説明

コンバインのナローガイド

【課題】ナローガイドの切替え操作を軽く行えるようにすると共に、この操作機構を簡素化して安価に提供できるものとする。
【解決手段】ナローガイド(3)を切替え操作自由に連結・支持した調節支持リンク(4)の先端リンク(4a)をナローガイド(3)に、基部リンク(4b)を車体側に軸装した支点ピン(7)に、それぞれ回動自由に支持し、位置保持スプリング(8)は、前記支点ピン(7)の上を通して基部リンク(4b)と、車体側とに連結して設け、前記位置保持スプリング(8)は、ナローガイド(3)の切替え操作に連動して支点ピン(7)の上方を通過して支点越えができる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、支点越えスプリングを利用して、操作荷重の軽減を図り、張出しと収納との両位置を保持できる構成としたコンバインのナローガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からコンバインに装備されたナローガイドは、運転席から遠隔操作によって、車体の外側へ移動した張出位置と、車体に沿わせて内側に移動した収納位置とに切替え調節ができる構成となっている。その一例として公知技術を挙げると、例えば、特開2006−42650号公開特許公報(特許文献1参照)には、つぎのとおり記載されている。
【0003】
「支持手段21が機台2に前後向き支点軸25回りの揺動可能に装着された支持台26と、該支持台26に第1縦軸27回りの揺動可能に装着された第1アーム28と、該第1アーム28の先端から第2縦軸29回りの揺動可能に延出され先端が少なくとも前記前側分草杆19又は前記後側分草杆20の何れか一方に枢着されているコンバインのサイドデバイダ」
と発明の主要部が記載され、
「支持手段21の占める左右方向スペースを比較的小さくなす上に、前側分草杆19及び後側分草杆20の機体からの横張出し量を運転操作部から簡易な遠隔操作機構34を介して簡便に変化させる。」
と目的が記載され、該公報には、具体的な技術構成が開示されている。
【0004】
なお、上記符号は、該公報に記載されている番号を記した。
【特許文献1】特開2006−42650号公開特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のナローガイドは、出願人が提示した特許文献1にも明らかに示されているように、操作レバーに接続した操作ワイヤーの連結部位に対向した位置にスプリングが設けられ、このスプリングと前記操作ワイヤーとで第1アームのバランスを保持する構成となっている。そして、上記した従来の構成は、前記操作レバーを、ナローガイドの張出し側に操作するときには、前記スプリングの張圧力に抗しながら操作しなければならない。したがって、従来のナローガイドの切替え操作は、操作レバーに第1アームの位置を保持するための張圧力が常に働いており、張出し側に操作する都度、重い操作荷重が掛かり、オペレータに大きな負担をかける課題があった。
【0006】
そして、従来の構成は、特許文献1からも解るように、操作レバーの案内板に複数の係止凹部を形成して、ナローガイドの切替え位置を保持するためにロック機構を要し、構成が複雑となって製造コストが高くなる課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この出願の発明は、上記課題を解決せんとするものであり、請求項1に記載した発明は、刈取部(1)の側枠(2)にナローガイド(3)の前部を枢着し、該ナローガイド(3)を後方に延長してその中間部に調節支持リンク(4)を連結し、該調節支持リンク(4)によってナローガイド(3)を張出し位置と収納位置とに切り替え操作可能に支持し、前記調節支持リンク(4)を2点リンクから構成し、該調節支持リンク(4)の先端リンク(4a)をナローガイド(3)に回動自由に連結し、該調節支持リンク(4)の基部リンク(4b)を支持機枠(5)の支持筒(6)に軸受けした支点ピン(7)に支持し、前記支持筒(6)及び支点ピン(7)の上方に配置した位置保持スプリング(8)は、一方を前記基部リンク(4b)に取り付けると共に他方を前記支持筒(6)の裏側に取り付け、該位置保持スプリング(8)を、前記ナローガイド(3)の切替え操作に連動して支点ピン(7)の上方を通過して支点越えの位置まで移動して位置保持ができる構成としたことを特徴とするコンバインのナローガイドとした。
【0008】
この構成により、位置保持スプリング(8)は、ナローガイド(3)を張出し位置と収納位置とに切替え操作を行うに際し、支点ピン(7)を基準にしてこれを越えると、一方側に張圧力が作用して切替え操作に伴う操作荷重を軽減することができる。
【0009】
そして、前記位置保持スプリング(8)は、ナローガイド(3)の切替え操作にあたり、前記支点ピン(7)の上方を通過して支点を越えると、越えた側に張圧力(引っ張り合う)が働いて調節支持リンク(4)の調節位置を安定した状態に保持することができる。
【0010】
そして、請求項2に記載した発明は、前記ナローガイド(3)が収納位置に達すると、前記調節支持リンク(4)の基部リンク(4b)が前記支持筒(6)に設けた位置決めストッパー(9)に接当して停止し、該ナローガイド(3)が張出し位置に達すると、前記先端リンク(4a)に設けた位置決めストッパー(10)が前記基部リンク(4b)に接当して停止する構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインのナローガイドとした。
【0011】
この構成により、ナローガイド(3)は、収納位置と張出し位置との両方において、それぞれの回動終点でストッパー作用を受けるから、行き過ぎがなく、確実に停止できる操作の安全を確保する構成としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によると、ナローガイド(3)の切替え操作にあたり、位置保持スプリング(8)が作用して、従来の重い操作荷重を大幅に軽減して、オペレータの操作負担を少なくできる。
【0013】
更に、位置保持スプリング(8)が、ナローガイド(3)の切替え位置を、支点越えに伴って発揮する張圧力が調節支持リンク(4)に働き安定した状態に保持できるから、他に係止凹部等のロック機構を必要とせず、操作レバーの案内板等の構成を簡略化でき、製造コストを低減して安価に提供することができる。
【0014】
そして、請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の効果に加え、切替え操作によって、ナローガイド(3)が収納位置、又は張出し位置に達すると、それぞれの回動終点で位置決めストッパー(9,10)に衝突して止められ、行き過ぎをなくし確実に停止し、操作の安全性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、ナローガイド3は、図4に示すように、通常、コンバインの未刈稈側(実施例の場合、具体的にはコンバイン車体の左側)に配置され、前端部が刈取部1の左側にある側枠2に、左右、及び上下に回動自由に枢着され、後方に延長して設けられている。そして、ナローガイド3は、前部3aと後部3bとに分けて関節状態に連結され、後端が車体フレーム11の外側に設けた支持装置12に前後移動自由に支持されている。
【0016】
そして、上記ナローガイド3を支持する調節支持リンク4は、図1、及び図5から解るように、ナローガイド3の前部3aの中間部に回動自由に連結した先端リンク4aと、支持機枠5の支持筒6に軸受けした支点ピン7に支持した基部リンク4bとからなる2点リンクの構成としている。そして、操作板13は、図3、及び図5に示すように、中間部を前記支点ピン7の下部に嵌合して一体とし、更に、両外側に延長して形成した取付け部14,14に、図外の運転席に設けた操作レバーに接続している押引き用の2本の操作ワイヤー15,15を連結して構成している。
【0017】
したがって、ナローガイド3は、図外の運転席から操作レバーを張出し側、又は収納側に切替え操作すると、上記2本の操作ワイヤー15,15が押引き操作されて支点ピン7を廻し、該支点ピン7の上部に取付けている基部リンク4bに伝達して、調節支持リンク4を介して切替え操作ができるものとなっている。
【0018】
そして、支持筒6は、図5に示すように、取付用の支持板19に設けた内側の固定ねじ19aと外側の調節ねじ19bとによって、支持機枠5に傾斜調節自在に取り付けた構成としている。すなわち、取付用の支持板19は、2つのねじ19a,19bを緩めた状態にして、支持機枠5に対して、固定ねじ19aを支点にして、調節ねじ19bを支持機枠5の調節長孔5aに沿って上下に調節して締め付けて固定できる構成としている。
【0019】
したがって、ナローガイド3は、圃場の穀稈丈に対応して高さ位置を調節できる構成となっている。
そして、実施例の場合、前記調節支持リンク4は、ナローガイド3が収納位置に達すると、折曲がり回動する基部リンク4bの回動を停止するために、支持筒6の外側で基部リンク4bの基部寄りの位置に衝突する位置決めストッパー9を設け、基部リンク4bに接当させて停止する構成としている。そして、前記調節支持リンク4は、ナローガイド3が張出し位置に達するときも、前記先端リンク4aの端部に設けた位置決めストッパー10を基部リンク4bに接当させ、最大の張出し位置で止め、それ以上の回動を阻止する構成としている。
【0020】
なお、位置決めストッパー10は、ナローガイド3を最大の張出し位置に調節してコンバイン作業を行っているときに、外側からナローガイド3に障害物が衝突して、破損する状態に達すると、ナローガイド3(又は調節支持リンク4)が破損する直前に、ストッパー10が先に破損し、ナローガイド3、及びリンク4を破損から護る安全装置とした構成となっている。
【0021】
つぎに、位置保持スプリング8について説明する。
まず、位置保持スプリング8は、図2、図3、及び図5に示すように、前記支持筒6及び支点ピン7の上方に配置し、一方を前記基部リンク4b上の取付具17に引っ掛けて取り付け、他方を前記支持筒6の裏側に設けた取付具18に引っ掛けて取り付け、両者の間に、常に引っ張り力が働く構成としている。そして、位置保持スプリング8は、図2に示すように、調節支持リンク4を伸長させて、ナローガイド3を張出し位置に切替えると、支点ピン7の右側(図2において、基部リンク4b側から見た位置)に支点越えして引っ張り合う状態になる構成としている。そして、位置保持スプリング8は、図3に示すように、調節支持リンク4が折り曲がって縮小し、ナローガイド3が収納位置に切替わると、支点ピン7の左側(図3において、基部リンク4b側から見た位置)に達して支点越えした位置にあって、引っ張り力が働く構成としている。
【0022】
このように、実施例に係る位置保持スプリング8は、ナローガイド3の切替え操作に連動して、基部リンク4bの回動に伴い支点ピン7の上側を左右に支点越えの位置まで移動し、支点を越えた位置で引っ張り力が働く側の位置を保持する構成となっている。
【0023】
以上のように、この発明の実施例は、ナローガイド3の切替え操作にあたり、位置保持スプリング8が作用して、操作荷重を軽減しオペレータの操作負担を少なくできるものとなっている。
【0024】
そして、実施例の場合、位置保持スプリング8の引っ張り力は、ナローガイド3の切替えを、支点ピン7を基準点として、これを越える毎に、反転して調節支持リンク4に働き、安定した状態に保持することができる。したがって、操作レバーを始とする一連の操作装置には、ナローガイド3の位置決めをするために、係止凹部等のロック機構を必要とせず、操作レバーの案内板等の構成も簡略化でき、製造コストを低減できるものとなっている。
【0025】
そして、実施例は、切替え操作によって、ナローガイド3が収納位置、又は張出し位置に達すると、それぞれの回動終点で位置決めストッパー9,10が働き、調節支持リンク4の行き過ぎが防止され、操作の安全と装置の保護ができる利点がある。
【0026】
なお、実施例の位置決めストッパー10は、ナローガイド3が張出し位置にあって、外側から過度の押圧力を受けた場合には、調節支持リンク4より先に破損してリンクを護り、安全装置としての機能を備えている。
【0027】
つぎに、コンバインを圃場に入れて刈取・脱穀作業に入る前に、従来からコンバインで機械的に刈取ができない圃場の角部(枕地)の穀稈を、手作業によって刈り取る、いわゆる「枕地穀稈の刈取」を不要とした枕刈レスコンバインについて、図6、及び図7に基づいて実施例を説明する。
【0028】
まず、穀稈引起し装置20の下端で前方へ突出させた3つの分草杆21は、図6に示すように、左右の穀稈引起し装置20の下部前側と、該左右の穀稈引起し装置20の間の中央位置とに設けているが、左右両側の分草杆21,21は、それぞれ前後方向の支軸22によって上下回動自由に支持し、上方へ反転回動すると穀稈引起し装置20のケースに沿った収納状態となって、前側に突出しない非作用状態になる構成としている。この場合、左右分草杆21,21の回動は、手動操作によって行う構成でもよいが、実施例のように、支軸22の後端に電動モータ23を装備し、運転席24の枕刈スイッチ25を操作すると、自動的に上向きになる構成としてもよい。
【0029】
このように、実施例の場合、枕刈スイッチ25を押し操作すると前に突出していた左右の分草杆21,21が、自動的に上方に反転回動して突出部分がなくなるから、コンバインの前部が枕地に突入したとき、分草杆21,21の破損を未然になくすることができる。
【0030】
そして、中央の分草杆21は、図6、及び図7に示すように、L型の形状にして正規の作業位置から穀稈引起し装置20の位置まで後退できるように支持パイプ26に挿入してスライド可能に支持した構成としている。そして、中央の分草杆21は、その傾斜角度を、図面に示すように、穀稈引起し装置20のケースの傾斜角度に合わせた角度を持たせた構成とし、前記支持パイプ26内に装備している張圧スプリング27によって前に張圧させ、前部の作業位置(分草位置)と後部の穀稈引起し装置20に横並びの位置との間を前後にスライドできる構成としている。この場合、中央の分草杆21は、図7に示すように、移動範囲と同一長さの案内用長孔28を形成し、その範囲で、前側から畦等に押されると、内部の張圧スプリング27に抗しながら後退移動し、前側の押圧抵抗がなくなると、張圧スプリング27の張力で元の位置まで戻る構成となっている。29は案内移動棒を示している。
【0031】
このように、中央の分草杆21は、左右の穀稈引起し装置20の間(横並びの位置)まで後退、スライドしたとき、左右の穀稈引起し装置18のケースと横並びで揃うから、前側に出過ぎる部分がなく、破損がほとんど無くなる利点がある。
【0032】
そして、リミットスイッチ30は、図7に示すように、支持パイプ26の上方で前記案内用長孔28の終端部に、上方から臨ませて支持し、中央の前記分草杆21が後の端に達すると、案内移動棒29が押圧してスイッチ操作が行われる構成としている。このように、実施例における前記リミットスイッチ30は、案内移動棒29によって押圧されてスイッチ操作が行われてONになると、走行ミッション装置の伝動上手に接続しているHSTが自動的にニュートラル位置に切り替わり、コンバインの走行が自動停止する構成となっている。
【0033】
したがって、コンバインは、枕地に突っ込んで中央の分草杆21が、例えば、畦等に押圧されて後退して前記リミットスイッチ30がONに切り替わると、HSTが自動的に操作されてニュートラル位置になり、クローラ31,31を止め、走行が自動停止するから、前部の破損が未然に防止されて安全に枕刈作業に移ることができる。
【0034】
つぎに、刈取装置32は、詳細な図面は省略したが、背後の支持フレームの左右両端を、両側のスクリュウ軸に螺合して支持した構成とし、左右のスクリュウ軸の後端に装備した電動モータを駆動させると、刈取装置32が支持フレームと一体で前後に移動できる構成になっている。そして、刈取装置32は、図6に示した位置では、前側に移動した位置を示している。
【0035】
そして、左右一対に掻込み装置33,33は、図6に示すように、前側を広く開いて誘導角を有する掻込み作用状態(仮想線の位置)と、左右両方を前側に向けて略平行に揃えた挟持状態(実線の位置)とに切替ができる構成としている。そして、左右一対に掻込み装置33,33は、詳細には図示しないが、掻込みラグ付ベルトから構成している。
【0036】
そして、前記リミットスイッチ30は、中央の分草杆21が押されて後退し、スイッチ操作が行われてONになると、前述した通り、まず、HSTをニュートラルに切り替える作用をし、同時に、刈取移動用の電動モータを始動してスクリュウ軸を駆動して、刈取装置32を前部に移動させる作用をし、更に、左右一対の掻込み装置33,33を前側に回動し、略平行に揃える切替作用を行う構成としている。なお、これらの作動タイミングは後述する。
【0037】
以上のように構成された枕刈レスコンバインは、枕刈作業を行う場合、まず、枕刈スイッチ25を押すと、電動モータ23,23が始動して支軸22,22を駆動し、左右の分草杆21,21を、前側の突出位置(図6に示す仮想線の位置)から穀稈引起し装置20,20側(図6に示す実線の位置)に反転させる。そのとき、刈取装置32は、通常の刈取作業時の位置にある。
【0038】
そして、コンバインは、圃場の枕地に成育している穀稈の中に車体の前部から突っ込んでいき、圃場の端の畦に中央の分草杆21が接して押圧力を受ける位置まで進むと、中央の分草杆21が順次押されて、張圧スプリング27に抗しながら支持パイプ26内を後退する。
【0039】
このようにして、中央の分草杆21は、案内用長孔28内を後方に移動する案内移動棒29が終点近くに達すると、リミットスイッチ30に接触してON操作する。すると、コンバインは、HSTがニュートラル位置に自動操作されてクローラ31,31が走行を停止し、車体が圃場の角の枕地に前部を突っ込んだ状態のまま停車する。
【0040】
つづいて、コンバインは、左右の掻込み装置33,33が、図6に実線で示すように、左右両側から中央側に回動しながら順次接近し、その掻込み装置33,33により枕地の刈取前の穀稈を挟持状態にして保持することになる。
【0041】
つぎに、コンバインは、刈取装置32を前後に移動する電動モータが始動され、左右のスクリュウ軸が駆動されて、後部の通常の刈取位置にあった刈取装置32が順次前方に移動する。そして、刈取装置32は、図6に示すように、左右の掻込み装置33,33が中央位置に寄って枕地の未刈穀稈を左右から挟持して保持した状態に達した後から、上述のように前進して刈取位置に達し、枕地の穀稈を刈り取ることができる。
【0042】
このように、実施例の枕刈レスコンバインは、分草杆21,21の反転作動、中央の分草杆21の後退に伴うリミットスイッチ30のON操作、続いて、左右の掻込み装置33,33が内側に回動して平行になり、つぎに、刈取装置32が前側に移動して枕地穀稈の刈取位置に達して刈取作用を行うのである。
【0043】
そして、枕地の刈取作業が終了すると、コンバインを後進させて枕地から離れるが、それに伴って中央の分草杆21が張圧スプリング27が働いて前に移動し、リミットスイッチ30が自動的にOFFに切り替わる。
【0044】
そのとき、実施例のコンバインは、先に刈取装置32が後方の低位置に後退移動し、その後、掻込み装置33,33が左右外側に離れる方向に開く構成としているから、掻込み装置33,33が保持していた刈取穀稈が乱れなく後方の脱穀装置側に搬送できるものとなっている。
【0045】
このような一連の枕刈り作業において、枕刈りスイッチ25は、OFF操作をすると、電動モータ23,23が逆回転して左右の分草杆21,21を元の位置(図6に示した仮想線の位置)まで回動させ、掻込み装置33,33、及び刈取装置32を、上述の通り元の位置まで復帰させて枕刈作業が完了する。
【0046】
そして、実施例の場合、前記リミットスイッチ30は、枕刈りスイッチ25がOFFの状態にある間は、案内移動棒29が後退して接触しても感知せず、OFFの状態を継続する構成として安全を確保する構成となっている。
【0047】
以上のように、コンバインによる枕刈り作業の全てが完了すると、実施例は、前記枕刈りスイッチ25が自動的にOFFとなって作業が完了する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】ナローガイドの作用平面図
【図2】基部リンクと位置決めストッパーとの平面図
【図3】収納位置における調節支持リンクの平面図
【図4】ナローガイドの作用平面図
【図5】調節支持リンクの支持構成を示す正断面図
【図6】枕刈レスコンバインの実施例を示し、刈取搬送装置の作用斜面図
【図7】中央の分草杆とリミットスイッチを示した斜面図
【符号の説明】
【0049】
1 刈取部 2 側枠
3 ナローガイド 3a 前部(ナローガイド)
3b 後部(ナローガイド) 4 調節支持リンク
4a 先端リンク 4b 基部リンク
5 支持機枠 6 支持筒
7 支点ピン 8 位置保持スプリング
9 位置決めストッパー 10 位置決めストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈取部(1)の側枠(2)にナローガイド(3)の前部を枢着し、該ナローガイド(3)を後方に延長してその中間部に調節支持リンク(4)を連結し、該調節支持リンク(4)によってナローガイド(3)を張出し位置と収納位置とに切り替え操作可能に支持し、前記調節支持リンク(4)を2点リンクから構成し、該調節支持リンク(4)の先端リンク(4a)をナローガイド(3)に回動自由に連結し、該調節支持リンク(4)の基部リンク(4b)を支持機枠(5)の支持筒(6)に軸受けした支点ピン(7)に支持し、前記支持筒(6)及び支点ピン(7)の上方に配置した位置保持スプリング(8)は、一方を前記基部リンク(4b)に取り付けると共に他方を前記支持筒(6)の裏側に取り付け、該位置保持スプリング(8)を、前記ナローガイド(3)の切替え操作に連動して支点ピン(7)の上方を通過して支点越えの位置まで移動して位置保持ができる構成としたことを特徴とするコンバインのナローガイド。
【請求項2】
前記ナローガイド(3)が収納位置に達すると、前記調節支持リンク(4)の基部リンク(4b)が前記支持筒(6)に設けた位置決めストッパー(9)に接当して停止し、該ナローガイド(3)が張出し位置に達すると、前記先端リンク(4a)に設けた位置決めストッパー(10)が前記基部リンク(4b)に接当して停止する構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインのナローガイド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−75113(P2010−75113A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248416(P2008−248416)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】