説明

ゴルフシューズ

【目的】 本考案は、プレイヤーが意識しなくても両膝を絞る姿勢になるゴルフシューズを提供するものである。
【構成】 左足のゴルフシューズ(10)の足覆部(14)の下部にはゴム等の材料で形成された底部(16)が固定されている。この底部(16)の下端の傾斜面(18)はゴルフシューズ(10)の内側から外側に行くに従って前記足覆部(14)と離間する方向に傾斜している。前記底部(16)の傾斜面(18)の左足のゴルフシューズ(10)の内側部には寸法の長いスパイクピン(20)が間隔をおいて複数植設されている。また、前記底部(16)の傾斜面(18)の左足のゴルフシューズ(10)の外側部には寸法の短いスパイクピン(22)が間隔をおいて複数植設されている。前記スパイクピン(20)の先端面(20A)と前記スパイクピン(22)の先端面(22A)とは同じ位置に位置するようになっている。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、主にゴルフをプレイする場合に用いられるゴルフシューズに関する。
【0002】
【従来の技術】
図7に示すように、従来のゴルフシューズ(1)の底部形状は、底面が扁平な底部(2)に複数のピン(3)を植設しただけのものである。
ところで、例えば右利きのプレイヤーがゴルフクラブを理想的にスイングするためには、まず左の膝と右の膝を絞って、バックスイング時に右膝が流れるのを阻止し、インパクト時に右足を蹴って、フォロースロー時に左膝で壁を作る必要がある。
しかし、従来のゴルフシューズ(1)は前述したように底部(2)は扁平形状であるため、プレイヤーは意識して両膝を絞るようにしている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、上記不具合を解消すべく考案されたものであり、プレイヤーが意識しなくても両膝を絞る姿勢になるゴルフシューズを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の考案は、足を覆う足覆部と、この足覆部に連設された底部と、この底部の下面に靴の幅方向内側部から外側部に向かうに従って前記足覆体と離間するように形成された傾斜面と、この傾斜面に先端面の位置が同じ高さになるように植設されたピンと、を有してなることを特徴としている。
請求項2記載の考案は、足を覆う足覆部と、この足覆部に連設された底部と、この底部に突設されると共に靴の幅方向内側部から外側部に向かうに従って前記足覆体と離間するように傾斜した傾斜面を設けてなるピン支持体と、このピン支持体に先端面の位置が同じ高さになるように植設されたピンと、を有してなることを特徴としている。
【0005】
【作用】
請求項1の考案は、左足のゴルフシューズと右足のゴルフシューズの底部の傾斜面はゴルフシューズの内側から外側に行くに従って前記足覆部と離間する方向に傾斜している。このため、バックスイング時に右足のゴルフシューズの傾斜面は全域で芝面に当接するので右膝が流れることなくバックスイングできる。そして、インパクト時においては右足で蹴り易いのでゴルフクラブのスイングを強くすることができる。また、フォロースロー時においては左足のゴルフシューズの傾斜面は全域で芝面に当接しているので左足で壁を作り易い。
従って、プレイヤーが意識しなくても意識した時と同じような姿勢でゴルフクラブをスイングすることができる。
請求項2の考案は、左足のゴルフシューズと右足のゴルフシューズのピン支持体の先端面とピン支持体の先端面はゴルフシューズの内側から外側に行くに従って前記足覆部と離間する方向に傾斜しているので、前記ピン支持体の先端面とピン支持体の先端面は全域で芝面に当接する。このため、バックスイング時に右足のゴルフシューズのピン支持体の先端面は全域で芝面に当接するので右足が流れることなくバックスイングできる。そして、インパクト時においては右足で蹴り易いのでゴルフクラブのスイングを強くすることができる。また、フォロースロー時においては左足のゴルフシューズのピン支持体の先端面は全域で芝面に当接しているので左膝で壁を作り易い。
従って、プレイヤーが意識しなくても意識した時と同じような姿勢でゴルフクラブをスイングすることができる。
【0006】
【第1実施例】
図1乃至図3には本考案に係るゴルフシューズの第1実施例が示されている。
図1には左足のゴルフシューズ(10)が、図3には右足のゴルフシューズ(12)が、それぞれ背面図で示されている。なお、左足のゴルフシューズ(10)と右足のゴルフシューズ(12)とは同一構成であるので、構成の説明は左足のゴルフシューズ(10)を説明し、右足のゴルフシューズ(12)の構成の説明は省略する。
図1に示すように、前記左足のゴルフシューズ(10)の天然皮革や合成皮革等の適宜材料で形成された足覆部(14)の下部にはゴム等の材料で形成された底部(16)が固定されている。この底部(16)の下端の傾斜面(18)はゴルフシューズ(10)の内側から外側(図1右側から左側)に行くに従って前記足覆部(14)と離間する方向(図1下方向)に傾斜している。
図1及び図2に示すように前記底部(16)の傾斜面(18)の左足のゴルフシューズ(10)の内側部には寸法の長いスパイクピン(20)が間隔をおいて複数植設されている。また、前記底部(16)の傾斜面(18)の左足のゴルフシューズ(10)の外側部には寸法の短いスパイクピン(22)が間隔をおいて複数植設されている。図1に示すように、前記スパイクピン(20)の先端面(20A)と前記スパイクピン(22)の先端面(22A)とは同じ位置に位置するようになっている。
【0007】
次に、第1実施例の作用について説明する。
ゴルフシューズ(10),(12)を履いてゴルフクラブをスイングする場合、左足のゴルフシューズ(10)と右足のゴルフシューズ(12)の底部(16)の傾斜面(18)はゴルフシューズ(10)の内側から外側に行くに従って前記足覆部(14)と離間する方向に傾斜している。このため、バックスイング時に右足のゴルフシューズ(12)の傾斜面(18)は全域で芝面に当接するので右足が流れることなくバックスイングできる。そして、インパクト時においては右足で蹴り易いのでゴルフクラブのスイングを強くすることができる。また、フォロースロー時においては左足のゴルフシューズ(10)の傾斜面(18)は全域で芝面に当接しているので左足で壁を作り易い。
従って、プレイヤーが意識しなくても意識した時と同じような姿勢でゴルフクラブをスイングすることができる。
なお、ゴルフコースを歩いている場合は同じ高さに位置している前記スパイクピン(20)の先端面(20A)と前記スパイクピン(22)の先端面(22A)が芝面に当接するので歩きにくいということもない。
【0008】
【第2実施例】
図4乃至図6には本考案に係るゴルフシューズの第2実施例が示されている。
なお、第1実施例と同一の構成は同一の符号を用いて、その説明を省略する。
図4には左足のゴルフシューズ(30)が、図6には右足のゴルフシューズ(32)が、それぞれ背面図で示されている。なお、左足のゴルフシューズ(30)と右足のゴルフシューズ(32)とは同一構成であるので、構成の説明は左足のゴルフシューズ(30)を説明し、右足のゴルフシューズ(32)の構成の説明は省略する。
左足のゴルフシューズ(30)の足覆部(14)の下部にはゴム等の適宜材料で形成された底部(36)が固定されている。この底部(36)の下端面(38)は扁平形状に形成されている。
図5に示すように前記底部(36)の下端面(38)の左足のゴルフシューズ(10)の内側部には寸法の短いピン支持体(40)が間隔をおいて複数突設されている。このピン支持体(40)の先端面(40A)はゴルフシューズ(30)の内側から外側(図4右側から左側)に行くに従って前記足覆部(14)と離間する方向(図4下方向)に傾斜している。
また、前記底部(36)の下端面(38)の左足のゴルフシューズ(10)の外側部には寸法の長いピン支持体(42)が間隔をおいて複数突設されている。
このピン支持体(42)の先端面(42A)はゴルフシューズ(30)の内側から外側(図4右側から左側)に行くに従って前記足覆部(14)と離間する方向(図4下方向)に傾斜している。
図5に示すように、前記ピン支持体(40)の先端面(40A)と前記ピン支持体(42)の先端面(42A)は比較的面積の大きい円形に形成されている。
従って、前記先端面(40A),(42A)は安定して芝面に当接できるようになっている。
図4に示すように、前記ピン支持体(40)の先端面(40A)には寸法の長いスパイクピン(44)が植設されている。また、ピン支持体(42)の先端面(42A)には寸法の短いスパイクピン(46)が植設されている。前記スパイクピン(44)の先端面(44A)と前記スパイクピン(46)の先端面(46A)とは同じ位置に位置するようになっている。
【0009】
次に、第2実施例の作用について説明する。
ゴルフシューズ(30),(22)を履いてゴルフクラブをスイングする場合、左足のゴルフシューズ(30)と右足のゴルフシューズ(32)のピン支持体(40)の先端面(40A)とピン支持体(42)の先端面(42A)はゴルフシューズ(30)の内側から外側に行くに従って前記足覆部(14)と離間する方向に傾斜しているので、前記ピン支持体(40)の先端面(40A)とピン支持体(42)の先端面(42A)は全域で芝面に当接する。このため、バックスイング時に右足のゴルフシューズ(32)のピン支持体(42)の先端面(42A)は全域で芝面に当接するので右膝が流れることなくバックスイングできる。
そして、インパクト時においては右足で蹴り易いのでゴルフクラブのスイングを強くすることができる。また、フォロースロー時においては左足のゴルフシューズ(30)のピン支持体(40)の先端面(40A)は全域で芝面に当接しているので左膝で壁を作り易い。
従って、プレイヤーが意識しなくても意識した時と同じような姿勢でゴルフクラブをスイングすることができる。
なお、ゴルフコースを歩いている場合は同じ高さに位置している前記スパイクピン(44)の先端面(44A)と前記スパイクピン(46)の先端面(46A)が芝面に当接するので歩きにくいということもない。
なお、他の作用は第1実施例と同一であるので、その説明は省略する。
【0010】
【考案の効果】
以上説明したように本考案に係るゴルフシューズは、プレイヤーが意識しなくても意識した時の姿勢に強制的に矯正されるので理想的なフォームでゴルフクラブをスイングすることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る第1実施例の左足のゴルフシューズの背面図である。
【図2】本考案に係る第1実施例の左足のゴルフシューズの底面図である。
【図3】本考案に係る第1実施例の右足のゴルフシューズの背面図である。
【図4】本考案に係る第2実施例の左足のゴルフシューズの背面図である。
【図5】本考案に係る第2実施例の左足のゴルフシューズの底面図である。
【図6】本考案に係る第2実施例の右足のゴルフシューズの背面図である。
【図7】従来のゴルフシューズの背面図である。
【符号の説明】
(10)・・・左足のゴルフシューズ
(12)・・・右足のゴルフシューズ
(14)・・・足覆部
(16)・・・底部
(18)・・・傾斜面
(20)・・・スパイクピン
(22)・・・スパイクピン
(30)・・・左足のゴルフシューズ
(32)・・・右足のゴルフシューズ
(40)・・・ピン支持体
(42)・・・ピン支持体
(44)・・・スパイクピン
(46)・・・スパイクピン

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 足を覆う足覆部と、この足覆部に連設された底部と、この底部の下面に靴の幅方向内側部から外側部に向かうに従って前記足覆体と離間するように形成された傾斜面と、この傾斜面に先端面の位置が同じ高さになるように植設されたピンと、を有してなることを特徴とするゴルフシューズ。
【請求項2】 足を覆う足覆部と、この足覆部に連設された底部と、この底部に突設されると共に靴の幅方向内側部から外側部に向かうに従って前記足覆体と離間するように傾斜した傾斜面を設けてなるピン支持体と、このピン支持体に先端面の位置が同じ高さになるように植設されたピンと、を有してなることを特徴とするゴルフシューズ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【登録番号】第3007993号
【登録日】平成6年(1994)12月7日
【発行日】平成7年(1995)2月28日
【考案の名称】ゴルフシューズ
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平6−11387
【出願日】平成6年(1994)8月19日
【出願人】(594153649)