説明

サンダ

【課題】狭いスペースや隅部の研磨作業ができ、研磨紙の材料取り時の無駄を無くすことにより、安価な研磨紙を有するサンダを提供する。
【解決手段】モータと、モータを収容するハウジングと、モータの動力が伝達されるベースと、を有するサンダにおいて、ベース及び該ベースに着脱自在の研磨紙7の形状を長方形と二等辺三角形を合わせた五角形としたことを特徴とする。また、研磨紙の形状を長方形とし、長方形と二等辺三角形、直角三角形が切り離し可能なように、ミシン目7a,7b,7cを3か所設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体に内蔵されたモーターの回転運動を偏心機構を介してベースを直行状に連結し、ベースの底面に取付けらた研磨紙によって被研磨材の表面を研磨するオービタルサンダ等のサンダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のサンダは、狭いスペースや隅部の研磨作業が行なえるようにベースおよび研磨紙の形状は、三角形あるいは、五角形に似た形のものが多く採用されている。
【0003】
しかし、従来の研磨紙は、図4、5に示すとおり、角部がR形状であったり、各頂点を結ぶ線が大きなR形状となっている。
【0004】
また、上述した研磨紙の形状の他に四角形の形状のものもあるが、隅部の深さによっては、研磨作業が困難であり、一般的に狭いスペースや隅部の研磨作業には使用しない。
【0005】
【特許文献1】特開平7−136919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のサンダを使用しての作業に用いられる研磨紙7は、図4、5に示すとおり、角部がR形状であったり、各頂点を結ぶ線が大きなR形状となっているため、研磨紙7の材料取り時の歩留まりが悪く、研磨紙7の廃棄部7dが出てくるため、無駄になっていた。研磨紙7の価格は、この廃棄部7dも含むため、高額となってしまう。
【0007】
また、研磨紙7の形状が四角形のものは、隅部の深さによっては、研磨作業が困難であり、一般的に狭いスペースや隅部の研磨作業には使用できない。
【0008】
本発明の目的は,上記した従来技術の問題を解消し、狭いスペースや隅部の研磨作業ができ、研磨紙7の材料取り時の無駄を無くすことにより、安価な研磨紙7を有するサンダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明は、モータと、モータを収容するハウジングと、モータの動力が伝達されるベースと、を有するサンダにおいて、ベース及びベースに着脱自在の研磨紙の形状を長方形と二等辺三角形を合わせた五角形としたことを特徴とする。
【0010】
また、研磨紙の形状を長方形とし、長方形と二等辺三角形、直角三角形が切り離し可能なように、ミシン目を3か所設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば,ベースおよび研磨紙の形状を長方形と二等辺三角形を合わせた五角形としたので、狭いスペースや隅部の研磨作業ができ、研磨紙の材料取り時の歩留まりが良く、研磨紙の廃棄部を最小限にすることができ、廃棄部を最小限にする事により、研磨紙の価格を安価とすることができる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、研磨紙の交換作業を容易に行うことができ作業効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施形態を図1、図2により説明する。図1は本発明の実施形態を示すサンダの要部断面図、図2は本発明の実施形態を示す研磨紙の平面図である。
【0014】
図1において、ハウジング1内には、モーター2が内臓され、モーター2のモーター軸2aには、バランスファン3が固定されている。バランスファン3には、モーター軸2aと偏心した位置にボールベアリング4が軸支され、ボールベアリング4の外周には、ベース5が回転自在に軸支されている。また、ベース5の上端には、複数のレッグ8が垂直に固定され、レッグ8の上端は、ハウジング1に固定されることで、ベース5は、ハウジング1の下方に支持される。
【0015】
ベース5の底面には、ベース5と同形状のパット6が貼り付けられ、パッド6の底面には、研磨紙7が貼り付けられている。なお、研磨紙7はベースに着脱自在である。
【0016】
モーター軸2aの回転により、バランスファン3が回転し、偏心した位置にあるボールベアリング4が偏心回転し、ベース5が円軌道運動(オービタル運動)し、ベース5の底面に設けた研磨紙7により、被研磨材を研磨する。
【0017】
次に、本発明の詳細について図3を用いて説明する。なお、研磨紙7とベース5の形状は基本的に同一であるため、ベース5の形状に関しての説明は省略し研磨紙7の形状についてのみ説明する。
【0018】
研磨紙7の形状は長方形で、L1とL2が同じ長さになるようにミシン目7a、7bが設けれれている。
【0019】
通常、研磨作業をする際は、ミシン目7a、7bに沿って研磨紙7を切断し、長方形と二等辺三角形を合わせた五画形とし、パッド6に貼付け研磨作業を行なう。
【0020】
通常、狭いスペース、あるいは隅部の研磨を行なうと、研磨紙7の三角の先端が先に磨耗しやすい。このため、通常は研磨紙7の二等辺三角形の部分を交換する必要がある。なお、長方形の部分は二等辺三角形の部分と比べると摩耗し難いので交換の頻度は低くなる。
【0021】
本考案では更に、研磨紙7の長方形と二等辺三角形を合わせた所にミシン目7cを設け、三角部を剥がし、研磨紙7のミシン目7a、7bで切断した部分を貼り付けることにより、無駄な研磨紙7がなくなる。
【0022】
また、研磨紙7を長方形とすることで、大きな研磨紙7の素材から無駄なく研磨紙7を取る事ができ、歩留まりも良く、強いては価格も安くすることができる。
【0023】
また、ミシン目7a、7b、7cを設けたことにより、研磨紙の交換作業を容易に行うことができ作業効率を向上させることができる。
【0024】
研磨紙7の材料取りの形状を、最初から長方形と二等辺三角形を合わせた五画形としても、破棄する部分が少なくなるのは、一目瞭然である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態を示すサンダの要部断面図である。
【図2】本発明の実施形態を示す図1のA方向矢視図
【図3】本発明の実施形態を示す研磨紙の平面図。
【図4】従来の実施形態を示す研磨紙の平面図。
【図5】従来の実施形態を示す研磨紙の平面図。
【符号の説明】
【0026】
1…ハウジング、2…モーター、2a…モーター軸、3…バランスファン、4…ボールベアリング、5…ベース、6…パッド、7…研磨紙、7a、7b、7c…ミシン目、7d…破棄部、8…レッグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
該モータを収容するハウジングと、
該モータの動力が伝達されるベースと、
を有するサンダにおいて、
該ベース及び該ベースに着脱自在の研磨紙の形状を長方形と二等辺三角形を合わせた五角形としたことを特徴とするサンダ。
【請求項2】
該研磨紙の形状を長方形とし、長方形と二等辺三角形、直角三角形が切り離し可能なように、ミシン目を3か所設けたことを特徴とする請求項1記載のサンダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−184039(P2009−184039A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−24455(P2008−24455)
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)
【Fターム(参考)】