説明

コード巻取り器

【課題】 ACアダプタとケーブル(ACコード、 DCケーブル)を一体にまとめるコード巻取り器を提供し、持ち運び及び保管を容易にする。
【解決手段】 コードを巻取るためのX状に組んだ4枚の板と4個のピン部品、又は2個の枠構造体の結合リブ間にACアダプタを通し2個の枠構造体の組合せを絞りACアダプタを挟み固定する構成で、ACアダプタのケーブル(ACコード、 DCケーブル)を、前記の枠構造体の結合リブの外周と共にACアダプタの回りに巻き付ける様にし、結合リブの外周にあり対向しないように交互で隣同士交互に引っ掛けリブが付いており、結合リブ上に巻いたケーブルを引っ掛ける構造になっており、結合リブ間の長さ、及び上下板の結合リブの長さを前もって設定した長さに固定した上で、更に上下板を絞ることで、幅の広い又は狭い、あるいは厚みの異なるACアダプタに対応した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は大きさの違うACアダプタにも合わせることのでき、ACアダプタのケーブル(ACコード、DCケーブル)を巻き付けることのできるコード巻取り器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコード巻き器には、モジュラーケーブルなどのコードを巻き取って長さを調整するものがある(例えば、特許文献1参照。)。以下、図16により従来の技術例について説明する。特許文献1では円筒状のコード収納ケースに巻取蓋を回動自在に、かつ着脱自在に嵌合したコード巻き器で一対のコード出入口にコードを通し巻取蓋を廻す事でケーブルを巻き取っている。
【特許文献1】特開2002−29663号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術では円筒状のコード収納ケース内でケーブルを折り曲げて巻くため、太いケーブルは巻けず、断線の可能性があった。
【0004】
そのため、簡単な構成で持ち運びが容易で、ケーブルの太さ、長さが自由に対応でき、特にACアダプタのケーブルは安全性のため一般的に太く傷が付かない構造にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本提案では、
・コードを巻取るためのX状に組んだ2組の上下板の結合リブ間にACアダプタを通し、上下板の結合リブを絞り、ACアダプタを挟み固定する構成で、ACアダプタのケーブル(ACコード、DCケーブル)を、前記の上下板の結合リブ部の外周と共にACアダプタの回りに巻き付ける様にしたことを特徴とする。
・X状に組んだ2組の上下板の結合リブ間の長さ、及び上下板の結合リブの長さを前もって設定した長さに固定した上で、更に上下板を絞り幅の広い又は狭い、あるいは厚みの異なるACアダプタに対応したことを特徴とする。
・X状に組んだ2組の上下板の結合リブの外周にあり、上下板で対向しないように交互で隣同士交互に引っ掛けリブが付いており、結合リブ上に巻いたケーブルを引っ掛ける構造になっていることを特徴とする。
・X状に組んだ2組の上下板を繋ぐ結合リブが2種類のフック部分で構成することを特徴とする。
・X状に組んだ2組の上下板が棒状で、上下に2組で組んだことを特徴とする。
・コードを巻取るためのX状に組んだ2個の枠構造体の結合リブ間にACアダプタを通し2個の枠構造の組合せを絞りACアダプタを挟み固定する構成で、ACアダプタのケーブル(ACコード、DCケーブル)を、前記の枠構造体の結合リブの外周と共にACアダプタの回りに巻き付ける様にし、結合リブの外周にあり対向しないように交互で隣同士交互に引っ掛けリブが付いており、結合リブ上に巻いたケーブルを引っ掛ける構造になっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
[特許文献1]では従来技術では円筒状のコード収納ケース内でケーブルを折り曲げて巻くため、太いケーブルは巻けず、断線の可能性があった。
本提案では4枚の板と4個のピン部品、又は2個の枠構造体の簡単な構成で持ち運びが容易で、ケーブルの太さ、長さの異なるコードに対応でき、安全性のため傷が付かない構造にできた。
【0007】
また、従来技術ではコード収納ケースと機器本体とは別体であるが、本提案ではコード巻取り器とACアダプタを一体にまとめることができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(実施例1)
図1は第1の実施の形態におけるコード巻取り器の使用例を示す概略図である。
【0009】
図1において、1はコード巻取り器、2はACアダプタ、3はACアダプタのACプラグ、4はACアダプタのDCプラグ、5はACアダプタのACコードとDCケーブルである。
【0010】
コードを巻取るためのX状に組んだコード巻取り器1の2組の上下板の結合リブ間にACアダプタ2を通し、上下板の結合リブを絞り、ACアダプタ2を挟み固定する構成で、ACアダプタのケーブル5(ACコード、DCケーブル)を、前記の上下板の結合リブ部の外周と共にACアダプタの回りに巻き付ける。
【0011】
ACアダプタ2のACプラグ3とACアダプタ2のDCプラグ4の付いたケーブルはコード巻取り器1の引っ掛けリブに引っ掛り解けないようにしてある。
【0012】
図2はコード巻取り器にACアダプタを通す説明図である。
【0013】
図2において、コード巻取り器1の2組の上下板の結合リブ間にACアダプタ2を通し、コード巻取り器1をACアダプタ2に取り付けることの示している。
【0014】
図3はコード巻取り器にACアダプタを固定する説明図である。
【0015】
図3において、コード巻取り器1の上下板の結合リブを絞り、ACアダプタ2を挟み固定する様子を示している。
【0016】
この時、上下板の結合リブはACアダプタ2の側面に当り、ACアダプタ2の幅の長さに合わせて開いた状態となる。
【0017】
図1のように、結合リブの外周と共にACアダプタの回りにACアダプタのケーブル5(ACコード、DCケーブル)を巻くことで、コード巻取り器1とACアダプタ2は固定される。
【0018】
図4は第1の実施の形態における上下板の最終組立説明図である。
【0019】
図4において、6は上板、7は下板、8は上板、9は下板、10は結合リブ、11−1と11−2は結合リブ、12は引っ掛けリブである。
【0020】
コード巻取り器1の2組の上下板つまり上板6、下板7、上板8、下板9の4枚に固定してある結合リブ10は結合リブ11−1と11−2からなり、結合リブ11−1と11−2が結合することでコード巻取り器1は完成する。
【0021】
X状に組んだコード巻取り器1の2組の上下板の結合リブ間の長さ、及び上下板の結合リブ11−1と11−2の長さを前もって設定した長さに固定した上で、更に上下板を絞り幅の広い又は狭い、あるいは厚みの異なるACアダプタに対応できる。
【0022】
なお、上板6と下板7、上板8と下板9はそれぞれ回転できるように中心軸で組み合わせてある。
【0023】
引っ掛けリブ12は上板6と下板9に固定されており、下板7と上板8には付いていない。
【0024】
引っ掛けリブ12はX状に組んだ2組の上下板の結合リブの外周にあり、上下板で対向しないように交互で隣同士交互に付いており、結合リブ上に巻いたケーブルを引っ掛ける構造になっている。
【0025】
図5は第1の実施の形態における上下板の結合リブ説明図1である。
【0026】
図5において、結合リブ11−1側の構造は結合リブ11−1の軸の中心方向に穴と鍵用の横穴があり、結合リブ11−2側は結合リブ11−1の軸の中心方向に穴に入る太さの二股の軸形状で、結合リブ11−1の鍵用の横穴に掛かる様に出っ張った鍵を持つ先端部を有している。
【0027】
結合リブ11−2の二股の軸形状は結合リブ11−1の穴に収縮しながら入り、結合リブ11−1の鍵用の横穴で、結合リブ11−2の出っ張った鍵を持つ先端部に引っ掛かり抜けない様に固定される。
【0028】
図6は第1の実施の形態における上下板の結合リブフック説明図1である。
【0029】
図6において、結合リブ11−1側の構造は軸の中心方向に穴があり、結合リブ11−2側は結合リブ11−1の軸の中心方向の穴に入る太さの軸形状で、結合リブ11−1の穴の出口に掛かる様に出っ張った鍵を持つ先端部を有しており、結合リブ11−2の出っ張った鍵の先端部に引っ掛かり抜けない様に固定される。
【0030】
図7は第1の実施の形態における上下板の結合リブフック説明図2である。
【0031】
図7において、結合リブ11−1側の構造は軸の中心方向に穴があり、結合リブ11−2側は結合リブ11−1の軸の中心方向の穴に入る太さの軸形状で、結合リブ11−1の穴の出口に掛かる様に出っ張った鍵を持つ先端部を有しており、結合リブ11−2の出っ張った鍵の先端部が結合リブ11−1の穴の出口を出て、穴に入る時に潰れた鍵が開き穴に引っ掛かり抜けない様に固定される。
【0032】
図8は第1の実施の形態における上下板の部品組立説明図である。
【0033】
図8において、コード巻取り器1の上下板を4個のピン部品で組立てることを示し、13はナット、14はボルト、15はナット、16はボルトである。
【0034】
上板6、下板7、上板8、下板9を上からの順番で配置し、上板6と下板7をナット13とボルト14で上板6と下板7が回転できる程度に締める。
【0035】
ボルト14は結合リブ10側、ボルト16は結合リブ10側に取り付け、ACアダプタに傷を付けないように配置する。
【0036】
上板8と下板9をナット16とボルト15で上板8と下板9が回転できる程度に締める。
【0037】
図9は第1の実施の形態におけるコード巻取り器の全部品説明図である。
【0038】
図9において、コード巻取り器1は4枚の板と4個のピン部品で構成していることを示し、13はナット、14はボルト、15はナット、16はボルトである。
【0039】
図10はコード巻取り器に幅の狭いACアダプタを通す説明図である。
【0040】
図10において、17は幅の狭いACアダプタであり、コード巻取り器1に取り付けていることを示している。
【0041】
図11はコード巻取り器に幅の狭いACアダプタを固定する説明図である。
【0042】
図11において、幅の狭いACアダプタ17をコードを巻取るためのX状に組んだコード巻取り器1の2組の上下板の結合リブ間に通し、上下板の結合リブを絞り、ACアダプタ17を挟み固定する構成で、ACアダプタのケーブル(ACコード、DCケーブル)を、前記の上下板の結合リブ部の外周と共にACアダプタの回りに巻き付ける。
【0043】
図12はコード巻取り器に幅の太いACアダプタを固定する説明図である。
【0044】
図12において、18は幅の太いACアダプタであり、図10における幅の狭いACアダプタ17と同様にコード巻取り器1に取り付け、固定する方法も同様であるが、使用できるACアダプタの幅はコード巻取り器1を一杯に開いた時の結合リブの間隔で決まるが、理想の一つはACアダプタの対し45度の角度にコード巻取り器1の上下板が開いてなる状態である。
【0045】
(実施例2)
図13は第2の実施の形態におけるコード巻取り器の構成を示す概略図である。
【0046】
図13において、19は外枠構造体、20は内枠構造体であり、もう一つのコード巻取り器1の完成状態で、外枠構造体19と内枠構造体20の2個の成型品で構成してある。
【0047】
外枠構造体19と内枠構造体20はカラフルに彩られ華やかさを持たせている。
【0048】
図14は第2の実施の形態におけるコード巻取り器の最終組立説明図である。
【0049】
図14において、21は上側軸、22は上側軸穴、23は下側軸、24は下側軸穴である。
【0050】
外枠構造体19と内枠構造体20の2個の成型品であり、外枠構造体19には上側軸穴22と下側穴24があり、内枠構造体20には上側軸21と下側軸23の突起が図14のように外側に向かって出ている。
【0051】
図14中の矢印の様に内枠構造体20を外枠構造体19の中を通して、上側軸21を上側軸穴22に差込み、下側軸23を下側軸穴24に差込むことで、図13の様に簡単に組立てることができる。
【0052】
コードを巻取るためのX状に組んだ2個の枠構造体の結合リブ間にACアダプタを通し2個の枠構造体の組合せを絞りACアダプタを挟み固定する構成で、ACアダプタのケーブル(ACコード、DCケーブル)を、前記の枠構造体の結合リブの外周と共にACアダプタの回りに巻き付ける様にし、結合リブの外周にあり対向しないように交互で隣同士交互に引っ掛けリブが付いており、結合リブ上に巻いたケーブルを引っ掛ける構造になっている。
【0053】
(実施例3)
図15は第3の実施の形態におけるコード巻取り器の最終組立説明図である。
【0054】
図15において、25は外枠棒構造体、26は内枠棒構造体、27は上側軸穴、28は上側軸、29は下側軸穴、30は下側軸である。
【0055】
外枠棒構造体25と内枠棒構造体26は、図14の外枠構造体19と内枠構造体20の2個の成型品と同様の関係にあり、2個の成型品である。
【0056】
上側軸穴27と上側軸28、及び下側軸穴29と下側軸30は、図15中の矢印の様に内枠棒構造体26を外枠棒構造体25の中を通して、上側軸28を上側軸穴27に差込み、下側軸30を下側軸穴29に差込むことで、簡単に組立てることができる。
【0057】
コードを巻取るためのX状に組んだ2個の枠構造体の結合リブ間にACアダプタを通し2個の枠構造体の組合せを絞りACアダプタを挟み固定する構成で、ACアダプタのケーブル(ACコード、DCケーブル)を、前記の枠構造体の結合リブの外周と共にACアダプタの回りに巻き付ける様にし、結合リブの外周にあり対向しないように交互で隣同士交互に引っ掛けリブが付いており、結合リブ上に巻いたケーブルを引っ掛ける構造になっている。
【0058】
第2と3の実施の形態では2個の枠構造体のみで構成でき、それぞれ一回の成型でできるため、第1の実施の形態より非常に生産性がよくなった。
【0059】
第1の実施の形態では4個の上下板が別々の彩色できるが、第2と3の実施の形態では2種類の彩色になっている。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】第1の実施の形態におけるコード巻取り器の使用例を示す概略図。
【図2】コード巻取り器にACアダプタを通す説明図。
【図3】コード巻取り器にACアダプタを固定する説明図。
【図4】第1の実施の形態における上下板の最終組立説明図。
【図5】第1の実施の形態における上下板の結合リブ説明図1。
【図6】第1の実施の形態における上下板の結合リブフック説明図1。
【図7】第1の実施の形態における上下板の結合リブフック説明図2。
【図8】第1の実施の形態における上下板の部品組立説明図。
【図9】第1の実施の形態におけるコード巻取り器の全部品説明図。
【図10】コード巻取り器に幅の狭いACアダプタを通す説明図。
【図11】コード巻取り器に幅の狭いACアダプタを固定する説明図。
【図12】コード巻取り器に幅の太いACアダプタを固定する説明図。
【図13】第2の実施の形態におけるコード巻取り器の構成を示す概略図。
【図14】第2の実施の形態におけるコード巻取り器の最終組立説明図。
【図15】第3の実施の形態におけるコード巻取り器の最終組立説明図
【図16】従来例[特許文献1]の図。
【符号の説明】
【0061】
1 コード巻取り器
2 ACアダプタ
3 ACアダプタのACプラグ
4 ACアダプタのDCプラグ
5 ACアダプタのACコードとDCケーブル
6 上板
7 下板
8 上板
9 下板
10 結合リブ
11−1、11−2 結合リブ
12 引っ掛けリブ
13 ナット
14 ボルト
15 ナット
16 ボルト
17 幅の狭いACアダプタ
18 幅の太いACアダプタ
19 外枠板構造体
20 内枠板構造体
21 上側軸
22 上側軸穴
23 下側軸
24 下側軸穴
25 外枠棒構造体
26 内枠棒構造体
27 上側軸穴
28 上側軸
29 下側軸穴
30 下側軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コードを巻取るためのX状に組んだ2組の上下板の結合リブ間にACアダプタを通し、上下板の結合リブを絞り、ACアダプタを挟み固定する構成で、ACアダプタのケーブル(ACコード、DCケーブル)を、前記の上下板の結合リブ部の外周と共にACアダプタの回りに巻き付ける様にした請求項1のコード巻取り器。
【請求項2】
X状に組んだ2組の上下板の結合リブ間の長さ、及び上下板の結合リブの長さを前もって設定した長さに固定した上で、更に上下板を絞り幅の広い又は狭い、あるいは厚みの異なるACアダプタに対応できる請求項1のコード巻取り器。
【請求項3】
X状に組んだ2組の上下板の結合リブの外周にあり、上下板で対向しないように交互で隣同士交互に引っ掛けリブが付いており、結合リブ上に巻いたケーブルを引っ掛ける構造になっている請求項1のコード巻取り器。
【請求項4】
X状に組んだ2組の上下板を繋ぐ結合リブが2種類のフック部分で構成する請求項1のコード巻取り器。
【請求項5】
X状に組んだ2組の上下板が棒状で、上下に2組で組んだ請求項1のコード巻取り器。
【請求項6】
コードを巻取るためのX状に組んだ2個の枠構造体の結合リブ間にACアダプタを通し2個の枠構造体の組合せを絞りACアダプタを挟み固定する構成で、ACアダプタのケーブル(ACコード、DCケーブル)を、前記の枠構造体の結合リブの外周と共にACアダプタの回りに巻き付ける様にし、結合リブの外周にあり対向しないように交互で隣同士交互に引っ掛けリブが付いており、結合リブ上に巻いたケーブルを引っ掛ける構造になっているコード巻取り器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−199482(P2006−199482A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−15527(P2005−15527)
【出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】