コンバインの刈取部
【課題】コンバインの刈取部の穀稈掻込装置周りに穀稈が巻き付くことを防止する。
【解決手段】引起装置11後方の稈掻込装置12を穀稈の株元部を掻き込むスターホイル20と、その上方に位置して穀稈の茎部を掻き込み搬送する係止掻込体21で構成し、前記スターホイル20と係止掻込体21との間に設けた穀稈掻込装置12の駆動軸31を筒状の穀稈巻付防止体59,100で囲むと共に、該穀稈巻付防止体59,100の後側でスターホイル20の上部位置に立壁60,101を設け、該立壁60,101を、平面視で穀稈巻付防止体59,100の外周面に連続し、穀稈巻付防止体59,100の外周面部位からスターホイル20の掻き込み外周軌跡Xを横切ってその後方に亘るように配設した。
【解決手段】引起装置11後方の稈掻込装置12を穀稈の株元部を掻き込むスターホイル20と、その上方に位置して穀稈の茎部を掻き込み搬送する係止掻込体21で構成し、前記スターホイル20と係止掻込体21との間に設けた穀稈掻込装置12の駆動軸31を筒状の穀稈巻付防止体59,100で囲むと共に、該穀稈巻付防止体59,100の後側でスターホイル20の上部位置に立壁60,101を設け、該立壁60,101を、平面視で穀稈巻付防止体59,100の外周面に連続し、穀稈巻付防止体59,100の外周面部位からスターホイル20の掻き込み外周軌跡Xを横切ってその後方に亘るように配設した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインの刈取部における穀稈掻込装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンバインの刈取部において、引起装置の後方にスターホイルと掻込ベルト等よりなる穀稈掻込装置を設けると共に、スターホイルと掻込ベルトの間に設けた掻込ベルトの駆動軸を板状の穀稈巻き付き防止ガイドや大径な円筒等で囲み、前記駆動軸に穀稈が巻き付くことを防止する技術が知られている。(例えば、特許文献1、2参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第2548669号公報
【特許文献2】実開昭61−12339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1、2に記載のものは、前記駆動軸への穀稈の巻き付きは防止できるが、特に穀稈が折れ曲がっていたり、短稈の場合に、穂先側が掻込ベルトから外れてスターホイルのみで穀稈が掻き込まれることがある。そして、この状態で穀稈の穂先側がスターホイルの内側に倒れると、一旦、穀稈の穂先側は穀稈巻き付き防止ガイドや円筒により受け止め支持されるものの、更にスターホイルで掻き込まれて穀稈巻き付き防止ガイドや円筒による支持を失った時に、その後方で穀稈の重たい穂先部がスターホイル上に倒れ込み、スターホイルに穂先部が接触して掻き込まれてしまい、穀稈がスターホイルの周囲や穀稈巻き付き防止ガイド又は円筒自体に巻き付く不具合がある。そして、この巻き付きが拡大すると、それが抵抗となって穀稈の掻き込み搬送姿勢が乱れたり詰まったりする問題がある。
本発明の目的は上記従来の不具合を改善する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、引起装置11の後方に穀稈掻込装置12を備え、その後方に穀稈搬送装置14を設け、刈刃13で刈り取った穀稈を穀稈掻込装置12から穀稈搬送装置14に引継ぎ搬送して後方の脱穀部4に供給するコンバインの刈取部3において、前記穀稈掻込装置12を穀稈の株元部を掻き込むスターホイル20と、その上方に位置して穀稈の茎部を掻き込み搬送する係止掻込体21で構成し、前記スターホイル20と係止掻込体21との間に、穀稈掻込装置12の駆動軸31を囲繞する筒状の穀稈巻付防止体59,100を設けると共に、該穀稈巻付防止体59,100の後側でスターホイル20の上部位置に立壁60,101を設け、該立壁60,101を、平面視で穀稈巻付防止体59,100の外周面に連続し、穀稈巻付防止体59,100の外周面部位からスターホイル20の掻き込み外周軌跡Xを横切ってその後方に亘るように配設したことを特徴とする。
【0006】
また、穀稈巻付防止体59をスターホイル20と共に回転する円筒で構成する一方、立壁60を穀稈巻付防止体59とは分離して刈取部3のフレーム側に取り付けた固定部材で構成し、立壁60の先端部を穀稈巻付防止体59の外周面に近接若しくは接当させたことを特徴とする。
【0007】
また、穀稈巻付防止体100と立壁101とを一体的に構成し、穀稈巻付防止体100又は立壁101を刈取部3のフレーム側に支持固定したことを特徴とする。
【0008】
また、スターホイル20に対する穀稈のスクレーパ63を、立壁60,101の下端部に一体的に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記請求項1に記載した発明は、穀稈掻込装置12を構成するスターホイル20と係止掻込体21との間に設けた穀稈掻込装置12の駆動軸31を筒状の穀稈巻付防止体59,100で囲むことにより、かかる駆動軸31周りに穀稈が巻き付くことを防止できると共に、特に穀稈が折れ曲がっていたり、短稈の場合、穂先側が係止掻込体21から外れて穀稈がスターホイル20のみで掻き込まれる時に、穀稈の穂先部がスターホイル20の内側に倒れても、穂先部を立壁60,101で受け止め支持して、スターホイル20の掻き込み外周軌跡Xの後方まで案内するから、穀稈の穂先部がスターホイル20に接触して掻き込まれることがなく、穀稈がスターホイル20の周囲や穀稈巻付防止体59,100自体に巻き付くことを防止できる。従って、穀稈掻込装置12で掻き込まれる穀稈の姿勢が乱れたり、穀稈が詰まったりすることを防止でき、刈取部3の掻き込み搬送性能を良好に維持できる。
【0010】
また、請求項2に記載した発明では、穀稈巻付防止体59と立壁60を分離し、穀稈巻付防止体59をスターホイル20と共に回転する円筒で構成したから、穀稈巻付防止体59を刈取部3のフレーム側にスターホイル20とは別に支持する場合に対し、スターホイル20と穀稈巻付防止体59との間隙を小さく若しくは無くすることができ、駆動軸31周りへの巻き付き防止性能を高めることができる。また、立壁60を刈取部3のフレーム側に取り付けた固定板で構成し、その先端部を穀稈巻付防止体59の外周面に近接させたから、立壁60に、穀稈巻付防止体59の外周面に付着した屑や土類のスクレーパ機能を持たせて、穀稈巻付防止体59の巻き付き防止性能をより高めることができる。
【0011】
また、請求項3に記載した発明では、穀稈巻付防止体100と立壁101とを一体で構成して刈取部のフレーム側に支持固定したから、支持構成が簡単になる。
【0012】
また、請求項4に記載した発明では、スターホイル20の上面に近接するスクレーパ63により、穀稈がスターホイル20に引っかかって持ち込まれることを防止して、スターホイル20から穀稈を速やかに離脱させて後方の穀稈搬送装置14に引き継ぐことができると共に、スクレーパ63を立壁60,101により構成簡単に支持できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】コンバインの左前方斜視図である。
【図2】刈取部の左側断面図であり、特に中穀稈掻込装置周りを表したものである。
【図3】刈取部の穀稈掻込装置と穀稈搬送装置を示す正面図である。
【図4】刈取部の伝動図である。
【図5】穀稈掻込装置の平面図である。
【図6】中穀稈掻込装置の左前方斜視図である。
【図7】中左穀稈掻込装置の一部を破断した左側面図である。
【図8】中穀稈掻込装置の右後方斜視図である。
【図9】スターホイルの回転軸心方向から見た中穀稈掻込装置の平断面図である。
【図10】中左穀稈掻込装置の分解斜視図である。
【図11】他の実施例を示す中穀稈掻込装置の一部を破断した左側面図である。
【図12】同上中左穀稈掻込装置の分解斜視図である。
【図13】他の実施例を示す中穀稈掻込装置の左前方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態を図1〜12に基づいて説明する。
図1に基づいて本発明を採用したコンバインの基本的構造を説明すると、1は4条刈りコンバインの機体であり、機体1の下部にクローラ式の走行装置2を備え、機体1の左側前方(前進方向を基準にして左側前方)に刈取部3が上下回動昇降自在に装着され、刈取部3の後方に、刈取部3で刈取り搬送された穀稈を受け継ぎ脱穀選別処理する脱穀部4が搭載され、脱穀部4の後方に脱粒済みの排藁を切断処理する藁処理部5が備えられている。
【0015】
一方、機体1の右側前方には運転操作部6が備えられ、その後方に脱穀部4で選別された穀粒を貯留する穀粒タンク7が併設されている。8は穀粒タンク7に貯留された穀粒を機外の運搬車等に排出する穀粒排出オーガであり、穀粒排出オーガ8の下端は穀粒タンク7に連通し、穀粒排出オーガ8は水平回動自在でかつ起伏自在に構成されている。
【0016】
次に、図2〜5に基づき刈取部3の基本構造を説明する。
刈取部3は、圃場に立植した穀稈を分草する分草体10、分草された穀稈を引き起こす引起装置11、引き起こされた穀稈を掻き込む穀稈掻込装置12、刈刃13、刈刃13で刈り取られた穀稈を穀稈掻込装置12から受け継いで後方の脱穀部4まで搬送する穀稈搬送装置14、入力用の縦伝動軸15aを内装した縦伝動筒15、縦伝動筒15の下端に固着され横伝動軸16aを内装した横伝動筒16、横伝動筒16から立設され引起装置11への伝動軸17aを内装した引起縦伝動筒17、横伝動筒16の左右端部に基部が固定され先端に分草体10を取り付ける左右の分草フレーム18L,18R、左右の分草フレーム18L,18Rを連結すると共に刈刃13を支持する横フレーム19、横フレーム19に基部が固定され先端に分草体10を取り付ける中央の3個の分草フレーム18a・・等より構成されている。
【0017】
刈取部3のフレームは、前記縦伝動筒15、横伝動筒16、引起縦伝動筒17、左右の分草フレーム18L,18R、横フレーム19、及び中央の分草フレーム18a・・等より枠組み構成されている。
そして、縦伝動筒15は横軸Yを中心に上下回動自在に機体1に装着され、縦伝動筒15と機体1の間に設けた油圧シリンダ(図示せず)の伸縮作動により縦伝動筒15が横軸Y中心に上下回動し、刈取部3全体が昇降するように構成されている。
【0018】
尚、引起縦伝動筒17は、左側1列の引起装置11に伝動する伝動軸17aを内装する左引起縦伝動筒(図示せず)と、中央2列の引起装置11に伝動する伝動軸17aを内装する中引起縦伝動筒17Cと、右側1列の引起装置11に伝動する伝動軸17aを内装する右引起縦伝動筒(図示せず)とで構成されており、引起縦伝動筒17で引起装置11の上部が支持されている。
【0019】
前記穀稈掻込装置12は、左側に位置する左穀稈掻込装置12L、中央部の左右に位置する中左穀稈掻込装置12CLと中右穀稈掻込装置12CR、及び右側に位置する右穀稈掻込装置12Rで構成され、更に、各穀稈掻込装置12L,12CL,12CR,12Rは、それぞれ下方の穀稈の株元部を掻き込むスターホイル20・・・と、上方の穀稈の茎部を掻き込む係止掻込体21・・・で構成されている。また、係止掻込体21・・・は突起付き掻込ベルトにより構成されている。
尚、図中、スターホイル20・・・付近の矢印イはスターホイル20・・・の回転方向を示す。
【0020】
前記穀稈搬送装置14は、前側左に位置する左搬送体14L、前側右に位置する右搬送体14R、及びその後方に位置する扱深搬送体22からなり、更に、左右の搬送体14L,14Rは各々下段の株元搬送チェン23L,23Rと、中段の中穂先搬送体24L,24Rと、上段の上穂先搬送体25L,25Rで構成され、扱深搬送体22は扱深株元搬送チェン22aと上方の扱深穂先搬送体22bで構成されている。
そして、穀稈掻込装置12の左穀稈掻込装置12Lと中左穀稈掻込装置12CLで掻き込まれた穀稈は、穀稈搬送装置14の左搬送体14Lで受け継がれ、中右穀稈掻込装置12CRと右穀稈掻込装置12Rで掻き込まれた穀稈は、右搬送体14Rで受け継がれてその終端部で合流し、扱深搬送体22に受け継がれる。そして、穀稈は扱深搬送体22で扱深さ調節されて脱穀部4の脱穀フィードチェン4aに受け継がれるように構成されている。
【0021】
次に、図4に基づき刈取部3の伝動系の構造を説明する。
機体1に搭載されたエンジン26からの動力が搬送HST27に入力され、搬送HST27により変速された動力がギヤケース28、出力プーリ29を介して刈取部3の入力プーリ30に伝動され、横軸Yから扱深搬送体22に伝動される。一方、横軸Yから縦伝動軸15a、横伝動軸16aを介して左右の搬送体14L,14R、穀稈掻込装置12、刈刃13、及び引起装置11へ伝動される。
また、穀稈掻込装置12への詳細な伝動構造を、左穀稈掻込装置12Lと中左穀稈掻込装置12CLへの伝動を例にとって説明すると、左搬送体14Lの伝動軸14aの中途から伝動される株元搬送チェン23Lを介して左穀稈掻込装置12Lのスターホイル20と係止掻込体21に伝動され、このスターホイル20と中左穀稈掻込装置12CLのスターホイル20が噛み合うことで中左穀稈掻込装置12CLのスターホイル20が駆動される。そして中左穀稈掻込装置12CLのスターホイル20に固定した駆動軸31(穀稈掻込装置の駆動軸)により中左穀稈掻込装置12CLの係止掻込体21が駆動される。
尚、右穀稈掻込装置12Rへの伝動も同様な構成で行われる。
【0022】
次に、図5〜10に基づき中左穀稈掻込装置12CLと中右穀稈掻込装置12CRの詳細構造を説明する。
先ず、支持構造を説明すると、中引起縦伝動筒17Cの中途部に溶接固定されたブラケット50に支持フレーム51が締結固定され、支持フレーム51の先端部に溶接固定されたプレート52に中左穀稈掻込装置12CLと中右穀稈掻込装置12CRの係止掻込体21,21の前側部が締結固定されている。支持フレーム51の中途部には直交する支持部材53が溶接固定され、支持部材53の両端部にスターホイル20,20等を支持する支持軸54,54が垂下姿勢で溶接固定され、該支持軸54,54の中途に溶接固定されたブラケット55を介して係止掻込体21,21の後側部が締結固定されている。即ち、中左穀稈掻込装置12CLと中右穀稈掻込装置12CRは刈取部3のフレームを構成する中引起縦伝動筒17Cに支持されている。
尚、図示しないが、前記プレート52の先端は中央の分草フレーム18aに連結固定されている。
【0023】
次に、中左穀稈掻込装置12CLの詳細構造を説明すると、前記支持軸54には係止掻込体21の駆動軸31が回動自在に嵌合されており、駆動軸31の上部には係止掻込体21の掻込ベルトKを掛け回す駆動輪(プーリ)56が溶接固定され、下部にはスターホイル20の取付部材(円板状)57が溶接固定され、該取付部材57にスターホイル20が締結固定されている。また、支持軸54の下端には駆動軸31の抜け止め用のワッシャ58が設けられダブルナット58aで支持軸54に固定されている。
【0024】
一方、駆動輪56とスターホイル20との間には樹脂で形成された円筒状の穀稈巻付防止体59が設けられ、該穀稈巻付防止体59で駆動軸31を囲繞即ち内包して囲むように構成されている。また、穀稈巻付防止体59はその下端が取付部材57に外嵌し、上端が駆動輪56の下面に近接することで、穀稈巻付防止体59は上下及び前後左右方向に位置規制されていると共に、穀稈巻付防止体59の下端は自重でスターホイル20の上面に接当しており、スターホイル20が回動駆動すると接触による摩擦抵抗により穀稈巻付防止体59が共に連れ回り回転するように構成されている。
尚、本実施例では、スターホイル20との摩擦抵抗により穀稈巻付防止体59が共に回転するように構成したが、穀稈巻付防止体59をスターホイル20に一体的に固定して回転するように構成してもよい。
【0025】
更に、中左穀稈掻込装置12CLの穀稈巻付防止体59の後側でスターホイル20の上部(直上方)には、前後方向の直立する板体で構成された立壁60がスターホイル20の外周面に連続するように設けられている。該立壁60はその後部が、中引起縦伝動筒17Cの中途部に溶接固定された支持ブラケット61にボルト62により締結固定された固定部材(固定板)であって、図9に示すように、立壁60は、平面視で穀稈巻付防止体59の外周面部(穀稈巻付防止体59の回転軸心即ち支持軸54より後方で、支持軸54よりスターホイル20の掻き込み通路A寄りの外周面位置)から後方に延び、スターホイル20の掻き込み外周軌跡Xを横切って、終端部が掻き込み外周軌跡Xより後方に至るように前後方向に延設配置されている。そして立壁60の上下幅は穀稈巻付防止体59の上下高さと略同等で、立壁60の先端部は穀稈巻付防止体59の外周面に対向する位置で、外周面に近接している。
【0026】
立壁60の下端部にはスターホイル20に対する穀稈のスクレーパ63が一体的に溶接固定されており、該スクレーパ63は平板状であって、スターホイル20の掻き込み通路Aの下手側でスターホイル20の上面に近接してその上面を覆っている。
尚、本実施例では立壁60の下端部にスクレーパ63を溶着したが、立壁60の下部を掻き込み通路A側に向けて一体的に折り曲げ、断面L字状となしてスクレーパを構成してもよい。
【0027】
また、中左穀稈掻込装置12CLのスターホイル20の上方位置には、スターホイル20の掻き込み通路Aを構成すると共に後方に伸びて後方の株元搬送チェン23Lの挟持レールとなる穀稈案内ガイド64が設けられている。また穀稈案内ガイド64の後方には株元搬送チェン23Lへの穀稈の補助案内ガイド65が設けられ、該補助案内ガイド65は弾性線材で構成され、基部が前記支持ブラケット61に固定されると共に、立壁60に形成した孔60aから外方後方に延びて株元搬送チェン23Lの搬送面に対向位置している。
【0028】
次に、中右穀稈掻込装置12CRについて説明する。
スターホイル20、係止掻込体21、及び穀稈巻付防止体59等の支持構成は中左穀稈掻込装置12CLと同様であるため説明を省略する。
スターホイル20の上方位置には穀稈案内ガイド66が設けられ、該穀稈案内ガイド66は、スターホイル20の掻き込み通路Aを構成すると共に後方に延びて株元搬送チェン23Rの挟持レールに構成されている。また、中右穀稈掻込装置12CRの穀稈巻付防止体59の背面には穀稈案内ガイド66を支持する箱状のブラケット68が配置され、該ブラケット68は中引起縦伝動筒17Cに溶接固定された前記ブラケット50に締結固定された支持部材67に固定されている。
【0029】
そして、上記箱状のブラケット68には遮蔽板69が固定されており、該遮蔽板69はブラケット68の前側と穀稈巻付防止体59の外周面との間に形成される楔状の空間Yを覆うことにより、スターホイル20の回転で藁屑等が空間Y内に持ち込まれて堆積することを防止するものである。そのために遮蔽板69は空間Yの上部を覆う上面69aと空間Yの前側(スターホイル20の回転上手側)を覆う立面69bを有しており、遮蔽板69の先端部は穀稈巻付防止体59の外周面に近接し、立面69bの下縁はスターホイル20の上面に近接している。
【0030】
本発明の実施の形態の一つ(第1実施例)は上述の通りであり、特に本発明の特徴である穀稈掻込装置12において、以下のような作用効果を奏する。
即ち、引起装置11で引き起こされた穀稈は、穀稈掻込装置12で掻き込まれると同時に刈刃13で刈り取られ、穀稈掻込装置12から穀稈搬送装置14に継送されるが、この時、掻込搬送装置12(12L,12CL,12CR,12R)を穀稈の株元部を掻き込むスターホイル20・・・と、その上方に位置して穀稈の茎部を掻き込む係止掻込体21・・・で構成すると共に、スターホイル20と係止掻込体21との間に、係止掻込体21の駆動軸31を囲繞する大径な筒状の穀稈巻付防止体59を設けたことにより、小径な駆動軸31周りに穀稈が巻き付くことを防止できる。
【0031】
また、特に穀稈が折れ曲がっていたり、刈取穀稈が短稈の場合、穂先側が上方の係止掻込体21に係合されず支持を失い、スターホイル20のみで穀稈が掻き込まれる状態が発生し、穀稈の重たい穂先部がスターホイル20の内側(中心側)に倒れることがある。
しかし、本発明では、中左掻込搬送装置12CLにおいて、穀稈巻付防止体59の後側(後側で且つスターホイル20の掻き込み通路A寄り)で、スターホイル20の上部位置に起立した立壁60を設け、該立壁60を、平面視で穀稈巻付防止体20の外周面に連続し、該外周面部からスターホイル20の掻き込み外周軌跡Xを横切ってその後方に亘るように配設したことにより、穀稈の穂先部がスターホイル20の内側に倒れても、穂先部を穀稈巻付防止体59に引き続いて立壁60で受け止め支持して、スターホイル20の掻き込み外周軌跡Xの後方まで案内するから、穂先部が穀稈巻付防止体59の後方でスターホイル20上に倒れ込みスターホイル20に接触して掻き込まれることがなく、穀稈がスターホイル20の周囲や穀稈巻付防止体59自体に巻き付くことを防止できる。
従って、中左掻込搬送装置12CLで掻き込み搬送される穀稈の姿勢が乱れたり、穀稈が詰まったりすることを防止でき、刈取部3の掻き込み搬送性能を良好に維持できる。
【0032】
また、穀稈巻付防止体59をスターホイル20と共に回転する円筒で構成する一方、立壁60を穀稈巻付防止体59とは分離して刈取部3のフレーム側(中引起縦伝動筒17C)に取り付けられた固定部材で構成したから、穀稈巻付防止体59を刈取部3のフレーム側にスターホイル20とは別に固定支持する場合に対し、スターホイル20と穀稈巻付防止体59との間隙を小さく若しくは無くすることができ、駆動軸31周りへの巻き付き防止性能を高めることができると共に、立壁60の先端部を穀稈巻付防止体59の外周面に近接させたことにより、立壁60に穀稈巻付防止体59の外周面に付着した屑や土類のスクレーパ機能を持たせて、穀稈巻付防止体59の巻き付き防止性能をより高めることができる。
【0033】
また、スターホイル20に対する穀稈のスクレーパ63を、立壁60の下端部に一体的に設けたことにより、穀稈の株元部等がスターホイル20に引っかかってスターホイル20で持ち込まれることをスクレーパ63で防止して、スターホイル20から穀稈を速やかに離脱させて後方の株元搬送チェン23Lに引き継ぐことができると共に、スクレーパ63を立壁60により構成簡単に支持できる。
即ち、前述したように、スクレーパ63は、平板状に形成されスターホイル20の掻き込み通路Aの下手側でスターホイル20の上面に近接しているから、スターホイル20引っかかって非掻き込み通路側に持ち込まれようとする穀稈を、スクレーパ63の外縁63aで防ぎ、スターホイル20から速やかに離脱させることができる。
また、立壁60はその後部を、中引起縦伝動筒17Cの中途部に支持固定することで、中引起縦伝動筒17Cを支持フレームとして有効に利用し、立壁60の支持構成を簡単にできる。
【0034】
次に、本発明の掻込搬送装置12における穀稈巻付防止体と立壁のもう一つの実施例(第2実施例)を図11及び12に基づいて説明する。
尚、穀稈巻付防止体と立壁以外の構成は前述の第1実施例と同様であり、説明を省略する。
この第2実施例の特徴は、穀稈巻付防止体100と立壁101を一体的に構成した点にある。
即ち、図11に示すように、穀稈巻付防止体100を1枚の板体を円筒状に屈曲形成して構成すると共に、該板体を、掻き込み通路A側で支持軸54より後方位置から一体的に後方に延出し(掻き込み外周軌跡Xの後方まで延出)、この延出部を立壁101に構成したものである。
そして、立壁101はその後部が、前記中引起縦伝動筒17Cに固定された支持ブラケット61にボルト62により締結固定されている。即ち、穀稈巻付防止体100と立壁101とを一体で構成して刈取部3のフレーム側(中引起縦伝動筒17C)に支持固定している。
【0035】
これにより、この第2実施例においても、第1実施例と同様に、中左穀稈掻込装置12CLを穀稈の株元部を掻き込むスターホイル20と、その上方に位置して穀稈の茎部を掻き込む係止掻込体21で構成し、スターホイル20と係止掻込体21との間に、係止掻込体21の駆動軸31を囲繞する筒状の穀稈巻付防止体100を設けると共に、該穀稈巻付防止体100の後側でスターホイル20の上部位置に立壁101を設け、該立壁101を、平面視で穀稈巻付防止体100の外周面に連続し、穀稈巻付防止体100の外周面部からスターホイル20の掻き込み外周軌跡Xを横切ってその後方に亘るように配置構成したものである。
【0036】
従って、係止掻込体21の駆動軸31を筒状の穀稈巻付防止体100で囲むことにより、駆動軸31周りに穀稈が巻き付くことを防止できると共に、特に穀稈が折れ曲がっていたり、短稈の場合、穀稈の穂先部がスターホイル20の内側に倒れても、穂先部を立壁101で受け止め支持することにより、穀稈の穂先部がスターホイル20に接触して掻き込まれることがなく、穀稈がスターホイル20の周囲や穀稈巻付防止体100自体に巻き付くことを防止できる。
また、穀稈巻付防止体100と立壁101とを一体で構成して刈取部3のフレーム側に支持固定したから、支持構成が簡単になる。
なお、上記実施例では、穀稈巻付防止体100と立壁101を1枚の板体で一体成形しているが、例えば、穀稈巻付防止体100と立壁101を別体で成形して、両者を溶接等で一体的に固定してもよい。
また、穀稈巻付防止体100は駆動軸31を囲む筒状であればよく、円筒に限らず、断面が多角状や断面C字状等の筒体であってもよい。
【0037】
次に、本発明の掻込搬送装置12における立壁60のもう一つの実施例(第3実施例)を図13に基づいて説明する。
尚、立壁60以外の構成は前述の第1実施例と同様であり、説明を省略する。
この第3実施例は、立壁60を、中引起縦伝動筒17Cの中途部に溶接固定された支持ブラケット61にボルト62により締結固定された固定板60bと、該固定板60bの前端部にビス60cで締結固定した軟質板60dにより構成し、該立壁60全体は、刈取部3のフレーム側(中引起縦伝動筒17C)に取り付けられた固定部材となっている。そして、軟質板60dの前端部を穀稈巻付防止体100の外周面に接当密着させて、両者の間隙を無くすことにより、穀稈巻付防止体100に対する立壁60のスクレーパ性能をより高めたものである。
尚、軟質板60dはゴム、プラスチック、ビニールのような樹脂で形成されている。
【符号の説明】
【0038】
3 刈取部
4 脱穀部
11 引起装置
12 穀稈掻込装置
13 刈刃
14 穀稈搬送装置
20 スターホイル
21 係止掻込体
31 駆動軸
59,100 穀稈巻付防止体
60,101 立壁
63 スクレーパ
X 掻き込み外周軌跡
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインの刈取部における穀稈掻込装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンバインの刈取部において、引起装置の後方にスターホイルと掻込ベルト等よりなる穀稈掻込装置を設けると共に、スターホイルと掻込ベルトの間に設けた掻込ベルトの駆動軸を板状の穀稈巻き付き防止ガイドや大径な円筒等で囲み、前記駆動軸に穀稈が巻き付くことを防止する技術が知られている。(例えば、特許文献1、2参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第2548669号公報
【特許文献2】実開昭61−12339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1、2に記載のものは、前記駆動軸への穀稈の巻き付きは防止できるが、特に穀稈が折れ曲がっていたり、短稈の場合に、穂先側が掻込ベルトから外れてスターホイルのみで穀稈が掻き込まれることがある。そして、この状態で穀稈の穂先側がスターホイルの内側に倒れると、一旦、穀稈の穂先側は穀稈巻き付き防止ガイドや円筒により受け止め支持されるものの、更にスターホイルで掻き込まれて穀稈巻き付き防止ガイドや円筒による支持を失った時に、その後方で穀稈の重たい穂先部がスターホイル上に倒れ込み、スターホイルに穂先部が接触して掻き込まれてしまい、穀稈がスターホイルの周囲や穀稈巻き付き防止ガイド又は円筒自体に巻き付く不具合がある。そして、この巻き付きが拡大すると、それが抵抗となって穀稈の掻き込み搬送姿勢が乱れたり詰まったりする問題がある。
本発明の目的は上記従来の不具合を改善する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、引起装置11の後方に穀稈掻込装置12を備え、その後方に穀稈搬送装置14を設け、刈刃13で刈り取った穀稈を穀稈掻込装置12から穀稈搬送装置14に引継ぎ搬送して後方の脱穀部4に供給するコンバインの刈取部3において、前記穀稈掻込装置12を穀稈の株元部を掻き込むスターホイル20と、その上方に位置して穀稈の茎部を掻き込み搬送する係止掻込体21で構成し、前記スターホイル20と係止掻込体21との間に、穀稈掻込装置12の駆動軸31を囲繞する筒状の穀稈巻付防止体59,100を設けると共に、該穀稈巻付防止体59,100の後側でスターホイル20の上部位置に立壁60,101を設け、該立壁60,101を、平面視で穀稈巻付防止体59,100の外周面に連続し、穀稈巻付防止体59,100の外周面部位からスターホイル20の掻き込み外周軌跡Xを横切ってその後方に亘るように配設したことを特徴とする。
【0006】
また、穀稈巻付防止体59をスターホイル20と共に回転する円筒で構成する一方、立壁60を穀稈巻付防止体59とは分離して刈取部3のフレーム側に取り付けた固定部材で構成し、立壁60の先端部を穀稈巻付防止体59の外周面に近接若しくは接当させたことを特徴とする。
【0007】
また、穀稈巻付防止体100と立壁101とを一体的に構成し、穀稈巻付防止体100又は立壁101を刈取部3のフレーム側に支持固定したことを特徴とする。
【0008】
また、スターホイル20に対する穀稈のスクレーパ63を、立壁60,101の下端部に一体的に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記請求項1に記載した発明は、穀稈掻込装置12を構成するスターホイル20と係止掻込体21との間に設けた穀稈掻込装置12の駆動軸31を筒状の穀稈巻付防止体59,100で囲むことにより、かかる駆動軸31周りに穀稈が巻き付くことを防止できると共に、特に穀稈が折れ曲がっていたり、短稈の場合、穂先側が係止掻込体21から外れて穀稈がスターホイル20のみで掻き込まれる時に、穀稈の穂先部がスターホイル20の内側に倒れても、穂先部を立壁60,101で受け止め支持して、スターホイル20の掻き込み外周軌跡Xの後方まで案内するから、穀稈の穂先部がスターホイル20に接触して掻き込まれることがなく、穀稈がスターホイル20の周囲や穀稈巻付防止体59,100自体に巻き付くことを防止できる。従って、穀稈掻込装置12で掻き込まれる穀稈の姿勢が乱れたり、穀稈が詰まったりすることを防止でき、刈取部3の掻き込み搬送性能を良好に維持できる。
【0010】
また、請求項2に記載した発明では、穀稈巻付防止体59と立壁60を分離し、穀稈巻付防止体59をスターホイル20と共に回転する円筒で構成したから、穀稈巻付防止体59を刈取部3のフレーム側にスターホイル20とは別に支持する場合に対し、スターホイル20と穀稈巻付防止体59との間隙を小さく若しくは無くすることができ、駆動軸31周りへの巻き付き防止性能を高めることができる。また、立壁60を刈取部3のフレーム側に取り付けた固定板で構成し、その先端部を穀稈巻付防止体59の外周面に近接させたから、立壁60に、穀稈巻付防止体59の外周面に付着した屑や土類のスクレーパ機能を持たせて、穀稈巻付防止体59の巻き付き防止性能をより高めることができる。
【0011】
また、請求項3に記載した発明では、穀稈巻付防止体100と立壁101とを一体で構成して刈取部のフレーム側に支持固定したから、支持構成が簡単になる。
【0012】
また、請求項4に記載した発明では、スターホイル20の上面に近接するスクレーパ63により、穀稈がスターホイル20に引っかかって持ち込まれることを防止して、スターホイル20から穀稈を速やかに離脱させて後方の穀稈搬送装置14に引き継ぐことができると共に、スクレーパ63を立壁60,101により構成簡単に支持できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】コンバインの左前方斜視図である。
【図2】刈取部の左側断面図であり、特に中穀稈掻込装置周りを表したものである。
【図3】刈取部の穀稈掻込装置と穀稈搬送装置を示す正面図である。
【図4】刈取部の伝動図である。
【図5】穀稈掻込装置の平面図である。
【図6】中穀稈掻込装置の左前方斜視図である。
【図7】中左穀稈掻込装置の一部を破断した左側面図である。
【図8】中穀稈掻込装置の右後方斜視図である。
【図9】スターホイルの回転軸心方向から見た中穀稈掻込装置の平断面図である。
【図10】中左穀稈掻込装置の分解斜視図である。
【図11】他の実施例を示す中穀稈掻込装置の一部を破断した左側面図である。
【図12】同上中左穀稈掻込装置の分解斜視図である。
【図13】他の実施例を示す中穀稈掻込装置の左前方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態を図1〜12に基づいて説明する。
図1に基づいて本発明を採用したコンバインの基本的構造を説明すると、1は4条刈りコンバインの機体であり、機体1の下部にクローラ式の走行装置2を備え、機体1の左側前方(前進方向を基準にして左側前方)に刈取部3が上下回動昇降自在に装着され、刈取部3の後方に、刈取部3で刈取り搬送された穀稈を受け継ぎ脱穀選別処理する脱穀部4が搭載され、脱穀部4の後方に脱粒済みの排藁を切断処理する藁処理部5が備えられている。
【0015】
一方、機体1の右側前方には運転操作部6が備えられ、その後方に脱穀部4で選別された穀粒を貯留する穀粒タンク7が併設されている。8は穀粒タンク7に貯留された穀粒を機外の運搬車等に排出する穀粒排出オーガであり、穀粒排出オーガ8の下端は穀粒タンク7に連通し、穀粒排出オーガ8は水平回動自在でかつ起伏自在に構成されている。
【0016】
次に、図2〜5に基づき刈取部3の基本構造を説明する。
刈取部3は、圃場に立植した穀稈を分草する分草体10、分草された穀稈を引き起こす引起装置11、引き起こされた穀稈を掻き込む穀稈掻込装置12、刈刃13、刈刃13で刈り取られた穀稈を穀稈掻込装置12から受け継いで後方の脱穀部4まで搬送する穀稈搬送装置14、入力用の縦伝動軸15aを内装した縦伝動筒15、縦伝動筒15の下端に固着され横伝動軸16aを内装した横伝動筒16、横伝動筒16から立設され引起装置11への伝動軸17aを内装した引起縦伝動筒17、横伝動筒16の左右端部に基部が固定され先端に分草体10を取り付ける左右の分草フレーム18L,18R、左右の分草フレーム18L,18Rを連結すると共に刈刃13を支持する横フレーム19、横フレーム19に基部が固定され先端に分草体10を取り付ける中央の3個の分草フレーム18a・・等より構成されている。
【0017】
刈取部3のフレームは、前記縦伝動筒15、横伝動筒16、引起縦伝動筒17、左右の分草フレーム18L,18R、横フレーム19、及び中央の分草フレーム18a・・等より枠組み構成されている。
そして、縦伝動筒15は横軸Yを中心に上下回動自在に機体1に装着され、縦伝動筒15と機体1の間に設けた油圧シリンダ(図示せず)の伸縮作動により縦伝動筒15が横軸Y中心に上下回動し、刈取部3全体が昇降するように構成されている。
【0018】
尚、引起縦伝動筒17は、左側1列の引起装置11に伝動する伝動軸17aを内装する左引起縦伝動筒(図示せず)と、中央2列の引起装置11に伝動する伝動軸17aを内装する中引起縦伝動筒17Cと、右側1列の引起装置11に伝動する伝動軸17aを内装する右引起縦伝動筒(図示せず)とで構成されており、引起縦伝動筒17で引起装置11の上部が支持されている。
【0019】
前記穀稈掻込装置12は、左側に位置する左穀稈掻込装置12L、中央部の左右に位置する中左穀稈掻込装置12CLと中右穀稈掻込装置12CR、及び右側に位置する右穀稈掻込装置12Rで構成され、更に、各穀稈掻込装置12L,12CL,12CR,12Rは、それぞれ下方の穀稈の株元部を掻き込むスターホイル20・・・と、上方の穀稈の茎部を掻き込む係止掻込体21・・・で構成されている。また、係止掻込体21・・・は突起付き掻込ベルトにより構成されている。
尚、図中、スターホイル20・・・付近の矢印イはスターホイル20・・・の回転方向を示す。
【0020】
前記穀稈搬送装置14は、前側左に位置する左搬送体14L、前側右に位置する右搬送体14R、及びその後方に位置する扱深搬送体22からなり、更に、左右の搬送体14L,14Rは各々下段の株元搬送チェン23L,23Rと、中段の中穂先搬送体24L,24Rと、上段の上穂先搬送体25L,25Rで構成され、扱深搬送体22は扱深株元搬送チェン22aと上方の扱深穂先搬送体22bで構成されている。
そして、穀稈掻込装置12の左穀稈掻込装置12Lと中左穀稈掻込装置12CLで掻き込まれた穀稈は、穀稈搬送装置14の左搬送体14Lで受け継がれ、中右穀稈掻込装置12CRと右穀稈掻込装置12Rで掻き込まれた穀稈は、右搬送体14Rで受け継がれてその終端部で合流し、扱深搬送体22に受け継がれる。そして、穀稈は扱深搬送体22で扱深さ調節されて脱穀部4の脱穀フィードチェン4aに受け継がれるように構成されている。
【0021】
次に、図4に基づき刈取部3の伝動系の構造を説明する。
機体1に搭載されたエンジン26からの動力が搬送HST27に入力され、搬送HST27により変速された動力がギヤケース28、出力プーリ29を介して刈取部3の入力プーリ30に伝動され、横軸Yから扱深搬送体22に伝動される。一方、横軸Yから縦伝動軸15a、横伝動軸16aを介して左右の搬送体14L,14R、穀稈掻込装置12、刈刃13、及び引起装置11へ伝動される。
また、穀稈掻込装置12への詳細な伝動構造を、左穀稈掻込装置12Lと中左穀稈掻込装置12CLへの伝動を例にとって説明すると、左搬送体14Lの伝動軸14aの中途から伝動される株元搬送チェン23Lを介して左穀稈掻込装置12Lのスターホイル20と係止掻込体21に伝動され、このスターホイル20と中左穀稈掻込装置12CLのスターホイル20が噛み合うことで中左穀稈掻込装置12CLのスターホイル20が駆動される。そして中左穀稈掻込装置12CLのスターホイル20に固定した駆動軸31(穀稈掻込装置の駆動軸)により中左穀稈掻込装置12CLの係止掻込体21が駆動される。
尚、右穀稈掻込装置12Rへの伝動も同様な構成で行われる。
【0022】
次に、図5〜10に基づき中左穀稈掻込装置12CLと中右穀稈掻込装置12CRの詳細構造を説明する。
先ず、支持構造を説明すると、中引起縦伝動筒17Cの中途部に溶接固定されたブラケット50に支持フレーム51が締結固定され、支持フレーム51の先端部に溶接固定されたプレート52に中左穀稈掻込装置12CLと中右穀稈掻込装置12CRの係止掻込体21,21の前側部が締結固定されている。支持フレーム51の中途部には直交する支持部材53が溶接固定され、支持部材53の両端部にスターホイル20,20等を支持する支持軸54,54が垂下姿勢で溶接固定され、該支持軸54,54の中途に溶接固定されたブラケット55を介して係止掻込体21,21の後側部が締結固定されている。即ち、中左穀稈掻込装置12CLと中右穀稈掻込装置12CRは刈取部3のフレームを構成する中引起縦伝動筒17Cに支持されている。
尚、図示しないが、前記プレート52の先端は中央の分草フレーム18aに連結固定されている。
【0023】
次に、中左穀稈掻込装置12CLの詳細構造を説明すると、前記支持軸54には係止掻込体21の駆動軸31が回動自在に嵌合されており、駆動軸31の上部には係止掻込体21の掻込ベルトKを掛け回す駆動輪(プーリ)56が溶接固定され、下部にはスターホイル20の取付部材(円板状)57が溶接固定され、該取付部材57にスターホイル20が締結固定されている。また、支持軸54の下端には駆動軸31の抜け止め用のワッシャ58が設けられダブルナット58aで支持軸54に固定されている。
【0024】
一方、駆動輪56とスターホイル20との間には樹脂で形成された円筒状の穀稈巻付防止体59が設けられ、該穀稈巻付防止体59で駆動軸31を囲繞即ち内包して囲むように構成されている。また、穀稈巻付防止体59はその下端が取付部材57に外嵌し、上端が駆動輪56の下面に近接することで、穀稈巻付防止体59は上下及び前後左右方向に位置規制されていると共に、穀稈巻付防止体59の下端は自重でスターホイル20の上面に接当しており、スターホイル20が回動駆動すると接触による摩擦抵抗により穀稈巻付防止体59が共に連れ回り回転するように構成されている。
尚、本実施例では、スターホイル20との摩擦抵抗により穀稈巻付防止体59が共に回転するように構成したが、穀稈巻付防止体59をスターホイル20に一体的に固定して回転するように構成してもよい。
【0025】
更に、中左穀稈掻込装置12CLの穀稈巻付防止体59の後側でスターホイル20の上部(直上方)には、前後方向の直立する板体で構成された立壁60がスターホイル20の外周面に連続するように設けられている。該立壁60はその後部が、中引起縦伝動筒17Cの中途部に溶接固定された支持ブラケット61にボルト62により締結固定された固定部材(固定板)であって、図9に示すように、立壁60は、平面視で穀稈巻付防止体59の外周面部(穀稈巻付防止体59の回転軸心即ち支持軸54より後方で、支持軸54よりスターホイル20の掻き込み通路A寄りの外周面位置)から後方に延び、スターホイル20の掻き込み外周軌跡Xを横切って、終端部が掻き込み外周軌跡Xより後方に至るように前後方向に延設配置されている。そして立壁60の上下幅は穀稈巻付防止体59の上下高さと略同等で、立壁60の先端部は穀稈巻付防止体59の外周面に対向する位置で、外周面に近接している。
【0026】
立壁60の下端部にはスターホイル20に対する穀稈のスクレーパ63が一体的に溶接固定されており、該スクレーパ63は平板状であって、スターホイル20の掻き込み通路Aの下手側でスターホイル20の上面に近接してその上面を覆っている。
尚、本実施例では立壁60の下端部にスクレーパ63を溶着したが、立壁60の下部を掻き込み通路A側に向けて一体的に折り曲げ、断面L字状となしてスクレーパを構成してもよい。
【0027】
また、中左穀稈掻込装置12CLのスターホイル20の上方位置には、スターホイル20の掻き込み通路Aを構成すると共に後方に伸びて後方の株元搬送チェン23Lの挟持レールとなる穀稈案内ガイド64が設けられている。また穀稈案内ガイド64の後方には株元搬送チェン23Lへの穀稈の補助案内ガイド65が設けられ、該補助案内ガイド65は弾性線材で構成され、基部が前記支持ブラケット61に固定されると共に、立壁60に形成した孔60aから外方後方に延びて株元搬送チェン23Lの搬送面に対向位置している。
【0028】
次に、中右穀稈掻込装置12CRについて説明する。
スターホイル20、係止掻込体21、及び穀稈巻付防止体59等の支持構成は中左穀稈掻込装置12CLと同様であるため説明を省略する。
スターホイル20の上方位置には穀稈案内ガイド66が設けられ、該穀稈案内ガイド66は、スターホイル20の掻き込み通路Aを構成すると共に後方に延びて株元搬送チェン23Rの挟持レールに構成されている。また、中右穀稈掻込装置12CRの穀稈巻付防止体59の背面には穀稈案内ガイド66を支持する箱状のブラケット68が配置され、該ブラケット68は中引起縦伝動筒17Cに溶接固定された前記ブラケット50に締結固定された支持部材67に固定されている。
【0029】
そして、上記箱状のブラケット68には遮蔽板69が固定されており、該遮蔽板69はブラケット68の前側と穀稈巻付防止体59の外周面との間に形成される楔状の空間Yを覆うことにより、スターホイル20の回転で藁屑等が空間Y内に持ち込まれて堆積することを防止するものである。そのために遮蔽板69は空間Yの上部を覆う上面69aと空間Yの前側(スターホイル20の回転上手側)を覆う立面69bを有しており、遮蔽板69の先端部は穀稈巻付防止体59の外周面に近接し、立面69bの下縁はスターホイル20の上面に近接している。
【0030】
本発明の実施の形態の一つ(第1実施例)は上述の通りであり、特に本発明の特徴である穀稈掻込装置12において、以下のような作用効果を奏する。
即ち、引起装置11で引き起こされた穀稈は、穀稈掻込装置12で掻き込まれると同時に刈刃13で刈り取られ、穀稈掻込装置12から穀稈搬送装置14に継送されるが、この時、掻込搬送装置12(12L,12CL,12CR,12R)を穀稈の株元部を掻き込むスターホイル20・・・と、その上方に位置して穀稈の茎部を掻き込む係止掻込体21・・・で構成すると共に、スターホイル20と係止掻込体21との間に、係止掻込体21の駆動軸31を囲繞する大径な筒状の穀稈巻付防止体59を設けたことにより、小径な駆動軸31周りに穀稈が巻き付くことを防止できる。
【0031】
また、特に穀稈が折れ曲がっていたり、刈取穀稈が短稈の場合、穂先側が上方の係止掻込体21に係合されず支持を失い、スターホイル20のみで穀稈が掻き込まれる状態が発生し、穀稈の重たい穂先部がスターホイル20の内側(中心側)に倒れることがある。
しかし、本発明では、中左掻込搬送装置12CLにおいて、穀稈巻付防止体59の後側(後側で且つスターホイル20の掻き込み通路A寄り)で、スターホイル20の上部位置に起立した立壁60を設け、該立壁60を、平面視で穀稈巻付防止体20の外周面に連続し、該外周面部からスターホイル20の掻き込み外周軌跡Xを横切ってその後方に亘るように配設したことにより、穀稈の穂先部がスターホイル20の内側に倒れても、穂先部を穀稈巻付防止体59に引き続いて立壁60で受け止め支持して、スターホイル20の掻き込み外周軌跡Xの後方まで案内するから、穂先部が穀稈巻付防止体59の後方でスターホイル20上に倒れ込みスターホイル20に接触して掻き込まれることがなく、穀稈がスターホイル20の周囲や穀稈巻付防止体59自体に巻き付くことを防止できる。
従って、中左掻込搬送装置12CLで掻き込み搬送される穀稈の姿勢が乱れたり、穀稈が詰まったりすることを防止でき、刈取部3の掻き込み搬送性能を良好に維持できる。
【0032】
また、穀稈巻付防止体59をスターホイル20と共に回転する円筒で構成する一方、立壁60を穀稈巻付防止体59とは分離して刈取部3のフレーム側(中引起縦伝動筒17C)に取り付けられた固定部材で構成したから、穀稈巻付防止体59を刈取部3のフレーム側にスターホイル20とは別に固定支持する場合に対し、スターホイル20と穀稈巻付防止体59との間隙を小さく若しくは無くすることができ、駆動軸31周りへの巻き付き防止性能を高めることができると共に、立壁60の先端部を穀稈巻付防止体59の外周面に近接させたことにより、立壁60に穀稈巻付防止体59の外周面に付着した屑や土類のスクレーパ機能を持たせて、穀稈巻付防止体59の巻き付き防止性能をより高めることができる。
【0033】
また、スターホイル20に対する穀稈のスクレーパ63を、立壁60の下端部に一体的に設けたことにより、穀稈の株元部等がスターホイル20に引っかかってスターホイル20で持ち込まれることをスクレーパ63で防止して、スターホイル20から穀稈を速やかに離脱させて後方の株元搬送チェン23Lに引き継ぐことができると共に、スクレーパ63を立壁60により構成簡単に支持できる。
即ち、前述したように、スクレーパ63は、平板状に形成されスターホイル20の掻き込み通路Aの下手側でスターホイル20の上面に近接しているから、スターホイル20引っかかって非掻き込み通路側に持ち込まれようとする穀稈を、スクレーパ63の外縁63aで防ぎ、スターホイル20から速やかに離脱させることができる。
また、立壁60はその後部を、中引起縦伝動筒17Cの中途部に支持固定することで、中引起縦伝動筒17Cを支持フレームとして有効に利用し、立壁60の支持構成を簡単にできる。
【0034】
次に、本発明の掻込搬送装置12における穀稈巻付防止体と立壁のもう一つの実施例(第2実施例)を図11及び12に基づいて説明する。
尚、穀稈巻付防止体と立壁以外の構成は前述の第1実施例と同様であり、説明を省略する。
この第2実施例の特徴は、穀稈巻付防止体100と立壁101を一体的に構成した点にある。
即ち、図11に示すように、穀稈巻付防止体100を1枚の板体を円筒状に屈曲形成して構成すると共に、該板体を、掻き込み通路A側で支持軸54より後方位置から一体的に後方に延出し(掻き込み外周軌跡Xの後方まで延出)、この延出部を立壁101に構成したものである。
そして、立壁101はその後部が、前記中引起縦伝動筒17Cに固定された支持ブラケット61にボルト62により締結固定されている。即ち、穀稈巻付防止体100と立壁101とを一体で構成して刈取部3のフレーム側(中引起縦伝動筒17C)に支持固定している。
【0035】
これにより、この第2実施例においても、第1実施例と同様に、中左穀稈掻込装置12CLを穀稈の株元部を掻き込むスターホイル20と、その上方に位置して穀稈の茎部を掻き込む係止掻込体21で構成し、スターホイル20と係止掻込体21との間に、係止掻込体21の駆動軸31を囲繞する筒状の穀稈巻付防止体100を設けると共に、該穀稈巻付防止体100の後側でスターホイル20の上部位置に立壁101を設け、該立壁101を、平面視で穀稈巻付防止体100の外周面に連続し、穀稈巻付防止体100の外周面部からスターホイル20の掻き込み外周軌跡Xを横切ってその後方に亘るように配置構成したものである。
【0036】
従って、係止掻込体21の駆動軸31を筒状の穀稈巻付防止体100で囲むことにより、駆動軸31周りに穀稈が巻き付くことを防止できると共に、特に穀稈が折れ曲がっていたり、短稈の場合、穀稈の穂先部がスターホイル20の内側に倒れても、穂先部を立壁101で受け止め支持することにより、穀稈の穂先部がスターホイル20に接触して掻き込まれることがなく、穀稈がスターホイル20の周囲や穀稈巻付防止体100自体に巻き付くことを防止できる。
また、穀稈巻付防止体100と立壁101とを一体で構成して刈取部3のフレーム側に支持固定したから、支持構成が簡単になる。
なお、上記実施例では、穀稈巻付防止体100と立壁101を1枚の板体で一体成形しているが、例えば、穀稈巻付防止体100と立壁101を別体で成形して、両者を溶接等で一体的に固定してもよい。
また、穀稈巻付防止体100は駆動軸31を囲む筒状であればよく、円筒に限らず、断面が多角状や断面C字状等の筒体であってもよい。
【0037】
次に、本発明の掻込搬送装置12における立壁60のもう一つの実施例(第3実施例)を図13に基づいて説明する。
尚、立壁60以外の構成は前述の第1実施例と同様であり、説明を省略する。
この第3実施例は、立壁60を、中引起縦伝動筒17Cの中途部に溶接固定された支持ブラケット61にボルト62により締結固定された固定板60bと、該固定板60bの前端部にビス60cで締結固定した軟質板60dにより構成し、該立壁60全体は、刈取部3のフレーム側(中引起縦伝動筒17C)に取り付けられた固定部材となっている。そして、軟質板60dの前端部を穀稈巻付防止体100の外周面に接当密着させて、両者の間隙を無くすことにより、穀稈巻付防止体100に対する立壁60のスクレーパ性能をより高めたものである。
尚、軟質板60dはゴム、プラスチック、ビニールのような樹脂で形成されている。
【符号の説明】
【0038】
3 刈取部
4 脱穀部
11 引起装置
12 穀稈掻込装置
13 刈刃
14 穀稈搬送装置
20 スターホイル
21 係止掻込体
31 駆動軸
59,100 穀稈巻付防止体
60,101 立壁
63 スクレーパ
X 掻き込み外周軌跡
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引起装置(11)の後方に穀稈掻込装置(12)を備え、その後方に穀稈搬送装置(14)を設け、刈刃(13)で刈り取った穀稈を穀稈掻込装置(12)から穀稈搬送装置(14)に引継ぎ搬送して後方の脱穀部(4)に供給するコンバインの刈取部(3)において、前記穀稈掻込装置(12)を穀稈の株元部を掻き込むスターホイル(20)と、その上方に位置して穀稈の茎部を掻き込む係止掻込体(21)で構成し、前記スターホイル(20)と係止掻込体(21)との間に、穀稈掻込装置(12)の駆動軸(31)を囲繞する筒状の穀稈巻付防止体(59,100)を設けると共に、該穀稈巻付防止体(59,100)の後側でスターホイル(20)の上部位置に立壁(60,101)を設け、該立壁(60,101)を、平面視で穀稈巻付防止体(59,100)の外周面に連続し、穀稈巻付防止体(59,100)の外周面部からスターホイル(20)の掻き込み外周軌跡Xを横切ってその後方に亘るように配設したことを特徴とするコンバインの刈取部。
【請求項2】
穀稈巻付防止体(59)をスターホイル(20)と共に回転する円筒で構成する一方、立壁(60)を穀稈巻付防止体(59)とは分離して刈取部(3)のフレーム側に取り付けられた固定部材で構成し、立壁(60)の先端部を穀稈巻付防止体(59)の外周面に近接若しくは接当させた請求項1記載のコンバインの刈取部。
【請求項3】
穀稈巻付防止体(100)と立壁(101)とを一体的に構成し、穀稈巻付防止体(100)又は立壁(101)を刈取部(3)のフレーム側に支持固定した請求項1記載のコンバインの刈取部。
【請求項4】
スターホイル(20)に対する穀稈のスクレーパ(63)を、立壁(60,101)の下端部に一体的に設けた請求項1乃至3記載のコンバインの刈取部。
【請求項1】
引起装置(11)の後方に穀稈掻込装置(12)を備え、その後方に穀稈搬送装置(14)を設け、刈刃(13)で刈り取った穀稈を穀稈掻込装置(12)から穀稈搬送装置(14)に引継ぎ搬送して後方の脱穀部(4)に供給するコンバインの刈取部(3)において、前記穀稈掻込装置(12)を穀稈の株元部を掻き込むスターホイル(20)と、その上方に位置して穀稈の茎部を掻き込む係止掻込体(21)で構成し、前記スターホイル(20)と係止掻込体(21)との間に、穀稈掻込装置(12)の駆動軸(31)を囲繞する筒状の穀稈巻付防止体(59,100)を設けると共に、該穀稈巻付防止体(59,100)の後側でスターホイル(20)の上部位置に立壁(60,101)を設け、該立壁(60,101)を、平面視で穀稈巻付防止体(59,100)の外周面に連続し、穀稈巻付防止体(59,100)の外周面部からスターホイル(20)の掻き込み外周軌跡Xを横切ってその後方に亘るように配設したことを特徴とするコンバインの刈取部。
【請求項2】
穀稈巻付防止体(59)をスターホイル(20)と共に回転する円筒で構成する一方、立壁(60)を穀稈巻付防止体(59)とは分離して刈取部(3)のフレーム側に取り付けられた固定部材で構成し、立壁(60)の先端部を穀稈巻付防止体(59)の外周面に近接若しくは接当させた請求項1記載のコンバインの刈取部。
【請求項3】
穀稈巻付防止体(100)と立壁(101)とを一体的に構成し、穀稈巻付防止体(100)又は立壁(101)を刈取部(3)のフレーム側に支持固定した請求項1記載のコンバインの刈取部。
【請求項4】
スターホイル(20)に対する穀稈のスクレーパ(63)を、立壁(60,101)の下端部に一体的に設けた請求項1乃至3記載のコンバインの刈取部。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−211971(P2011−211971A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−83733(P2010−83733)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
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