説明

コンデンサ、その製造方法及び製造プログラム

【課題】ケースとコンデンサ素子との固定性を高め、振動によるコンデンサ特性の劣化を防止する。
【解決手段】コンデンサ素子2と、前記コンデンサ素子と一体とした封口体20と、前記コンデンサ素子を収めるケース(外装ケース36)とを備え、前記ケースは、前記コンデンサ素子の素子径に応じ、前記コンデンサ素子に一定圧力を付与した単一または複数の第1の加締め部44とを備えることにより前記コンデンサ素子を固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解コンデンサや電気二重層コンデンサなどのコンデンサ、その製造方法及び製造プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電解コンデンサや電気二重層コンデンサなどのコンデンサでは、コンデンサ素子がケースに実装されている。車載などの機器に搭載される場合、コンデンサの電極端子が装置内回路に接続され、ケースがシャーシや装置筐体に固定されるのが一般的である。このような接続構造や固定構造が採用されても、搭載装置からの振動を受けると、コンデンサ素子がケース内で揺動するおそれがある。
【0003】
このため、車載用など振動を伴う用途では、振動対策としてコンデンサ素子をケースに固定することが重要である。たとえば、ケースを加締め、コンデンサ素子を押圧状態に保持するなどの方法が用いられている。
【0004】
コンデンサ素子とケースとの固定について、特許文献1には、コンデンサ素子の側面の5%以上の面積の箇所に接触する突起をケースの内面に設けることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−22177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、車載用など振動を伴う用途に向けられたコンデンサでは、コンデンサ素子と封口体とをレーザや電子ビームなどにより一体化し、耐振性が高められた構造(耐震構造)が採用されている。つまり、コンデンサ素子と封口体とを一体化した耐震構造では、コンデンサ素子と封口体にある電極端子とを集電板などの薄板を介してレーザや電子ビームで接続しているので、振動に強い構造となる。しかし、この耐震構造では、コンデンサ素子と封口体との中心位置がずれている場合には、ケースの中心と素子中心との間にずれが生じる。このずれがコンデンサ素子とケースとの間に空間を生じさせ、振動を受けると、ケース内でコンデンサ素子が揺動するおそれがある。
【0007】
ケース内にコンデンサ素子を固定するためにケースの側面を一定圧力で加締めても、ケース中心と素子中心との間にずれがあると、ケースからコンデンサ素子に加えられる圧力は周面で均一にはならず、部分的に固定強度が変化してしまう。この場合、振動を受けた際にケース内でコンデンサ素子が揺動することを防止できない。
【0008】
また、コンデンサ素子と封口体が一体化された耐震構造では、振動が加わると、封口体にある電極端子とコンデンサ素子との接続部やコンデンサ素子に負荷がかかり、内部抵抗の上昇やESR特性の悪化の原因になる。振動の影響は、コンデンサ素子の封口体近傍で顕著となる。
【0009】
また、ケース内に設けられた複数の突起をコンデンサ素子に接触させた構成(特許文献1)では、ケースに加わる振動がケース内の突起とコンデンサ素子との間に応力を生じさせる。また、突起に接触していない箇所との間に応力差が生じる場合もある。このような保持構造では、許容限度を超える応力が突起とコンデンサ素子との間に加わると、突起によってコンデンサ素子を損傷するおそれがある。
【0010】
そこで、本発明のコンデンサ、その製造方法および製造プログラムの目的は、ケースとコンデンサ素子との固定性を高め、振動によるコンデンサ特性の劣化を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明のコンデンサは、コンデンサ素子と、前記コンデンサ素子と一体とした封口体と、前記コンデンサ素子を収めるケースとを備え、前記ケースは、前記コンデンサ素子の素子径に応じ、前記コンデンサ素子に一定圧力を付与した単一または複数の第1の加締め部とを備えることにより前記コンデンサ素子を固定する。
【0012】
上記コンデンサにおいて好ましくは、さらに、ケース側面に一定圧力が付与された単一または複数の第2の加締め部を備え、前記第1の加締め部は前記封口体側のケース側面に設定してもよい。
【0013】
上記コンデンサにおいて好ましくは、前記第1の加締め部により加締められる前記外装ケースの加締め量が0.05〜3.0〔mm〕であってもよい。
【0014】
上記コンデンサにおいて好ましくは、前記第1の加締め部及び前記第2の加締め部は、前記コンデンサ素子の周面に設置されている緊締部材上のケース位置に形成されてもよい。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明のコンデンサの製造方法は、封口体と一体化したコンデンサ素子の素子径を測定する工程と、前記コンデンサ素子をケースに収める工程と、前記素子径に応じて前記コンデンサ素子に一定圧力を付与する第1の加締め部を前記ケースに形成する工程とを含んでいる。
【0016】
上記コンデンサの製造方法において好ましくは、前記素子径はコンデンサ素子の所定角度を単位として設定し、該所定角度に応じて前記第1の加締め部の加締め量を加減してもよい。
【0017】
上記コンデンサの製造方法において好ましくは、前記素子径は、前記コンデンサ素子の最大径部を基準に所定角度を単位として設定してもよい。
【0018】
上記コンデンサの製造方法において好ましくは、前記コンデンサ素子の前記所定角度の半径に対し、前記外装ケースの前記加締め部の前記コンデンサ素子に対する圧入量を0.05〜1.0〔mm〕としてもよい。
【0019】
上記コンデンサの製造方法において好ましくは、さらに、前記コンデンサ素子に電解液を含浸する工程とを含み、該工程は、前記素子径の測定の後に行ってもよい。
【0020】
本発明のコンデンサの製造プログラムは、コンピュータによって実行されるコンデンサの製造プログラムであって、コンデンサ素子の素子径を測定する測定器から素子径データを取得する機能と、前記素子径データを用いることにより、前記コンデンサ素子が収められたケースの加締め量を算出する機能とを前記コンピュータにより実行する構成である。
【発明の効果】
【0021】
本発明のコンデンサ、その製造方法または製造プログラムによれば、次のいずれかの効果が得られる。
【0022】
(1) ケースとコンデンサ素子との固定性を高め、振動によるコンデンサ特性の劣化を防止することができる。
【0023】
(2) 素子への一定圧力による加締めを封口体側に位置させることで、加締めた際の封口体とコンデンサ素子との接続部への機械的ストレスが低減できる。
【0024】
(3) 上記封口体側の素子一定圧力による加締めによって固定されているため、コンデンサ底面側においては、ケースに対する一定圧力による加締めを行うことができる。
【0025】
(4) コンデンサ素子に対する一定圧力による加締めの追い込み量を素子径に応じて制御するので、外装ケースの加締めによるコンデンサ素子への影響を抑えまたは低くでき、漏れ電流が上昇するなどの不具合を防止できる。
【0026】
そして、本発明の他の目的、特徴及び利点は、添付図面及び各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】コンデンサの製造工程の一例を示すフローチャートである。
【図2】ケース収納前のコンデンサ素子の一例を示す図である。
【図3】コンデンサ素子の端子接続構造を示す分解斜視図である。
【図4】素子径の測定を示す図である。
【図5】縦加締め後のコンデンサを示す断面図である。
【図6】横加締め後のコンデンサを示す断面図である。
【図7】第1の加締め部の加締め前後を示す図である。
【図8】第2の加締め部の加締め前後を示す図である。
【図9】コンデンサの製造システムの一例を示す図である。
【図10】素子径データの処理の一例を示す図である。
【図11】素子径データの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】横加締め処理の一例を示す図である。
【図13】素子径データの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明のコンデンサ及びその製造方法の一実施形態について、図1を参照する。図1は電気二重層コンデンサ(以下単に「コンデンサ」と称する)の製造工程の一例を示している。図1に示す構成は一例であって、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
【0029】
図1に示す製造工程ではコンデンサ素子2の巻回を行う(ステップS11)。この巻回工程では、コンデンサ素子2の素子端面14に素子電極16A、16Bを形成する。この素子電極16A、16Bは、陽極側の電極箔4と、陰極側の電極箔6とを素子端面14上の異なる位置に電極張出し部として露出させ、各電極張出し部を圧縮、成形して素子電極に生成させる。
【0030】
コンデンサ素子2の素子端面14に生成した素子電極16A、16Bに集電板18A、18Bを溶接し(ステップS12)、この集電板18A、18Bに封口体20にある電極端子22A、22Bを溶接し、コンデンサ素子2と封口体20とを一体化する(ステップS13)。封口体20は、コンデンサ素子2が収められた外装ケース36を封口する部材であり、既述の電極端子22A、22Bが取り付けられている。封口体20は絶縁性合成樹脂の成形体であり、該樹脂に電極端子22A、22Bがインサート成形されている。
【0031】
このように、封口体20と一体化されたコンデンサ素子2の素子径を測定する(ステップS14)。この測定により素子径データを取得する。
【0032】
この素子径データを取得した後、コンデンサ素子2に電解液を含浸し(ステップS15)、ケースにコンデンサ素子2を収納し、外装ケース36の縦加締めを行う(ステップS16)。この外装ケース36の縦加締めは、封口体20が取り付けられた外装ケース36のケース縁部をカーリング処理してケース封止を行う加締めである。
【0033】
そして、素子径データを参照し、外装ケース36に対する横加締めを行い、コンデンサを完成する。この横加締めでは、第1の加締め部44及び第2の加締め部46A、46Bを外装ケース36に設定し、第1の加締め部44はコンデンサ素子2の素子径に応じ、コンデンサ素子2に一定圧力を付与した加締めである。また、第2の加締め部46A、46Bはケース側面に一定圧力が付与された単一または複数の加締めである。この加締めによる外装ケース36の変形量を加締め量とし、この加締めによってコンデンサ素子2に圧入される外装ケース36の圧入の大きさを圧入量と称する。
【0034】
斯かる構成では、電解液の含浸前に得た素子径データに基づき、コンデンサ素子2が封入された外装ケース36を加締めている。第1の加締め部44では、封口体20の近傍でコンデンサ素子2に一定圧力を付与する加締め、第2の加締め部46A、46Bでは、第1の加締め部44でコンデンサ素子2が外装ケース36に固定された後、ケース側面に一定圧力を付与する加締めであり、コンデンサ素子2に過大な負荷を掛けることなく、外装ケース36に保持させることができ、耐振性に優れたコンデンサ42を製造することができる。
【0035】
コンデンサ素子2の巻回、素子電極16A、16Bと集電板18A、18Bの溶接、及び集電板18A、18Bと電極端子22A、22Bとの溶接(図1のステップS11ないしステップS13)について、図2を参照する。図2はケースに収納する前のコンデンサ素子の一例を示している。
【0036】
コンデンサ素子2は、陽極箔4と陰極箔6をセパレータ8、10を挟み込んで巻回し、周面部の複数箇所、この実施例では3箇所に巻止めテープ12A、12B、12Cを巻回している。巻止めテープ12A、12B、12Cはコンデンサ素子2を緊締する緊締手段の一例である。
【0037】
このコンデンサ素子2の一方の素子端面14には、位置を異ならせて陽極側の電極箔4、陰極側の電極箔6のそれぞれの縁部を張り出させて張出し部とし、各張出し部を素子中心側に折り曲げて成形することにより、陽極側及び陰極側の素子電極16A、16Bが個別に形成されている。この場合、素子端面14に対して反対側の素子端面30はセパレータ8、10の縁部のみで形成されている。
【0038】
素子電極16Aには集電板18A、素子電極16Bには集電板18Bが溶接されている。この溶接にはレーザ溶接、電子ビーム溶接を用いればよい。集電板18Aには封口体20にある陽極側の電極端子22A、集電板18Bは陰極側の電極端子22Bが溶接されている。溶接部24が集電板18A、18Bの側面に設定されている。同様に、溶接はレーザ溶接、電子ビーム溶接を用いればよい。
【0039】
これによりコンデンサ素子2は封口体20と一体化される。この封口体20は絶縁性合成樹脂で成形された本体部26の上縁部に環状の封止部材28を取り付けている。電極端子22A、22Bは封口体20にインサート成形により貫通、固定されている。
【0040】
このコンデンサ素子2の端子接続構造について図3を参照する。図3はコンデンサ素子の端子接続構造を分解して示している。図3において、図2と同一部分には同一符号を付してある。
【0041】
コンデンサ素子2は、巻回素子または積層素子のいずれでもよいが、この実施の形態では巻回素子を例示している。このコンデンサ素子2の素子端面14には、陽極側の素子電極16Aと、陰極側の素子電極16Bとが形成され、これらの間は、絶縁間隔17が設けられて絶縁されている。素子電極16Aは陽極箔4(図2)、素子電極16Bは陰極箔6で形成されている。これら素子電極16A、16Bはそれぞれ非溶接部21を中央にし、非溶接部21の両脇に一対の溶接部23が区分されている。各溶接部23は、集電板18Aまたは集電板18Bと溶接される部分であり、溶接しない部分である非溶接部21を挟んで配置されている。各溶接部23は非溶接部21より高く設定され、各溶接部23の頂面部は素子端面14の素子中心25と直交する同一(または共通)の平坦面を構成している。
【0042】
素子端面14は陽極箔4と陰極箔6との間に挟み込まれて巻回されるセパレータの縁部によって形成されている。陽極箔4と陰極箔6の間に設定された絶縁間隔17は、素子中心25を中心にして一定幅に形成されている。素子電極16A、16Bは、素子端面14に引き出された電極張出し部を圧縮、成形した素子電極16A、16Bによって形成されている。
【0043】
各集電板18A、18Bは、コンデンサ素子2の素子端面14内に設置される集電部材であって、ほぼ半円板状の板状部材である。各集電板18A、18Bの裏面は、既述の溶接部23が溶接される溶接面に形成される素子接続面27が形成され、この素子接続面27は平坦面である。したがって、この素子接続面27と素子電極16A、16Bの各溶接部23との密着性が高められ、各素子電極16A、16Bに対する集電板18A、18Bの載置性が高められる。
【0044】
各集電板18A、18Bの上面には、中央部分に扇形の端子接続部29が形成され、この端子接続部29は溶接部23と溶接される各溶接部31の間に形成されている。この端子接続部29には、電極端子22A、22Bを設置する設置面部33と、この設置面部33と直交する第1の溶接面部35と、この溶接面部35の前側に素子覆い部37を備えている。溶接面部35は、電極端子22Aまたは電極端子22Bの側面に形成された第2の溶接面部39と一致する面部である。これら溶接面部35、39は、円弧状でもよいし、直線状であってもよいが、レーザ溶接や電子ビーム溶接などの溶接のため、両者が一致していることが望ましいが、異なっていてもよい。素子覆い部37は、溶接時に飛翔するスパッタからコンデンサ素子2の素子端面14を防護する。
【0045】
各集電板18A、18Bの間には絶縁間隔41が設定され、この絶縁間隔41を挟んで対向する中心部には素子中心25に合わせて円弧状の切欠部43が形成されている。絶縁間隔41は、素子電極16A、16B間の絶縁間隔17と平行に設定し、絶縁間隔17と同様に各集電板18A、18B間を絶縁する。溶接部31側の縁部には直方体状の突部45が形成されており、この突部45によって集電板18A、18Bの熱容量を拡大している。
【0046】
封口体20は、外装ケース36を封口する封口手段であるとともに、電極端子22A及び電極端子22Bを絶縁しかつ支持する支持部材である。電極端子22A及び電極端子22Bは外部端子の一例であって、封口体20を貫通して設置されている。封口体20は、インサート成形によって電極端子22A及び電極端子22Bを固定した絶縁性合成樹脂からなる本体部26と、この本体部26の上側縁部に設置された気密性の高い弾性リングからなる封止部28とを備えている。
【0047】
このコンデンサ素子2の素子径の測定について図4を参照する。図4は素子径測定器及びその測定方法を示している。
【0048】
コンデンサ素子2の素子径の測定位置は、図4の(A)に示すように、コンデンサ素子2の巻止めテープ12A、12B、12C上に設定する。巻止めテープ12Aの位置は、封口体20に最も近いコンデンサ素子2の周面部、巻止めテープ12Bはコンデンサ素子2の中間部、巻止めテープ12Cはコンデンサ素子2の素子端面30側である。
【0049】
素子径測定器32はレーザ照射部32Aとレーザ受信部32Bを備え、レーザ照射部32Aからコンデンサ素子2に向けて照射されたレーザビーム34をレーザ受信部32Bで受信する。
【0050】
図4の(B)に示すように、コンデンサ素子2に照射してレーザ受信部32Bに到達するレーザビーム34に一定の走査幅を持たせれば、レーザ受信部32Bにはコンデンサ素子2の素子径に応じたレーザビーム34を受信することができる。これにより、レーザ受信部32Bでは、受信または遮断されるレーザビーム34によりコンデンサ素子2の素子径を測定することができる。
【0051】
そして、電極端子22A、22Bの中心を結ぶ仮想線53を基準に、これをθ=0〔°〕に設定し、チャック55A、55B及び55Cで把持された封口体20とともにコンデンサ素子2を周面方向に回転させ、θ=0〜360〔°〕の範囲で連続的に素子径データを取得する。
【0052】
素子径測定後のコンデンサ素子及びその処理について、図5を参照する。図5は縦加締め後(横加締め前)のコンデンサを示している。
【0053】
素子径の測定後、コンデンサ素子2には電解液を含浸し、外装ケース36に収納する。外装ケース36はたとえば、アルミニウムの成形体で構成され、その形状は底面及び側面を一体加工した筒状体である。
【0054】
この外装ケース36には開口部側に封口体20を固定するための加締め段部38が形成されている。コンデンサ素子2とともに封口体20は外装ケース36に収納され、封口体20の上面側に突出するケース縁部40をカーリング処理することにより、外装ケース36の縦加締めが行われ、図5に示すコンデンサ42が得られる。
【0055】
このコンデンサ42の横加締めについて、図6を参照する。図6は横加締め完了後のコンデンサを示している。
【0056】
このコンデンサ42には、図6に示すように、外装ケース36の縦方向に第1の加締め部44、第2の加締め部46A、46Bが設定され、これら加締め部44、46A、46Bにより外装ケース36にコンデンサ素子2が保持されている。加締め部44では既述の素子径データに基づき、コンデンサ素子2に対して一定の圧力にて加締められた部分である。これに対し、加締め部46A、46Bは、既述の素子径データに基づき、外装ケース36に対して一定の圧力で加締められた部分である。
【0057】
これら加締め部44、46A、46Bは、コレットにより回転するコンデンサ42の外装ケース36の側面にコマを押し込んで加締め加工を行い、外装ケース36がコンデンサ素子2側に膨出する成形加工を施し、コンデンサ素子2側に圧入している。
【0058】
加締め部44について図7を参照する。図7の(A)は加締め前の外装ケース36(加締め部44)の形状、図7の(B)は、加締め後の外装ケース36(加締め部44)の形状を示している。
【0059】
加締め部44について、加締め前には図7の(A)に示すように、断面真円の外装ケース36に対し、コンデンサ素子2の断面は歪な形状であり、外装ケース36の中心に対して、コンデンサ素子2の中心がずれている場合がある。図7の(A)は図5のVIIA −VIIA線の切断端面を示している。実際の製品では僅かな歪であるが、説明を容易にするため、図7の(A)は誇張して記載している。
【0060】
コンデンサ素子2は、既述のとおり、コンデンサ素子2の素子端面14に設置した素子電極16A、16Bと集電板18A、18Bをレーザ溶接等により溶接し、さらに封口体20の電極端子22Aと22Bとをレーザ溶接等により溶接し、コンデンサ素子2と封口体20とを一体化している。この一体化の際に、コンデンサ素子2と封口体20との間で僅かなズレを生じる場合がある。このようなズレがあると、これが原因で、図7の(A)に示すようにコンデンサ素子2と外装ケースの36との中心とのズレが生じてしまう。つまり、コンデンサ素子2が封口体20面に対して偏心してしまう。
【0061】
加締め部44は、封口体20に近いコンデンサ素子2の巻止めテープ12Aの位置である。この加締め部44では、巻止めテープ12A上で測定した素子径データを参照し、コンデンサ素子2の周面に一定の圧力で加締めを行う。つまり、コンデンサ素子2の周面に一定の加締め圧となるように、加締め量を素子径データに応じて変化させている。この変化点は、コンデンサ素子2の最大径部分から90〔°〕毎の角度位置で設定される。これにより、外装ケース36は図7の(B)に示すように、コンデンサ素子2の周面形状に準じた断面形状に加締めにより成形されている。コンデンサ素子2の周面に対して外装ケース36を加締め、加締め部44をコンデンサ素子2の周面に一定幅の圧入量として例えば、0.05〜1.0〔mm〕程度を食い込ませればよい。この場合、加締め部44を外装ケース36の周面に一定幅の加締め量として例えば、0.05〜3.0〔mm〕程度を加締めることになる。
【0062】
図7の(B)は図6のVIIB−VIIB線の切断端面を示している。この加締めは、素子一定加締めである。
【0063】
このような加締め部44を封口体20側に備えたことにより、封口体20を介して外装ケース36に固定されているコンデンサ素子2は、加締め部44においても外装ケース36に固定される。
【0064】
加締め部46A、46Bについて図8を参照する。図8は加締め部46A、46Bの加締め前後のケース形状の変化を示している。
【0065】
加締め部46A、46Bについて、加締め前には図8の(A)に示すように、断面真円の外装ケース36に対し、コンデンサ素子2の断面は歪な形状であり、外装ケース36の中心に対して、コンデンサ素子2の中心がずれている場合がある。斯かる点は加締め部44の部分と同様であるが、加締め部46A、46Bは、封口体20から遠ざかる位置にあるため、外装ケース36の中心O1とコンデンサ素子2の中心O2とのズレは大きくなっている。図8の(A)は、図5のVIIIA−VIIIA線の切断端面を示している。
【0066】
加締め部46A、46Bは、加締め部44の処理を経て施される。加締め部44が封口体20に近いコンデンサ素子2の巻止めテープ12Aの位置であるのに対し、加締め部46A、46Bは封口体20から遠ざかった巻止めテープ12B、12C上で測定した素子径データを参照し、外装ケース36の周面に一定の圧力で加締めを行う。
【0067】
この加締め部46A、46Bでは、外装ケース36の周面に一定の加締め圧となるように、加締め量を素子径データに応じて変化させている。ここで加締め部46A、46Bの素子径データは、θ=0〜360〔°〕の範囲で連続的に素子径データを取得し、各角度のうち、最大径となる素子径を基準に、この最大素子径に対して例えば、0.05〜0.3〔mm〕小さい円形の加締めラインであって、該加締めラインの中心と外装ケース36の中心とを一致させた加締めラインを設定し、外装ケース36の内壁がコンデンサ素子2に圧入するように外装ケース36を加締める。この場合、加締め部46A、46Bの加締め量は、外装ケース36の周面に一定幅として例えば、0.05〜1.5〔mm〕程度の大きさの加締めとすればよい。加締め部44による加締めが素子一定加締めであったのに対し、ケース一定加締めである点で相違する。
【0068】
加締め部46Aでは、図8の(B)に示すように、真円の外装ケース36の成形に基づき、加締められた外装ケース36の内壁によってコンデンサ素子2の周面部が部分的に押圧されている。図8の(B)は図6のVIIIB−VIIIB線の切断端面を示している。図8の(B)において、P1 は、コンデンサ素子2の最大素子径部位を含み、外装ケース36の加締めによるコンデンサ素子2の押圧部分を示している。つまり、外装ケース36の中心からズレていたコンデンサ素子2は外装ケース36により押圧され、外装ケース36の中心方向に押圧されて保持されている。このケース一定加締めであるため、コンデンサ素子2が外装ケース36に保持された状態であっても、部分的に外装ケース36とコンデンサ素子2との間に隙間が残る場合がある。なお、加締め部46Bは、加締め部46Aと同様に、真円の外装ケース36の成形に基づき、加締められた外装ケース36の内壁によってコンデンサ素子2の周面部が部分的に押圧されることになる。
【0069】
このコンデンサの製造システムについて、図9を参照する。図9はコンデンサの製造システムの一例を示している。
【0070】
このコンデンサ製造システム48は、コンデンサの製造方法及び製造プログラムの一例であって、既述の素子径の測定、測定データの演算処理、加締め処理の制御を実行する。このコンデンサ製造システム48には図9に示すように、制御部50、入力部52、表示部54、既述の素子径測定器32及び加締め機56が含まれている。
【0071】
制御部50はコンピュータで構成されており、この実施の形態では、プロセッサ58と、プログラム記憶部60と、データ記憶部62と、RAM(Random-Access Memory)64とを備えている。
【0072】
プロセッサ58はたとえば、CPU(Central Processing Unit )で構成され、プログラム記憶部60に格納されているOS(Operating System)やコンデンサ製造プログラムなどの各種のプログラムを実行する。このプログラムには、素子径測定器32からの素子径データの取得、最大半径の角度の算出、追従点の角度算出、追従点の半径値の算出、加締め量の狙い値(目標値)の算出、最大直径値の算出、加締め機56に対する最大半径角度、半径値、最大直径値及び加締め量の狙い値のインプットが含まれる。プログラム記憶部60及びデータ記憶部62はハードディスクなどの記録媒体で構成され、プログラム記憶部60にはOSや既述のプログラムを格納する。またデータ記憶部62には素子径測定器32からの素子径データや、角度データなどの各種のデータを格納する。RAM64は演算途上のデータの保存や、既述のプログラムを実行するワークエリアとして用いられる。プログラム記憶部60、データ記憶部62及びRAM64は、ハードディスク装置で構成してもよい。
【0073】
入力部52はたとえば、キーボード、タッチパネル、マウスなどの入力装置で構成される。表示部54はたとえば、液晶表示器(Liquid Crystal Display:LCD)で構成される。
【0074】
このコンデンサ製造システム48における素子径データの処理について、図10を参照する。図10の(A)は素子径測定器で測定された素子径データの一例を示し、図10の(B)は圧入量Dm、加締め量Dnの一例を示している。
【0075】
図10に示す素子径データにおいて、D1は巻止めテープ12A上の素子径、D2は巻止めテープ12B上の素子径、D3は巻止めテープ12C上の素子径の変化を示している。Dmは、D1に対する外装ケース36を加締めた際のコンデンサ素子2への圧入量である。この圧入量Dmは例えば、0.05〜1.0〔mm〕を設定し、コンデンサ素子2の固定を維持しつつコンデンサ素子に過度の応力が加わらないようにする。この圧入量Dmより、加締め部44の加締め量(狙い値)Dnが算出される。なお、この実施の形態では、図10の(B)に示すように、圧入量Dmは外装ケース36を加締めた際のコンデンサ素子2の外周に対する外装ケース36の内壁の圧入寸法を示し、また加締め量Dnは外装ケース36を加締めた際の外装ケース36に形成される溝の深さ寸法を示している。
【0076】
この素子径データの例では、最大半径部がθ1=75〔°〕に現れ、この最大半径部から一定角度θとしてたとえば、θ=90〔°〕毎につまり、θ2 =165〔°〕、θ3 =255〔°〕、θ4 =345〔°〕の位置を追従点に設定している。
【0077】
この実施の形態では、90〔°〕毎の追従点を前提しているが、90〔°〕未満を設定し、5箇所以上の追従点を設けてもよい。
【0078】
素子径データの処理について、図11を参照する。図11は素子径データの処理手順を示している。
【0079】
この処理手順は、本発明のコンデンサの製造プログラムの一例である。この処理手順は、既述のコンピュータを実行主体として処理される機能であり、図11に示すように、素子径測定器32の測定に基づき、その素子径データの取込みを行う(ステップS21)。取得した素子径データはデータ記憶部62に保存される。この素子径データを用いて最大半径の角度を算出し(ステップS22)、既述の追従する4点の角度θ1 、θ2 、θ3 及びθ4 を算出する(ステップS23)。そして、この追従点の角度θ1 、θ2 、θ3 及びθ4 における半径値を算出し(ステップS24)、さらに外装ケースの加締めた際のコンデンサ素子への加締め量の狙い値を設定する。
【0080】
このような演算に基づき、制御部50から加締め機56に対し、最大半径角度及び既述の4点の半径値及び加締め量の狙い値のインプットを行う(ステップS25)。これに基づき、加締め機56がコンデンサ42に対し既述の加締め部44の加締めを行う。
【0081】
この横加締め処理について、図12を参照する。図12は加締め機56によるコンデンサ42の横加締めの一例を示している。
【0082】
コンデンサ42はコレットに保持されて回転し、回転する外装ケース36に対し、コマ66がコンデンサ42の素子径方向に進退自在に備えられている。矢印Nはコレットの回転方向、矢印Mはコマ66の押し込み方向を示している。
【0083】
回転する外装ケース36には、既述の追従点として最大径部であるθ1 を基準点とし、この実施の形態では、90〔°〕の回転位置に追従点θ2 、θ3 、θ4 が設定されている。このコンデンサ42のクッション厚み形状はたとえば、0.5〔mm〕=セパレータ8、10(=100〔μm〕×2×5周=1000〔μm〕)である。クッション厚みとしては、300〔μm〕以上が好ましい。
【0084】
そして、最大径部である角度と該角度θ1の90〔°〕の回転位置であるθ2との差=約0.5〔mm〕を算出し、この差=0.5〔mm〕を増加又は減少して加締め量(狙い値)Dn〔図10の(B)〕を設定することにより、コマ66の前進後退を行い、θ2とθ3、θ3とθ4も同様にその差を算出して設定し、コマ66の前進後退を行うことで、回転する外装ケース36の側面を成形し、素子一定加締めである加締め部44が形成される。このような素子一定加締めであるため、外装ケースの加締め量は封口体20へのコンデンサ素子2のズレ状態(偏心)によって変わり、外装ケースの加締め量は加締め全周で均等とならない場合がある。つまり外装ケース36の側面には、異なる深さの溝が形成される。この場合、加締め部44を外装ケース36の周面に例えば0.05〜3.0〔mm〕の範囲の加締め量(寸法)となる。
【0085】
なお、コマ66を固定し、コンデンサ42を保持したコレットを回転させつつ、コマ66の方向に進退させて横加締め処理を行ってもよい。この場合は、コレットに前述のθ1、θ2、θ3及びθ4の差及び加締め量の狙い値を設定してコレットを回転させるとともに、コマ66へ前進させればよい。
【0086】
図13は素子径データの処理手順の一例を示している。この処理手順では、加締め部44の測定データと同様にコンデンサ素子2の巻止めテープ12B、12Cの位置における0〜360〔°〕の半径データを測定する(ステップS31)。角度ごとの半径データと、該角度の180〔°〕の半径データを足して直径データとして算出し、角度ごとの直径データを算出する(ステップS32)。直径データのうち、最大直径データを算出する(ステップS33)。この最大直径データに基づき、加締め量を決定する。この加締め量は、最大素子径に対して例えば、0.05〜0.3〔mm〕小さい円形の加締めラインであって、該加締めラインの中心と外装ケース36の中心とを一致させた加締めラインを設定する(ステップS34)。
【0087】
このような加締め量の設定の後、コマ66により、外装ケース36の側面に成形を行い、加締め溝を形成する(ステップS35)。なお、コンデンサ素子2の素子径歪みにより素子毎に最大直径が変わるため、外装ケース36への加締め量は一定となるが、コンデンサ毎に加締め量は変わることになる。
【0088】
既述の加締め部46A、46Bについて、既述の図12に示す装置を用いることにより、横加締め処理を行う。
【0089】
具体的には、コンデンサ42はコレットに保持されて回転し、回転する外装ケース36に対し、コマ66がコンデンサ42の素子径方向に進退自在に備えられている。回転する外装ケース36に対してコマ66を素子径方向に移動させ、外装ケース36の側面に一定の圧力を加え、外装ケース36の側面を成形する。外装ケース36の側面には、均等の深さの溝が形成される。
【0090】
以上述べた実施の形態において、特徴点や利点や効果を列挙する。
【0091】
(1) 素子端面より導出された陰極、陽極の張り出し部と集電板とを溶接し、金属ケースに収納したコンデンサにおいて、金属ケースの側面を、素子に対して一定の圧力にて加締められたコンデンサである。
【0092】
(2) 素子一定圧力の加締めが、コンデンサ素子2の封口体側に設けられ、外装ケース36の側面には、一定圧力で加締める加締め部が既述の一定圧力の加締め部位よりコンデンサ底面側に設けられている。
【0093】
(3) コンデンサ素子2を封口体20と一体化した後、コンデンサ素子2の素子径を測定し、この素子径データと封口体20との位置情報を検出する。この位置情報はたとえば、角度情報である。
【0094】
(4) コンデンサ素子2を外装ケース36に封止した後、封口体20と、コンデンサ素子2の位置情報(角度)に基づき、コンデンサ素子2の周面に一定圧力が加わるように外装ケース36の側面を加締める。
【0095】
(5) 封口体20とコンデンサ素子2との位置情報として、コンデンサ素子2の最大半径を検出し、その最大半径部の基準(θ1 )を含む4点の半径部の値(素子径データ)を測定し、この4点の素子径データに応じて外装ケース36の側面を一定圧力で加締める。
【0096】
(6) 一定圧力の加締めを、コンデンサ素子2の封口体20側に処理した後、この加締め位置より、コンデンサ42の外装ケース36の底面側に、外装ケース36の側面に対して一定圧力で加締めることにより、外装ケース36にコンデンサ素子2を固定する。
【0097】
(7) このように封口体20と一体化されたコンデンサ素子2の外装ケース36への固定性を高めることができる。
【0098】
(8) コンデンサ素子2に対する一定圧力による加締めを封口体20側に位置させたので、加締めた際の封口体20とコンデンサ素子2との接続部への機械的ストレスを低減することができる。
【0099】
(9) 封口体20側のコンデンサ素子2に一定圧力による加締めによって固定されているので、コンデンサ42の底面側では、外装ケース36に対して一定圧力による加締めを行うことができる。
【0100】
(10) コンデンサ素子2への一定圧力による加締めの圧入量を1.0〔mm〕以下とすることで素子への影響が低く、漏れ電流が上昇するなどの不具合は生じない。
【0101】
〔他の実施の形態〕
【0102】
(1) 上記実施の形態では、第2の加締め部を2箇所の加締め部46A、46Bとしたが、3以上でもよく、2未満でもよい。
【0103】
(2) 上記実施の形態では、外装ケース36にアルミニウムで形成された金属ケースを例示しているが、加締めによる保形性を有する材料であれば、金属に限定されない。
【0104】
(3) 上記実施の形態では、加締め部44は素子一定加締め、加締め部46A、46Bはケース一定加締めとしているが、各加締め部について、素子一定加締め、ケース一定加締めを適宜選択できる。例えば、第1にすべて(3箇所)素子一定加締めを行ってもよい。また第2に、加締め部44、46Aを素子一定加締めでもよい。また、第3に既述の実施の形態では複数の加締め部を設定したが、加締め部は単一でもよく、この場合は、素子一定加締めとなる。そして、測定した素子径データに基づき、加締め部において、素子一定加締め、ケース一定加締めを選択することができる。
【0105】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、外装ケースに封入されるコンデンサであって、外装ケースに複数の加締め部を設定し、各加締め部の加締め量を素子径に応じて制御しており、外装ケースによるコンデンサ素子の固定とコンデンサ素子に対するストレス軽減を図ることができ、電解コンデンサなどのコンデンサに有用である。
【符号の説明】
【0107】
2 コンデンサ素子
4 陽極側の電極箔
6 陰極側の電極箔
12A、12B、12C 巻止めテープ
14 素子端面
16A 素子電極
16B 素子電極
18A 集電板
18B 集電板
20 封口体
22A 電極端子
22B 電極端子
28 封止部材
30 素子端面
32 素子径測定器
32A レーザ照射部
32B レーザ受信部
34 レーザビーム
36 外装ケース
42 コンデンサ
44 第1の加締め部
46A、46B 第2の加締め部
48 コンデンサ製造システム
56 加締め機
60 プログラム記憶部
62 データ記憶部
64 RAM
66 コマ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンデンサ素子と、前記コンデンサ素子と一体とした封口体と、前記コンデンサ素子を収めるケースとを備え、
前記ケースは、前記コンデンサ素子の素子径に応じ、前記コンデンサ素子に一定圧力を付与した単一または複数の第1の加締め部と、
を備えることにより前記コンデンサ素子を固定する、
ことを特徴とするコンデンサ。
【請求項2】
さらに、ケース側面に一定圧力が付与された単一または複数の第2の加締め部を備え、前記第1の加締め部は前記封口体側のケース側面に設定したことを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項3】
前記第1の加締め部により加締められる前記外装ケースの加締め量が0.05〜3.0〔mm〕である請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項4】
前記第1の加締め部及び前記第2の加締め部は、前記コンデンサ素子の周面に設置されている緊締部材上のケース位置に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のコンデンサ。
【請求項5】
封口体と一体化したコンデンサ素子の素子径を測定する工程と、
前記コンデンサ素子をケースに収める工程と、
前記素子径に応じて前記コンデンサ素子に一定圧力を付与する第1の加締め部を前記ケースに形成する工程と、
を含むことを特徴とするコンデンサの製造方法。
【請求項6】
前記素子径はコンデンサ素子の所定角度を単位として設定し、該所定角度に応じて前記第1の加締め部の加締め量を加減することを特徴とする請求項5に記載のコンデンサの製造方法。
【請求項7】
前記素子径は、前記コンデンサ素子の最大径部を基準に所定角度を単位として設定することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のコンデンサの製造方法。
【請求項8】
前記コンデンサ素子の前記所定角度の半径に対し、前記外装ケースの前記加締め部の前記コンデンサ素子に対する圧入量を0.05〜1.0〔mm〕とすることを特徴とする請求項5、請求項6または請求項7のいずれかに記載のコンデンサの製造方法。
【請求項9】
さらに、前記コンデンサ素子に電解液を含浸する工程と、
を含み、該工程は、前記素子径の測定の後に行うことを特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記載のコンデンサの製造方法。
【請求項10】
コンピュータによって実行されるコンデンサの製造プログラムであって、
コンデンサ素子の素子径を測定する測定器から素子径データを取得する機能と、
前記素子径データを用いることにより、前記コンデンサ素子が収められたケースの加締め量を算出する機能と、
を前記コンピュータにより実行するコンデンサの製造プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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