コンバイン
【課題】操縦者の立ち姿勢又は着座姿勢に応じて、日傘の高さと前後方向及び左右方向の位置を任意に変更できるものとし、操縦者に直射日光が当たることを防止して操縦環境を快適化する。
【解決手段】コンバインの操縦席(8)に搭乗する操縦者の日除け用の日傘(9)を設け、該日傘(9)の支持軸(10)を挿入する中空ボス(11)を先端部に装着した上支持杆(12a)の基部と、逆L字形状の下支持杆(12b)の先端部とを接続パイプ(12c)で横方向伸縮自在に接続し、前記下支持杆(12b)を穀粒貯留タンク(7)の右側板(7a)に設けた取付具(7b)に上下移動自在及び縦軸中心に回動自在に取り付ける。
【解決手段】コンバインの操縦席(8)に搭乗する操縦者の日除け用の日傘(9)を設け、該日傘(9)の支持軸(10)を挿入する中空ボス(11)を先端部に装着した上支持杆(12a)の基部と、逆L字形状の下支持杆(12b)の先端部とを接続パイプ(12c)で横方向伸縮自在に接続し、前記下支持杆(12b)を穀粒貯留タンク(7)の右側板(7a)に設けた取付具(7b)に上下移動自在及び縦軸中心に回動自在に取り付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に開示されているように、操縦部の前端に立設した操縦塔の機体外側箇所に、座席の上方を覆う折り畳み自在な日傘の柄の下部を固定し、前記柄を上下中間にて屈折固定自在に構成すると共に、屈折点より上方の柄部分を前記操縦塔の外側面に沿った姿勢に屈折格納する技術が知られている。
【特許文献1】実開昭58−107741号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に開示されたようなコンバインの日除け装置は、操縦者が着席して、該コンバインを操縦操作する操縦部の前端に立設した操縦塔の機体外側箇所に、座席の上方を覆う折り畳み自在な日傘の柄の下部を固定し、該柄を上下中間で屈折固定自在に構成すると共に、屈折点より上方の柄部分を、該操縦塔の外側面に沿った姿勢に屈折格納すべく構成していることにより、該日傘の傘の部分は常に一定位置であることにより、太陽の位置により、操縦者に太陽光が直接当り、暑いことがあったり、まぶしいことがあったりするが、これらを解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述のような課題を解決するために、この発明は、次のような技術手段を講じる。
このために、この発明は、走行車台(2)の前側に立毛穀稈を刈取り後方上部へ移送する刈取装置(4)を設け、該刈取装置(4)の後方右側部に操縦席(8)を設け、該操縦席(8)の後側には脱穀済み穀粒を貯留する穀粒貯留タンク(7)を設け、前記操縦席(8)に搭乗する操縦者の日除け用の日傘(9)を設け、該日傘(9)の支持軸(10)を挿入する中空ボス(11)を先端部に装着した上支持杆(12a)の基部と、逆L字形状の下支持杆(12b)の先端部とを接続パイプ(12c)で横方向伸縮自在に接続し、前記下支持杆(12b)を穀粒貯留タンク(7)の右側板(7a)に設けた取付具(7b)に上下移動自在及び縦軸中心に回動自在に取り付けたことを特徴とするコンバインとしたものである。
【発明の効果】
【0005】
この発明によると、操縦者の立ち姿勢又は着座姿勢に応じて、日傘(9)の高さと前後方向及び左右方向の位置を任意に変更できることにより、操縦者に直射日光が当たることを防止でき、操縦環境を快適化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
コンバイン1の走行車台2下側の左右両側には、走行クローラ3aを張設した走行装置3を設けている。該走行車台2の前方部には、立毛穀稈を刈取り後方上部へ移送する刈取装置4を設ける。該走行車台2の上側の一方側に、該刈取装置4から刈取り穀稈を引継ぎ移送するフィードチェン5aと、挟持杆5b等とを有して、移送中に脱穀する脱穀装置6を載置すると共に、脱穀済み穀粒の供給を受けて、一時貯留する穀粒貯留タンク7等と載置した構成である。
【0007】
又、前記刈取装置4の後方右側部には、操縦者が着座して運転操作する操縦席8を設け、該操縦席8の後側部で該走行車台2の上側には、穀粒貯留タンク7を載置して設け、該穀粒貯留タンク7の右横側部には、図1で示すように、日除け用の日傘9の支持軸10を挿入すべく、先端部に縦方向に、中空ボス11を装着した上支持杆12aと、逆L字形状の下支持杆12bとを設け、これら該上支持杆12aと下支持杆12bとは、接続パイプ12cへ挿入して、伸縮自在に接続させて設けると共に、該下支持杆12bは上下移動自在に、該穀粒貯留タンク7の右側板7aの取付具7bに上下移動自在、及び円周方向に回動自在に挿入して設け、締付具7cで所定位置へ固定すべく設けたことを特徴としたコンバインの日除け装置である。
【0008】
前記コンバイン1の走行車台2の下側には、図1、及び図2で示すように、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ3aを張設した走行装置3を配設し、該走行車台2の上側面に脱穀装置6を載置している。該走行車台2の前方部の刈取装置4で立毛穀稈を刈取りして、後方上部に移送し、該脱穀装置6のフィードチェン5aと、挟持杆5bとで引継いで挟持移送しながら、該脱穀装置6で脱穀する。脱穀済みで選別済み穀粒は、該脱穀装置6の右横側へ配設した穀粒貯留タンク7内へ供給され、一時貯留される。
【0009】
前記走行車台2の前方部には、図1、及び図2で示すように、立毛穀稈を分離するナローガイド13、及び各分草体14と、立毛穀稈を引起す引起装置15と、引起された穀稈を掻込みする穀稈掻込移送装置16の各掻込装置16aと、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置17と、刈取りされた穀稈を挟持移送して、該脱穀装置6の該フィードチェン5aと、該挟持杆5bとへ受渡しする穀稈掻込移送装置16の根元・穂先移送装置18・19等からなる刈取装置4を設けている。該刈取装置4は、油圧駆動による伸縮シリンダ20により、土壌面に対して昇降する。
【0010】
前記刈取装置4の前方下部から後方上部へ傾斜する支持杆21の上端部に設ける支持パイプ杆22を、走行車台2の上側面に設けた支持装置23で回動自在に支持させている。該伸縮シリンダ20を作動させると支持杆21と共に、該刈取装置4が上下回動する。
【0011】
前記刈取装置4の穀稈掻込移送装置16によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送する穀稈に接触作用することにより、脱穀装置6への穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ24を設けている。
【0012】
前記穀粒貯留タンク7側の前部には、図1、及び図2で示すように、コンバイン1を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う操作装置25と、操縦席8とを設け、この操縦席8の下側にエンジン26を載置している。
【0013】
前記走行車台2の前端部に装架した走行用ミッションケース27内の伝動機構27aの伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出するポテンションメータ方式の車速センサ27bを設けている。
【0014】
前記走行車台2の前方部には、立毛穀稈を刈取り後方上部へ任意角度で移送する刈取装置4の後方部には、作業者が着座してコンバイン1を操縦操作する操縦席8を設けている。該操縦席8の後側には、フィードチェン5aと挟持杆5bとにより、後方上部へ移送される刈取り済み穀稈を脱穀装置6内へ供給移送して脱穀される。
【0015】
前記脱穀装置6内で脱穀された脱穀済み穀粒には、穀粒貯留タンク7内へ供給されて一時貯留される。この収穫作業の時には、操縦者に直接太陽の当たることを防止するために日除け用の日傘9の支持軸10は、中空ボス11内へ挿入して、ボルト等により、固定する構成である。該中空ボス11には、上支持杆12aの先端部を固着して設けると共に、逆L字形状の下支持杆12bを設け、この下支持杆12bの上側の先端部と、該上支持杆12aの後端部とは、接続パイプ12cへ挿入して、一体的に構成すると共に、該上支持杆12aは該ボルト等をゆるめることにより、前方へ所定長さ延長可能な構成である。
【0016】
又、前記下支持杆12bは、穀粒貯留タンク7の右横側板7aの所定位置に設けた取付具7b内へ挿入して、任意位置へ締付具7cで固定した構成である。
上記構成により、前記の日傘9位置を上下、前後、及び円周方向へ移動自在に調節できることにより、前記穀粒貯留タンク7部、又は操縦席8部の上方に、日傘9を位置させることができて、操縦者が直接太陽の光を浴びることがなくなり、容全で快適な作業を行うことができる。
【0017】
前記日傘9は、図1で示すように、取付具7bに設ける締付具7cで締付け足り、又は緩めることにより、所定位置へ固定、又は前後、左右位置へ移動、及び円周方向へ移動可能であり、操縦者に直接日光の照射が防止できる。
【0018】
図3で示すように、日除け用の日傘9を直接、穀粒貯留タンク7から取り外すことができる。
前記穀粒貯留タンク7から、下支持杆12b、及び上支持杆12aを一体的に上方に引き出し、取り外し可能な構成とした。
【0019】
これにより、前記穀粒貯留タンク7から、該下支持杆12b、及び上支持杆12aを着脱自在にすることができる。
前記日傘9を収納時は、図4で示すように、該日傘9の下支持フレーム12bは、コンバイン1の機体後方に回動し、穀粒貯留タンク7の上方部に位置させ、該日傘9の支持軸10を該貯留タンク7内に収納状態とすべく構成した。
【0020】
これにより、前記日傘9を開状態のままでも、操縦者がコンバイン1への乗降時に障害になることを防止できる。
前記日傘9の逆L字形状の下・上支持杆12a、12bは、図1で示すように、逆L字形状に構成し、水平方向に伸縮自在な構成とし、日傘9位置を水平に移動可能自在に構成して設けている。
【0021】
上記により、前記操縦席8の前後調整に合わせて、該日傘9位置を水平方向に移動可能な構成としている。
これにより、前記操縦席8の前後調整に合わせて、該日傘9位置を前後に変更できる。
【0022】
前記日傘9を支持する下支持杆12bの上下方向の所定位置には、図1で示すように、ハンドル部材12dを設けた構成である。
これにより、前記日傘9位置を前記ハンドル部材12dで容易に変更が可能である。
【0023】
前記逆L字形状前記下支持杆12bの上側面には、図5で示すように、前記日傘9を収納すべく収納具12eを設けた構成である。
これにより、前記日傘9を容易に収納できるし、該日傘9の収納スペースが少なくて良い。
【0024】
穀粒貯留タンク7内の穀粒を機外へ排出する収納位置にある排出オーガ29を上げ操作すると、図6、及び図7で示すように、日傘9が該排出オーガ29の旋回方向とは、逆方向に操作装置25に内装したCPU25aにより、旋回移動する構成である。
【0025】
又、前記排出オーガ29は、図6で示すように、オーガ上げ検出スイッチ29bで作動される。更に、該日傘9は日傘制御モータ9aで作動制御される構成である。
これにより、直径の大きな該日傘9であっても、前記排出オーガ29が排出旋回時に、該日傘9と該排出オーガ29との干渉を防止できる。
【0026】
前記排出オーガ29の収納操作に起因して、設定時間後に前記操作装置25に内装したCPU25aにより、該日傘9セット位置に自動セットする構成である。
これにより、穀粒排出操作後に、該日傘9が該操作装置25に内装したCPU25aにより、自動セットされる構成である。
【0027】
前記排出オーガ29の収納操作後に、該排出オーガ29がオーガ受29cに収納されたことを検出されると、該日傘9セット位置へ該操作装置25に内装したCPU25aにより、自動セットされる構成である。
【0028】
これにより、排出操作後該日傘9が自動セットできる。
前記日傘9をセット操作により、該日傘9が収納位置から機体前方の作業位置に回動移動する構成である。
【0029】
これにより、操作性の向上を図ることができる。
前記日傘9のセット位置を変更可能な日傘セット位置変更のダイヤル25bを図6で示すように、操作装置25に設けた構成である。又、収納位置は機体後方部とした構成である。
【0030】
これにより、容易に前記日傘9の位置変更ができる。
前記日傘9は、支持軸10を中心として、該日傘9部が360度回動可能で任意位置でセット可能な構成としている。
【0031】
これにより、機体の上面のどの位置でも、日傘9で覆うことができて降水などで水の進水を防止できる。特に、脱穀装置6の供給口、及び排出支持筒28部等である。
前記日傘9の収納操作で該日傘9が機体後方の収納位置に回動移動する構成であり、該日傘9の支持軸10が穀粒貯留タンク7内に収納された状態では、収納状態を、図7で示すように、収納スイッチ7dで検出され、この検出時には、回動移動不可能な構成である。
【0032】
これにより、誤操作を防止できる構成である。
前記穀粒貯留タンク7の前側部で、該穀粒貯留タンク7の巾の中央部には、図8で示すように、操縦席8のシート8aを設けた構成とし、該穀粒貯留タンク7内の巾方向中央部で、該穀粒貯留タンク7前部には、日傘9を支持する支持フレーム9bを配設した構成である。
【0033】
これにより、前記操縦席8のシート8aの後方部に日傘9を支持する支持フレーム9bが配置されることにより、該日傘9の操作が容易となる。
前記日傘フレーム8bは、図9で示すように、操縦者を迂回するように、上下、及び左右方向に湾曲させて設けた構成である。
【0034】
これにより、大きな直径のパラソルを使用可能となる。
操縦席8の上部には、逆L字形状の支持フレーム9bの上側に、鉄板材、又は樹脂材よりなる受板30を設けると共に、この受板30の下側で、逆L字形状の該支持フレーム9bには、複数個のローラ9cを設け、該受板30を支持させると共に、該受板30の上側には、図10で示すように、サンバイザスライド31を設けている。又、前記支持フレーム9b上を上下移動と同時に、該受板30、及び該サンバイザスライド31も上下移動、及び回動移動する構成である。
【0035】
これにより、大きな該サンバイザスライド31でありながらコンパクトに収納することができる。
穀粒貯留タンク7の外側面には、図11で示すように、日傘9を収納する、日傘収納具9dを一体的に装着して設けた構成である。
【0036】
これにより、前記日傘9の収納が容易である。又、穀粒貯留タンク7内の穀粒が日傘9内に進入することを防止できる。更に、外表面であることにより、着脱が容易である。
図12、及び図13で示すように、前記コンバイン1の操縦席8の前方右端部には、前記日傘9と、日傘取付枠7Eとを鉛直方向で長手方向姿勢に収納する構成とした。
【0037】
収納時、場所を取らずにコンパクトに収納でき、又、乗降時オペレータの障害になることがない。
前記穀粒貯留タンク7内へ貯留した穀粒を機外へ排出するこの穀粒貯留タンク7の後側には、図1、及び図2で示すように、縦移送螺旋28aを内装した排出支持筒28を略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この排出支持筒28の上端部には、その全長がコンバイン1の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋29aを伸縮自在に内装した排出オーガ29を伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設している。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】コンバインの右側全体側面図
【図2】コンバインの左側全体側面図
【図3】コンバインの日除け装置の下支持杆部の側面図
【図4】コンバインの日除け装置の回動時の側面図
【図5】コンバインの日除け装置の収納時の側面図
【図6】日除け装置の回動時の平面図
【図7】ブロック図
【図8】日傘制御モータの作用平面図
【図9】日傘フレームの平面図
【図10】支持フレームとサンバイザスライドとの関係図
【図11】日傘を収納した状態の右側面図
【図12】日傘を収納した状態の正面図
【図13】日傘を収納した状態の側面図
【符号の説明】
【0039】
2 走行車台
4 刈取装置
7 穀粒貯留タンク
7a 右側板
7b 取付具
7c 締付具
8 操縦席
9 日傘
10 支持軸
11 中空ボス
12a 上支持杆
12b 下支持杆
12c 接続パイプ
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に開示されているように、操縦部の前端に立設した操縦塔の機体外側箇所に、座席の上方を覆う折り畳み自在な日傘の柄の下部を固定し、前記柄を上下中間にて屈折固定自在に構成すると共に、屈折点より上方の柄部分を前記操縦塔の外側面に沿った姿勢に屈折格納する技術が知られている。
【特許文献1】実開昭58−107741号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に開示されたようなコンバインの日除け装置は、操縦者が着席して、該コンバインを操縦操作する操縦部の前端に立設した操縦塔の機体外側箇所に、座席の上方を覆う折り畳み自在な日傘の柄の下部を固定し、該柄を上下中間で屈折固定自在に構成すると共に、屈折点より上方の柄部分を、該操縦塔の外側面に沿った姿勢に屈折格納すべく構成していることにより、該日傘の傘の部分は常に一定位置であることにより、太陽の位置により、操縦者に太陽光が直接当り、暑いことがあったり、まぶしいことがあったりするが、これらを解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述のような課題を解決するために、この発明は、次のような技術手段を講じる。
このために、この発明は、走行車台(2)の前側に立毛穀稈を刈取り後方上部へ移送する刈取装置(4)を設け、該刈取装置(4)の後方右側部に操縦席(8)を設け、該操縦席(8)の後側には脱穀済み穀粒を貯留する穀粒貯留タンク(7)を設け、前記操縦席(8)に搭乗する操縦者の日除け用の日傘(9)を設け、該日傘(9)の支持軸(10)を挿入する中空ボス(11)を先端部に装着した上支持杆(12a)の基部と、逆L字形状の下支持杆(12b)の先端部とを接続パイプ(12c)で横方向伸縮自在に接続し、前記下支持杆(12b)を穀粒貯留タンク(7)の右側板(7a)に設けた取付具(7b)に上下移動自在及び縦軸中心に回動自在に取り付けたことを特徴とするコンバインとしたものである。
【発明の効果】
【0005】
この発明によると、操縦者の立ち姿勢又は着座姿勢に応じて、日傘(9)の高さと前後方向及び左右方向の位置を任意に変更できることにより、操縦者に直射日光が当たることを防止でき、操縦環境を快適化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
コンバイン1の走行車台2下側の左右両側には、走行クローラ3aを張設した走行装置3を設けている。該走行車台2の前方部には、立毛穀稈を刈取り後方上部へ移送する刈取装置4を設ける。該走行車台2の上側の一方側に、該刈取装置4から刈取り穀稈を引継ぎ移送するフィードチェン5aと、挟持杆5b等とを有して、移送中に脱穀する脱穀装置6を載置すると共に、脱穀済み穀粒の供給を受けて、一時貯留する穀粒貯留タンク7等と載置した構成である。
【0007】
又、前記刈取装置4の後方右側部には、操縦者が着座して運転操作する操縦席8を設け、該操縦席8の後側部で該走行車台2の上側には、穀粒貯留タンク7を載置して設け、該穀粒貯留タンク7の右横側部には、図1で示すように、日除け用の日傘9の支持軸10を挿入すべく、先端部に縦方向に、中空ボス11を装着した上支持杆12aと、逆L字形状の下支持杆12bとを設け、これら該上支持杆12aと下支持杆12bとは、接続パイプ12cへ挿入して、伸縮自在に接続させて設けると共に、該下支持杆12bは上下移動自在に、該穀粒貯留タンク7の右側板7aの取付具7bに上下移動自在、及び円周方向に回動自在に挿入して設け、締付具7cで所定位置へ固定すべく設けたことを特徴としたコンバインの日除け装置である。
【0008】
前記コンバイン1の走行車台2の下側には、図1、及び図2で示すように、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ3aを張設した走行装置3を配設し、該走行車台2の上側面に脱穀装置6を載置している。該走行車台2の前方部の刈取装置4で立毛穀稈を刈取りして、後方上部に移送し、該脱穀装置6のフィードチェン5aと、挟持杆5bとで引継いで挟持移送しながら、該脱穀装置6で脱穀する。脱穀済みで選別済み穀粒は、該脱穀装置6の右横側へ配設した穀粒貯留タンク7内へ供給され、一時貯留される。
【0009】
前記走行車台2の前方部には、図1、及び図2で示すように、立毛穀稈を分離するナローガイド13、及び各分草体14と、立毛穀稈を引起す引起装置15と、引起された穀稈を掻込みする穀稈掻込移送装置16の各掻込装置16aと、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置17と、刈取りされた穀稈を挟持移送して、該脱穀装置6の該フィードチェン5aと、該挟持杆5bとへ受渡しする穀稈掻込移送装置16の根元・穂先移送装置18・19等からなる刈取装置4を設けている。該刈取装置4は、油圧駆動による伸縮シリンダ20により、土壌面に対して昇降する。
【0010】
前記刈取装置4の前方下部から後方上部へ傾斜する支持杆21の上端部に設ける支持パイプ杆22を、走行車台2の上側面に設けた支持装置23で回動自在に支持させている。該伸縮シリンダ20を作動させると支持杆21と共に、該刈取装置4が上下回動する。
【0011】
前記刈取装置4の穀稈掻込移送装置16によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送する穀稈に接触作用することにより、脱穀装置6への穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ24を設けている。
【0012】
前記穀粒貯留タンク7側の前部には、図1、及び図2で示すように、コンバイン1を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う操作装置25と、操縦席8とを設け、この操縦席8の下側にエンジン26を載置している。
【0013】
前記走行車台2の前端部に装架した走行用ミッションケース27内の伝動機構27aの伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出するポテンションメータ方式の車速センサ27bを設けている。
【0014】
前記走行車台2の前方部には、立毛穀稈を刈取り後方上部へ任意角度で移送する刈取装置4の後方部には、作業者が着座してコンバイン1を操縦操作する操縦席8を設けている。該操縦席8の後側には、フィードチェン5aと挟持杆5bとにより、後方上部へ移送される刈取り済み穀稈を脱穀装置6内へ供給移送して脱穀される。
【0015】
前記脱穀装置6内で脱穀された脱穀済み穀粒には、穀粒貯留タンク7内へ供給されて一時貯留される。この収穫作業の時には、操縦者に直接太陽の当たることを防止するために日除け用の日傘9の支持軸10は、中空ボス11内へ挿入して、ボルト等により、固定する構成である。該中空ボス11には、上支持杆12aの先端部を固着して設けると共に、逆L字形状の下支持杆12bを設け、この下支持杆12bの上側の先端部と、該上支持杆12aの後端部とは、接続パイプ12cへ挿入して、一体的に構成すると共に、該上支持杆12aは該ボルト等をゆるめることにより、前方へ所定長さ延長可能な構成である。
【0016】
又、前記下支持杆12bは、穀粒貯留タンク7の右横側板7aの所定位置に設けた取付具7b内へ挿入して、任意位置へ締付具7cで固定した構成である。
上記構成により、前記の日傘9位置を上下、前後、及び円周方向へ移動自在に調節できることにより、前記穀粒貯留タンク7部、又は操縦席8部の上方に、日傘9を位置させることができて、操縦者が直接太陽の光を浴びることがなくなり、容全で快適な作業を行うことができる。
【0017】
前記日傘9は、図1で示すように、取付具7bに設ける締付具7cで締付け足り、又は緩めることにより、所定位置へ固定、又は前後、左右位置へ移動、及び円周方向へ移動可能であり、操縦者に直接日光の照射が防止できる。
【0018】
図3で示すように、日除け用の日傘9を直接、穀粒貯留タンク7から取り外すことができる。
前記穀粒貯留タンク7から、下支持杆12b、及び上支持杆12aを一体的に上方に引き出し、取り外し可能な構成とした。
【0019】
これにより、前記穀粒貯留タンク7から、該下支持杆12b、及び上支持杆12aを着脱自在にすることができる。
前記日傘9を収納時は、図4で示すように、該日傘9の下支持フレーム12bは、コンバイン1の機体後方に回動し、穀粒貯留タンク7の上方部に位置させ、該日傘9の支持軸10を該貯留タンク7内に収納状態とすべく構成した。
【0020】
これにより、前記日傘9を開状態のままでも、操縦者がコンバイン1への乗降時に障害になることを防止できる。
前記日傘9の逆L字形状の下・上支持杆12a、12bは、図1で示すように、逆L字形状に構成し、水平方向に伸縮自在な構成とし、日傘9位置を水平に移動可能自在に構成して設けている。
【0021】
上記により、前記操縦席8の前後調整に合わせて、該日傘9位置を水平方向に移動可能な構成としている。
これにより、前記操縦席8の前後調整に合わせて、該日傘9位置を前後に変更できる。
【0022】
前記日傘9を支持する下支持杆12bの上下方向の所定位置には、図1で示すように、ハンドル部材12dを設けた構成である。
これにより、前記日傘9位置を前記ハンドル部材12dで容易に変更が可能である。
【0023】
前記逆L字形状前記下支持杆12bの上側面には、図5で示すように、前記日傘9を収納すべく収納具12eを設けた構成である。
これにより、前記日傘9を容易に収納できるし、該日傘9の収納スペースが少なくて良い。
【0024】
穀粒貯留タンク7内の穀粒を機外へ排出する収納位置にある排出オーガ29を上げ操作すると、図6、及び図7で示すように、日傘9が該排出オーガ29の旋回方向とは、逆方向に操作装置25に内装したCPU25aにより、旋回移動する構成である。
【0025】
又、前記排出オーガ29は、図6で示すように、オーガ上げ検出スイッチ29bで作動される。更に、該日傘9は日傘制御モータ9aで作動制御される構成である。
これにより、直径の大きな該日傘9であっても、前記排出オーガ29が排出旋回時に、該日傘9と該排出オーガ29との干渉を防止できる。
【0026】
前記排出オーガ29の収納操作に起因して、設定時間後に前記操作装置25に内装したCPU25aにより、該日傘9セット位置に自動セットする構成である。
これにより、穀粒排出操作後に、該日傘9が該操作装置25に内装したCPU25aにより、自動セットされる構成である。
【0027】
前記排出オーガ29の収納操作後に、該排出オーガ29がオーガ受29cに収納されたことを検出されると、該日傘9セット位置へ該操作装置25に内装したCPU25aにより、自動セットされる構成である。
【0028】
これにより、排出操作後該日傘9が自動セットできる。
前記日傘9をセット操作により、該日傘9が収納位置から機体前方の作業位置に回動移動する構成である。
【0029】
これにより、操作性の向上を図ることができる。
前記日傘9のセット位置を変更可能な日傘セット位置変更のダイヤル25bを図6で示すように、操作装置25に設けた構成である。又、収納位置は機体後方部とした構成である。
【0030】
これにより、容易に前記日傘9の位置変更ができる。
前記日傘9は、支持軸10を中心として、該日傘9部が360度回動可能で任意位置でセット可能な構成としている。
【0031】
これにより、機体の上面のどの位置でも、日傘9で覆うことができて降水などで水の進水を防止できる。特に、脱穀装置6の供給口、及び排出支持筒28部等である。
前記日傘9の収納操作で該日傘9が機体後方の収納位置に回動移動する構成であり、該日傘9の支持軸10が穀粒貯留タンク7内に収納された状態では、収納状態を、図7で示すように、収納スイッチ7dで検出され、この検出時には、回動移動不可能な構成である。
【0032】
これにより、誤操作を防止できる構成である。
前記穀粒貯留タンク7の前側部で、該穀粒貯留タンク7の巾の中央部には、図8で示すように、操縦席8のシート8aを設けた構成とし、該穀粒貯留タンク7内の巾方向中央部で、該穀粒貯留タンク7前部には、日傘9を支持する支持フレーム9bを配設した構成である。
【0033】
これにより、前記操縦席8のシート8aの後方部に日傘9を支持する支持フレーム9bが配置されることにより、該日傘9の操作が容易となる。
前記日傘フレーム8bは、図9で示すように、操縦者を迂回するように、上下、及び左右方向に湾曲させて設けた構成である。
【0034】
これにより、大きな直径のパラソルを使用可能となる。
操縦席8の上部には、逆L字形状の支持フレーム9bの上側に、鉄板材、又は樹脂材よりなる受板30を設けると共に、この受板30の下側で、逆L字形状の該支持フレーム9bには、複数個のローラ9cを設け、該受板30を支持させると共に、該受板30の上側には、図10で示すように、サンバイザスライド31を設けている。又、前記支持フレーム9b上を上下移動と同時に、該受板30、及び該サンバイザスライド31も上下移動、及び回動移動する構成である。
【0035】
これにより、大きな該サンバイザスライド31でありながらコンパクトに収納することができる。
穀粒貯留タンク7の外側面には、図11で示すように、日傘9を収納する、日傘収納具9dを一体的に装着して設けた構成である。
【0036】
これにより、前記日傘9の収納が容易である。又、穀粒貯留タンク7内の穀粒が日傘9内に進入することを防止できる。更に、外表面であることにより、着脱が容易である。
図12、及び図13で示すように、前記コンバイン1の操縦席8の前方右端部には、前記日傘9と、日傘取付枠7Eとを鉛直方向で長手方向姿勢に収納する構成とした。
【0037】
収納時、場所を取らずにコンパクトに収納でき、又、乗降時オペレータの障害になることがない。
前記穀粒貯留タンク7内へ貯留した穀粒を機外へ排出するこの穀粒貯留タンク7の後側には、図1、及び図2で示すように、縦移送螺旋28aを内装した排出支持筒28を略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この排出支持筒28の上端部には、その全長がコンバイン1の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋29aを伸縮自在に内装した排出オーガ29を伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設している。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】コンバインの右側全体側面図
【図2】コンバインの左側全体側面図
【図3】コンバインの日除け装置の下支持杆部の側面図
【図4】コンバインの日除け装置の回動時の側面図
【図5】コンバインの日除け装置の収納時の側面図
【図6】日除け装置の回動時の平面図
【図7】ブロック図
【図8】日傘制御モータの作用平面図
【図9】日傘フレームの平面図
【図10】支持フレームとサンバイザスライドとの関係図
【図11】日傘を収納した状態の右側面図
【図12】日傘を収納した状態の正面図
【図13】日傘を収納した状態の側面図
【符号の説明】
【0039】
2 走行車台
4 刈取装置
7 穀粒貯留タンク
7a 右側板
7b 取付具
7c 締付具
8 操縦席
9 日傘
10 支持軸
11 中空ボス
12a 上支持杆
12b 下支持杆
12c 接続パイプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車台(2)の前側に立毛穀稈を刈取り後方上部へ移送する刈取装置(4)を設け、該刈取装置(4)の後方右側部に操縦席(8)を設け、該操縦席(8)の後側には脱穀済み穀粒を貯留する穀粒貯留タンク(7)を設け、前記操縦席(8)に搭乗する操縦者の日除け用の日傘(9)を設け、該日傘(9)の支持軸(10)を挿入する中空ボス(11)を先端部に装着した上支持杆(12a)の基部と、逆L字形状の下支持杆(12b)の先端部とを接続パイプ(12c)で横方向伸縮自在に接続し、前記下支持杆(12b)を穀粒貯留タンク(7)の右側板(7a)に設けた取付具(7b)に上下移動自在及び縦軸中心に回動自在に取り付けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項1】
走行車台(2)の前側に立毛穀稈を刈取り後方上部へ移送する刈取装置(4)を設け、該刈取装置(4)の後方右側部に操縦席(8)を設け、該操縦席(8)の後側には脱穀済み穀粒を貯留する穀粒貯留タンク(7)を設け、前記操縦席(8)に搭乗する操縦者の日除け用の日傘(9)を設け、該日傘(9)の支持軸(10)を挿入する中空ボス(11)を先端部に装着した上支持杆(12a)の基部と、逆L字形状の下支持杆(12b)の先端部とを接続パイプ(12c)で横方向伸縮自在に接続し、前記下支持杆(12b)を穀粒貯留タンク(7)の右側板(7a)に設けた取付具(7b)に上下移動自在及び縦軸中心に回動自在に取り付けたことを特徴とするコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−124763(P2010−124763A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−303282(P2008−303282)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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