説明

シャシー取り付けシステム

【課題】電子部品をシャシーに取り付け、アセンブリの構造的な完全性を増強し、個別の電子部品が大きな構造物内で外れるリスクを低減すること。
【解決手段】取り付けシステム16を介して取り付け表面に連結されるシャシー12を含むアセンブリの取り付けシステム16は、ボルト22、ダッシュポット、およびバネ26を含む。ダッシュポットおよびバネ26は、取り付け表面からシャシー12へ伝達される振動力を減少させるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、取り付け表面にシャシーを取り付けることに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]いくつかの用途において、中央処理装置(CPU)、特定用途集積回路(ASIC)、現場で書き換え可能な論理回路(FPGA)、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)、メモリユニット、通信インターフェース、および他のタイプの集積回路のような電気的部品に電気的に接続されるプリント配線板は、1つまたはそれ以上のプリント板の堅い骨組を提供することができるシャシーに取り付けることができる。シャシーは、自動車のような大きな構造物に統合することができる。たとえば、シャシーは、車両内に1つまたはそれ以上のプリント板を配置するために、車両内の表面に取り付けることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
いくつかの例において、大きな構造物にシャシーを取り付ける前に、電子部品をシャシーに取り付けることは、アセンブリの構造的な完全性を増強し、個別の電子部品が大きな構造物内で外れるリスクを低減することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0003]本開示は、ボルト、ダッシュポット、およびバネを含むアセンブリに関する。アセンブリは、シャシーを取り付け表面に連結するように構成される。シャシーは、たとえば、1つまたはそれ以上のプリント板を収容するように構成することができ、プリント板には、1つまたはそれ以上の電気部品が機械的および/または電気的に接続される。ダッシュポットは、流体で満たされたチャンバおよびフランジを含み、流体で満たされたチャンバは、ボルトに対して移動可能である。流体充填チャンバおよびバネは、ボルトの一部を少なくとも部分的に囲むように構成される。いくつかの例において、シャシーは、チャンバに対して実質的に固定された位置で流体充填チャンバに機械的に連結される。アセンブリの構成は、取り付け表面からシャシーへ伝達される振動力を減少させ、取り付け表面に対するシャシーの減衰運動を助ける。また、本開示は、ボルト、ダッシュポット、およびバネを含むアセンブリを形成する技術に関し、また、アセンブリを介してシャシーを取り付け表面に連結させる技術に関する。
【0005】
[0004]一側面において、本開示は、ボルト、流体充填チャンバ、およびバネを含むアセンブリに関する。流体充填チャンバは、少なくとも部分的に、ボルトの第1部分を囲み、ボルトに対して移動可能である。バネは、少なくとも部分的にボルトの第2部分を囲む。
【0006】
[0005]他の側面において、本開示は、ボルト、ダッシュポット、バネ、およびシャシーを含むアセンブリに関する。ダッシュポットは、流体充填チャンバを含み、流体充填チャンバは、少なくとも部分的にボルトの第1部分を囲む。バネは、少なくとも部分的に、ボルトの第2部分を囲む。シャシーは、流体充填チャンバに連結され、流体充填チャンバおよびシャシーは、ボルトに対して移動可能である。
【0007】
[0006]他の側面において、本開示は、流体充填チャンバを備えるダッシュポットに、ボルトを介してシャシーを機械的に連結させるステップを含む方法に関する。シャシーおよびチャンバは、ボルトに対して移動するように構成され、流体充填チャンバは、少なくとも部分的にボルトの第1部分を囲む。この方法は、バネが少なくとも部分的にボルトの第2部分を囲むように、バネを位置決めするステップを有する。いくつかの例において、この方法はさらに、シャシーを、ボルトを介して取り付け表面に機械的に連結させるステップを有する。
【0008】
[0007]他の側面において、本開示は、シャシーの取り付け表面に対する運動を減衰させるための手段を有するシステムに関する。運動を減衰させる手段は、ダッシュポットおよびバネを有し、ボルトを介して取り付け表面およびシャシーに機械的に連結される。他の側面において、本開示は、シャシーをダッシュポットに機械的に連結させるための手段を有するシステムに関する。ダッシュポットは流体充填チャンバを有し、シャシーおよびチャンバは、シャシーをダッシュポットに機械的に連結させる手段に対して移動するように構成される。
【0009】
[0008]本開示の1つまたはそれ以上の例の詳細は、添付図面および以下の詳細な説明により説明される。本開示の他の特徴、目的、および利点は、以下の説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】シャシーおよびシャシーを取り付け表面に取り付けるための複数の取り付けシステムを含むアセンブリの概略斜視図である。
【図2】シャシーおよび複数の取り付けシステムを含む図1に示されるアセンブリの概略側面図である。
【図3】ボルト、ダッシュポット、およびバネを含む取り付けシステムの概略斜視図である。
【図4】シャシーを取り付け表面に連結する取り付けシステムを含むアセンブリの概略側面図であり、取り付けシステムがボルト、ダッシュポット、およびバネを含む、図である。
【図5】シャシーを取り付け表面に連結させる取り付けシステムを含む、図4に示されるアセンブリの概略断面図である。
【図6A】ボルト、ダッシュポット、およびダッシュポットの両側に位置決めされる2つのバネを含む、代替的な取り付けシステムを示す図である。
【図6B】ボルト、ダッシュポット、およびダッシュポットの両側に位置決めされる2つのバネを含む、代替的な取り付けシステムを示す図である。
【図7】ボルト、ダッシュポット、およびバネを含む取り付けシステムを介して、取り付け表面に連結されるシャシーを含むアセンブリを形成する例示的な技術を示すフローダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0016]いくつかの用途において、1つまたはそれ以上のプリント板(または他の電子的なカード)は、シャシー内に収容され、シャシーが表面に取り付けられる。いくつかの例において、取り付け表面は、振動力にさらされることがあり、これは、取り付け表面とシャシーとの間の界面においてシャシーへ伝達され得る。電子部品は電気的および機械的に、シャシー内に収容されるプリント板に連結され、また、シャシーに機械的に連結された電子部品は振動力に敏感であり、部品の性能および完全性は振動力への露出の結果として妥協することがある。たとえば、振動力は、シャシーおよび関連する電気部品を取り付け表面に対して移動させ、運動の力は、電気部品とプリント板との間の1つまたはそれ以上の電気的接続の破壊を生じさせることがある。
【0012】
[0017]いくつかの例において、1つまたはそれ以上のプリント板を支持するシャシーは、航空機内の表面に取り付けられることがある。航空機は、航空機の運動、たとえば加速の結果として振動力を発生させることがある。たとえば、航空機は、重力に対立して航空機の加速により生じるg力を受けることがある。いくつかの例において、比較的に高いg力は、航空機およびシャシーおよびそれぞれのプリント板のような部品に、応力およびひずみを生じさせることがある。シャシーが取り付けられる航空機または他の車両の運動により発生する応力およびひずみは、機械的にシャシーに連結されるプリント板へ機械的および電気的に接続される電気部品の性能に悪影響を与えることがある。
【0013】
[0018]いくつかの従来の構成において、1つまたはそれ以上のプリント板が取り付けられるシャシーは、たとえばネジまたはボルトのような堅い接続部を介して取り付け表面に直接的に取り付けられることがある。これらの例において、取り付け表面(たとえばシャシーが取り付けられる表面)に作用する機械的な力の実質的に全てが、シャシーおよび電子部品に直接的に伝達される。機械的な力は、振動力を含むことがあり、たとえばg力、これはいくつかの例において、電子部品の性能および完全性を低下させることがあり、また、電子部品とプリント板との間の電気接続の堅牢性を低下させることがある。
【0014】
[0019]他の従来の構成において、シャシーと取り付け表面との間にブッシングが位置決めされるようにシャシーが取り付けられ、シャシーと取り付け表面との間の界面を提供する。ブッシングは、たとえば、取り付け表面からシャシーへ伝達される振動力のいくらかを吸収することができるゴムのような材料から形成されることがある。しかし、ブッシングは、取り付け表面からシャシーへ伝達されるエネルギーの一部だけを散らすことができる。さらに、ブッシングが形成される材料に依存して、ブッシングは、特定の環境因子を悪くすることがあり、たとえば、温度または摩擦力の変化、およびブッシングが受ける力である。
【0015】
[0020]本明細書で説明されるアセンブリは、シャシーおよび取り付けシステムを含み、これは、従来の構成に比べて、シャシー上の振動力の影響を低減させ得る。取り付けシステムは、ボルト、ダッシュポット、およびバネを含む。ダッシュポットは、少なくとも2つの要素を含み、1つは、シャシーを取り付け表面に機械的に接続するボルトの一部を囲み、ボルトに対して移動可能である。バネは、ボルトの他の部分を囲む。シャシーが取り付け表面に連結されるが、取り付け表面から機械的に分離され、ダッシュポットおよびバネの一方または両方を介して取り付け表面を通って伝達される振動力から分離されるように、ボルトを取り付け表面に取り付けることができる。ダッシュポットおよびバネは、取り付け表面からシャシーに伝達される振動力を減衰(消散)させるように構成され、また、シャシーの運動を制限するように構成される。これは、取り付け表面を介してシャシーに伝達される振動力からの、プリント板の電気部品への悪影響を最小化するのに有効であり、また、機械的にシャシーに連結された電気部品の電気接続部への悪影響を最小化するのに有効である。
【0016】
[0021]いくつかの例において、ダッシュポットおよび少なくとも1つのバネは、シャシーの反対側に位置決めされ、他の例においては、ダッシュポットおよび少なくとも1つのバネは、シャシーと同一の側に位置決めされる。いくつかの例において、ダッシュポットおよび/または少なくとも1つのバネは、シャシーと取り付け表面との間に位置決めすることができる。
【0017】
[0022]図1は、4つの取り付けシステム16を介して取り付け表面14に連結されたシャシー12を含むアセンブリ10を図示している。各取り付けシステム16は、ボルト、ダッシュポット、およびバネを含む。図1に示される例において、取り付けシステム16は、取り付け表面14からシャシー12へ伝達される振動力を減少させるように構成される。
【0018】
[0023]図1に示される例において、シャシー12は、1つまたはそれ以上のプリント板を収容し、各プリント板は、1つまたはそれ以上の、たとえば回路部品、中央処理装置(CPU)、特定用途集積回路(ASIC)、現場書き換え可能な論理回路(FPGA)、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)、メモリユニット、通信インターフェース、他のタイプの集積回路などのような電子部品を含む。シャシー12は、実質的にプリント板を囲む、電子部品と外部環境との間の相互作用を最小化するエンクロージャ18を画定する。図1に示される例において、エンクロージャ18は、シャシー12の外側表面により画定される実質的に矩形の区画である。他の例において、エンクロージャ18は、異なる形状の区画とすることができ、たとえば、正方形、円筒形とすることができる。いくつかの例において、エンクロージャ18は、電子部品を部分的にだけ囲むことができる。たとえば、エンクロージャ18は、電子部品の全体は囲まない、電子部品が取り付けられる表面とすることができ、たとえば、エンクロージャ18の1つまたは2つの側面だけに電子部品が接続される。
【0019】
[0024]1つまたはそれ以上のプリント板を支持することに加え、シャシー12は、プリント板に取り付けられる電子部品の、たとえば湿気、汚染物、または他の環境的汚染物、機械的な力などの電子部品に悪影響を与える外部因子への露出を最小化することができる。たとえば、シャシー12は、電子部品を保護することができる特定の材料から形成することができる。いくつかの例において、シャシー12は、剛体のプラスチック、金属、または木材のような実質的に剛体の材料から形成することができる。例として、シャシー12は、シャシー12内に収容される電子部品を、大きな機械的な力のようないくつかの外部因子から保護するために、鋼鉄、アルミニウムのような剛体金属から形成することができる。すなわち、シャシー12は、大きな機械的な力がシャシー12に与えられ得る環境に取り付けることができる。この力から生じるたとえば、曲げ、凹み、引っかき、圧縮、またはシャシー12の破損のような悪影響を最小化するために、シャシー12は、たとえばスチールまたはアルミニウムのような特定の材料から構成することができ、これは、実質的に力を吸収し、シャシー12への力の影響を減少させ、結果的にシャシー12内に収容される電子部品への影響を減少させる。
【0020】
[0025]いくつかの例において、シャシー12は、湿気または汚染物のようなシャシー12が環境要因にさらされる環境に取り付けることができる。これらの例において、シャシー12は、シャシー12およびシャシー12に支持されるプリント板へのこれらの環境要因の影響を最小化する特定の材料で構成することができる。たとえば、シャシー12は、たとえば非腐食性金属またはプラスチックのような非腐食性材料から形成することができる。このようにして、シャシー12は、シャシー12内に収容される電子部品を湿気や汚染物のような外部因子から保護することができる。
【0021】
[0026]さらに、いくつかの例において、プリント板に取り付けられる電子部品の少なくともいくつかは熱を生成し、シャシー12はプリント板から熱の伝達を助けることができる。たとえば、シャシー12とプリント板との間に熱伝導経路が画定されるように、プリント板を機械的にシャシー12に連結させることができる。こうして、熱は、プリント板上の熱を生成する電子機器から取り除かれ、それにより、熱を生成する電子機器を冷却する。さらに、いくつかの例において、熱的な伝導ストラップを、シャシー12と取り付け表面14との間に接続することができ、シャシー12内のプリント板により生成される熱をシャシー12から消散させるのを助ける。いくつかの例において、熱的に伝導性のストラップは、シャシー12および/または取り付け表面14上のひずみを減少させるために可撓性材料から形成することができる。
【0022】
[0027]電子部品のためにハウジングを提供することに加え、シャシー12は、取り付け表面14に取り付けられるように構成される。こうして、シャシー12に収容されるプリント板は、シャシー12を介して取り付け表面14に取り付けることができる。図1に示される例において、シャシー12を取り付け表面14に取り付けるのを容易にするために、シャシー12は取り付けフランジ20を含む。いくつかの例において、取り付けフランジ20は、取り付けシステム16を受け入れ、取り付けシステム16は、シャシー12を取り付け表面14に機械的に連結させる。
【0023】
[0028]図1に示される例において、取り付けフランジ20は、シャシー12の一部であり、シャシー12の底表面から外側に全方向に延びる。シャシー12の底表面は、シャシー12の最も小さなZ軸部を備える表面として画定される。(単に説明を容易にする目的のために、直交するx−y−z軸を図1に示す。)図1に示されるように、取り付けフランジ20は、シャシー12の底表面の周りの実質的に矩形のリムを画定し、各取り付けシステム16は、取り付けフランジ20の4つの角部の1つにおいて取り付けフランジ20に位置決めされる。(図1の斜視図では3つの取り付けシステム16だけが見えるが、アセンブリ10は4つの取り付けシステム16を含むことが理解され、各取り付けシステム16は、取り付けフランジ20の4つの角部の各々1つに位置決めされていることが理解されるであろう。)
[0029]他の例において、取り付けフランジ20は、取り付けシステム16を受け入れる好適な他の構成を備えることができる。たとえば、取り付けフランジ20は、1つまたはそれ以上の別個の部品を含むことができ、シャシー12の1つまたはそれ以上の側部に位置決めすることができる。すなわち、取り付けフランジ20は、シャシー12の底部表面の周りに位置決めされる連続的な構造ではない。代わりに、取り付けフランジ20は、シャシー12の周りの1つまたはそれ以上の別個の側部に位置決めされる、1つまたはそれ以上の別個の延長部20を含むことができる。代替的に、いくつかの例において、シャシー12は取り付けフランジ20を含まず、シャシー12を取り付けシステム16を介して取り付け表面14に連結することができるような他の方法で構成される。
【0024】
[0030]図1に示される例において、取り付けフランジ20およびエンクロージャ18は、シャシー12を画定するように互いに連結される。いくつかの例において、シャシー12は、たとえば型成形により、単一の一体型ユニットとして構成される。他の例において、シャシー12は、2つまたはそれ以上の部分を互いに機械的に連結させることにより形成することができる。たとえば、いくつかの例において、エンクロージャ18および取り付けフランジ20は、別個に形成され、その後、たとえば溶接を介して互いに連結され、この場合、エンクロージャ18および取り付けフランジ20は金属材料または溶接可能な他の材料から形成される。取り付けフランジ20は、シャシー12の、取り付けシステム16を介した取り付け表面14への連結により生じる機械的な力を維持できる材料から形成される。
【0025】
[0031]取り付け表面14は、シャシー12が連結される任意の表面とすることができる。いくつかの例において、取り付け表面14は、剛体材料から形成され、たとえば、剛体プラスチック、金属、または木材から形成される。取り付け表面14は、大きな物体の一部とすることができ、たとば、ビルの壁または航空機や地上車両のような車両内の表面の一部とすることができる。いくつかの例において、取り付け表面14は高い振動力を維持し、振動力は、取り付け表面14が配置される環境内の外部の要因の結果により生じ得る。たとえば、取り付け表面14は、重力に対する航空機の加速の結果としての大きなg力を受ける航空機内の剛体表面とすることができる。航空機により維持される大きなg力は、取り付け表面14のような航空機の部分に与えられる大きな振動力を生じさせる。大きな振動力は、シャシー12のような取り付け表面14に接触する部品に伝達され得る。
【0026】
[0032]いくつかの例において、シャシー12は、振動力に敏感な電子部品を収容する。たとえば、シャシー12は、振動力にさらされるとうまく作動しないセンサまたは他の装置を収容することがある。シャシー12に維持される振動力の量を最小化するために、たとえば取り付け表面14からシャシー12へ伝達される振動力を最小化するために、アセンブリ10は、4つの取り付け表面16を含み、これらはシャシー12を取り付け表面14へ連結させる。各取り付けシステム16は、取り付け表面14からシャシー12へ伝達される振動力の少なくともいくらかを減衰させるように構成される。
【0027】
[0033]図1に示される例において、シャシー12を取り付け表面22に連結させるために、取り付けシステム16は、シャシー12の4つの角部付近に位置決めされる。他の例において、4つの取り付けシステム16より少ない、たとえば1つ、2つ、または3つの取り付けシステム16を、シャシー12を取り付け表面22に連結させるために用いることができ、取り付けシステム16は、シャシー12の(存在するなら)角部付近以外の場所でシャシー12に連結することができる。他の例において、4つ以上の取り付けシステム16、たとえば5個、10個、20個、または30個の取り付けシステムを用いることもできる。
【0028】
[0034]取り付けシステム16は、シャシー12の取り付け表面14への好適な連結を促進するシャシー12の任意の場所の付近に位置決めすることができる。いくつかの例において、取り付けシステムの場所および数は、シャシー12の構成および形状に依存する。すなわち、シャシー12は実質的に矩形形状を画定するように図1に示されているが、他の例において、シャシー12は他の構成を備え、それゆえ、取り付けシステム16は、図1に示されている構成とは異なる構成において位置決めされる。たとえば、シャシー12は、実質的に円筒形の物体を画定し、取り付けフランジ20がシャシー12の底部表面の周りから実質的に円形形状に延びる場合、取り付けシステム16は、シャシー12の外周部の取り付けフランジ20の様々な場所に位置決めすることができる。
【0029】
[0035]各取り付けシステム16は、ボルト、ダッシュポット、およびバネを含む。ボルト、ダッシュポット、およびバネは、協働して取り付け表面14からシャシー12へ伝達される振動力の大きさを減少させるように機能する。ダッシュポットおよびバネは、取り付け表面14により維持される振動力を消散させることができる減衰システムを構成し、これは、シャシー12伝達される振動力を最小化する。各取り付けシステム16は、取り付け表面14からシャシー12を隔離するための隔離システムとして機能する。
【0030】
[0036]図2は、アセンブリ10(図1)の概略側面図を示している。特に、図2は、シャシー12と取り付け表面14との間のインターフェースを示している。シャシー12は、取り付け表面14に取り付けシステム16を介して連結され、各取り付けシステム16は、ボルト22、ダッシュポット、およびバネ26を含む。
【0031】
[0037]図2に示されるように、ボルト22は、ボルト22がシャシー12の取り付けフランジ20を垂直に貫通するように向き決めされる。すなわち、図2における側面図において、取り付けフランジ20はエンクロージャ18からx軸方向に外側に延び、ボルト22は取り付けフランジ20をz軸方向に沿って貫通する。(単に説明を容易にするために直交するx−z軸が図2に示されている。)他の例において、ボルト22はシャシー12の他の部分を貫通してもよく、たとえば、シャシー12を取り付け表面14へ連結させるためにエンクロージャ18の一部を貫通してもよい。
【0032】
[0038]いくつかの例において、ボルト22は、シャシー12を取り付け表面14へ固定するために、取り付け表面14内にねじ込まれるネジ付き部(たとえば図3に示されている)を含む。いくつかの例において、取り付け表面14は、ネジ付き開口部を画定し、ここに、たとえばネジ回しまたはドリルのような器具を用いてボルト22のネジ付き部がねじ込まれる。取り付け表面14は、予め画定された構成の開口部を含むことができ、これはシャシー12上の取り付けシステム16の構成に対応する。たとえば、シャシー12に対する取り付けシステム16の一部は予め決定され、たとえば、取り付けシステム16はシャシー12の4つの角部のそれぞれに位置決めされる。したがって、4つの開口部は、取り付け表面14上で4つの位置に穿孔され、この位置は、シャシー12の4つの角部の各々における取り付けシステム16の位置に対応する。たとえば、取り付け表面14上の開口部の間隔は、シャシー12上の取り付けシステム16の間隔と同等にする。他の例において、取り付けシステム14の開口部は予め画定されず、その代わりに、ボルト22が取り付けシステム14にねじ込まれるときに画定されるようにすることができる。
【0033】
[0039]ボルト22に加えて、各取り付けシステム16は、ダッシュポット24およびバネ26を含む。ダッシュポット24およびバネ26は、取り付け表面14からシャシー12へ伝達される振動力の少なくともいくらかを消散させることができる減衰システムを構成する。ダッシュポット24は線形ダッシュポットとすることができ、これは粘性摩擦を介して運動に抵抗する機械的な装置である。
【0034】
[0040]図2に示されていないが、ダッシュポット24は、粘性流体が充填されたチャンバを含む。粘性流体は、たとえば、粘性ガスまたは粘性液体(たとえばオイル)とすることができる。粘性流体がオイルからなる例において、オイルは、ボルト22に対してダッシュポット24の減衰運動を促進するために、油圧機のオイルに類似する特性を備えるものとすることができる。たとえば、いくつかの例において、オイルは0.8グラム毎立法センチメートルから0.9グラム毎立法センチメートルの密度を備えることができる。追加的に、いくつかの例において、オイルは1つまたはそれ以上の圧縮ガス(たとえば圧縮窒素)と混合することができ、これはダッシュポット24のチャンバ内でオイルの発泡を低減させることができる。流体充填チャンバがオイルと圧縮ガスの両方を含むいくつかの例において、チャンバの約75%がオイルであり、チャンバの約25%が圧縮ガスとなるようにすることができる。しかし、オイルとガスを他の割合とすることもできる。
【0035】
[0041]ダッシュポット24の流体充填チャンバは、ボルト22の第1部分を囲み、ボルト22に対して移動可能である。すなわち、ダッシュポット24の流体充填チャンバは、ボルト22に対して実質的にz軸方向に上下運動することができるように構成され、たとえば、ボルト22は実質的に静止したままである。流体充填チャンバに加えて、ダッシュポット24は、ボルト22の流体充填チャンバにより囲まれる一部上でボルト22に連結されるフランジを含む。こうして、フランジは、ダッシュポット24の流体充填チャンバ内に配置することができる。フランジは、流体充填チャンバの粘性流体内で実質的にz軸方向に上下運動し、流体充填チャンバ内の粘性摩擦を増加させることにより、流体充填チャンバのボルト22に対する運動を減衰させる。
【0036】
[0042]図2に示されるように、ダッシュポット24は、シャシー12の取り付けフランジ20に連結される。図2に示される例において、ダッシュポット24は、取り付けフランジ20の上表面付近で取り付けフランジ20に連結される。上表面は、取り付けフランジの最大のz軸位置である表面として定義される。しかし、他の例において、ダッシュポット24は、取り付けフランジ20の下表面付近で取り付けフランジに連結することができ、この下表面は、取り付けフランジ20の最小のz軸位置を備える表面として定義される。図2は、ダッシュポット24を取り付けフランジ20に連結させる補助ボルト28を示している。
【0037】
[0043]前述したように、ボルト22は、取り付けフランジ20を通って延び、取り付け表面14に入り、ダッシュポット24がボルト22の第1部分を囲み、バネ26がボルト22の第2部分を囲む。ダッシュポット24は、ボルト22に対して移動可能であり、ダッシュポット24のシャシー12への連結の結果として、シャシー12は、ダッシュポット24と同期してボルト22に対して、実質的にz軸方向に上下に移動することができる。
【0038】
[0044]バネ26はボルト22の第2部分を囲む。図2に示されている例において、ボルト22の第2部分は、下に位置し、たとえば、ボルト22の第1部分、すなわちダッシュポット24で囲まれるボルトの部分よりも小さなz軸位置の場所である。バネ26は、取り付けフランジ20の下表面と取り付け表面14の上表面との間に延びる。取り付け表面14の上表面は、取り付け表面14の最大z軸位置を備える表面として定義される。いくつかの例において、バネ26は、振動力が取り付け表面14からシャシー12へ伝達されない状態において、剛性を維持する(たとえば圧縮されない状態)ように構成される。したがって、いくつかの例において、バネ26は、取り付け表面14の比較的に大きな振動運動がバネ26に伝達されるまで、実質的に運動しない状態を維持するように構成される。
【0039】
[0045]バネ26は、取り付け表面14から振動力を介して伝達されるエネルギーの少なくともいくらかを吸収し、その結果、ボルト22に対して変位し、たとえば、取り付け表面14への振動力の付与に応じてz軸方向に上下運動する。バネ26の運動(たとえば、圧縮されていない状態に対するz軸方向に沿う変位により導かれる)は、シャシー12のボルト22に対する運動を生じさせる。すなわち、シャシー12は、ボルト22に対して移動し、ボルト22に対するz軸方向におけるバネ26の変位は、シャシー12をz軸方向に変位させる。これは、バネ26により取り付け表面14から吸収されたエネルギーがシャシー12に伝達されるからである。このようにして、バネ26は、取り付け表面14からシャシー12へ伝達される振動エネルギーの少なくともいくらかを減少させるのを助ける。
【0040】
[0046]ダッシュポット24は、バネ26の変位から生じるシャシー12の運動を減衰させることができる。上述したように、ダッシュポット24は、流体充填チャンバおよびフランジを含む。フランジは流体充填チャンバの内側でボルト22に連結され、流体充填チャンバがボルト22に対して移動するときにボルト22に対して静止状態を維持する。いくつかの例において、フランジは、ボルト22から外側に延び、流体充填チャンバ内のボルト22の表面積を増加させ、これは、粘性抵抗を増加させる。流体充填チャンバ内の流体は、フランジと相互作用し、ボルト22に対する流体充填チャンバの運動を遅くする。いくつかの例において、ダッシュポット24の流体充填チャンバ部分は、シャシー12に機械的に連結され、シャシー12に対して固定位置を維持する。したがって、流体充填チャンバおよびフランジを含むダッシュポット24は、バネ26の変位から生じるシャシー12の運動を減衰させる。このようにして、ダッシュポット24およびバネ26は、協働して、取り付け表面14から受ける振動力からシャシー12(およびシャシー12内に含まれる電子部品)を隔離するように機能する。さらに、ダッシュポット24とバネ26の組み合わせは、振動力によりバネ26の励起の後に、シャシー12が取り付け表面14に対する初期の静止位置になめらかに戻るのを容易にする。シャシー12の初期位置(または名目位置ともいう)は、たとえば、取り付け表面14によりシャシー12に振動力が与えられていないときの、シャシー12の位置とすることができる。
【0041】
[0047]図3は、取り付けシステム16の概略斜視図を示し、取り付けシステム16は、ボルト22、ダッシュポット24、バネ26、および補助ボルト28を含む。図3は、アセンブリ10(図1、2)に組み立てる前の、たとえば複数の取り付けシステム16を介してシャシー12および取り付け表面14を連結させる前の、例示的な取り付けシステム16を示す。
【0042】
[0048]図3に示される例において、取り付けシステム16は、補助ボルト28を含む。補助ボルト28は、ダッシュポット24をアセンブリ10内のシャシー12に連結させる。ダッシュポット24は流体充填チャンバ30を含み、補助ボルト28は、流体充填チャンバ30をシャシー12に連結させるように構成される。たとえば、流体充填チャンバ30をシャシー12に機械的に連結させるために、たとえば図5に示されるように、補助ボルト28のねじ付き部をシャシー12内に画定される開口部内に挿入することができる。このようにして、補助ボルト28はダッシュポット24の位置をシャシー12に対して固定する。
【0043】
[0049]図3に示される例において、フランジ29は、流体充填チャンバ30か突出する。フランジ29はそれぞれ開口を画定し、ここに、それぞれの補助ボルトが挿入される。フランジ29は、流体充填チャンバ30が、補助ボルト28を介してシャシー12に連結されることを可能にする。補助ボルト29に加えて、または代替的に、取り付けシステム16は、流体充填チャンバ30の底部表面(最小のz軸位置を備える表面として定義される)と取り付けフランジ20の頂部表面との間に位置決めされる接着部のような、流体充填チャンバ30をシャシー12に連結するのに好適な他の部品を含むことができる。
【0044】
[0050]流体充填チャンバ30は、ボルト22の一部を囲み、また、ボルト22に対して移動可能である。流体充填チャンバ30は、粘性流体、たとえば粘性液体またはガスが収容される空間を画定するのに好適な任意の材料から形成することができる。たとえば、流体充填チャンバは、粘性流体が流体充填チャンバ30内に収容されるようにするために、非孔質材料から形成することができ、たとえば開口を含まない材料から形成することができる。流体充填チャンバ30が画定される材料は、粘性流体が流体充填チャンバ30から漏れないように粘性流体を収容するように選択することができる。いくつかの例において、流体充填チャンバ30は、流体充填チャンバ30内に収容される粘性流体に対する不浸透性を増加させるために、材料の1つ以上の層から形成される。
【0045】
[0051]いくつかの例において、流体充填チャンバ30は、粘性流体で満たされる剛性の外側シェルを画定する。たとえば、流体充填チャンバ30は、型成形可能なプラスチックまたは金属材料のような、所望の構成に型成形することができる剛体材料から形成することができる。流体充填チャンバ30は、ボルト22の一部を囲む、粘性流体を収容することができるチャンバを画定するのに好適な任意の構成を備えることができる。図4は、実的に円筒形の構成を備える流体充填チャンバ30を示しているが、他の例において、流体充填チャンバ30は、実質的に矩形の構成のような他の構成を備えることができる。流体充填チャンバ30は、流体充填チャンバ30の望ましい構成を容易にする材料から形成することができる。
【0046】
[0052]さらに、流体充填チャンバ30を形成するのに用いられる材料は、外部環境または流体充填チャンバ30内の環境からこうむる損傷に抵抗する材料となるように選択することができる。たとえば、流体充填チャンバ30は、腐食に抵抗する材料から形成することができ、たとえば、外部環境内の湿気または汚染物のような外部要因にさらされたときに生じる損傷、または、流体充填チャンバ30内に収容される粘性流体にさらされるときに生じる損傷に抵抗する材料から形成される。
【0047】
[0053]いくつかの例において、流体充填チャンバ30は、ステンレス鋼、アルミニウム、真鍮、または銅のような金属から形成することができる。他の例において、流体順典チャンバ30は、たとえば、カーボンファイバのような2つまたはそれ以上の構成材料から形成される材料のような複合材料から形成することができる。他の例において、流体充填チャンバ30は、ベリリウム、チタン、またはたとえばオハイオ州Mayfield HeightsのBrush Wellman社から市販されているAlBeMet(登録商標)のようなベリリウム−アルミニウム合金から形成することができる。いくつかの例において、流体充填チャンバ30の異なる部分は、異なる材料から形成することができ、たとえば、流体充填チャンバ30は、様々な材料から形成することができる。
【0048】
[0054]流体充填チャンバ30は、ボルト22の選択された部分に対してダッシュポット24が上下運動できるようなサイズにすることができる。すなわち、流体充填チャンバ30は、ボルト22の選択された部分を囲むように構成することができ、ボルト22の他の部分は、流体充填チャンバ30およびシャシー12がボルト22に対して上下移動するための余裕を残すために、流体充填チャンバ30の空隙とすることができる。その結果、たとえば流体充填チャンバ30の高さのような寸法は、シャシー12の所望の線形変位に適合するように選択することができる。以下でより詳細に議論するように、いくつかの例において、シャシー12の所望の線形変位は、約0.635ミリメートル(mm)から約6.35mm(すなわち、約0.025インチから約0.25インチ)である。
【0049】
[0055]さらに、前述したように、流体充填チャンバ30は、オイルと圧縮ガスの組み合わせを収容する。これらの例において、圧縮ガスは、流体充填チャンバ30をシールした後に導入でき、たとえば注入することができる。結果として、流体充填チャンバ30は、圧縮ガスのために流体充填チャンバ30内に追加の空間を備えるように寸法決めすることができる。すなわち、流体充填チャンバ30の寸法は、流体充填チャンバ30が圧縮ガスの導入に適合するように選択することができる。いくつかの例において、流体充填チャンバ30内の空間の約25%を圧縮ガスで満たすことができる。しかし、流体充填チャンバ30内の空間の他の割合を、圧縮ガスで満たすように選択してもよい。
【0050】
[0056]図3に示される例において、ボルト22は、ヘッド32および本体34を含む。ヘッド32は、ボルト22の最上部により画定され、たとえば、図3においてボルト22の最大のz軸位置を備える部分である(単に説明を容易にするために直交するx−y−z軸が図3に示されている)。図3に示される例において、ヘッド32はボルト22の実質的に円筒形のセグメントであり、本体34よりも大きな直径を備えている。他の例において、ヘッド32は、本体34と同一またはそれより小さい直径を備えることもできる。
【0051】
[0057] たとえば図3に示されている例のように、ヘッド32の直径が本体34の直径よりも大きい例において、ヘッド32は、ボルト22が流体充填チャンバ30を通して位置決めされたときに、実質的に全体が流体充填チャンバ30を通ってスライドすることを防止するのを助ける停止部として構成される。たとえば、いくつかの例において、流体充填チャンバ30は開口部を画定し、ここを通ってボルトが位置決めされる。すなわち、ボルト22は、流体充填チャンバ30を通って延び、より具体的には、流体充填チャンバ30の中心をz軸方向に延びる流体充填チャンバ30により画定される開口部を通って延びる。いくつかの例において、流体充填チャンバ30内の開口部は、ボルト22の本体34と実質的に同一の直径を備えることができ、または、本体34よりも大きくヘッド32よりも小さな直径を備えることができ、開口部がボルト22の本体34を受け入れるように構成される。ヘッド32は、より大きな直径を備え、それゆえ、開口部内に位置決めすることができない。したがって、ヘッド32は、ボルト22の全体が流体充填チャンバ30内の開口部を通って移動することを防止する。図3に示される例において、ヘッド32の底部表面(ヘッド32の最小のz軸位置を備える部分により定義される)は、流体充填チャンバ30の頂部表面(流体充填チャンバ30の最大z軸位置を備える部分により定義される)と実質的に同一平面になるように位置決めされる。しかし、ヘッド32と流体充填チャンバ30との間の他の構成も考えられる。
【0052】
[0058]本体34はネジ付き部31を含み、これはボルト22の最底部セグメントにより画定され、たとえば、図3に示すボルト22の最小のz軸位置を備える部分により画定される。ネジ付き部31は、ボルト22を取り付け表面14と取り付けるのに有効なものとすることができる。たとえ取り付け表面14は、ボルト22のネジ付き部31を受け入れるように構成することができる。すなわち、取り付け表面14内の開口部はネジが切られており、ボルト22のネジ付き部31が、取り付け表面14内のネジ付き開口部と係合することができ、ボルト22が取り付け表面14に連結される。取り付け表面14は、1つまたはそれ以上の開口部を画定することができ、これらの開口部は、シャシー12内の取り付けシステム16の構成に対応するように、取り付け表面14内に画定および配置される。他の例において、取り付け表面14は、予め画定されたボルト22を受け入れるように構成される開口部を含まず、代わりに、アセンブリ10を組み立てるときに、シャシー12を取り付け表面14に取り付けるために、ボルト22のネジ付き部31が取り付け表面14に押し込まれる。いくつかの例において、ボルト22により形成される機械的な接続の強さを増加させるために、ネジ部31は、ボルト22の一部に沿って、ボルト22の本体の直径の少なくとも1.5倍の長さで延びる。
【0053】
[0059]ボルト22は、シャシー12を取り付け表面14に固定するのに好適な任意の材料から形成することができる。いくつかの例において、ボルト22は、シャシー12と取り付け表面14との間の比較的に安全な機械的な接続を提供するために、比較的に大きな機械的な力に耐えられるような剛性材料から形成される。すなわち、ボルト22は、外部環境からの機械的な力の付与による、たとえば大きな振動力によるボルト22の損傷の大きさを最小化するように選択される耐久性のある材料から形成することができる。たとえば、いくつかの例において、ボルト22は、たとえばステンレスまたは鋼鉄合金のような剛性材料から形成することができる。他の例において、ボルト22は、プラスチックまたは木材のような異なる材料から形成することができる。
【0054】
[0060]図2に関して議論したように、取り付けシステム16はバネ26を含む。以下でより詳細に説明するように、バネ26は、取り付け表面14およびダッシュポット24に対して任意の適当な構成を備えることができる。たとえば、バネ26は、取り付け表面14の振動により生成されるエネルギーを吸収するように、シャシー12とダッシュポット24との間に位置決めすることができる。
【0055】
[0061]図3に示されるように、バネ26がボルト22のネジ付き部31のすぐ上(z軸方向)のボルト22の本体34の一部を囲むようにバネ26は位置決めされる。取り付けアセンブリ16は、シャシー12および取り付け表面14に連結されると(たとえば図1、2に示される)、バネ26は、バネ26が取り付け表面14より受ける振動力にさらされるように、取り付け表面14付近に位置決めされる。図3に示されるように、バネ26は、ボルト22のネジ付き部31のすぐ上に位置決めされる。ボルト22のネジ付き部31は、シャシー12を取り付け表面14へ連結するために取り付け表面14に受け入れられる。この構成により、バネ26は、取り付けシステム16のアセンブリ10への統合により取り付け表面14直接的に接触する。
【0056】
[0062]図3に示されるように、バネ26はコイル状またはらせん状のバネである。たとえば、バネ26は、コイル形状またはらせん形状に形成された材料のストランドとすることができ、コイル構成はバネ26に弾性特性を与える。すなわち、コイル構成により、バネ26は力の付与により変形でき、たとえば、伸長または圧縮され、力の除去により元の構成に戻るころができる。
【0057】
[0063]バネ26は、取り付け表面14から伝達されるエネルギーを蓄積し、後にバネ26の変位または運動を通じてエネルギーを解放するのに好適な任意の材料から形成できる。たとえば、バネ26は、硬化鋼鉄、チタン、または銅のような金属から形成できる。他の例において、バネ26は、型成形可能なプラスチックのような非金属材料から形成することができる。
【0058】
[0064]いくつかの例において、バネ26は、アセンブリ10が十分な振動力励起を受けるまで、たとえばバネの誘導運動を受けるまで、実質的に圧縮されていない状態を維持するように、または、完全には圧縮されていない状態を維持するように機能する。すなわち、いくつかの例において、バネ26は特定の性質を備え、たとえば、特定の材料から形成され、または、バネ26は特定の構成を備え、バネ26が取り付け表面14から十分なエネルギーを吸収するまで剛性を維持し、エネルギーを運動へ変換する。バネ26の特定の性質は、具体的な用途に基づいて選択することができ、たとえば、取り付け表面14の具体的な性質および/またはダッシュポット24の具体的な性質に基づいて選択することができる。
【0059】
[0065]バネ26は、特定の、予め決定された材料特性を備えるように形成することができる。たとえば、バネ26は、特定のバネ定数を備えるように選択することができる。バネ26のバネ定数は、所定の距離だけバネ26を圧縮するのに必要な荷重の総量で定義することができる。したがって、大きなバネ定数で特徴付けられるバネ26は、相対的により剛性のバネ26の特性により定義され、たとえば、バネ26を励起するのに大きな振幅の振動力が必要とされ、小さなバネ定数で特徴付けられるバネ26はより柔軟で、たとえばように励起される。
【0060】
[0066]バネ26のバネ定数は、任意の好適な方法で選択することができる。たとえば、いくつかの例において、所望のバネ定数のバネ26を選択または形成するために、バネ定数を選択するのに数学的な近似を用いることができる。一例として、シャシー12の重量およびz軸方向のシャシー12の所望の線形変位に基づいて、所望のバネ定数を決定するのに弾性に関するフックの法則を用いることができる。フックの法則によれば、バネ定数は、バネにより付与される力をバネの変位により除したものに実質的に等しい。取り付けシステム16に関して、フックの法則は、バネ定数が、シャシー12によりバネ26に付与される力を、シャシー12の所望の線形変位で除したものに等しくなるように適用することができる。いくつかの例において、シャシー12によりバネ26に付与される力は、シャシー12の重量に等しく、たとえば、シャシー12の加速度を乗算したシャシー12の質量である。一例として、取り付けシステム16がg力を受けず、シャシー12は、約4.5キログラムの質力を備え、地球の重力加速度は約9.8メートル毎平方秒であり、シャシー12の所望の線形変位は約0.003メートルである場合、所望のバネ定数は、約14700ニュートン毎メートルに等しい。
【0061】
[0067]いくつかの例において、シャシー12は、約1.36キログラムから約45.4キログラム(すなわち、約3.5ポンドから約100ポンド)の質量を備える。シャシー12の重量は、シャシー12の加速度を乗算したシャシー12の質量にほぼ等しい。いくつかの例において、シャシー12は、大きなg力負荷を受け、シャシー12の加速度は、シャシー12が受けるg力により定義することができる。たとえば、いくつかの例において、シャシー12は、地球の重力加速度の15倍よりも大きなg力を受けることがあり、たとえば約60倍のg力を受けることがある(たとえば、15倍以上、たとえば、9.8メートル毎平方秒の60倍)。さらに、取り付けシステムの宇宙での用途のようないくつかの例において、シャシー12の望ましい線形変位は、約0.000635メートルから約0.00635メートル(すなわち約0.025インチから約0.25インチ)とすることができる。上述したように、フックの法則は、取り付けシステム16に応用され、バネ定数が、シャシー12の重量を、シャシー12の所望の線形変位で除したものに実質的に等しくなるように選択される。したがって、シャシー12の重量のために提供される例示的な値およびシャシー12の所望の線形変位を採用し、いくつかの例において、バネ26は、約31483.5ニュートン毎メートルから約42039685.0ニュートン毎メートルとなるように選択することできる。バネ定数の限界を助けるために、シャシー12の線形変位の距離を増加させることができる。
【0062】
[0068]図3の斜視図からは見えないが、ダッシュポット24は、流体充填チャンバ30により囲まれるボルト22の本体34の一部に連結されるフランジを含む。このフランジは、流体充填チャンバ30内の粘性流体と相互作用し、流体充填チャンバ内に粘性摩擦を発生させ、流体充填チャンバ30のボルト22に対する運動を減衰させる。より具体的には、フランジは、流体充填チャンバ30内でボルト22の一部の周りから外側に延び(図5に示される)、チャンバ30内に収容される流体内で、ボルト22の表面積を有効に増加させることができる。フランジから増加したボルト22の表面積は、ボルト22に対して流体充填チャンバ30がz軸方向に上下に運動するときに摩擦を増加させる。増加した摩擦は、シャシー12が実質的に固定位置で流体充填チャンバ30に取り付けられたときに、シャシー12の流体充填チャンバ30の運動を減衰させる。
【0063】
[0069]粘性流体を流体充填チャンバ30内に収容するために、流体充填チャンバ30とボルト22との間の界面をシールすることができ、たとえば、界面にシール材料たとえばシーラントを適用することによりシールすることができる。いくつかの例において、流体充填チャンバ30とボルト22との間のシールは、密封的であり、たとえば気密である。他の例において、シールは部分的にだけ密封的にすることができる。
【0064】
[0070]バネ26およびダッシュポット24は流体充填チャンバ30および流体充填チャンバ30内のボルト22に連結されるフランジを含み、バネ26およびダッシュポット24は、シャシー12が補助ボルト28を介して流体充填チャンバ30に連結されたときに、協働して、シャシー12の運動を減衰させるように機能する。取り付け表面に維持されバネ26に伝達される振動力の結果として、バネ26は運動する。シャシー12が、流体充填チャンバ30に機械的に連結され、チャンバ30に対して相対的に固定された位置に連結されたとき、バネ26の変位は、シャシー12および流体充填チャンバ30を、ボルト22の本体34に沿ってz軸方向(たとえば、z軸方向に方向付けされたボルトの長手方向軸に沿って)に上下に移動させる。流体充填チャンバ30内でボルト22に連結されるフランジは、流体充填チャンバ30内の粘性摩擦を増加させ、また、流体充填チャンバ30の運動を減衰させ、たとえば減少させ、結果として、シャシー12の運動を減衰させ、シャシー12に機械的に連結された電気部品に付与される力を減少させる。さらに、バネ26は、ダッシュポット24とともに、シャシー12が初期のボルトに沿う安定位置に戻るのを助ける。シャシー12の初期位置は、シャシー12の重量以外の力がバネ26に付与されていない状態の位置とすることができる。いくつかの例において、バネ26は、シャシー12が初期位置にあるときに、実質的に圧縮されていない状態とすることができる。
【0065】
[0071]図4は、シャシー12を取り付け表面14へ連結させる取り付けアセンブリ16の概略側面図を示している。図示されているように、補助ボルト28がシャシー12をダッシュポットの流体充填チャンバ30に連結させ、シャシー12およびチャンバ30が、互いに実質的に固定された位置になるようにする。図4に示される例において、シャシー12およびチャンバ30は、互いに直接的に隣接する。さらに、図4に示されるように、アセンブリ10の一例として、バネ26はシャシー12と取り付け表面14との間に位置決めされる。
【0066】
[0072]ボルト22の本体34は、ヘッド32からz軸方向の下方に延びる。図4に例示的に示されるように、本体34は流体充填チャンバ30およびシャシー12の開口部を通って延びているので、本体34のバネ26内の一部だけが視認できる。本体34は、バネ26により画定される中央空間を通り、取り付け表面14内に挿入され、シャシー12を取り付け表面14へ連結される。
【0067】
[0073]バネ26と取り付け表面14との間の接触の結果として、取り付け表面14により維持される振動力は、直接的にバネ26に伝達される。たとえば、取り付け表面14は外力にさらされることがあり、たとえば、取り付け表面14が収容されている航空機の加速の結果として外力にさらされ、取り付け表面14に振動力が付与される。取り付け表面は、振動力の結果として振動を始めることがある。バネ26が直接的に取り付け表面14に接触しているので、バネ26は振動を受けることがあり、振動力からのエネルギーは、バネ26に直接的に伝達されることがある。
【0068】
[0074]バネ26は、取り付け表面14から伝達される振動エネルギーを吸収する。振動の周波数が特定の閾値まで増加すると、たとえば、バネ定数のようなバネ26の特性に依存する特定の閾値まで増加すると、バネ26もまた振動を介しし、たとえば、特定の周波数で運動する。このようにして、取り付け表面14により維持される振動力が直接的にバネ26に伝達されると、バネ26は、振動エネルギーをバネ26の変位または運動に変換する。
【0069】
[0075]シャシー12はダッシュポット24の流体充填チャンバ30に機械的に連結される。シャシー12および流体充填チャンバ30の両者は、ボルト22に対して移動することができる。たとえば、シャシー12および流体充填チャンバ30の両者は、ボルト22を受け入れるように構成された開口部を画定する。開口部内で、シャシー12および流体充填チャンバ30はボルト22に固定的には取り付けられない。代わりに、シャシー12および流体充填チャンバ30は、ボルト22に対してz軸方向に上下に自由にスライドできる。シャシー12の流体充填チャンバ30への機械的な連結により、シャシー12および流体充填チャンバ30は、単一のユニットとしてボルト22に対して上下にスライドする。
【0070】
[0076]図4に示されるように、いくつかの例において、シャシー12はバネ26の反対側の側部に(直接的または間接的に)接触し、たとえば、バネ26の取り付け表面14に直接的に接触していない側部に接触する。したがって、バネ26が取り付け表面14からの振動エネルギーの結果として振動を始めたら、振動エネルギーは、バネ26からバネ26とシャシー12との間の界面を介して、シャシー12および流体充填チャンバ30により形成されるユニットに直接的に伝達される。バネ26から伝達される振動エネルギーは、シャシー12および流体充填チャンバ30をボルト22に対して上下にスライドさせる。
【0071】
[0077]図5に関してさらに詳細に説明するように、フランジは流体充填チャンバ30内でボルト22に連結される。いくつかの例において、流体充填チャンバ30がボルト22およびフランジに対してz軸方向に上下にスライドするときに、ボルト22およびフランジは静止したままである。他の例において、ボルト22およびフランジは、流体充填チャンバ30が静止を維持するときに、流体充填チャンバ30に対して移動することができる。フランジは、流体充填チャンバ30内でボルト22の一部から外側の延び(たとえば、実質的にx軸方向、y軸方向に)、特に、流体充填チャンバ30内に収容される粘性流体内に延びる。粘性流体内のフランジは、シャシー12および流体充填チャンバ30の運動の減衰を促進する。すなわち、フランジは、流体充填チャンバ30が上下にスライドするときに、流体充填チャンバ30内に摩擦を形成する。流体充填チャンバ30内の増加した摩擦の結果として、流体充填チャンバ30およびシャシー12がボルト22に対して移動する速度は減少する。これにより、流体充填チャンバ30およびシャシー12のユニットは、ダッシュポット24を含まない構成よりも低い周波数でz軸方向に運動することになる。さらに、バネ26がシャシー12の初期の静止位置を画定するので、バネ26およびダッシュポット24は、シャシー12が初期の静止位置に戻るのを助け、シャシー12内に収容される電子部品にほとんどまたは全く損傷を与えない。このようにして、シャシー12およびそこに収容される電子部品は、取り付け表面14から受ける振動力から隔離される。
【0072】
[0078]図5は、シャシー12を取り付け表面14へ連結する取り付けアセンブリ16の概略断面図を示している。図5において、断面は、図4に示される取り付けアセンブリ16、シャシー12、および取り付け表面14の側面図を二分するx−z平面に沿って切り出されている。図5に示されるように、フランジ36は、機械的にボルト22に連結され、流体充填チャンバ30内に延びる。流体充填チャンバ30は、粘性流体38を収容し、ここを通じてフランジ36が運動してシャシー12の運動を減衰させる。
【0073】
[0079]図4に関して議論したように、バネ26は、取り付け表面14の振動により発生するエネルギーを吸収し、z軸方向に振動することによりエネルギーを解放する。バネ26の振動からのエネルギーは、シャシー12に伝達され、流体充填チャンバ30およびシャシー12をボルト22およびフランジ36(ボルト22に連結される)に対してz軸方向に上下に移動させる。
【0074】
[0080]図5に示される例において、フランジ36は、ボルト22に連結され、ボルト22からx−y平面内で外側に延びる。フランジ36は、他の例において他の構成を備えることもできる。フランジ36は、任意の方向にボルト22から突き出すことができ、流体充填チャンバ30内でボルト22から外側に延び、流体充填チャンバ30がz軸方向にボルト22およびフランジ36に対して上下に運動するときに、粘性流体38内で抵抗を形成する。
【0075】
[0081]フランジ36は、フランジ36とボルト22との間のしっかりとした機械的な接続を提供する任意の方法でボルト22に連結することができる。すなわち、フランジ36およびボルト22は、フランジ36が、流体充填チャンバ30およびフランジ36の周りの粘性流体38の運動から力、たとえばトルクを受けたときに、フランジ36およびボルト22が機械的に連結された状態を維持するような方法で連結される。いくつかの例において、ボルト22およびフランジ36は、単一のユニットとして形成することができる。たとえば、ボルト22およびフランジ36は、型成形可能な材料を用いて形成することができ、たとえば、型成形可能なプラスチックまたは金属の材料を用いて形成することができ、また、ボルト22およびフランジ36が単一の連続的な構造をなすように型成形することができる。他の例において、ボルト22およびフランジ36は、別個に形成することができ、また、その後、互いに機械的に連結させることができる。たとえば、いくつかの例において、ボルト22およびフランジ36は、ボルト22とフランジ36との間の界面に付与される接着剤を用いて連結することができる。他の例において、ボルト22およびフランジ36は、他の機構を用いて連結することができ、たとえば、化学反応または好適なエネルギー源(たとえば、超音波、摩擦、または熱)を介した溶接を用いて連結することができる。たとえば、ボルト22およびフランジ36が金属材料から形成される例において、ボルト22およびフランジ36は、溶接またはハンダ付けのようなプロセスを用いて機械的に連結することができる。
【0076】
[0082]いくつかの例において、フランジ36はボルト22の全体を囲み、たとえば、フランジ36はボルト22の一部から、ボルト22の円周全体の周りに延びる。いくつかの例において、取り付けシステム16は1つのフランジ36だけを含み、他の例において、取り付けシステム16は流体充填チャンバ30内でボルト22に連結される複数のフランジ36を含む。取り付けシステムが1つより多くのフランジ36を含む例において、フランジ36は、ボルト22のz軸に沿って異なる高さにおいてボルト22に連結することができる。すなわち、フランジ36の全てをボルト22に沿って同一の高さに位置決めする
必要はなく、ここで、高さはz軸に関してボルト22に沿う異なるポイントとして定義することができる。フランジ36は、流体充填チャンバ30がボルト22に対して上下にスライドするときに、粘性流体38内で抵抗を形成するように、流体充填チャンバ30内でボルト22の任意の部分に機械的に連結させることができる。
【0077】
[0083]いくつかの例において、フランジ36は、ボルト22の実質的に円筒形の延長部を画定する。すなわち、フランジ36は、円筒形構成において、ボルト22からボルト22の一部に沿って外側に延びる。他の例において、フランジ36は、他の好適な構成でボルト22から外側に延びる。いくつかの例において、フランジ36の構成は、流体充填チャンバ30の構成に対応することができる。たとえば、図5に示される例において、フランジ36は、実質的に円筒形の構成を画定することができ、これは流体充填チャンバ30の実質的に円筒形の構成に対応する(たとえば、x−y平面において調和する)。他の例において、流体充填チャンバ30は、他の構成を画定することができ、また、フランジ36は、流体充填チャンバ30内に嵌合するように構成される。
【0078】
[0084]いくつかの例において、フランジ36はボルト22から外側に、流体充填チャンバ30の壁の全体に延びる。これらの例において、フランジ36は、粘性流体38がフランジ36の外エッジと流体充填チャンバ30の内壁との間で実質的に流れることができないように、流体充填チャンバ30の壁とともにシールを形成することができる。これらの例において、フランジ36は、1つまたはそれ以上の開口部40を画定することができ、開口部40はフランジ36を通って延び、粘性流体38がここを通って流れ、流体充填チャンバ30がボルト22およびフランジに対して上下にスライドできるようにする。すなわち、流体充填チャンバ30が自由に上下にスライドできるように、粘性流体38はフランジ36を通っておよび/またはフランジの周りで流れなければならない。したがって、いくつかの例において、フランジ36は開口部40を画定し、ここを通って粘性流体38が流れることができるようにする。
【0079】
[0085]他の例において、フランジ36は、ボルト22から部分的にだけ外側に延び、たとえば、流体充填チャンバ30の内壁の全体には延びない。これらの例において、フランジ36は、粘性流体38が流れることができる開口部40を画定してもしなくてもよい。すなわち、フランジ36および流体充填チャンバ30の壁との間に空間が存在する例において、粘性流体38は、フランジ36と流体充填チャンバ30との間の空間を通って流れることができるので、フランジ36は粘性流体38が流れることができる開口部40画定する必要はない。しかし、いくつかの例において、フランジ36は、追加的に、粘性流体38が流れることができる開口部40を画定することができる。
【0080】
[0086]いくつかの例において、バネ26およびダッシュポット24は、バネ26およびダッシュポット24が協働して取り付け表面14に対するシャシー12の運動を減衰させるように機能するように、特定の性質を備えるように選択でき、ここで、シャシー12の運動は、取り付け表面14から伝達される振動力により駆動される。たとえば、特定の特性を備える特定のバネ26は、特定の性質を備える特定のダッシュポットと組み合わされるように選択することができる。一例として、上述したように、バネ26のバネ定数は、シャシー12の重量およびシャシー12の所望の線形変位を用いて決定することができる。このようにして、バネ26およびダッシュポット24は、協働して望ましい減衰結果を達成するように特定の性質を備えるように選択できる。さらに、いくつかの例において、ダッシュポット24は、フランジ36が流体充填チャンバ30内の粘性流体を通る移動の緩和をダッシュポット24の調整が増加または低下させるように、調整可能とすることができる。調整可能なダッシュポットは、たとえば、ダッシュポット24の減衰特性を微調整するのに好都合となり得る。
【0081】
[0087]いくつかの例において、取り付け表面14の振動により生成されるエネルギーを吸収するバネ26の範囲は、バネ26の個々の材料特性に基づく。たとえば、特定の特性を備える特定の材料から形成することができ、たとえば、強度、硬さ、弾性係数などの特性である。追加的にまたは代替的に、バネ26は、取り付け表面14の振動により生成されるエネルギーの量、およびバネ26により吸収されるエネルギーの量を制御するために、特定の構成を備えるように選択することができる。たとえば、バネ26は特定のコイル構成を備えることができ、たとえば、堅くまたは緩く巻いたコイルとすることができる。いくつかの例において、バネ26特定の寸法を備えるように選択することができ、たとえば、特定のコイル直径を備えるように選択することができる。バネ26の特性に基づいて、バネ26は、特定のバネ定数により特徴付けられる。
【0082】
[0088]いくつかの例において、バネ26は、シャシー12の重量に対応するバネ定数を備えるように選択することができる。前述したように、バネ26のバネ定数は、特定の距離だけバネ26を圧縮するのに必要な重量である。したがって、相対的に大きなバネ定数を備えるバネ26は、より剛性であり、相対的に小さなバネ定数を備えるバネ26によりもバネ26を圧縮するのにより大きな重量のシャシー12が必要となる。したがって、いくつかの例において、バネ26は、シャシー12の重量に対応する特定のバネ定数を備えるように選択することができる。
【0083】
[0089]さらに、ダッシュポット24は、シャシー12に機械的に連結される電子部品の運動を減衰させるのを助けるようにバネ26と協働して機能させるために、特定の性質を備えるように形成することができる。取り付け表面14からバネ26へ伝達される振動力は、バネ26を特定の速度で振動させる。バネ26からの振動運動は、流体充填チャンバ30および流体充填チャンバ30に連結されるシャシー12へ伝達され、流体充填チャンバ30およびシャシー12のユニットを振動させ、たとえば、ボルト22に対して実質的にz軸方向に上下にスライドさせる。流体充填チャンバ30およびフランジ36を含むダッシュポット24は、シャシー12および流体充填チャンバ30の運動を減衰させ、シャシー12および流体充填チャンバ30の運動の周波数を減少させ、また、シャシー12をボルト22に沿う静止位置に戻す。取り付け表面14の振動により生成されるシャシー12の運動の少なくともいくらかを減衰させるようにダッシュポット24を構成するために、ダッシュポット24は、バネ26の特徴に対応する特定の特徴を備えるように形成することができる。
【0084】
[0090]たとえば、フランジ36の特徴は、ダッシュポット24の、シャシー12の運動を減衰させる能力に影響を与え得る。フランジ36は、ボルト22からボルト22のセグメントに沿って外側に延び、ここで、ボルトのセグメントは、ボルト22の長手方向軸(実質的にz軸方向に沿って延びる)に沿う距離に及ぶ。いくつかの例において、フランジと対面するボルト22のセグメントの長さは、フランジ36の厚さと同等である(ここで厚さは実施的にz軸方向に沿って測定される)。いくつかの例において、フランジ36の厚さは、流体充填チャンバ30内に提供される距離の総量に影響を与える。すなわち、相対的に厚いフランジ36は、粘性流体38内でフランジ36により提供される抵抗を増加させることができる。増加した提供は、ボルト22に対する流体充填チャンバ30の運動を遅くさせ、これは、粘性流体38内で同等の抵抗を提供しない薄いフランジ36の場合と比べて、シャシー12の運動をより迅速に減衰させることができる。
【0085】
[0091]同様に、フランジ36により形成される抵抗の量は、フランジ36がチャンバ30内で実質的にz軸方向に移動するとき、流体38を横切るx−y平面に沿うフランジ36の表面積により影響を受ける。表面積は、たとえば、フランジ36により画定される開口部40の数およびサイズとともに、x−y平面に沿うフランジ36のサイズに依存する。たとえば、フランジ36により画定される相対的に多数の開口部40は、抵抗を減少させる。これは、相対的により多くの粘性流体38が流体充填チャンバ30内のフランジを通りまたその周りを流れることになり、フランジ36のより小さい表面積が流体38と相互作用するからである。同様に、フランジ36により画定される相対的に大きな開口部は抵抗を減少させる。これは、フランジ36が、相対的により多くの粘性流体が開口部を通して流れることを許容するからである。流体充填キャビティ30内の抵抗の減少は、シャシー12の運動のより少ない減衰を生じさせ、これは、シャシー12のより多くの運動を生じさせ、また、静止位置に戻るまでのシャシー12のより長い時間期間を生じさせる。したがって、フランジ36内の開口部の数および寸法は、シャシー12の運動に対しる所望の減衰効果に応じて修正することができる。
【0086】
[0092]粘性流体38の粘性は、ダッシュポット24によるシャシー12の運動の減衰の効果に影響を与える。たとえば、相対的に大きな粘性により特徴付けられる粘性流体38は、粘性流体38内のフランジ36の運動に対する増加した抵抗をもたらす。したがって、相対的に大きな粘性を備える粘性流体を含む取り付けシステム16は、シャシー12の運動の相対的に大きな減衰を生じさせる。これは、流体充填チャンバ30内で増加した抵抗の結果として、流体充填チャンバ30がボルト22に対してより遅いスピードで上下にスライドするからである。いくつかの例において、ダッシュポット24の他の特徴がシャシー12の運動の減衰に影響を与えることがある。
【0087】
[0093]図6A、6Bは、他の例の取り付けシステム42を示し、これは、ボルト22、ダッシュポット24およびバネ26を含む。さらに、取り付けシステム42は追加的なバネ44を含み、これは、ボルト22のヘッド32とダッシュポット24の頂部表面との間に位置決めされる(ダッシュポット24の頂部表面は、ダッシュポット24の最大z軸位置を備える表面として定義される)。シャシー12が機械的に流体充填チャンバ30に連結されると、バネ26およびバネ44は、シャシー12およびダッシュポット24の対向する側部に位置決めされる。
【0088】
[0094]ボルト22のヘッド32とダッシュポット24の頂部表面との間に位置決めされるバネ44は、ダッシュポット24のz軸方向の上方および下方の運動を追加的に減衰させるのを促進する。たとえば、シャシー12がz軸方向に運動しているとき、シャシー12の頂部表面は、ボルト22のヘッド32の代わりにバネ44に接触する。バネ44の弾性特性により、バネ44は、ボルト22のヘッド32の場合と比べて、シャシー12から伝達されるより多くのエネルギーを吸収し消散させることができる。
【0089】
[0095]図7は、アセンブリ10(図1、2)のようなアセンブリを形成するための例示的な技術を示すフロー図である。アセンブリは、取り付けシステムを介して取り付け表面に連結されるシャシーを含み、取り付けシステムは、ボルト、ダッシュポット、およびバネを含む。図7は、アセンブリ10に関して説明されるが、図7に示される技術は、ボルト、ダッシュポット、およびバネを含む取り付けシステムを用いて取り付け表面からシャシーを分離する他のアセンブリを形成するのに用いることができる。
【0090】
[0096]取り付けシステム16は、任意の適当な技術(46)を用いて形成することができる。図1−5に関して説明したように、取り付けシステム16は、ボルト22、ダッシュポット24、およびバネ26を含む。ダッシュポット24は、流体充填チャンバ30およびフランジ36を含む。フランジ36はボルト22に連結され、流体充填チャンバ30はフランジ36に連結されるボルト22の一部を囲む。したがって、フランジ36は、流体充填チャンバ30内に収容される粘性流体38内に位置決めされる。ダッシュポット24の流体充填チャンバ30は、シャシー12のようなシャシーに連結されるように構成される。ボルト22は、シャシーを取り付け表面14のような取り付け表面に連結させる。
【0091】
[0097]ボルト22およびフランジ36は互いに連結される。いくつかの例において、ボルト22およびフランジ36は単一の連続する構造物として形成される。他の例において、ボルト22およびフランジ36は、別個に形成されて、後に機械的に互いに連結される。ボルト22およびフランジ36は、任意の好適なプロセスを用いて形成することができる。たとえば、ボルト22およびフランジ36が金属から形成される例において、ボルト22およびフランジ36は、任意の好適な製造プロセスを用いて形成することができ、たとえば型成形プロセスまたは鋳造プロセスのようなプロセスで形成することができる。ボルト22およびフランジ36が単一の連続する構造物として形成される例において、単一の鋳型または型はボルト22およびフランジを含む具体的な構成を備えるように設計することができる。ボルト22およびフランジ36が別個に形成され、後に互いに機械的に連結する例において、ボルトおよびフランジ36は、別個の鋳型または型を用いて形成することができる。ボルト22およびフランジ36は、後に、任意の好適な材料または方法を用いて互いに連結することができ、たとえば、ボルト22とフランジ36との間の界面に位置決めされる接着剤、ボルト22とフランジ36との間の機械的接続を形成する化学反応、またはボルト22およびフランジ36を互いに溶接する溶接技術を用いて連結させることができる。
【0092】
[0098]流体充填チャンバ30は、流体充填チャンバ30がフランジ36に取り付けられるボルトの一部を囲むように、ボルト22に取り付けることができる。たとえば、流体充填チャンバ30は、流体充填チャンバ30の中心を通る開口部を画定し、ボルト22がその開口部を通って延び、流体充填チャンバ30を通って延びる。流体充填チャンバ30は、粘性流体38を収容し、流体充填チャンバ30とボルト22との間の界面はシールされ、たとえば、密封または部分密封シールを介してシールされ、粘性流体38が流体充填チャンバ30は内に維持されるようにし、たとえば、流体充填チャンバ30は、から漏れないようにする。
【0093】
[0099]シャシー12は、ダッシュポット24に機械的に連結され、より具体的にはダッシュポット24の流体充填チャンバ30に任意の適当な方法(48)で連結される。たとえば、流体充填チャンバ30は、補助ボルト28のための開口部を画定するフランジ29(図3)を含む。シャシー12は、補助ボルト28を受け入れるように構成される開口部を画定することができ、補助ボルト28のネジ付き部分は開口部内に位置決めされ、シャシー12を流体充填チャンバ30に連結し、シャシー12とチャンバ30との間の相対的な位置を固定する。代替的にまたは追加的に、シャシー12は他の方法で流体充填チャンバ30に連結することができる。たとえば、いくつかの例において、流体充填チャンバ30の底表面とシャシー12の頂部表面との間に接着剤を付与することができ、流体充填チャンバ30をシャシー12に機械的に連結する。
【0094】
[0100]シャシー12および流体充填チャンバ30は、互いに連結させることができ、シャシー12および流体充填チャンバ30は、ボルト22に対して自由にスライドできるユニットを形成する。図1、2、4、5に示されるアセンブリを形成するためいに、シャシー12が流体充填チャンバ30に連結された後、ボルト22の本体34は、シャシー12および流体充填チャンバ30により囲まれるボルト22の部分の下で、バネ26の中心を通って画定される開口部内に位置決めされる(50)。すなわち、バネ26は、流体充填チャンバ30およびシャシー12により囲まれるボルトの部分の下である本体24の一部を囲むように位置決めされ、たとえば、バネ26は、より小さいz軸位置(x、y、z、軸が説明のために図1−6に示されている)を備える本体34の部分を、本体34により画定される軸に沿って囲む。
【0095】
[0101]バネ26が、シャシー12および流体充填チャンバ30の下に位置決めされた後、ボルト22は取り付け表面14に連結される(52)。ボルト22の長さは、チャンバ30およびバネ26の両方に適合するように選択され、また、シャシー12を取り付け表面14にしっかりと固定できるように選択される。このようにして、シャシー12は取り付け表面14にボルト22を介して取り付けられる。いくつかの例において、ボルト22は、ネジ付き部31を含み、これは取り付け表面14内に予め画定される開口部内に挿入される。ネジ付き部31は、ボルト22のネジ付き部31を取り付け表面14内に固定するために、取り付け表面14の開口部内のねじと係合するネジを含む。他の例において、取り付け表面14により画定される開口部は、ボルト22が取り付け表面14に挿入されるときに、ボルト22により画定される。他の例において、ボルト22および/または取り付け表面14は、追加のまたは代替的な、ボルト22を取り付け表面へ連結されるための機構を含むことができる。たとえば、いくつかの例において、ボルト22を取り付け表面14へ連結させるために、取り付け表面14とボルト22との間の空き面に接着剤を付与することができる。
【0096】
[0102]様々な例が説明された。これらの例または他の例は、添付の請求項の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
ボルトと、
前記ボルトの第1部分を少なくとも部分的に囲む流体充填チャンバと、を有し、前記流体充填チャンバは前記ボルトに対して移動可能であり、
前記システムはさらに、前記ボルトの第2部分を少なくとも部分的に囲むバネを有する、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、さらに、前記ボルトの前記第1部分に機械的に連結される少なくとも1つのフランジを有し、前記フランジは前記流体充填チャンバ内に延び、前記流体充填チャンバは実質的に粘性流体で満たされ、前記フランジは、前記ボルトに対する前記流体充填チャンバの運動を減衰させるために、前記粘性流体内で抵抗を形成する、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、さらに、前記流体充填チャンバに機械的に連結されるシャシーを有し、前記流体充填チャンバおよび前記シャシーは、前記ボルトに対して移動可能である、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−7730(P2012−7730A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−134189(P2011−134189)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】