説明

シャッター開閉自動監視装置

【課題】 シャッター開閉の監視及びその解除状態を人為的に切り換える必要がなく、監視解除状態でシャッターが開状態でかつ開閉手段が閉状態であっても異常状態であると判断されることがないシャッター開閉自動監視装置を提供する。
【解決手段】 第1センサ11として、第1マグネット11aをシャッター105に設け、第1磁気検知素子11bをシャッター105の開動作開始で第1マグネット11aの磁界を検知する位置に配置し、第2センサ12をマグネット12a,12cと磁気検知素子12b,12dとからなる一つ以上の対で構成し、磁気検知素子12b,12dを引戸105の閉状態でマグネット12a,12cの磁界が検知できる位置に配置し、第1及び第2センサ11,12の検出結果に応じてシャッター開閉の監視状態及びその解除状態を自動制御できる制御部13をセンサユニット14内に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッター開閉の監視状態と監視解除状態とを自動で切り換えることができるシャッター開閉自動監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗や住宅の入り口の扉や窓などの外側には、防犯用のためにシャッターが配設されている。防犯用のシャッターには、「外部からのこじ開け」などを監視するために、シャッターが無理矢理開けられないようにするための警告装置が知られている(特許文献1参照)。そして、シャッターの開閉を検知するために磁気検出型センサや反射光検出型センサなどの監視用センサが使用されている。
【0003】
図7は従来のシャッター開閉監視用センサの取付形態を示す断面図である。シャッター105が引戸102の外に配設され、引戸102は建物の開口部を構成する基台101上のレール103に載置されている。シャッターの下枠105aにはマグネット106が内蔵され、凸部104上にはシャッター105の引き戸側に、磁気検知素子107を内蔵したセンサ側ユニット108が配置されている。このため、シャッター105の全閉状態では、マグネット106による磁界を磁気検知素子107が検知し、シャッター105を上方に開けると、磁気検知素子107がマグネット106の磁界を検知しなくなる。ここで、磁気検出型センサとしては、上記のようにマグネットと各種の磁気検知素子とを組み合わせたタイプの他、マグネットとリードスイッチとを組み合わせたタイプがある。
【0004】
一方、反射光検出型センサにおいては、シャッターの内側に反射シートなどを貼り付け、反射シートに対して近赤外光を照射しておき、反射シートからの反射光の変化を検出器で検出することにより、シャッターの開閉移動が検知される。
【0005】
従来の窓シャッター開閉監視装置では、監視用センサからの信号を受信する受信機によって、又は警備モードをセットするスイッチ機能を有したチェックボックス等によって、監視する状態(以下、「監視状態」という。)と、監視を行わない状態(以下、「解除状態」という。)とを人為的に切り換えることを前提としている。そして、監視状態にセットされることで、初めて受信機側は監視用センサからの信号を有効なものとして判定を行い、異常を認めると警報を発するように制御されている。このように、従来のセンサ側ユニットでは、それ単体だけで監視警報機能を有するものは知られていなかった。
【0006】
【特許文献1】特開2003−120153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の窓シャッター開閉監視装置では、例えば窓シャッターにシャッターの開閉を検知するセンサが取り付けられている環境の住宅において、住居者が不用意にも解除状態へ切り換えるのを忘れて、窓シャッターを開けた場合、センサが警報を発してしまうなどの不都合が発生する。このため、図7のようにシャッター開閉監視用センサを配備するだけでなく、このセンサからの信号が有効なものか否かを判断する必要がある。
【0008】
ところで、実際の建物の構造として、シャッターの内側には窓があり、窓にはアルミサッシ硝子戸等の引戸が存在するのが一般的である。通常、居住者はこの窓部の引戸を開けてシャッターを開閉することになるが、侵入者は外側からシャッターをこじ開ける手段しか有しておらず、シャッターの内側に存在する窓部の引戸を最初に開ける手順を踏むことは不可能である。
したがって、図7に示したシャッター開閉検知用センサのマグネット106と、リードスイッチ又は各種磁気素子などの磁気検知素子との組合せだけで構成されるものに換えて、引戸の開閉状態を検知するセンサと、シャッターの開閉状態を検知するセンサとを組み合わせて使用し、上述した開閉手順の違いを判定することが考えられる。例えば、左右に引き違いの引戸の框又は上桟及び/又は下桟にマグネットを取り付け、窓枠に取り付けられたリードスイッチ又は各種磁気素子等の磁気検知素子によってマグネットの磁気を検知して引戸が閉まっているか否かを検出する。そして、引戸が開いている場合には、シャッターの開閉状態を検知するセンサの回路を切り離すなどして、この検知を無効とすれば、引戸からシャッターを開けた際には警報を発することなくシャッターを開けることが可能となる。
【0009】
しかしながら、このような単純なセンサの組合せ制御だけでは、引戸側、つまり屋内からシャッターを開け、その後に引戸を閉めると、その時点で警報を発することになり、引戸を閉めることができなくなってしまうという課題がある。
【0010】
上記課題に鑑み、本発明は、シャッター開閉についての監視状態と監視解除状態とを人為的に切り換える必要がなく、監視解除状態でシャッターが開状態で、かつ、開閉手段が閉状態であっても異常状態であると判断されることがない、シャッター開閉自動監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明のシャッター開閉自動監視装置は、開口部の外側に設けられているシャッターの開閉状態を検知する第1センサと、開口部を開閉する開閉手段の開閉状態を検知する第2センサと、制御部と、を備え、開閉手段の閉状態を上記第2センサが検知し、かつ、シャッターの閉状態を第1センサが検知したときに、制御部が、第1センサによるシャッター開閉状態の自動監視状態に設定し、シャッター開閉自動監視状態において、第2センサが開閉手段の開状態を検知したときに、制御部が、シャッター開閉自動監視状態を解除し、シャッター開閉自動監視解除状態に移行させることを特徴とする。
上記構成において、好ましくは、第1センサは、シャッターが閉状態ではオフ状態であり、シャッターが閉状態から開状態となる開動作をするときにオン状態となる機能を備え、第2センサは、開閉手段が開状態ではオフ状態であり、開閉手段が開状態から閉状態となるときにオン状態となる機能を備える。
上記構成によれば、シャッター開閉についての監視状態と監視解除状態とを人為的に切り換える必要がないとともに、シャッター開閉監視解除状態において、シャッターが開状態で、引戸などの開閉手段が閉状態であっても、異常が発生していると判断されることもない。
【0012】
上記制御部は、好ましくは、第1センサのスイッチ機能によるスイッチと、第2センサのスイッチ機能によるスイッチと、リレー手段と、リレー手段への通電によりオフ状態からオン状態に遷移してオン状態を維持するリレー手段接点と、リレー手段接点のオン状態をオフ状態に解除するリセットスイッチと、電源と、を含み、第1センサのスイッチと第2センサのスイッチとの直列接続が、リレー接点とリセットスイッチとの直列接続に対して並列接続され、並列接続の一端がリレー手段の一端に接続され、並列接続の他端が電源の一端に接続され、リレー手段の他端が電源の他端に接続される回路構成を有している。上記構成によれば、制御部が、第1及び第2センサのスイッチ機能、接点を含むリレー手段、及びリセットスイッチにより単純な回路構成で実現される。このため、シャッター開閉自動監視装置を低コストで製造することができる。
【0013】
また、好ましくは、制御部がシャッター開閉自動監視状態で第1センサによりシャッターの開状態を検知したときに、警報を発報する警報手段を備える。この警報手段は、好ましくはリレー手段に並列接続されている。この構成によれば、警報手段を備えることで、監視者に警報を出したりまた侵入者を威嚇することができる。これにより、シャッター開閉自動監視装置を、シャッター開閉自動監視警報装置としても構成することができる。
【0014】
また、好ましくは、第1センサは、マグネットと磁気検知素子とからなる対を少なくとも1対以上含む磁気検出センサであり、磁気検知素子が、シャッターの閉状態でマグネットの磁界を検知せず、シャッターの開動作でマグネットの磁界を検知する位置に配置される。
好ましくは、前記第2センサは、マグネットと磁気検知素子とからなる対を少なくとも1対以上含む磁気検出センサであり、磁気検知素子が、開閉手段の閉状態でマグネットの磁界を検知する位置に配置される。
マグネットは、好ましくは開閉手段側に配置され、磁気検知素子は開閉手段の外側に配置される。或いは、マグネットが開閉手段側に配置され、マグネットと対となる磁気検知素子が、開閉手段のマグネットとは異なる位置に設けられたセンサユニット内に配置され、開閉部の閉状態で、第2センサの前記マグネットの磁界が磁気検知素子で検知されるように、マグネットと磁気検知素子とがそれぞれ配置されてもよい。
上記構成によれば、第1及び第2センサを構成するマグネット及び磁気検知素子対を、好ましい位置に配置することができ、容易に制御部を構成することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のシャッター開閉自動監視装置によれば、シャッター開閉の監視状態と監視解除状態の切換えを意識することなしに、居住者がシャッターを開けても警報を発することはなく、泥棒などの外部からの侵入者がシャッターを外側からこじ開けた場合にだけ警報を発報することができ、居住者の不注意による誤警報の発生を軽減することができる。
さらに、警報発報部を備えているので、従来のように受信機を介することなく、警報発報が可能となり、利便性の高いスタンドアロン型のシャッター開閉自動監視装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、同一又は実質的に同一の部材には同一の符号を付す。
図1は本発明のシャッター開閉自動監視装置の取付形態を示した側断面図であり、図2は図1のA−A線に沿う断面図である。
本発明のシャッター開閉自動監視装置10は、遮断手段としてのシャッター105の開閉状態を検知する第1センサ11と、開閉手段としての引戸102の開閉状態を検知する第2センサ12と、第1センサ11及び第2センサ12との検出結果に応じてシャッター開閉監視状態とシャッター開閉監視解除状態とを自動で切り換えて制御する制御部13とを備え、遮断手段の開閉を自動で監視する装置である。図では、引戸102及びシャッター105が閉まった状態を示している。
ここで、開口部とは、人の出入りや採光または通風の目的で、建物や船舶などの構造物の壁などに設けた開口部であり、開閉手段とは、この開口部を開閉するために配設される扉、アルミサッシ硝子戸などの引戸などである。また、遮断手段は、例えば、シャッターであり、侵入防止、盗難防止、防寒などの目的のために、引戸などの開閉手段を有する開口部の外側に設けられている。遮断手段は、シャッターに限らず自動扉や、引戸の外側に設けられる雨戸などでもよい。このため、本発明のシャッター開閉自動監視装置は、上記の窓シャッター開閉監視装置などにも適用できる。
【0017】
本例では、上下動するシャッター105が引戸102の外側に設けられている。そして、2枚の引戸102が基台101のレール103上に可動可能に載置されている。
【0018】
第1センサ11は、磁気検出センサなどを用いることができる。この第1磁気検出センサ11は、第1マグネット11aと、第1マグネット11aからの磁界を検知する第1磁気検知素子11bと、の対で構成される。第1磁気検出センサ11は、さらに、第1磁気検出センサ11bの検知に応じてオン、オフするスイッチ(図示せず)などを含んで構成されている。
【0019】
第1マグネット11aがシャッターの下端部にある下枠105aに取り付けられ、第1磁気検知素子11bがシャッター105の外部の対向するセンサユニット14に配置されている。このように、シャッター105が全閉の状態では、第1磁気検知素子11bは第1マグネット11aの位置より上方で、シャッター105に対向するように配置されているので、第1磁気検知素子11bが第1マグネット11aからの磁界を検知しない、すなわち、オフ状態となる。
一方、シャッター105が上方へ移動、即ち開けた際には、第1磁気検知素子11bが第1マグネット11aからの磁界を検知して、オン状態となる。
なお、図では、第1センサとして、磁気検出センサ11の第1マグネット11a及び第1磁気検知素子11bを1対として示している。シャッター105の枚数などの設置状態に応じて磁気検出センサ11を複数個用いてもよい。
【0020】
第2センサ12は、磁気検出センサなどを用いることができる。この第2磁気検出センサ12は、マグネット12a,12cと、マグネット12a,12cからの磁界を検知する磁気検知素子12b,12dとからなる対を少なくとも1対以上含む磁気検出センサである。さらに、磁気検出素子の検知に応じてオン、オフするスイッチ(図示せず)などを含んで構成されている。
【0021】
第2及び第3マグネット12a,12cは、それぞれ引戸の下枠102a,102aに内設されている。一方、第2及び第3磁気検知素子12b,12dは、レール103の下側外部に設けられているセンサユニット14に配設されている。このため、引戸102を全閉した状態で、第2及び第3磁気検知素子12b,12dは、第2及び第3マグネット12a,12cの磁気を検出しオン状態となり、引戸102が開くと、磁気が検知されなくなりオフ状態となる。
【0022】
次に、本発明のシャッター開閉自動監視装置の制御部について説明する。
図3は本発明のシャッター開閉自動監視装置の制御部の回路構成を示す回路図である。図において、制御部13の点線で囲った領域は、センサユニット14内の配線を示している。第1及び第2センサ11,12が直列接続されている。第2センサは2対のセンサからなっている。この直列接続の一端である第1センサ11の接点が、警報手段としてのブザー15とリレーのリレーコイル16との並列接続回路の一端に接続されている。そして、ブザー15及びリレーコイル16からなる並列接続回路の他端と、第2センサ12の接点とに、電源17が接続されて、電圧が印加される。さらに、上記第1センサ11と第2センサ12とは直列接続の両端部に、上記リレーコイル16と連動するリレー接点18とリセットスイッチ19との直列接続回路が、並列接続されている。
ここで、制御部のリレー16及びその接点18やリセットスイッチ19、ブザー15などは、半導体によるトランジスタ、集積回路(IC)などを組み合わせた電子回路を用いてもよい。
【0023】
上記第1及び第2センサ11,12は、磁気検出センサなどを用いることができ、ここでは、上記図1で説明した磁気検出センサを用いるものとする。第1磁気検出センサ11において、第1磁気検知素子11bが、第1マグネット11aからの磁界を検知していないときはオフとなり、これらのマグネット11aからの磁界を検知するとオンになるようにスイッチング状態が設定されることになる。この第1磁気検出センサ11は、上記スイッチ機能を備えるとともに、スイッチとなる接点を有している。
【0024】
第2磁気検出センサ12において、磁気検知素子及びマグネットの間の配置関係から、第2及び第3磁気検知素子12b,12dが、第2及び第3マグネット12a,12cからの磁界を検知していないときはオフとなり、これらのマグネットからの磁界を検知するとオンになるようにスイッチング機能を備えている。さらに、第2磁気検出センサ12は、上記スイッチ機能を備えるとともに、スイッチとなる接点を有している。
【0025】
上記ブザー15は、1つだけではなく複数備えてもよい。例えば、センサユニット14内に設ければ、侵入者を威嚇することができる。また、引戸から離れた使用者側にもブザー15を設けてもよい。ここで、警報手段15として、ブザーのように威嚇音を発するものの他、フラッシュライトのように警報を光で発するものでもよい。
【0026】
上記電源17は、商用電源又は電池などの直流電源を用いることができる。直流電源の場合には、蓄電池を備えた無停電源機能を備えた電源でもよい。この場合には、停電でも動作する。
【0027】
以上のように本発明のシャッター開閉監視装置10は構成されており、次のように動作する。
先ず、第1の初期状態として、図1及び図2に示したように、2枚の引戸102が全閉されており、かつ、シャッター105が全閉されているとする。この状態では、第1センサ11のスイッチ機能はオフ状態、第2センサ12のスイッチ機能はオン状態である。
【0028】
いま、屋外の外部から建物内部への侵入者が、シャッター105をこじ開けて、シャッター105が上方(図1の矢印の方向)へ移動したとする。この際、第1マグネット11aが、第1磁気検知素子11bの近傍を通過し、第1磁気検知素子11bが第1マグネット11aからの磁界を検知する。この磁界検知により、第1磁気検出センサ11のスイッチ機能がオン(クローズ)状態となる。これにより、第1及び第2の磁気検出センサ11,12は全てオン状態となり、電源17からの電圧がブザー15に印加される。このようにしてブザー15が鳴動すると共に、リレーコイル16も通電されているので、リレー接点18がオン(クローズ)状態となる。
【0029】
次に、シャッター105が上方向に開くと、第1マグネット11aは第1磁気検知素子11bから遠ざかる。このため、第1磁気検知素子11bは、第1マグネット11aからの磁界を検知しなくなり、磁気検出センサ11がオフとなる。この際、リレーコイル16はクローズしたリレー接点18を介して通電され続けるので、リレー接点18の状態は、ラッチ動作により自己保持されることになり、ブザー15は鳴動を継続する。
これにより、第1磁気検知素子11bが第1マグネット11aによる磁界を検知しなくなっても、ブザー15が鳴動し続けるので、シャッター105が侵入者により開けられたことを検知して、ブザー15で威嚇することができる。この際、ブザー15の鳴動を停止させるには、リセットスイッチ19を一旦オープン状態にして、リレー接点18の自己保持状態を解除するなどにより実現できる。
【0030】
次に、第2の初期状態として、シャッター105及び引戸102において、最初に引戸102を屋内から開放し、そして、シャッター105を上げる場合について説明する。
居住者は、先ず、内側又は外側の引戸102を開けるので、引戸の下枠102a下端部に取り付けられた第2及び第3マグネット12a,12cの少なくとも何れか一方は、引戸102,102の移動に伴い、引戸102の開く方向に移動する(図2に示した矢印方向参照)。このため、引戸102,102の開閉状態を検知する第2及び第3磁気検知素子12b,12dの少なくとも一方はオフとなる。この状態でシャッター105を開けると、第1マグネット11aが、図1の矢印方向に移動する際に、第1磁気検知素子11bの近傍を通過し、第1磁気検知素子11bのスイッチング機能をオン状態とするが、ブザー15は鳴動しない。
これにより、第1マグネット11aの接近で、第1磁気検知素子11bのスイッチ機能はオン状態となるが、第2磁気検知素子12b又は第3磁気検知素子12dのスイッチ機能の少なくとも一方はオフ(オープン)状態となっているので、ブザー15やリレーコイル16に通電され得ないことになる。
【0031】
次に、この状態から居住者が少なくとも何れかの引戸102を閉める場合を説明する。引戸102の両方を閉めると、引戸102,102の開閉状態を検知する第2及び第3の磁気検知素子12b,12dの両方がオン状態となる。このとき第1マグネット11aは既にシャッター105の開閉状態を検知する第1磁気検知素子11bの近傍を通過して離れた位置にあるので、第1磁気検知素子11bのスイッチ機能はオフ状態である。よって、ブザー15やリレーコイル16への通電は行われない。このため、居住者が、引戸102、シャッター105を順次開けた後に、引戸102を閉めても、ブザー15が鳴動することはない。これにより、シャッターが開状態で、引戸などの開閉手段が閉状態であっても、異常が発生していると判断されることもない。
【0032】
本発明のシャッター開閉自動監視装置10によれば、ブザー鳴動などによる威嚇を警報手段としたスタンダードアローン型のシャッター開閉自動監視装置を構成することができる。さらに、各磁気検知素子11b,12b,12dの接点出力、即ち、各端子間の出力を、従来の受信機に接続して、受信機側で、シャッター105の開閉の自動監視を行うこともできる。
【0033】
また、本発明のシャッター開閉監視装置10によれば、シャッター105の開閉を監視する状態と監視しない状態とを人為的に切り換える必要がなく、シャッター105の開閉の自動監視をすることができる。
したがって、居住者が監視状態の切り換えを忘れたときの誤動作による警報発報を阻止することができる。そして、侵入者が屋外からシャッター105を開けたときだけ、警報手段により警報を発することができる。
また、居住者が屋内側から、順次開閉手段としての引戸102を開いて、シャッター105を開放した後に引戸102を閉めても、警報手段により警報が発生することを防止することができる。
【0034】
次に、本発明のシャッター開閉監視装置の変形例について説明する。
図4は、本発明のシャッター開閉自動監視装置30の取付形態の変更例を示した側断面図であり、図5は図4のB−B線に沿う断面図である。
本発明のシャッター開閉自動監視装置30が、図1及び図2に示したシャッター開閉自動監視装置10と異なるのは、第2磁気検出センサ12がマグネット12a及び第2磁気検知素子12bからなる1対のセンサからなること及びセンサユニット34が引戸102の屋外側に配設されていることである。このセンサユニット34は、引戸の下枠102aと縦枠102bと交差部近傍、即ち右隅部に取り付けられている。
【0035】
第1磁気検出センサ11は、その第1マグネット11aがシャッター105の下枠105aの屋内側に接着シートなどを用いて取り付けられている。そして、第1磁気検知素子11bは、センサユニット34内のシャッター105と対向する面の内側に配置されている。すなわち、シャッター105を全閉した状態では、第1磁気検知素子11bは、第1マグネット11aと対向しないように配置されている。
これにより、シャッター105を全閉した状態では、第1磁気検知素子11bは、第1マグネット11aからの磁界を検知せず、オフ状態である。一方、シャッター105が上方に移動し始め(図4の矢印方向参照)、第1磁気検知素子11bは、第1マグネット11aからの磁界を検知したときに、オン状態となる。
【0036】
第2マグネット12aが、屋内側の引戸102の縦枠102b内にセンサユニット34に対向できる高さに設けられている。そして、第2磁気検知素子12bは、センサユニット34内に配置されている。そして、引戸102,102を全閉した状態では、第1磁気検知素子11bは、第1マグネット11aと対向する位置に配置されている。
これにより、引戸102,102を全閉した状態では、第2磁気検知素子12bは、第2マグネット12aからの磁界を検知し、オン状態である。一方、一対の引戸102,102の何れかが僅かにスライドして開いた状態になると、第2マグネット12aからの磁界を検知しなくなり、オフ状態となる。
【0037】
次に、本発明のシャッター開閉自動監視装置30の回路構成について説明する。
図6は、本発明のシャッター開閉自動監視装置30の制御部33の回路構成を示す回路図である。図において、制御部33の点線で囲った領域は、センサユニット34内の配線を示している。制御部33が、シャッター開閉自動監視装置10の制御部13と異なるのは、第2センサ12が第2マグネット12aと第2磁気検知素子12bとの一対で構成される点である。他の構成は、制御部13と同じであるので説明は省略する。制御部33の回路は、第2センサ12が1つのセンサである以外は、制御部13と同様に動作する。
これにより、シャッター開閉自動監視装置30の制御部33は、シャッター開閉自動監視装置10と同様に、シャッター105の開閉について自動監視することができる。
【0038】
本発明のシャッター開閉自動監視装置30によれば、開口部としての窓部の外側の引戸102に、センサユニット34を取り付け、更に、このセンサユニット34内に、シャッター開閉状態を検知する第1磁気検知素子11bと、外側及び内側の引戸102,102の開閉状態を検知する第2磁気検知素子12bと、を備えることにより、シャッター105の開閉を自動監視することができる。
【0039】
以上説明したように、本発明のシャッター開閉自動監視装置によれば、シャッター開閉の監視状態と監視解除状態の切換えを意識することなしに、居住者がシャッターを開けても警報を発することはなく、泥棒などの外部からの侵入者がシャッターを外側からこじ開けた場合にだけ警報を発報することができ、居住者の不注意による誤警報の発生を軽減することができる。
さらに、警報発報部を備えているので、従来のように受信機を介することなく、警報発報が可能となり、利便性の高いスタンドアロン型のシャッター開閉自動監視装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明のシャッター開閉自動監視装置の取付形態を示す側断面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】本発明のシャッター開閉自動監視装置の制御部の回路構成を示す回路図である。
【図4】本発明のシャッター開閉自動監視装置の取付形態の変更例を示した側断面図である。
【図5】図4のB−B線に沿う断面図である。
【図6】本発明のシャッター開閉自動監視装置の制御部の回路構成を示す回路図である。
【図7】従来のシャッター開閉監視用センサの取付形態を示した断面図である。
【符号の説明】
【0041】
10,30:シャッター開閉自動監視装置
11:第1センサ(第1磁気検出センサ)
11a:第1マグネット
11b:第1磁気検知素子
12:第2センサ(第2磁気検出センサ)
12a:第2マグネット
12b:第2磁気検知素子
12c:第3マグネット
12d:第3磁気検知素子
13,33:制御部
14,34:センサユニット
15:ブザー(警報手段)
16:リレーコイル(リレー)
17:電源
18:リレー接点
19:リセットスイッチ
101:基台
102:引戸(開閉手段)
102a,105a:下枠
102b:縦枠
103:レール
104:凸部
105:シャッター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部の外側に設けらるシャッターの開閉状態を検知する第1センサと、
上記開口部を開閉する開閉手段の開閉状態を検知する第2センサと、
制御部と、を備え、
上記開閉手段の閉状態を上記第2センサが検知し、かつ、上記シャッターの閉状態を上記第1センサが検知したときに、上記制御部が、上記第1センサによる上記シャッター開閉状態の自動監視状態に設定し、
上記シャッター開閉自動監視状態において、上記第2センサが上記開閉手段の開状態を検知したときに、上記制御部が、上記シャッター開閉自動監視状態を解除し、シャッター開閉監視解除状態に移行させることを特徴とする、シャッター開閉自動監視装置。
【請求項2】
前記第1センサは、前記シャッターが閉状態ではオフ状態であり、前記シャッターが閉状態から開状態となる開動作をするときにオン状態となる機能を備え、
前記第2センサは、前記開閉手段が開状態ではオフ状態であり、前記開閉手段が開状態から閉状態となるときにオン状態となる機能を備えることを特徴とする、請求項1に記載のシャッター開閉自動監視装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1センサのスイッチ機能によるスイッチと、
前記第2センサのスイッチ機能によるスイッチと、
リレー手段と、
上記リレー手段への通電によりオフ状態からオン状態に遷移してオン状態を維持するリレー手段接点と、
上記リレー手段接点のオン状態をオフ状態に解除するリセットスイッチと、
電源と、を含み、
上記第1センサのスイッチと上記第2センサのスイッチとの直列接続が、上記リレー接点と上記リセットスイッチとの直列接続に対して並列接続され、
上記並列接続の一端が上記リレー手段の一端に接続され、
上記並列接続の他端が上記電源の一端に接続され、
上記リレー手段の他端が上記電源の他端に接続される回路構成を有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシャッター開閉自動監視装置。
【請求項4】
さらに、前記制御部が前記シャッター開閉自動監視状態で前記第1センサにより前記シャッターの開状態を検知したときに警報を発報する警報手段を備えることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載のシャッター開閉自動監視装置。
【請求項5】
前記警報手段が、前記リレー手段に並列接続されていることを特徴とする、請求項4に記載のシャッター開閉自動監視装置。
【請求項6】
前記第1センサは、マグネットと磁気検知素子とからなる対を少なくとも1対以上含む磁気検出センサであり、該磁気検知素子が、シャッターの閉状態で上記マグネットの磁界を検知せず、上記シャッターの開動作で上記マグネットの磁界を検知する位置に配置されることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載のシャッター開閉自動監視装置。
【請求項7】
前記第2センサは、マグネットと磁気検知素子とからなる対を少なくとも1対以上含む磁気検出センサであり、上記磁気検知素子が、前記開閉手段の閉状態で上記マグネットの磁界を検知する位置に配置されることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載のシャッター開閉自動監視装置。
【請求項8】
前記マグネットが前記開閉手段側に配置され、前記磁気検知素子は前記開閉手段の外側に配置されることを特徴とする、請求項7に記載のシャッター開閉自動監視装置。
【請求項9】
前記マグネットが前記開閉手段側に配置され、前記マグネットと対となる前記磁気検知素子が前記開閉手段の前記マグネットとは異なる位置に設けられたセンサユニット内に配置され、前記開閉部の閉状態で、前記第2センサの前記マグネットの磁界が前記磁気検知素子で検知されるように、前記マグネットと前記磁気検知素子とがそれぞれ配置されていることを特徴とする、請求項7に記載のシャッター開閉自動監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−45862(P2006−45862A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−227220(P2004−227220)
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【出願人】(590005911)株式会社日本アレフ (19)
【Fターム(参考)】