説明

コンバイン

【課題】選別部の選別幅及び/又は扱室の容量を大きくすることができるコンバインを提供する。
【解決手段】二番還元装置は、二番回収機構450内において車輌幅方向に沿うように配置され、二番回収機構450で回収された二番物を前記車輌幅方向一方側へ搬送する二番コンベア15と、二番コンベア15の搬送方向下流側に連設され、二番コンベア15から送られてくる二番物を垂直方向上方へ搬送する縦送り還元コンベア17と、縦送り還元コンベア17の上方端に連設され、縦送り還元コンベア17から送られてくる二番物を扱胴130の回転軸線方向に沿って穀稈搬送方向上流側に搬送する横送り還元コンベア18とを有している。前記横送り還元コンベア18は、縦送り還元コンベア17より車輌幅方向内側に配置され、且つ、一番穀粒をグレンタンク6に搬送する揚穀コンベア12は、縦送り還元コンベア17と車輌幅方向略同じ位置に位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選別部で選別された一番穀粒を回収する一番回収機構と、前記一番回収機構の搬送方向下流側で二番物を回収する二番回収機構とを備えたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
穀稈を搬送するフィードチェーン装置と、穀稈搬送方向に略沿った回転軸線回りに回転駆動され、前記フィードチェーン装置によって搬送される穀稈の穂先側を脱穀する扱胴と、前記扱胴を収容する扱室と、前記扱胴の少なくとも最下点を覆うように配置された受網と、前記受網を介して前記扱室に連通された選別部と、前記選別部で選別された一番穀粒を回収する一番回収機構と、前記一番穀粒を貯留するグレンタンクと、前記一番回収機構で回収された一番穀粒を前記グレンタンクに搬送する一番搬送装置と、前記一番回収機構の穀稈搬送方向下流側で二番物を回収する二番回収機構と、前記二番回収機構で回収された二番物を再選別させる二番還元装置とを備えたコンバインは、従来から公知である。
前記コンバインの前記一番搬送装置は、前記一番回収機構内において車輌幅方向に沿うように配置され、前記一番回収機構で回収された一番穀粒を前記一番回収機構の車輌幅方向一方側へ搬送する一番コンベアと、前記一番コンベアの搬送方向下流側に連設され、前記グレンタンクに向けて前記一番穀粒を搬送する揚穀コンベアとを有し、前記二番還元装置は、前記二番回収機構内において車輌幅方向に沿うように配置され、前記二番回収機構で回収された二番物を前記車輌幅方向一方側へ搬送する二番コンベアと、前記二番コンベアの搬送方向下流側に連設され、前記二番コンベアから送られてくる二番物を扱胴や選別部の上流側に還元する二番還元コンベアとを有している。
【0003】
かかるコンバインにおいては、一般的に、扱室や選別部の上流側が一番回収機構より穀稈搬送方向上流側に位置するとともに、グレンタンクが二番回収機構より穀稈搬送方向下流側に位置するため、一番搬送装置の揚穀コンベアと二番還元装置の二番還元コンベアとは、側面視において交差して配置されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このため、揚穀コンベア又は二番還元コンベアの何れか一方を何れか他方に対して車輌幅方向外方へ配置する必要が生じ、その分脱穀装置配設箇所における車幅を大きくとらなければならない。このことは、選別部の選別幅(選別能力)や扱室の容量(脱穀能力)を大きくすることができない問題を生じ得る。
【特許文献1】特開2007−68403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、選別部の選別幅及び/又は扱室の容量を大きくすることができるコンバインの提供を、一の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るコンバインは、穀稈を搬送するフィードチェーン装置と、穀稈搬送方向に略沿った回転軸線回りに回転駆動され、前記フィードチェーン装置によって搬送される穀稈の穂先側を脱穀する扱胴と、前記扱胴を収容する扱室と、前記扱胴の少なくとも最下点を覆うように配置された受網と、前記受網を介して前記扱室に連通された選別部と、前記選別部で選別された一番穀粒を回収する一番回収機構と、前記一番穀粒を貯留するグレンタンクと、前記一番回収機構で回収された一番穀粒を前記グレンタンクに搬送する一番搬送装置と、前記一番回収機構の穀稈搬送方向下流側で二番物を回収する二番回収機構と、前記二番回収機構で回収された二番物を前記選別部の穀稈搬送方向上流側端部に供給する二番還元装置とを備えたコンバインであって、前記一番搬送装置は、前記一番回収機構内において車輌幅方向に沿うように配置され、前記一番回収機構で回収された一番穀粒を前記一番回収機構の車輌幅方向一方側へ搬送する一番コンベアと、前記一番コンベアの搬送方向下流側に連設され、前記グレンタンクに向けて前記一番穀粒を搬送する揚穀コンベアとを有し、前記二番還元装置は、前記二番回収機構内において車輌幅方向に沿うように配置され、前記二番回収機構で回収された二番物を前記車輌幅方向一方側へ搬送する二番コンベアと、前記二番コンベアの搬送方向下流側に連設され、前記二番コンベアから送られてくる二番物を垂直方向上方へ搬送する縦送り還元コンベアと、前記縦送り還元コンベアの上方端に連設され、前記縦送り還元コンベアから送られてくる二番物を前記扱胴の回転軸線方向に沿って穀稈搬送方向上流側に搬送する横送り還元コンベアとを有し、前記横送り還元コンベアは、前記縦送り還元コンベアより車輌幅方向内側に配置され、且つ、前記揚穀コンベアは、前記縦送り還元コンベアと車輌幅方向略同じ位置に位置していることを特徴とするものである。
【0007】
上記構成のコンバインによれば、フィードチェーン装置により搬送された穀稈の穂先側が扱室内に収容された扱胴により脱穀され、被脱穀物のうち受網の目より細かいものが選別部に送られて穀粒とその他の藁屑等とに選別される。この際、受網を通過した被脱穀物のうち最も比重の重い穀粒(一番穀粒)は一番回収機構により回収される。一番回収機構に回収された一番穀粒は、一番搬送装置の一番コンベアにより一番回収機構の車輌幅方向一方側へ搬送され、さらに一番コンベアの搬送方向下流側に連設された一番搬送装置の揚穀コンベアを介してグレンタンクに送られる。一方、穀粒よりも比重の軽い藁屑等は、一番回収機構の穀稈搬送方向下流側にある二番回収機構により回収される。二番回収機構により回収された二番物には、穀粒が混ざっている場合があるので、二番還元装置により選別部の穀稈搬送方向上流側端部に搬送し、再選別を行わせる。この際、二番回収機構に回収された二番物は、二番還元装置の二番コンベアにより前記車輌幅方向一方側へ搬送された後、二番コンベアの搬送方向下流側に連設された二番還元装置の縦送り還元コンベアにより垂直方向上方へ搬送され、さらに、縦送り還元コンベアの上方端に連設された二番還元装置の横送り還元コンベアにより扱胴の回転軸線方向に沿って穀稈搬送方向上流側に搬送される。
ここで、前記横送り還元コンベアは、前記縦送り還元コンベアより車輌幅方向内側に配置され、且つ、前記揚穀コンベアは、前記縦送り還元コンベアと車輌幅方向略同じ位置に位置している。
【0008】
このように、二番物を再選別させるための二番還元コンベアを縦送り還元コンベアと縦送り還元コンベアの車輌幅方向内側に配置された横送り還元コンベアとで構成することにより、揚穀コンベアと横送り還元コンベアとが側面視において交差した状態で、揚穀コンベアと縦送り還元コンベアとを車輌幅方向略同じ位置に配置することができる。従って、同じ車幅のコンバインにおいて、選別部の選別幅を拡幅して選別能力を向上させることができる。また、扱胴及び扱室を大型化して脱穀能力を向上させることもできる。あるいは、脱穀装置の車輌幅方向長さを短縮してコンバインを小型化することもできる。
【0009】
好ましくは、前記横送り還元コンベアの軸線は、前記扱胴の回転軸線より下方に位置する。
【0010】
この場合、縦送り還元コンベアより車輌幅方向内側に配置される横送り還元コンベアが扱胴の回転軸線より下方に位置させることにより、扱胴の側方かつ下方に存在する空きスペースに配置可能となる。
従って、横送り還元コンベアと扱胴の回転軸線との距離を車輌幅方向において可及的に近づけることができ、脱穀装置の車輌幅方向長さをより短縮することができる。
【0011】
好ましくは、前記横送り還元コンベアの穀稈搬送方向上流側端部に設けられた二番処理胴であって、前記扱胴の回転軸線と略平行な回転軸線回りに回転駆動される二番処理胴を備え、前記扱室の穀稈搬送方向下流側端部には、前記横送り還元コンベアに連通された連通口が設けられている。
【0012】
この場合、連通口および横送り還元コンベアを通じて二番物とともに搬送される前記玉状体が二番処理胴において再び脱穀処理される。
従って、横送り還元コンベアを介して搬送された穀稈の玉状体を二番処理胴にてほぐすことができるため、扱室の後方(穀稈搬送方向下流側)に送塵口処理胴を配置する必要がなくなり、コンバインの全長を短くすることができる。
【0013】
より好ましくは、前記連通口には、前記受網の網目よりも大きい網目を有する連通網が設けられている。
【0014】
この場合、前記玉状体が連通口を通じて横送り搬送路に送られる際、扱胴と受網の網目よりも大きい網目を有する連通網との間である程度ほぐされた状態となる。
このように、選別部へ搬送されるまでに、予め玉状体をある程度ほぐすことができるため、より効率よく選別を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るコンバインによれば、二番物を再選別させるための二番還元コンベアを縦送り還元コンベアと縦送り還元コンベアの車輌幅方向内側に配置された横送り還元コンベアとで構成することにより、揚穀コンベアと横送り還元コンベアとが側面視において交差した状態で、揚穀コンベアと縦送り還元コンベアとを車輌幅方向略同じ位置に配置することができる。従って、同じ車幅のコンバインにおいて、選別部の選別幅を拡幅して選別能力を向上させることができる。また、扱胴及び扱室を大型化して脱穀能力を向上させることもできる。あるいは、脱穀装置の車輌幅方向長さを短縮してコンバインを小型化することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。
図1〜図3に、それぞれ、本発明に係る第1実施形態が適用されたコンバイン1の右側面図、左側面図及び正面図を示す。また、図4に、前記コンバイン1の伝動模式図を示す。
【0017】
図1〜図4に示すように、前記コンバイン1は、本機フレーム2と、前記本機フレーム2に支持された駆動源9と、前記本機フレーム2に連結された左右一対のクローラ式走行装置10と、前記駆動源9からの回転動力を変速して前記一対のクローラ式走行装置10へ出力するトランスミッション3と、前記本機フレーム2の前方において該本機フレーム2に昇降可能に支持された刈取・搬送装置30と、前記刈取・搬送装置30によって刈り取られた穀稈を前記本機フレーム2の左側方において後方へ搬送するフィードチェーン装置20と、前記フィードチェーン装置20によって搬送される穀稈に対して脱穀処理を行う脱穀部110及び該脱穀部110によって脱穀された脱穀物から穀粒を選別する選別部200を含む脱穀装置100と、前記本機フレーム2の右前方部分に配設された運転席5と、前記脱穀装置100によって選別された穀粒を収容するグレンタンク6であって、前記運転席5の後方に配設されたグレンタンク6と、前記選別部200によって選別処理された選別物の一部を再脱穀する二番処理胴500とを備えている。
【0018】
前記刈取・搬送装置30は、穀稈を刈り取る刈取部31と、該刈取部31によって刈り取られた穀稈を前記フィードチェーン装置20へ搬送する搬送部36とを備えている。
前記刈取部31は、引起ケース及び引起タインを含む引起機構32と、前記引起ケースの下方部から前方へ突出された分草板33と、前記引起ケースの後方に配設された刈刃34とを有している。
前記搬送部36は、上部搬送機構及び縦搬送機構を含み、刈り取られた穀稈の株元を前記フィードチェーン装置20へ受け継ぐように構成されている。
【0019】
前記フィードチェーン装置20は、穀稈の穂先が下記扱胴130によって脱穀処理される状態で、該穀稈を後方へ搬送するように構成されている。
前記グレンタンク6は、前記脱穀装置100によって選別され且つ下記一番回収機構である一番樋400に回収された一番穀粒を貯留するように構成されている。
詳しくは、前記一番樋400に回収された一番穀粒は、一番コンベア11及び揚穀コンベア12(図4参照)を介して、前記グレンタンク6内に搬入される。
なお、該グレンタンク6内に貯留された穀粒は、図1〜図4に示すように、該グレンタンク6の底部に設けられた下部コンベア6aと、該下部コンベア6aから穀粒を受け継いで上方へ搬送するように縦排出オーガ7内に内挿された縦コンベア6bと、前記縦コンベア6bから穀粒を受け継ぐように横排出オーガ8に内挿された排出コンベア6cとを介して、外部に排出されるようになっている。
【0020】
前記脱穀選別装置100は、前記フィードチェーン装置20によって後方へ搬送される穀稈に対して脱穀処理を行う前記脱穀部110と、該脱穀部110の下方に配設され、該脱穀部110によって脱穀され且つ流下する脱穀物から穀粒を選別する前記選別部200とを備えている。
【0021】
図5に、図1のコンバイン1において左側板を取り外した状態の脱穀装置100の左側面図を示し、図6に、図1のコンバイン1において右側板を取り外した状態の脱穀装置100の右方斜視図を示し、図7に、前記コンバイン1の脱穀装置100の正面図を示す。
図4〜図6に示すように、前記脱穀部110は、脱穀機枠によって画される扱室120と、該扱室120内において車輌前後方向(穀稈搬送方向)に略沿った回転軸131であって、穀稈の穂先側に対して扱歯が穀稈の株元側から穂先側へ通過するように穀稈搬送方向に略沿った回転軸131の軸線回りに回転駆動され、前記フィードチェーン装置20によって搬送される穀稈の穂先側を脱穀する扱胴130と、前記扱胴130の少なくとも最下点を覆うように該扱胴130と略同心状に配置された配設された受網140とを備えている。扱胴130は、一端部が前記駆動源9に作動連結され且つ他端部が前記回転軸131に作動連結された扱胴用伝動軸700により回転駆動される。扱胴用伝動軸700は、脱穀装置100の前方(穀稈搬送方向上流側)において前記一端部が脱穀装置100より車輌幅方向右方に沿って配設されている。
【0022】
前記選別部200は、揺動軸201(図4参照)の回転に伴って揺動されることで比重選別を行う揺動選別機構210と、前記揺動選別機構210に対して選別風を送出し且つ該選別風を機外に排出する風選別機構300と、前記揺動選別機構210の下方に位置に配設された前記一番樋400と、前記揺動選別機構210の下方で且つ前記一番樋400の後方(穀稈搬送方向下流側)に配設された二番回収機構である二番樋450とを有している。
【0023】
前記揺動選別機構210は、前記受網140を介して前記扱室120に連通されており、左右一対の揺動側板211a,211bと、前記脱穀部110から流下される脱穀物を受け止めるように前記一対の揺動側板211の間に配設されたフィードパン220と、前記脱穀部110から流下する脱穀物及び前記フィードパン220から送られてくる脱穀物を受け、該脱穀物から穀粒を揺動選別するように前記一対の揺動側板211の間に配設されたチャフシーブ機構230と、前記チャフシーブ機構の後方に直列配置するように前記一対の揺動側板211の間に配設されたストローラック機構240とを有している。なお、図5においては、前記揺動選別機構210の内部構造を明らかにするために、左側の揺動側板211aを削除している。
【0024】
前記フィードパン220は、前記脱穀部110から流下される脱穀物を車輌幅方向に拡散させつつ、前記チャフシーブ機構230へ向けて車輌後方側へ搬送するように構成されている。具体的には、フィードパン220は、上面が波状に形成された板体とされている。
【0025】
図5に示すように、前記チャフシーブ機構230は、前記脱穀部110から流下する脱穀物及び前記フィードパン220から送られてくる脱穀物に対して比重選別を行い、該脱穀物の一部を下方に位置する前記一番樋400に一番穀粒として流下させるように構成されている。
【0026】
具体的には、前記チャフシーブ機構230は、前記一対の揺動側板211a,211bの間において車輌幅方向に延びる複数のフィンであって、間隔を存しつつ車輌前後方向に並設された複数のフィンを有しており、比重選別される穀粒が前記間隔を通って、下方に配置される前記一番樋400へ落下するようになっている。
なお、前記複数のフィンは、下端部が上端部よりも車輌前方側に位置する後傾斜状態で、それぞれ車輌幅方向に沿った枢支軸回りに一体的に揺動可能とされており、駆動機構(図示せず)によって傾斜角を変更することで、前記間隔の開口幅が調整可能とされている。
【0027】
前記ストローラック機構240は、前記チャフシーブ機構230から送られてくる脱穀物に対して比重選別を行い、該脱穀物のうち、穀粒よりも比重の軽い枝梗付き穀粒や穂切れ等の小さな脱穀物を二番物として下方に位置する前記二番樋450に流下させるとともに、該脱穀物のうち排藁等の大きな不要物を機外に搬送するように構成されている。
【0028】
本実施の形態においては、前記揺動選別機構210は、さらに、上下方向に関し前記チャフシーブ機構230と前記一番樋400との間にグレンシーブ機構250を有している。該グレンシーブ機構250は、前記チャフシーブ機構230から流下する選別物をさらに精選するものであり、例えば、網状体によって形成される。
【0029】
前記風選別機構300は、前記揺動選別機構210に対して選別風を送出するように構成されており、選別風によって該揺動選別機構210による穀粒の選別を促進させ得るようになっている。
具体的には、風選別機構300は、図5に示すように、前記揺動選別機構210に対して前下方から後上方へ抜ける選別風を送出する唐箕ファン310を備えている。
【0030】
前記唐箕ファン310は、前記チャフシーブ機構230の前方且つ下方において、車輌幅方向に沿った前記唐箕ファン用駆動軸311によって回転駆動されるように構成されている。
【0031】
具体的には、唐箕ファン310は、脱穀機枠の両側板と、後方が開口とされた唐箕ファンケース320とによって画される空間内に配設されており、後方且つ上方へ向けて選別風を送出し得るようになっている。
より詳しくは、唐箕ファンケース320は、図5に示すように、前記唐箕ファン310を囲繞する唐箕ファンケース本体321と、前端部が該唐箕ファンケース本体321に流体接続され且つ後端部が斜め後方へ向けて開口された中空の風路ケース322とを有している。なお、前記脱穀機枠の側板には、前記唐箕ファン310へ吸気させる吸入口が設けられている。
【0032】
本実施の形態において、前記風選別機構300は、図5に示すように、前記唐箕ファン310からの選別風を吸引して機外に排出させるように、前記揺動選別機構210より上方且つ扱室120の後方(穀稈搬送方向下流側)に配置された吸引ファン350を備えている。
前記吸引ファン350は、車輌幅方向に沿った回転軸351によって回転駆動されるようになっている。なお、図中、符号360は、前記吸引ファン350の上方を覆う上方ファンカバー部材である。
【0033】
また、図4に示すように、符号40は、脱穀後の排藁を前記フィードチェーン装置20から受け継ぎ、該排藁を後方へ搬送する排藁搬送装置であり、符号50は、前記排藁搬送装置40によって車輌後方側へ搬送された排藁を切断する排藁切断装置である。
【0034】
一番回収機構である前記一番樋400は、前記選別部200によって選別処理された一番穀粒を回収し得るように前記揺動選別機構210の下方に配設された側面視凹状とされている。
このような一番樋400に回収された一番穀粒は、一番搬送装置を介して前記グレンタンク6に搬送され、収容される。具体的には、前記一番搬送装置は、前記一番回収空間内に車輌幅方向に沿うように配設され、一番穀粒を前記一番樋400の車輌幅方向一方側(右側)へ搬送する一番コンベア11と、下端部が該一番コンベアの搬送方向下流端部に作動連結され、上端部が前記グレンタンク6に一番穀粒を搬送可能に連結された状態で揚穀筒13に内挿された揚穀コンベア12(図4参照)とを有している。なお、本実施形態において、一番コンベア11及び揚穀コンベア12は、ともにスクリューコンベアであり、図4に示すように、扱胴130の回転動力を利用して互いに作動連結された一番コンベア11及び揚穀コンベア12を回転駆動させている。
【0035】
二番回収機構である前記二番樋450は、図5に示すように、前記選別部200によって選別処理された二番物を回収し得るように前記揺動選別機構210の下方に配設された側面視凹状とされている。
このような二番樋450に回収された二番物は、二番還元装置を介して前記二番処理胴500に供給され、再脱穀された後、再選別される。前記二番還元装置は、前記二番回収空間内に車輌幅方向に沿うように配設され、二番物を前記二番樋450の前記車輌幅方向一方側(右側)へ搬送する二番コンベア15と、該二番コンベア15の搬送方向下流端部に作動連結された二番還元コンベア16(図4参照)とを有している。
【0036】
前記二番還元装置の二番還元コンベア16は、図4に示すように、前記二番コンベア15の搬送方向下流側に連設され、前記二番コンベア15から送られてくる二番物を垂直方向上方へ搬送する縦送り還元コンベア17と、前記縦送り還元コンベア17の上方端に連設され、前記縦送り還元コンベア17から送られてくる二番物を前記扱胴130の回転軸線方向に沿って穀稈搬送方向上流側(車輌前方)に搬送する横送り還元コンベア18とを有している。なお、本実施形態において、二番コンベア15、縦送り還元コンベア17及び横送り還元コンベア18は、ともにスクリューコンベアであり、図4に示すように、扱胴130の回転動力を利用して互いに作動連結された二番コンベア15、縦送り還元コンベア17及び横送り還元コンベア18を回転駆動させている。
【0037】
前記縦送り還元コンベア17は、図6に示すように、円筒状の縦送り還元筒19に内挿され、前記縦送り還元筒19とともに縦送り搬送路を形成し、前記横送り還元コンベア18の下方には、還元樋21が設けられ、前記横送り還元コンベア18と前記還元樋21とは横送り搬送路を形成している。これにより、前記横送り搬送路は、扱胴130の回転軸131の軸線に関して扱胴130と同一位置に位置する部分において扱胴130の回転軸131の軸線に略平行となった状態で配置されている。
つまり、二番樋400に回収された二番物は、二番還元装置の二番コンベア15により前記車輌幅方向一方側へ搬送された後、二番コンベア15の搬送方向下流側に連設された二番還元装置の縦送り還元コンベア17により垂直方向上方へ搬送され、さらに、縦送り還元コンベア17の上方端に連設された二番還元装置の横送り還元コンベア18により扱胴130の回転軸131の軸線方向に沿って穀稈搬送方向上流側(車輌前方)に搬送される。
【0038】
ここで、前記横送り還元コンベア18は、図7に示すように、前記縦送り還元コンベア17より車輌幅方向内側(左側)に配置され、且つ、前記揚穀コンベア12は、前記縦送り還元コンベア17と車輌幅方向略同じ位置に位置している。本実施形態においては、前記横送り還元コンベア18は、右側の揺動側板211bより車輌幅方向内側に配置される一方、前記縦送り還元コンベア17及び揚穀コンベア12は、前記右側の揺動側板211bより車輌幅方向外側(右側)に配置されている。
【0039】
このように、二番物を再選別させるための二番還元コンベア16を縦送り還元コンベア17と縦送り還元コンベア17の車輌幅方向内側に配置された横送り還元コンベア18とで構成することにより、図6に示すように、揚穀コンベア12と横送り還元コンベア18とが側面視において交差した状態で、図7に示すように、揚穀コンベア12と縦送り還元コンベア17とを車輌幅方向略同じ位置に配置することができる。従って、同じ車幅のコンバイン1において、選別部200の選別幅を拡幅して選別能力を向上させることができる。また、扱胴130及び扱室120を大型化して脱穀能力を向上させることもできる。あるいは、脱穀装置100の車輌幅方向長さを短縮してコンバイン1を小型化することもできる。
【0040】
本実施形態において、前記横送り還元コンベア18の軸線は、前記扱胴130の回転軸131の軸線より下方に位置している。また、横送り還元コンベア21と二番処理胴500とは略同心軸上に配置されており、前記二番処理胴500も前記横送り搬送路を形成している。
【0041】
この場合、縦送り還元コンベア17より車輌幅方向内側に配置される横送り還元コンベア18及び二番処理胴500が扱胴130の回転軸131の軸線より下方且つ側方(右側)に存在する空きスペースに配置される。
従って、横送り還元コンベア18と扱胴130の回転軸131との距離を車輌幅方向において可及的に近づけることができ、脱穀装置100の車輌幅方向長さをより短縮することができる。
【0042】
また、本実施形態において、前記扱室120の穀稈搬送方向下流側端部には、前記横送り搬送路を形成する横送り還元コンベア18に連通された連通口150が設けられている。
具体的には、前記受網140の穀稈搬送方向下流側(車輌後方)部分が連通口150とされ、当該連通口150には、前記受網140の代わりに、前記受網140の網目よりも大きい網目を有する連通網151が設けられている。例えば、受網140の目開きが12〜13mm角の場合、連通網151の目開きが23〜30mm角とすればよいが特に限定されない。なお、連通口150は、横送り還元コンベア18に連通する箇所に設けられていればよく、例えば、側面視において連通口150が位置する箇所の扱胴130の最下点近傍においては、通常の前記受網140が設けられていてもよい。
【0043】
脱穀処理において、扱室120内に残った脱穀物のうち受網140の目より大きい穂切れや藁屑等は互いに絡まりあいながら玉状体を形成しつつ、扱室120の穀稈搬送方向下流側端部に設けられた連通口150を通じて横送り搬送路に送られる。
【0044】
ここで、前記玉状体が連通口150を通じて横送り搬送路に送られる際、扱胴130と受網140の網目よりも大きい網目を有する連通網151との間で玉状体がある程度ほぐされた状態となる。
こうして横送り搬送路に送られた玉状体は、前記二番物とともに横送り還元コンベア18により穀稈搬送方向上流側(車輌前方)の前記二番処理胴へ搬送される。
【0045】
この際、横送り還元コンベア18の下方に設けられた還元樋21により、扱室120の連通口150から排出された脱穀物(玉状体)が横送り搬送路から落下することなく、選別部200の穀稈搬送方向上流側端部に搬送される。
前記還元樋21を設けることで連通口150から排出された玉状体が直接選別部200に落下することを防止することにより、前記横送り搬送路による搬送を効率よく行うことができる。
【0046】
前記還元樋21は、前記扱室120の側壁(前記右側の揺動側板211b)から扱室中央側へ突設された底面部21aと、前記底面部の自由端側から斜め上方(扱胴中心方向)へ向かって延出された斜め側面部21bとを有し、前記右側の揺動側板211bにおける前記底面部21aより上方の領域と前記底面部21a及び前記斜め側面部21bとで樋形状を形成している。即ち、前記還元樋21は、扱室120の側壁の一部を利用して形成されており、車輌幅方向長さをより短縮し得るようになっている。
なお、還元樋21は、前記連通口150に対応する領域が開口され、軸線が前記扱胴130の回転軸131の軸線に略平行に配置された筒状体で構成されていてもよい。
【0047】
前記横送り搬送路を穀稈搬送方向上流側に向けて搬送された前記二番物及び玉状体は、穀稈搬送方向上流側端部に設けられた二番処理胴500内に供給される。
本実施形態において、前記二番処理胴500は、前記扱室120の前端部より後方且つ前記連通口150より前方に配置されている。
前記二番処理胴500は、前記扱胴130の回転軸130の軸線と略平行な回転軸501の軸線回りに回転駆動されている。本実施形態においては、図4に示すように、前記横送り還元コンベア18と同軸とされ、当該横送り還元コンベア18と共回りするように構成されているが、別途駆動源9から直接的又は間接的に回転動力を伝達させる伝動機構を設けることとしてもよい。
【0048】
図8に、本実施形態における二番処理胴500の右側方断面図を示す。
より具体的には、前記二番処理胴500は、図8に示すように、前記回転軸501と、前記回転軸501を格納した状態で軸支するケース502(ケース502内に別途支持部材を設けてもよい)と、前記横送り搬送路と連通するように前記ケース502に設けられた開口部503と、互いに同じ回転軸径方向を向いて回転軸501に突設された2本一対のツースバー対504が回転軸線方向所定間隔ごとに設けられた処理刃505であって、回転軸線方向に隣り合う前記ツースバー対504が互いに異なる回転軸径方向(軸線方向視において直交する方向)を向いている処理刃505と、前記ケース502内に固定され、前記ツースバー対504内のツースバーの間隙に位置可能に配置された受刃506とを有している。前記ケース502は、前記還元樋21の一部として横送り搬送路を形成している。
【0049】
このような二番処理胴500において、連通口150および横送り搬送路を通じて二番物とともに搬送される前記玉状体が再び脱穀処理され、穀粒等の処理物は、二番処理胴500に設けられた放出口507を通じて選別部200に供給される。
【0050】
本実施形態において、前記放出口507は、前記横送り搬送路を形成する前記二番処理胴500のケース502における穀稈搬送方向上流側端部近傍の側面に、前記扱胴130の回転軸131の軸線方向に所定距離にわたって設けられている。
【0051】
この場合、横送り搬送路を通じて搬送された前記玉状体が放出口507を通じて横送り搬送路から選別部200に放出される。このとき、放出口507は、扱胴130の回転軸131の軸線方向に幅広に開口されているため、前記回転軸131の軸線方向に拡散して放出される。これにより、選別部200における選別及び玉状体のほぐし効果をより高めることができる。
なお、横送り還元コンベア18と二番処理胴500の回転軸501とが同一軸線上にない場合には、前記還元樋21に扱胴130の回転軸131の軸線方向に幅広に開口された放出口を設け、その下方に前記放出口に連通された状態で二番処理胴500を配設することにより、二番処理胴500における玉状体のほぐし効果をより高めることとしてもよい。
【0052】
以上のようにして、前記連通口から放出された前記玉状体は、横送り搬送路を通じて二番物とともに選別部200の穀稈搬送方向上流側端部に搬送され、選別部200により選別される。
なお、前記放出口507は、前記選別部200の前端部に設けられたフィードパン220の上方に設けられており、前記二番処理胴500から排出された被処理物は、前記フィードパン220に送られる。
【0053】
このように、穂切れ等が絡まってできる玉状体を二番物とともに二番還元装置15,16を用いて横送り搬送路上流側へ返すことにより、玉状体の選別部200における選別時間を長くして玉状体の中に残存する穀粒に対する選別能力を向上させることができる。これにより、送塵口処理胴を扱室120の後方(穀稈搬送方向下流側)に設置する必要がなくなるため、従来より大きいサイズの吸引ファン350を扱室120の後方に扱室120の幅方向全域にわたって配置することができ、吸引効率を高めることができる。
【0054】
また、連通網151や二番処理胴500により、選別部200へ搬送されるまでに、予め玉状体をある程度ほぐすことができるため、より効率よく選別を行うことができるとともに、扱胴の後方(穀稈搬送方向下流側)に送塵口処理胴を配置する必要がなくなり、コンバインの全長を短くすることができる。
【0055】
なお、本実施形態において、前記選別部200は、前記扱胴120の後端部下方に配設された揺動選別板260を有している。この場合、連通口150から排出された前記玉状体が横送り搬送路(還元樋21)から外れて落下した場合であっても、その下方において追加された前記揺動選別板260で揺動選別され、藁屑等の比重の軽いものは直接的に吸引ファン350に吸引させることができ、選別効果を高めることができる。
【0056】
以上、本発明に係る実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
【0057】
図9に、本発明に係る第2実施形態が適用されたコンバイン1において右側板を取り外した状態の脱穀装置100の右方斜視図を示し、図10に、図9の脱穀装置100のX−X断面図を示す。第1実施形態と同様の作用効果を奏するものには同じ符号を付し、説明を省略する。
図9及び図10に示すコンバイン1においては、前記第1実施形態において連通口150に設けられた前記連通網151の代わりに、前記連通口150に臨むように配置された回転刃152を備えている。前記回転刃152は、前記扱胴130の回転軸131の軸線と略平行な回転軸153の軸線回りに回転駆動される。
また、前記回転刃152は、前記扱胴130を駆動する駆動系より動力を取り得る構成とされている。
【0058】
具体的には、前記回転軸153の両端を軸支した状態で前記右側の揺動側板211bに固定された支持部材154と、前記回転軸153に扱胴130の回転動力を伝達する伝動機構155とを有している。前記伝動機構155は、扱胴130の回転軸131に相対回転不能に固定された駆動プーリ156と、回転刃152の回転軸153に相対回転不能に固定された従動プーリ157と、前記駆動プーリ156及び前記従動プーリ157に掛け回された伝達ベルト158とを有している。
【0059】
本実施形態において、前記回転刃152は、図10に示すように、円盤状に形成されており、複数の回転刃152が前記回転軸153に同心円状に略等間隔で固定されている。また、前記回転刃152は、前記扱胴130に設けられた扱歯132に対し、正面視においてオーバーラップしており、扱歯132が隣り合う回転刃152間において通過可能な状態とされている。
【0060】
この場合、前記玉状体が連通口150を通じて横送り搬送路に送られる際、連通口150に臨むように配置された回転刃152が扱胴130の回転軸131の軸線と略平行に回転駆動されることにより、玉状体がある程度ほぐされた状態となる。また、回転刃152の回転力によってほぐされた玉状体が連通口150から横送り搬送路へ掻き出される。
このように、選別部200へ搬送されるまでに、回転刃152を用いて予め玉状体をある程度ほぐすことができるため、より効率よく選別を行うことができる。
【0061】
本実施形態において、前記回転刃152の回転軸153の軸線は、前記扱胴130の回転軸131の軸線より上方に配置されている。このために、連通口150も前記扱胴130の回転軸131の軸線より上方に設けられている。
この場合、回転刃152が扱胴130の回転軸131の軸線より上方且つ側方(右側)に存在する空きスペースに配置される。
従って、前記横送り還元コンベア18及び二番処理胴500に干渉することなく、回転刃152と扱胴130の回転軸131との距離を車輌幅方向において可及的に近づけることができ、脱穀装置100の車輌幅方向長さが増大することを防止することができる。
【0062】
また、前記第1及び第2実施形態においては、連通口150に連通網151や回転刃152を設けることとしたが、連通口150が横送り搬送路(横送り還元コンベア18)に向けて開口されていれば、前記玉状体をほぐす手段は必ずしも必要とされない。
なお、この場合、図11に示すように、連通口150から横送り搬送路に向けて連通路159を設けることとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1は、本発明に係る第1実施形態が適用されたコンバインの右側面図である。
【図2】図2は、図1に示す前記コンバインの左側面図である。
【図3】図3は、図1に示す前記コンバインの正面図である。
【図4】図4は、図1に示す前記コンバインの伝動模式図である。
【図5】図5は、図1の前記コンバインにおいて左側板を取り外した状態の脱穀装置の左側面図である。
【図6】図6は、図1の前記コンバインにおいて右側板を取り外した状態の脱穀装置の右方斜視図である。
【図7】図7は、前記コンバインの脱穀装置の正面図である。
【図8】図8は、本実施形態における二番処理胴の右側方断面図である。
【図9】図9は、本発明に係る第2実施形態が適用されたコンバインにおいて右側板を取り外した状態の脱穀装置の右方斜視図である。
【図10】図10は、図9の脱穀装置におけるX−X断面図である。
【図11】図11は、本発明に係る他の実施形態が適用されたコンバインにおいて右側板を取り外した状態の脱穀装置の右方斜視図である。
【符号の説明】
【0064】
1 コンバイン
6 グレンタンク
11 一番コンベア(一番搬送装置)
12 揚穀コンベア(一番搬送装置)
15 二番コンベア(二番還元装置)
17 縦送り還元コンベア(二番還元装置)
18 横送り還元コンベア(二番還元装置)
20 フィードチェーン装置
120 扱室
130 扱胴
131 扱胴の回転軸
140 受網
150 連通口
200 選別部
400 一番樋(一番回収機構)
450 二番樋(二番回収機構)
500 二番処理胴
501 二番処理胴の回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀稈を搬送するフィードチェーン装置と、穀稈搬送方向に略沿った回転軸線回りに回転駆動され、前記フィードチェーン装置によって搬送される穀稈の穂先側を脱穀する扱胴と、前記扱胴を収容する扱室と、前記扱胴の少なくとも最下点を覆うように配置された受網と、前記受網を介して前記扱室に連通された選別部と、前記選別部で選別された一番穀粒を回収する一番回収機構と、前記一番穀粒を貯留するグレンタンクと、前記一番回収機構で回収された一番穀粒を前記グレンタンクに搬送する一番搬送装置と、前記一番回収機構の穀稈搬送方向下流側で二番物を回収する二番回収機構と、前記二番回収機構で回収された二番物を前記選別部の穀稈搬送方向上流側端部に供給する二番還元装置とを備えたコンバインであって、
前記一番搬送装置は、前記一番回収機構内において車輌幅方向に沿うように配置され、前記一番回収機構で回収された一番穀粒を前記一番回収機構の車輌幅方向一方側へ搬送する一番コンベアと、前記一番コンベアの搬送方向下流側に連設され、前記グレンタンクに向けて前記一番穀粒を搬送する揚穀コンベアとを有し、
前記二番還元装置は、前記二番回収機構内において車輌幅方向に沿うように配置され、前記二番回収機構で回収された二番物を前記車輌幅方向一方側へ搬送する二番コンベアと、前記二番コンベアの搬送方向下流側に連設され、前記二番コンベアから送られてくる二番物を垂直方向上方へ搬送する縦送り還元コンベアと、前記縦送り還元コンベアの上方端に連設され、前記縦送り還元コンベアから送られてくる二番物を前記扱胴の回転軸線方向に沿って穀稈搬送方向上流側に搬送する横送り還元コンベアとを有し、
前記横送り還元コンベアは、前記縦送り還元コンベアより車輌幅方向内側に配置され、且つ、前記揚穀コンベアは、前記縦送り還元コンベアと車輌幅方向略同じ位置に位置していることを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記横送り還元コンベアの軸線は、前記扱胴の回転軸線より下方に位置することを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記横送り還元コンベアの穀稈搬送方向上流側端部に設けられた二番処理胴であって、前記扱胴の回転軸線と略平行な回転軸線回りに回転駆動される二番処理胴を備え、
前記扱室の穀稈搬送方向下流側端部には、前記横送り還元コンベアに連通された連通口が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のコンバイン。
【請求項4】
前記連通口には、前記受網の網目よりも大きい網目を有する連通網が設けられていることを特徴とする請求項3記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−72079(P2009−72079A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−241950(P2007−241950)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】