説明

コンテンツ表示制御方法、コンテンツ表示制御装置およびコンテンツ表示システム

【課題】表示効果を向上させるようにコンテンツ表示スケジュールを変更する。
【解決手段】コンテンツ表示制御装置1は、複数の表示領域に広告コンテンツを表示するコンテンツ表示装置4に接続され、コンテンツ表示スケジュール記憶部32に記憶されたコンテンツ表示スケジュールに従って、所定の広告コンテンツをコンテンツ表示装置4に表示する。コンテンツ表示制御装置1は、カメラ41で撮像された撮像画像から表示中の広告コンテンツを注視する注視者を検知する注視者検知部21と、所定の時間帯ごとに広告コンテンツの実績注視度を算出する注視度算出部22と、注視度算出部22によって算出された所定の時間帯ごとの広告コンテンツの実績注視度に応じて、コンテンツ表示スケジュールにおける時間帯ごとのそれぞれの広告コンテンツの表示領域の大きさまたは表示領域の位置を適正化する表示スケジュール適正化部25と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子式広告掲示板などに複数の広告コンテンツを表示する場合に好適なコンテンツ表示制御方法、コンテンツ表示制御装置およびコンテンツ表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラで撮像された人の顔の向きや目の中における瞳の位置を解析することによって、その人の視線を検知する技術が様々な分野で応用され始めている。例えば、特許文献1には、ウィンドウショッピングをしている顧客の視線を求め、その視線方向を顧客が興味を抱いている商品の検知に応用する技術が開示されている。また、引用文献2には、広告メディアを視聴している視聴者の視線および注視度を解析することにより、広告の効果を測定する技術が開示されている。また、特許文献3には、顧客の視線に応じて、インタラクティブに表示内容を変更する電子看板システムの技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−24603号公報
【特許文献2】特開2010−108257号公報
【特許文献3】特開2009−104426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、大勢の人が行き交う街中、ショッピングセンタ、駅などには、多くの大型の電子式広告掲示板が設けられている。そのような電子式広告掲示板に広告を出す広告主は、その広告の効果がより大きくなることを期待する。引用文献1,2には、商品の陳列または広告に対する注視度を取得する技術は開示されているものの、その取得された注視度を、その後の陳列または広告に具体的にどのように活かすかについては、言及されていない。
【0005】
また、特許文献3に開示された電子看板では、顧客の視線に応じた表示内容の変更が可能ではあるが、その電子看板は、レストランのメニューなどの表示を対象としたものであり、また、その顧客の視線は、ある1人の顧客の視線に限定されたものである。従って、特許文献3に開示された技術では、不特定多数の人が見る電子式広告掲示板に表示される広告の効果を向上させることは困難である。
【0006】
このような従来技術の問題点に鑑み、本発明は、表示した広告コンテンツに対する不特定多数の人の注視度に応じて、その広告効果を向上させるように表示スケジュールを変更することが可能なコンテンツ表示制御方法、コンテンツ表示制御装置およびコンテンツ表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るコンテンツ制御装置は、複数の表示領域にそれぞれ広告コンテンツを表示するコンテンツ表示装置に接続され、そのコンテンツ表示装置におけるコンテンツ表示を制御する装置であって、(1)所定の時間帯ごとに前記コンテンツ表示装置に表示する広告コンテンツの表示領域の大きさおよび表示領域の位置の少なくとも一方を定めたコンテンツ表示スケジュールを記憶したコンテンツ表示スケジュール記憶手段と、(2)そのコンテンツ表示スケジュール記憶手段に記憶されたコンテンツ表示スケジュールに従って、広告コンテンツを前記コンテンツ表示装置に表示する表示制御手段と、(3)そのコンテンツ表示装置に付属するカメラにより撮像されたそのコンテンツ表示装置の前面側からの風景画像を取得し、その取得した風景画像の中から、そのコンテンツ表示装置に表示されたそれぞれの広告コンテンツを注視する注視者を、それぞれの広告コンテンツごとに検知する注視者検知手段と、(4)所定の時間帯ごとに前記注視者検知手段によって検知されたそれぞれの広告コンテンツの注視者数に基づき、そのそれぞれの広告コンテンツの実績注視度を算出する注視度算出手段と、(5)前記注視度算出手段によって算出された所定の時間帯ごとのそれぞれの広告コンテンツの実績注視度に応じて、前記コンテンツ表示スケジュールにおける所定の時間帯ごとのそれぞれの広告コンテンツの表示領域の大きさおよび表示領域の位置の少なくとも一方を変更する表示スケジュール適正化手段と、を備えたこと、を特徴とする。
【0008】
本発明によれば、あらかじめ与えられたコンテンツ表示スケジュールに従って、複数の広告コンテンツをコンテンツ表示装置に表示したとき得られるそれぞれの広告コンテンツの注視度に応じて、そのコンテンツ表示スケジュールを変更した適正化表示スケジュールを得ることができる。従って、その適正化表示スケジュールを、新たなあらかじめ与えられたコンテンツ表示スケジュールとして利用することができるので、広告の効果を向上させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示した広告コンテンツに対する不特定多数の人の注視度に応じて、その広告効果を向上させるように表示スケジュールを変更することが可能なコンテンツ表示制御方法、コンテンツ表示制御装置およびコンテンツ表示システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ表示システムの全体構成の例を示した図。
【図2】注視者検知部の機能を説明する図であり、(a)は、コンテンツ表示装置前面の風景のカメラ撮像画像の例、(b)は、注視者概略画像の例、(c)は、注視者数時間推移グラフの例。
【図3】コンテンツ表示スケジュール記憶部に記憶されるコンテンツ表示スケジュールテーブルの構成の例を示した図。
【図4】目標注視度記憶部に記憶される目標注視度テーブルの構成の例を示した図。
【図5】実績注視度記憶部に記憶される実績注視度テーブルの構成の例を示した図。
【図6】適正化表示スケジュール記憶部に記憶される適正化表示スケジュールテーブルの構成の例を示した図。
【図7】目標注視度設定部による目標注視度設定処理の処理フローの例を示した図。
【図8】差分注視度算出部による差分注視度算出処理の処理フローの例を示した図。
【図9】差分注視度記憶部に記憶される差分注視度テーブルの構成の例を示した図。
【図10】表示スケジュール適正化部による表示スケジュール適正化処理の処理フローの例を示した図。
【図11】図10における表示領域分割比の移し替え処理の詳細な処理フローの例を示した図。
【図12】第2の実施形態に係るコンテンツ表示スケジュールテーブルの構成の例を示した図。
【図13】第2の実施形態に係る目標注視度テーブルの構成の例を示した図。
【図14】第2の実施形態に係る実績注視度テーブルの構成の例を示した図。
【図15】第2の実施形態に係る適正化表示スケジュールテーブルの構成の例を示した図。
【図16】第2の実施形態に係る表示スケジュール適正化処理の処理フローの例を示した図。
【図17】第3の実施形態に係るコンテンツ表示スケジュールテーブルの構成の例を示した図。
【図18】第3の実施形態に係る実績注視度テーブルの構成の例を示した図。
【図19】第3の実施形態に係る適正化表示スケジュールテーブルの構成の例を示した図。
【図20】第3の実施形態に係る表示スケジュール適正化処理の処理フロー(前半部)の例を示した図。
【図21】第3の実施形態に係る表示スケジュール適正化処理の処理フロー(後半部)の例を示した図。
【図22】第3の実施形態に係る表示スケジュール適正化処理で用いられる注視度順位テーブルおよび実績注視度作業テーブルの構成の例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
<第1の実施形態>
(1.システムの全体構成および機能の概要)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ表示システムの全体構成の例を示した図である。図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係るコンテンツ表示システム100は、コンテンツ表示装置4、カメラ41、コンテンツ表示制御装置1、リモート監視装置5などを含んで構成される。
【0013】
ここで、コンテンツ表示装置4は、大画面のプラズマ表示装置、液晶表示装置、電子ペーパーなどによって構成され、その表示画面は、複数の表示領域に分割され、それぞれの表示領域には、それぞれ異なる広告コンテンツが表示される。ちなみに、図1の例では、コンテンツ表示装置4の表示画面は、4つの表示領域、領域<1>〜<4>に分割されているとしている。また、ハードウエア的には、1つのコンテンツ表示装置4の表示画面が1つの液晶パネルなどで構成されている必要はなく、複数の液晶パネルなどで構成されていてもよい。
【0014】
カメラ41は、例えば、1秒間に数コマないし10数コマの画像を撮影可能なディジタルビデオカメラなどによって構成され、コンテンツ表示装置4に付属する形態で、コンテンツ表示装置4の表示画面の周辺位置に設けられ、コンテンツ表示装置4の前面側から見える風景を撮像する。従って、その撮像画像には、コンテンツ表示装置4の前面を通行する通行人71や、コンテンツ表示装置4に表示されている広告コンテンツを注視している注視者70などの姿が捉えられる。
【0015】
コンテンツ表示制御装置1は、コンテンツ表示装置4およびカメラ41に接続されたコンピュータによって構成され、コンテンツ表示装置4に対する広告コンテンツの表示を制御するとともに、カメラ41によって撮像された風景画像を取得して、その中に含まれる人の顔の向きなどを解析して、当該コンテンツ表示装置4に表示されている広告コンテンツを注視している注視者70に関する情報を取得する。なお、コンテンツ表示制御装置1の詳細な構成や機能については、以下、この明細書で順次説明していく。
【0016】
リモート監視装置5は、通信ネットワーク6を介して、コンテンツ表示制御装置1に接続されたパーソナルコンピュータなどによって構成され、全体システムのシステム管理者や広告コンテンツの広告主などが、コンテンツ表示装置4に表示されている広告コンテンツの注視状況を、実時間で監視するために用いられる。なお、リモート監視装置5を介してシステム管理者や広告主に提供される情報については、次に、図2を用いて詳しく説明する。
【0017】
さらに、図1に示すように、第1の実施形態に係るコンテンツ表示制御装置1は、カメラインタフェース部11、表示装置インタフェース部12、ネットワークインタフェース部13、処理部20、記憶部30などの機能ブロックによって構成される。
【0018】
ここで、処理部20は、ハードウエア的には、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、そのCPUが実行すべきプログラムが格納された図示しない記憶装置(RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク装置など)と、を含んで構成される。また、処理部20は、機能的には、注視者検知部21、注視度算出部22、目標注視度設定部23、差分注視度算出部24、表示スケジュール適正化部25、表示制御部26、注視情報提供部27、コンテンツ受信部28などの機能ブロックを含んで構成される。
【0019】
また、記憶部30は、図示しない記憶装置(RAM、フラッシュメモリ、ハードディスク装置など)によって構成され、その記憶装置の中に、注視者情報記憶部31、コンテンツ表示スケジュール記憶部32、目標注視度記憶部33、実績注視度記憶部34、差分注視度記憶部35、適正化表示スケジュール記憶部36、コンテンツ記憶部37などの記憶機能ブロックが構成される。
【0020】
なお、処理部20に含まれている機能ブロックの機能は、前記CPUが前記記憶装置に格納されている所定のプログラムを実行することによって実現される。従って、その動作主体は、前記CPUであるが、本明細書では、しばしば、これらの機能ブロックを主語として用いる場合がある。その場合には、例えば、「注視者検知部21が・・・する」という記載は、「CPUが、注視者検知部21のプログラムを実行することによって、・・・する」ことを意味するものとする。
【0021】
(2.注視者の検知)
次に、図2を参照して、注視者検知部21の機能について説明する。図2は、注視者検知部21の機能を説明する図であり、(a)は、コンテンツ表示装置4前面の風景のカメラ撮像画像の例、(b)は、注視者概略画像の例、(c)は、注視者数時間推移グラフの例である。
【0022】
注視者検知部21は、カメラインタフェース部11を介して、カメラ41で撮像されたコンテンツ表示装置4の前面側から見える風景のカメラ撮像画像(図2(a)参照)を取得し、そのカメラ撮像画像の中から人の顔を検出し、その顔の向きや目の瞳の位置を解析することによって、その人の視線方向を検出する。そして、その視線方向に基づき、その人がコンテンツ表示装置4を注視しているか否かを判定する。このような視線方向の検知技術は、公知技術であるので、詳細な説明を省略する。
【0023】
注視者検知部21は、カメラ撮像画像からコンテンツ表示装置4を注視している人(すなわち、注視者70)の顔を検知すると、その検知された人の顔の画像を、個人を特定することができない画像、例えば、概略形状を表す画像(以下、注視者概略画像という:図2(b)参照)を生成し、注視者情報記憶部31に格納する。さらに、注視者検知部21は、コンテンツ表示装置4に表示されている広告コンテンツごとに、その広告コンテンツを注視している注視者70の数をカウントする。
【0024】
ここで、注視者70とは、ある瞬間の1コマのカメラ撮像画像の中で、視線を当該コンテンツ表示装置4に向けている人のことをいう。ただし、本実施形態では、その人が、単に一瞥しただけなのか、興味があって注視したのかについては問題としない。また、注視者数とは、その1コマのカメラ撮像画像の中で、視線を当該コンテンツ表示装置4に向けている人(注視者70)の数をいう。また、その場合、注視者数は、注視者70がコンテンツ表示装置4に表示されている複数のコンテンツのうち、いずれのコンテンツを注視しているかを識別して、注視しているコンテンツごとにカウントされる。
【0025】
また、本実施形態では、カメラ撮像画像は、例えば、1秒間に5コマ取得されるが、注視者検知部21は、連続する複数のコマのカメラ撮像画像の中で、同一人が注視しているか否かについての判定を行わない。従って、ある時間範囲(例えば、1分間)に得られる複数のカメラ撮像画像を用いて注視者数をカウントした場合には、同一人が複数回カウントされることになる(すなわち、延べ人数)。そのため、一瞥した人は、例えば、1人としてしかカウントされないが、興味があって長く注視した人は、例えば、10人としてカウントされる。その結果、本実施形態でいう注視者数は、コンテンツ表示装置4に表示されている広告コンテンツの人気度という意味での注視度を計測する指標となっている。
【0026】
そこで、注視者検知部21は、例えば、1分ごとに、その1分間に撮像されるカメラ撮像画像のそれぞれから取得される注視者数を集計し、図2(c)に示すような注視者数の時間推移グラフを作成し、注視者情報記憶部31に格納する。さらに、本実施形態では、例えば、11時から12時までの1分ごとの注視者数を累積して、11時台という時間帯における注視者数を求める。そして、後記する実績注視度の算出においては、このような時間帯における注視者数を用いる。
【0027】
以上のようにして取得され、注視者情報記憶部31に格納された各コマの注視者概略画像および注視者数の時間推移グラフは、注視情報提供部27により、ネットワークインタフェース部13および通信ネットワーク6を介して、リモート監視装置5に送信される。リモート監視装置5は、各コマの注視者概略画像および注視者数の時間推移グラフを受信すると、その受信した各コマの注視者概略画像および注視者数の時間推移グラフを付属する表示装置51に表示する。従って、システムの管理者や広告主は、コンテンツ表示装置4に表示されている広告コンテンツの注視状況を、実時間で知ることができる。
【0028】
(3.広告コンテンツの表示)
図3は、コンテンツ表示スケジュール記憶部32に記憶されるコンテンツ表示スケジュールテーブル320の構成の例を示した図である。図3に示すように、コンテンツ表示スケジュールテーブル320の各欄には、それぞれの時間帯ごとに、コンテンツID欄で指定される広告コンテンツをコンテンツ表示装置4に表示するときの表示領域の大きさの割合(以下、表示領域分割比という:図3では、%表示)が格納される。
【0029】
ちなみに、図3の例によれば、10:00からは、広告コンテンツ“A”および広告コンテンツ“B”の2つの広告コンテンツが、表示領域分割比60%対40%の割合で、コンテンツ表示装置4に表示される。また、15:00からは、広告コンテンツ“C”および広告コンテンツ“D”の2つの広告コンテンツが、表示領域分割比が50%対50%の割合で、コンテンツ表示装置4に表示される。
【0030】
なお、図3の例では、コンテンツ表示装置4の1日の表示時間は、10:00〜20:00、また、時間帯の数は、10となっているが、その1日の表示時間や時間帯の数がこの例に限定されることはない。1日の表示時間が、例えば、6:00〜24:00などであってもよい。また、図3の例では、1つの時間帯の長さは、1時間であるが、その時間帯の長さが、2時間や3時間などであってもよい。
【0031】
表示制御部26(図1参照)は、コンテンツ表示スケジュール記憶部32に記憶されているコンテンツ表示スケジュールテーブル320から、それぞれの時間帯ごとのコンテンツIDおよび表示領域分割比を読み出し、それぞれの時間帯に、コンテンツIDで指定された広告コンテンツを、指定された表示領域分割比の大きさで、コンテンツ表示装置4に表示させる。
【0032】
以上のように、コンテンツ表示スケジュールテーブル320は、広告コンテンツ表示のいわば番組表といえるものである。従って、コンテンツ表示スケジュールテーブル320における広告コンテンツの時間配分や表示領域分割比には、例えば、「大きな広告効果を期待する広告コンテンツは、より長く、より大きく広告する」などといったシステム管理者や広告主の意思を入れ込むことができる。
【0033】
そこで、本実施形態では、システム管理者や広告主が、例えば、リモート監視装置5を介して、コンテンツ表示スケジュールテーブル320の内容を任意に設定可能なものであるとする。ただし、図1では、コンテンツ表示スケジュールテーブル320の内容を設定する機能ブロックの図示は、省略されている。
【0034】
また、広告コンテンツそのものも、システム管理者や広告主が任意に設定可能な情報である。そこで、ここでは、広告主などにより作成された広告コンテンツは、リモート監視装置5から通信ネットワーク6を介してコンテンツ表示制御装置1へ送信されるものとし、コンテンツ表示制御装置1には、コンテンツ受信部28が設けられている。すなわち、コンテンツ受信部28は、リモート監視装置5から送信される広告コンテンツを受信し、受信した広告コンテンツをコンテンツ記憶部37へ格納する。
【0035】
(4.目標注視度の設定および実績注視度の算出)
図4は、目標注視度記憶部33に記憶される目標注視度テーブル330の構成の例を示した図、図5は、実績注視度記憶部34に記憶される実績注視度テーブル340の構成の例を示した図である。
【0036】
図4に示すように、目標注視度テーブル330の各欄に格納される目標注視度は、コンテンツ表示スケジュールテーブル320によって指定されるそれぞれ広告コンテンツのそれぞれの時間帯における注視度の目標値を表した数値である。なお、図4における目標注視度は、全広告コンテンツおよび全時間帯についての目標注視度の総和が1(100%:図4では、%表示)になるように規格化されている。参考のために、図4には、目標注視度のコンテンツID別小計および時間帯別小計が示されている。
【0037】
ところで、広告コンテンツの画像などの特徴を除外すれば、注視度は、コンテンツ表示装置4における表示面積におおむね比例するとみなすことができる。そこで、本実施形態では、目標注視度設定部23が、コンテンツ表示スケジュールテーブル320に基づき、目標注視度テーブル330を設定するようにしている。なお、目標注視度設定部23における目標注視度設定の詳細な処理フローについては、別途、図7を参照して説明する。
【0038】
また、図5に示すように、実績注視度テーブル340の各欄に格納される実績注視度は、注視度算出部22により算出された実績注視度が格納される。このとき、注視度算出部22は、コンテンツ表示スケジュールテーブル320に従って所定の広告コンテンツが所定の時間帯にコンテンツ表示装置4に表示されたとき、実際に、注視者検知部21によって検知された注視者数を用いて、その実績注視度を算出する。
【0039】
すなわち、注視度算出部22は、広告コンテンツαの時間帯βにおける注視度G(α,β)を、次の式(1)に基づき算出する。
G(α,β)=N(α,β)/ΣΣN(α,β) 式(1)
ここで、注視者数N(α,β)は、注視者検知部21によって検知された時間帯βに広告コンテンツαを注視した注視者の数である。また、記号ΣΣは、すべてのαおよびβの組に対して、総和をとることを表す。
【0040】
なお、式(1)からも分かるように、実績注視度も、目標注視度と同様に、全広告コンテンツおよび全時間帯についての実績注視度の総和が1(100%:図5では、%表示)になるように規格化されている。また、参考のために、図5には、目標注視度のコンテンツID別小計および時間帯別小計が示されている。
【0041】
(5.表示スケジュールの適正化)
ここまでに説明してきたようにして、コンテンツ表示制御装置1は、あるコンテンツ表示スケジュールテーブル320に従って、所定の広告コンテンツを所定の時間帯にコンテンツ表示装置4に表示させるとともに、そのとき注視者検知部21および注視度算出部22によって、表示した広告コンテンツについての実績注視度を取得する。そのとき、その実績注視度が予定されていた目標注視度テーブル330の目標注視度と相違していた場合には、コンテンツ表示スケジュールテーブル320を修正して、実績注視度と目標注視度との相違を減ずるための処置が必要となる。本実施形態では、その相違を減ずるための処置を行う処理を表示スケジュール適正化処理と呼ぶ。
【0042】
図6は、適正化表示スケジュール記憶部36に記憶される適正化表示スケジュールテーブルの構成の例を示した図である。適正化表示スケジュールテーブル360の構成は、コンテンツ表示スケジュールテーブル320と同じである。適正化表示スケジュールテーブル360には、表示スケジュールの適正化によって適正化された新たなコンテンツ表示スケジュールが格納される。
【0043】
ちなみに、図4および図5の例では、ある1日のコンテンツ“A”の実績注視度は、目標注視度よりも10%大きく、コンテンツ“C”の実績注視度は、目標注視度よりも5%大きく、コンテンツ“D”の実績注視度は、目標注視度よりも15%小さい。そこで、表示スケジュールの適正化処理では、コンテンツ“A”および“C”の実績注視度を減ずるために、その表示時間や表示領域分割比を小さくする。そして、その結果は、図6に示されているように、14時台のコンテンツ“A”の表示は、コンテンツ“D”に差し替えられ、19時台のコンテンツ“C”および“D”の表示領域分割比が変更されている。
【0044】
以下、図7〜図11を新たに示し、また、図3〜図6を適宜参照しつつ、表示スケジュール適正化処理について説明する。表示スケジュール適正化処理は、表示スケジュール適正化部25(図1参照)によって行われる処理であるが、表示スケジュール適正化処理の前には、目標注視度設定部23および差分注視度算出部24による処理が行われる。
【0045】
図7は、目標注視度設定部23による目標注視度設定処理の処理フローの例を示した図である。前記したように、目標注視度設定処理は、コンテンツ表示スケジュールテーブル320から目標注視度テーブル330を生成する処理である。
【0046】
図7に示すように、コンテンツ表示制御装置1のCPU(以下、単に、CPUという)は、コンテンツ表示スケジュールテーブル320に含まれるコンテンツID[α]での繰り返しを開始し(ステップS11)、さらに、時間帯[β]での繰り返しを開始する(ステップS12)。そして、その繰り返しの中で、CPUは、コンテンツ表示スケジュールテーブル320の時間帯のデータから、時間帯分割比[a]を取得し(ステップS13)、さらに、コンテンツ表示スケジュールテーブル320からコンテンツID[α]、時間帯[β]における表示領域分割比[b]を取得する(ステップS14)。なお、図3のコンテンツ表示スケジュールテーブル320の例では、時間帯分割比[a]は、0.1である。
【0047】
続いて、CPUは、目標注視度[c]=[a]×[b]を算出し(ステップS15)、その算出した目標注視度[c]を、目標注視度テーブル330のコンテンツID[α]、時間帯[β]のデータとして登録する(ステップS16)。次に、CPUは、コンテンツID別小計[d]=[d]+[c]を算出し(ステップS17)、時間帯[β]での繰り返しの終了判定を行う(ステップS18)。
【0048】
なお、時間帯[β]での繰り返しの終了判定を行うとは、あらかじめ定められたすべての時間帯[β]のケースについて、所定の繰り返し処理が実行されたか否かを判定し、すべての時間帯[β]のケースについて実行済の場合には、当該繰り返しの処理を終了し、一方、実行未済の時間帯[β]のケースが残っている場合には、そのケースについて当該繰り返し処理を、再度、実行することを意味する。また、以下において、コンテンツID[α]での繰り返しの終了判定などという記載についても、その意味は同様である。
【0049】
CPUは、時間帯[β]での繰り返し処理を終了すると、目標注視度テーブル330のコンテンツID[α]のコンテンツID別小計として[d]を登録し(ステップS19)、コンテンツID[α]での繰り返し終了の判定を行い(ステップS20)、その後、目標注視度設定処理を終了する。
【0050】
図8は、差分注視度算出部24による差分注視度算出処理の処理フローの例を示した図である。また、図9は、差分注視度記憶部35に記憶される差分注視度テーブルの構成の例を示した図である。差分注視度算出処理は、目標注視度テーブル330と実績注視度テーブル340から差分注視度テーブル350を生成する処理である。図9に示すように、差分注視度テーブル350のレコードは、コンテンツID、時間帯、差分注視度の各欄により構成されている。
【0051】
図8に示すように、CPUは、まず、目標注視度テーブル330に含まれるコンテンツID[α]での繰り返しを開始し(ステップS31)、目標注視度テーブル330からコンテンツID[α]のコンテンツID別小計[d]を取得し(ステップS32)、実績注視度テーブル340からコンテンツID[α]のコンテンツID別小計[e]を取得する(ステップS33)。次に、CPUは、前記の小計同士の差分[f]=[e]−[d]を求め、その差分[f]が0より大きいか否かを判定する(ステップS34)。
【0052】
その判定の結果、差分[f]が0より大きかった場合には(ステップS34でYes)、CPUは、時間帯[β]での繰り返しを開始する(ステップS35)。CPUは、実績注視度テーブル340からコンテンツID[α]、時間帯[β]における実績注視度[g]を取得し(ステップS36)、前記の[f]が実績注視度[g]以上であるか否かを判定する(ステップS37)。
【0053】
ステップS37の判定で、[f]が実績注視度[g]以上であった場合には(ステップS37でYes)、CPUは、その時点でのコンテンツID[α]、時間帯[β]および実績注視度[g]を、差分注視度テーブル350に登録する(ステップS38)。さらに、CPUは、[f]=[f]−[g]を計算し(ステップS39)、時間帯[β]での繰り返し終了の判定を行う(ステップS40)。
【0054】
一方、ステップS37の判定で、[f]が実績注視度[g]より小さかった場合には(ステップS37でNo)、CPUは、その時点でのコンテンツID[α]、時間帯[β]および[f]を、差分注視度テーブル350に登録し(ステップS41)、時間帯[β]での繰り返しのループ(ステップS35〜S40)から脱出する。
【0055】
CPUは、ステップS34の判定の結果、差分[f]が0より大きくなかった場合には(ステップS34でNo)、ステップS34〜S40までの処理をスキップする。従って、ステップS34〜S42までの処理をスキップした場合、さらに、ステップS40またはステップS41を実行した場合には、コンテンツID[α]での繰り返し終了の判定を行い(ステップS40)、その後、差分注視度算出処理を終了する。
【0056】
図4の目標注視度テーブル330および図5の実績注視度テーブル340例の場合、以上に示した差分注視度算出処理によって、図9に示すような差分注視度テーブル350が得られる。図9の差分注視度テーブル350の例は、コンテンツ“A”については、14時台の差分注視度の10%が余剰であり、コンテンツ“C”については、19時台の差分注視度の5%が余剰であることを示している。なお、この場合、図8の差分注視度算出処理では、時間帯[β]の繰り返しは、19時台側から10時台側の方向へ順次行われたものとしている。
【0057】
図10は、表示スケジュール適正化部25による表示スケジュール適正化処理の処理フローの例を示した図である。表示スケジュール適正化処理は、差分注視度テーブル350を用いてコンテンツ表示スケジュールテーブル320を適正化し、適正化表示スケジュールテーブル360を生成する処理である。
【0058】
図10に示すように、CPUは、まず、コンテンツ表示スケジュールテーブル320の各欄のデータを全件読み出し、適正化表示スケジュールテーブル360の対応する欄にコピーする(ステップS51)。この処理は、適正化表示スケジュールテーブル360を初期化する処理である。
【0059】
次に、CPUは、コンテンツ表示スケジュールテーブル320に含まれるコンテンツID[α]での繰り返しを開始して(ステップS52)、目標注視度テーブル330からコンテンツID[α]のコンテンツID別小計[d]を取得し(ステップS53)、実績注視度テーブル340からコンテンツID[α]のコンテンツID別小計[e]を取得する(ステップS54)。次に、CPUは、前記の小計同士の差分[h]=[d]−[e]を求め、その差分[h]が0より大きいか否かを判定する(ステップS55)。
【0060】
その判定の結果、差分[h]が0より大きかった場合には(ステップS55でYes)、CPUは、時間帯[β]での繰り返しを開始し(ステップS56)、さらに、コンテンツID[γ]での繰り返しを開始する(ステップS57)。なお、コンテンツID[γ]は、コンテンツID[α]とは異なるパラメータである。
【0061】
次に、CPUは、差分注視度テーブル350からコンテンツID[γ]、時間帯[β]に該当する差分注視度[i]を取得する(ステップS58)。そのとき、該当する差分注視度[i]が存在した場合には(ステップS59でYes)、CPUは、表示領域分割比の移し替え処理を実行するが(ステップS60)、該当する差分注視度[i]が存在しなかった場合には(ステップS59でNo)、表示領域分割比の移し替え処理の実行(ステップS60)をスキップする。なお、表示領域分割比の移し替え処理については、別途、図11を参照して詳しく説明する。
【0062】
次に、CPUは、コンテンツID[γ]での繰り返し終了の判定を行い(ステップS61)、時間帯[β]での繰り返しの終了判定を行い(ステップS62)、さらに、コンテンツID[α]での繰り返し終了の判定を行い(ステップS63)、その後、表示スケジュール適正化処理を終了する。また、ステップステップS55の判定で、差分[h]が0より大きくなかった場合には(ステップS55でNo)、CPUは、コンテンツID[α]での繰り返し終了の判定を行い(ステップS63)、その後、表示スケジュール適正化処理を終了する。
【0063】
図11は、図10における表示領域分割比の移し替え処理の詳細な処理フローの例を示した図である。ここで、表示領域分割比の移し替え処理とは、目標注視度に比べて余剰の実績注視度を有するコンテンツの表示領域分割比を、目標注視度よりも実績注視度が不足しているコンテンツの表示領域分割比へ移し替える処理をいう。
【0064】
まず、表示領域分割比の移し替え処理が開始されるときには、差分注視度テーブル350からコンテンツID[γ]、時間帯[β]および差分注視度[i]が取得された状態にある。そこで、CPUは、まず、実績注視度テーブル340からコンテンツID[γ]、時間帯[β]における実績注視度[j]を取得し(ステップS71)、さらに、適正化表示スケジュールテーブル360からコンテンツID[γ]、時間帯[β]における表示領域分割比[k]を取得する(ステップS72)。
【0065】
次に、CPUは、ステップS55で算出した[h]がステップS58で取得した[i]以上であったか否かを判定し(ステップS73)、前記の[h]が[i]以上であった場合には(ステップS73でYes)、コンテンツID[γ]、時間帯[β]について移動対象の表示領域分割比[l]を、[l]=[k]×([i]/[j])の式により算出する(ステップS74)。そして、CPUは、差分注視度テーブル350からコンテンツID[γ]、時間帯[β]のレコードを削除する(ステップS75)。
【0066】
また、前記の[h]が[i]より小さかった場合には(ステップS73でNo)、CPUは、[i]=[i]−[h]を計算して(ステップS76)、[i]を更新し、さらに、その更新された[i]を用いて、差分注視度テーブル350のコンテンツID[γ]、時間帯[β]に対する実績注視度[i]を更新する(ステップS77)。続いて、CPUは、コンテンツID[γ]、時間帯[β]について移動対象の表示領域分割比[l]を、[l]=[k]×([h]/[j])の式により算出する(ステップS78)。
【0067】
ステップS75またはステップS78に続いて、CPUは、適正化表示スケジュールテーブル360からコンテンツID[α]、時間帯[β]における表示領域分割比[m]を取得し(ステップS79)、[m]=[m]+[l]を計算し(ステップS80)、適正化表示スケジュールテーブル360のコンテンツID[α]、時間帯[β]におけるデータとして[m]を登録する(ステップS81)。
【0068】
続いて、CPUは、適正化表示スケジュールテーブル360からコンテンツID[γ]、時間帯[β]における表示領域分割比[n]を取得し(ステップS82)、[n]= [n]−[l]を計算し(ステップS83)、適正化表示スケジュールテーブル360のコンテンツID[γ]、時間帯[β]におけるデータとして[n]を登録する(ステップS84)。
【0069】
以上の表示領域分割比の移し替え処理により、時間帯[β]における余剰の実績注視度を有するコンテンツ“γ”の表示領域分割比の一部または全部が、実績注視度が不足しているコンテンツ“α”の表示領域分割比に移し替えられたことになる。
【0070】
以上、本発明の第1の実施形態によれば、あるコンテンツ表示スケジュールテーブル320が与えられ、その内容で指定される複数の広告コンテンツがコンテンツ表示装置4に表示されたとき、実績注視度が目標注視度よりも大きい広告コンテンツの表示時間または表示面積が減ぜられ、実績注視度が目標注視度よりも小さい広告コンテンツの表示時間または表示面積が増加させられる適正化表示スケジュールテーブル360が生成される。
【0071】
この適正化表示スケジュールテーブル360は、翌日以降のコンテンツ表示スケジュールテーブル320として利用することができる。その場合には、いずれの広告コンテンツについての実績注視度も、当初の目標注視度と同程度になることが期待される。これは、システム管理者や広告主のそれぞれの広告コンテンツに対する広告の意図に沿うものであり、その意味で広告の効果が向上する。
【0072】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態では、コンテンツ表示制御装置1は、実績注視度が大きい広告コンテンツは、その実績注視度に応じて大きく表示し、実績注視度が小さい広告コンテンツは、その実績注視度に応じて小さく表示するような適正化表示スケジュールテーブル360を生成する。
【0073】
まず、図12〜図15を参照して、適正化表示スケジュールテーブル360を含め、第2の実施形態で用いられる各種テーブルの例について説明する。ここで、図12は、第2の実施形態に係るコンテンツ表示スケジュールテーブル320の構成の例を示した図、図13は、第2の実施形態に係る目標注視度テーブル330の構成の例を示した図、図14は、第2の実施形態に係る実績注視度テーブル340の構成の例を示した図、図15は、第2の実施形態に係る適正化表示スケジュールテーブル360の構成の例を示した図である。
【0074】
図12の例によれば、4つの広告コンテンツ“A”〜“D”は、それぞれ、コンテンツ表示装置4の表示画面の、表示領域分割比が同じになるように4分割された各領域に表示される。従って、いずれの広告コンテンツについても、各時間帯における表示面積は同じであるから、それぞれの目標注視度は、図13に示すように、いずれも同じとなる。そして、図12の例のコンテンツ表示スケジュールテーブル320に従って、広告コンテンツ“A”〜“D”がコンテンツ表示制御装置1に表示されたとき、図14の例に示すような実績注視度が得られたとする。
【0075】
この場合、その表示スケジュール適正化部25は、それぞれの広告コンテンツについて1日の注視度の合計、つまり、図14でいうコンテンツID別小計を求め、それぞれの広告コンテンツの各時間帯における表示領域分割比を、前記コンテンツID別小計に比例するように定める(実質的には、同じ値にする)。ちなみに、図14の例では、広告コンテンツ“A”〜“D”の実績注視度は、25%,35%,20%,20%であるから、それに合わせて、広告コンテンツ“A”〜“D”の表示領域分割比が25%,35%,20%,20%に定められることになる。
【0076】
第2の実施形態におけるコンテンツ表示制御装置1の構成は、基本的には、第1の実施形態におけるコンテンツ表示制御装置1と同じであるが、表示スケジュール適正化部25における表示スケジュール適正化処理の内容は、当然ながら相違する。また、表示スケジュール適正化処理の相違に関連して、一部省略可能なものもある。ちなみに、第2の実施形態では、差分注視度の算出は必要でないので、第2の実施形態に係るコンテンツ表示制御装置1は、図1のコンテンツ表示制御装置1から差分注視度算出部24および差分注視度記憶部35を省略したものであってもよい。
【0077】
続いて、表示スケジュール適正化部25による表示スケジュール適正化処理について説明する。図16は、第2の実施形態に係る表示スケジュール適正化処理の処理フローの例を示した図である。なお、表示スケジュール適正化処理の前には、目標注視度設定部23による目標注視度設定処理を行う必要があるが、その目標注視度設定処理は、第1の実施形態の場合(図7参照)と同じであるから、その説明を省略する。
【0078】
図16に示すように、表示スケジュール適正化処理では、CPUは、まず、コンテンツ表示スケジュールテーブル320の各欄のデータを全件読み出し、適正化表示スケジュールテーブル360の対応する欄にコピーする(ステップS91)。この処理は、適正化表示スケジュールテーブル360を初期化する処理である。
【0079】
次に、CPUは、コンテンツ表示スケジュールテーブル320に含まれるコンテンツID[α]での繰り返しを開始して(ステップS92)、目標注視度テーブル330からコンテンツID[α]のコンテンツID別小計[d]を取得し(ステップS93)、実績注視度テーブル340からコンテンツID[α]のコンテンツID別小計[e]を取得する(ステップS94)。
【0080】
次に、CPUは、[d](目標注視度のコンテンツID別小計)が[e](実質注視度のコンテンツID別小計)と異なっているか否かを判定する(ステップS95)。その判定の結果、[d]が[e]と異なっていた場合には(ステップS95でYes)、CPUは、時間帯[β]での繰り返しを開始して(ステップS96)、適正化表示スケジュールテーブル360のコンテンツID[α]、時間帯[β]におけるデータとして、[e]を登録した(ステップS97)後、時間帯[ベータ]での繰り返し終了の判定を行う(ステップS98)。
【0081】
次に、CPUは、ステップS98で、時間帯[ベータ]での繰り返し終了の判定で繰り返しが終了した場合、あるいは、ステップS95の判定で、[d]が[e]と同じであった場合には(ステップS95でNo)、コンテンツID[α]での繰り返し終了の判定を行い(ステップS99)、その後、表示スケジュール適正化処理を終了する。
【0082】
以上、本発明の第2の実施形態によれば、表示スケジュール適正化処理により適正化された適正化表示スケジュールテーブル360を、翌日以降のコンテンツ表示スケジュールテーブル320として利用した場合には、実績注視度が大きい広告コンテンツは、その実績注視度に応じて大きく表示され、実績注視度が小さい広告コンテンツは、その実績注視度に応じて小さく表示さるようになる。従って、人気のある広告コンテンツは、より大きく表示されることになるので、全体としての広告コンテンツの注視者数の増加を期待することができ、広告の効果が向上する。
【0083】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態では、コンテンツ表示制御装置1は、コンテンツ表示装置4に表示されるそれぞれの広告コンテンツの実績注視度を取得し、実績注視度が大きかった広告コンテンツの表示領域と、実績注視度が小さかった広告コンテンツの表示領域とを互いに入れ替えるようにして、適正化表示スケジュールテーブル360を生成する。すなわち、第3の実施形態では、実績注視度は、表示領域の位置に依存するものと仮定し、実績注視度が平準化されるように、その実績注視度に応じて広告コンテンツの表示領域の位置を変更する。
【0084】
まず、第3の実施形態で用いられる各種テーブルの例について説明する。ここで、図17は、第3の実施形態に係るコンテンツ表示スケジュールテーブル320の構成の例を示した図、図18は、第3の実施形態に係る実績注視度テーブル340の構成の例を示した図、図19は、第3の実施形態に係る適正化表示スケジュールテーブル360の構成の例を示した図である。なお、第3の実施形態では、目標注視度テーブル330は、用いられない。
【0085】
第3の実施形態では、図17に示すように、コンテンツ表示スケジュールテーブル320の各欄には、それぞれの広告コンテンツの表示領域分割比ではなく、それぞれの広告コンテンツの表示領域の位置が格納されている。図17のコンテンツ表示スケジュールテーブル320の例によれば、広告コンテンツ“A”〜“D”は、各時間帯において、それぞれ領域<1>〜<4>に表示される。そして、そのコンテンツ表示スケジュールテーブル320に従って、広告コンテンツ“A”〜“D”がコンテンツ表示制御装置1に表示されたとき、図18の実績注視度テーブル340の例に示された実績注視度が得られたものとする。
【0086】
本実施形態の場合、表示スケジュール適正化処理では、各時間帯について、広告コンテンツIDを実績注視度の降順にソートし、そのとき対応付けられている広告コンテンツと表示領域の対応関係を、前記降順とは逆の順序に入れ替える形で反転させる。例えば、図18の19時台の実績注視度の降順にコンテンツIDをソートすると、“B”,“D”,“A”,“C”の順となる。このとき、広告コンテンツ“B”,“D”,“A”,“C”は、それぞれ、領域<2>,<4>,<1>,<3>に表示されている。そこで、表示スケジュール適正化処理では、広告コンテンツ“B”,“D”,A”,“C”の表示領域が、領域<3>,<1>,<4>,<2>になるように入れ替える。その結果は、図19に反映されている通りである。
【0087】
なお、本実施形態では、各領域の大きさは、あらかじめ定められた大きさに固定されたものとする。その場合、各領域の大きさは、すべて同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
【0088】
第3の実施形態におけるコンテンツ表示制御装置1の構成は、基本的には、第3の実施形態におけるコンテンツ表示制御装置1と同じであるが、表示スケジュール適正化部25における表示スケジュール適正化処理の内容は、当然ながら相違する。また、第3の実施形態では、目標抽出度の設定処理および差分注視度の算出処理は必要でないので、第3の実施形態に係るコンテンツ表示制御装置1は、図1のコンテンツ表示制御装置1から、目標注視度設定部23、差分注視度算出部24、目標注視度記憶部33および差分注視度記憶部35を省略したものであってもよい。
【0089】
続いて、図20〜図23を参照して、第3の実施形態における表示スケジュール適正化部25による表示スケジュール適正化処理について説明する。ここで、図20は、第3の実施形態に係る表示スケジュール適正化処理の処理フロー(前半部)の例を示した図、図21は、第3の実施形態に係る表示スケジュール適正化処理の処理フロー(後半部)の例を示した図、図22は、第3の実施形態に係る表示スケジュール適正化処理で用いられる注視度順位テーブルおよび実績注視度作業テーブルの構成の例を示した図である。
【0090】
図20に示すように、表示スケジュール適正化処理では、CPUは、まず、コンテンツ表示スケジュールテーブル320の各欄のデータを全件読み出し、適正化表示スケジュールテーブル360の対応する欄にコピーする(ステップS101)。この処理は、適正化表示スケジュールテーブル360を初期化する処理である。
【0091】
次に、CPUは、コンテンツ表示スケジュールテーブル320に含まれる時間帯[β]での繰り返しを開始し(ステップS102)、さらに、コンテンツID[α]での繰り返しを開始する(ステップS103)。そして、CPUは、実績注視度テーブル340から時間帯[β]のコンテンツID[α]、実績注視度[g]を取得し(ステップS104)、そのときの時間帯[β]、コンテンツID[α]、および、実績注視度[g]を実績注視度作業テーブル381に格納し(ステップS105)、コンテンツID[α]での繰り返し終了の判定を行う(ステップS106)。
【0092】
ここで、実績注視度作業テーブル381は、一時的に記憶部30に記憶される作業テーブルであるが、図22(b)に示すように、各レコードは、時間帯、コンテンツIDおよび実績注視度の項目を有する。従って、コンテンツID[α]での繰り返し処理(ステップS102〜S106)により、コンテンツID[α]の数のレコードが作成される。
【0093】
次に、CPUは、実績注視度作業テーブル381のデータを実績注視度[g]の降順にソートし(ステップS107)、そのソートした実績注視度作業テーブル381のデータを注視度順位テーブル380に登録し(ステップS108)、時間帯[β]での繰り返しの終了判定を行う(ステップS109)。
【0094】
ここで、注視度順位テーブル380は、図22(a)に示すように、実績注視度作業テーブル381のデータが実績注視度の降順にソートされ、順位の項目が付加されただけのテーブルである。ただし、注視度順位テーブル380は、それぞれ時間帯[β]ごとに作成される。
【0095】
続いて、図21に示すように、CPUは、時間帯[β]での繰り返しを開始し(ステップS110)、上位側の順位を表すパラメータ[p]に、1を設定し(すなわち、[p]=1:ステップS111)、下位側の順位を表すパラメータ[q]に、[r]を設定する(すなわち、[q]=[r]:ステップS112)。ここで、[r]は、コンテンツID[α]の数であり、ここでの例では、[r]=4である。
【0096】
次に、CPUは、注視度順位テーブル380から、時間帯[β]、順位[p]に対するコンテンツID[γ]、実績注視度[u]を取得し(ステップS113)、さらに、注視度順位テーブル380から、時間帯[β]、順位[q]に対するコンテンツID[δ]、実績注視度[v]を取得し(ステップS114)、実績注視度[u]が実績注視度[v]より大きいか否かを判定する(ステップS115)。
【0097】
その判定の結果、実績注視度[u]が実績注視度[v]より大きかった場合には(ステップS115でYes)、CPUは、適正化表示スケジュールテーブル360から、時間帯[β]、コンテンツID[γ]における領域ID[x]を取得し(ステップS116)、さらに、適正化表示スケジュールテーブル360から、時間帯[β]、コンテンツID[δ]における領域ID[y]を取得する(ステップS117)。
【0098】
次に、CPUは、適正化表示スケジュールテーブル360における時間帯[β]、コンテンツID[γ]に対する領域IDのデータとして[y]を登録し(ステップS118)、さらに、適正化表示スケジュールテーブル360における時間帯[β]、コンテンツID[δ]に対する領域IDのデータとして[x]を登録する(ステップS119)。すなわち、ここでは、実績注視度が上位側の広告コンテンツの表示領域と、実績注視度が下位側の広告コンテンツの表示領域と、を互いに入れ替える処理をしている。
【0099】
次に、CPUは、パラメータ[p]から1を加算し(すなわち、[p]=[p]+1:ステップS120)、パラメータ[q]に1を減じ(すなわち、[q]=[q]−1:ステップS121)、さらに、パラメータ[p]がパラメータ[q]より大きいか否かを判定する(ステップS122)。
【0100】
その判定の結果、パラメータ[p]がパラメータ[q]より大きくなかった場合には(ステップS122でNo)、CPUは、その処理をステップS113に戻し、ステップS113以下の処理を、再度実行する。また、パラメータ[p]がパラメータ[q]より大きかった場合(ステップS122でYes)、または、ステップS115の判定で、実績注視度[u]が実績注視度[v]より大きくなかった場合(ステップS115でNo)には、CPUは、時間帯[β]での繰り返しの終了判定を行い(ステップS123)、その後、表示スケジュール適正化処理を終了する。
【0101】
以上、本発明の第3の実施形態によれば、表示スケジュール適正化処理により適正化された適正化表示スケジュールテーブル360を、翌日以降のコンテンツ表示スケジュールテーブル320として利用した場合には、実績注視度が小さかった表示領域に表示された広告コンテンツは、実績注視度が大きかった広告コンテンツが表示された表示領域に表示され、逆に、実績注視度が大きかった表示領域に表示された広告コンテンツは、実績注視度が小さかった広告コンテンツが表示された表示領域に表示されるので、それぞれの広告コンテンツの実績注視度は、平準化されることになる。従って、全体としての広告コンテンツの実績注視度(注視者数)の増加を期待することができ、広告の効果が向上する。
【0102】
<実施形態の変形例>
本発明は、以上に説明した第1〜第3の実施形態を様々に変形することができる。
第1〜第3の実施形態では、コンテンツ制御装置1は、広告コンテンツの注視度に応じて、広告コンテンツの表示領域の大きさや位置を変える制御を行っているが、その制御方法に代えて、広告コンテンツの注視度に応じて、例えば、広告コンテンツの表示領域の明るさや、色調、コントラストなどを変えるような制御を行ってもよい。また、コンテンツ制御装置1は、注視度がきわめて小さい広告コンテンツの表示を停止するなどの制御を行ってもよい。
【0103】
また、以上に説明した第1〜第3の実施形態では、コンテンツ表示装置4は、1つの地点に設置された一体型の表示装置であることが暗黙裡に想定されているが、その想定に限定される必要はない。コンテンツ表示装置4が複数の表示装置で構成され、しかも、その複数の表示装置がそれぞれ異なる地点に設けられたものであってもよい。その場合には、それぞれの地点に設けられた1つの表示装置が、第1〜第3の実施形態でいう1つの表示領域に相当する。
【符号の説明】
【0104】
1 コンテンツ表示制御装置
4 コンテンツ表示装置
5 リモート監視装置
6 通信ネットワーク
11 カメラインタフェース部
12 表示装置インタフェース部
13 ネットワークインタフェース部
20 処理部
21 注視者検知部(注視者検知手段)
22 注視度算出部(注視度算出手段)
23 目標注視度設定部
24 差分注視度算出部
25 表示スケジュール適正化部(表示スケジュール適正化手段)
26 表示制御部(表示制御手段)
27 注視情報提供部(注視者情報提供手段)
28 コンテンツ受信部
30 記憶部
31 注視者情報記憶部
32 コンテンツ表示スケジュール記憶部(コンテンツ表示スケジュール記憶手段)
33 目標注視度記憶部
34 実績注視度記憶部
35 差分注視度記憶部
36 適正化表示スケジュール記憶部
37 コンテンツ記憶部
41 カメラ
51 表示装置
70 注視者
71 通行人
100 コンテンツ表示システム
320 コンテンツ表示スケジュールテーブル
330 目標注視度テーブル
340 実績注視度テーブル
350 差分注視度テーブル
360 適正化表示スケジュールテーブル
380 注視度順位テーブル
381 実績注視度作業テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示領域にそれぞれ広告コンテンツを表示するコンテンツ表示装置に接続されたコンピュータにより、前記コンテンツ表示装置におけるコンテンツ表示を制御するコンテンツ表示制御方法であって、
前記コンピュータは、
所定の時間帯ごとに前記コンテンツ表示装置に表示する広告コンテンツの表示領域の大きさおよび表示領域の位置の少なくとも一方を定めたコンテンツ表示スケジュールを記憶したコンテンツ表示スケジュール記憶手段を備え、
前記コンピュータは、
前記コンテンツ表示スケジュール記憶手段に記憶されたコンテンツ表示スケジュールに従って、前記広告コンテンツを前記コンテンツ表示装置に表示する表示制御処理と、
前記コンテンツ表示装置に付属するカメラにより撮像された前記コンテンツ表示装置の前面側からの風景画像を取得し、その取得した風景画像の中から、前記コンテンツ表示装置に表示されたそれぞれの広告コンテンツを注視する注視者を、それぞれの広告コンテンツごとに検知する注視者検知処理と、
所定の時間帯ごとに前記注視者検知処理によって検知された前記それぞれの広告コンテンツの注視者数に基づき、前記それぞれの広告コンテンツの実績注視度を算出する注視度算出処理と、
前記注視度算出処理によって算出された前記時間帯ごとの前記それぞれの広告コンテンツの実績注視度に応じて、前記コンテンツ表示スケジュールにおける前記時間帯ごとの前記それぞれの広告コンテンツの表示領域の大きさおよび表示領域の位置の少なくとも一方を変更した適正化表示スケジュールを作成する表示スケジュール適正化処理と、
を実行すること
を特徴とするコンテンツ表示制御方法。
【請求項2】
前記コンピュータは、前記表示スケジュール適正化処理では、
前記それぞれの広告コンテンツごとに、前記注視度算出処理によって算出された前記時間帯ごとの実績注視度の1日の合計があらかじめ定められた目標の合計と同じであるか否かを判定し、
前記実績注視度の1日の合計が前記目標の合計よりも大きい広告コンテンツについて、少なくとも1つの時間帯におけるその広告コンテンツの表示領域の大きさを減少させ、かつ、前記実績注視度の1日の合計が前記目標の合計よりも小さい広告コンテンツについて、少なくとも1つの時間帯におけるその広告コンテンツの表示領域の大きさを増加させ、
前記表示領域の減少および増加により補正した前記それぞれの広告コンテンツの実績注視度の1日の合計が前記あらかじめ定められた目標の合計と同じになるように、前記広告コンテンツの表示領域の大きさの増加量および減少量を定め、前記適正化表示スケジュールを作成すること
を特徴とする請求項1に記載のコンテンツ表示制御方法。
【請求項3】
前記コンピュータは、前記表示スケジュール適正化処理では、
前記注視度算出処理によって算出された前記時間帯ごとの前記それぞれの広告コンテンツの実績注視度の1日の合計の割合に応じて、前記時間帯ごとに表示する前記それぞれの広告コンテンツの表示領域の大きさの割合を算出し、
前記算出した前記時間帯ごとに表示する前記それぞれの広告コンテンツの表示領域の大きさの割合に基づき、前記適正化表示スケジュールを作成すること
を特徴とする請求項1に記載のコンテンツ表示制御方法。
【請求項4】
前記コンピュータは、前記表示スケジュール適正化処理では、
前記時間帯ごとに、前記注視度算出処理によって算出された前記それぞれの広告コンテンツの実績注視度の降順に前記広告コンテンツをソートし、前記ソートされた広告コンテンツと、そのそれぞれの広告コンテンツが表示された表示領域の領域IDと、を互いに逆の順序で対応付け、
前記時間帯ごとに、前記それぞれの広告コンテンツの表示領域を、前記逆の順序で対応付けられた表示領域に変更して、前記適正化表示スケジュールを作成すること
を特徴とする請求項1に記載のコンテンツ表示制御方法。
【請求項5】
複数の表示領域にそれぞれ広告コンテンツを表示するコンテンツ表示装置に接続され、前記コンテンツ表示装置におけるコンテンツ表示を制御するコンテンツ表示制御装置であって、
所定の時間帯ごとに前記コンテンツ表示装置に表示する広告コンテンツの表示領域の大きさおよび表示領域の位置の少なくとも一方を定めたコンテンツ表示スケジュールを記憶したコンテンツ表示スケジュール記憶手段と、
前記コンテンツ表示スケジュール記憶手段に記憶されたコンテンツ表示スケジュールに従って、前記コンテンツを前記コンテンツ表示装置に表示する表示制御手段と、
前記コンテンツ表示装置に付属するカメラにより撮像された前記コンテンツ表示装置の前面側からの風景画像を取得し、その取得した風景画像の中から、前記コンテンツ表示装置に表示されたそれぞれの広告コンテンツを注視する注視者を、それぞれの広告コンテンツごとに検知する注視者検知手段と、
所定の時間帯ごとに前記注視者検知手段によって検知された前記それぞれの広告コンテンツの注視者数に基づき、前記それぞれの広告コンテンツの実績注視度を算出する注視度算出手段と、
前記注視度算出手段によって算出された前記時間帯ごとの前記それぞれの広告コンテンツの実績注視度に応じて、前記コンテンツ表示スケジュールにおける前記時間帯ごとの前記それぞれの広告コンテンツの表示領域の大きさおよび表示領域の位置の少なくとも一方を変更した適正化表示スケジュールを作成する表示スケジュール適正化手段と、
を備えたこと
を特徴とするコンテンツ表示制御装置。
【請求項6】
前記表示スケジュール適正化手段は、
前記それぞれの広告コンテンツごとに、前記注視度算出手段によって算出された前記時間帯ごとの実績注視度の1日の合計があらかじめ定められた目標の合計と同じであるか否かを判定し、
前記実績注視度の1日の合計が前記目標の合計よりも大きい広告コンテンツについて、少なくとも1つの時間帯におけるその広告コンテンツの表示領域の大きさを減少させ、かつ、前記実績注視度の1日の合計が前記目標の合計よりも小さい広告コンテンツについて、少なくとも1つの時間帯におけるその広告コンテンツの表示領域の大きさを増加させ、
前記表示領域の減少および増加により補正した前記それぞれの広告コンテンツの実績注視度の1日の合計が前記あらかじめ定められた目標の合計と同じになるように、前記広告コンテンツの表示領域の大きさの増加量および減少量を定め、前記適正化表示スケジュールを作成すること
を特徴とする請求項5に記載のコンテンツ表示制御装置。
【請求項7】
前記表示スケジュール適正化手段は、
前記注視度算出手段によって算出された前記時間帯ごとの前記それぞれの広告コンテンツの実績注視度の1日の合計の割合に応じて、前記時間帯ごとに表示する前記それぞれの広告コンテンツの表示領域の大きさの割合を算出し、
前記算出した前記時間帯ごとに表示する前記それぞれの広告コンテンツの表示領域の大きさの割合に基づき、前記適正化表示スケジュールを作成すること
を特徴とする請求項5に記載のコンテンツ表示制御装置。
【請求項8】
前記表示スケジュール適正化手段は、
前記時間帯ごとに、前記注視度算出手段によって算出された前記それぞれの広告コンテンツの実績注視度の降順に前記広告コンテンツをソートし、前記ソートされた広告コンテンツと、そのそれぞれの広告コンテンツが表示された表示領域の領域IDと、を互いに逆の順序で対応付け、
前記時間帯ごとに、前記それぞれの広告コンテンツの表示領域を、前記逆の順序で対応付けられた表示領域に変更して、前記適正化表示スケジュールを作成すること
を特徴とする請求項5に記載のコンテンツ表示制御装置。
【請求項9】
複数の表示領域にそれぞれ広告コンテンツを表示するコンテンツ表示装置と、
前記コンテンツ表示装置に付属する位置に設置され、前記コンテンツ表示装置の前面側からの風景を撮像するカメラと、
前記コンテンツ表示装置および前記カメラに接続され、前記コンテンツ表示装置におけるコンテンツ表示を制御するコンテンツ表示制御装置と、
を含んで構成されたコンテンツ表示システムであって、
前記コンテンツ表示制御装置は、
所定の時間帯ごとに前記コンテンツ表示装置に表示する広告コンテンツの表示領域の大きさおよび表示領域の位置の少なくとも一方を定めたコンテンツ表示スケジュールを記憶したコンテンツ表示スケジュール記憶手段と、
前記コンテンツ表示スケジュール記憶手段に記憶されたコンテンツ表示スケジュールに従って、前記コンテンツを前記コンテンツ表示装置に表示する表示制御手段と、
前記コンテンツ表示装置に付属するカメラにより撮像された前記コンテンツ表示装置の前面側からの風景画像を取得し、その取得した風景画像の中から、前記コンテンツ表示装置に表示されたそれぞれの広告コンテンツを注視する注視者を、それぞれの広告コンテンツごとに検知する注視者検知手段と、
所定の時間帯ごとに前記注視者検知手段によって検知された前記それぞれの広告コンテンツの注視者数に基づき、前記それぞれの広告コンテンツの実績注視度を算出する注視度算出手段と、
前記注視度算出手段によって算出された前記時間帯ごとの前記それぞれの広告コンテンツの実績注視度に応じて、前記コンテンツ表示スケジュールにおける前記時間帯ごとの前記それぞれの広告コンテンツの表示領域の大きさおよび表示領域の位置の少なくとも一方を変更した適正化表示スケジュールを作成する表示スケジュール適正化手段と、
を備えたこと
を特徴とするコンテンツ表示システム。
【請求項10】
前記コンテンツ表示制御装置に通信ネットワークを介して接続されたリモート監視装置を、さらに、含んで構成され、
前記コンテンツ表示制御装置は、
前記注視者検知手段によって検出された注視者の概略形状を表す画像および前記注視者数の少なくとも一方を含んだ情報を、前記通信ネットワークを介して前記リモート監視装置に提供する注視者情報提供手段
を備えたこと
を特徴とする請求項9に記載のコンテンツ表示システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2012−47945(P2012−47945A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189557(P2010−189557)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000004569)日本たばこ産業株式会社 (406)
【Fターム(参考)】