説明

コンテンツ制御装置及びコンテンツ制御方法

【課題】視聴者の特性に応じて広告主が予め設定した表示効果を有する広告コンテンツをブラウザ画面に表示するとともに、広告コンテンツの表示サイズや配置位置の制御により多数の広告コンテンツを同時に1つの画面内に表示することを可能とする、広告コンテンツの制御方法を提供する。
【解決手段】視聴者端末のブラウザ画面に表示するコンテンツを制御するためのコンテンツ制御装置であって、視聴者端末から送信された視聴者識別情報に対応する視聴者属性情報及び、当該視聴者属性情報に適合したコンテンツの属性情報を、視聴者属性情報蓄積手段及びコンテンツ提供者情報蓄積手段から取得する手段と、取得した前記コンテンツの属性情報に基づき、当該コンテンツの描画命令を生成する描画命令生成手段と、生成した描画命令を前記視聴者端末に送信する描画命令生成送信手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告コンテンツ等を視聴者端末に備えられたブラウザの表示領域に表示する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のインターネット上のWebサイトにおいては、視聴者端末に備えられたブラウザの表示領域に広告コンテンツを表示するための一定の領域が設けられ、その領域に広告コンテンツが表示されるが、広告コンテンツの数が多い場合、最初に表示される画面内の広告コンテンツ表示領域には収まりきらない広告コンテンツが存在した。これらの最初の画面に収まりきらなかった広告コンテンツは、視聴者が画面をスクロールしたり、ブラウザのサイズを拡大するなどして、ブラウザの表示領域を変更しないと表示されないという問題が存在した。
【0003】
また、上記のような視聴者の操作によらず表示すべき全ての広告コンテンツに表示の機会を与える方法としては、広告表示領域に表示される広告コンテンツを一定時間ごとに切り替える方法があるが、この方法では視聴者は表示される全広告コンテンツを同時に一覧することができず、見たい広告コンテンツがいつ表示されるかもわからないという問題が存在した。
【0004】
また、ブラウザの表示領域においてコンテンツの表示サイズを拡大・縮小して配置することにより仮想的な奥行きを表現し、多数のコンテンツを同時に表示可能にするという技術が存在する。この技術は画像の検索などに利用されているが、視聴者の特性に応じた広告コンテンツの表示には利用されていない。
【0005】
なお、広告コンテンツを表示する従来技術の例として特許文献1に記載された技術がある。
【特許文献1】特開2004−21647号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、視聴者の特性に応じて広告主が予め設定した表示効果を有する広告コンテンツを視聴者端末のブラウザに表示するとともに、広告コンテンツの表示サイズや配置位置を制御することにより、前記ブラウザの表示領域において仮想的な奥行きを持つ空間を表現し、全ての表示すべき広告コンテンツを同時に1つの画面内に表示することを可能とする、広告コンテンツの制御技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題は、予め登録されている視聴者の属性情報に基づいて、当該視聴者の視聴者端末のブラウザ画面に表示するコンテンツを選択し、前記ブラウザ画面の表示領域における前記コンテンツの配置位置、表示サイズ、及び表示効果を制御するコンテンツ制御装置であって、コンテンツの視聴者を一意に識別する視聴者識別情報と対応づけて、当該視聴者の属性情報を蓄積する視聴者属性情報蓄積手段と、コンテンツ提供者により指定された、前記ブラウザ画面の表示領域におけるコンテンツの配置位置、表示効果及び画像サイズに関する情報と、当該コンテンツが対象とする視聴者の属性とを対応づけて、コンテンツ毎に蓄積するコンテンツ属性情報蓄積手段と、前記視聴者端末から受信した視聴者識別情報に対応する視聴者属性情報を前記視聴者属性情報蓄積手段から取得し、当該視聴者属性情報に適合するコンテンツの属性情報を前記コンテンツ属性情報蓄積手段から取得する取得手段と、前記取得手段により取得した前記コンテンツの属性情報に基づき、前記ブラウザ画面の表示領域における当該コンテンツの配置位置、表示サイズ、及び表示効果に関する命令を描画命令として生成する描画命令生成手段と、前記生成した描画命令を、前記視聴者端末に送信する描画命令送信手段とを有することを特徴とするコンテンツ制御装置により解決できる。
【0008】
また、前記コンテンツ制御装置が、視聴者端末のブラウザに表示されたコンテンツに対して、当該視聴者により所定の指示がなされたことを示すイベント情報を当該視聴者端末から受信した場合に、前記描画命令生成手段は、当該コンテンツの提供者が予め設定した、当該コンテンツと当該イベントの対に対応するアクション情報に従い、当該コンテンツの配置位置、表示サイズ、表示内容、表示効果に関する描画命令として再構成し、再構成された描画命令を前記描画命令送信手段が前記視聴者端末に送信するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、広告コンテンツの表示サイズや配置位置を制御することにより、視聴者端末に備えられたブラウザ画面の表示領域において仮想的な奥行きを持つ空間を表現し、その空間の奥行き方向を使って広告コンテンツを配置することにより、全ての表示すべき広告コンテンツについて少なくとも一部分を、ブラウザ画面の最初に表示される表示領域内に同時に表示することが可能となる。
また広告主は、視聴者の特性に応じて予め設定した、広告コンテンツをより目立たせるための様々な表示効果により、視聴者の注意をより惹きつける効果を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
(システム構成)
図1に、本実施の形態のシステム構成を示す。図1に示すように、本実施の形態のシステムは、視聴者端末110、コンテンツ制御装置120、サイト提供者管理端末115、及びコンテンツ提供者端末135がインターネット等の通信ネットワークを介して接続された構成を有している。コンテンツ制御装置120は視聴者端末110に広告コンテンツを送信する。また、視聴者端末110は、コンテンツ制御装置120から受信した広告コンテンツを表示するブラウザを備えており、ブラウザにより広告コンテンツを視聴者に対して表示する。コンテンツ提供者はコンテンツ提供者端末135からコンテンツ制御装置120に対して、提供するコンテンツに関する情報を登録する。サイトの提供者はサイト提供者管理端末115からコンテンツ制御装置120の各種マスタ情報を管理する。
【0012】
コンテンツ制御装置120は、制御部10(CPU等)、メモリ20、データ記録部30(ハードディスク等)、バス40、外部インタフェース部50を含む一般的なコンピュータのハードウェア構成を備えており、本実施の形態で説明する機能はコンテンツ制御装置120に搭載されるプログラムが実行されることにより実現される。コンテンツ制御装置120の機能構成については後に詳細に説明する。
【0013】
(画面表示例)
図2に、視聴者端末110のディスプレイに表示されるブラウザの画面構成の一例を示す。図2に示すように、ブラウザ画面150はコンテンツ等が表示される表示領域151とボタン領域152からなり、表示領域151には複数の指定表示領域153が設けられている。また、ボタン表示領域152には、「前進」ボタン156及び、「後退」ボタン157が表示されている。
【0014】
指定表示領域153は表示領域151を区切った領域であり、どのように区切るかについては、コンテンツ制御装置120が提供するサイトの提供者が予め設定する。図2の例では4つの指定表示領域153が設定されており、コンテンツの提供者は予め設定された4つの指定表示領域153のうち、どの領域にコンテンツやオブジェクトを配置するか設定する。指定表示領域153には、コンテンツ154やオブジェクト155が表示される。
【0015】
ここでコンテンツとはその提供者が視聴者に伝えたい情報の内容であり、オブジェクトとはコンテンツに付随して表示され、コンテンツをより効果的に目立たせるための対象物を意味する。例えば、コンテンツ提供者は自社の広告というコンテンツをより目立たせるために、星というオブジェクトが自社コンテンツの周りを回っているような表示効果を設定することができる。本実施の形態において、コンテンツの提供者は、コンテンツに対しては、視聴者のマウスイベント毎にアクションを設定することができるが、オブジェクトに対しては設定することはできない。視聴者が、興味を持ったコンテンツに対して何らかのマウスイベントを行うと、そのマウスイベントに対応して予め設定されたアクションが実行される。例えば、視聴者があるコンテンツをクリックすると、そのコンテンツが拡大表示されるといったアクションが実行される。
【0016】
次に図3を参照して、ブラウザ画面の表示領域151におけるコンテンツやオブジェクトの振る舞いについて説明する。コンテンツの提供者は視聴者の注意を効果的に惹きつけるべく、コンテンツ自体に横振動や横回転といった表示効果を設定することができ、またコンテンツに付随するオブジェクトに対しても同様の表示効果を設定することができる。例えばあるコンテンツに横振動という表示効果が設定されている場合、図3に示すように、そのコンテンツは、指定表示領域からはみ出さない範囲内で横振動しているように表示される。
【0017】
図4から図6は、視聴者により「前進」ボタン156が押下された際に、コンテンツ表示領域151に表示されている複数のコンテンツが、指定表示領域内を画面奥から手前に向かって一斉に移動しているように表示される様子を表している。図4及び図5の状態において、各指定表示領域の最前面に表示されていたコンテンツA〜Dは、「前進」ボタン156の押下により一定の大きさまで表示サイズが拡大されると、図6に示すように、表示領域から表示されなくなり、図4及び図5において最前面から2番目に表示されていたコンテンツE〜Hが最前面に表示されるようになる。また、「後退」ボタン157は「前進」ボタン156と逆の効果を得ることができる。
【0018】
(機能ブロック)
図7に、コンテンツ制御装置120と視聴者端末110の機能ブロック図を示す。図7に示すように、コンテンツ制御装置120は、命令送受信機能部61、処理制御機能部62、一時蓄積機能部63、蓄積機能部64を有している。命令送受信機能部61は、イベント受信部123、コマンド送信部124を有している。処理制御機能部62は、イベント制御部129、空間配置制御部121、動作制御部122を有している。一時蓄積機能部63は配置情報蓄積部127を有し、蓄積機能部64は、提供者情報蓄積部125、視聴者属性情報蓄積部126、広告コンテンツ等の実ファイルを蓄積するコンテンツ蓄積部130、及び各種マスタ情報蓄積部131を有している。なお、コンテンツ蓄積部130をコンテンツ制御装置120内に備えずに、別の装置に備えてもよい。この場合、視聴者端末110はコンテンツ表示のための命令情報をコンテンツ制御装置120から取得し、コンテンツの実ファイルは上記の別の装置から取得することになる。
【0019】
提供者情報蓄積部125には、コンテンツの提供者によって登録されたコンテンツに関する情報が、コンテンツ属性テーブル、オブジェクト属性テーブル、アクションテーブルなどとして格納されている。また、視聴者属性情報蓄積部126には、視聴者識別情報に対応付けて視聴者の属性情報が視聴者属性情報テーブルとして格納されている。各種マスタ情報蓄積部131には、コンテンツのジャンルマスタ、効果マスタ、イベントマスタ、アクションマスタなどのマスタが含まれる。配置情報蓄積部127はコンテンツ毎の配置位置に関する情報や動作に関する情報を一時的に格納するバッファーである。
【0020】
視聴者端末110は、コンテンツやオブジェクトを表示するためのブラウザ111を有している。
【0021】
コンテンツ制御装置120は、CPU、メモリやハードディスク等の記憶装置、ネットワーク通信装置等の外部インタフェース装置を有する一般的なコンピュータに、上記の各機能部を実現するためのプログラムを実行させることにより実現できる。また、視聴者端末110は、PC、携帯端末等のコンピュータに、コンテンツを表示可能なブラウザを搭載することにより実現できる。
【0022】
(各蓄積部に格納されるデータ例)
図8、図9、図10、図11はそれぞれ、効果マスタ、イベントマスタ、アクションマスタ、ジャンルマスタの例である。図8に示す効果マスタには、コンテンツやオブジェクトに与えられる表示効果の名称とその効果を与えるためのコマンド名とが効果IDに対応付けられて格納されている。図9に示すイベントマスタには、コンテンツ上にマウスカーソルが置かれたり、コンテンツがクリックされたといった視聴者端末110におけるマウスイベントの名称がイベントIDと対応付けられて格納されている。図10に示すアクションマスタには、コンテンツサイズ拡大やURLジャンプといった、マウスイベント後のアクション名称がアクションIDと対応付けられて格納されている。また、図11に示すジャンルマスタには、ジャンルIDとジャンル名称とが対応付けて格納されている。サイトの提供者は、サイト提供者端末115から上記各種マスタの管理を行うことができる。
【0023】
図12は、視聴者属性情報テーブルの例である。視聴者はコンテンツ制御装置120に予め、氏名、パスワードの他に、メールアドレス、性別、年代、趣味などの情報を登録する。これらの情報は、その視聴者を一意に識別するための視聴者識別子に対応付けて、視聴者属性情報テーブルとして格納されている。
【0024】
図13に、コンテンツ属性テーブルの例を示す。コンテンツ属性テーブルには、コンテンツを一意に識別するためのコンテンツIDごとに、そのコンテンツの提供者、ジャンル、ターゲットとする視聴者の年代、性別、指定表示領域、画像サイズ、効果ID、格納場所、オブジェクトのIDであるオブジェクトIDが格納されている。コンテンツの提供者は、ターゲットとなる視聴者の年齢、性別、趣味といった視聴者属性ごとに、複数の異なるコンテンツを登録することができる。そして、各コンテンツには、そのコンテンツの指定表示領域、画像サイズ、表示効果を設定することができるので、ターゲットとする視聴者の属性に合わせてコンテンツの表示領域や表示効果や付随させるオブジェクトを変えることができる。コンテンツのジャンルや表示効果、ターゲットとする視聴者の年代については、サイトの提供者が予め登録したマスタから選択して指定することができるが、これらの項目の指定は必須ではない。例えばコンテンツの表示効果を指定しない場合、そのコンテンツには表示効果が設定されていないことを意味する。コンテンツの格納場所には、コンテンツの実ファイルを格納するディレクトリやフォルダを指定する。また、オブジェクトについては、1つのコンテンツに対して複数指定できるようにしてもよい。
【0025】
図14は、オブジェクト属性テーブルの例である。オブジェクト属性テーブルには、オブジェクトIDごとに、画像サイズ、効果ID、格納場所に関する情報が、コンテンツ属性テーブルと同じ要領で登録されている。効果IDが指定されていないオブジェクトは、そのオブジェクトに表示効果が設定されていないことを意味するのも、コンテンツ属性テーブルと同様である。また、図15は、アクションテーブルの例である。アクションテーブルには、1つのコンテンツに対してイベントとアクションの情報が対になって対応付けられており、それぞれコンテンツID、イベントID、アクションIDによって登録されている。1つのコンテンツIDに対して、イベントIDとアクションIDの対は複数登録することができる。コンテンツの提供者は、コンテンツ提供者専用のインタフェースから、コンテンツ制御装置120に対して上記の情報を登録することができる。
【0026】
(システム動作詳細)
以下、コンテンツ制御装置120を構成する各機能部の動作を含むシステムの動作について説明する。
[最初に広告コンテンツを表示する処理について]
まず、図16のシーケンスチャートを用いて、視聴者端末のブラウザ上に最初に広告コンテンツを表示する処理について説明する。
【0027】
まず、視聴者端末110には、複数の広告コンテンツが表示されるサイトにアクセスするための導入画面がコンテンツ制御装置120から送信され、表示されているものとする。当該導入画面には、ユーザID等の視聴者識別情報を入力するための欄が含まれており、視聴者がそこに視聴者識別情報を入力する(ステップ1)。
【0028】
続いて、視聴者端末110は、視聴者により入力された視聴者識別情報をコンテンツ制御装置120に送信する。コンテンツ制御装置120では、イベント受信部123が視聴者識別情報を受信する(ステップ2)。そして、イベント受信部123は視聴者識別情報をイベント制御部129に渡す(ステップ3)。
【0029】
続いて、イベント制御部129は、ステップ3で取得した視聴者識別情報を空間配置制御部121に渡す(ステップ4)。なお、図16、17に示す処理は、特定の視聴者100の視聴者端末110に対応して行われており、視聴者識別情報がキーとなって処理が行われる。なお、コンテンツ制御装置120内で使用される視聴者識別情報は、視聴者から入力されたID等の情報に限らず、当該IDと一意に対応付けられた情報(例えばメールアドレス等)としてもよい。
【0030】
視聴者識別情報を取得した空間配置制御部121は、視聴者属性情報蓄積部126から、性別、年代、趣味といった当該視聴者識別情報に対応する視聴者属性情報を取得する(ステップ5)。
【0031】
ステップ5に続いて、空間配置制御部121は、ステップ5で取得した視聴者属性情報に適合するコンテンツ属性情報を提供者情報蓄積部125から取得する(ステップ6)。
【0032】
ステップ6において、空間配置制御部121は、例えばステップ5で取得した視聴者属性情報の中の年代が、コンテンツ属性情報テーブルのターゲット年齢と一致するコンテンツ属性情報を取得するようにしてもよいし、視聴者属性の中の趣味、年代、性別のうちどれか1つでも、コンテンツ属性テーブルのジャンル、ターゲット年齢、ターゲット性別と一致するコンテンツ属性情報を取得するようにしてもよい。視聴者属性情報に含まれるどの項目を使ってコンテンツ属性情報を選択するかについては、サイトの提供者が予めコンテンツ制御装置に設定する。
【0033】
次に空間配置制御部121は、ステップ6で取得した全てのコンテンツ属性情報について、指定表示領域における表示順序や配置位置、表示サイズを決定し、決定した情報に基づいて視聴者端末110のブラウザ111に表示するための命令セットである空間配置情報を作成する(ステップ7)。
【0034】
ステップ7において、空間配置制御部121は、まずサイトの提供者が設定したn(nは1以上)個の指定表示領域のうち、1番目の指定表示領域について、その指定表示領域が指定されているコンテンツ属性情報をステップ6で取得した全てのコンテンツ属性情報の中から取得し(m個取得できたとする。)、m個のコンテンツ属性情報について表示順番を決定する。ここで表示順番の決定方法としては、例えば視聴者の属性情報と一致する属性が多い順に前面から表示するという決定方法が考えられる。この手順は2番目以降、n番目までの全指定表示領域について実行される。そして、以下からステップ12までの処理は、指定表示領域ごとに表示順番に従い、コンテンツ単位に繰り返し実行される。次に空間配置制御部121は、1番目の指定表示領域における表示順番が1番目のコンテンツについて、当該指定表示領域内の配置位置及び表示サイズを決定する。各コンテンツの配置位置及び表示サイズの決定にあたっては、前面のコンテンツに隠れて全く表示されないことがないように、表示領域内に一部分は必ず表示されるよう決定する。
【0035】
ここで、当該コンテンツの属性情報にオブジェクトIDが含まれている場合は、当該オブジェクトIDに対応するオブジェクト属性情報をオブジェクト属性情報テーブルから取得し、当該オブジェクトについての配置位置及び表示サイズも決定する。そして、当該コンテンツやオブジェクトについて決定した配置位置や表示サイズに基づき、視聴者端末110のブラウザ111に表示するための命令セットである空間配置情報を作成する。
【0036】
そして空間配置制御部121は、当該コンテンツ属性情報と当該オブジェクト属性情報、及びステップ7において作成した当該コンテンツ及びオブジェクトの空間配置情報とを、配置情報蓄積部127に蓄積する(ステップ8)。
【0037】
次に動作制御部122は、ステップ8において配置情報蓄積部127に蓄積された当該コンテンツ及びオブジェクトの属性情報を取得し(ステップ9)、さらに提供者情報蓄積部125のアクションテーブルから、当該コンテンツに対する各種マウスイベントとアクションの組み合せに関する情報を取得する(ステップ10)。例えば、視聴者のマウス操作により、当該コンテンツ上にマウスカーソルが置かれた場合はコンテンツの表示サイズを拡大する、当該コンテンツがクリックされた場合は予め指定されたURLにジャンプするといった、当該コンテンツに対するマウスイベントとアクションを組み合わせた情報である。
【0038】
そして動作制御部122は、ステップ9で取得した当該コンテンツ及びオブジェクトの属性情報に効果IDが含まれる場合は、そのコンテンツ及びオブジェクトに対して効果IDに対応する表示効果を与えるための命令セットを生成する(ステップ11)。ステップ11で生成される命令セットを、以下ではコンテンツ動作情報と呼ぶ。
そして動作制御部122は、ステップ11で生成したコンテンツ及びオブジェクトの動作情報とステップ10で取得した、コンテンツとイベントとアクションの組み合せ情報とを、配置情報蓄積部127に蓄積する(ステップ12)。
【0039】
ステップ6で取得した全てのコンテンツについて、ステップ12までの処理が行われると、コマンド送信部124は、全コンテンツ及び全オブジェクトの空間配置情報とコンテンツ動作情報を配置情報蓄積部127から取得する(ステップ13)。
【0040】
そして、コマンド送信部124は、ステップ13で取得した全コンテンツ及び全オブジェクトの空間配置情報とコンテンツ動作情報を描画命令として視聴者端末110に送信し(ステップ14)、視聴者端末110がその描画命令を取得する。
【0041】
ブラウザ111は、取得した描画命令に従い、コンテンツ蓄積部130から実コンテンツを取得し(ステップ15)、視聴者端末の画面の表示領域に配置すると共に、コンテンツ動作情報に基づく動作を開始させる(ステップ16)。
【0042】
[イベント制御処理について]
次に、コンテンツがブラウザの表示領域に表示されている状態において、あるコンテンツに対して視聴者によるクリック等のマウスイベントが発生した場合の動作について図17のシーケンスチャートを参照して説明する。
【0043】
視聴者が、視聴者端末110のブラウザの表示領域に表示されるコンテンツに対して、クリック等何らかのマウス操作を行ったものとする(ステップ21)。
【0044】
視聴者端末110は、マウス操作が行われたコンテンツの識別情報と、そのコンテンツに対して行われたマウス操作を識別するためのイベント識別情報を、コンテンツ制御装置120に送信する。コンテンツ制御装置120では、イベント受信部123が上記コンテンツ識別情報とイベント識別情報を受信し(ステップ22)、イベント制御部129に渡す(ステップ23)。
【0045】
コンテンツ識別情報とイベント識別情報を取得したイベント制御部129は、当該コンテンツ識別情報とイベント識別情報を、空間配置制御部121に渡す(ステップ24)。
【0046】
続いて、空間配置制御部121は、イベント制御部129から取得したコンテンツ識別情報とイベント識別情報に基づいて、配置情報蓄積部127から、当該コンテンツ識別情報に対応する空間配置情報と、当該コンテンツ識別情報及びイベント識別情報の組み合せに対応するアクション情報を取得し(ステップ25)、ステップ25で取得した空間配置情報と、アクション情報に基づき該当コンテンツの空間配置情報の再構成を行う(ステップ26)。
【0047】
例えば、コンテンツ識別情報(C0001)とイベント識別情報(E001)とアクションID(A001)の組み合せが、C0001のコンテンツ提供者によりアクションテーブルに予め登録されていたとすると、コンテンツ(C0001)に対してE001というイベントが発生したという情報を取得した場合、配置情報蓄積部127からC0001に対応する空間配置情報と、C0001及びE001の組み合せに対応するアクション情報(A001)を取得し、A001が意味するアクション(例えばコンテンツ表示サイズを50%拡大する)に従って空間配置情報を再構成する。そして、再構成した空間配置情報を配置情報蓄積部127に格納する(ステップ27)。
【0048】
空間配置制御部121の処理と同様にして、動作制御部122がコンテンツ識別情報及びイベント識別情報をイベント制御部129から取得する(ステップ28)。そして、動作制御部122は、当該コンテンツ識別情報に対応するコンテンツ動作情報及び、当該コンテンツ識別情報とイベント識別情報に対応するアクション情報を配置情報蓄積部127から取得し(ステップ29)、ステップ29で取得したコンテンツ動作情報とアクション情報とに基づきコンテンツ動作情報の再構成を行う(ステップ30)。そして、再構成したコンテンツ動作情報を配置情報蓄積部127に格納する(ステップ31)。
【0049】
続いて、コマンド送信部124は、ステップ27、31で蓄積された、再構成後の空間配置情報及びコンテンツ動作情報を取得し(ステップ32)、再構成後の空間配置情報及びコンテンツ動作情報に基づき、ブラウザ111に対して再描画命令を送信する(ステップ33)。
【0050】
ブラウザ111は、再描画命令に従い表示領域に広告コンテンツを再配置すると共に、動作を開始させる(ステップ34)。
【0051】
(本システムの効果について)
本システムでは、広告コンテンツの配置位置や表示サイズを制御することにより、ブラウザの表示領域において表現された仮想的な奥行き方向を使ってコンテンツを配置することができ、前面のコンテンツに隠れて全く表示されないコンテンツをなくすことが可能となる。つまり全てのコンテンツに対して、ブラウザの最初に表示される表示領域内に一部分は必ず表示されることを保証することができる。また広告主は、広告コンテンツをより目立たせるための様々な表示効果を視聴者の特性に応じて予め設定することにより、視聴者の注意をより惹きつける効果を図ることができる。
【0052】
本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲内で種々変更・応用が可能である。例えば、上記の実施形態では本発明をポータルサイトやECサイト等における広告コンテンツの表示に適用したが、本発明は、商品カタログサイトにおける商品展示、電子化した図鑑や教育教材において強調したいコンテンツの表示等にも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態におけるシステム構成図である。
【図2】視聴者端末に表示される画面構成例を示す図である。
【図3】コンテンツ及びオブジェクトの振る舞いの説明図である。
【図4】視聴者端末に表示される画面例である。
【図5】視聴者端末に表示される画面例である。
【図6】視聴者端末に表示される画面例である。
【図7】コンテンツ制御装置と視聴者端末の機能ブロック図である。
【図8】効果マスタに格納されている情報の例を示す図である。
【図9】イベントマスタに格納されている情報の例を示す図である。
【図10】アクションマスタに格納されている情報の例を示す図である。
【図11】ジャンルマスタに格納されている情報の例を示す図である。
【図12】視聴者属性情報テーブルに格納されている情報の例を示す図である。
【図13】コンテンツ属性テーブルに格納されている情報の例を示す図である。
【図14】オブジェクト属性テーブルに格納されている情報の例を示す図である。
【図15】アクションテーブルに格納されている情報の例を示す図である。
【図16】システムの動作を示すシーケンスチャート(1)である。
【図17】システムの動作を示すシーケンスチャート(2)である。
【符号の説明】
【0054】
110 視聴者端末
111 ブラウザ
115 サイト提供者端末
135 コンテンツ提供者端末
120 コンテンツ制御装置
121 空間配置制御部
122 動作制御部
123 イベント受信部
124 コマンド送信部
125 提供者情報蓄積部
126 視聴者属性情報蓄積部
127 配置情報蓄積部
129 イベント制御部
130 コンテンツ蓄積部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め登録されている視聴者の属性情報に基づいて、当該視聴者の視聴者端末のブラウザ画面に表示するコンテンツを選択し、前記ブラウザ画面の表示領域における前記コンテンツの配置位置、表示サイズ、及び表示効果を制御するコンテンツ制御装置であって、
コンテンツの視聴者を一意に識別する視聴者識別情報と対応づけて、当該視聴者の属性情報を蓄積する視聴者属性情報蓄積手段と、
コンテンツ提供者により指定された、前記ブラウザ画面の表示領域におけるコンテンツの配置位置、表示効果及び画像サイズに関する情報と、当該コンテンツが対象とする視聴者の属性とを対応づけて、コンテンツ毎に蓄積するコンテンツ属性情報蓄積手段と、
前記視聴者端末から受信した視聴者識別情報に対応する視聴者属性情報を前記視聴者属性情報蓄積手段から取得し、当該視聴者属性情報に適合するコンテンツの属性情報を前記コンテンツ属性情報蓄積手段から取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記コンテンツの属性情報に基づき、前記ブラウザ画面の表示領域における当該コンテンツの配置位置、表示サイズ、及び表示効果に関する命令を描画命令として生成する描画命令生成手段と、
前記生成した描画命令を、前記視聴者端末に送信する描画命令送信手段と
を有することを特徴とするコンテンツ制御装置。
【請求項2】
前記コンテンツ制御装置が、前記視聴者端末のブラウザ画面に表示されたコンテンツに対して、当該視聴者により所定の指示がなされたことを示すイベント情報を当該視聴者端末から受信した場合に、
前記描画命令生成手段は、当該コンテンツの提供者が予め設定した、当該コンテンツと当該イベントの対に対応するアクション情報に従い、当該コンテンツの配置位置、表示サイズ、表示内容、及び表示効果に関する描画命令として再構成し、再構成された描画命令を前記描画命令送信手段が前記視聴者端末に送信する請求項1に記載のコンテンツ制御装置。
【請求項3】
予め登録されている視聴者の属性情報に基づいて、当該視聴者の視聴者端末のブラウザ画面に表示するコンテンツを選択し、前記ブラウザ画面の表示領域における前記コンテンツの配置位置、表示サイズ、及び表示効果を制御するコンテンツ制御装置が実行するコンテンツ制御方法であって、
コンテンツの視聴者を一意に識別する視聴者識別情報と対応づけて、当該視聴者の属性情報を視聴者属性情報蓄積装置に格納するステップと、
コンテンツ提供者により指定された、前記ブラウザ画面の表示領域におけるコンテンツの配置位置、表示効果及び画像サイズに関する情報と、当該コンテンツが対象とする視聴者の属性とを対応づけて、コンテンツ毎に提供者情報蓄積装置に格納するステップと、
前記視聴者端末から受信した視聴者識別情報に対応する視聴者属性情報を前記視聴者属性情報蓄積装置から取得し、当該視聴者属性情報に適合するコンテンツの属性情報を前記提供者情報蓄積装置から取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得した前記コンテンツの属性情報に基づき、前記ブラウザ画面の表示領域における当該コンテンツの配置位置、表示サイズ、表示効果に関する命令を描画命令として生成する描画命令生成ステップと、
前記生成した描画命令を、前記視聴者端末に送信する描画命令送信ステップと
を有することを特徴とするコンテンツ制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−122257(P2007−122257A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−311518(P2005−311518)
【出願日】平成17年10月26日(2005.10.26)
【出願人】(000102717)エヌ・ティ・ティ・ソフトウェア株式会社 (43)
【Fターム(参考)】