説明

ゴルフクラブヘッド用おもり部材

【課題】 ゴルフクラブヘッド用おもり部材を提供する。
【解決手段】 ゴルフクラブヘッドのおもりポートに取り外し可能に取り付くおもり部材が提供される。おもり部材は、締結工具の一部を動作可能に受け入れる工具嵌合ポートを有するヘッドを含む。おもり部材は、端面で終端するようにヘッドに結合されたシャフトをさらに含む。シャフトは、ねじの切られた外側面と、端面から延びる、ねじの切られていない内部穴とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブヘッド用おもり部材に関する。
(著作権委任)
以下の開示は著作権保護の対象となり得る。著作権所有者は、特許庁に記録が残る場合、この開示を含む文献の、何人による複製にも異議を唱えないが、それ以外については、適用可能なすべての著作権を保有する。
【背景技術】
【0002】
すべてのタイプのゴルフクラブは通常、ゴルフクラブヘッド、シャフト、およびグリップを有する。ゴルフクラブは、ゴルフクラブの性能に重大な影響を及ぼす、重心位置および質量慣性モーメントなどの固有の質量特性を有する。ゴルフクラブの重心位置、および質量慣性モーメントは、少なくとも、ゴルフクラブヘッドの重量および幾何構造と、シャフトの重量、長さ、および形状と、グリップの重量および幾何構造とによって決まる。
【0003】
ゴルフクラブヘッドは、多くの場合、例えば、ソールプレート、フェースプレートなどの交換可能な部品を有することで個別調整されるように構成され、様々なシャフトおよびグリップのいずれにも合うように構成される。しかし、クラブヘッドに合わせた修正、例えば、様々な長さを有するシャフトの取り換えは、通常、意図しない態様で、クラブヘッドの質量特性に影響を及ぼす(例えば、ゴルフクラブのスイングウェートを変化させる)。したがって、そのような質量特性を調整する手段を提供しない従来の個別調整可能なクラブヘッドは、幅広いゴルファに対して最適化される能力が限定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明のいくつかの態様によれば、上記の質量特性を調整する手段を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特定の実施形態は、その1つまたは複数の態様において、有利にも、ゴルフクラブの質量慣性モーメント、重心、および/またはスイングウェートに変化をもたらす1つまたは複数のおもり部材を含むことができる。
【0006】
様々な実施形態によれば、ゴルフクラブのおもりポートに取り外し可能に取り付くおもり部材は、締結工具の一部を動作可能に受け入れる工具嵌合ポートまたはソケットを有するヘッドを含む。おもり部材はまた、端面で終端する、ヘッドに結合されたシャフトを含む。シャフトは、ねじの切られた外側面と、端面から延びる、ねじの切られていない内部穴とを有する。
【0007】
様々な実施形態によれば、ゴルフクラブヘッドのおもりポートに取り外し可能に、かつ交換可能に取り付くおもりのキットは、第1のおもりおよび第2のおもりを含む。第1のおもりは、第1のヘッド直径および第1のヘッド端面を有する第1のヘッドを含む。第1のおもりはまた、第1のヘッド端面と反対側の第1のシャフト端面と、第1のシャフト径と、第1のシャフト長さとを有する第1のシャフトを含む。第1のおもりは、第1のヘッド端面および第1のシャフト端面の一方から延びる第1の内部穴をさらに含み、第1の内部穴は、第1の内部穴深さを有する。第2のおもりは、第2のヘッド直径および第2のヘッド端面を有する第2のヘッドを含む。第2のおもりはまた、第2のヘッド端面と反対側の第2のシャフト端面と、第1のシャフト径に実質的に等しい第2のシャフト径と、第2のシャフト長さとを有する第2のシャフトを含む。第2のおもりは、第2のヘッド端面および第2のシャフト端面の一方から延びる第2の内部穴をさらに含み、第2の内部穴は、第1の内部穴深さとは異なる第2の内部穴深さを有する。
【0008】
様々な実施形態によれば、ゴルフクラブヘッドのおもりポートに取り外し可能に、かつ交換可能に取り付くおもりのキットは、第1のおもりおよび第2のおもりを含む。第1のおもりは、第1のヘッド端面を有する第1のヘッドを含む。第1のおもりはまた、第1のヘッド端面と反対側の第1のシャフト端面と、第1のシャフト径と、第1のシャフト長さとを有する第1のシャフトを含む。第1のおもりは、第1のヘッド端面および第1のシャフト端面の一方から延びる内部穴をさらに含む。第1のおもりは、第1の全長および第1の質量をさらに含む。第2のおもりは第2のヘッドを含む。第2のおもりはまた、第1のシャフト径に実質的に等しい第2のシャフト径と、第2のシャフト長さとを有する第2のシャフトを含む。第2のおもりは第2の全長をさらに含み、第1の全長の第2の全長に対する第1の比率は0.85以上である。第2のおもりは第2の質量をさらに含み、第1の質量の第2の質量に対する第2の比率は0.50以下である。
【0009】
様々な実施形態によれば、ゴルフクラブヘッドのおもりポートに取り外し可能に、かつ交換可能に取り付くおもりのキットを製造する方法は、第1のヘッドと第1のヘッドに結合された第1のシャフトとを有する第1の中間物本体を形成し、第1の中間物本体から第1の質量を除去して第1の内部穴を形成することで、第1のおもりを用意することを含む。方法は、第2のヘッドと第2のヘッドに結合された第2のシャフトとを有する第2の中間物本体を形成し、第2の中間物本体から第2の質量を除去して第2の内部穴を形成することで、第2のおもりを用意することをさらに含み、第2の質量は第1の質量と異なる。第1のおもりは、第1のシャフト長さおよび第1のシャフト径を含む。第2のおもりは、第2のシャフト長さと、第1のシャフト径に実質的に等しい第2のシャフト径とを含む。
【0010】
下記に詳細に説明する各種実施例の一つまたは複数によって提示されるような、様々な態様の本発明によるゴルフクラブヘッドのこれらのおよび他の特徴ならびに利点が、下記の説明、添付図面、および添付の特許請求の範囲を検討した後に明らかになるであろう。添付図面は単に例示を目的としており、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0011】
本発明は、その1つまたは複数の態様において、添付図面の図に一例として示されるのであって、限定する目的で示されるのではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施形態による、おもりポートに取り付けられたおもり部材を有するゴルフクラブヘッドの後部斜視図である。
【図1a】一実施形態による、おもりポートおよびおもり部材を有するゴルフクラブヘッドの後部分解斜視図である。
【図2】図2(a)−図2(d)はそれぞれ、様々な実施形態による、ソケット部分をより詳細に示す、おもり部材の代替実施形態の上面図である。
【図3】一実施形態による、おもり部材のシャフトを通る内部穴を有するおもり部材のキットの正面図である。
【図3a】一実施形態による、図3に示すおもり部材の断面図である。
【図4】一実施形態による、おもり部材のシャフトを通る、底部の平坦な穴を有するおもり部材のキットの正面図である。
【図5】一実施形態による、おもり部材のヘッドから延びる穴を有するおもり部材のキットの正面図である。
【図6】一実施形態による、おもり部材のキットを製造する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
説明のために、上記の図は必ずしも一定の縮尺で描かれていない。すべての図において、同じまたは同様の要素は同じ参照数字で表されている。
【0014】
以下に開示する、本発明によるおもり部材の1つまたは複数の新規でかつ非自明の態様および特徴の代表例は、いかなる態様においても限定することを意図されるものではない。さらに、本発明の種々の態様および特徴は、単独で、または様々な、新規で非自明の互いの組み合わせおよび部分的組み合わせで使用することができる。別途指定がない限り、明細書および特許請求の範囲で使用される量、比率、および数字で示した特性を表すすべての数値は、すべての場合において、「約」という用語によって範囲を緩和されると解釈すべきである。
【0015】
説明したように、すべてのタイプのゴルフクラブは通常、ゴルフクラブヘッド、シャフト、およびグリップを有する。ゴルフクラブは、ゴルフクラブの性能に重大な影響を及ぼす重心位置および質量慣性モーメントを有する。ゴルフクラブの重心位置、および質量慣性モーメントは、少なくとも、ゴルフクラブヘッドの重量および幾何構造と、シャフトの重量、長さ、および形状と、グリップの重量および幾何構造とによって決まる。ゴルフクラブヘッドは、多くの場合、例えば、ソールプレート、フェースプレートなどの交換可能な部品を有することで個別調整されるように構成され、様々なシャフトおよびグリップのいずれにも合うように構成される。しかし、クラブヘッドに合わせた修正、例えば、様々な長さを有するシャフトの取り換えは、通常、意図しない態様で、クラブヘッドの質量特性に影響を及ぼす(例えば、ゴルフクラブのスイングウェートを変化させる)。
【0016】
したがって、本発明は、特定の実施形態によれば、ゴルフクラブヘッドに取り付けるのにメーカおよび/または使用者が選択できるおもり部材であり、ゴルフクラブの質量特性、例えば、ゴルフクラブの質量慣性モーメント、重心位置、および/またはスイングウェートの変化に影響を及ぼす1つまたは複数のおもり部材に関する。ゴルフクラブヘッド内の様々な位置で、1つまたは複数のおもり部材をゴルフクラブヘッドに導入することには、それらに限定されるものではないが、ゴルフクラブヘッドが様々なシャフトおよびグリップと組立できるように、個別調整可能なゴルフクラブヘッドを同じ原型品から製造するのを可能にする、かつ/または、必要に応じて簡単な工具を用いた、製造後の使用者による個別調整を可能にするなどのいくつかの利点がある。ゴルフクラブヘッド、シャフト、およびグリップの様々な組み合わせに関する使用者の選好および/または性能仕様に基づくゴルフクラブヘッドの質量特性に影響を及ぼすことにより、自身のショット能力に対する使用者の信頼が高まる。さらに、特に、スイングウェートを補正する場合に、交換可能なおもり部材を使用することで、「ねずみ取り粘着剤」を使用するなどの従来の方法と対照的に、制御されないおもり配置ではなくて、所望する位置におもりを正確に配置することが可能になる。
【0017】
1つまたは複数の実施形態では、および図1〜図1aに例として示すように、ゴルフクラブヘッド100は、ウッドタイプのゴルフクラブヘッドを含む。ただし、ゴルフクラブヘッド100はウッドタイプのゴルフクラブヘッドとして図示されているが、ゴルフクラブヘッド100は、任意のもの、例えば、アイアンタイプ、パタータイプ、ウッドタイプ、ハイブリッドタイプなどであってもよいことに留意されたい。さらに、ゴルフクラブヘッド100は、右利き用のゴルフクラブヘッドであるとして図示されているが、ゴルフクラブヘッド100上の任意の位置についての任意の言及が、左利き用のゴルフクラブヘッドに反映および適用され得ることに留意されたい。
【0018】
図1は、一実施形態による、ゴルフクラブヘッド100と、おもりポート103内に取り外し可能に固定されたおもり部材101との組立品を示している。おもりポート103
は、ゴルフクラブヘッド100の任意の位置に配置することができ、ゴルフクラブヘッド100の構造に応じて、単一または複数とすることができる。おもり部材101は、ヘッド105を有する。ヘッド105は、1つまたは複数の工具嵌合ポートまたはソケット107を有する。工具嵌合ポート107は、それらに限定されるものではないが、(図2(a)〜図2(d)に示し、下記に説明するように)プラスのねじ頭、マイナスのねじ頭、六角のねじ頭、星形のねじ頭、トルクス(登録商標)ねじ頭、4突起レンチ用ねじ頭、任意の専用ねじ頭などの任意のタイプとすることができる。
【0019】
図1aは、様々な実施形態による、図1に示す組立品の分解図を示している。ゴルフクラブヘッド100およびおもり部材101は分離されている。締結工具(図示せず)を使用して、おもり部材101をクラブヘッド100に着脱することができる。おもりポート103は、おもり部材101との取り外し可能な結合を可能にするねじ山109を切られている。おもり部材101は、ソケット107の付いたヘッド105およびシャフト111を有するとして示されている。シャフト111は端面で終端し、シャフト111の外側面に少なくとも3つのねじ山113でねじを切られている。ねじ山113は、おもり部材101がゴルフクラブヘッド100に固定されたときに、ねじ山109とかみ合う。シャフト111は、下記にさらに詳細に説明するように、端面から延びる、ねじの切られていない内部穴を有してよいし、または有さなくてもよい。各ヘッド部分105およびシャフト111は、それぞれの外径を有する。一部の実施形態では、ヘッド部分105の外径は、シャフト111の外径以上である。一部の実施形態では、ヘッド105の外径は、シャフト111の外径よりも大きいので、クラブヘッド100に固定された場合に、ヘッド105は、おもりポート103のショルダ部分に当接する。代替実施形態では、おもり部材101は、締まり嵌め、または他の任意の機械式相互ロック装置、接着、溶接、ろう付け、または他の材料結合処理によって、おもりポート103に固定されるように構成される。
【0020】
図2(a)〜図2(d)は、様々な実施形態による、様々なタイプのソケット107a〜107dを示している。図2(a)は、プラスのねじ回しである、またはプラスのねじ回しと同様である工具と嵌合するプラスのねじ頭タイプのポートであるソケット107aを示している。
【0021】
図2(b)は、マイナスのねじ回しである、またはマイナスのねじ回しと同様である工具と嵌合するマイナスのねじ頭タイプのポートであるソケット107bを示している。
【0022】
図2(c)は、レンチまたはねじ回しである、またはそれらと同様である工具と嵌合する4突起用ねじ頭タイプのポートであるソケット107cを示しており、レンチまたはねじ回しは、工具嵌合ポート107cと嵌合する一組の雄突起を有する。
【0023】
図2(d)は、ソケット107dを示しており、ソケット107dは、ソケット107dと嵌合するように特別に設計された工具と嵌合する専用ねじ頭タイプのポートである。ソケット107dは、おもり部材101の取り付けに有利な影響を及ぼすことができる任意の形状、幾何構造、または凹凸構造とすることができる。
【0024】
様々な実施形態では、ソケット107cおよびソケット107dは、例えば、(下記に説明するように)おもり部材101を完全に貫通する穴(図示せず)、またはヘッド105の端面から延びる内部穴を収容するようにさらに構成することができる。
【0025】
図3は、1つまたは複数の実施形態によるおもり部材301a〜301e(全体として、おもり部材301と表す)のキット300を示している。おもり部材301は、図1および図1aに示すおもりポート103への交換可能な取り付けに適している。各おもり部材301は、ヘッド305a〜305e(全体として、ヘッド305と表す)を有する。各おもり部材301はまた、それぞれヘッド305から延び、ヘッド305に隣接するシャフト311a〜311e(全体として、シャフト311と表す)を有する。シャフト311はそれぞれ、上記のおもりポート103内に取り外し可能に、かつ隙間なく固定可能なように大きさを合わされた実質的に等しい外径とされる。例えば、一部の実施形態では、キット300の各おもり部材301は、同様のねじ幾何構造、例えば、ミリメートル当たりのねじ山数およびピッチなどを有する。シャフト311はまた、外径が互いに実質的に等しい。用語「実質的に」は、各おもり部材301が、特定の内径およびねじ幾何構造を有する、特定のねじの切られたおもりポート、例えば、おもりポート103に隙間なく、かつ取り外し可能に固定されるのを可能にするシャフト径の許容公差の範囲に関係する。別途指定がない限り、下記に説明する各キットの実施形態は、外径が実質的に等しいシャフトを有するおもり部材で構成されるのが好ましい。
【0026】
キット300の各おもり部材301は、質量が互いに異なる。一実施形態では、キット300は、質量が最も小さいものから質量が最も大きいものまで揃えた場合に、質量が最も小さいおもり部材301の質量が7g以下であるおもり部材301を含む。別の実施形態では、質量が最も小さいおもり部材301の質量は8g以下である。さらなる実施形態では、質量が最も小さいおもり部材301の質量は9g以下である。
【0027】
様々な実施形態では、キット300のおもり部材301は、質量の差がキット300の間で均等に配分されるように、質量が任意の量だけ互いに異なる。さらなる実施形態では、キット300のおもり部材301は、質量の差がキット300の間で均等に配分されるように、質量が少なくとも1gだけ互いに異なる。他の実施形態では、キット300のおもり部材301は、質量の差がキット300の間で均等に配分されるように、質量が少なくとも2.5gだけ互いに異なる。別の実施形態では、キット300のおもり部材301は、質量の差がキット300の間で均等に配分されるように、質量が少なくとも3gだけ互いに異なる。さらなる実施形態では、キット300のおもり部材301は、質量の差がキット300の間で不均等に配分されるように、質量が任意の量だけ互いに異なる。
【0028】
他の実施形態では、キット300のおもり部材301は、質量が大きい方のおもり部材301と比較した、質量が小さい方のおもり部材301の比率が0.50以下であるように、質量が任意の量だけ均等に、または不均等に互いに異なる。この実施形態では、キット300には、この比率をもたらす質量特性を有する少なくとも1対のおもり部材301がある。なお、キット300は、5つの異なるおもり部材301a〜301eを有するように図示されているが、キットは、2つ以上の任意の数量のおもり部材で構成することができる。1つまたは複数の実施形態では、おもり部材301aは7gの質量を有し、おもり部材301bは10gの質量を有し、おもり部材301cは13gの質量を有し、おもり部材301dは16gの質量を有し、おもり部材301eは18.5gの質量を有する。
【0029】
1つまたは複数の実施形態では、キット300の一部であるおもり部材301間の質量の相違は、それらに限定するものではないが、シャフト311の長さの相違、おもり部材301の材料の相違、おもり部材301内の1つまたは複数の穴の存在、穴の欠如、穴の数量、任意の内部穴の深さを含む1つまたは複数の穴の寸法、またはそれらの組み合わせなどの要因によってもたらされる。例えば、一部の実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、それぞれが異なるシャフト長さを有する交換可能なシャフトセットの1つに取り付け可能である。キットのおもり部材は、おもり部材の質量が、セットの各シャフトのシャフト長さと線形の関係で増加するように構成されるのが好ましい。
【0030】
おもり部材301はそれぞれ全長を有する。一部の実施形態では、キット300を構成
する各おもり部材301の全長は実質的に等しい。代替実施形態では、おもり部材301は全長が異なる。例えば、(図3に示す)一部のそのような実施形態では、各おもり部材のヘッド長さhは一定であるが、シャフト長さ、例えば、L−hは、キット300の少なくとも2つのおもり部材301間で異なる。例えば、おもり部材301a、301b、301cの全長LはLであり、一方、おもり部材301d、301eの全長LはLである。シャフト311の長さは、Lからhを減ずることで算出することができる。例えば、シャフト311aの長さはL−hであり、シャフト311dの長さはL−hである。1つまたは複数の実施形態では、全長Lは10mm以上である。別の実施形態では、全長Lは15mm以上である。さらなる実施形態では、全長Lは、15mm〜20mmである。
【0031】
なお、特定の実施形態では、ヘッドの高さhは、キット300のおもり部材301の間で変えることができる。ヘッド高さhを変えることも、おもり部材301の質量、および、例えば、おもりポート103の深さに影響を及ぼす。
【0032】
様々な実施形態では、キット300は、それぞれが異なる値の全長Lを有する少なくとも2つのおもり部材301を含む。例えば、図3に示す実施形態では、各おもり部材301a、301b、301cは全長Lを含む。各おもり部材301d、301eは、Lとは異なる全長Lを有する。一部の実施形態では、LはLよりも大きい。一部の実施形態では、全長比L/Lは0.75以上である。別の実施形態では、この実施形態において、全長比L/Lは0.85以上である。さらなる実施形態では、比率L/Lは、約0.85〜約0.96である。ただし、キット300は、任意の全長比で互いに関係を持つ任意の数量のおもり部材301を含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、例えば、Lは約16.7mmであり、Lは約17.65mmである。
【0033】
様々な実施形態では、おもり部材301は、ステンレス鋼、チタン、ニッケル、タングステン、他の金属、および/またはポリマーなどの材料の任意の組み合わせで構成される。一部の実施形態では、各おもり部材301の組成は異なり、材料は様々な密度を有するので、それによって、おもり部材301の質量に影響を及ぼす。例えば、鋼(密度が約7.85g/cm)で構成されたおもり部材301は、タングステン−ニッケル(密度が約14.0g/cm)で構成されたおもり部材よりも低い密度を有する。したがって、鋼で構成され、タングステン−ニッケルで構成されたおもり部材301と同じ空間を占有する(体積)おもり部材301は、タングステン−ニッケルで構成されたおもり部材よりも小さい質量を有する。
【0034】
様々な実施形態では、キット300は、それぞれが異なる値の密度を有し、第2のおもり部材301の密度が第1のおもり部材301の密度を超える少なくとも2つのおもり部材301を含む。一部の実施形態では、第1のおもり部材301の密度の第2のおもり部材301の密度に対する比率は0.20以上である。別の実施形態では、密度の比率は約0.25〜約0.75である。さらなる実施形態では、密度の比率は0.50以上である。1つまたは複数の実施形態では、図3を参照して、おもり部材301a、301b、301cはそれぞれステンレス鋼を含み、それぞれ約6g/cm〜10g/cmの密度を有し、一方、おもり部材301d、301eはそれぞれ、約12g/cm〜約16g/cmの密度を有するタングステン−ニッケル合金を含む。
【0035】
様々な実施形態では、おもり部材301の少なくとも1つは穴を有する。例えば、図3に示すように、おもり部材301aは穴315aを含み、おもり部材301cは穴315cを含み、おもり部材301dは穴315dを含む(全体として、穴315と表す)。各穴315a、315c、315dは、それらの対応するおもり部材301a、301c、301dから特定の質量を取り除く働きをする。図示するように、穴315はねじがなく
、一部の実施形態では、互いに異なる深さDを有し、そのため、対応するおもり部材301から取り除かれた質量は他のおもり部材301と異なる。代替実施形態では、穴315は、穴315内に取り付けられるように構成されたさらなる部材(図示せず)を収容するためにねじを切ることができる。さらなる部材は、別のおもり部材、消振ダンパなどのいずれかとすることができる。しかし、そのようなねじの切られた構成は通常、製造コストを上げ、おもり部材301の構造上の完全性に悪影響を及ぼす応力集中を発生させる。穴の内部にねじを切る代わりとして、さらなる部材を収容するために、ポップイン(pop−in)ソケット連結を穴315内に構成することができる。
【0036】
一部の実施形態では、例えば、図3に示す実施形態では、穴315a、315c、315dは同じ直径である。一部のそのような実施形態では、穴径は、約4mm〜約8mmである。他のそのような実施形態では、穴径は、約6mm〜約7mmである。代替実施形態では、穴315は互いに直径が異なり、同じか、または異なる深さを有する。穴315は単一の穴として図示されているが、さらなる実施形態では、代替案として、任意のおもり部材301は複数の穴315を有する。穴315は、ヘッド305に向かって円錐またはボウル形状の端面を有するように図示されているが、穴315は、平坦な端部を有してもよい(図4を参照のこと)。穴深さDは、特定の実施形態では、シャフト311のシャフト長さ(L−h)より長くても、短くても、または同じでもよい。言い換えると、穴315を有する少なくとも1つのおもり部材では、穴深さは、断面図で見てヘッド305内に延びてもよい。例えば、穴315aは、おもり部材301aのヘッド305内に少なくとも部分的に延びる。1つまたは複数の実施形態では、穴深さDは3mm以上である。他の実施形態では、穴深さDは6mm以上である。さらなる実施形態では、穴深さDは9mm以上である。
【0037】
1つまたは複数の実施形態において、穴深さDをシャフト長さ(L−h)と比較する。この実施形態では、穴深さのシャフト長さに対する比率は0.15以上である。別の実施形態では、穴深さのシャフト長さに対する比率は0.20以上である。さらなる実施形態では、穴深さのシャフト長さに対する比率は0.25以上である。
【0038】
様々な実施形態では、キット300は、深さDの異なる穴を有する、少なくとも、第1および第2のおもり部材301を含む。例えば、第1のおもり部材301aは、第1の穴深さDを有して図3に示され、第2のおもり部材301dは、深さDを有する第2の穴を有して示され、穴深さD、D間の差の絶対値は、例えば、0.50mm以上である。別の実施形態では、そのような差の絶対値は1.00mm以上である。さらなる実施形態では、そのような差の絶対値は1.50mm以上である。
【0039】
あるいは、おもり部材は、質量を取り除く穴315を有さなくてもよくて、むしろ、おもり部材301b、301eなどのおもり部材は、全体にわたって中実である。
【0040】
上記の実施形態を組み合わせて、おもり部材301の質量に影響を及ぼす任意の数量の変形品を作ることができる。さらに、おもり部材301は、同じタイプの変形品または変形品の組み合わせを基本として、異なる質量を有してよいし、または有さなくてもよい。
【0041】
表1−1は、材料、シャフト長さ、および穴深さの様々な組み合わせがおもり部材301の質量にどのように影響を及ぼすかについての例である。
【0042】
【表1】

【0043】
図3aは、一実施形態によるおもり部材301の断面の正面図である。特に、図3aは、例として、おもり部材301cを示している。おもり部材301cは、ヘッド305cの端面317と、およびおもり部材301cの底面、すなわちシャフト端面319とに垂直な態様で、おもり部材301cの中心を通る中心軸CAを有する。ヘッド305c、シャフト311c、および穴315cはすべて、中心軸CAと同軸であるとして図示されている。しかし、代替実施形態は、中心軸CAと同軸でない1つまたは複数の穴315を形成することができる。
【0044】
おもり部材301cは、中心軸CAにほぼ垂直なヘッド面321を有する。おもり部材301cは、ヘッド面321と底面319との間で測定された全長Lを有する。全長Lは、上記のように、キット300のおもり部材301の間で異なってよい。一実施形態では、全長Lは10mm以上である。別の実施形態では、全長Lは15mm以上である。さらなる実施形態では、全長Lは20mm以下である。
【0045】
ヘッド305は、ヘッド面321から端面317まで中心軸CAに沿って測定された高さhを有する。ヘッドの高さhは、キット300の各おもり部材301の間でほぼ一定であるが、代替実施形態では、高さhは、例えば、最も軽いものから最も重いものまでのおもり部材301の質量の違いをさらに大きくするために相違させることができる。ヘッド305cの高さhは8mm以下である。別の実施形態では、ヘッド305cのヘッド高さhは6mm以下である。さらなる実施形態では、ヘッド305cのヘッド高さhは4mm以下である。
【0046】
ヘッド305cは、15mm以下であるヘッド外径Wを有する。別の実施形態では、ヘッド外径Wは13mm以下である。別の実施形態では、ヘッド外径Wは10mm以下である。
【0047】
シャフト311cは、シャフトのねじの切られた部分の外側限界から測定した、断面図におけるシャフト311cの全体厚さであるシャフト径Φを有する。シャフト径Φは、上記のように、おもり部材301cとおもりポート103との、固定可能で、かつ取り外し可能な結合に必要な寸法公差を許容しつつ、おもりポート103の直径に実質的に等しくなっている。シャフト径Φは、ヘッド外径W以下である。したがって、一実施形態では、シャフト径Φは15mm以下である。別の実施形態では、シャフト径Φは13mm以下である。さらなる実施形態では、シャフト径Φは10mm以下である。
【0048】
ねじ山313は、シャフト311の外周面に沿って形成されている。一実施形態では、ねじの切られた外側面は、3つ以上のねじ山313を含む。別の実施形態では、ねじの切られた外側面は、5つ以上のねじ山313を含む。さらなる実施形態では、ねじの切られた外側面は、6つ以上のねじ山313を含む。さらなる実施形態では、ねじの切られた外側面は、8つ以上のねじ山313を含む。
【0049】
実施形態では、ねじ山313の数量は、ねじ山数/mmによって示すこともできる。一実施形態では、キット300のおもり部材301のいずれかのねじ山313のねじ山数/mmは、0.27〜1.10ねじ山/mmの範囲をとる。別の実施形態では、キット300のおもり部材301のいずれかのねじ山313のねじ山数/mmは、0.55〜0.94ねじ山/mmの範囲をとる。さらなる実施形態では、キット300のおもり部材301のいずれかのねじ山313のねじ山数/mmは、0.62〜0.84ねじ山/mmの範囲をとる。さらなる実施形態では、キット300のおもり部材301のいずれかのねじ山313のねじ山数/mmは、約0.79ねじ山/mmである。
【0050】
実施形態では、ねじ山313は、シャフト311の外周面とねじ山313の先端との間で、中心軸CAに垂直な方向に測定したねじ山高さtを有する。一実施形態では、キット300のおもり部材301のいずれかのねじ山313のねじ山高さtは、0.50mm〜2mmの範囲をとる。別の実施形態では、キット300のおもり部材301のいずれかのねじ山313のねじ山高さtは、0.70mm〜1.50mmの範囲をとる。さらなる実施形態では、キット300のおもり部材301のいずれかのねじ山313のねじ山高さtは、0.80mm〜1.10mmの範囲をとる。さらなる実施形態では、キット300のおもり部材301のいずれかのねじ山313のねじ山高さtは、約0.91mmである。一部の実施形態では、ねじ山の総数は、キット300の各おもり部材に対して実質的に一定である。同様に、一部の実施形態では、ミリメートル当たりのねじ山数は、キット300の各おもり部材に対して実質的に一定である。そのような構成は、製造コストを下げ、単一のおもりポートに関するキットの各おもり部材の互換性を可能にするという点で有利である。
【0051】
実施形態では、穴315は、通常、直径Bである、断面における穴幅を有し、その場合に穴315は円形である。穴幅は、穴深さDと同様に、おもり部材301の質量に影響を与えるように、キット300内の1つのおもり部材と別のおもり部材との間で変えることができる。一実施形態では、穴幅Bは約6.35mmであり、キット300のすべてのおもり部材301の間で一定に維持されてよいし、またはキット300のおもり部材301の質量に影響を与えるように変えてもよい。別の実施形態では、穴幅Bは2mm〜8mmの範囲をとる。さらなる実施形態では、穴幅Bは5mm〜7mmの範囲をとる。
【0052】
様々な実施形態では、穴315は、上記のように、入口方向から見た場合に通常円形である。穴の輪郭は、それに代えて、正方形、長方形、八角形、六角形、他の任意の多角形、あるいはだ円形または直線もしくはエッジを有する、もしくは有さない他のアーチ形もしくは湾曲形状などの任意の形状とすることができる。他の実施形態では、穴315は、ほぼ直線の側面を有するとされるが、穴315の内側は、中心軸CAに対して、段付き、リブ付き、曲線、角度をなす斜面などとすることができる。言い換えると、一部の実施形態では、穴の輪郭は中心軸CAに沿って変化する。さらなる実施形態では、穴315は、開口からその端部の近くまで、全体的に均一な穴幅Bを有するとされるが、開口は、穴315の残りの部分よりも大きいか、または小さい幅を有することができる。穴315の側面はまた、凹面、凸面、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる。
【0053】
図4は、一実施形態による、おもり部材401a〜401e(全体として、おもり部材401と表す)のキット400を示している。おもり部材401は、図1および図1aに
示すおもりポート103に取り付けるのに適している。各おもり部材401は、必須のヘッド405a〜405e(全体として、ヘッド405と表す)を有する。各おもり部材401は、ヘッド405から延び、上記のおもりポート103の内径と実質的に等しい外径とされる必須のシャフト411a〜411e(全体として、シャフト411と表す)を有する。シャフト411はまた、外径が互いに実質的に等しい。再度、用語「実質的に」は、おもり部材が、ねじの切られたおもりポート103に隙間なく、かつ取り外し可能に固定され得るシャフト径の許容公差の範囲に関係する。
【0054】
様々な実施形態では、キット400は、キット300に関連して上記に説明した実施形態と同様な態様で構成されるが、キット400は、特に、平坦な端部を有する穴を示している。おもり部材401は、例えば、おもり部材401a、401c、401dから特定の質量を取り除く穴415a、穴415c、または穴415d(全体として、穴415と表す)を有する。図示するように、穴415はねじがなく、少なくとも2つは、対応するおもり部材401から取り除かれた質量が、他のおもり部材401の任意のものと異なるように、互いに深さが異なる。実施形態では、穴415は、穴415内に取り付けられるように構成されたさらなる部材(図示せず)を収容するためにねじを切ることができる。さらなる部材は、別のおもり部材、消振ダンパなどのいずれかとすることができる。穴の内部にねじを切る代わりとして、さらなる部材を収容するために、ポップイン(pop−in)ソケット連結を穴415内に構成することができる。
【0055】
他の実施形態では、穴415は互いに直径が異なり、同じか、または異なる深さとすることができる。穴415は単一の穴として図示されているが、さらなる実施形態では、代替案として、おもり部材401は複数の穴415を有する。穴深さは、特定の実施形態では、シャフト411のシャフト長さ(L−h)より長くても、短くても、または同じでもよい。言い換えると、穴深さは、ヘッド405内に延びてもよい。
【0056】
様々な実施形態では、キット400は、それぞれが異なる値の穴深さを有する少なくとも2つのおもり部材401を含み、各おもり部材401の穴深さ間の差の絶対値は、例えば、0.50mm以上である。別の実施形態では、穴深さ間の差の絶対値は1.00mm以上である。さらなる実施形態では、穴深さ間の差の絶対値は1.50mm以上である。
【0057】
あるいは、おもり部材は、質量を取り除く穴415を有さなくてもよくて、むしろ、おもり部材401b、401eなどのおもり部材は中実である。
【0058】
上記の実施形態を組み合わせて、おもり部材401の質量に影響を及ぼす任意の数量の変形品を作ることができる。さらに、おもり部材401は、同じタイプの変形品または変形品の組み合わせを基本として、異なる質量を有してよいし、または有さなくてもよい。
【0059】
図5は、一実施形態による、おもり部材501a〜501e(全体として、おもり部材501と表す)のキット500を示している。おもり部材501は、図1および図1aに示すおもりポート103に取り付けるのに適している。各おもり部材501は、必須のヘッド505a〜505e(全体として、ヘッド505と表す)を有する。各おもり部材501は、ヘッド505から延び、上記のおもりポート103の内径と実質的に等しい外径とされる必須のシャフト511a〜511e(全体として、シャフト511と表す)を有する。シャフト511はまた、外径が互いに実質的に等しい。再度、用語「実質的に」は、おもり部材が、ねじを切られたおもりポート103に隙間なく、かつ取り外し可能に固定され得るシャフト径の許容公差の範囲に関係する。
【0060】
様々な実施形態では、キット500は、キット300に関連して上記に説明したものと同じ特徴を多数有するが、キット500は、特に、平坦な端部を有し、おもり部材501
の底面519ではなくて、ヘッド505から延びる穴を示している。特に、おもり部材501は、それぞれが、例えば、おもり部材501a、501c、501dから特定の質量を取り除く穴515a、穴515c、または穴515d(全体として、穴515と表す)を有する。図示するように、穴515はねじがなく、すべての穴は、おもり部材501の1つから取り除かれた質量が、少なくとも1つの他のおもり部材501と異なるように、互いに深さが異なる。実施形態では、穴515は、穴515内に取り付けられるように構成されたさらなる部材(図示せず)を収容するためにねじを切ることができる。さらなる部材は、別のおもり部材、消振ダンパなどのいずれかとすることができる。穴の内部にねじを切る代わりとして、さらなる部材を収容するために、ポップイン(pop−in)ソケット連結を穴515内に構成することができる。
【0061】
他の実施形態では、穴515は互いに直径が異なり、同じか、または異なる深さとすることができる。穴515は単一の穴として図示されているが、さらなる実施形態では、代替案として、任意のおもり部材501は複数の穴515を有する。穴深さは、特定の実施形態では、ヘッド505のヘッド長さより長くても、短くても、または同じでもよい。言い換えると、一部の実施形態の、およびおもり部材501の少なくとも1つ用の穴深さはシャフト511内に延びる。
【0062】
様々な実施形態では、キット500は、それぞれが異なる値の穴深さを有する少なくとも2つのおもり部材501を含み、少なくとも2つのおもり部材501の穴深さ間の差の絶対値は、例えば、0.50mm以上である。別の実施形態では、穴深さ間の差の絶対値は1.00mm以上である。さらなる実施形態では、穴深さ間の差の絶対値は1.50mm以上である。あるいは、おもり部材は、質量を除去する穴515を有さなくてもよくて、むしろ、おもり部材501b、501eなどのおもり部材は中実である。上記の実施形態を組み合わせて、おもり部材501の質量に影響を及ぼす任意の数量の変形品を作ることができる。さらに、おもり部材501は、同じタイプの変形品または変形品の組み合わせを基本として、異なる質量を有してよいし、または有さなくてもよい。
【0063】
図6は、上記の実施形態のいずれかによる、ゴルフクラブ、例えば、ゴルフクラブ100のおもりポートに取り外し可能に、かつ交換可能に取り付くおもりのキットを製造する方法600の流れ図を示している。方法600は、それらに限定するものではないが、旋削、フライス削り、鋳造、型成形などの任意の製造工程を使用して実施することができる。方法600は、第1のヘッドと、第1のヘッドに結合された第1のシャフトとを有する第1の中間物本体を形成することで、第1のおもりが用意されるステップ601で始まる。方法600は、第1の中間物本体から第1の質量を除去して第1の内部穴を形成するステップ603に進む。この材料除去工程は、一部の実施形態では、フライス削り工程を含む。他の実施形態では、材料除去工程は、ドリルによる穴あけ工程などを含む。次いで、ステップ605で、第1の外側ねじ面を第1のシャフトに形成する。
【0064】
次に、ステップ607で、第2のヘッドと第2のヘッドに結合された第2のシャフトとを有する第2の中間物本体を形成することで、第2のおもりを用意する。方法600は、第2の中間物本体から第2の質量を除去して第2の内部穴を形成するステップ609に進み、第2の質量は第1の質量と異なる。この材料除去工程は、一部の実施形態では、フライス削り工程を含む。他の実施形態では、材料除去工程は、ドリルによる穴あけ工程などを含む。次いで、ステップ611で、第2の外側ねじ面を第2のシャフトに形成する。一部の実施形態では、さらなる工程が追加される。例えば、第1および第2のおもり部材のいずれも、鍛造、加工硬化、熱処理、コーティング、めっき、陽極酸化処理、媒体ブラスト、塗装、ピーニング、レーザピーニング、および/または化学エッチングの各工程にかけることができる。さらに、一部の実施形態では、上記の工程の相対的順番が変わる。例えば、一部の実施形態では、第2のおもり部材は、第1のおもり部材の前に形成される。
同様に、一部の実施形態では、第1のおもり部材を形成する工程と第2のおもり部材を形成する工程のいずれか、または両方に対して、穴を形成するステップの前に外側ねじを形成するステップが行われる。
【0065】
本発明が、現時点でのその好ましい態様に関連して説明されたが、次に続く添付の特許請求の範囲に記載される場合を除いて、前述のものに限定されることを意図しない本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、多数の変更、修正、および等価物での代用が可能であると当業者には分かるであろう。
【符号の説明】
【0066】
100 ゴルフクラブヘッド
101 おもり部材
103 おもりポート
105 ヘッド
107 工具嵌合ポート(またはソケット)
111 シャフト
113 ねじ山
301、401、501 おもり部材
305、405、505 ヘッド
311、411、511 シャフト
313、413、513 ねじ山
315、415、515 穴
317 端面
319 シャフト端面
321 ヘッド面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブヘッドのおもりポートに取り外し可能に取り付くおもり部材であって、
締結工具の一部を動作可能に受け入れる工具嵌合ポートを有するヘッドと、
前記ヘッドに結合され、端面で終端し、ねじの切られた外側面と、前記端面から延びるねじの切られていない内部穴とを有するシャフトと、
を含むおもり部材。
【請求項2】
前記ヘッドは第1の直径をさらに含み、前記シャフトは第2の直径をさらに含み、前記第1の直径は前記第2の直径以上である、請求項1に記載のおもり部材。
【請求項3】
前記ねじの切られた外側面は3つ以上のねじ山を含む、請求項1に記載のおもり部材。
【請求項4】
ステンレス鋼、チタン、ニッケル、タングステン、およびポリマーからなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載のおもり部材。
【請求項5】
10mm以上の全長をさらに含む、請求項1に記載のおもり部材。
【請求項6】
前記全長は15mm以上である、請求項5に記載のおもり部材。
【請求項7】
8g以下の質量をさらに含む、請求項1に記載のおもり部材。
【請求項8】
前記シャフトはシャフト長さをさらに含み、前記内部穴は内部穴深さを含み、前記内部穴深さの前記シャフト長さに対する比率は0.15以上である、請求項1に記載のおもり部材。
【請求項9】
請求項1に記載のおもり部材と、
前記おもり部材を取り外し可能に固定するのに適した、ねじの切られた凹部を有するおもりポートを含むゴルフクラブヘッドと、
を含むキット。
【請求項10】
ゴルフクラブヘッドのおもりポートに取り外し可能に、かつ交換可能に取り付くおもりのキットであって、
第1のヘッド径および第1のヘッド端面を有する第1のヘッドと、
前記第1のヘッド端面と反対側の第1のシャフト端面、第1のシャフト径、および第1のシャフト長さを有する第1のシャフトと、
前記第1のヘッド端面および前記第1のシャフト端面の一方から延び、第1の内部穴深さを有する第1の内部穴と、
を含む第1のおもりと、
第2のヘッド径および第2のヘッド端面を有する第2のヘッドと、
前記第2のヘッド端面と反対側の第2のシャフト端面と、前記第1のシャフト径に実質的に等しい第2のシャフト径と、第2のシャフト長さとを有する第2のシャフトと、
前記第2のヘッド端面および前記第2のシャフト端面の一方から延び、前記第1の内部穴深さとは異なる第2の内部穴深さを有する第2の内部穴と、
を含む第2のおもりと、
を含むキット。
【請求項11】
前記第1のヘッド径が、前記第1のシャフト径以上である、および
前記第2のヘッド径が、前記第2のシャフト径以上である、
のうちの少なくとも一方の態様を含む、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
前記第1のシャフトが、第1のねじの切られた外側面をさらに含む、および
前記第2のシャフトが、第2のねじの切られた外側面をさらに含む、
のうちの少なくとも一方の態様を含む、請求項10に記載のキット。
【請求項13】
前記第1のおもりおよび前記第2のおもりのそれぞれは、ステンレス鋼、チタン、ニッケル、タングステン、およびポリマーからなる群から選択される材料を含む、請求項10に記載のキット。
【請求項14】
前記第1のおもりは第1の密度を有し、前記第2のおもりは、前記第1の密度と異なる第2の密度を含む、請求項10に記載のキット。
【請求項15】
前記第1の内部穴深さと前記第2の内部穴深さとの間の絶対差は、0.50mm以上である、請求項10に記載のキット。
【請求項16】
前記第1の内部穴深さと前記第2の内部穴深さとの間の絶対差は、1.00mm以上である、請求項15に記載のキット。
【請求項17】
前記第1のシャフト長さは、前記第2のシャフト長さに実質的に等しい、請求項10に記載のキット。
【請求項18】
前記第1の内部穴および前記第2の内部穴の少なくとも一方はねじが切られていない、請求項10に記載のキット。
【請求項19】
前記第1の内部穴が、前記第1のシャフト端面から延びる、および
前記第2の内部穴が、前記第2のシャフト端面から延びる、
のうちの少なくとも一方の態様を含む、請求項10に記載のキット。
【請求項20】
前記第1の内部穴深さが、前記第1のシャフト長さを超える、および
前記第2の内部穴深さが、前記第2のシャフト長さを超える、
のうちの少なくとも一方の態様を含む、請求項10に記載のキット。
【請求項21】
前記第1の内部穴深さが、前記第1のシャフト長さを超える、および
前記第2の内部穴深さが、前記第2のシャフト長さを超える、
のうちの一方のみの態様を含む、請求項20に記載のキット。
【請求項22】
請求項10に記載のおもりのキットと、
各前記おもりを取り外し可能に、かつ交換可能に固定するのに適した、ねじの切られた凹部を有する少なくとも1つのおもりポートを含むゴルフクラブヘッドと、
を含むキット。
【請求項23】
ゴルフクラブヘッドのおもりポートに取り外し可能に、かつ交換可能に取り付くおもりのキットであって、
第1のヘッド端面を有する第1のヘッドと、
前記第1のヘッド端面と反対側の第1のシャフト端面、第1のシャフト径、および第1のシャフト長さを有する第1のシャフトと、
前記第1のヘッド端面および前記第1のシャフト端面の少なくとも一方から延びる内部穴と、
第1の全長と、
第1の質量と、
を含む第1のおもりと、
第2のヘッドと、
前記第1のシャフト径に実質的に等しい第2のシャフト径と、第2のシャフト長さとを有する第2のシャフトと、
第2の全長と
第2の質量と、
を含み、
前記第1の全長の前記第2の全長に対する第1の比率が0.85以上であり、
前記第1の質量の前記第2の質量に対する第2の比率が0.50以下である、
キット。
【請求項24】
前記第1のおもりは第1の密度を含み、前記第2のおもりは、前記第1の密度を超える第2の密度を含む、請求項23に記載のキット。
【請求項25】
前記第1の密度の前記第2の密度に対する第3の比率は、約0.25〜約0.75である、請求項24に記載のキット。
【請求項26】
前記第2のシャフトは、その長さ全体にわたって、断面が中実である、請求項23に記載のキット。
【請求項27】
前記内部穴は、3mm以上の穴深さを含む、請求項23に記載のキット。
【請求項28】
請求項23に記載のおもりのキットと、
各前記おもりを取り外し可能に、かつ交換可能に固定するのに適した、ねじの切られた凹部を有する少なくとも1つのおもりポートを含むゴルフクラブヘッドと、
を含むキット。
【請求項29】
ゴルフクラブヘッドのおもりポートに取り外し可能に、かつ交換可能に取り付くおもりのキットを製造する方法であって、
第1のヘッドと前記第1のヘッドに結合された第1のシャフトとを有する第1の中間物本体を形成し、前記第1の中間物本体から第1の質量を除去して第1の内部穴を形成することで、第1のおもりを用意することと、
第2のヘッドと前記第2のヘッドに結合された第2のシャフトとを有する第2の中間物本体を形成し、前記第2の中間物本体から前記第1の質量と異なる第2の質量を除去して第2の内部穴を形成することで、第2のおもりを用意することと、
を含む方法において、
前記第1のおもりは、第1のシャフト長さおよび第1のシャフト径を含み、
前記第2のおもりは、第2のシャフト長さと、前記第1のシャフト径に実質的に等しい第2のシャフト径とを含む、方法。
【請求項30】
前記第1のシャフト長さは、前記第2のシャフト長さに実質的に等しい、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1のシャフト長さは、前記第2のシャフト長さと異なる、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
第1のおもりを用意するステップが、前記第1のシャフトに第1の外側ねじ面を形成することをさらに含む、および
第2のおもりを用意するステップが、前記第2のシャフトに第2の外側ねじ面を形成することをさらに含む、
のうちの少なくとも一方の態様を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記第1のおもりは、第1の最終的な質量を含み、前記第2のおもりは、前記第1の最終的な質量を少なくとも1gだけ超える第2の最終的な質量を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記第2の最終的な質量は、前記第1の最終的な質量を少なくとも3gだけ超える、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第1のおもりは、第1の材料組成を含み、前記第2のおもりは、前記第1の材料組成と異なる第2の材料組成を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の内部穴および前記第2の内部穴の少なくとも一方はねじが切られていない、請求項29に記載の方法。
【請求項37】
前記第1のおもりは、第1のシャフト端面をさらに含み、前記第2のおもりは、第2のシャフト端面をさらに含み、
以下の態様、
前記第1の内部穴が、前記第1のシャフト端面から延びる、および
前記第2の内部穴が、前記第2のシャフト端面から延びる、
のうちの少なくとも一方を含む、請求項29に記載の方法。

【図1】
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【図1a】
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【図2】
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【図3】
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【図3a】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−43091(P2013−43091A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−183414(P2012−183414)
【出願日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【出願人】(504017809)ダンロップスポーツ株式会社 (701)
【Fターム(参考)】