コンバイン
【課題】運転操作を楽な姿勢で行いながらブレーキ操作も的確に行えるコンバインを提要する。
【解決手段】運転席(5)の前側に備えたステップシート(10)の上側に、運転者の足を載せる足載せ台(11)を取り付け、該足載せ台(11)の右側近傍には踏み込み操作により駐車ブレーキを作動させるブレーキペダル(15)を配置し、該ブレーキペダル(15)は、その踏み込み操作面が足載せ台(11)の上面よりも高い位置から足載せ台(11)の上面よりも低い位置まで踏み込み操作可能に構成し、足載せ台(11)をステップ支持フレーム(9)に対してステップシート(10)と一体で着脱できる構成とする。
【解決手段】運転席(5)の前側に備えたステップシート(10)の上側に、運転者の足を載せる足載せ台(11)を取り付け、該足載せ台(11)の右側近傍には踏み込み操作により駐車ブレーキを作動させるブレーキペダル(15)を配置し、該ブレーキペダル(15)は、その踏み込み操作面が足載せ台(11)の上面よりも高い位置から足載せ台(11)の上面よりも低い位置まで踏み込み操作可能に構成し、足載せ台(11)をステップ支持フレーム(9)に対してステップシート(10)と一体で着脱できる構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1には、運転席の前側でステップの上方位置に運転者の足を載せる足載せ台を設置する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−69843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
倒伏状態の穀稈を刈り取るときなどには、高い位置から見ると、視認性が良くなり、特に分草状況が良く見えるため、運転者は座席の昇降機構を用いて運転席を上方に高く上昇させた状態で運転する場合がある。このようなとき、ステップの上面に足が届かなくなるため、足載せ台を利用することで常に楽な姿勢で運転操作することができることになる。
【0005】
このようなことにより、本発明は、ステップシートの上面より上方に高くして足載せ台を配置すると共に、その右側近くには踏込み操作で駐車ブレーキを作動させるブレーキペダルを配置することによって、運転操作を楽な姿勢で行いながらブレーキ操作も的確に行える技術的手段を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決すべく次の技術的手段を講じる。
即ち、請求項1記載の発明は、運転席(5)の前側に備えたステップシート(10)の上側に、運転者の足を載せる足載せ台(11)を取り付け、該足載せ台(11)の右側近傍には踏み込み操作により駐車ブレーキを作動させるブレーキペダル(15)を配置し、該ブレーキペダル(15)は、その踏み込み操作面が足載せ台(11)の上面よりも高い位置から足載せ台(11)の上面よりも低い位置まで踏み込み操作可能に構成し、前記足載せ台(11)をステップ支持フレーム(9)に対してステップシート(10)と一体で着脱できる構成としたことを特徴とするコンバインとした。
【0007】
刈取作業状況により視界を良くするため、運転席(5)を高い位置に上昇させた場合には、運転者は、足載せ台(11)上に足を載せた状態で楽な姿勢にて運転操作することができる。また、足載せ台(11)の右側近傍に駐車ブレーキペダル(15)が配置されているので、運転席が高い位置に上昇されても、ブレーキペダル(15)の踏み込み操作は容易で的確にブレーキをかけることができる。
【0008】
また、ブレーキペダル(15)は、足載せ台(11)の直ぐ右上にあるため、足の移動距離が少なくとっさのブレーキ操作が容易に行える。また、ブレーキペダル(15)を踏み込んでロックした時は、このブレーキペダル(15)の踏み込み操作面が足載せ台(11)の上面より低くなっているので、乗り降り時に足を引っ掛ける心配がなく安全である。
【0009】
また、足載せ台(11)をステップシート(10)と一体で着脱することができ、下方に装備してある機器類等のメンテナンスが容易に行える。
請求項2記載の発明は、前記足載せ台(11)に工具類を収納可能な工具収納部を備えたことを特徴とする請求項1記載のコンバインとした。
【0010】
足載せ台(11)は、工具箱を兼ねるものであるため、工具箱を別に設置する必要がなく、足載せ台(11)の上面を開閉可能に構成するだけで工具類を容易に収納できて、安価に実施することができる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によると、刈取作業状況などで視界を良くするため、運転席を高い位置に上昇させた場合にあっても、運転者は、足載せ台(11)上に足を載せた状態にして常に楽な姿勢で運転操作することができ、作業を能率よく行うことができる。また、足載せ台(11)の右側近くに駐車ブレーキを作動させるブレーキペダル(15)が配置されているので、運転席が高い位置にあっても、ブレーキペダル(15)の踏込み操作が容易に行えて的確に駐車ブレーキをかけることができる。
【0012】
また、ブレーキペダル(15)が足載せ台(11)の直ぐ右上にあるため、足の移動距離が少なくて済み、とっさのブレーキ操作が容易に行える。また、ブレーキペダル(15)を踏み込んでロックした時は、このブレーキペダル(15)の踏み込み操作面が足載せ台(11)の上面よりも低くなっているので、乗り降り時に足を引っ掛ける心配がなく安全である。
【0013】
また、足載せ台(11)はステップシート(10)と一体で着脱することができるので、ステップ部下方に装備された機器類のメンテナンスを容易に行うことができる。
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加え、足載せ台(11)は工具箱を兼ねるものであるため、別の工具箱を用意する必要がなく安価に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】コンバインの側面図
【図2】コンバインの要部の平面図
【図3】ステップ部、足載せ台及びブレーキペダル部との関係を示す側面図
【図4】同上平面図
【図5】ステップ部と足載せ部の側面図
【図6】同上要部の平面図
【図7】ブレーキペダル、ブレーキロック機構、ロック解除機構部の側面図
【図8】同上要部の側面図
【図9】同上要部の平面図
【図10】ステップ部と足載せ部及びブレーキペダル部の側面図
【図11】同上平面図
【図12】同上正面図
【図13】ステップシート部の平面図
【図14】運転操作部及びステップ部を示す側面図
【図15】パワステ回路図
【図16】パワステレバーのスイッチ機構部を示す斜視図
【図17】表示パネル部の平面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
コンバインの走行車体1には、左右一対の走行クローラ2,2を備え、後部に搭載した脱穀部(脱穀装置)3の前方部に刈取部4を設置し,刈取部4の横側部には運転席5や操作ボックス6等からなる運転操作部を備え、更に、その運転操作部の後方には脱穀粒を一時的に貯留するグレンタンクGを装備している。
【0016】
運転席5は、上下方向に昇降調節可能に構成されている。操作ボックス6は、運転席5の前側に位置するフロント操作ボックス6Fと運転席5の左側部に配置するサイド操作ボックス6Sからなる。サイド操作ボックス6Sには刈脱クラッチレバーや変速レバー(HSTレバー)7等が具備され、フロント操作ボックス6Fには左右方向の操作で機体の進行方向を左右に操向制御し、前後方向の操作で刈取部4を昇降制御するパワステレバー8等が備えられている。
【0017】
運転席5とフロント操作ボックス6Fとの間におけるステップフレーム9上には、ゴム材又は樹脂材によりできたステップシート10が敷設されている。図3に示すステップシート10は、樹脂材にてブロー成型されたもので、上面に凹凸面10a,10bを形成した上壁面10Aと、底面に上方に向けて突出して前記上壁面10Aの裏側に接合する取付凹入部10cを有した底壁面10Bとからなる構成としている。
【0018】
運転席5の前側でフロント操作ボックス6Fとの間におけるステップシート10上には、運転者の左右両足を載せる足載せ台11がステップ上面より上方に高く配置して設けられている。
【0019】
足載せ台11は、工具類が収納できるように箱型に構成され、上壁面(足載せ面)11aが前端より後端側を低くした後傾になっており、しかも、これが開閉蓋となるようヒンジ11bを介して開閉(図5、図6参照)できる構成としている。また、この足載せ台11は、ステップシート10の上壁面10Aの凸面10bと底壁面10Bの取付凹入部10cとの接合部にボルト等の締付固定具12を介して締付固定し、ステップフレーム9に対してステップシート10と共に一体的に着脱できる構成としている。なお、上記実施例(図3)では足載せ台の取り付けに際し、ステップシート10の凹溝10aをガイドとして足載せ台11を取り付ける構成としている。
【0020】
また、図13、図14に示すように、ステップ支持フレームに対するステップシートの取り付けに際し、ステップシート10の下面に突設した突起13,13により、左右横方向のステップ支持フレーム9に対し前後から挟む状態で嵌め込みセットするように構成することで、取り付け、取り外しが容易にでき、ワンタッチで簡単に着脱することができる。
【0021】
足載せ台11の右側近くには、踏み込み操作によって駐車ブレーキを作動させるブレーキペダル15が配置されている。
ブレーキペダル15は、ブレーキ軸16を回動軸芯として一体回動するようになっており、このペダル面が足載せ台11より上方の高い位置から下方の低い位置まで踏込み操作可能に構成されている。17は手動ハンドルで、機外から手動によってもブレーキ操作することができる。
【0022】
ミッションケース内の駐車ブレーキ装置を制動する時には、ブレーキペダル15を踏み込み操作すると、ブレーキ軸16、揺動リンク18を介して作動ロッド19が引かれて、ブレーキアーム20a,20b,20cが反時計方向に回動し、クラッチワイヤー21とブレーキロッド22が引き操作される。そして、クラッチワイヤー21の引き操作によってシフトアーム23が回動し、ミッション入力軸に設けられたギヤがスライドし、下手側のギヤとの噛み合いが外れてクラッチ切りとなる。同時に、ブレーキロッド22の引き操作によってブレーキ作動用アーム24が回動し、駐車ブレーキが作動して制動力が付与される。そして、このブレーキのかかった状態でブレーキアーム20aがロックアーム25によって係合保持されてブレーキロック状態となる。
【0023】
駐車ブレーキのロック解除は、変速レバー7を中立位置に操作して左又は右に傾倒操作するとロック解除ワイヤ26が引かれ、ロックアーム25が反時計方向に回動しブレーキアーム20aとの係合が外れる。これによって、ブレーキアーム20a,20b,20cが時計方向に回動復帰し、ブレーキペダルの次の踏込み操作があるまで待機することになる。
【0024】
上記のような構成及び作用によって駐車ブレーキの制動ロックと、ロック解除が行えるものであり、特に、ロック解除は、変速レバーの中立位置への操作で可能とするものであるから、機体の急発進を防止でき安全である。
【0025】
図10〜図12に示す実施例では、ステップシート10と足載せ台11を樹脂などで一体成型し、足載せ台11のブレーキペダル15側及び運転席5側の側面部に適宜の傾斜角をもつ傾斜面11c,11dを設けた構成としている。これによれば、ブレーキペダルを踏み込んだ時に足載せ台に引っ掛りペダルを踏み込めなくなることがない。
【0026】
ブレーキ解除時(非踏み込み時)のペダル15位置は、側面視で足載せ台11より後方(運転席側)に位置させることで、ブレーキペダルが踏み易く、足載せ台から足を上げた時に自然にペダル位置に足がくるため、より自然なペダルの踏み込み動作となり得る。また、ブレーキロック時(踏み込み時)のペダル位置は、側面視で足載せ台より前側に位置させることで、側面視でペダルが足載せ台とラップする位置関係となり、乗車、乗降の邪魔にならない。
【0027】
クローラの脱着作業において、従来は、本機の左又は右側をリフトアップし、クローラテンションを緩める。エンジンを始動した後、片側のクローラのみ回転させ、一人がパワステレバーを操作して反対側のクローラをロックし、低速で前進させる。そして、他の一人がクローラを取り外す作業を行うようにしている。
【0028】
本例では、図15(回路図)及び図16に示すように、パワステレバー8のパワステリミットスイッチコネクタ30をメインハーネスより外し、バイパススイッチコネクタ31をメインハーネスに差し込んでソレノイドに直接出力させる構成とする。そして、スイッチの操作でクローラをロックさせる。このようにすれば、クローラの取り外し作業を従来の二人作業に対して一人でも安全で容易に行うことができる。
【0029】
エンジン出力軸からコンバイン各作業部に無段変速装置(HST,ベルコン等)を介して出力を伝達する構成において、エンジン出力回転変速装置と電子制御のスロットルを組み合わせ、負荷の増減に合わせてエンジン回転数を変更し、無段変速装置によって取り出す出力回転数を一定にするように変速装置を自動制御する。脱穀機が「ON」の時に上記制御を行うようにすると共に、スロットルも自動制御とし、負荷が増加しエンジン回転が下がろうとすると、エンジン回転を上げると共に出力回転変速を減速させるように制御する。エンジン回転と燃料噴射量により負荷が軽いと判断した場合は、エンジン回転を下げると共に出力回転数を増速させるように制御する。この制御によれば、圃場条件により変化する負荷に対して最適なエンジン回転での作業が行えるため、燃料の消費を抑制することが可能となる。負荷をエンジン回転と燃料噴射量により判断することで、操向、刈取、脱穀それぞれの負荷にすべて対応することができる。
【0030】
このようなエンジン回転制御において、エンジン出力回転変速装置の変速位置を表示パネル32のエコモニタに表示(図17参照)し、増速側のときは「エコ」状態を、また減速側のときは「高負荷」の状態であることを表示するようにすれば、オペレータが作業状態を把握しやすいため、エコ運転が実行しやすくなる。また、エコ運転はコンバインにかかる負荷が少ない状態であるため、各部の耐久性を向上させることができる。なお、図17中、N1は、エンジン出力回転変速機で定格回転を出力しているゾーン、N2は、定格回転からドロップしているゾーンを示し、33はタコメータを示している。
【0031】
また、エンジン出力回転変速装置が減速側のときは、エンジン回転が上がった状態が定格となるため、そこからドロップしてもオペレータが気づかないことがある。エコモニタが「高負荷」でエンジン回転がどの位置からという2つのメータから状態を読み取らなくてはならない。そこで、エンジン出力回転変速装置が減速側であり、さらにエンジン回転が下がる場合には上記のエコモニタに表示させる。これによれば、作業状態を1つのモニタで把握でき、高負荷からさらに下がったときは、直ちに車速を落すなどの対応が敏速に行うことができる。
【符号の説明】
【0032】
5 運転席
9 ステップ支持フレーム
10 ステップシート
11 足載せ台
15 ブレーキペダル
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1には、運転席の前側でステップの上方位置に運転者の足を載せる足載せ台を設置する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−69843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
倒伏状態の穀稈を刈り取るときなどには、高い位置から見ると、視認性が良くなり、特に分草状況が良く見えるため、運転者は座席の昇降機構を用いて運転席を上方に高く上昇させた状態で運転する場合がある。このようなとき、ステップの上面に足が届かなくなるため、足載せ台を利用することで常に楽な姿勢で運転操作することができることになる。
【0005】
このようなことにより、本発明は、ステップシートの上面より上方に高くして足載せ台を配置すると共に、その右側近くには踏込み操作で駐車ブレーキを作動させるブレーキペダルを配置することによって、運転操作を楽な姿勢で行いながらブレーキ操作も的確に行える技術的手段を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決すべく次の技術的手段を講じる。
即ち、請求項1記載の発明は、運転席(5)の前側に備えたステップシート(10)の上側に、運転者の足を載せる足載せ台(11)を取り付け、該足載せ台(11)の右側近傍には踏み込み操作により駐車ブレーキを作動させるブレーキペダル(15)を配置し、該ブレーキペダル(15)は、その踏み込み操作面が足載せ台(11)の上面よりも高い位置から足載せ台(11)の上面よりも低い位置まで踏み込み操作可能に構成し、前記足載せ台(11)をステップ支持フレーム(9)に対してステップシート(10)と一体で着脱できる構成としたことを特徴とするコンバインとした。
【0007】
刈取作業状況により視界を良くするため、運転席(5)を高い位置に上昇させた場合には、運転者は、足載せ台(11)上に足を載せた状態で楽な姿勢にて運転操作することができる。また、足載せ台(11)の右側近傍に駐車ブレーキペダル(15)が配置されているので、運転席が高い位置に上昇されても、ブレーキペダル(15)の踏み込み操作は容易で的確にブレーキをかけることができる。
【0008】
また、ブレーキペダル(15)は、足載せ台(11)の直ぐ右上にあるため、足の移動距離が少なくとっさのブレーキ操作が容易に行える。また、ブレーキペダル(15)を踏み込んでロックした時は、このブレーキペダル(15)の踏み込み操作面が足載せ台(11)の上面より低くなっているので、乗り降り時に足を引っ掛ける心配がなく安全である。
【0009】
また、足載せ台(11)をステップシート(10)と一体で着脱することができ、下方に装備してある機器類等のメンテナンスが容易に行える。
請求項2記載の発明は、前記足載せ台(11)に工具類を収納可能な工具収納部を備えたことを特徴とする請求項1記載のコンバインとした。
【0010】
足載せ台(11)は、工具箱を兼ねるものであるため、工具箱を別に設置する必要がなく、足載せ台(11)の上面を開閉可能に構成するだけで工具類を容易に収納できて、安価に実施することができる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によると、刈取作業状況などで視界を良くするため、運転席を高い位置に上昇させた場合にあっても、運転者は、足載せ台(11)上に足を載せた状態にして常に楽な姿勢で運転操作することができ、作業を能率よく行うことができる。また、足載せ台(11)の右側近くに駐車ブレーキを作動させるブレーキペダル(15)が配置されているので、運転席が高い位置にあっても、ブレーキペダル(15)の踏込み操作が容易に行えて的確に駐車ブレーキをかけることができる。
【0012】
また、ブレーキペダル(15)が足載せ台(11)の直ぐ右上にあるため、足の移動距離が少なくて済み、とっさのブレーキ操作が容易に行える。また、ブレーキペダル(15)を踏み込んでロックした時は、このブレーキペダル(15)の踏み込み操作面が足載せ台(11)の上面よりも低くなっているので、乗り降り時に足を引っ掛ける心配がなく安全である。
【0013】
また、足載せ台(11)はステップシート(10)と一体で着脱することができるので、ステップ部下方に装備された機器類のメンテナンスを容易に行うことができる。
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加え、足載せ台(11)は工具箱を兼ねるものであるため、別の工具箱を用意する必要がなく安価に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】コンバインの側面図
【図2】コンバインの要部の平面図
【図3】ステップ部、足載せ台及びブレーキペダル部との関係を示す側面図
【図4】同上平面図
【図5】ステップ部と足載せ部の側面図
【図6】同上要部の平面図
【図7】ブレーキペダル、ブレーキロック機構、ロック解除機構部の側面図
【図8】同上要部の側面図
【図9】同上要部の平面図
【図10】ステップ部と足載せ部及びブレーキペダル部の側面図
【図11】同上平面図
【図12】同上正面図
【図13】ステップシート部の平面図
【図14】運転操作部及びステップ部を示す側面図
【図15】パワステ回路図
【図16】パワステレバーのスイッチ機構部を示す斜視図
【図17】表示パネル部の平面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
コンバインの走行車体1には、左右一対の走行クローラ2,2を備え、後部に搭載した脱穀部(脱穀装置)3の前方部に刈取部4を設置し,刈取部4の横側部には運転席5や操作ボックス6等からなる運転操作部を備え、更に、その運転操作部の後方には脱穀粒を一時的に貯留するグレンタンクGを装備している。
【0016】
運転席5は、上下方向に昇降調節可能に構成されている。操作ボックス6は、運転席5の前側に位置するフロント操作ボックス6Fと運転席5の左側部に配置するサイド操作ボックス6Sからなる。サイド操作ボックス6Sには刈脱クラッチレバーや変速レバー(HSTレバー)7等が具備され、フロント操作ボックス6Fには左右方向の操作で機体の進行方向を左右に操向制御し、前後方向の操作で刈取部4を昇降制御するパワステレバー8等が備えられている。
【0017】
運転席5とフロント操作ボックス6Fとの間におけるステップフレーム9上には、ゴム材又は樹脂材によりできたステップシート10が敷設されている。図3に示すステップシート10は、樹脂材にてブロー成型されたもので、上面に凹凸面10a,10bを形成した上壁面10Aと、底面に上方に向けて突出して前記上壁面10Aの裏側に接合する取付凹入部10cを有した底壁面10Bとからなる構成としている。
【0018】
運転席5の前側でフロント操作ボックス6Fとの間におけるステップシート10上には、運転者の左右両足を載せる足載せ台11がステップ上面より上方に高く配置して設けられている。
【0019】
足載せ台11は、工具類が収納できるように箱型に構成され、上壁面(足載せ面)11aが前端より後端側を低くした後傾になっており、しかも、これが開閉蓋となるようヒンジ11bを介して開閉(図5、図6参照)できる構成としている。また、この足載せ台11は、ステップシート10の上壁面10Aの凸面10bと底壁面10Bの取付凹入部10cとの接合部にボルト等の締付固定具12を介して締付固定し、ステップフレーム9に対してステップシート10と共に一体的に着脱できる構成としている。なお、上記実施例(図3)では足載せ台の取り付けに際し、ステップシート10の凹溝10aをガイドとして足載せ台11を取り付ける構成としている。
【0020】
また、図13、図14に示すように、ステップ支持フレームに対するステップシートの取り付けに際し、ステップシート10の下面に突設した突起13,13により、左右横方向のステップ支持フレーム9に対し前後から挟む状態で嵌め込みセットするように構成することで、取り付け、取り外しが容易にでき、ワンタッチで簡単に着脱することができる。
【0021】
足載せ台11の右側近くには、踏み込み操作によって駐車ブレーキを作動させるブレーキペダル15が配置されている。
ブレーキペダル15は、ブレーキ軸16を回動軸芯として一体回動するようになっており、このペダル面が足載せ台11より上方の高い位置から下方の低い位置まで踏込み操作可能に構成されている。17は手動ハンドルで、機外から手動によってもブレーキ操作することができる。
【0022】
ミッションケース内の駐車ブレーキ装置を制動する時には、ブレーキペダル15を踏み込み操作すると、ブレーキ軸16、揺動リンク18を介して作動ロッド19が引かれて、ブレーキアーム20a,20b,20cが反時計方向に回動し、クラッチワイヤー21とブレーキロッド22が引き操作される。そして、クラッチワイヤー21の引き操作によってシフトアーム23が回動し、ミッション入力軸に設けられたギヤがスライドし、下手側のギヤとの噛み合いが外れてクラッチ切りとなる。同時に、ブレーキロッド22の引き操作によってブレーキ作動用アーム24が回動し、駐車ブレーキが作動して制動力が付与される。そして、このブレーキのかかった状態でブレーキアーム20aがロックアーム25によって係合保持されてブレーキロック状態となる。
【0023】
駐車ブレーキのロック解除は、変速レバー7を中立位置に操作して左又は右に傾倒操作するとロック解除ワイヤ26が引かれ、ロックアーム25が反時計方向に回動しブレーキアーム20aとの係合が外れる。これによって、ブレーキアーム20a,20b,20cが時計方向に回動復帰し、ブレーキペダルの次の踏込み操作があるまで待機することになる。
【0024】
上記のような構成及び作用によって駐車ブレーキの制動ロックと、ロック解除が行えるものであり、特に、ロック解除は、変速レバーの中立位置への操作で可能とするものであるから、機体の急発進を防止でき安全である。
【0025】
図10〜図12に示す実施例では、ステップシート10と足載せ台11を樹脂などで一体成型し、足載せ台11のブレーキペダル15側及び運転席5側の側面部に適宜の傾斜角をもつ傾斜面11c,11dを設けた構成としている。これによれば、ブレーキペダルを踏み込んだ時に足載せ台に引っ掛りペダルを踏み込めなくなることがない。
【0026】
ブレーキ解除時(非踏み込み時)のペダル15位置は、側面視で足載せ台11より後方(運転席側)に位置させることで、ブレーキペダルが踏み易く、足載せ台から足を上げた時に自然にペダル位置に足がくるため、より自然なペダルの踏み込み動作となり得る。また、ブレーキロック時(踏み込み時)のペダル位置は、側面視で足載せ台より前側に位置させることで、側面視でペダルが足載せ台とラップする位置関係となり、乗車、乗降の邪魔にならない。
【0027】
クローラの脱着作業において、従来は、本機の左又は右側をリフトアップし、クローラテンションを緩める。エンジンを始動した後、片側のクローラのみ回転させ、一人がパワステレバーを操作して反対側のクローラをロックし、低速で前進させる。そして、他の一人がクローラを取り外す作業を行うようにしている。
【0028】
本例では、図15(回路図)及び図16に示すように、パワステレバー8のパワステリミットスイッチコネクタ30をメインハーネスより外し、バイパススイッチコネクタ31をメインハーネスに差し込んでソレノイドに直接出力させる構成とする。そして、スイッチの操作でクローラをロックさせる。このようにすれば、クローラの取り外し作業を従来の二人作業に対して一人でも安全で容易に行うことができる。
【0029】
エンジン出力軸からコンバイン各作業部に無段変速装置(HST,ベルコン等)を介して出力を伝達する構成において、エンジン出力回転変速装置と電子制御のスロットルを組み合わせ、負荷の増減に合わせてエンジン回転数を変更し、無段変速装置によって取り出す出力回転数を一定にするように変速装置を自動制御する。脱穀機が「ON」の時に上記制御を行うようにすると共に、スロットルも自動制御とし、負荷が増加しエンジン回転が下がろうとすると、エンジン回転を上げると共に出力回転変速を減速させるように制御する。エンジン回転と燃料噴射量により負荷が軽いと判断した場合は、エンジン回転を下げると共に出力回転数を増速させるように制御する。この制御によれば、圃場条件により変化する負荷に対して最適なエンジン回転での作業が行えるため、燃料の消費を抑制することが可能となる。負荷をエンジン回転と燃料噴射量により判断することで、操向、刈取、脱穀それぞれの負荷にすべて対応することができる。
【0030】
このようなエンジン回転制御において、エンジン出力回転変速装置の変速位置を表示パネル32のエコモニタに表示(図17参照)し、増速側のときは「エコ」状態を、また減速側のときは「高負荷」の状態であることを表示するようにすれば、オペレータが作業状態を把握しやすいため、エコ運転が実行しやすくなる。また、エコ運転はコンバインにかかる負荷が少ない状態であるため、各部の耐久性を向上させることができる。なお、図17中、N1は、エンジン出力回転変速機で定格回転を出力しているゾーン、N2は、定格回転からドロップしているゾーンを示し、33はタコメータを示している。
【0031】
また、エンジン出力回転変速装置が減速側のときは、エンジン回転が上がった状態が定格となるため、そこからドロップしてもオペレータが気づかないことがある。エコモニタが「高負荷」でエンジン回転がどの位置からという2つのメータから状態を読み取らなくてはならない。そこで、エンジン出力回転変速装置が減速側であり、さらにエンジン回転が下がる場合には上記のエコモニタに表示させる。これによれば、作業状態を1つのモニタで把握でき、高負荷からさらに下がったときは、直ちに車速を落すなどの対応が敏速に行うことができる。
【符号の説明】
【0032】
5 運転席
9 ステップ支持フレーム
10 ステップシート
11 足載せ台
15 ブレーキペダル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席(5)の前側に備えたステップシート(10)の上側に、運転者の足を載せる足載せ台(11)を取り付け、該足載せ台(11)の右側近傍には踏み込み操作により駐車ブレーキを作動させるブレーキペダル(15)を配置し、該ブレーキペダル(15)は、その踏み込み操作面が足載せ台(11)の上面よりも高い位置から足載せ台(11)の上面よりも低い位置まで踏み込み操作可能に構成し、前記足載せ台(11)をステップ支持フレーム(9)に対してステップシート(10)と一体で着脱できる構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記足載せ台(11)に工具類を収納可能な工具収納部を備えたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項1】
運転席(5)の前側に備えたステップシート(10)の上側に、運転者の足を載せる足載せ台(11)を取り付け、該足載せ台(11)の右側近傍には踏み込み操作により駐車ブレーキを作動させるブレーキペダル(15)を配置し、該ブレーキペダル(15)は、その踏み込み操作面が足載せ台(11)の上面よりも高い位置から足載せ台(11)の上面よりも低い位置まで踏み込み操作可能に構成し、前記足載せ台(11)をステップ支持フレーム(9)に対してステップシート(10)と一体で着脱できる構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記足載せ台(11)に工具類を収納可能な工具収納部を備えたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−244743(P2011−244743A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121159(P2010−121159)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]