説明

コンロ装置

【課題】天板11上に載置された調理具Cを、天板11を透過して加熱するコンロ装置では、天板11の一部を発光させたり、そうだ部を照明することにより作動している加熱部を識別できるようにしたものが知られている。ところが、従来のこのような構成では、コンロ装置から離れた位置からでは識別しづらく、加熱中であることを失念する場合も生じる。
【解決手段】天板11の下方に照明手段である発光ダイオード4を配設し、加熱中の調理具Cの側面を、加熱調理中に照明するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導加熱を行うIHコンロなどの、光を透過する天板を備えたコンロ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスバーナを用いたコンロ装置では、ガスバーナに添加している状態では炎を目視できるため、ガスバーナが作動中であることが容易に識別できる。これに対して、IHコンロなどのコンロ装置では、開孔を有さない天板の上に調理具を載置し、その天板を透過して調理具を加熱している。そのため、天板に載置された調理具が加熱中であるか否かの識別が難しいという不具合があった。
【0003】
そのため、コンロ部が複数あるコンロ装置では、作動しているコンロ部の操作部に照明手段を設け、操作部が照明されることにより、そのコンロ部が作動中である旨を識別できるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、コンロ部を囲むように環状の発光部を設け、コンロ部が作動中はその発光部が発光することにより作動中である旨を報知するものも知られている。
【特許文献1】特開2005−158329号公報(請求項7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のものでは、コンロ装置のほぼ正面に立った状態ではコンロ部が作動しているか否かの識別を容易に行うことができるものの、コンロ装置の正面からはずれてたとえば水仕事などをしている状態では、コンロ装置を斜め横方向、もしくはほぼ水平に近い角度で見ることになり、天板の一部が発光していたり操作部が照明されていても、容易に識別できないという不具合が生じる。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、コンロ装置の正面に立っていなくても調理具が加熱中であることを容易に識別することのできるコンロ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明によるコンロ装置は、光を透過する天板を備え、この天板上に載置された調理具を加熱するコンロ装置において、天板の下方から、加熱中の調理具の少なくとも側面を照明する照明手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
上記構成では、鍋などの調理具の側面を照明するので、コンロ装置の正面に立っていなくても調理具が照明されていることを容易に識別することができる。
【0009】
なお、周囲が明るい場合には、調理具が照明されていることを瞬時に認識することが困難である場合が生じる。このような場合には、上記照明手段による照明の状態を、加熱中における時間の経過とともに変化させればよい。
【0010】
なお、上記照明手段による照明の状態を、加熱中における火力に応じて変化させてもよい。
【発明の効果】
【0011】
以上の説明から明らかなように、本発明は、天板の一部を発光させたり操作部を照明する従来のものと比較して、コンロ装置から離れた位置からでも調理具が加熱中であることを識別することができ、加熱調理中であることを失念するような不具合を解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1を参照して、1は本発明が適用されるビルトイン型のIHコンロである。このIHコンロ1はガラス製の天板11を備えている。このガラス製の天板11は透明であり、光を透過させることができる。天板11上には、電磁誘導により鍋などの調理具を加熱する左右2箇所のIH加熱部2と、ラジエントヒータから発せられる赤外線で調理具を加熱する赤外線加熱部3とが設けられている。
【0013】
図2を参照して、IH加熱部2の下方には誘導コイル12が配設されている。なお、13は時速の漏洩を防止する防磁材である。本実施の形態では、てんばん11の下方であって、誘導コイル12を囲むように4個の発光ダイオード4を配設した。これら発光ダイオード4から照射される光は天板11を透過して、天板11上に載置されている調理具Cの側面を照明するように設定されている。
【0014】
左右いずれかのIH加熱部2に調理具Cを載置し、加熱スイッチを操作すると、図外の制御部は調理具Cが実際にIH調理部2上に載置されているかを検出した後、調理具Cが載置されている側の誘導コイル12に通電を開始する。そして、通電された側の誘導コイル12の周囲に配設されている発光ダイオード4を発光させるようにした。これにより、加熱されている調理具Cの側面が発光ダイオード4からの光で照明される。
【0015】
煮込み調理のように、加熱時間が所定時間を超えて長時間化する場合には、所定時間を超えてから照明の状態を変化させるようにした。具体的には発光ダイオード4の照度を増減してもよく、あるいは複数の発光ダイオード4を相違するタイミングで点滅させるようにしてもよい。
【0016】
また、誘導コイル12の出力、すなわち加熱量の大小に応じて適宜照明の状態を変化させるようにしてもよい。たとえば、3原色の発光ダイオードを用いて照明色を変化させたり、照度を増減させてもよい。
【0017】
以上の構成によれば、加熱調理中にIHコンロ1から離れた場所にいても、調理具Cを加熱中であることが瞬時に認識できるので、加熱中であることを失念することがなく、また、火力に応じて照明の状態を変化させれば、火力もあわせて離れた位置から認識することができる。
【0018】
ところで、上記の説明ではIH加熱部2に発光ダイオード4を配設したが、赤外線加熱部3にも同様に発光ダイオード4を配設してもよい。また、赤外線加熱部3にラジエントヒータを用いたがハロゲンランプその他のものでもよい。さらに、上記実施の形態ではビルトイン式のIHコンロについて説明したが、本発明は据置式のIHコンロにも適用することができる。
【0019】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施の形態の構成を示す図
【図2】調理具の照明状態を示す断面図
【符号の説明】
【0021】
1 IHコンロ
2 IH加熱部
3 赤外線加熱部
4 発光ダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を透過する天板を備え、この天板上に載置された調理具を加熱するコンロ装置において、天板の下方から、加熱中の調理具の少なくとも側面を照明する照明手段を設けたことを特徴とするコンロ装置。
【請求項2】
上記照明手段による照明の状態を、加熱中における時間の経過とともに変化させることを特徴とする請求項1に記載のコンロ装置。
【請求項3】
上記照明手段による照明の状態を、加熱中における火力に応じて変化させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンロ装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−4387(P2008−4387A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−172667(P2006−172667)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(000100562)アール・ビー・コントロールズ株式会社 (97)
【Fターム(参考)】