説明

シートシャッター用物体検出装置

【課題】簡単な構成によって、シートシャッターの開閉を的確に制御するとともに、シート体そのものを検出することに起因する誤動作を極力防止できるシートシャッター用物体検出装置1を提供する。
【解決手段】シートシャッター近傍に近傍検出エリアを形成する検出能力可変の近傍側センサ11と、遠方検出エリアを形成する遠方側センサ12〜14と、前記シートシャッターが閉鎖していると判断されるときに近傍側センサ11の検出能力を通常よりも低下させ、前記シートシャッターが閉鎖していないと判断されるときには近傍側センサ11の検出能力を通常とし、センサ11〜14の少なくとも1つによって物体が検出されているときに物体検出信号S1を出力し、センサ11〜14のいずれによっても物体が検出されないときには物体検出信号S1の出力を停止する制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の開口部などに設けられるシートシャッターの開閉を制御するためのシートシャッター用物体検出装置に関し、特に、シートシャッター特有の要因による誤開閉を防止可能なシートシャッター用物体検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シートシャッターは可撓性を有する薄いシート体を使用して建物の開口部を開閉動作させるものである。金属製のスラットなどを使用した鋼製シャッターに比べて重量が軽いために高速な開閉動作が可能であり、トラック、フォークリフト等の通行物が頻繁に出入りする工場、倉庫等の出入口などに設置されることが多い。
【0003】
従来のシートシャッターは、例えば、開口部上方に設けられてシート体を巻き取る巻取シャフト、この巻取シャフトを回転駆動する開閉機、開口部両端に設けられシート体を昇降案内するガイドレール、開閉機の回転量を検出して開閉機の駆動を停止してシート体を開口部の上下限位置で停止させるリミットスイッチ、これらを制御するコントローラなどを備えている。そして、通行物がシートシャッターの近傍に来たことを検出するセンサの検出信号に連動してシートシャッターが上限位置まで開放し、一定時間後にはシートシャッターが自動的に下限位置まで閉鎖するように構成されている。
【0004】
通行物を検出するためのセンサとしては、例えば赤外線方式のセンサが使用される。また、シートシャッター閉鎖動作中にその下方の通行物や障害物を検出してシートシャッターの閉鎖中止および再開放を可能とするために、開口部の側方両端などに光電式の下降規制センサが併設されることも多い。
【0005】
ところが、シートシャッターは可撓性を有する薄いシート体を使用しているため、風などに煽られることによってシート体の一部が膨らむことがある。そのようにして膨らんだシート体が下降規制センサの光路内に進入すると、シートシャッターの閉鎖が中止されて再び開放されるという誤動作を招く結果となり得る。
【0006】
そこで、このような誤動作を防止可能とする「シートシャッターの異常検知装置」が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
一方、自動ドア用センサの技術分野では、接近する通行人を検出して自動ドアを開放するとともに、自動ドアを閉鎖中に自動ドア付近の通行人を検出した場合には閉鎖中止および再開放を行うことを、開口部上部に設置する一系統の赤外線式センサのみで可能とした「自動ドアセンサ、および自動ドアの開閉制御方法」も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2004−211306号公報
【特許文献2】特開2005−232915号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の特許文献1のような従来技術では、開口部上部および開口部両端に少なくとも二系統のセンサを設置する必要があり、各系統のセンサ間の配線などを伴う設置作業が煩雑である。また、全体の構成が複雑になってコストが上昇したり、配線の断線などに起因する不具合の発生を招いたりすることなども考えられる。
【0009】
また、上述の特許文献2のような従来技術をシートシャッターに使用した場合には、風などに煽られて膨らんだシート体の一部が検出されて誤動作を招く可能性がある。
【0010】
従来技術のこのような課題に鑑み、本発明の目的は、簡単な構成によって、シートシャッターの開閉を的確に制御するとともに、シート体そのものを検出することに起因する誤動作を極力防止できるシートシャッター用物体検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のシートシャッター用物体検出装置は、可撓性を有するシート体を用いたシートシャッターの開閉制御のための物体検出信号を出力可能なシートシャッター用物体検出装置であって、前記シートシャッター近傍において少なくとも1つの近傍検出エリアを形成し、この近傍検出エリア内の物体を検出するとともに、その検出能力が可変である近傍側センサと、前記近傍検出エリアよりも前記シートシャッターから離れた側に少なくとも1つの遠方検出エリアを形成し、この遠方検出エリア内の物体を検出する遠方側センサと、前記シートシャッターが閉鎖していると判断されるときに前記近傍側センサの検出能力を通常よりも低下させ、前記シートシャッターが閉鎖していないと判断されるときには前記近傍側センサの検出能力を通常とし、前記遠方側センサまたは前記近傍側センサの少なくとも1つによって物体が検出されているときに前記物体検出信号を出力し、前記遠方側センサおよび前記近傍側センサのいずれによっても物体が検出されないときには前記物体検出信号の出力を停止する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
ここで、前記シートシャッターが閉鎖しているとの判断については次のような手法が考えられる。例えば、シートシャッター用物体検出装置を前記シートシャッターの閉鎖完了信号が入力可能に構成しておき、この閉鎖完了信号に基づいて前記制御手段によって前記シートシャッターが閉鎖しているか否かを判断させるようにしてもよい。あるいは、前記物体検出信号の出力停止状態が所定時間以上継続したことにより前記シートシャッターが閉じていると判断させるようにしてもよい。
【0013】
このような構成のシートシャッター用物体検出装置によれば、前記シートシャッターが閉鎖している場合には、前記シートシャッター近傍に前記近傍検出エリアを形成する前記近傍側センサの検出能力が通常よりも低下させられる。これにより、風などによって煽られて膨らんだシート体の一部が検出されることによる誤動作が抑制される。
【0014】
また、本発明のシートシャッター用物体検出装置において、前記近傍側センサは、前記シートシャッター近傍において前記シートシャッターと略平行に複数の近傍検出エリアを隣接して形成し、これらの近傍検出エリア内の物体をそれぞれ検出するものであり、前記制御手段は、前記シートシャッターが閉鎖していると判断されるとともに前記遠方側センサによっては物体が検出されていない場合であって、前記近傍側センサによって第1所定判定時間内に前記複数の近傍検出エリアのうちの第1所定数以上のエリア内で物体が検出されたときには、前記物体検出信号を出力しないことを特徴としてもよい。
【0015】
このような構成のシートシャッター用物体検出装置によれば、前記シートシャッターが閉鎖している場合に、風などによって煽られて膨らんだシート体の一部が検出された可能性が高いことをより的確に検出することができ、誤動作が極力回避される。
【0016】
あるいは、本発明のシートシャッター用物体検出装置は、可撓性を有するシート体を用いたシートシャッターの開閉制御のための物体検出信号を出力可能なシートシャッター用物体検出装置であって、前記シートシャッター近傍において前記シートシャッターと略平行に複数の近傍検出エリアを隣接して形成し、これらの近傍検出エリア内の物体をそれぞれ検出する近傍側センサと、前記近傍検出エリアよりも前記シートシャッターから離れた側に少なくとも1つの遠方検出エリアを形成し、この遠方検出エリア内の物体を検出する遠方側センサと、前記遠方側センサの少なくとも1つによって物体が検出されている場合は前記物体検出信号を出力し、前記遠方側センサおよび前記近傍側センサのいずれによっても物体が検出されない場合は前記物体検出信号の出力を停止し、前記近傍側センサのみによって物体が検出されている場合については、第2所定判定時間内に前記複数の近傍検出エリアのうちの第2所定数以上のエリア内で物体が検出されなかったとき又は前記シートシャッターが閉鎖していないと判断されるときのみ前記物体検出信号を出力する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
このような構成のシートシャッター用物体検出装置によれば、前記シートシャッターが閉鎖している場合に、風などによって煽られて膨らんだシート体の一部が検出された可能性が高いことをさらに的確に検出することができ、誤動作が極力回避される。
【0018】
あるいは、本発明のシートシャッター用物体検出装置は、可撓性を有するシート体を用いたシートシャッターの開閉制御のための物体検出信号を出力可能なシートシャッター用物体検出装置であって、前記シートシャッター近傍において前記シートシャッターと略平行に複数の近傍検出エリアを隣接して形成し、これらの近傍検出エリア内の物体をそれぞれ検出する近傍側センサと、前記近傍検出エリアよりも前記シートシャッターから離れた側に少なくとも1つの遠方検出エリアを形成し、この遠方検出エリア内の物体を検出する遠方側センサと、前記遠方側センサの少なくとも1つによって物体が検出されている場合は前記物体検出信号を出力し、前記遠方側センサおよび前記近傍側センサのいずれによっても物体が検出されない場合は前記物体検出信号の出力を停止し、前記近傍側センサのみによって物体が検出されている場合については、第2所定判定時間内に前記複数の近傍検出エリアのうちの第2所定数以上のエリア内で物体が検出されるとともにその物体を検出したエリア間での検出状態の時間的変動の差が所定範囲内ではなかったとき、又は前記シートシャッターが閉鎖していないと判断されるときのみ、前記物体検出信号を出力する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
このような構成のシートシャッター用物体検出装置によれば、前記シートシャッターが閉鎖している場合に、風などによって煽られて膨らんだシート体の一部が検出された可能性が高いことをより一層的確に検出することができ、誤動作が極力回避される。
【発明の効果】
【0020】
本発明のシートシャッター用物体検出装置によれば、前記シートシャッターが閉鎖している場合には、前記シートシャッター近傍に前記近傍検出エリアを形成する前記近傍側センサの検出能力が通常よりも低下させられる。これにより、風などによって煽られて膨らんだシート体の一部が検出されることによる誤動作が抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0022】
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係るシートシャッター用検出器1の構成を示すブロック図である。この図に示すように、シートシャッター用検出器1は、シートシャッターの開閉を制御するシートシャッター・コントローラ2と接続されている。
【0023】
シートシャッター用検出器1がトラック、フォークリフト等の通行物を検出すると検出信号S1が出力され、その検出信号S1がシートシャッター・コントローラ2に入力されるように接続されている。シートシャッター・コントローラ2は、検出信号S1の出力に応じてシートシャッターの開放を開始する。検出信号S1の出力が停止されると、シートシャッター・コントローラ2はシートシャッターの閉鎖を開始するが、その途中で再び検出信号S1が出力された場合にはシートシャッターの閉鎖を中止して開放を再開する。
【0024】
また、このシートシャッター・コントローラ2は、シートシャッターの閉鎖が完了したことを示す閉鎖完了信号S2が出力されるように構成されており、その閉鎖完了信号S2がシートシャッター用検出器1に入力されるように接続されている。
【0025】
シートシャッター用検出器1は、シートシャッター近傍において近傍検出エリアA1を形成する第1センサ11と、近傍検出エリアA1よりもシートシャッターから遠い側に遠方検出エリアA2を形成する第2センサ12と、遠方検出エリアA2よりもシートシャッターから遠い側に遠方検出エリアA3を形成する第3センサ13と、遠方検出エリアA3よりもシートシャッターから遠い側に遠方検出エリアA4を形成する第4センサ14と、これらを制御する制御回路10とを備えている。
【0026】
第1センサ11〜第4センサ14は、例えば、近赤外線を投光し、物体から反射した近赤外線を受光して物体を検出するようなAIR方式のセンサであり、既存のものが利用できる。ここで、第1センサ11については、2系統の受光素子11a、11bを有するとともに、分割レンズなどを含む光学系(不図示)を組み合わせることで近傍検出エリアA1内に系統毎の複数の小検出エリアを交互に隣接して並ぶように形成させており(図4参照)、系統毎に物体の検出が可能とされている。また、第1センサ11の検出能力は可変に構成されており、必要に応じて通常よりも低くすることができる。
【0027】
なお、第2センサ12〜第4センサ14についても、分割レンズなどを含む光学系を組み合わせてもよいし、それぞれの検出能力を可変としてもよい。また、遠方検出エリア用のセンサは3組に限らず、1〜2組または4組以上でもよい。
【0028】
制御回路10は、第1センサ11〜第4センサ14の動作を制御するとともに、これらの第1センサ11〜第4センサ14からの信号を処理し、その結果に基づいて検出信号S1の出力を行うか否かを決定する。
【0029】
図2(a)および図2(b)はシートシャッター用検出器1によって形成される各検出エリアのシートシャッター閉鎖状態における概略説明図であり、図2(a)は側面図、図2(b)は平面図である。図3(a)および図3(b)は上記の各検出エリアのシートシャッター閉鎖途中における概略説明図であり、図3(a)は側面図、図3(b)は平面図である。図4は、図3(b)の近傍検出エリアA1内の小検出エリアについての説明図である。
【0030】
図2(a)に示すように、開口部上部の壁面などに設置される箱形のシート巻取部3の下部から、可撓性を有する薄いシート部4(シート体)が垂れ下がっている。このシート部4の下端4aには重りが包み込まれているため、シート部4は通常時にはほぼ鉛直下方に垂れ下がるが、強風が吹き付けた場合などには、例えば中央部が大きくたわむ(図中の二点差線で示す)こともあり得る。
【0031】
シートシャッター用検出器1は、シート巻取部3の側面に設置され、設置位置のほぼ鉛直下方向に近傍検出エリアA1が形成されている。なお、この近傍検出エリアA1の内部には、図4に示すように、2系統の小検出エリアA1a、A1bが交互に並ぶように隣接して配置されている。
【0032】
さらに、近傍検出エリアA1よりシャッターから遠い側に順に、遠方検出エリアA2、遠方検出エリアA3、遠方検出エリアA4が形成されている。
【0033】
シートシャッター・コントローラ2は、シート巻取部3の内部に組み込まれており、不図示の配線によってシートシャッター用検出器1と接続されている。
【0034】
図2(b)は上方から見た平面図であり、各検出エリアの地面5上での位置関係を示している。
【0035】
上述したように、シートシャッターが完全に閉鎖されている状態(シート部4が最も伸びた状態)では、強風などの影響でシート部4がたわんでその一部が近傍検出エリアA1内に進入する可能性がある。そこで、それによる誤検出発生を抑制するため、第1センサ11の検出能力を通常時よりも低下させておく(図面上で検出能力の区別のために近傍検出エリアA1を破線で示す)。さらに、近傍検出エリアA1内で隣接している2系統の小検出エリアにおいてほぼ同時(所定の短時間内)に物体が検出されたときは、シート部4が侵入したことによる可能性が高いと判断して、通行物などを検出したことを示す検出信号S1を出力しないようにする。
【0036】
一方、図3(a)および図3(b)に示すようにシートシャッターが閉鎖途中である場合、または完全な開放状態などでは、シート部4下方の通行物や障害物を確実に検出する必要があるので、第1センサ11は通常時の検出能力とする。
【0037】
図5はシートシャッター用検出器1の概略動作を示すフローチャートである。この動作を実現するための処理は制御回路10によって実行される。なお、制御回路10の具体例としては、ワンチップマイコン、PLD、FPGAなどが挙げられるが、これらには限られない。
【0038】
図5に示すように、まず、シートシャッター・コントローラ2から出力される閉鎖完了信号S2に基づいて、シートシャッターが閉鎖完了状態であるか否かが判定される(ステップS101)。閉鎖完了状態であれば第1センサ11の検出能力を通常時よりも低下させ(ステップS102)、閉鎖完了状態でなければ(例えば閉鎖途中)第1センサ11の検出能力を通常に戻す(ステップS103)。なお、第1センサ11の検出能力がすでに低下させられている場合はステップS102の実質的な処理は省略できる。同様に、第1センサ11の検出能力がすでに通常に戻っている場合はステップS103の実質的な処理は省略できる。
【0039】
次に、第1センサ11〜第4センサ14からの出力に基づいて物体が検出されているか否かの判定を行う。ただし、上述したように、シートシャッターが完全に閉鎖されている状態で強風などの影響によりたわんだシート部4に起因する誤検出を極力防止するため、第1センサ11からの出力と、第2センサ12〜第4センサ14からの出力とは別々に扱う。
【0040】
先に、第2センサ12〜第4センサ14からの出力に基づいて遠方検出エリアA2〜A4のいずれか1つ以上で物体が検出されているか否かが判定される(ステップS104)。物体が検出されていれば検出信号S1の出力を開始するが(ステップS105)、すでに出力中である場合にはその出力を維持するのみで実質的な処理は省略できる。この検出信号S1の出力開始により、シートシャッター・コントローラ2によってシートシャッターの開放が開始されることになる。
【0041】
遠方検出エリアA2〜A4では物体が検出されていない場合は、さらに、第1センサ11からの出力に基づいて近傍検出エリアA1で物体が検出されているか否かが判定される(ステップS106)。ここで物体が検出されていなければ、検出エリアA1〜A4のいずれにおいても物体が検出されていないことになるので、ステップS109に進んで検出信号S1の出力を停止する。この検出信号S1の出力停止により、シートシャッター・コントローラ2によってシートシャッターの閉鎖が開始されることになる。
【0042】
ステップS106で物体が検出された場合は、近傍検出エリアA1のみで物体が検出されていることになる。そこで、さらに、その物体が2系統の小検出エリアA1a、A1bでほぼ同時に検出されたか否かの判定(ステップS107)と、その時点でシートシャッターが完全に閉鎖されている状態であるか否かの判定(ステップS108)とを行う。
【0043】
いずれの判定結果もYesである場合は、シート部4自体を検出している可能性が高いと判断してステップS109に進む。この場合は、検出信号S1の出力は停止されている状態であるから、その状態がそのまま維持される。
【0044】
ステップS107またはステップS108のいずれかの判定結果がNoだった場合は、実際に通行物などの物体が検出されていると判断してステップ105に進み、検出信号S1の出力を開始するか、すでに出力中であればその状態を維持する。
【0045】
<第2実施形態>
第1実施形態では、シートシャッター・コントローラ2からシートシャッターの閉鎖が完了したことを示す閉鎖完了信号S2を出力して、その出力をシートシャッター用検出器1に入力する必要があった。以下で説明する第2実施形態では、閉鎖完了信号S2の入力を不要とする構成としたため汎用性が高まり、既存のシートシャッターに従来技術による物体検出器などが設置されている場合でもそれと交換を可能とする。なお、以下では主として第1実施形態との相違点について説明する。
【0046】
図6は本発明の第2実施形態に係るシートシャッター用検出器1Aの構成を示すブロック図である。この図に示すように、シートシャッター用検出器1Aは、シートシャッターの開閉を制御するシートシャッター・コントローラ2Aと接続されている。
【0047】
第1実施形態とは異なり、シートシャッター・コントローラ2Aはシートシャッターの閉鎖が完了したことを示す閉鎖完了信号S2を出力できる構成である必要はないから、市場で容易に購入できる。また、すでに設置されているシートシャッターのコントローラがそのまま利用できる場合が多い。
【0048】
シートシャッターの閉鎖が完了しているか否かの判定方法が異なるため、制御回路10Aによる処理については、第1実施形態の制御回路10による処理とその一部が異なるが、それ以外の構成要素などは、第1実施形態と同じである。
【0049】
図7はシートシャッター用検出器1Aの概略動作を示すフローチャートである。この動作を実現するための処理は制御回路10Aによって実行される。
【0050】
図7に示すように、まず、シートシャッターが閉鎖完了状態であるか否かの判定のため、タイマーに設定された時間がすでに経過したか否かが確認される(ステップS201)。
【0051】
このタイマーへの時間設定および計時開始は後述するステップ206で行われる。検出エリアA1〜A4のいずれかにおいて物体が検出されている状態から、検出エリアA1〜A4のいずれにおいても物体が検出されない状態になると、検出信号S1の出力を停止することにより、シートシャッター・コントローラ2Aによってシートシャッターの閉鎖が開始される。シートシャッターの閉鎖に要する時間は通常は一定と考えられるから、検出信号S1の出力停止からの経過時間をタイマーによって計時することで、シートシャッターの閉鎖が完了しているか否かの間接的な判定が可能となる。
【0052】
ステップS201における確認において、すでにタイマー設定時間が経過していた場合にはシートシャッターが閉鎖完了状態であるとして、第1センサ11の検出能力を通常時よりも低下させる(ステップS202)。タイマー設定時間がまだ経過していなかった場合にはシートシャッターが閉鎖完了状態ではないとして、第1センサ11の検出能力を通常に戻す(ステップS203)。なお、第1センサ11の検出能力がすでに低下させられている場合はステップS202の実質的な処理は省略できる。同様に、第1センサ11の検出能力がすでに通常に戻っている場合はステップS203の実質的な処理は省略できる。
【0053】
次に、第2センサ12〜第4センサ14からの出力に基づいて遠方検出エリアA2〜A4のいずれか1つ以上で物体が検出されているか否かが判定される(ステップS204)。物体が検出されていれば検出信号S1の出力を開始するが(ステップS205)、すでに出力中である場合にはその出力を維持するのみで実質的な処理は省略できる。この検出信号S1の出力開始により、シートシャッター・コントローラ2Aによってシートシャッターの開放が開始されることになる。さらに、シートシャッターの閉鎖に要する時間に一定の余裕時間などを加算した所定時間Tsをタイマーにセットする。
【0054】
この所定時間Tsは、対象とするシートシャッターによって適切な値が異なり得るため、シートシャッター用検出器1Aの外部からの変更を可能とする構成が望ましい。例えば、ディップスイッチなどを設けて、シートシャッター用検出器1Aの設置作業時などに適切な値を設定できるようにしてもよいし、シートシャッター用検出器1Aと外部機器との有線あるいは無線通信などによってその外部機器側から設定値を変更できるようにしてもよい。
【0055】
遠方検出エリアA2〜A4では物体が検出されていない場合は、さらに、第1センサ11からの出力に基づいて近傍検出エリアA1で物体が検出されているか否かが判定される(ステップS207)。ここで物体が検出されていなければ、検出エリアA1〜A4のいずれにおいても物体が検出されていないことになるので、ステップS210に進んで検出信号S1の出力を停止する。この検出信号S1の出力停止により、シートシャッター・コントローラ2Aによってシートシャッターの閉鎖が開始されることになる。
【0056】
ステップS207で物体が検出された場合は、近傍検出エリアA1のみで物体が検出されていることになる。そこで、さらに、その物体が2系統の小検出エリアA1a、A1bでほぼ同時に検出されたか否かの判定(ステップS208)と、その時点でシートシャッターが完全に閉鎖されている状態であるか否かの判定(ステップS209)とを行う。
【0057】
なお、「ほぼ同時に検出されたか否かの判定」は、例えば、それぞれの検出タイミングの差が、微小な時間(第1所定判定時間)内であるかどうかで判定できる。また、近傍検出エリアA1内に3系統以上の小検出エリアが存在するような場合は、そのうちの第1所定数以上の小検出エリアでほぼ同時に検出されたか否かの判定を行ってもよい。
【0058】
また、第2実施形態ではシートシャッターが完全に閉鎖されている状態であるか否かは直接判定できないため、ステップS209では、ステップS201においてすでに行われた判定結果が反映されている第1センサ11の検出能力によって間接的に判定を行っている。なお、例えば、ステップS201における判定結果を所定のフラグなどに記憶させ、そのフラグを参照するようにしてもよい。
【0059】
ステップS208の判定結果がYesであり、かつ、S209の判定で第1センサ11の検出能力が通常時よりも低くされていた場合は、シート部4自体を検出している可能性が高いと判断してステップS210に進む。この場合は、検出信号S1の出力は停止されている状態であるから、その状態がそのまま維持される。
【0060】
ステップS208の判定結果がNoだった場合、または、ステップS209の判定で第1センサ11の検出能力が通常であった場合は、実際に通行物などの物体が検出されていると判断してステップ205に進み、検出信号S1の出力を開始するか、すでに出力中であればその状態を維持する。
【0061】
制御回路10Aでは、以上の一連の処理が周期的に繰り返される。その1周分の所要時間は、タイマーへ設定する時間に対しては十分短いものとする。検出エリアA1〜A4のいずれかにおいて物体が検出されている間は、処理は常にステップS206を経るため、タイマー時間設定がその都度更新されるから、ステップS201の判定がYesとなることはない。しかし、検出エリアA1〜A4のいずれにおいても物体が検出されなくなると、処理はステップS210を経るようになるため、タイマーへの時間設定が更新されることはなくなり、やがてステップS201の判定がYesに変わることになる。
【0062】
<第3実施形態>
図8は本発明の第3実施形態に係るシートシャッター用検出器1Bの構成を示すブロック図である。この図に示すように、第3実施形態は第2実施形態を簡略化した構成であり、近傍検出エリア用として1系統の受光素子のみを有する第1センサ11Xと、遠方検出エリア用として第2センサ12および第3センサ13と、制御回路10Bとを備える。なお、シートシャッター・コントローラ2Aは第2実施形態と同じである。
【0063】
制御回路10Bによって実行される処理については、ステップS204に相当する処理で第1センサ11X〜第3センサ13からの出力に基づいて判定が行われることと、ステップS207〜S209に相当する処理は存在しない点を除いては、図7を参照して説明した第2実施形態の制御回路10Aと同様である。
【0064】
この第3実施形態が奏する効果は、第1実施形態や第2実施形態と比較すると相対的には低いものの、全体の構成が簡単になってコストダウンなども図れるため、使用目的や設置場所によっては有効な選択肢となり得る。
【0065】
<第4実施形態>
図9は本発明の第4実施形態に係るシートシャッター用検出器1Cの構成を示すブロック図である。この図9に示すように、第4実施形態は、第2実施形態の近傍検出エリア用の第1センサ11を、8系統の独立した受光素子11c〜11jを有する第1センサ11Yに置き換えるとともに、制御回路10Aを制御回路10Cに置き換えたものである。図10はシートシャッター用検出器1Cによって形成される各検出エリアの概略説明用の平面図である。この図10は、図2(b)および図3(b)に相当するものであるが、各検出エリア以外の図示は省略している。
【0066】
第1センサ11Yは、光学系(不図示)を組み合わせることで、図10に示すように、近傍検出エリアA11内に受光素子11c〜11jの系統毎の小検出エリアA11c〜A11jを隣接して並ぶように形成させており、系統毎に物体の検出が可能とされている。
【0067】
なお、第2実施形態とは異なり、第1センサ11Yの検出能力を可変とはしていないが、可変としてもよい。また、第2センサ12〜第4センサ14についても、分割レンズなどを含む光学系を組み合わせてもよいし、それぞれの検出能力を可変としてもよいし、あるいは、第1センサ11Yのような構成としてもよい。
【0068】
制御回路10Cは、第1センサ11Y〜第4センサ14の動作を制御するとともに、これらの第1センサ11Y〜第4センサ14からの信号を処理し、その結果に基づいて検出信号S1の出力を行うか否かを決定する。
【0069】
図11はシートシャッター用検出器1Cの概略動作を示すフローチャートである。この動作を実現するための処理は制御回路10Cによって実行される。
【0070】
図11に示すように、まず、シートシャッターが閉鎖完了状態であるか否かの判定のため、タイマーに設定された時間がすでに経過したか否かが確認される(ステップS301)。このタイマーへの時間設定および計時開始は、第2実施形態と同様に、後述するステップ306で行われる。
【0071】
ステップS301における確認において、すでにタイマー設定時間が経過していた場合にはシートシャッターが閉鎖完了状態であることを記憶しておくために、閉鎖完了フラグを1にセットする(ステップS302)。タイマー設定時間がまだ経過していなかった場合にはシートシャッターが閉鎖完了状態ではないことを記憶しておくために、閉鎖完了フラグを0にクリアする(ステップS303)。
【0072】
次に、第2センサ12〜第4センサ14からの出力に基づいて遠方検出エリアA2〜A4のいずれか1つ以上で物体が検出されているか否かが判定される(ステップS304)。物体が検出されていれば検出信号S1の出力を開始するが(ステップS305)、すでに出力中である場合にはその出力を維持するのみで実質的な処理は省略できる。この検出信号S1の出力開始により、シートシャッター・コントローラ2Aによってシートシャッターの開放が開始されることになる。さらに、シートシャッターの閉鎖に要する時間に一定の余裕時間などを加算した所定時間Tsをタイマーにセットする。
【0073】
遠方検出エリアA2〜A4では物体が検出されていない場合は、さらに、第1センサ11Yからの出力に基づいて近傍検出エリアA11で物体が検出されているか否かが判定される(ステップS307)。ここで物体が検出されていなければ、検出エリアA11、A2〜A4のいずれにおいても物体が検出されていないことになるので、ステップS311に進んで検出信号S1の出力を停止する。この検出信号S1の出力停止により、シートシャッター・コントローラ2Aによってシートシャッターの閉鎖が開始されることになる。
【0074】
ステップS307で物体が検出された場合は、近傍検出エリアA11のみで物体が検出されていることになる。そこで、さらに、その物体が8系統の小検出エリアA11c〜A11jのうちの4系統以上でほぼ同時に検出されたか否かの判定(ステップS308)と、その物体を検出した系統からの出力信号の時間的変動もほぼ同じ傾向か否かの判定(ステップS309)と、シートシャッターの閉鎖完了状態を示す閉鎖完了フラグの確認(ステップS310)とを行う。
【0075】
なお、「8系統のうちの4系統以上」における「4」は単なる例示に過ぎない(第2所定数)。「ほぼ同時に検出されたか否かの判定」は、例えば、それぞれの検出タイミングの差が、微小な時間(第2所定判定時間)内であるかどうかで判定できる。
【0076】
「その物体を検出した系統からの出力信号の時間的変動もほぼ同じ傾向か否かの判定」とは、例えば、4系統で物体がほぼ同時に検出された場合に、各系統からの出力信号の時間的な変動が、図12(a)〜図12(d)に示した波形W11〜W14のようにほぼ同じ傾向であったか、あるいは、図13(a)〜図13(d)に示した波形W21〜W24のように少なくとも1つが他とは異なる傾向であったかを判定することである。なお、図中の破線は、対応エリア内で物体を検出したと判定する閾値を示している。
【0077】
この判定は、シート部4自体を検出しているような状況ではすべての系統の出力信号が時間的にほとんど同じ変動を示すと考えられることと、もし一部の系統の出力信号が他の系統の出力信号とは時間的に異なる変動を示したとすれば、シート部4とは異なる物体を検出している可能性が高いことなどに基づいている。
【0078】
具体的な判定方法としては、物体をほぼ同時に検出した系統のうちの1系統を選んで基準とし、他の系統の出力信号との差の絶対値の時間的変動から判定を行う方法が挙げられる。例えば、図12(a)〜図12(d)の場合でW11を基準とすると、W12−W11、W13−W11、W14−W11の絶対値は時間的にほとんど変動せずに常に0に近い値を維持すると考えられる。一方、図13(a)〜図13(d)の場合でW21を基準とすると、W23−W21、W24−W21の絶対値は時間的にほとんど変動せずに常に0に近い値を維持するが、W22−W21の絶対値だけは大きく変動することになるから、図12(a)〜図12(d)のような場合との区別が可能となる。
【0079】
ステップS308およびS309の判定結果がいずれもYesであり、かつ、S310の確認で閉鎖完了フラグが1であった場合は、シート部4自体を検出している可能性が高いと判断してステップS311に進む。この場合は、検出信号S1の出力は停止されている状態であるから、その状態がそのまま維持される。
【0080】
ステップS308またはS309のいずれかの判定結果がNoだった場合、または、ステップS310の確認で閉鎖完了フラグが0であった場合は、実際に通行物などの物体が検出されていると判断してステップ305に進み、検出信号S1の出力を開始するか、すでに出力中であればその状態を維持する。
【0081】
制御回路10Cでは、以上の一連の処理が周期的に繰り返される。その1周分の所要時間は、タイマーへ設定する時間に対しては十分短いものとする。検出エリアA11、A2〜A4のいずれかにおいて物体が検出されている間は、処理は常にステップS306を経るため、タイマー時間設定がその都度更新されるから、ステップS301の判定がYesとなることはない。しかし、検出エリアA11、A2〜A4のいずれにおいても物体が検出されなくなると、処理はステップS311を経るようになるため、タイマーへの時間設定が更新されることはなくなり、やがてステップS301の判定がYesに変わることになる。
【0082】
この第4実施形態では、近傍検出エリアA11が多数の独立した小検出エリアを有しており、それぞれの検出結果のおける検出タイミングや出力信号の時間的変動に基づいてシート部4自体を検出しているか否かを判定するので、判定の的確性が向上する。さらに、シートシャッター閉鎖時にも近傍検出エリアA11の検出能力は通常のままであるから、本来検出すべき物体は確実に検出できるので、動作の信頼性を高めることができる。
【0083】
<その他の変形例>
上記の各実施形態で使用している方法は、適宜組み合わせたり、一部を置き換えたりすることなども可能である。例えば、第2実施形態〜第4実施形態においても、シートシャッター・コントローラ2を代わりに使用すれば、シートシャッターが閉鎖完了状態であるか否かを直接判定するような処理に変更することも可能になる。また、遠方検出エリアの数を変えたり、その内部に複数の小検出エリアを隣接して並ぶように形成させたりして、系統毎に物体の検出を可能としてもよい。
【0084】
なお、本発明は、その主旨または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1実施形態に係るシートシャッター用検出器1の構成を示すブロック図である。
【図2】シートシャッター用検出器1によって形成される各検出エリアのシートシャッター閉鎖状態における概略説明図であり、図2(a)は側面図、図2(b)は平面図である。
【図3】図2の各検出エリアのシートシャッター閉鎖途中における概略説明図であり、図3(a)は側面図、図3(b)は平面図である。
【図4】図3(b)の近傍検出エリアA1内の小検出エリアについての説明図である。
【図5】シートシャッター用検出器1の概略動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態に係るシートシャッター用検出器1Aの構成を示すブロック図である。
【図7】シートシャッター用検出器1Aの概略動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3実施形態に係るシートシャッター用検出器1Bの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係るシートシャッター用検出器1Cの構成を示すブロック図である。
【図10】シートシャッター用検出器1Cによって形成される各検出エリアの概略説明用の平面図である。
【図11】シートシャッター用検出器1Cの概略動作を示すフローチャートである。
【図12】シートシャッター用検出器1Cの第1センサ11Yのうちで4系統の出力信号の時間的変動の一例である。
【図13】シートシャッター用検出器1Cの第1センサ11Yのうちで4系統の出力信号の時間的変動の他の例である。
【符号の説明】
【0086】
1 シートシャッター用検出器
1A シートシャッター用検出器
1B シートシャッター用検出器
1C シートシャッター用検出器
2 シートシャッター・コントローラ
2A シートシャッター・コントローラ
3 シート巻取部
4 シート部
5 地面
10 制御回路(制御手段)
10A 制御回路(制御手段)
10B 制御回路(制御手段)
10C 制御回路(制御手段)
11 第1センサ(近傍側センサ)
11X 第1センサ(近傍側センサ)
11Y 第1センサ(近傍側センサ)
12 第2センサ(遠方側センサ)
13 第3センサ(遠方側センサ)
14 第4センサ(遠方側センサ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有するシート体を用いたシートシャッターの開閉制御のための物体検出信号を出力可能なシートシャッター用物体検出装置であって、
前記シートシャッター近傍において少なくとも1つの近傍検出エリアを形成し、この近傍検出エリア内の物体を検出するとともに、その検出能力が可変である近傍側センサと、
前記近傍検出エリアよりも前記シートシャッターから離れた側に少なくとも1つの遠方検出エリアを形成し、この遠方検出エリア内の物体を検出する遠方側センサと、
前記シートシャッターが閉鎖していると判断されるときに前記近傍側センサの検出能力を通常よりも低下させ、前記シートシャッターが閉鎖していないと判断されるときには前記近傍側センサの検出能力を通常とし、前記遠方側センサまたは前記近傍側センサの少なくとも1つによって物体が検出されているときに前記物体検出信号を出力し、前記遠方側センサおよび前記近傍側センサのいずれによっても物体が検出されないときには前記物体検出信号の出力を停止する制御手段と
を備えることを特徴とするシートシャッター用物体検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシートシャッター用物体検出装置において、
前記近傍側センサは、前記シートシャッター近傍において前記シートシャッターと略平行に複数の近傍検出エリアを隣接して形成し、これらの近傍検出エリア内の物体をそれぞれ検出するものであり、
前記制御手段は、前記シートシャッターが閉鎖していると判断されるとともに前記遠方側センサによっては物体が検出されていない場合であって、前記近傍側センサによって第1所定判定時間内に前記複数の近傍検出エリアのうちの第1所定数以上のエリア内で物体が検出されたときには、前記物体検出信号を出力しないことを特徴とするシートシャッター用物体検出装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシートシャッター用物体検出装置において、
前記シートシャッターの閉鎖完了信号が入力可能に構成されており、
前記制御手段は、この閉鎖完了信号に基づいて前記シートシャッターが閉鎖しているか否かを判断することを特徴とするシートシャッター用物体検出装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載のシートシャッター用物体検出装置において、
前記制御手段は、前記物体検出信号の出力停止状態が所定時間以上継続したことにより前記シートシャッターが閉じていると判断することを特徴とするシートシャッター用物体検出装置。
【請求項5】
可撓性を有するシート体を用いたシートシャッターの開閉制御のための物体検出信号を出力可能なシートシャッター用物体検出装置であって、
前記シートシャッター近傍において前記シートシャッターと略平行に複数の近傍検出エリアを隣接して形成し、これらの近傍検出エリア内の物体をそれぞれ検出する近傍側センサと、
前記近傍検出エリアよりも前記シートシャッターから離れた側に少なくとも1つの遠方検出エリアを形成し、この遠方検出エリア内の物体を検出する遠方側センサと、
前記遠方側センサの少なくとも1つによって物体が検出されている場合は前記物体検出信号を出力し、前記遠方側センサおよび前記近傍側センサのいずれによっても物体が検出されない場合は前記物体検出信号の出力を停止し、前記近傍側センサのみによって物体が検出されている場合については、第2所定判定時間内に前記複数の近傍検出エリアのうちの第2所定数以上のエリア内で物体が検出されなかったとき又は前記シートシャッターが閉鎖していないと判断されるときのみ前記物体検出信号を出力する制御手段と
を備えることを特徴とするシートシャッター用物体検出装置。
【請求項6】
可撓性を有するシート体を用いたシートシャッターの開閉制御のための物体検出信号を出力可能なシートシャッター用物体検出装置であって、
前記シートシャッター近傍において前記シートシャッターと略平行に複数の近傍検出エリアを隣接して形成し、これらの近傍検出エリア内の物体をそれぞれ検出する近傍側センサと、
前記近傍検出エリアよりも前記シートシャッターから離れた側に少なくとも1つの遠方検出エリアを形成し、この遠方検出エリア内の物体を検出する遠方側センサと、
前記遠方側センサの少なくとも1つによって物体が検出されている場合は前記物体検出信号を出力し、前記遠方側センサおよび前記近傍側センサのいずれによっても物体が検出されない場合は前記物体検出信号の出力を停止し、前記近傍側センサのみによって物体が検出されている場合については、第2所定判定時間内に前記複数の近傍検出エリアのうちの第2所定数以上のエリア内で物体が検出されるとともにその物体を検出したエリア間での検出状態の時間的変動の差が所定範囲内ではなかったとき、又は前記シートシャッターが閉鎖していないと判断されるときのみ、前記物体検出信号を出力する制御手段と
を備えることを特徴とするシートシャッター用物体検出装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載のシートシャッター用物体検出装置において、
前記シートシャッターの閉鎖完了信号が入力可能に構成されており、
前記制御手段は、この閉鎖完了信号に基づいて前記シートシャッターが閉鎖しているか否かを判断することを特徴とするシートシャッター用物体検出装置。
【請求項8】
請求項5または6に記載のシートシャッター用物体検出装置において、
前記制御手段は、前記物体検出信号の出力停止状態が所定時間以上継続したことにより前記シートシャッターが閉じていると判断することを特徴とするシートシャッター用物体検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−2192(P2008−2192A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−173913(P2006−173913)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【出願人】(000103736)オプテックス株式会社 (116)
【Fターム(参考)】