説明

シューズ

【課題】ソールの上の質量が最適化されており、さらに、特に製造が容易な長持ちするシューズを提供する。
【解決手段】ワンピースのソール部材(10)を含むシューズであって、ソール部材(10)が、足の下に延在するソール区域(20)、および足の踵を三次元的に取り囲むヒールカップ(30)を備える。ヒールカップ(30)のみで、シューズの側壁の少なくとも一部を形成する。ソール部材(10)が通気開口部(73)を含むことが好ましい。ソール部材(10)が複数の補強リブ(74)を含むことが好ましい。踵骨の下の領域において、ソール区域(20)が、ソール区域(20)の周囲の領域におけるよりも柔軟な材料から製造された領域および/または凹部(72)を含むことが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シューズ、特にスポーツシューズに関する。
【背景技術】
【0002】
シューズは、複数の技術要件を満たさなければならない。一方で、体に作用する地面からの反力を効果的に緩衝すべきである。他方で、正しいステップ・サイクルをサポートすべきであり、必要であれば、ミスオリエンテーション(mis-orientation)を補正すべきである。それと同時に、シューズ、特にスポーツシューズはできるだけ軽量であるべきである。何故ならば、動作の過程に必要なエネルギーは、シューズの質量に正比例するからである。それゆえ、上述した生体機械的要件を満たした近代的なスポーツシューズを開発し、できるだけ軽量の長持ちするシューズを製造することが、長年に亘り課題であった。
【0003】
過去において、シューソールの改良に焦点が当てられていた。例えば、特許文献1から4において、本願出願人は、一般に用いられる均質なEVAミッドソールが個別の部材によって少なくとも部分的に置換されている異なるソール設計を開示した。さらに、上述した文献には、もはや発泡材料からなるものではなく、シューソールの質量を著しく減少させると同時に、シューズの寿命を延ばす弾性枠組み構造体を使用した緩衝部材の使用が開示されている。
【0004】
さらに、本願出願人はすでに、特許文献5において、走者の能力を改善するように機能する、シューアッパーに組み込まれたヒールカップを備えたスプリント・プレートを開示している。
【特許文献1】独国特許出願公開第4114551A1号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第741529A1号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10234913A1号明細書
【特許文献4】独国特許発明第10212862C1号明細書
【特許文献5】独国特許発明第19919409C1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、シューソールの上の区域におけるシューズの設計に関して、上述した文献に開示されたシューズは、ソールの縁から始まるシューアッパーが足の周りを上方に延在する、実質的に共通の手法を用いている。ヒール区域を補強するために、別個のヒールカップが組み込まれてもよい。しかしながら、シューアッパーのこの公知の設計と、ソールへのその相互接続のために、質量が著しく増加してしまう。さらに、シューズの製造において、複数の別個の部材を互いに手作業で縫い付けるかまたは接着しなければならず、このために、コストが高くなる。
【0006】
したがって、本発明は、ソールの上の質量が最適化されており、さらに、特に製造が容易な長持ちするシューズ、特にスポーツシューズを提供するという課題に基づくものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、この課題を、ワンピースのソール部材を備えたシューズ、特にスポーツシューズにより解決する。そのソール部材は、足の下に延在するソール区域および足の踵を三次元的に取り囲むヒールカップを備え、そのヒールカップは単独で、シューズの側壁の少なくとも部分的な区域を形成する。
【0008】
したがって、本発明によるワンピースのソール部材は、ソールの構成部材を提供するだけでなく、さらにシューズの踵領域における典型的な側壁(従来は、別個のヒールカップで補強されたアッパー材料により提供される)を少なくとも部分的に置換する。このため、一方では、シューズのソール領域とアッパーとの間の移行がしっかりしたものとなり、これは費用効果的に製造できる。他方では、シューズ全体は軽量に製造できる。何故ならば、ソール部材は、軽量のプラスチック材料から製造でき、シューアッパーの比較的重い材料、例えば、皮革や布地を、ヒール、並びに可能性のある別個のインソールおよび/または耐久性ボードなどの他のソール構成部材の組み込まれた補強部材で置き換える。さらに、本発明によるシューズの製造労力が実質的に減少する。シューアッパーをソールに直接縫い付けることは、少なくともある程度はもはや必要なく、シューズを製造するために必要な構成部材の全体数が実質的に減少する。
【0009】
ワンピースのソール部材は、特に多成分射出成形によって、複数の材料から製造されることが好ましい。その結果、縫い付け、接着またはその他の様式で複数の別個の構成部材を連結するための追加の製造工程を必要とせずに、材料特性を、例えば、質量、剛性および/または外観に関して、ソール部材の異なる領域において最適化できる。
【0010】
踵領域において、シューアッパーがヒールカップの上縁に取り付けられていることが好ましく、この縁は、厚さが減少している、および/またはソール部材の他の領域よりも軟らかい材料から製造されていることが好ましい。これにより、ワンピースのソール部材とシューアッパーとの間のシューズにおける移行が滑らかになる。さらに、ヒールカップの上縁の厚さが減少しいてるために、例えば、取付手段が縫付けである場合、アッパーへの取付けが容易になる。
【0011】
ある実施の形態において、ソール部材は、側方と上方に延在し、足の土踏まずの領域において足の中央部(mid-foot)を、好ましくは足の甲まで、取り囲む。したがって、ワンピースのソール部材は、シューズ全体の設計のシャーシ状部材となり、複数の側から足を取り囲む。
【0012】
サッカーシューズに特に適したある実施の形態において、ソール部材のソール区域は、踵領域から、少なくとも足の中央部まで、好ましくは、足の下の全区域まで実質的に亘り、延在する。その結果、荷重を受けたシューズの変形特性が、ワンピースのソール部材によっり実質的に決定される。
【0013】
さらに好ましい実施の形態において、ソール部材は、特に、ソール部材がシューズの側壁を形成している部分的区域の領域において、透明領域および/または通気開口部および/または補強リブを備えている。これらの追加の特徴に基づいて、シューズの光学的外観、その通気特性およびシューズの軸の剛性に容易に影響を与えることができる。
【0014】
ランニングシューズに特に適した実施の形態において、ソール区域は荷重分散プレートとして設けられ、そのプレートの下に少なくとも1つの緩衝部材が配置されている。この特徴により、従来技術において説明した本願出願人のソール構成部材を好ましく使用するのが容易になり、これはさらに、シューズの質量を減少させ、その寿命を長くする。この目的のために、ソール区域の下には複数の緩衝部材を配置することが好ましく、それらは下側で共通のアウトソールにより相互連結されている。プレートと緩衝部材とを直接連結することが特に好ましい。それは、荷重の分散がより効果的な行われるからである。
【0015】
さらに好ましい実施の形態において、ソール区域は、踵骨の下の領域において、開口部および/またはソール区域の周囲の領域よりも軟らかい材料から製造された領域を備える。この特徴により、履き心地がよくなるだけでなく、特に、比較的硬いソール区域を有するソール部材の場合、ソール区域に用いられるプラスチック材料への過剰な局所的荷重が避けられる。開口部および/またはこの領域の上部に、柔軟な材料から製造された追加の緩衝層、例えば、適切に緩衝作用を生じるインソールが配置されているときに、その緩衝材料は、荷重が過剰な場合、それは踵が地面と接触している最中に踵骨の下で生じるので、開口部またはより柔軟な領域中に広がる。損傷を避けるために、この領域においてインソールを適切に補強することにより、この広がりを制限してもよい。代わりに、またはそれに加え、さらに別の緩衝部材を、踵骨の領域において、ソール区域下に配置しても差し支えない。
【0016】
本発明によるシューズのさらなる改変は、さらなる従属請求項に定義されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下において、最初に、本発明の実施の形態を、サッカーシューズのソール部材に関して説明し、次に、ランニングシューズのソール部材の実施の形態に関して説明する。しかしながら、本発明は、これらのタイプのシューズには限定されず、例えば、トレーニングシューズ、バスケットボールシューズ、クロスカントリースキー用シューズ、ハイキングシューズなどにも使用できることを理解すべきである。
【0018】
図1および2は、本発明によるシューズ(図1参照)の第1の実施の形態の斜視図および図1のシューズに用いられる本発明によるソール部材10(図2参照)の側面図を示している。ソール部材10は、ワンピース部材として提供されているのが分かる。ソール部材10は、足の下に延在するソール区域20から始まって(図2参照)、ヒールカップ30により足の踵(図1および2には示されていない)を取り囲んでいる。しかしながら、公知の設計とは異なり、このヒールカップ30は、シューズのアッパー中に完全には組み込まれていない。その代わりに、踵領域において、足を取り囲む側壁を形成しているのは(図1参照)、ヒールカップ30だけである。
【0019】
その結果、踵領域において、シューアッパー40は、ソールまでは下方に延在せず、ソール部材10の上縁31に取り付けられる。この目的のために、接着、溶着または縫付けなどの異なる技法を用いて、シューアッパー40をソール部材10の上縁31に付着させても差し支えない。一般のシューズとは異なり、本発明のシューアッパー40は、シューズの外面の減少した部分にしか延在しない。したがって、シューズの質量が減少し(材料層の重複を避けた結果として)、これにより転じて、シューズを履いている間の任意の動作に要求されるエネルギーの量が減少する。
【0020】
図1および2に示したソール部材10は、ソール区域20から始まり、外側の側方領域35にも上方に延在している。特に、側方領域35は、そのリブ状構造体と共に、ワンピースのソール部材10がいくつかの材料から製造されることが好ましい(図2参照)ことを示している。例えば、縁31は、比較的柔軟なプラスチック材料、例えば、軟質熱可塑性ウレタン(TPU)から製造されているが、図1および2の実施の形態においては、後方端から足を支持し、それによって、シューズ全体の安定性を増加させるヒールカップ30には、硬質TPUを使用してもよいであろう。
【0021】
二種類以上の材料からワンピースとしてソール部材10を製造することは、今日では、多成分射出成形により容易に可能である。適切な成形型中に異なる材料を連続してまたは同時に射出するか、または第2のソール材料をプリフォームの周りに射出する。このプリフォームは、補強の機能を果たし、成形型中に容易に配置される。これらの製造技法は、それ自体、当業者に公知であり、したがって、さらに説明する必要はない。図4aは、異なる材料から製造された隣接領域を有するソール部材10の実施の形態を示している。ある材料から別の材料へのはっきりした移行以外に、ある材料から他の材料への徐々の移行を提供することも考えられる。TPU以外に、ソール部材10の説明した実施の形態の製造に、ポリアミドや他のプラスチック材料も適している。このソール部材10は、必要であれば、ガラス繊維および/または炭素繊維により補強してもよい。
【0022】
さらに、ソール部材10に透明なプラスチック材料を使用することも考えられる。その結果、シューズの外観は、少なくとも踵領域30において、シューズの内部に配置された要素、例えば、ソックスや追加のインソールの色により、容易に決められる。
【0023】
足の前部には、ソールの追加の補強部材50がある。ソールのこの部分も、ソール部材10全体と一緒にワンピースで製造することができる。あるいは、ソールの補強部材50を別に製造し、後で、この補強部材をソール部材10に、例えば、接着、溶着または当業者によく知られた他の技法によって、取り付けても差し支えない。
【0024】
図1および2の実施の形態において、スタッドなどの異形部材12(図1参照)のための複数のレセプタクル11が、ソール区域20に配置されている。最も単純な代替例において、これらのレセプタクル11は、ワンピースのソール部材10の適切な開口部として単純に設けられる。しかしながら、例えば、スタッドを取り付けるためのスナップ連結またはネジ山を有するより複雑なレセプタクル(図示せず)を直接成形することも考えられる。これにより、複数の別個の構成部材の時間のかかる組立てが減少する。
【0025】
図3a〜cには、サッカーシューズ用のソール部材10のさらに好ましい実施の形態の側面図、底面図および背面図が開示されている。特に図3cから分かるように、外側と内側の側方領域35が、シューズの甲領域まで上向きにほぼ等しく延在している。さらに、図3a〜cのソール部材10は、複数の補強リブ32を備えている。これらのリブ32により、剛性が増し、壁厚が減少し、それによって、ソール部材10全体の質量が減少する。
【0026】
図4aのソール部材の実施の形態は、既に先に述べたように、ソール部材の異なる領域に異なる材料を使用することによって、これまで論じてきたソール部材とは異なる。踵領域14には硬質TPUが用いられており、この硬質TPUは足前部16の中央に使用されることも好ましい。その間において、すなわち、足中央領域15において、足のこの領域に生じる荷重を考慮に入れて、特に伸縮性のTPUが用いられる。さらに、図4aの底面図は、ソールの前部の縁領域に沿った補強部材50を示している。この補強部材は、既に先に述べられており、特に、スタッドのためのレセプタクル11を補強するように働く。
【0027】
上縁領域31における異なる、好ましくはより柔軟な材料の使用は別にして、図4b〜4dの断面図は、ソール部材10の様々な壁厚を示している。この特徴は、追加に、ソール部材の安定性、それによって、シューズの安定性を損なわずに、ソール部材10全体の質量の最適化に寄与する。上縁領域31は、その上端で比較的薄いことが好ましい。(人工)皮革または織物材料などのシューズのアッパーの材料を上縁領域31の外側に取り付ける場合、ワンピースのソール部材10だけにより形成されたシューズの側壁の部分区域から、一般のシューアッパー(図示せず)が側壁を形成している部分区域に、外側の移行が滑らかになる。
【0028】
一般に、ソール部材10は、ある種のフレームまたはシューズ全体のシャーシを形成するほど剛性であり得る。この場合、要求される履き心地を確保するために、ソール部材の内部だけに柔軟なインソールが配置される。しかしながら、別の代替例において、ソール部材10は、ソール区域の領域において、比較的薄く柔軟な材料から製造される。この場合、本願出願人の独国特許出願公開第102004011608A1号明細書に詳しく説明され、図4b〜4dに図示されているように、内部シャーシ60により安定性が提供されることが好ましい。要求される安定性が、半剛性ソール部材10および半剛性内部シャーシ60の組合せから生じている混成された実施の形態も考えられる。
【0029】
図5から7は、ランニングシューズの実施例と共に本発明のさらに別の実施の形態を示している。図5および7に示されているように、図6の詳しく示されたソール部材10が、複数の緩衝部材100の上に配置されている。これらの緩衝部材は、上述した文献に開示された発泡体のない緩衝部材または一般のEVA部材であってよい。同様に、本発明によるソール部材を一般の連続EVAミッドソール(図示せず)の上に配置することも考えられる。
【0030】
別個の緩衝部材100を使用する場合、ソール部材10は追加に荷重分散プレートとして働く。このプレートは、局部圧力点が避けられるように、下から作用する地面の反力および上から作用する体重を、ソールのより広い面積に分布させる。ソール部材10を別個の緩衝部材100に直接取り付けることが特に効果的である。
【0031】
図6からのソール部材10も、ヒールカップ30により踵(図示せず)を三次元的に取り囲んでおり、足中央領域において上方に延在する側方領域35を備えているが、その足前部への延在は限られている。回内や回外などのミスオリエンテーションを避けるように働く外側と内側の縁補強部70に加えて、この実施の形態においては、足前部に大きな凹部71がある。2つの縁補強部70は、使用される材料の弾性のために、互いに独立して撓ませることができ、それによって、足後部に対してシューズの足前部の捻れ動作が可能になる。
【0032】
凹部71によって、足(図示せず)が、シューズのこの領域において、直接下に配置された(図7の分解図参照)追加の緩衝部材101に接触することが可能になる。地面からの繰り返しの押し離し(push-off)中の相当な荷重に関する最高な履き心地を提供し、特に、過剰な荷重に対して中足骨の敏感な頭部を保護する緩衝部材101に、適切に調節されたEVA部材を使用することが好ましい。それと同時に、凹部71は追加に、シューズの全体の質量を減少させる。
【0033】
中間層200が緩衝部材100,101の下に配置されており、これが、別個の緩衝部材100,101の下側を相互連結している。この特徴により、緩衝部材が安定化され、特に、別個の緩衝部材への剪断力からそれらが保護される。このソールは、アウトソール層210により下側で終わる。このアウトソール層は、中間層200の下に配置されており、シューズの摩擦特性を決定する。記載した設計は、単に例示であり、例えば、中間層およびアウトソール層を単独層として設けて、シューズの製造をさらに簡単にしてもよいことが理解されよう。逆に、例えば、アウトソール層210の上面に直接、追加の層を設けることも可能である。
【0034】
ソール区域20の踵領域において、図6に示したソール部材10の実施の形態は、さらに別の凹部72を含む。凹部72は、踵骨の直接下の踵領域の中央に配置されていることが好ましい。この凹部は、大半のランナーがそこで地面に接触する踵領域における極度に高い荷重によって、例えば、上に横たわるインソール層90(図7参照)が踵骨の下に完全に圧縮され、もはやどのような緩衝も提供できない場合、不快な感触を生じたり、ソール部材10に損傷が生じたりするのを避けるように働く。したがって、凹部72によって、緩衝インソール材料の下方への制御された拡張が可能になる。しかしながら、このプロセスによりインソール90が損傷するのを避けるために、インソール90は、下側に、適切な補強体(図示せず)を備えてもよく、または適切な補強体がインソール90中に組み込まれる。その補強体は、例えば、異なる厚さのTPUまたはEVAから製造された別個の構成部材であってよく、その構成部材は、インソール中に埋め込まれるか、または、例えば、接着、溶着、共射出成形などにより、後にインソールに連結される。
【0035】
さらに、足前部の場合と同じ様式で、ソール部材10の凹部72の下に、追加の、特に柔軟な、緩衝部材(図示せず)を配置することも考えられる。踵領域の中央に関する可能性のある緩衝代替例とは独立して、凹部72により、ソール部材10の縁領域と比較して、緩衝動作を大きくすることができる。凹部72のサイズと形状は、例えば、ランナーの体重および/または使用する好ましいフィールドに応じて、様々であってよい。3〜5cmの長さおよび1〜3cmの幅が現在好ましい。ソール区域20が、領域72中のより柔軟かつより弾性的な材料(図示せず)から製造されている場合、凹部を提供するのと同様な効果も得られる。
【0036】
さらに、図5から7には、シューズの側壁をそれだけから形成する、ソール部材10の部分区域の複数の小さな通気開口部73が示されている。さらに、通気開口部73は、ソール区域20の足中央部に配置されていることが好ましい。その結果、シューズの通気特性を容易に改善できる。さらに、ソール部材10は複数の補強リブ74を備え、小さな材料の厚さでさえ、相当な剛性が提供されることが図6から分かる。開口部73および/またはリブ74の特定の配列は、シューズの使用フィールドおよびサイズに応じて様々であってよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明によるシューズの実施の形態の斜視図
【図2】図1の本発明によるシューズのソール部材の実施の形態の側面図
【図3】3a,3bおよび3cは、本発明によるシューズのソール部材のさらに別の実施の形態を示す側面図、底面図および背面図
【図4a】ソール部材の異なる領域において異なる材料を有する本発明によるシューズのソール部材のさらに別の実施の形態を示す底面図
【図4b】図4aの線b−b’に沿った断面図
【図4c】図4aの線c−c’に沿った断面図
【図4d】図4aの線d−d’に沿った断面図
【図5】本発明によるシューズのさらに別の実施の形態の概略図
【図6】図5のシューズのソール部材の詳細図
【図7】図5のシューズのソール集合体の分解図
【符号の説明】
【0038】
10 ソール部材
20 ソール区域
30 ヒールカップ
40 シューアッパー
50,70 補強部材
60 内部シャーシ
71,72 凹部
73 通気開口部
74 補強リブ
100,101 緩衝部材
200 中間層
210 アウトソール層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワンピースのソール部材(10)を含むシューズであって、前記ソール部材(10)が、
a. 足の下に延在するソール区域(20)、および
b. 足の踵を三次元的に取り囲むヒールカップ(30)、
を備え、
c. 前記ヒールカップ(30)のみで、前記シューズの側壁の少なくとも一部が形成されることを特徴とするシューズ。
【請求項2】
前記ワンピースのソール部材(10)が複数の材料から製造されていることを特徴とする請求項1記載のシューズ。
【請求項3】
シューアッパー(40)をさらに備え、該シューアッパー(40)の少なくとも一部が前記ヒールカップ(30)の上縁(31)に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2記載のシューズ。
【請求項4】
前記上縁(31)が、減少した厚さのものである、および/または前記ソール部材(10)の他の領域よりも柔軟な材料から製造されていることを特徴とする請求項3記載のシューズ。
【請求項5】
前記ソール部材(10)が、前記ヒールカップ(30)の領域においておよび/または前記ソール区域(20)の中央部分において、前記ソール部材(10)の他の領域におけるよりも硬い材料からなることを特徴とする請求項2から4いずれか1項記載のシューズ。
【請求項6】
前記ソール部材(10)が、足の土踏まずの領域において上方に延在し、足の中央領域を取り囲むことを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載のシューズ。
【請求項7】
前記ソール部材(10)の前記ソール区域(20)が、踵領域から少なくとも足中央部まで延在することを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載のシューズ。
【請求項8】
前記ソール部材(10)が透明領域を含むことを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載のシューズ。
【請求項9】
前記ソール部材(10)が通気開口部(73)を含むことを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載のシューズ。
【請求項10】
前記ソール部材(10)が複数の補強リブ(74)を含むことを特徴とする請求項1から9いずれか1項記載のシューズ。
【請求項11】
前記ソール部材(10)が、前記ソール区域(20)において、前記シューズの異形部材(12)のためのレセプタクル(11)を少なくとも1つ含むことを特徴とする請求項1から10いずれか1項記載のシューズ。
【請求項12】
前記レセプタクル(11)が前記ソール区域(20)に開口部を備えることを特徴とする請求項11記載のシューズ。
【請求項13】
前記ソール区域(20)が荷重分散プレートとして設けられており、該荷重分散プレートの下に少なくとも1つの緩衝部材(100)が配置されていることを特徴とする請求項1から12いずれか1項記載のシューズ。
【請求項14】
前記ソール区域(20)の下に複数の緩衝部材(100,101)が配置されていることを特徴とする請求項13記載のシューズ。
【請求項15】
前記緩衝部材(100,101)が、それらの下側で、中間層(200)および/または共通のアウトソール(210)により相互連結されていることを特徴とする請求項14記載のシューズ。
【請求項16】
踵骨の下の領域において、前記ソール区域(20)が、該ソール区域(20)の周囲の領域におけるよりも柔軟な材料から製造された領域および/または凹部(72)を含むことを特徴とする請求項1から15いずれか1項記載のシューズ。
【請求項17】
踵骨の領域に補強体を有するインソール(90)をさらに備えることを特徴とする請求項16記載のシューズ。
【請求項18】
踵骨の領域における前記ソール区域(20)の下に配置された追加の緩衝部材をさらに備えることを特徴とする請求項16または17記載のシューズ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−275567(P2007−275567A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−74472(P2007−74472)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(503052173)アディダス インターナショナル マーケティング ベー ヴェー (23)
【氏名又は名称原語表記】adidas International Marketing B.V.
【Fターム(参考)】