツは、多くの場合、例えば、コンピュータ、携帯情報端末、携帯電話機、携帯型オーディオプレーヤ、デジタルカメラ等の複数の機器に保存される。
【0003】
多くのユーザにとって、増え続けるコンテンツを管理することは煩雑である。例えば、複製が既に存在していることを効率的に知る手段がないために、同じコンテンツの複製を複数個作成してしまう場合もある。更に、関連するコンテンツの複数のバージョンが存在し、ユーザがこれらのバージョンの関連性を意識できない場合もある。
【0004】
また、複数の機器に亘ってコンテンツを管理することは、多くのユーザにとって困難である。例えば、複数の機器に亘ってコンテンツを保存するユーザは、コンテンツを効果的に管理又は同期させることができない。
【0005】
多くのユーザは、それらのコンテンツを組織化し、同期させ、保護することを望んでいる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態においては、コンテンツを同期及び追跡する方法及び装置は、特定のコンテンツに対応する要求を受信し、要求に応じて特定のコンテンツに関連する記録をレビューし、レビューに基づいて、要求に対する確認を選択的に送信し、確認の受信に基づいて、要求された処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コンテンツを同期及び追跡する方法及び装置が使用される環境を示す図である。
【図2】コンテンツを同期及び追跡する方法及び装置の一実施の形態の簡略化されたブロック図である。
【図3】コンテンツを同期及び追跡する方法及び装置の一実施の形態を示す装置の簡略化されたブロック図である。
【図4】コンテンツを同期及び追跡する方法及び装置で用いられる記録の具体例を示す図である。
【図5】コンテンツを同期及び追跡する方法及び装置の一実施の形態に対応するフローチャートである。
【図6】コンテンツを同期及び追跡する方法及び装置の一実施の形態に対応するフローチャートである。
【図7】コンテンツを同期及び追跡する方法及び装置の一実施の形態に対応するフローチャートである。
【図8】コンテンツを同期及び追跡する方法及び装置の一実施の形態に対応するフローチャートである。
【図9】コンテンツを同期及び追跡する方法及び装置の一実施の形態に対応するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面を参照して、コンテンツを同期及び追跡するための方法及び装置を詳細に説明する。なお、以下の詳細な説明は、コンテンツを同期及び追跡するための方法及び装置を限定するものではない。コンテンツを同期及び追跡するための方法及び装置の範囲は、添付の特許請求の範囲及び等価物によって定義される。本発明について、他の多くの実施の形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
【0009】
ここで、「コンテンツ」という用語は、デジタル又はアナログ形式で電気的に表現されたオーディオ、ビデオ、テキスト、グラフィクス等のデータを含む。
【0010】
図1は、コンテンツを同期及び追跡するための方法及び装置が使用される環境を示している。環境は、電子機器110(例えば、コンピュータ、携帯情報端末、セルラ電話機、カメラ機器等のクライアント機器として動作するように構成された演算プラットフォーム)と、ユーザインタフェース115と、ネットワーク120(例えば、ローカルエリアネットワーク、ホームネットワーク、インターネット)と、サーバ130(例えば、サーバとして機能するのを構成された演算プラットフォーム)とを含む。
【0011】
一実施の形態においては、1つ以上のユーザインタフェース115のコンポーネントは、電子機器110に統合される(例えば、キーパッド、ビデオディスプレイ及び入出力インタフェースが携帯情報端末(例えば、ソニー株式会社のクリエ(Clie:商標)と同じ筐体内に設けられる)。他の実施の形態では、1つ以上のユーザインタフェース115(例えば、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、トラックボール等)、マイクロホン、スピーカ、ディスプレイ、カメラ)が、電子機器110から物理的に独立して、電子機器110に周知の手法で接続されていてもよい。一実施の形態においては、ユーザは、ユーザインタフェース115を用いて、電子機器110、サーバ130又は、ネットワーク120を介して接続されたリモートストレージ機器(図示せず)に保存されているコンテンツ及びアプリケーションにアクセスし、これらを制御する。
【0012】
以下に説明する、本発明に基づく実施の形態では、コンテンツを同期及び追跡するための処理は、電子機器110又はサーバ130の電子プロセッサにより、又は、電子機器110の電子プロセッサ及びサーバ130の電子プロセッサが協働して実行する。図1では、サーバ130を単一の演算プラットフォームとして示しているが、他の実施の形態として、サーバとして機能する2つ以上の相互接続された演算プラットフォームとしてサーバ130を実現してもよい。
【0013】
以下、ユーザのためにコンテンツを同期及び追跡するアプリケーションの例示的な実施の形態のコンテキストに沿って、コンテンツを同期及び追跡する方法及び装置を説明する。一実施の形態においては、ユーザは、電子機器110及びネットワーク120を介してコンテンツを利用する。他の実施の形態においては、コンテンツは、サーバ130及び/又は電子機器110内に格納されたアプリケーションによって追跡及び同期される。
【0014】
一実施の形態においては、コンテンツを同期及び追跡するための方法及び装置は、ユーザによって指示された個々のコンテンツに関連する記録を自動的に作成する。幾つかの実施の形態では、コンテンツを同期及び追跡するための方法及び装置において、記録内の情報は、対応するコンテンツに関連する以前に保存された記録に基づいて、自動的に作成される。
【0015】
一実施の形態においては、ユーザによるコンテンツを利用する要求は、コンテンツに関連する記録に基づいて応えられる。幾つかの実施の形態では、ユーザによるコンテンツの利用には、コンテンツを視聴し、印刷し、保存し、変更し、移行し、削除することが含まれる。一具体例においては、ユーザによる要求は、コンテンツに関連する記録に基づいて、ユーザによって確認される。更に他の具体例では、ユーザによる要求は、コンテンツに関連する記録に基づいて拒否される。更に他の具体例では、ユーザによる要求は、コンテンツに関連する記録に基づいて修正される。
【0016】
一実施の形態においては、コンテンツを同期及び追跡するための方法及び装置は、新たなコンテンツに関連する記録に基づいて、コンテンツに関連する記録を自動的に更新する。
【0017】
一実施の形態においては、コンテンツを同期及び追跡するための方法及び装置は、電子機器110及び/又はサーバ130によって実現される。
【0018】
図2は、コンテンツを同期及び追跡するための方法及び装置を実現する例示的なアーキテクチャを示している。例示的なアーキテクチャは、複数の電子機器110と、サーバ130と、電子機器110をサーバ130に接続し、及び各電子機器110を相互に接続するネットワーク120とを備える。複数の電子機器110は、それぞれ、例えば、電子プロセッサ208に接続されたランダムアクセスメモリ等のコンピュータにより読取可能なメモリ209を備える。電子プロセッサ208は、コンピュータにより読取可能なメモリ209に保存されているプログラム命令を実行する。1人のユーザが、図1を参照して説明したように、ユーザインタフェース115を介して各電子機器(以下、クライアント装置ともいう)110を操作する。
【0019】
サーバ130は、コンピュータにより読取可能なメモリ212に接続されたプロセッサ211を備える。一実施の形態においては、サーバ130は、例えば、これに限定されるものではないが、データベース240等の二次的なデータ記憶要素を始めとする1つ以上の更なる外部の又は内部の機器に接続されている。
【0020】
一具体例では、電子プロセッサ208、211として、米国カリフォルニア州サンタクララのインテル社(Intel Corporation)のプロセッサを用いる。他のマイクロプロセッサを用いてもよい。
【0021】
一実施の形態においては、複数のクライアント装置110及びサーバ130は、機器に情報を送信するためにカスタマイズされたアプリケーションに指示を与える。一実施の形態においては、複数のコンピュータにより読取可能な媒体であるメモリ209、212が、その一部として、カスタマイズされたアプリケーションを含む。更に、複数のクライアント装置110及びサーバ130は、カスタマイズされたアプリケーションで使用する電子メッセージを受信及び送信するように構成されている。同様にネットワーク120は、カスタマイズされたアプリケーションで使用する電子メッセージを送信するように構成されている。
【0022】
メモリ209、メモリ212には、1つ以上のユーザアプリケーションが格納されており、又は、単一のユーザアプリケーションの部分が、メモリ209及びメモリ212にそれぞれ格納されている。一具体例においては、格納されているユーザアプリケーションは、格納場所にかかわらず、後述する実施の形態によって説明されるコンテンツを同期及び追跡する技術に基づいて、カスタマイズすることができる。
【0023】
図3は、同期/追跡装置300の一実施の形態を示している。同期/追跡装置300は、レビューモジュール310、捕捉モジュール320、ストレージモジュール330、インタフェースモジュール340及び制御モジュール350を備える。一実施の形態においては、制御モジュール350は、レビューモジュール310、捕捉モジュール320、ストレージモジュール330及びインタフェースモジュール340と通信を行う。
【0024】
一実施の形態においては、制御モジュール350は、レビューモジュール310、捕捉モジュール320、ストレージモジュール330及びインタフェースモジュール340の間で、タスク、要求及び通信を調整する。
【0025】
一実施の形態においては、レビューモジュール310は、捕捉モジュール320を介して、コンテンツ及びコンテンツに関連する記録を解析する。一実施の形態においては、レビューモジュール310は、ユーザからの要求に基づいて、コンテンツ及び関連する記録を解析する。一具体例においては、要求は、コンテンツのコピー、削除、変更、表示、保存を含む。一実施の形態においては、要求のそれぞれの種類(例えば、コピー、削除、変更、表示、保存)の優先傾向(preference)に基づいて、レビューモジュール310で用いる基準を定義し、要求された処理を実行する。
【0026】
他の実施の形態においては、レビューモジュール310は、他のコンテンツ及びそれらに関連する記録に基づいて、新たなコンテンツに関する記録を作成する。幾つかの具体例では、レビューモジュール310は、他のコンテンツ及びそれらに関連する記録に基づいて、新たなコンテンツを解析し、新たなコンテンツの記録内のフィールドに、データを自動的に入力する。
【0027】
更に他の実施の形態では、レビューモジュール310は、他のコンテンツ及び関連する記録に基づいて、既存の記録を更新する。一具体例においては、レビューモジュール310は、新たなコンテンツ及び関連する記録に基づき、既存のコンテンツに対応する記録を解析し、既存のコンテンツの既存の記録内のフィールドを自動的に更新する。
【0028】
一実施の形態においては、捕捉モジュール320は、同期/追跡装置300が使用する特定のコンテンツ及び関連する記録を特定する。一実施の形態においては、捕捉モジュール320は、ユーザが指定したコンテンツを特定する。更に、捕捉モジュール320は、レビューモジュール310にコンテンツ及び関連する記録を供給する。一実施の形態においては、ユーザが指示したコンテンツは、複数の機器に亘って存在する。例えば、捕捉モジュール320によって特定されたコンテンツは、複数の電子機器に亘って存在するコンテンツを含む。一具体例においては、電子機器110は、デジタルカメラ、コンピュータ、オーディオメディアプレーヤ等を含む。
【0029】
一実施の形態においては、ストレージモジュール330は、コンテンツに関連する記録を保存する。また、他の実施の形態においては、ストレージモジュール330は、記録に関連するコンテンツを保存する。更に他の実施の形態では、ストレージモジュール330は、要求の各タイプの優先傾向に関する情報を保存する。
【0030】
一実施の形態においては、インタフェースモジュール340は、同期/追跡装置300のユーザから要求を受信する。例えば、一具体例においては、ユーザは、ストレージモジュール330内にレコードが保存されている特定のコンテンツを削除することを要求する。
【0031】
他の実施の形態では、インタフェースモジュール340は、コンテンツに関連する記録内に含まれている情報を表示する。
【0032】
更に他の実施の形態では、インタフェースモジュール340は、ユーザの要求に関してユーザとインタラクトする。例えば、一具体例においては、インタフェースモジュール340は、ユーザが削除しようとしているコンテンツが、そのコンテンツの最後のコピーである場合、これをユーザに警告する。他の実施の形態では、ユーザは、例えば、コンテンツが最後のコピーであるか否かにかかわらず、コンテンツの削除を許可するフィードバックを同期/追跡装置300に提供する。
【0033】
他の実施の形態においては、インタフェースモジュール340は、他の機器とインタラクトする。例えば、幾つかの具体例では、他の電子機器内に保存されているコンテンツを削除する要求があった場合、インタフェースモジュール340は、同期/追跡装置300によって命令されるまで、コンテンツの削除を遅らせるように、電子機器に指示する。
【0034】
図3の同期/追跡装置300は、例示的な目的で示しており、コンテンツを同期及び追跡する方法及び装置の一実施の形態に過ぎない。コンテンツを同期及び追跡する方法及び装置の範囲から逸脱することなく、同期/追跡装置300に様々なモジュールを追加することができる。同様に、コンテンツを同期及び追跡する方法及び装置の範囲から逸脱することなく、ここに示すモジュールを統合又は省略することもできる。
【0035】
図4は、同期/追跡装置300で用いられる記録400の概要を示している。記録400は、特定のコンテンツに関連付けられている。幾つかの実施の形態では、記録400は、コンテンツタイトルフィールド410、ファイルサイズフィールド420、ファイル記述フィールド430、関連コンテンツフィールド440、コンテンツ位置フィールド450、保存日時フィールド460を含む。
【0036】
一実施の形態においては、コンテンツタイトルフィールド410は、コンテンツを特定するために用いられる。一具体例においては、コンテンツタイトルフィールド410は、コンテンツを説明するタイトルを含む。他の実施の形態では、コンテンツタイトルフィールド410は、コンテンツに対応する一意的な識別情報を含む。
【0037】
一実施の形態においては、ファイルサイズフィールド420は、コンテンツのファイルサイズを示す。
【0038】
一実施の形態においては、ファイル記述フィールド430は、コンテンツの性質を記述する。例えば、ファイル記述フィールド430は、コンテンツがオリジナルのコンテンツであること、変更されたコンテンツであること、コピーされたコンテンツであること、著作権保護されたコンテンツであること等を示す。
【0039】
一実施の形態においては、関連コンテンツフィールド440は、記録400に関連するコンテンツに関連する他のコンテンツを示す。例えば、関連コンテンツフィールド440には、記録400に関連するコンテンツの複製であるコンテンツが示される。
【0040】
一実施の形態においては、コンテンツ位置フィールド450は、コンテンツが保存されている位置を示す。
【0041】
一実施の形態においては、保存日時フィールド460は、コンテンツが最後に保存された日時を示す。一実施の形態においては、保存日時フィールド460は、オリジナルのコンテンツと、コンテンツのコピーとを比較する際に利用される。
【0042】
コンテンツを同期及び追跡するための方法及び装置の一実施の形態で実行される処理のフローチャートを図5〜図9に示す。フローチャート内のブロックは、コンテンツを同期及び追跡するための方法及び装置の範囲から逸脱することなく、異なる順序で実行することもできる。更に、コンテンツを同期及び追跡するための方法及び装置の範囲から逸脱することなく、ブロックを削除し、追加し、結合することもできる。
【0043】
図5は、本発明の一実施の形態に基づいてコンテンツを同期及び追跡する処理のフローチャートである。まず、ブロック510において、コンテンツを検出する。幾つかの実施の形態では、コンテンツは、捕捉モジュール320(図3)によって検出される。
【0044】
ブロック520では、コンテンツの各ピースを、対応する記録に登録する。幾つかの実施の形態では、この記録は、記録400に示す情報を含む。
【0045】
ブロック530では、ユーザから要求を受信する。幾つかの実施の形態では、この要求は、コンテンツの印刷、削除、コピー、変更を含む。
【0046】
ブロック540では、要求に応じて確認をユーザに送信する。幾つかの実施の形態では、この確認は、要求、特定のコンテンツの記録及び他のコンテンツの記録に基づいて作成される。例えば、要求が特定のコンテンツ(例えば、写真)を印刷する要求であり、その特定のコンテンツの解像度がより高い複製が存在する場合、ユーザには、解像度が高いバージョンのコンテンツを印刷するオプションを表示してもよい。
【0047】
ブロック550では、確認に応じるユーザからの指示を受信する。
【0048】
ブロック560では、ユーザからの指示に基づいて、要求に基づく処理を実行する。一具体例においては、ユーザは、特定のコンテンツの解像度がより高いバージョンを印刷することを指示する。
【0049】
他の実施の形態においては、ブロック540、550を省略し、ブロック560において、特定のコンテンツに関する要求に基づく処理を優先傾向に基づいて実行する。例えば、特定のコンテンツを印刷する場合、その特定のコンテンツの解像度が最適なコピーを印刷するといった優先傾向を予め設定してもよい。この場合、ブロック530において、特定のコンテンツを印刷する要求をユーザから受信すると、ユーザによる更なる操作なしで、特定のコンテンツの解像度が最適なコピーを印刷する。
【0050】
図6は、本発明の一実施の形態に基づき、新たなコンテンツのための記録を作成する処理のフローチャートである。ブロック610では、コンテンツを保存する電子機器を特定する。一実施の形態においては、ユーザが電子機器を特定する。一実施の形態においては、電子機器は、オーディオプレーヤ、ビデオプレーヤ、コンピュータ等である。
【0051】
ブロック620では、記録のないコンテンツを検出する。幾つかの実施の形態では、関連する記録を有さないコンテンツを装置の「新たな」コンテンツとみなす。
【0052】
ブロック630では、記録のない新たなコンテンツと、対応する記録を有する既存のコンテンツとを比較する。一実施の形態においては、新たなコンテンツを既存のコンテンツと比較する。新たなコンテンツが既存のコンテンツに類似又は一致している場合、幾つかの実施の形態では、新たなコンテンツに対応する記録を作成する際にこの情報を利用する。
【0053】
一実施の形態においては、実際のコンテンツを解析することによって、新たなコンテンツを既存のコンテンツと比較する。例えば、新たなコンテンツがデジタル写真である場合、画像解析器を用いて、新たなコンテンツの画像を既存のコンテンツの画像と比較する。他の実施の形態においては、新たなコンテンツのファイルサイズと既存のコンテンツのファイルサイズとを比較することにより、新たなコンテンツと既存のコンテンツとの間の類似性を比較する。
【0054】
ブロック640では、新たなコンテンツに対応する記録を作成する。幾つかの実施の形態では、この記録は、図4に示す記録400と同様である。幾つかの実施の形態では、新たなコンテンツ内に含まれている情報と、新たなコンテンツ及び既存のコンテンツの比較とに基づいて、新たなコンテンツに対応する記録を自動的に作成する。例えば、新たなコンテンツと既存のコンテンツとの比較により、コンテンツの複製又は関連するコンテンツが見つかった場合、新たなコンテンツの記録をファイル記述フィールド430及び関連コンテンツフィールド440に反映させる。
【0055】
ブロック650では、新たなコンテンツに対応する記録を保存する。幾つかの実施の形態では、この記録は、ストレージモジュール330に保存される。
【0056】
ブロック660では、新たなコンテンツの記録に基づいて、既存のコンテンツに対応する記録を更新する。例えば、新たなコンテンツと既存のコンテンツとの比較により、コンテンツの複製又は関連するコンテンツが見つかった場合、ファイル記述フィールド430及び関連コンテンツフィールド440において、既存のコンテンツの記録を更新する。
【0057】
図7は、本発明の一実施の形態に基づき、ユーザから要求を受信する、要求された処理を実行する処理のフローチャートである。ブロック710において、特定のコンテンツに対応する要求をユーザから受信する。幾つかの実施の形態では、この要求は、特定のコンテンツの表示、コピー、削除、変更、利用を含む。
【0058】
ブロック720では、特定のコンテンツに対応する記録を読み出す。
【0059】
ブロック730で要求に対応する優先傾向を読み出す。一実施の形態においては、この優先傾向は、特定のコンテンツに対応する記録に応じて、要求をどのように処理するかを決定する。例えば、ユーザが特定のコンテンツを削除することを要求し、この特定のコンテンツが原本である場合、この削除を実行しないという優先傾向を設けてもよい。また、他の具体例では、ユーザが削除しようとしているコンテンツが、特定のコンテンツの原本であることをユーザに確認するような優先傾向を設けてもよい。他の具体例では、優先傾向により、原本を削除できないようにしてもよい。
【0060】
一実施の形態においては、これらの優先傾向は、ユーザからの様々な要求に対する初期設定として予めプログラミングされる。他の実施の形態においては、優先傾向の初期設定をユーザがカスタマイズできる。
【0061】
ブロック740では、特定のコンテンツの記録及び優先傾向に基づいて、要求された処理を実行する。例えば、ユーザが特定のコンテンツの削除を要求し、この特定のコンテンツが複製であることが対応する記録に記述されている場合、この特定のコンテンツは、削除される。一方、他の具体例において、例えば、ユーザが特定のコンテンツの削除を要求し、この特定のコンテンツが原本であることが対応する記録に記述されている場合、この特定のコンテンツは、削除されない。
【0062】
図8は、本発明の一実施の形態に基づき、ユーザから要求を受信し、要求された処理を実行する処理のフローチャートである。ブロック810では、特定のコンテンツを印刷する要求をユーザから受信する。幾つかの実施の形態では、この要求は、特定のコンテンツの表示、コピー、削除、変更、利用を含む。
【0063】
ブロック820では、特定のコンテンツに対応する記録を読み出す。
【0064】
ブロック830では、特定のコンテンツを印刷する要求に対応する優先傾向を読み出す。一実施の形態においては、コンテンツの印刷に関連する優先傾向に基づき、特定のコンテンツの解像度が最適なコピーを検索する。他の実施の形態においては、コンテンツの印刷に関連する優先傾向に基づき、特定のコンテンツのプリンタの解像度に適合する解像度のコピーを検索する。
【0065】
ブロック840では、特定のコンテンツに一致し、最適の解像度を有するコンテンツを読み出す。一実施の形態においては、最適の解像度を有するコンテンツは、ユーザによって指定された特定のコンテンツである。他の実施の形態においては、最適の解像度を有するコンテンツは、ブロック820において読み出された記録の1つを介して特定される。
【0066】
ブロック850では、プリンタ装置(図示せず)によって、ブロック840において特定された最適の解像度を有するコンテンツを印刷する。
【0067】
図9は、本発明の一実施の形態に基づき、ユーザから要求を受信し、要求された処理を実行する処理のフローチャートである。ブロック910では、特定のコンテンツを削除する要求をユーザから受信する。幾つかの実施の形態では、この要求は、特定のコンテンツの表示、コピー、変更、変更、利用を含む。
【0068】
ブロック720では、特定のコンテンツに対応する記録を読み出す。
【0069】
ブロック925では、特定のコンテンツを削除する要求に対応する優先傾向を検索する。一実施の形態においては、ブロック930、940、950、960、970、980、990は、特定のコンテンツを削除する要求に対応する優先傾向を反映する。
【0070】
ブロック930では、特定のコンテンツの複製を検索する。複製が検出されない場合、ブロック940において、ユーザに対し、この複製がない特定のコンテンツを削除してよいか再確認する。
【0071】
ブロック950では、特定のコンテンツが原本であるか否かを確認する。特定のコンテンツが原本である場合、ブロック960において、ユーザに対し、この原本である特定のコンテンツを削除してよいか再確認する。
【0072】
ブロック950では、特定のコンテンツが、その特定のコンテンツの最新の改訂バージョンであるか否かを確認する。特定のコンテンツが特定のコンテンツの最新の改訂バージョンである場合、ブロック980において、ユーザに対し、この特定のコンテンツの最新の改訂バージョンを削除してよいか再確認する。
【0073】
一実施の形態においては、特定のコンテンツに対応する記録を解析することによって、特定のコンテンツが複製であるか、原本であるか、最新版であるかを判定する。他の実施の形態においては、他のコンテンツに対応する記録を解析することによって、特定のコンテンツが複製であるか、原本であるか、最新版であるかを判定する。更に他の実施の形態では、特定のコンテンツを他のコンテンツと比較することによって、特定のコンテンツが複製であるか、原本であるか、最新版であるかを判定する。
【0074】
ブロック990では、特定のコンテンツに対応する記録を削除する。幾つかの実施の形態では、特定のコンテンツの複製がある場合、特定のコンテンツが原本ではない場合及び特定のコンテンツが最新版ではない場合は、ブロック990において、ユーザとの更なるインタラクションなしで、その特定のコンテンツを削除する。幾つかの実施の形態では、特定のコンテンツの複製がない場合、特定のコンテンツが原本である場合、特定のコンテンツが最新版である場合、その特定のコンテンツを削除する前に、削除を実行してよいかユーザに確認する。
【0075】
本発明の特定の実施形態に関する以上の説明は、本発明を例示的に示すためのものである。例えば、コンテンツを同期及び追跡するするコンテキストにおいて、本発明の一実施の形態を説明した。この他の様々なアプリケーションに本発明を適用できる。
【0076】
本発明は、上述した本発明に限定することを目的とせず、したがって当該技術分野の当業者が本発明の主旨を逸脱しない範囲で様々な修正、変更等を行うことが可能であることは明らかである。上述した実施例は、本発明の主旨及びその現実の応用例を説明するために選択されたものであり、当該技術分野の当業者が特定の用途に適応するように様々な修正、変更等を行うことによって本発明を最大限に利用することができる。発明の適用範囲は、特許請求の範囲によって定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定のコンテンツに対応する要求を受信するステップと、
上記要求に応じて特定のコンテンツに関連する記録をレビューするステップと、
上記レビューに基づいて、上記要求に対する確認を選択的に送信するステップと、
上記確認の受信に基づいて、上記要求された処理を実行するステップとを有するコンテンツ同期/追跡方法。
【請求項2】
上記レビューするステップは、上記要求に対応する規則を用いて、確認を行うか否かを判定するステップを有することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ同期/追跡方法。
【請求項3】
上記規則は、上記要求に基づき、上記記録を確認する基準を含むことを特徴とする請求項2記載のコンテンツ同期/追跡方法。
【請求項4】
上記レビューするステップは、第2のコンテンツに関連する第2の記録をレビューするステップを有することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ同期/追跡方法。
【請求項5】
上記特定のコンテンツは、写真、音楽、ドキュメント及びビデオの1つを含むことを特徴とする請求項1記載のコンテンツ同期/追跡方法。
【請求項6】
上記要求は、特定のコンテンツの保存、特定のコンテンツの削除、特定のコンテンツの変更、及び特定のコンテンツの印刷の1つを含むことを特徴とする請求項1記載のコンテンツ同期/追跡方法。
【請求項7】
上記規則を記憶装置に保存するステップを更に有する請求項1記載のコンテンツ同期/追跡方法。
【請求項8】
上記記録を記憶装置に保存するステップを更に有する請求項1記載のコンテンツ同期/追跡方法。
【請求項9】
上記確認は、上記要求に基づく処理を実行する許可を求めることを特徴とする請求項1記載のコンテンツ同期/追跡方法。
【請求項10】
特定のコンテンツに対応する要求を受信する受信手段と、
上記要求に応じて特定のコンテンツに関連する記録をレビューするレビュー手段と、
上記レビューに基づいて、上記要求に対する確認を選択的に送信する送信手段と、
上記確認の受信に基づいて、上記要求された処理を実行する実行手段とを備えるコンテンツ同期/追跡装置。
【請求項11】
新たなコンテンツを検出するステップと、
上記新たなコンテンツを既存のコンテンツと比較するステップと、
上記新たなコンテンツを表す少なくとも1つのフィールドを有する新たな記録を作成するステップと、
上記比較に基づいて、データを上記フィールドに自動的に入力するステップと、
上記記録をストレージモジュールに保存するステップとを有するコンテンツ同期/追跡方法。
【請求項12】
上記特定のコンテンツは、写真、音楽、ドキュメント及びビデオの1つを含むことを特徴とする請求項11記載のコンテンツ同期/追跡方法。
【請求項13】
上記フィールドは、コンテンツタイトルフィールド、ファイルサイズフィールド、ファイル記述フィールド、関連コンテンツフィールド、コンテンツ位置フィールド及び保存日時フィールドの1つを含むことを特徴とする請求項11記載のコンテンツ同期/追跡方法。
【請求項14】
上記新たな記録に基づいて、既存のコンテンツに関連する既存の記録を更新するステップを更に有する請求項11記載のコンテンツ同期/追跡方法。
【請求項15】
上記更新するステップは、関連するコンテンツについて上記新たな記録内のフィールドをレビューするステップを有することを特徴とする請求項14記載のコンテンツ同期/追跡方法。
【請求項16】
新たなコンテンツを検出する検出手段と、
上記新たなコンテンツを既存のコンテンツと比較する比較手段と、
上記新たなコンテンツを表す少なくとも1つのフィールドを有する新たな記録を作成する作成手段と、
上記比較に基づいて、データを上記フィールドに自動的に入力する入力手段と、
上記記録をストレージモジュールに保存する保存手段とを備えるコンテンツ同期/追跡装置。
【請求項17】
特定のコンテンツに対応する要求を受信するインタフェースモジュールと、
上記要求に対応し、該要求を実行するための少なくとも1つの基準を含む規則を保存するストレージモジュールと、
上記要求及び規則に基づいて、上記コンテンツ及び対応する記録を解析し、該要求に対応する処理を実行するか否かを判定するレビューモジュールとを備えるコンテンツ同期/追跡装置。
【請求項18】
上記コンテンツを特定する捕捉モジュールを更に備える請求項17記載のコンテンツ同期/追跡装置。
【請求項19】
上記コンテンツは、写真、音楽、ドキュメント及びビデオの1つを含むことを特徴とする請求項17記載のコンテンツ同期/追跡装置。
【請求項20】
上記インタフェースモジュールは、上記コンテンツが上記要求に対応する処理を実行する基準を満たしていないとき、確認を行うことを特徴とする請求項17記載のコンテンツ同期/追跡装置。
【請求項21】
上記ストレージモジュールは、上記記録を保存することを特徴とする請求項17記載のコンテンツ同期/追跡装置。
【請求項22】
上記ストレージモジュールは、上記コンテンツを保存することを特徴とする請求項17記載のコンテンツ同期/追跡装置。
【請求項23】
上記要求は、特定のコンテンツの保存、特定のコンテンツの削除、特定のコンテンツの変更、及び特定のコンテンツの印刷の1つを含むことを特徴とする請求項17記載のコンテンツ同期/追跡装置。
【請求項24】
コンテンツ同期/追跡方法を実現するコンピュータにより実行可能な命令を有するコンピュータにより読取可能な媒体において、該コンテンツ同期/追跡方法は、
特定のコンテンツに対応する要求を受信するステップと、
上記要求に応じて特定のコンテンツに関連する記録をレビューするステップと、
上記レビューに基づいて、上記要求に対する確認を選択的に送信するステップと、
上記確認の受信に基づいて、上記要求された処理を実行するステップとを有するコンピュータにより読取可能な媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−9085(P2012−9085A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225628(P2011−225628)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【分割の表示】特願2006−552238(P2006−552238)の分割
【原出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(593181638)ソニー エレクトロニクス インク (371)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)