説明

コーティングされた化粧板

【課題】装飾的なものから純粋に機能的なものに至る広範囲のせっこうボードに使用できるせっこう化粧板用ユニバーサルコーティングを提供することにある。
【解決手段】予含浸された繊維質網状マッティングに二次バインダ系を直接インラインコーティングまたはオフラインコーティングすることにより形成されるせっこう化粧板または発泡体化粧板。予含浸された繊維質網状体は、改質された尿素/ホルムアルデヒドバインダ系が含浸されかつランダムに配向されたウェットユースチョップストランド繊維材料で形成するのが好ましい。二次バインダ系は、好ましくは、繊維質補強体の板状補強体と組合されたフィラーにより主として充填された低ガラス転移温度のアクリル樹脂またはスチレン/ブタジエン/ゴム樹脂からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くはコーティングされた化粧板(coated facers)、特に建築ボード用化粧板に関し、より詳しくは、せっこう(石膏)または発泡体が化粧加工された建築ボードに関する。
【背景技術】
【0002】
プラスター、セメントまたはハイブリッド材料のコアを備えたセメントボードまたはせっこうボード等のインテリア建築ボードおよびエクステリア建築ボードは、広範囲の屋内建築用途および屋外建築用途に使用されている。例えば、かなり最近では、木材サイディング、スタッコ、アルミニウム、れんが、タイル、石骨材および大理石等の上張り材用支持表面として、せっこう/セメントボードが使用されている。また、せっこう/セメントボードは、エクステリア断熱システム、商業用ルーフデッキシステム、組積用途(masonry applications)およびエクステリアカーテンウォールに使用されている。
【0003】
一般に、せっこうボードは、2つの化粧層間に介在されるせっこう材料および低密度フィラーで形成されたコアを有している。せっこうボードを製造する既知の方法は、化粧材料(facing material)の連続供給を行う工程と、せっこうスラリを化粧材料の底面上に堆積させる工程とを有している。次に、スラリの上面に化粧材料の第二連続供給を行って塗布する。スラリは乾燥され、せっこう配合物を硬化させかつ化粧材料をセメントボード内に一体化させる。次に、せっこうボードは、輸送および最終的使用に適した所定長さに切断される。
【0004】
化粧材料は、曲げ抵抗、釘抜き抵抗および衝撃強度には高圧縮強度をもって有利に寄与できるが、セメント質コアを形成し、伸びには脆い材料である。また、化粧材料は、せっこうボードに耐久性表面および/または他の所望の特性を付与できる。
【0005】
ペーパシートはせっこうボード用化粧材料として長い間使用されてきたが、繊維質マットで形成された化粧材料の人気がかなり高まっている。ガラス繊維化粧板は、通常のせっこうボードと比較して、水分の存在下での高い寸法安定性、高い生物学的抵抗性、物理的および機械的特性が得られる。これらの化粧シートは、ランダムに配向された繊維質ガラスマットとして形成される。
【0006】
繊維質不織布マットまたはファブリックは、これらの材料に特有の寸法安定性、耐火性、生物学的抵抗性、釘抜き抵抗性および曲げ強度が連続的ソフトタッチコーティングと組合されると特に有用であることが判明している。
【0007】
上記のように、コーティングされた一般的な繊維質マットは非コーティングマットに比べて多くの長所を有しているが、欠点も有している。例えば、オフラインコーティングされた配合物(off-line coated formulations)は、直接ウェット成形されたマット製品(direct wet formed mat products)ほどコスト有効性に優れていない。
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,112,678号明細書
【特許文献2】米国特許第4,647,496号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、装飾的なものから純粋に機能的なものに至る広範囲のせっこうボード用途に使用できるせっこう化粧板用ユニバーサルコーティングを提供することが強く望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、予含浸された繊維質網状マッティングに二次バインダを直接インラインコーティングまたはオフラインコーティングすることにより形成される閉マット化粧材料すなわちせっこう化粧材料に関する。
【0011】
二次バインダ系は、好ましくは、板状補強体または繊維質補強体と組合された一次フィラーが主として充填された低ガラス転移温度のアクリル樹脂またはスチレン/ブタジエン/ゴム(SBR)樹脂からなる。より硬くかつより耐久性のあるコーティングを望む場合には、低ガラス転移温度の樹脂に少量の架橋剤または熱硬化性樹脂を添加できる。有機樹脂と組合せて、無機バインダ材料を使用することもできる。一次フィラーとして、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム(ATH)、酸化亜鉛、混合酸化物、鉄酸化物、クロマート、ガラスビーズ、シリケート、粘度および砂がある。補強剤(繊維状が好ましい)として、ウォラストナイト(珪灰石)、木質繊維、セルロースおよびリグニンがある。任意であるが、バインダ系には、発泡剤を取り入れてコーティング密度を低下させることができる。
【0012】
本発明によるせっこう化粧板の形成はかなり高い加工速度で行われ、大型製品にとって高いコスト有効性を有する。二次バインダは、広範囲のマットインプットに使用できる点でフレキシブル性を有する。
【0013】
他の好ましい一実施形態では、形成されたせっこう化粧板のソフトさを向上させるため、二次ベール材料がオープンメッシュフィラメント網状体に添加される。二次ベール材料は、せっこうボードを形成するための適度なせっこう浸透を可能にする。
【0014】
もう1つの好ましい実施形態では、大きいウォラストナイト(珪灰石)、木材ベース繊維およびポリマー繊維等のかなり大きいアスペクト比の複数の粒子が一次樹脂に導入されかつ二次バインダ樹脂を用いて所定位置にロックされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の他の目的および長所は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲の記載を考察しかつ添付図面を参照することにより明白になるであろう。
図1、図2A、図2B、図4Aおよび図4Bは、本発明の3つの好ましい実施形態によるせっこう化粧材料の形成に使用される加工ラインを示すものである。
【0016】
図1のせっこう化粧材料103は、ウェットユースチョップストランド(wet use chop strands)18のランダムに配向されたフィラメント網状体14に、安価なバインダ16および二次バインダ樹脂90を含浸させることにより形成される。
【0017】
図2Aのせっこう化粧材料153は、低ベースの二次ベール160を、網状体14に付加導入して、次に安価なバインダ16が含浸されたマット152を形成することにより形成される。図2Bに示すように、せっこう化粧材料153は、任意であるが、二次バインダ樹脂90でコーティングして、せっこう化粧材料156を形成することができる。
【0018】
図4Aの低コストの可撓性せっこう化粧材料213は、複数のマイカまたは繊維質粒子205を図1のバインダに導入することにより形成できる。図4Bに示すように、せっこう化粧材料213は、任意であるが、二次バインダ樹脂90でコーティングして、せっこう化粧材料226を形成することができる。
【0019】
これらの実施形態によるせっこう化粧材料103、153、156、213、226の形成方法を以下に更に説明する。これらのせっこう化粧材料は、次に、せっこうスラリ中に浸漬および埋入して、優れた装飾的特徴および機械的特性を有するせっこうボード、発泡体または他の建材を形成することができる。
【0020】
本願明細書で使用するとき、用語「せっこう化粧材料(gypsum facing material)」または「化粧材料(facing material)」は、用語「予含浸された結合ベール(pre-impregnated bound veil)」と互換的に使用できる。この用語「予含浸された結合ベール」は、二次片面コーティングを行う前のマットの説明に使用される。
【0021】
図1は、ランダムフィラメント網状体14の形成および更にせっこう化粧材料103の形成に使用される加工ライン17を示すものである。白水薬品分散液(whitewater chemical dispersion)71を使用して、立体熱力学的コロイド電荷相互作用(steric, thermodynamic, and colloidal charge interactions)により、複数のガラスストランドの合理的なフィラメンテーション、好ましくはウェットユースチョップストランド18を得るのに使用される。好ましい白水分散液71として、カチオン分散剤、アニオン粘度調整剤、脱泡剤および殺生物剤がある。白水薬品分散液71のpHは、約7〜8.5に維持するのが好ましい。所望ならば、アンモニアを添加することにより好ましいアルカリ度が得られる。添加剤間の電荷差の利益を得るため、一般に、カチオン分散剤が最初に添加され、次にストランド18、脱泡剤およびアニオン粘度調整剤が下流側に添加されて、分散液72を形成する。分散液71には、当業者に知られた乾燥強度増強剤および湿潤強度増強剤を添加することもできる。
【0022】
ウェットユースチョップストランド18は、これらの分散特性を改善しかつフィラメント間摩擦を最小にするため、小固形物サイジング配合物を使用するのが好ましい。ウェットユースストランド18は、完成品において、10〜25%の範囲の水分を含む湿り状態を維持する。これらの条件に合致する小固形物サイジングを有する1つの好ましいウェットユースチョップストランド18として、Owens Corning社の9501 Advantex(R)ガラスフィラメントがある。
【0023】
網状体14に使用するストランドとしてはウェットユースチョップストランド18が好ましいが、当業者に知られている他の種類のフィラメント化されたガラス補強繊維を使用することもできる。また、ウェットユースチョップストランド18には、他の種類のガラス繊維のブレンドを使用することもできる。
【0024】
白水分散液71に使用されるアニオン粘度調整剤は、約25〜40%のモルアニオン濃度(molar anionicities)および約14〜20×百万の分子量を有するものが好ましい。アニオン粘度調整剤の1つの好ましいクラスとして、Naclo 7768、Magnifloc 1885AおよびHyChem AE 874等のポリアクリルアミド粘度調整剤がある。しかしながら、使用できる他の可能な粘度調整剤または凝集剤として、ヒドロキシエチルセルロースおよびポリアミンがある。
【0025】
使用できる好ましいカチオン分散剤として、Nalco 8493、Schercopol DS-140およびRhodameen VP532等のエトキシレーテッドアルキルアミン分散剤がある。しかしながら、他の分散剤を使用することもでき、例えばアミンオキシド、および脂肪酸生成物のアミド縮合のポリエトキシレーテッド誘導体がある。また、好ましい脱泡剤として、Naclo PP04-3840およびNopco NXZがある。
【0026】
形成された濃いスラリ72は、単一または一連ののタンク73内で攪拌された状態に維持される。濃いスラリ72は、次に、制御弁74を通して供給されかつサイロ78からの薄いストック流76と混合されて、フォーマ82内で低粘稠度スラリ80を形成する。薄いストック流76は、低繊維濃度の濃いスラリ72と同じ白水薬品を含むことが好ましい。良い混合特性を得るには、低粘稠度スラリ80中のサイロ流78に対する濃いスラリ72の比は、1:20を超えてはならない。
【0027】
フォーマ82は、ストランド18を均等に分散させかつランダムに整合させるべく機能して、オープンメッシュフィラメントの網状体14を形成する。初期繊維形成に適合できるフォーマ82として、Fourdrinier machines、Stevens Former、Roto Former、Inver Former、cylinderおよびVertiFormer machinesがある。これらのフォーマは、網状体14内で繊維方向を制御する幾つかの制御機構、例えばドロップレッグおよび種々のポンドレギュレータ/壁調節機構を有している。このような装置は当業者に知られており、従ってここでは詳細に説明しない。
【0028】
網状体14を形成する堆積繊維は、フォーマワイヤ96からサチュレータセクション98に至るまで正しいリリース特性を呈するように、吸引ボックス94上で部分的に乾燥される。網状体14は、トランスファ装置を介してフォーマ82からサチュレータセクション98へと案内される。
【0029】
サチュレータセクション98に入ると、第一吸引ボックス100により網状体14が更に乾燥される。次に、バインダ16が、カーテンコータ102または同様な堆積装置から網状体14上に注がれる。バインダ16は、第二吸引ボックス104を用いて、網状体14を通して引っ張られる。
【0030】
バインダ16は繊維質マットに一般的に使用されている多種の樹脂から選択でき、これらの樹脂として、水中に安定したエマルションを形成するメラミンベース、尿素ホルムアルデヒドベース、アクリルベースのポリビニルアクリレートまたはハイブリッド樹脂がある。
【0031】
図1に戻ってこれを参照すると、バインダのベース重量を制御するための付加吸引ボックス106が用いられる。理想的には、バインダのベース重量レベルは、バインダベース/ゲージング装置108を用いてライン17の端部で測定される。網状体14は、通気ドライヤまたはハニカムドライヤ等のドライヤ110内で連続的に乾燥および硬化され、ウェット形成された透過性先駆物質マット88を形成する。
【0032】
この時点で、完成した先駆物質マット88は、せっこう化粧材料103を形成すべく、オフラインまたはインラインでコーティングすることができる。図1に更に示すように、インラインコーティングが使用される場合には、フィードタンク99に連結された貯蔵タンク97から、コーティング装置93を用いて二次コーティング90が先駆物質マット88に塗布される。図1のコーティング装置93は、好ましくはナイフまたはスムージングバーと組合されたリバースロールコータまたはメニスカスコータを備えたものが示されている。
【0033】
例えばコーティングが顧客の現場で付加される場合のように、オフラインコーティング(図示せず)が好ましいときは、先駆物質マット88は、貯蔵および輸送のためにロールとして簡単に巻かれる。次に、マット88は、別の製造ラインに関して前のパラグラフで説明したのと同様に加工される。
【0034】
二次コーティング90は、コーティングの強度を高めるため、フィラーと組合されるかなり低いガラス転移(Tg)の有機バインダ(通常は、アクリルまたはスチレン−ブタジエンゴム(SBR)をベースとする有機バインダ)と、補強材(繊維状をなすものが好ましい)とからなるのが好ましい。本発明の目的から定義して、かなり低いガラス転移温度とは、+30〜−30℃の範囲内の温度をいう。より強固なコーティングを望む場合には、二次コーティング90に、低レベルの架橋剤または少量の熱硬化性樹脂を導入することができる。
【0035】
二次コーティング90の粘度は、該二次コーティング90がマット88内に完全に浸透することを防止するような粘度にすべきである。理想的には、二次コーティング90は、ガラス繊維がせっこう浸透部およびボンディングに露出するように、マット88の一方の側面のみに留めるべきである。任意であるが、このようなコーティング90はマットに含浸できるが、或る用途では、これが好ましくないことがある。かなり低いガラス転移有機バインダは、二次バインダ90の少なくとも約6重量%、好ましくは約7〜10重量%を構成する。この量は、10%より大きく無限に増大できるが、好ましい性能/コスト配合が得られると同時に許容できる性能を維持できる量は7〜10%であることが判明している。
【0036】
他の実施形態では、上記特許文献1に開示されているように、本発明の原理は第二無機バインダと組合せて使用できる。この実施形態では、特許文献1に開示されているように、無機バインダと組合せて低パーセンテージ(%)の有機バインダを使用できるが、この場合、特許文献1に開示されているように補強剤を含めることもできる。コーティングに使用できる無機バインダの例として、酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、マグネシウムオキシクロリド、マグネシウムオキシスルフェート、および周期表IIA族の或る元素(アルカリ土類金属)からなる他の化合物、並びに水酸化アルミニウムがあるが、これらに限定されるものではない。このような錯体の無機バインダの一例として、種々のカルシウム/アルミニウムシリケートの混合物であるポルトランドセメントがある。
【0037】
一次フィラーとして、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム(ATH)、酸化亜鉛、混合酸化物、酸化鉄、クロム酸塩、ガラスビーズ、シリケート、粘土、Expancel発泡剤および砂がある。一次フィラーは、約65重量%以下の二次コーティング90を含むのが好ましい。この量は、補強剤および/または有機バインダと引き換えに変えることができ、かつ65%以上または65%以下の量にすることができる。経済的な見地からは好ましくないが、補強剤にはフィラー材料を含めることができる。繊維状の補強剤として、ウォラストナイト(珪灰石)木質繊維、セルロースまたはリグニンがある。他の繊維質補強剤として、ガラス繊維(マイクロファイバまたはフレークを含む)、繊維の特性を有する他の天然に生じる鉱物、例えばせっこう(Satin Spar変種)Chalcedony(石英)またはスチールウールのような金属ウールを含む針状人工繊維がある。同様に、補強剤として、マイカフレークのような板状材料を使用できる。
【0038】
コーティングされた化粧材料103は、次に、浮動ドライヤ105に入って過剰の液体を除去し、かつ塗布されたバインダが全ての添加物を所定位置に保持するフィルムを形成できるようにする。浮動ドライヤ105は、樹脂材料およびオーブン長さに基いて、約400〜550°Fの作動温度を有するのが好ましい。
【0039】
次に、任意であるが、化粧材料103は、欠陥検出装置107を用いて欠陥が検査され、かつ貯蔵および輸送のためにロール109上に巻回される。せっこう化粧材料103は、次に、巻戻し作業によりまたは完成品を直接作るためのスリットにより、より小さいロールに形成することができる。
【0040】
図2Aに示す他の好ましい実施形態では、図1の実施形態で形成された透過性先駆物質マット88の代わりに透過性先駆物質マット152を形成できる。この新しいマット152は、低ベースの二次ベール160を、以前に形成されたランダムフィラメント網状体14に導入することにより形成される(図3参照)。このマット152は、通気性を有し、ソフトで、部分難燃性を有し、充分に強い新しいせっこうボードマット(ASTM規格に合致またはこれを凌駕するせっこうボードマット)を形成すべく更に加工することができる。
【0041】
マット152を形成する方法は、図1に関連して上述した先駆物質マット88の形成方法と実質的に同じである。しかしながら、図3に最も良く示すように、図1の単一ヘッドボックスフォーマ82の後に第二ヘッドボックス184が付加され、低ベースの二次ベール160を形成する。
【0042】
ここで図2Aおよび図3を参照すると、第一ヘッドボックス82は、図1に示したように、オープンマット構造体14を敷設する。第二ヘッドボックス184は、オーブンマット構造体14の上に低ベースの二次ベール160を敷設し、新しい先駆物質マッティング152を形成する。第二ヘッドボックス184は、所望に応じて先駆物質マッティング88または先駆物質マッティング152を製造できるように、外方に回転できるのが理想的である。
【0043】
低ベースの二次ベール160は、ポリエステル繊維、難燃性ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維およびソフトフィーリングが得られる他のポリマー繊維で作るのが好ましい。二次繊維162の長さは、層状効果が確実に得られるように、初期網状体14のポアを充分に架橋できる長さでなくてはならない。繊維162は、図3で上述したスラリ71と同様な成分を有する独立白水薬品分散液中で形成される。
【0044】
先駆物質マッティング152は、フォーマワイヤ96からサチュレータセクション98への正確なリリース特性を呈するように、吸引ボックス94上で部分的に乾燥される。マッティング152は、好ましくは、トランスファ装置を通ってフォーマ82からサチュレータセクション98へと案内される。
【0045】
サチュレータセクション98に入ると、マッティング152は第一吸引ボックス100により更に乾燥される。次に、バインダ16が、カーテンコータ102または同様な堆積装置からマッティング152上に注がれる。バインダ16は、第二吸引ボックス104を用いてコーティングしかつ網状体14を通って引出される。バインダベース重量を制御するため、付加吸引ボックス106が使用される。特定表面の化学的効果を望む場合には、バインダ16の第二部分を導入する第二カーテンコータを付加できる。理想的には、バインダベースの重量レベルは、バインダベース/ゲージング装置108を用いて、または任意の付加コーティング段階の前に、ライン17の端部で測定される。コーティングされたマッティング152は、次に、通気ドライヤまたはハニカムドライヤ等のドライヤ110内で乾燥および硬化され、ウェット形成された透過性先駆物質マット153または化粧材料153を形成する。次に、化粧材料153は、任意であるが、欠陥検出装置107を用いて欠陥が検査され、かつ貯蔵および輸送のためにロール109上に巻回される。せっこう化粧材料153は、次に、巻戻し作業によりまたは完成品を直接作るためのスリットにより、より小さいロールに形成することができる。
【0046】
他の実施形態として図2Bに示すように、完成した先駆マット153はオフラインまたはインラインでコーティングして、せっこう化粧材料156を形成することもできる。インラインコーティングが使用される場合には、図2Bに更に示すように、フィードタンク99に連結された貯蔵タンク97からの二次コーティング90が、コーティング装置93を用いて先駆マット153に塗布される。コーティングされた化粧材料153は、次に、浮動ドライヤ105に入って過剰の液体を除去しかつ塗布されたバインダが全ての添加物を所定位置に保持するフィルムを形成できるようにする。浮動ドライヤ105は、樹脂材料およびオーブン長さの選択に基いて、約400〜550°Fの作動温度を有するのが好ましい。次に、任意であるが、欠陥検出装置107を用いて化粧材料156の欠陥が検査され、バインダベース/ゲージング装置108を用いてラインの端部で測定され、かつ貯蔵および輸送のためにロール109上に巻回される。せっこう化粧材料156は、次に、巻戻し作業によりまたは完成品を直接作るためのスリットにより、より小さいロールに形成することができる。
【0047】
例えばコーティング90が顧客の側で行われる場合のように、オフラインコーティングが好ましい場合(図示せず)には、先駆マット156は、図2Aで上述したように、貯蔵および輸送のためにロール上に巻回される。
【0048】
他の好ましい実施形態では、図4Aに示すように、先駆マット213を用いてよりソフトなフィーリングのせっこうボードを形成することもでき、この場合には、先駆マット213を形成するのに、図1の加工中に高アスペクト比(L/D)の粒子205が導入される。高アスペクト比の粒子205は、これらが予め敷かれた網状体14のポア内に実質的に入らないように、図2A、図2Bおよび図3の二次繊維162と同じ態様で作用する。本発明の目的から、このような高アスペクト比の粒子として、前述のように、マイカのような板状粒子がある。また、高アスペクト比の粒子205の使用により、通常のベール製造作業中に形成装置を加工ラインから容易に取出すことができるため、製造上の利益が得られる。本発明に導入できる高アスペクト比の粒子205の例として、ガラス繊維(厚い連続コーティングが用いられる場合)、木質ベース繊維およびポリマー繊維がある。
【0049】
ここで図4Aを参照すると、新しい先駆マット203を形成する方法は、図1の先駆マット88の形成方法と同じである。しかしながら、複数の繊維質/板状粒子205は、単一バインダ塗布前に、またはバインダ16の導入前に第二吸引ボックス104と第三吸引ボックス106との間で、ブラシ状ローラシステム209から網状体14に均一に分散される。板状粒子205は、繊維質網状体14を形成するストランド18内およびストランド18間に形成されたポア内に入らないサイズ(すなわち、平均粒子サイズ)を有する。
【0050】
高アスペクト比の粒子205上には、図1に関連して前述したのと同様な塗布装置202を用いて第二低粘度バインダ216を導入することにより、粒子205を樹脂16およびマット203内の所定位置にロッキングすることができる。二次バインダ216は、低塗布速度で機能的に表面を形成しかつ添加物(フィラーおよび補強材料)なくして図1および図2Bの二次コーティング90と同様な化学的組成を有している。図1に関連して上述したように、第三吸引ボックス106は、コーティングされた先駆マット203のバインダベース重量を制御するのに使用できる。コーティングされたマッティング203は、次に、図1に示した通気ドライヤまたはハニカムドライヤ等のドライヤ110内で乾燥および硬化され、ウェット形成された透過性先駆マット213または化粧材料213を形成する。次に、任意であるが、化粧材料213は、欠陥検出装置107を用いて欠陥が検査され、バインダベース/ゲージング装置108を用いてラインの端部で測定され、かつ貯蔵および輸送のためにロール109上に巻回される。せっこう化粧材料213は、次に、巻戻し作業によりまたは完成品を直接作るためのスリットにより、より小さいロールに形成することができる。
【0051】
ここには示さないが、更に別の実施形態では、図1に示すように、バインダ16の塗布前に、新しく形成された網状体14に粒子205を塗布するのに、ブラシ状ローラシステムと同様な装置を使用できる。このようにして、粒子205は網状体14の頂部上に堆積されかつバインダ16と結合される。或いは、バインダ16の塗布前に網状体14の頂部上に第二ベール層を形成するのに、このようなブラシ状ローラまたは他の装置を使用できる。このような装置は、図2に示した第二ヘッドボックス184と同様な方法で配置できる。
【0052】
他の形態として、図4Bに示すように、完成した先駆マット213は、オフラインまたはインラインで第二コーティング90が施され、せっこう化粧材料226を形成することもできる。インラインコーティングが使用される場合には、図4Bに更に示すように、フィードタンク99に連結された貯蔵タンク97からの二次コーティング90が、コーティング装置93を用いて先駆マット213に塗布される。コーティングされた化粧材料203は、次に、浮動ドライヤ105に入って過剰の液体を除去しかつ塗布されたバインダが全ての添加物を所定位置に保持するフィルムを形成できるようにする。浮動ドライヤ105は、樹脂材料およびオーブン長さの選択に基いて、約400〜550°Fの作動温度を有するのが好ましい。次に、任意であるが、欠陥検出装置107を用いて化粧材料226の欠陥が検査され、バインダベース/ゲージング装置108を用いてラインの端部で測定され、かつ貯蔵および輸送のためにロール109上に巻回される。せっこう化粧材料226は、次に、巻戻し作業によりまたは完成品を直接作るためのスリットにより、より小さいロールに形成することができる。
【0053】
例えばコーティング90が他の場所(サイト)で行われる場合のように、オフラインコーティングが好ましい場合(図示せず)には、先駆マット213は、図4Aで上述したように、貯蔵および輸送のためにロール上に簡単に巻回される。オフサイトコーティング作業が2つのコーティングをベールに塗布できる場合には、第一コーティングの塗布に繊維質/バインダ系を使用し、その後に二次コーティングを行うことができる。このような第二コーティングは付加特性を有するものとするか、既に説明したコーティング配合を用いることもできる。一実施形態では、このような第二コーティングは、化粧板のコーティングされた面に実質的に滑らかな表面を形成する。
【0054】
片面コーティングされたそれぞれの材料103、153、156、213、226の繊維側面は、せっこうコアと組合されてせっこうボードを形成する。製造方法およびせっこう配合物の一例が、本願に援用する特許文献2に開示されている。本発明の繊維質マットで化粧加工されたせっこうボードは、基本的に、せっこうウォールボード、ドライウォール、せっこうボード、せっこうラス(gypsum lath)およびせっこうシーシングとして知られたこれらのせっこう構造製品に使用されるコアの形式である硬化せっこうコアからなる。このような製品のコアは、水と、焼成せっこうとしても知られている粉末無水硫酸カルシウムまたは硫酸カルシウム半水和物(CaSO4・1/2H2O)とを混合することにより形成され、その後、混合物(スラリ状)を水和するか、比較的硬い材料である硫酸カルシウム二水和物(CaSO4・2H2O)に硬化させることができる。製品のコアは、一般に、少なくとも約85重量%の硬化せっこうからなる。
【0055】
任意であるが、硬化せっこうコアが作られる配合物には、例えば耐火せっこうボードおよび耐水せっこうボードに慣用的に使用されている成分を含めることができる。このような成分の例として、硬化促進剤、抑制剤、発泡剤、耐水添加剤、耐火添加剤がある。これらの配合物は当業者に知られており、ここでは詳細に説明しない。
【0056】
慣用態様では、せっこうコアが形成される乾燥成分は予混合され、次にピンミキサと一般的に呼ばれている形式の既知のミキサに供給される。コアの製造に使用される水および他の液体成分がピンミキサ内に定量導入され、ここでこれらの成分が乾燥成分と結合されて水性せっこうスラリを形成する。一般に、発泡剤はピンミキサ内のスラリに添加され、得られるコアの密度を制御する。スラリは、ミキサの底の1つ以上の出口から、無限長さでロールから供給されるウェット透過性マットの移動シート上に分散される。マットはボードの化粧シートの1つを形成する。
【0057】
繊維質マット103、153、156、213、226の第二シートがロールからスラリの頂部上に供給され、これにより、スラリから形成される硬化せっこうコアの化粧板を形成する2つの移動シート間にスラリをサンドイッチする。せっこうがその形状を充分に保持するように硬化するまで複合材の縁部を形成しかつ維持するのに、慣用の成形ロールおよびエッジガイド装置が使用される。
【0058】
本発明によれば、せっこう化粧板および該せっこう化粧板からのせっこうボードの形成は高い加工速度で行われ、大型製品の高いコスト有効性を有する。二次バインダ90は可撓性を有し、このため二次バインダ90は広範囲のマット入力に使用できる。また、図2Aおよび図2Bにおけるような低ベースの二次ベールまたは図4Aおよび図4Bにおけるような繊維質/板状粒子の添加は、充分な機械的強度(ASTM規格による強度)を有するせっこうボードの形成を補助する。形成されるせっこうボードはせっこうの浸透を許容すべく呼吸可能であり、難燃性は化粧材料内へのせっこう浸透により殆ど達成される。
【0059】
以上、本発明を好ましい実施形態について説明したが、当業者ならば、特に上記説明から種々の変更をなし得ることから、本発明は例示の好ましい実施形態に限定されないことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の好ましい一実施形態による、せっこう化粧材料の形成に使用される加工ラインを示す概略図である。
【図2A】本発明の他の好ましい実施形態による、せっこう化粧材料の形成に使用される加工ラインを示す概略図である。
【図2B】本発明の他の好ましい実施形態による、せっこう化粧材料の形成に使用される加工ラインを示す概略図である。
【図3】図1の単一ヘッドボックスフォーマの交換に使用される図2の二重ヘッドボックスフォーマを示す拡大図である。
【図4A】本発明の他の好ましい実施形態による、せっこう化粧材料の形成に使用される加工ラインを示す概略図である。
【図4B】本発明の他の好ましい実施形態による、せっこう化粧材料の形成に使用される加工ラインを示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に第一バインダ樹脂が含浸されかつランダムに配向されたオーブンメッシュフィラメント網状体と、
メッシュのスチフネスおよび/またはメッシュの開口度を改善すべくオープンメッシュフィラメント網状体に塗布された補強剤と、
前記ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体に完全浸透しない充分な粘度で前記網状体に塗布された二次バインダ樹脂とを有し、該二次バインダ樹脂は少なくとも1つのフィラーを有することを特徴とするせっこう化粧材料。
【請求項2】
前記補強剤は二次バインダに塗布されることを特徴とする請求項1記載のせっこう化粧材料。
【請求項3】
前記二次バインダ樹脂は、かなり低いガラス転移温度の有機バインダを有することを特徴とする請求項1記載のせっこう化粧材料。
【請求項4】
前記二次バインダ樹脂は、低レベルの架橋剤を更に有することを特徴とする請求項3記載のせっこう化粧材料。
【請求項5】
前記二次バインダ樹脂は、低レベルの熱硬化性樹脂を更に有することを特徴とする請求項3記載のせっこう化粧材料。
【請求項6】
前記二次バインダ樹脂は、低レベルの架橋剤および低レベルの熱硬化性樹脂を更に有することを特徴とする請求項3記載のせっこう化粧材料。
【請求項7】
前記かなり低いガラス転移温度の有機バインダは、前記二次バインダ樹脂の全重量の少なくとも6%を占めることを特徴とする請求項1記載のせっこう化粧材料。
【請求項8】
前記かなり低いガラス転移温度のバインダは、前記第二バインダ樹脂の全重量の約7〜10%を占めることを特徴とする請求項7記載のせっこう化粧材料。
【請求項9】
前記少なくとも1つのフィラーは、前記二次バインダ樹脂の全重量の多くとも約65%を占めることを特徴とする請求項1記載のせっこう化粧材料。
【請求項10】
前記かなり低いガラス転移温度の有機バインダは、アクリルベースの樹脂を有することを特徴とする請求項3記載のせっこう化粧材料。
【請求項11】
前記かなり低いガラス転移温度の有機バインダは、スチレン/ブタジエン/ゴムベースの樹脂を有することを特徴とする請求項3記載のせっこう化粧材料。
【請求項12】
前記少なくとも1つのフィラーは、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、混合酸化物、酸化鉄、クロマート、ガラスビーズ、シリケート、粘土、砂およびこれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載のせっこう化粧材料。
【請求項13】
前記少なくとも1つの補強剤は繊維質補強剤からなることを特徴とする請求項1記載のせっこう化粧材料。
【請求項14】
前記少なくとも1つの補強剤は針状補強剤からなることを特徴とする請求項1記載のせっこう化粧材料。
【請求項15】
前記少なくとも1つの補強剤は、ウォラストナイト(珪灰石)、木質繊維、セルロース、リグニン、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ガラス繊維、せっこう、玉髄(Chalcedony)、針状人工繊維、金属ウール、スチールウール、マイカおよびこれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載のせっこう化粧材料。
【請求項16】
前記ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体上に層状化された低ベースの二次ベールを更に有することを特徴とする請求項1記載のせっこう化粧材料。
【請求項17】
前記低ベースの二次ベールは、複数のガラス繊維、ポリマー繊維またはこれらの混合物を有し、前記繊維は、前記ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体内に形成された複数のポアの各々を架橋できる充分な長さを有することを特徴とする請求項16記載のせっこう化粧材料。
【請求項18】
前記繊維はガラス繊維を有し、前記ガラス繊維はコーティングにより被覆されていることを特徴とする請求項17記載のせっこう化粧材料。
【請求項19】
前記複数のポリマー繊維の少なくとも1つは、ポリエステル繊維、難燃性ポリエステル繊維、難燃性ポリオレフィン繊維およびポリオレフィン繊維からなる群から選択されることを特徴とする請求項17記載のせっこう化粧材料。
【請求項20】
前記第一バインダ樹脂は水中に安定エマルションを作りかつメラミンベース樹脂、尿素/ホルムアルデヒドベース樹脂、アクリルベース樹脂および改質樹脂からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載のせっこう化粧材料。
【請求項21】
前記ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体は、複数のウェットユースチョップストランドを有することを特徴とする請求項1記載のせっこう化粧材料。
【請求項22】
前記複数のウェットユースチョップストランドの少なくとも1つは、Owens corning社の9501 Advantex(R)ガラスフィラメントからなることを特徴とする請求項19記載のせっこう化粧材料。
【請求項23】
前記二次バインダ樹脂の導入前に、第一バインダ樹脂に導入される複数の高アスペクト比粒子を更に有することを特徴とする請求項1記載のせっこう化粧材料。
【請求項24】
前記複数の高アスペクト比粒子は、ウォラストナイト(珪灰石)、木質繊維、ポリマー繊維、セルロース、リグニン、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ガラス繊維、せっこう、玉髄(Chalcedony)、針状人工繊維、金属ウール、スチールウール、マイカおよびこれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項23記載のせっこう化粧材料。
【請求項25】
前記ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体は第一ヘッドボックス内で形成され、前記補強剤は第二ヘッドボックス内で網状体に塗布されることを特徴とする請求項1記載のせっこう化粧材料。
【請求項26】
前記ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体はヘッドボックス内で形成され、前記補強剤はブラシ状ローラシステムにより網状体に塗布されることを特徴とする請求項1記載のせっこう化粧材料。
【請求項27】
前記二次バインダ樹脂は、無機バインダを更に有することを特徴とする請求項3記載のせっこう化粧材料。
【請求項28】
前記無機バインダは、酸化カルシウム、珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、マグネシウムオキシクロリド、マグネシウムオキシスルフェート、水酸化アルミニウムおよびポルトランドセメントからなる群から選択された化合物を有していることを特徴とする請求項27記載のせっこう化粧材料。
【請求項29】
ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体を形成する段階と、
いかなるバインダも塗布する前に、少なくとも1つの補強剤をオープンメッシュフィラメント網状体に塗布する任意段階と、
ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体に第一バインダ樹脂を含浸させて、ウェット形成された透過性先駆マットを形成する段階と、
少なくとも1つの補強剤をオープンメッシュフィラメント網状体に塗布する段階と、
ウェット形成された透過性先駆マットを二次コーティングでコーティングする段階とを有し、二次コーティングは、低ガラス繊維温度のバインダおよび少なくとも1つのフィラーを有し、
前記コーティングされたウェット形成透過性先駆マットを、ドライヤ内で、第一バインダ樹脂がフィルムを形成するのに充分な温度で乾燥させる段階を更に有することを特徴とするせっこう化粧板の形成方法。
【請求項30】
前記ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体内に完全に浸透することを防止するのに充分な粘度をもつ二次コーティングを設ける段階を更に有することを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項31】
低ベースの二次ベールを形成する段階を有し、前記低ベースの二次ベールは、複数のポリマー繊維を有し、該ポリマー繊維は、前記ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体内に形成された複数のポアの各々を架橋できる充分な長さを有し、
前記先駆マッティングを第一バインダ樹脂で含浸する前に、低ベースの二次ベールを前記ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体上に敷設する段階を更に有することを特徴とする請求項30記載の方法。
【請求項32】
ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体を形成する段階、低ベースの二次ベールを形成する段階、および低ベースの二次ベールを前記ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体上に敷設する段階は、
白水分散液を第一ヘッドボックスに導入する段階を有し、白水分散液は複数のウェットユースチョップストランドを含み、
第一ヘッドボックスからのランダムに配向された繊維の網状体の層を塗布する段階と、 第二ヘッドボックスからの低ベースの二次ベールの層を、ランダムに配向された繊維の網状体の前記層上に塗布して先駆マッティングを形成する段階とを更に有し、低ベースの二次ベールは、前記ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体内に形成された複数のポアの各々を架橋できる充分な長さを有する複数のポリマー繊維を備えていることを特徴とする請求項31記載の方法。
【請求項33】
前記ウェット形成された透過性先駆マットを二次コーティングでコーティングする前に、高アスペクト比の複数の粒子を前記ウェット形成された透過性先駆マットに導入する段階を更に有し、前記高アスペクト比の複数の粒子は、前記ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体内に形成された複数のポアの各々を架橋できる充分な平均粒子サイズを有することを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項34】
前記高アスペクト比の複数の粒子は、木質ベースの繊維およびポリマー繊維からなる群から選択されることを特徴とする請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記第一温度は約400〜600°Fの間にあることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項36】
前記少なくとも1つの補強剤は前記第二コーティングにより塗布されることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項37】
前記二次バインダ系は更に無機バインダを有することを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項38】
ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体を形成する段階と、
ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体に第一バインダ樹脂を含浸させて、ウェット形成された透過性先駆マットを形成する段階と、
ウェット形成された透過性先駆マットを、二次コーティングで、前記ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体内に完全に浸透することを防止するのに充分な粘度でコーティングする段階とを有し、二次コーティングは、低ガラス繊維温度の有機バインダと、少なくとも1つのフィラーと、少なくとも1つの補強剤とを有し、
前記コーティングされたウェット形成透過性先駆マットを、前記第一バインダ系がコーティングを形成できる充分な温度で浮動ドライヤ内に置き、該ドライヤ内でせっこう化粧材料を形成する段階と、
せっこうコア材料をせっこう化粧材料の第一層に導入する段階と、
前記せっこうコア材料が第一層と第二層との間に配置されるように、せっこう化粧材料の第二層をせっこうコア材料に導入する段階と、
せっこうコア材料が第一層と第二層との間で硬化できるようにする段階とを更に有することを特徴とする高強度装飾せっこうボードの形成方法。
【請求項39】
低ベースの二次ベールを形成する段階を有し、前記低ベースの二次ベールは、複数のポリマー繊維を有し、該ポリマー繊維は、前記ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体内に形成された複数のポアの各々を架橋できる充分な長さを有し、
前記先駆マッティングを第一バインダ樹脂で含浸する前に、低ベースの二次ベールを前記ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体上に敷設する段階を更に有することを特徴とする請求項38記載の方法。
【請求項40】
前記ウェット形成された透過性先駆マットをかなり低いガラス転移温度の二次コーティングでコーティングする前に、高アスペクト比の複数の粒子を前記ウェット形成された透過性先駆マットに導入する段階を更に有し、前記高アスペクト比の複数の粒子は、前記ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体内に形成された複数のポアの各々を架橋できる充分な平均粒子サイズを有することを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記二次バインダ系は更に無機バインダを有することを特徴とする請求項37記載の方法。
【請求項42】
ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体を形成する段階と、
複数の高アスペクト比粒子がランダムに配向されたオープンメッシュ網状体と第一バインダ樹脂との間に含まれるように、ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体に第一バインダ樹脂を含浸させて、ウェット形成された透過性先駆マットを形成する段階と、
複数の高アスペクト比粒子を、ブラシ状ローラシステムからランダムに配向されたオープンメッシュ網状体上に導入する段階と、
前記ウェット形成された透過性先駆マットを、低粘度かつ低ガラス転移温度の有機二次バインダでコーティングする任意段階と、
ウェット形成された透過性先駆マットを、二次コーティングでコーティングする任意段階とを有し、二次コーティングは、低ガラス繊維温度の有機バインダと、少なくとも1つのフィラーと、少なくとも1つの補強剤とを有し、
前記コーティングされたウェット形成透過性先駆マットを、前記第一バインダ樹脂がフィルムを形成できる充分な温度で浮動ドライヤ内に置く段階を更に有することを特徴とするせっこう化粧板の形成方法。
【請求項43】
前記高アスペクト比の複数の粒子は、前記ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体内に形成された複数のポアの各々を架橋できる充分な平均粒子サイズを有することを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項44】
前記高アスペクト比の複数の粒子は、木質ベースの繊維およびポリマー繊維からなる群から選択されることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項45】
ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体を形成する段階と、
複数の高アスペクト比粒子がランダムに配向されたオープンメッシュ網状体と第一バインダ樹脂との間に含まれるように、ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体に第一バインダ樹脂を含浸させて、ウェット形成された透過性先駆マットを形成する段階と、
複数の高アスペクト比粒子を、ブラシ状ローラシステムからランダムに配向されたオープンメッシュ網状体上に導入する段階と、
前記ウェット形成された透過性先駆マットを、低粘度かつ低ガラス転移温度の有機二次バインダでコーティングする任意段階と、
前記コーティングされたウェット形成された透過性先駆マットを、前記バインダ樹脂がフィルムを形成するように充分に乾燥させる段階と、を有することを特徴とするせっこう化粧板の形成方法。
【請求項46】
前記高アスペクト比の複数の粒子は、前記ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体内に形成された複数のポアの各々を架橋できる充分な平均粒子サイズを有することを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項47】
前記高アスペクト比の複数の粒子は、木質ベースの繊維およびポリマー繊維からなる群から選択されることを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項48】
ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体を形成する段階と、
該網状体上に層状化された低ベースの二次ベールを導入して透過性先駆マットを形成する段階と、
該透過性先駆マットに第一バインダ樹脂を含浸させて、ウェット形成された透過性先駆マットを形成する段階と、
少なくとも1つの補強剤を透過性先駆マットに塗布する段階と、
前記ウェット形成された透過性先駆マットを、低粘度かつ低ガラス転移温度の有機二次バインダでコーティングする任意段階と、
前記含浸されたウェット形成透過性先駆マットを、前記第一バインダ樹脂がフィルムを形成するように充分に乾燥させる段階と有することを特徴とするせっこう化粧板の形成方法。
【請求項49】
前記低ベースの二次ベールは、ランダムに配向されたオープンメッシュフィラメント網状体内に形成された複数のポアの各々を架橋できる充分な長さを有する複数のポリマー繊維を有することを特徴とする請求項48記載の方法。
【請求項50】
前記複数のポリマー繊維の少なくとも1つは、ポリエステル繊維、難燃性ポリエステル繊維、難燃性ポリオレフィン繊維およびポリオレフィン繊維からなる群から選択されることを特徴とする請求項49記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2007−532361(P2007−532361A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508582(P2007−508582)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/012921
【国際公開番号】WO2005/103367
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(595080337)オウェンス コーニング (19)
【Fターム(参考)】