コンバータ回路
【課題】コンバータ回路の電源遮断を行わずにＯＦＦラッチ状態から復帰させることのできるコンバータ回路を提供すること。
【解決手段】本発明は、力率改善回路部が出力する直流電圧が一定値以上の電圧または電流以上を検知している期間に異常信号を力率改善回路に出力する保護回路と、制御部から出力される解除信号と異常信号とが入力される入力部を有し力率改善回路へＯＦＦラッチ信号を出力するラッチ回路とを備え、異常信号が入力された後、解除信号が出力されるまでの間にＯＦＦラッチ信号を出力し、力率改善回路部は、異常信号が入力された時に昇圧動作を停止してＰＦＣ異常信号を制御部に出力するとともに、異常信号が解除された後にＰＦＣ異常信号の解除を制御部に出力し、ＰＦＣ異常信号の解除を検知してから一定時間経過後に、制御部からラッチ回路へ解除信号を出力する。
【解決手段】本発明は、力率改善回路部が出力する直流電圧が一定値以上の電圧または電流以上を検知している期間に異常信号を力率改善回路に出力する保護回路と、制御部から出力される解除信号と異常信号とが入力される入力部を有し力率改善回路へＯＦＦラッチ信号を出力するラッチ回路とを備え、異常信号が入力された後、解除信号が出力されるまでの間にＯＦＦラッチ信号を出力し、力率改善回路部は、異常信号が入力された時に昇圧動作を停止してＰＦＣ異常信号を制御部に出力するとともに、異常信号が解除された後にＰＦＣ異常信号の解除を制御部に出力し、ＰＦＣ異常信号の解除を検知してから一定時間経過後に、制御部からラッチ回路へ解除信号を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、交流電圧を力率改善回路により電圧値を可変可能な直流電圧に変換可能なコンバータ回路の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
図３は、従来のコンバータ回路を示す構成図である。従来のコンバータ回路は、交流電源から入力した交流電圧を直流に変換する整流回路と、整流回路からの直流電圧を昇圧して力率を改善する力率改善回路１と、力率改善回路１で昇圧された直流電圧を平滑する平滑コンデンサと、力率改善回路１を駆動する駆動回路と、インバータ回路を駆動するインバータ駆動回路と、上記の各回路を制御する制御部４で構成される。
【０００３】
図３に示すようなコンバータ回路からの出力電圧は、モータなどに供給され、モータの回転数等に基づき直流出力電圧の大きさは制御される。
【０００４】
ここで力率改善回路は、出力電流の波形を交流電源と相似な波形に整形することによる力率改善機能と直流電圧が昇圧された状態で保持させる昇圧機能の２つの役割があり、モータの負荷電流が大きいほど力率改善回路への負荷は増大する。
【０００５】
また、力率改善回路が出力する直流電圧及び入力電流は交流電圧の変動や出力負荷の急変、また回路素子の故障などにより通常制御時より大幅に上昇することがあり、過電圧、過電流による力率改善回路やコンバータ回路出力に接続されている回路素子にストレスを与え破壊が発生することがある。
【０００６】
このような課題への対策として、過電圧または過電流状態を検知し、力率改善回路の動作を保護停止させる方法が考えられるが、一時的に保護停止させても、保護解除後に再び過電圧または過電流状態が発生し、保護動作と解除を繰り返す異常モードが存在することになってしまい、その場合においても回路素子にストレスが蓄積し回路破壊に繋がることがある。
【０００７】
また、力率改善回路の過電圧または過電流状態の繰り返し発生による破壊を防止するための手段としては、過電圧または過電流保護動作が発生した時に保護が解除されても、力率改善回路の動作をＯＦＦラッチさせる手段が用いられていた（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００８】
【特許文献１】実開平５−５５７８３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
しかしながら、前記従来の構成では、過電圧または過電流状態が一度発生すると、過電圧または過電流状態が解除されても、力率改善回路の動作をＯＦＦラッチするため繰り返しの保護動作が発生しない一方で、過電圧または過電流状態が収束してもＯＦＦラッチが継続し、コンバータ回路を電源遮断しなければ力率改善回路が動作復帰できないという課題を有していた。
【００１０】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、過電圧または過電流保護の繰り返し動作
を回避しながら、コンバータ回路の電源遮断を行わずにＯＦＦラッチ状態から復帰させることのできるコンバータ回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
前記従来の課題を解決するために、本発明のコンバータ回路は、力率改善回路部が出力する直流電圧が一定値以上の電圧または電流以上を検知している期間に異常信号を力率改善回路に出力する保護回路と、制御部から出力される解除信号と異常信号とが入力される入力部を有し力率改善回路へＯＦＦラッチ信号を出力するラッチ回路とを備え、異常信号が入力された後、解除信号が出力されるまでの間にＯＦＦラッチ信号を出力し、力率改善回路部は、異常信号が入力された時に昇圧動作を停止してＰＦＣ異常信号を制御部に出力するとともに、異常信号が解除された後にＰＦＣ異常信号の解除を制御部に出力し、ＰＦＣ異常信号の解除を検知してから一定時間経過後に、制御部からラッチ回路へ解除信号を出力することにより、力率改善回路の過電圧または過電流状態が収束した後にコンバータ回路の電源遮断をせずにラッチ状態を解除し、力率改善回路の動作を再開させることができる。
【発明の効果】
【００１２】
本発明は、電源を遮断することなくラッチ状態を解除することができるコンバータ回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】本発明の実施の形態１におけるコンバータ回路のブロック図
【図２】同実施の形態１におけるシーケンス図
【図３】従来のコンバータ回路のブロック図
【発明を実施するための形態】
【００１４】
第１の発明のコンバータ回路は、力率改善回路部が出力する直流電圧が一定値以上の電圧または電流以上を検知している期間に異常信号を力率改善回路に出力する保護回路と、制御部から出力される解除信号と異常信号とが入力される入力部を有し力率改善回路へＯＦＦラッチ信号を出力するラッチ回路とを備え、異常信号が入力された後、解除信号が出力されるまでの間にＯＦＦラッチ信号を出力し、力率改善回路部は、異常信号が入力された時に昇圧動作を停止してＰＦＣ異常信号を制御部に出力するとともに、異常信号が解除された後にＰＦＣ異常信号の解除を制御部に出力し、ＰＦＣ異常信号の解除を検知してから一定時間経過後に、制御部からラッチ回路へ解除信号を出力することにより、力率改善回路の過電圧または過電流状態が収束した後にコンバータ回路の電源遮断をせずにラッチ状態を解除し、力率改善回路の動作を再開させることができ、制御部が力率改善回路以外のアクチュエータを動作させている場合において、電源遮断による力率改善回路以外のアクチュエータの動作停止を回避することができる。
【００１５】
第２の発明のコンバータ回路は、特に第１の発明において、ＰＦＣ異常信号の時間幅は、制御部が検知可能な時間幅以上とすることにより、異常信号が制御部の制御分解能より短い時間しか出力されない場合においても、制御部がＰＦＣ異常信号の異常出力を検知することができ、過電圧または過電流状態が収束してもＯＦＦラッチが解除しない事態を回避することができる。
【００１６】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【００１７】
（実施の形態１）
図１は、本発明の実施形態におけるコンバータ回路の回路ブロック図を示すものである
。図１に示す力率改善回路１は、交流電源から入力した電圧を直流電圧に整流し、直流電圧を制御部４から出力される電圧指令９に応じて昇圧し、入力電流波形を前記交流電源の入力電圧波形に近づける機能をもつ。
【００１８】
そして、出力する直流電圧が一定値異常の電圧または電流以上を検知した場合、異常電圧または異常電流を検出している期間は、過電圧過電流保護回路２から異常信号５を力率改善回路１へ出力させる。
【００１９】
また、異常信号５と制御部４から出力されるＯＦＦラッチ解除信号７が入力される入力部を持つラッチ回路３を有しており、異常信号５が入力されてから、ＯＦＦラッチ解除信号７が入力されるまでの期間は、ラッチ回路３から力率改善回路１へＯＦＦラッチ信号６が入力される。
【００２０】
また、異常信号５が過電圧過電流保護回路２から出力された場合、力率改善回路１へも異常信号５が入力され、力率改善回路１での昇圧動作が停止される。そして、力率改善回路１からＰＦＣ異常信号８が制御部４へ出力される。
【００２１】
そして、異常信号５が解除した後に、ＰＦＣ異常信号８が解除されるように設定されており、ＰＦＣ異常信号８の解除を検知してから一定時間後に、制御部４からラッチ回路３へラッチ解除信号７を出力するように構成している。
【００２２】
以上のように構成されたコンバータ回路について、以下その動作、作用を説明する。なお、本実施の形態における信号とは、ＨｉとＬｏで構成されており、ＨｉもしくはＬｏの信号のいずれか一方が動作を開始する信号とした場合、他方を解除信号としている。例えば、異常信号５をＨｉの信号とした場合、異常信号５の解除はＬｏの信号となる。
【００２３】
図２は、過電圧過電流保護回路２で異常状態を検知した時の回路間の信号のシーケンス図を示すものである。
【００２４】
まず、図２に示すように、力率改善回路１は、異常信号５が入力された時、詳しくは図２に示すように、Ｌｏレベルの信号が入力された時に昇圧動作を停止させる。そして、力率改善回路１からＰＦＣ異常信号８を制御部４へ入力する。力率改善回路１から出力されるＰＦＣ異常信号８は１６ｍｓ以上の時間幅を持つＬｏレベルの信号である。
【００２５】
このとき、ＰＦＣ異常信号の時間幅は、制御部が検知可能な時間幅以上とすることにより、異常信号が制御部の制御分解能より短い時間しか出力されない場合においても、制御部がＰＦＣ異常信号の異常出力を検知することができ、過電圧または過電流状態が収束してもＯＦＦラッチが解除しない事態を回避することができる。
【００２６】
また、異常信号５が解除された後、つまり異常信号５がＨｉレベルの信号になった後に、ＰＦＣ異常信号８の解除を行なうようにし、ＰＦＣ異常信号８の解除を検知してから第１の所定時間経過後（本実施の形態では１０秒後）に、ラッチ回路３へラッチ解除信号７（Ｈｉレベルの信号）を第２の所定時間（本実施の形態では０．５秒）の間、出力する。
【００２７】
以上のように動作させることによって、力率改善回路の過電圧または過電流状態が周側した後に、コンバータ回路の電源遮断をせずに、ラッチ状態を解除して、力率改善回路１の動作を再開させることができる。
【００２８】
よって、過電圧または過電流状態から復帰した時にコンバータ回路の電源を遮断せずに力率改善動作を再開できることから、制御部が力率改善回路以外のアクチュエータを動作
させている場合において、電源遮断による力率改善回路以外のアクチュエータの動作停止を回避することができる。
【００２９】
また、過電圧又は過電流が発生していないにも関わらず、ノイズ等によりラッチ回路３のみが動作してしまい、ＯＦＦラッチ信号６が出力される場合がある。この場合においても同様で、電源を遮断することなく、力率改善動作を再開することができる。
【産業上の利用可能性】
【００３０】
以上のように、本発明にかかるコンバータ回路は、過電圧や過電流に対する保護動作をさせながらアクチュエータを動作させることができることから空気調和機等におけるブラシレスモータの用途にも適用できる。
【符号の説明】
【００３１】
１ 力率改善回路
２ 過電圧過電流保護回路
３ ラッチ回路
４ 制御部
５ 異常信号
６ ＯＦＦラッチ信号
７ ラッチ解除信号
８ ＰＦＣ異常信号
９ 電圧指令
【技術分野】
【０００１】
本発明は、交流電圧を力率改善回路により電圧値を可変可能な直流電圧に変換可能なコンバータ回路の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
図３は、従来のコンバータ回路を示す構成図である。従来のコンバータ回路は、交流電源から入力した交流電圧を直流に変換する整流回路と、整流回路からの直流電圧を昇圧して力率を改善する力率改善回路１と、力率改善回路１で昇圧された直流電圧を平滑する平滑コンデンサと、力率改善回路１を駆動する駆動回路と、インバータ回路を駆動するインバータ駆動回路と、上記の各回路を制御する制御部４で構成される。
【０００３】
図３に示すようなコンバータ回路からの出力電圧は、モータなどに供給され、モータの回転数等に基づき直流出力電圧の大きさは制御される。
【０００４】
ここで力率改善回路は、出力電流の波形を交流電源と相似な波形に整形することによる力率改善機能と直流電圧が昇圧された状態で保持させる昇圧機能の２つの役割があり、モータの負荷電流が大きいほど力率改善回路への負荷は増大する。
【０００５】
また、力率改善回路が出力する直流電圧及び入力電流は交流電圧の変動や出力負荷の急変、また回路素子の故障などにより通常制御時より大幅に上昇することがあり、過電圧、過電流による力率改善回路やコンバータ回路出力に接続されている回路素子にストレスを与え破壊が発生することがある。
【０００６】
このような課題への対策として、過電圧または過電流状態を検知し、力率改善回路の動作を保護停止させる方法が考えられるが、一時的に保護停止させても、保護解除後に再び過電圧または過電流状態が発生し、保護動作と解除を繰り返す異常モードが存在することになってしまい、その場合においても回路素子にストレスが蓄積し回路破壊に繋がることがある。
【０００７】
また、力率改善回路の過電圧または過電流状態の繰り返し発生による破壊を防止するための手段としては、過電圧または過電流保護動作が発生した時に保護が解除されても、力率改善回路の動作をＯＦＦラッチさせる手段が用いられていた（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００８】
【特許文献１】実開平５−５５７８３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
しかしながら、前記従来の構成では、過電圧または過電流状態が一度発生すると、過電圧または過電流状態が解除されても、力率改善回路の動作をＯＦＦラッチするため繰り返しの保護動作が発生しない一方で、過電圧または過電流状態が収束してもＯＦＦラッチが継続し、コンバータ回路を電源遮断しなければ力率改善回路が動作復帰できないという課題を有していた。
【００１０】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、過電圧または過電流保護の繰り返し動作
を回避しながら、コンバータ回路の電源遮断を行わずにＯＦＦラッチ状態から復帰させることのできるコンバータ回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
前記従来の課題を解決するために、本発明のコンバータ回路は、力率改善回路部が出力する直流電圧が一定値以上の電圧または電流以上を検知している期間に異常信号を力率改善回路に出力する保護回路と、制御部から出力される解除信号と異常信号とが入力される入力部を有し力率改善回路へＯＦＦラッチ信号を出力するラッチ回路とを備え、異常信号が入力された後、解除信号が出力されるまでの間にＯＦＦラッチ信号を出力し、力率改善回路部は、異常信号が入力された時に昇圧動作を停止してＰＦＣ異常信号を制御部に出力するとともに、異常信号が解除された後にＰＦＣ異常信号の解除を制御部に出力し、ＰＦＣ異常信号の解除を検知してから一定時間経過後に、制御部からラッチ回路へ解除信号を出力することにより、力率改善回路の過電圧または過電流状態が収束した後にコンバータ回路の電源遮断をせずにラッチ状態を解除し、力率改善回路の動作を再開させることができる。
【発明の効果】
【００１２】
本発明は、電源を遮断することなくラッチ状態を解除することができるコンバータ回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】本発明の実施の形態１におけるコンバータ回路のブロック図
【図２】同実施の形態１におけるシーケンス図
【図３】従来のコンバータ回路のブロック図
【発明を実施するための形態】
【００１４】
第１の発明のコンバータ回路は、力率改善回路部が出力する直流電圧が一定値以上の電圧または電流以上を検知している期間に異常信号を力率改善回路に出力する保護回路と、制御部から出力される解除信号と異常信号とが入力される入力部を有し力率改善回路へＯＦＦラッチ信号を出力するラッチ回路とを備え、異常信号が入力された後、解除信号が出力されるまでの間にＯＦＦラッチ信号を出力し、力率改善回路部は、異常信号が入力された時に昇圧動作を停止してＰＦＣ異常信号を制御部に出力するとともに、異常信号が解除された後にＰＦＣ異常信号の解除を制御部に出力し、ＰＦＣ異常信号の解除を検知してから一定時間経過後に、制御部からラッチ回路へ解除信号を出力することにより、力率改善回路の過電圧または過電流状態が収束した後にコンバータ回路の電源遮断をせずにラッチ状態を解除し、力率改善回路の動作を再開させることができ、制御部が力率改善回路以外のアクチュエータを動作させている場合において、電源遮断による力率改善回路以外のアクチュエータの動作停止を回避することができる。
【００１５】
第２の発明のコンバータ回路は、特に第１の発明において、ＰＦＣ異常信号の時間幅は、制御部が検知可能な時間幅以上とすることにより、異常信号が制御部の制御分解能より短い時間しか出力されない場合においても、制御部がＰＦＣ異常信号の異常出力を検知することができ、過電圧または過電流状態が収束してもＯＦＦラッチが解除しない事態を回避することができる。
【００１６】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【００１７】
（実施の形態１）
図１は、本発明の実施形態におけるコンバータ回路の回路ブロック図を示すものである
。図１に示す力率改善回路１は、交流電源から入力した電圧を直流電圧に整流し、直流電圧を制御部４から出力される電圧指令９に応じて昇圧し、入力電流波形を前記交流電源の入力電圧波形に近づける機能をもつ。
【００１８】
そして、出力する直流電圧が一定値異常の電圧または電流以上を検知した場合、異常電圧または異常電流を検出している期間は、過電圧過電流保護回路２から異常信号５を力率改善回路１へ出力させる。
【００１９】
また、異常信号５と制御部４から出力されるＯＦＦラッチ解除信号７が入力される入力部を持つラッチ回路３を有しており、異常信号５が入力されてから、ＯＦＦラッチ解除信号７が入力されるまでの期間は、ラッチ回路３から力率改善回路１へＯＦＦラッチ信号６が入力される。
【００２０】
また、異常信号５が過電圧過電流保護回路２から出力された場合、力率改善回路１へも異常信号５が入力され、力率改善回路１での昇圧動作が停止される。そして、力率改善回路１からＰＦＣ異常信号８が制御部４へ出力される。
【００２１】
そして、異常信号５が解除した後に、ＰＦＣ異常信号８が解除されるように設定されており、ＰＦＣ異常信号８の解除を検知してから一定時間後に、制御部４からラッチ回路３へラッチ解除信号７を出力するように構成している。
【００２２】
以上のように構成されたコンバータ回路について、以下その動作、作用を説明する。なお、本実施の形態における信号とは、ＨｉとＬｏで構成されており、ＨｉもしくはＬｏの信号のいずれか一方が動作を開始する信号とした場合、他方を解除信号としている。例えば、異常信号５をＨｉの信号とした場合、異常信号５の解除はＬｏの信号となる。
【００２３】
図２は、過電圧過電流保護回路２で異常状態を検知した時の回路間の信号のシーケンス図を示すものである。
【００２４】
まず、図２に示すように、力率改善回路１は、異常信号５が入力された時、詳しくは図２に示すように、Ｌｏレベルの信号が入力された時に昇圧動作を停止させる。そして、力率改善回路１からＰＦＣ異常信号８を制御部４へ入力する。力率改善回路１から出力されるＰＦＣ異常信号８は１６ｍｓ以上の時間幅を持つＬｏレベルの信号である。
【００２５】
このとき、ＰＦＣ異常信号の時間幅は、制御部が検知可能な時間幅以上とすることにより、異常信号が制御部の制御分解能より短い時間しか出力されない場合においても、制御部がＰＦＣ異常信号の異常出力を検知することができ、過電圧または過電流状態が収束してもＯＦＦラッチが解除しない事態を回避することができる。
【００２６】
また、異常信号５が解除された後、つまり異常信号５がＨｉレベルの信号になった後に、ＰＦＣ異常信号８の解除を行なうようにし、ＰＦＣ異常信号８の解除を検知してから第１の所定時間経過後（本実施の形態では１０秒後）に、ラッチ回路３へラッチ解除信号７（Ｈｉレベルの信号）を第２の所定時間（本実施の形態では０．５秒）の間、出力する。
【００２７】
以上のように動作させることによって、力率改善回路の過電圧または過電流状態が周側した後に、コンバータ回路の電源遮断をせずに、ラッチ状態を解除して、力率改善回路１の動作を再開させることができる。
【００２８】
よって、過電圧または過電流状態から復帰した時にコンバータ回路の電源を遮断せずに力率改善動作を再開できることから、制御部が力率改善回路以外のアクチュエータを動作
させている場合において、電源遮断による力率改善回路以外のアクチュエータの動作停止を回避することができる。
【００２９】
また、過電圧又は過電流が発生していないにも関わらず、ノイズ等によりラッチ回路３のみが動作してしまい、ＯＦＦラッチ信号６が出力される場合がある。この場合においても同様で、電源を遮断することなく、力率改善動作を再開することができる。
【産業上の利用可能性】
【００３０】
以上のように、本発明にかかるコンバータ回路は、過電圧や過電流に対する保護動作をさせながらアクチュエータを動作させることができることから空気調和機等におけるブラシレスモータの用途にも適用できる。
【符号の説明】
【００３１】
１ 力率改善回路
２ 過電圧過電流保護回路
３ ラッチ回路
４ 制御部
５ 異常信号
６ ＯＦＦラッチ信号
７ ラッチ解除信号
８ ＰＦＣ異常信号
９ 電圧指令
【特許請求の範囲】
【請求項１】
力率改善回路部が出力する直流電圧が一定値以上の電圧または電流以上を検知している期間に異常信号を前記力率改善回路に出力する保護回路と、制御部から出力される解除信号と前記異常信号とが入力される入力部を有し力率改善回路へＯＦＦラッチ信号を出力するラッチ回路とを備え、前記異常信号が入力された後、前記解除信号が出力されるまでの間にＯＦＦラッチ信号を出力し、前記力率改善回路部は、前記異常信号が入力された時に昇圧動作を停止してＰＦＣ異常信号を制御部に出力するとともに、前記異常信号が解除された後に前記ＰＦＣ異常信号の解除を前記制御部に出力し、前記ＰＦＣ異常信号の解除を検知してから一定時間経過後に、前記制御部から前記ラッチ回路へ解除信号を出力することを特徴とするコンバータ回路。
【請求項２】
前記ＰＦＣ異常信号の時間幅は、前記制御部が検知可能な時間幅以上とすることを特徴とする請求項１に記載のコンバータ回路。
【請求項１】
力率改善回路部が出力する直流電圧が一定値以上の電圧または電流以上を検知している期間に異常信号を前記力率改善回路に出力する保護回路と、制御部から出力される解除信号と前記異常信号とが入力される入力部を有し力率改善回路へＯＦＦラッチ信号を出力するラッチ回路とを備え、前記異常信号が入力された後、前記解除信号が出力されるまでの間にＯＦＦラッチ信号を出力し、前記力率改善回路部は、前記異常信号が入力された時に昇圧動作を停止してＰＦＣ異常信号を制御部に出力するとともに、前記異常信号が解除された後に前記ＰＦＣ異常信号の解除を前記制御部に出力し、前記ＰＦＣ異常信号の解除を検知してから一定時間経過後に、前記制御部から前記ラッチ回路へ解除信号を出力することを特徴とするコンバータ回路。
【請求項２】
前記ＰＦＣ異常信号の時間幅は、前記制御部が検知可能な時間幅以上とすることを特徴とする請求項１に記載のコンバータ回路。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２０１２−１１０１４６（Ｐ２０１２−１１０１４６Ａ）
【公開日】平成２４年６月７日（２０１２．６．７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２５７５９４（Ｐ２０１０−２５７５９４）
【出願日】平成２２年１１月１８日（２０１０．１１．１８）
【出願人】（０００００５８２１）パナソニック株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年６月７日（２０１２．６．７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１１月１８日（２０１０．１１．１８）
【出願人】（０００００５８２１）パナソニック株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
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