説明

コンテンツ再生装置、コンテンツ再生装置の制御方法およびコンテンツ再生プログラム

【課題】表示部が小さい場合であっても、選択する画像の視認性を確保するとともに、選択対象となる画像の数が膨大であっても、容易に所望の画像を選択可能とする。
【解決手段】記憶部13は、再生するコンテンツに係る画像データを記憶する。表示部12は、画像データを画像として表示する。操作部11は、画像データを任意の方向にスクロールさせる指示を受け付ける。制御部10は、画像データを仮想的に縦方向n行横方向m列に配置するとともに、画像データの数がmの整数倍ではない場合は、整数倍となるように空白部を加えた集合画像として表示部にその一部を表示させ、前記操作部によって任意の方向にスクロールさせる指示がなされた場合に、前記操作部によって指示された方向に前記空白部が配置されている場合は、前記空白部の直前に位置する画像より前記指示された方向へのスクロールを禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ再生装置、コンテンツ再生装置の制御方法およびコンテンツ再生プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、楽曲データ等の音声データや画像データ、映像データを再生するコンテンツ再生装置として、ポータブル型のオーディオプレイヤやメディアプレイヤなどが普及している。これらのようなコンテンツ再生装置は、楽曲データ等のコンテンツとともに、そのコンテンツに係る画像データも記憶し、コンテンツ検索時やコンテンツ再生時に関連する画像データを表示する。画像データの例としては、楽曲データが収録されているアルバムのジャケット写真である。
【0003】
従来のコンテンツ再生装置の例を、図8を用いて説明する。図8は従来のコンテンツ再生装置によりジャケット写真を用いた楽曲検索画面の表示概念図である。
【0004】
ジャケット写真による楽曲検索は、通常、多数のジャケット写真を一覧表示してスクロールを行うことによって、所望のジャケット写真を選択することによりそのジャケット写真に係るアルバムに収録されている楽曲を選択可能とする。
【0005】
図8において、表示部120は、コンテンツ再生装置における液晶表示装置などであり、複数のジャケット写真200を横方向3列に仮想的に配置して表示部120に表示している。
【0006】
図8において、ジャケット写真200における実線部は、表示部120に表示されている範囲を示し、破線部は、表示部120に表示はされていないが、操作部110によるスクロールによって表示部120に表示されるジャケット写真200を示している。
【0007】
図8における複数のジャケット写真の配置は、上方向または下方向のスクロールによって全てのジャケット写真の表示が終了した場合であっても、スクロールが止まることなく繰り返し同一配置のジャケット写真が表示される。例えば、図8に示すように、AからOのジャケット写真が表示対象である場合は、上方向へのスクロールによって、A、B、Cの列が表示された後、スクロールは止まらずに、M、N、Oの列から再度表示される。
【0008】
さらには、横方向にもスクロールが可能である場合も同様に、左右方向へのスクロールを行うことにより、表示部120に表示されている3列のジャケット写真200が横方向に繰り返し表示される。
【0009】
ユーザは、図8のように表示部120に表示されているジャケット写真200を、所望のジャケット写真200が表示されるようにスクロールさせ、所望のジャケット写真上に図示しないカーソル等が重畳された場合に、所望のジャケット写真を選択する操作を行う。このような操作によって、選択されたジャケット写真に係る楽曲データを再生する。
【0010】
特許文献1には、インデックス画像を表示画面の縦横二次元に並べる装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2000−125251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来のコンテンツ再生装置においては、横方向の表示画像を表示部の幅に収まるように表示するために、表示部のサイズが小さいコンテンツ再生装置である場合、ジャケット写真の視認性が良くない。さらに、記憶されているジャケット写真の数が膨大となった場合、ユーザはジャケット写真のスクロールにより、どの位置のジャケット写真が表示されているのか分からなくなり、所望のジャケット写真の検索が困難となってしまう。
【0013】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、コンテンツ再生装置の表示部が小さい場合であっても、選択する画像の視認性を確保し、画像が選択しやすいコンテンツ再生装置、コンテンツ再生装置の制御方法およびコンテンツ再生プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、第1の発明に係るコンテンツ再生装置1は、再生するコンテンツに係る画像データを記憶する記憶部、前記記憶部に記憶されている画像データを画像として表示する表示部、前記表示部に表示する画像データを任意の方向にスクロールさせる指示を受け付ける操作部、前記画像を仮想的に縦方向n行横方向m列に配置するとともに、前記画像データの数がnとmの積となるように空白部を加えた集合画像として前記表示部にその一部を表示させ、前記操作部によって任意の方向にスクロールさせる指示がなされた場合には、前記集合画像を前記操作部において指示された方向にスクロールさせ、前記操作部によって指示された方向に前記空白部が配置されている場合は、前記空白部の直前に位置する画像より前記指示された方向へのスクロールを禁止し、前記操作部によって指示された方向へのスクロールにより前記集合画像の端部に配置されている画像に達した場合は、前記集合画像が仮想的に連続して配置されているようにスクロールするように表示させる制御部、を備えることを特徴とする。
【0015】
第2の発明に係るコンテンツ再生装置1は、第1の発明において、前記制御部は、前記操作部によって指示された方向に前記空白部が配置されている場合は、前記空白部の直前に位置する画像が全体表示されている場合に、前記空白部の直前に位置する画像より前記指示された方向へのスクロールを禁止することを特徴とする。
【0016】
第3の発明に係るコンテンツ再生装置1は、第1または第2の発明において、前記制御部は、前記集合画像を構成する前記画像のうち一の前記画像のみを前記表示部に対して全体表示可能とするように表示することを特徴とする。
【0017】
第4の発明に係るコンテンツ再生装置1は、第1から第3のいずれかの発明において、前記制御部は、前記集合画像における横方向の配置を3列とすることを特徴とする。
【0018】
第5の発明に係るコンテンツ再生装置1の制御方法は、記憶部に記憶されており、再生するコンテンツに係る画像データを、仮想的に縦方向n行横方向m列に配置するとともに、前記画像データの数がnとmの積となるように空白部を加えた集合画像として表示部にその一部を表示させるステップ、操作部によって任意の方向にスクロールさせる指示がなされた場合には、前記集合画像を前記操作部において指示された方向にスクロールさせ、前記操作部によって指示された方向に前記空白部が配置されている場合は、前記空白部の直前に位置する画像より前記指示された方向へのスクロールを禁止し、前記操作部によって指示された方向へのスクロールにより前記集合画像の端部に配置されている画像に達した場合は、前記集合画像が仮想的に連続して配置されているようにスクロールするように表示させる制御を行うステップ、を備えることを特徴とする。
【0019】
第6の発明に係るコンテンツ再生プログラムは、第5の発明における各ステップを、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のコンテンツ再生装置は、選択対象となる画像の数が膨大であっても、容易に所望の画像を選択可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例に係るコンテンツ再生装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係るコンテンツ再生装置の外観正面図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係るコンテンツ再生装置の画像表示例を示す概念図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係るコンテンツ再生装置のスクロールに伴う画像表示例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係るコンテンツ再生装置のスクロールに伴う他の画像表示例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係るコンテンツ再生装置のスクロールに伴う画像表示例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施例に係るコンテンツ再生装置のスクロールに伴う他の画像表示例を示す図である。
【図8】従来のコンテンツ再生装置における画像表示例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の第1の実施例におけるコンテンツ再生装置の構成について、図1および図2を参照して説明する。図1は、コンテンツ再生装置のブロック図であり、図2はコンテンツ再生装置の外観正面図である。
【0023】
コンテンツ再生装置1は、携帯型や据置型の再生装置、録音再生装置、携帯電話装置、PDA(Personal Digital Assistants)、PND(Portable Navigation Device)等、コンテンツに係る画像を表示する各種装置を対象とする。
【0024】
コンテンツ再生装置1は、制御部10、操作部11、表示部12、記憶部13、DAC(Digital Analog Converter)14、出力部15、ADC(Analog Digital Converter)16、入力部17、外部I/F18を備える。
【0025】
制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、DSP(Digital Signal Processor)等を備えて構成され、各部を制御するとともに、後述する操作部11による操作に基づき、後述する表示部12への各種情報の表示制御やスクロール等の制御を行う。
【0026】
制御部10は、各種コンテンツのデータの再生を行うとともに、各種コンテンツの再生のために、コンテンツデータのデコード処理や、音声処理、画像処理等を行う。
【0027】
操作部11は、ユーザがコンテンツ再生装置1の各種操作を行うためのユーザインターフェースであり、図2に示した機械的スイッチによるものに加えて、表示部12に重畳するタッチパネルや、光学的なセンサによるものであってもよい。操作部11の例としては、図2に示すように、上方向操作部11U、下方向操作部11D、左方向操作部11L、右方向操作部11R、決定操作部11Eを備える。
【0028】
上方向操作部11Uは、ユーザに操作されることによって、制御部10の処理により、表示部12に表示されている情報を上方向に移動させる。下方向操作部11Dは、ユーザに操作されることによって、制御部10の処理により表示部12に表示されている情報を下方向に移動させる。
【0029】
左方向操作部11Lは、ユーザに操作されることによって、制御部10の処理により表示部12に表示されている情報を左方向に移動させる。右方向操作部11Rは、ユーザに操作されることによって、制御部10の処理により表示部12に表示されている情報を右方向に移動させる。決定操作部11Eは、ユーザに操作されることによって、制御部10の処理により各種処理の決定や画像、コンテンツ等の選択を決定する。
【0030】
表示部12は、コンテンツに係る各種情報やコンテンツ再生装置1の動作情況、操作に係る各種表示を行い、例えば液晶や有機EL(Electro Luminescence)からなる表示素子により構成される。
【0031】
記憶部13は、例えばメモリやHDD(Hard Disk Drive)により構成され、コンテンツのデータや、画像データ等のコンテンツに係る各種データを記憶する。
記憶部13に用いられるメモリやHDDは、コンテンツ再生装置1に内蔵されているものに加えて、図示しないメモリカードスロットを介した外部メモリカードや、後述する外部I/F18により接続された外部メモリや外部HDDでもよい。
【0032】
DAC14は、制御部10を介して出力されるデジタル音声データをアナログ音声信号に変換し、後述する出力部15に出力する。
【0033】
出力部15は、DAC14によりアナログ変換された音声信号を出力する端子であり、図示しないヘッドホンや外部オーディオ装置を接続するステレオミニジャック、図示しないスピーカを接続するスピーカ端子、またはコンテンツ再生装置1に内蔵されるスピーカであってもよい。
【0034】
ADC16は、後述する入力部17から入力されるアナログ音声信号をデジタル音声データに変換し、制御部10に出力する。
【0035】
入力部17は、図示しない外部の装置や外部のマイクロホンからのアナログ音声信号を入力する端子であり、ステレオミニジャックなどからなる。入力部17と出力部15は、各々設けられてもよく、1つの端子として共用してもよい。
【0036】
外部I/F18は、例えばUSB(Universal Serial Bus)やHDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子であり、USB接続される外部のメモリやHDD、外部装置としてのパーソナルコンピュータ、HDMI接続される外部のオーディオ装置やビデオ装置と接続され、情報の授受を行う。
【0037】
次に、本発明の第1の実施例として、コンテンツ再生装置1における画像表示の動作例について図3、図4及び図5に基づき説明する。図3は、コンテンツ再生装置1の表示部12における画像表示例の概念図であり、記憶部13にジャケット写真20がジャケット写真20Aから20Nまでが記憶されている場合の例を示している。
【0038】
図3に示すようなジャケット写真20の表示は、例えば、操作部11における操作によって、楽曲検索メニューにおけるアルバム検索を実行することによって表示される。アルバム検索が実行されると、制御部10は、記憶部13に記憶されているアルバム情報および各アルバムの画像データに基づき、記憶部13に記憶されている全てのアルバムに関するジャケット写真20を、例えば横方向に3列、縦方向に5行の仮想的な集合画像30として表示部12に表示する。
【0039】
図3において、集合画像30とは、表示部12に表示する範囲内においてジャケット写真20が縦横に連結した1枚の画像を仮想的に構成するように、制御部10により表示される画像である。図3における実線部は、集合画像30において表示部12に表示されているジャケット写真20の配置を示し、破線部は、集合画像30において操作部11の操作によって表示部12で表示される範囲が移動したときに表示されるジャケット写真20の配置を示している。
【0040】
図3の例では、集合写真30は縦方向5行横方向3列に配列されており、ジャケット写真20Aから20Nによる5×3の配置に不足する箇所には、空白部22が配置される。
【0041】
表示部12においては、ジャケット写真20Hが全体表示され、その周辺にジャケット写真20D、20E、20F、20G、20I、20J、20K、20Lの一部が表示されている。ここでの各ジャケット写真20の表示サイズは、表示部12のサイズに対して、ジャケット写真20のうち1枚のみ全体表示可能なサイズとする。
【0042】
例えば、表示部12の表示画素数が240×400ドットである場合、ジャケット写真20の各サイズは、短辺となる240ドット以下であり、且つ長辺となる400ドットの半分以上のサイズであることが望ましく、例えば220×220ドットのサイズである。
【0043】
このような表示を行うことにより、操作部11の操作によりスクロールを行っても、表示部12に全体表示されるジャケット写真20は1枚に限られる。このため、全体表示されているジャケット写真20の表示位置が表示部12の中心からずれていても、ジャケット写真20より所望の1枚が特定でき、決定操作部11Eの操作により全体表示されている所望のジャケット写真20を選択することができる。
【0044】
図3の場合は、ジャケット写真20Hが全体表示されており、ジャケット写真20Hが全体表示されていれば、ジャケット写真20Hがどの位置であっても、決定操作部11Eを操作することによりジャケット写真Hが選択され、ジャケット写真Hに係るアルバムに属する楽曲が選択または再生可能となる。
【0045】
次に、図3に示すような画像表示を、操作部11の操作により横方向にスクロールさせた場合の動作について、図4及び図5に基づき説明する。操作部11の操作による横方向のスクロールは、左方向操作部11Lまたは右方向操作部11Rをユーザが操作することによって、その操作を検出した制御部10が、操作された方向に集合画像30が移動するように表示部12に表示させる。
【0046】
図4において、図4(b)はスクロール前の状態を示しており、例えばジャケット写真20Hが全体表示されている状態である。この状態において、表示部12には、ジャケット写真20Hのみが全体表示され、ジャケット写真20Hの周囲に配置されているジャケット写真20D、20E、20F、20G、20I、20J、20K、20Lは一部分のみ表示されている。
【0047】
図4(a)は、図4(b)の状態から左方向操作部11Lの操作により左方向へスクロールされた状態を示しており、図4(b)の状態であるジャケット写真20Hが全体表示されている状態から、左方向へのスクロールによりジャケット写真20Gが全体表示されている状態(図示せず)を経て、ジャケット写真20Iが全体表示されている状態である。
【0048】
この場合のスクロールにおいては、図4(b)の状態から左方向へスクロールが行われ、集合画像30の端部を構成するジャケット写真20Gが表示された状態よりさらに左方向操作部11Lの操作が継続されるため、ジャケット写真20Gの表示に連続して繰返し集合写真30が仮想的に連続して配置されているように、ジャケット写真20Iを含む同列のジャケット写真20が表示される。
【0049】
図4(c)は、図4(b)の状態から右方向操作部11Rの操作により右方向へスクロールされた状態を示しており、図4(b)の状態であるジャケット写真20Hが全体表示されている状態から、右方向へのスクロールによりジャケット写真20Iが全体表示されている状態(図示せず)を経て、ジャケット写真20Gが全体表示されている状態である。
【0050】
この場合のスクロールにおいては、図4(b)の状態から右方向へスクロールが行われ、集合画像30の端部を構成するジャケット写真20Iが表示された状態よりさらに右方向操作部11Rの操作が継続されるため、ジャケット写真20Gの表示に連続して繰返し集合写真30が仮想的に連続して配置されているように、ジャケット写真20Gを含む同列のジャケット写真20が表示される。
【0051】
このように、集合画像30の横方向のスクロールは、左方向操作部11Lまたは右方向操作部11Rの操作が継続されている限り、横方向に集合画像30が繰返し表示される。
【0052】
図5において、図5(b)はスクロール前の状態を示しており、例えばジャケット写真20Nが全体表示されている状態である。この状態において、表示部20には、ジャケット写真20Nのみが全体表示され、ジャケット写真20Hの周囲に配置されているジャケット写真20J、20K、20L、20M、空白部22に加えて、ジャケット写真20Nが集合画像30の下方向の端部であるために繰返し表示されるジャケット写真20A、20B、20Cが一部分のみ表示されている。
【0053】
図5(a)は、図5(b)の状態から左方向操作部11Lの操作により左方向へスクロールされた状態を示しており、図5(b)の状態であるジャケット写真20Nが全体表示されている状態から、左方向へのスクロールによりジャケット写真20Mが全体表示されている状態である。ジャケット写真20Mが全体表示されている状態からさらに左方向操作部11Lの操作が継続されても、ジャケット写真20Mが集合画像30の左方向の端部であるために繰返し表示される箇所には空白部22が配置されているために、ジャケット写真20Mが全体表示されている状態より左方向へのスクロールは禁止される。
【0054】
図5(c)は、図5(b)の状態から右方向操作部11Rの操作により右方向へスクロールされた状態を示しており、図5(b)の状態であるジャケット写真20Nが全体表示されている状態から、右方向へのスクロールが行われるが、ジャケット写真20Nの右方向には空白部22が配置されているため、ジャケット写真20Nが全体表示されている状態より右方向へのスクロールは禁止される。
【0055】
次に、本発明の第2の実施例として、コンテンツ再生装置1における画像表示の動作例について図6及び図7に基づき説明する。第2の実施例におけるコンテンツ再生装置の構成および集合画像30の構成については第1の実施例におけるコンテンツ再生装置の構成と同一であるため、説明を省略する。
【0056】
図6及び図7は、図3に示すような画像表示を、操作部11の操作により縦方向にスクロールさせた場合の動作を説明した図であり、操作部11の操作による縦方向のスクロールは、上方向操作部11Uまたは下方向操作部11Dをユーザが操作することによって、その操作を検出した制御部10が、操作された方向に集合画像30が移動するように表示部12に表示させる。
【0057】
図6において、図6(a)はスクロール前の状態を示しており、例えばジャケット写真20Hが全体表示されている状態である。この状態において、表示部12には、ジャケット写真20Hのみが全体表示され、ジャケット写真20Hの周囲に配置されているジャケット写真20D、20E、20F、20G、20I、20J、20K、20Lは一部分のみ表示されている。
【0058】
図6(b)は、図6(a)の状態から下方向操作部11Dの操作により下方向へスクロールした状態を示しており、図4(a)の状態であるジャケット写真20Hが全体表示されている状態から、下方向へのスクロールによりジャケット写真20Kが全体表示されている状態(図示せず)を経て、ジャケット写真20Nが全体表示されている状態である。
【0059】
この場合のスクロールにおいては、ジャケット写真20Kが全体表示されている状態からさらにスクロールされることによってジャケット写真20Nとともにジャケット写真20Nに隣接する空白部22も表示されるが、ジャケット写真20Kはスクロール方向における空白部22の直前に位置する画像ではないため、下方向へのスクロールは継続される。
【0060】
図6(c)は、図6(b)の状態からさらに下方向操作部11Dの操作が継続された状態を示しており、ジャケット写真20Nが集合画像30の下方向の端部であるために、集合画像30が繰返し表示され、ジャケット写真20Bが全画面表示されている状態である。
【0061】
図7において、図7(a)はスクロール前の状態を示しており、例えばジャケット写真20Iが全体表示されている状態である。この状態において、表示部12には、ジャケット写真20Iのみが全体表示され、ジャケット写真20Iの周囲に配置されているジャケット写真20E、20F、20D、20H、20G、20K、20L、20Jは一部分のみ表示されている。
【0062】
図7(b)は、図7(a)の状態から下方向操作部11Dの操作により下方向へスクロールした状態を示しており、ジャケット写真20Lが全体表示されている状態である。この場合、ジャケット写真20Lが全体表示されている状態からさらに下方向操作部11Dの操作が継続されても、ジャケット写真20Lはスクロール方向における空白部22の直前に位置する画像であるため、ジャケット写真20Lが全体表示された状態より下方向へのスクロールは禁止される。
【0063】
このような処理によりユーザは、仮想的に縦横に配置されているジャケット写真20に基づく集合画像30に空白部22がある場合、集合画像の末尾や先頭を容易に認識することができ、記憶部13に記憶されているジャケット写真20が膨大な数であっても、所望のジャケット写真の位置関係を認識することができる。
【0064】
このために、集合画像30の縦方向及び横方向の配列数は、ユーザが任意に変更できるようにしてもよい。さらには、集合画像30を構成するジャケット写真20の数が空白部22を生じない数であった場合は、制御部10が空白部22を生じるよう集合画像30の縦方向及び横方向の配列数を変更する処理を行ってもよい。
【0065】
本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り、様々に変更可能である。例えば、集合画像30として表示部12に表示するジャケット写真20は、記憶部13に記憶されている全てのジャケット写真20として説明したが、所定のジャンルや所定の年代などに属するジャケット写真20を表示してもよい。
【0066】
また、実施例2においては、下方向のスクロールについて説明したが、上方向操作部11Uの操作による上方向へのスクロールについても同様である。
【0067】
また、図3において、空白部22を集合画像30の右下端部に配置したが、左下端部や中央下端部であってもよく、さらには空白部22と同一行のジャケット写真(図3においては、ジャケット写真20M、20N)を集合画像30の中央下端部に配置してもよい。
【0068】
さらに、実施例1および実施例2においては、横方向のスクロールおよび上下方向のスクロールについて説明したが、斜め方向のスクロールであっても同様である。
【符号の説明】
【0069】
1:コンテンツ再生装置、10:制御部、11:操作部、12:表示部、13:記憶部、14:DAC、15:出力部、16:ADC、17:入力部、18:外部I/F、20:ジャケット写真、30:集合画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生するコンテンツに係る画像データを記憶する記憶部、
前記記憶部に記憶されている画像データを画像として表示する表示部、
前記表示部に表示する画像データを任意の方向にスクロールさせる指示を受け付ける操作部、
前記画像を仮想的に縦方向n行横方向m列に配置するとともに、前記画像データの数がnとmの積となるように空白部を加えた集合画像として前記表示部にその一部を表示させ、前記操作部によって任意の方向にスクロールさせる指示がなされた場合には、前記集合画像を前記操作部において指示された方向にスクロールさせ、前記操作部によって指示された方向に前記空白部が配置されている場合は、前記空白部の直前に位置する画像より前記指示された方向へのスクロールを禁止し、前記操作部によって指示された方向へのスクロールにより前記集合画像の端部に配置されている画像に達した場合は、前記集合画像が仮想的に連続して配置されているようにスクロールするように表示させる制御部、
を備えることを特徴とする、コンテンツ再生装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記操作部によって指示された方向に前記空白部が配置されている場合は、前記空白部の直前に位置する画像が全体表示されている場合に、前記空白部の直前に位置する画像より前記指示された方向へのスクロールを禁止することを特徴とする、
請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記集合画像を構成する前記画像のうち一の前記画像のみを前記表示部に対して全体表示可能とするように表示することを特徴とする、
請求項1または2に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記集合画像における横方向の配置を3列とすることを特徴とする、
請求項1から3のいずれかに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項5】
記憶部に記憶されており、再生するコンテンツに係る画像データを、仮想的に縦方向n行横方向m列に配置するとともに、前記画像データの数がnとmの積となるように空白部を加えた集合画像として表示部にその一部を表示させるステップ、
操作部によって任意の方向にスクロールさせる指示がなされた場合には、前記集合画像を前記操作部において指示された方向にスクロールさせ、前記操作部によって指示された方向に前記空白部が配置されている場合は、前記空白部の直前に位置する画像より前記指示された方向へのスクロールを禁止し、前記操作部によって指示された方向へのスクロールにより前記集合画像の端部に配置されている画像に達した場合は、前記集合画像が仮想的に連続して配置されているようにスクロールするように表示させる制御を行うステップ、
を備えることを特徴とする、コンテンツ再生装置の制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載のコンテンツ再生装置の制御方法の各ステップを、コンピュータに実行させるコンテンツ再生プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−166480(P2011−166480A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27401(P2010−27401)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】