説明

シートラッピング製品の製造方法及び装置

【課題】板状の基材の天面及び4側面を1枚のシートで、見栄えよく覆った構成のシートラッピング製品の製造方法及び装置を提供する。
【解決手段】基材2の天面にシート3を貼り付け、コーナー部に切り欠き4を形成してシートの4辺に、切り欠きで互いに切り離された第一側面貼付片3bと第二側面貼付片3cを形成し、その基材2を第一側面貼付片3bに平行なY方向に搬送しながら、両側に位置する第一側面貼付片3bを基材側面2bに巻き込んで貼り付け、次いで、基材を第一側面貼付片3bに直角なX方向に搬送しながら前側の第一側面貼付片両端の突出部3bcをコロ46で基材側面2cに貼り付け、その後、基材2を反対方向に搬送しながら、進行方向に関して前側の第一側面貼付片両端の突出部3bcと両側の第二側面貼付片3cを基材側面2cに巻き込んで貼り付け、基材2の天面及び4側面をシート3で覆ったシートラッピング製品を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建材などに用いられる板状の基材に表面材を貼り付けた製品の製造技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建材などに板状の製品が多用されており、その製品の一つとして、板状の基材の天面と両側面に表面材としてシートを貼り付け、残りの面については塗装や別工程でシートを貼り付けたシートラッピング製品が知られている。従来、この種のシートラッピング製品を製造するには、ラッピングマシンと呼ばれる装置にて、板状の基材をその長手方向に搬送しながら、基材天面に、基材幅よりも広い幅のシートを、該シートに接着剤を塗布して貼り付け、そのシートの両側縁をコロを用いて基材側面に徐々に巻き込み貼り付けていた(特許第2736232号公報参照)。ところが、従来のラッピングマシンでは、走行中の基材の前後の側面にシートを貼り付ける技術が確率されていないので、基材の前後の側面にシートを貼り付けることができず、このため、別工程にて基材前後の側面にシートを貼り付けるか、塗装を施していた。しかしながら、この製造方法では生産性が悪く、また、別装置分の作業者を必要とするため、人件費がかかっていた。
【0003】
【特許文献1】特許第2736232号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、板状の基材の天面と4側面の各々の少なくとも天面に隣接した領域を1枚のシートで覆った構成のシートラッピング製品を一つの製造ラインで生産性良く製造する方法及び装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のシートラッピング製品の製造方法及び装置は、上記課題を解決するため、一定間隔で搬送する基材の天面に、その天面の幅よりも広い幅の連続したシートを貼り付け、基材と基材の中間位置でそのシートを切り離すことで、基材天面にシートを、該シートが天面の4辺の外側に延び出すように貼り付けた中間製品を作成し、そのシートの4つのコーナー部に、基材天面の角を頂点とする切り欠きを打ち抜きによって形成することで、シートの前記天面よりも外側の領域に、前記天面の一対の第一辺に沿う側面に貼り付けるための一対の第一側面貼付片と、前記天面の前記第一辺に直角な一対の第二辺に沿う側面に貼り付けるための一対の第二側面貼付片を形成すると共にその第一側面貼付片と第二側面貼付片の一方の両端に、それを貼り付ける基材の側面よりも外側に延び出した突出部を形成し、その基材を、突出部を形成している側の一対の側面貼付片に平行方向に搬送しながら、進行方向に関して両側に位置する前記一対の側面貼付片を基材側面に巻き込んで貼り付けてゆき、次いで、その基材を、突出部を備えた側面貼付片に直角方向に搬送しながら、進行方向の前側に位置する側面貼付片の両端の突出部を、その側面貼付片を貼り付けた側面に隣接した側面に貼り付け、その後、基材を、先に突出部を貼り付けるために搬送した方向とは反対方向に搬送しながら、進行方向に関して前側に位置する側面貼付片の両端の突出部と、両側に位置する一対の側面貼付片を基材側面に巻き込みながら貼り付けてゆく構成としたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の製造方法及び装置によれば、基材の天面にシートを貼り付け、そのシートの4つのコーナー部に切り欠きを形成して、天面の4辺に沿って、互いに切り離された一対の第一側面貼付片と一対の第二側面貼付片を形成し、突出部を有する側の一対の側面貼付片を基材側面に貼り付け、次いで一方の側面貼付片両端の突出部を隣接する基材側面に貼り付け、その後、残りの突出部と側面貼付片を基材側面に貼り付けるという操作をインラインで実施できる。このため、本発明の製造方法及び装置を用いることで、基材天面と4側面にシートを貼り付けたシートラッピング製品をインラインで製造でき、生産効率を高くすることができると共に人件費を抑えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の好適な実施の形態を説明する。図1は本発明で製造の対象とするシートラッピング製品の1例を示すもので、(a)はその概略斜視図、(b)はそのシートラッピング製品を、シートを基材の天面に貼り付けてはいるが基材の4側面には貼り付ける前の平面状の状態とした状態で示す概略斜視図、(c)はシートのコーナー領域を拡大して示す概略平面図である。全体を参照符号1で示すシートラッピング製品は、板状の基材2と、その基材2の天面及び4側面に貼り付けられた1枚のシート3で構成されている。基材2としては、木材、合板、樹脂板、パーティクルボードなどを例示できる。シート3は、基材を装飾或いは保護するための表面材として作用するもので、突板、プリント紙、各種プラスチックフィルム、積層シート等を例示できる。
【0008】
基材2は、天面2aと、その天面2aの一対の平行な第一辺2abに沿った一対の側面2bと、天面2aの第一辺2abに直角な一対の第二辺2acに沿った一対の側面2cを備えている。シート3は、図1(b)に示すように、シート3を基材2の天面2aに貼り付けてはいるが4側面2b、2cには貼り付ける前の平面状の状態において、基材の天面に貼り付けた天面貼付部3aと、その天面貼付部3aに連設され、天面の一対の第一辺2abに沿う側面2bに貼り付けるための一対の第一側面貼付片3bと、天面貼付部3aに連設され、天面の一対の第二辺2acに沿う側面2cに貼り付けるための一対の第二側面貼付片3cを有している。この第一貼付片3bと第二貼付片3cとは、両者の間に位置する天面の角2adを頂点とするようにシート3に形成された切り欠き4によって切り離されており、互いに干渉することなく、基材側面2b、2cに貼り付け可能となっている。更に、天面の第一辺2abの外側に形成されている一対の第一側面貼付片3bは、その両端に、第一側面貼付片3bを貼り付ける側面2bの両端を越えて延び出した三角形状の突出部3bcを備え、その突出部3bcを隣接した第二辺2acに沿う側面2cに貼り付け可能となっている。一方、一対の第二側面貼付片3cの両端は、天面に接する領域を除いて、その第二側面貼付片3cを第二辺2ac沿う側面2cに貼り付けた際に、その側面2cに貼り付けた突出部3bcに近接するが重ならないように、第二辺2ac及び側面2cの両端よりも引っ込んだ形状としている。第一側面貼付片3bと第二側面貼付片3cは、基材側面2b、2cのほぼ全域を覆うことができる大きさに設定されている。
【0009】
この形状のシート3は、図1(a)に示すように、第一側面貼付片3bを天面の第一辺2abに沿って折り曲げ、基材側面2bに貼り付けると共に、両端の突出部3bcを基材側面2b、2c間の稜線に沿って折り曲げ、基材側面2cに貼り付け、第二側面貼付片3cを天面の第二辺2acに沿って折り曲げ、基材側面2cに貼り付けることで、基材2をラッピッグしている。この構成のシートラッピング製品1は、基材2の天面2aのみならず、4側面2b、2cのほぼ全域を1枚のシート3で覆っており、しかも、側面2b、2c間の稜線もシート3で覆っているので、きわめて見栄えが良く、しかも側面からの吸水も抑えられるため、高品質、高機能の製品となっている。更に、基材側面2cに貼り付けている突出部3bcと第二側面貼付片3cとは近接しているが、重なっていないので段差は生じていない。このため、このシートラッピング製品1を並べて床面或いは壁面を形成する際、側面同士を良好に密着させて取り付けることができ、きわめて見栄えの良い床面或いは壁面を形成できるといった利点を有している。
【0010】
図2は製造対象のシートラッピング製品の他の例を示すものである。このシートラッピング製品1Aは、基材天面の第二辺2acの外側に形成される第二側面貼付片3cの両端に、基材側面2cの両端を越えて延び出す三角形状の突出部3cbを形成し、他方の第一側面貼付片3bの両端は、突出部3cbに対応して引っ込んだ形状としており、突出部3cbを側面2bに貼り付ける構成としている。この構成のシートラッピング製品1Aによっても、図1に示すシートラッピング製品1と同様な利点が得られる。
【0011】
なお、図1、図2に示すシートラッピング製品1、1Aでは、突出部3bc、3cbを三角形状としているが、突出部の形状はこれに限らず、適宜変更可能であり、例えば、突出部を、三角形の先端を切り落としたような形状とし、第二側面貼付片3cの端部形状を、その突出部の形状に適合するような形状としてもよい。また、図1、図2に示すシートラッピング製品1、1Aでは、基材2の4側面2b、2cのほぼ全域を第一側面貼付片3b、第二側面貼付片3cで覆う構成としているが、4側面2b、2cは、厚さ方向には必ずしも全域を覆う必要はなく、少なくとも天面2aに隣接した領域を覆えばよく、第一側面貼付片3b、第二側面貼付片3cのサイズは適宜変更可能である。
【0012】
次に、上記構成のシートラッピング製品を製造する製造方法及び装置を説明する。図3(a)は図1に示すシートラッピング製品1を製造するシートラッピング製品製造装置を示す概略平面図、図3(b)は基材2の天面に貼り付けたシート3に切り欠き4を形成した状態を示す概略平面図である。このシートラッピング製品製造装置は、大別すると、基材2の天面にシート3を貼り付けるシート貼り付け手段11と、シート3を切断して切り離す切断手段12と、基材2を打ち抜き位置Aに搬送し、位置決めして停止させる搬送、位置決め手段13と、打ち抜き位置Aに停止している基材2の天面に貼り付けているシート3に切り欠き4を形成する打ち抜き手段14と、基材2を搬送しながら、その進行方向に関して両側に位置する一対の第一側面貼付片を基材側面に巻き込んで貼り付けてゆく第一ラッピング手段15と、基材2を、基材天面の第一辺に直角方向に搬送しながら、進行方向に関して前側に位置する第一側面貼付片の両端の突出部を基材側面に貼り付ける端部貼り付け手段16と、その端部貼り付け手段16を通過した基材2を、端部貼り付け手段16における基材搬送方向とは直角方向に離れた位置に設定している方向転換部Dに搬送する搬送手段17と、基材2を、端部貼り付け手段16における搬送方向とは反対方向に搬送しながら、進行方向の前側に位置する第一側面貼付片の両端の突出部と両側に位置する一対の第二側面貼付片を基材側面に巻き込んで貼り付けてゆく第二ラッピング手段18等を備えている。以下、各部を説明する。
【0013】
シート貼り付け手段11は、図4(a)、(b)に示すように、連続したシート3を供給するシート供給部21と、シート供給部21から引き出されたシート3を搬送するローラ22と、シート3に接着剤を塗布するのり塗布部23と、基材2を一定間隔で連続的に搬送する複数のローラ24を備えた搬送手段25と、接着剤を塗布したシート3を基材2の天面に押し付けて貼り付ける貼り付けローラ26等を備えている。ここで、搬送手段25は基材2を、その天面2aの長辺側に採った第一辺2abに平行方向に且つシート供給部21から引き出されるシート3の長手方向に平行に、しかも基材2の中心軸線をシート3の中心軸線に一致させた状態で搬送する構成となっている。以下、基材2の第一辺2abに平行な進行方向をY方向と称し、それに直角な進行方向をX方向と称する。シート供給部21から引き出されるシート3の幅は、そのシート3を基材2の天面に貼り付けた時、基材2の両側に、基材側面に貼り付けるのに適した大きさの領域が存在するように、基材2の幅よりも広く設定されている。搬送手段25によって搬送される基材2の、進行方向に関して前後方向の間隔は、前後の基材2、2に貼り付けられているシート3を、前後の基材2、2の中間位置で切り離した時に、前側の基材2の後ろ側及び後ろ側の基材2の前側にそれぞれ、基材前後の側面に貼り付けるのに適した大きさの領域が存在するように、定められている。かくして、シート貼り付け手段11で、一定間隔で搬送されている基材2の天面に連続したシート3を貼り付け、前後の基材2、2の中間位置でそのシート3を切り離すことで、図8(a)に示すように、基材2の天面にシート3を、天面の4辺(第一辺2ab、第二辺2ac)の外側に、基材側面の所望領域に貼り付けるに適した大きさの領域が存在する形態で貼り付けた中間製品を形成できる。
【0014】
図4において、切断手段12は、搬送中の基材2の天面に貼り付けられた連続したシート3を切り離すためのものである。この切断手段12は搬送中のシート3を中心軸線に直角に切断可能なものであれば、その構造は任意であるが、この実施の形態では、切断刃をシートの進行方向に直角方向に走行させるように保持した横移動装置27と、その横移動装置27をシートの進行方向に走行させる縦移動装置28を備えており、縦移動装置28で横移動装置27をシート3と同一速度で走行させながら、横移動装置27で切断刃をシート進行方向に直角に走行させることで、シート3を中心軸線に直角方向に切断することができる。ここで、切断手段12によるシート3の切断位置は、一定間隔で搬送されている前後の基材2、2の中間位置でシート3を切断するように定められている。
【0015】
打ち抜き位置Aは、切断手段12による切断位置よりもY方向の下流に設定されている。搬送、位置決め手段13は、切断手段12によって切り離されたシート3を貼り付けた基材2を、Y方向に搬送し、打ち抜き位置Aに位置決めして停止させるものである。この搬送、位置決め手段13は、図5に示すように、基材2を搬送するローラ30と、基材2の一方の側縁の位置を規制する固定サイドストッパ31と、基材2を固定サイドストッパ31に押し付けるように移動可能な可動サイドストッパ32及びそれを移動させる移動機構と、基材2の位置決めの際に基材2の進行経路の下側から進行経路内に上昇して基材2の進行方向の前端を規制する前側ストッパ33及びそれを昇降させる昇降機構と、基材2の通過後に基材2の進行経路の下側から進行経路内に上昇し、基材2を前側ストッパ33に押し付けるように移動する後ろ側ストッパ34及びそれを昇降させ且つ移動させる昇降、移動機構等を備えている。固定サイドストッパ31及び可動サイドストッパ32には、基材2の進行を妨げないように、複数のコロ35が設けられている。この構成により、基材2が打ち抜き位置Aに搬送されてくると、前側ストッパ33が進行経路内に上昇して基材2の前進を止め、且つ可動サイドストッパ32が基材2を固定サイドストッパ31に押し付け、後ろ側ストッパ34が進行経路内に上昇し且つ基材2を前側ストッパ33に押し付けることで、基材2を打ち抜き位置A内の所定位置に位置決めし、停止させることができる。ここで、搬送、位置決め手段13は、シート貼り付け手段11及び切断手段12のところでは連続的に搬送される基材2を、間欠的に搬送するものであるので、連続的に搬送されて来た基材が、間欠的に搬送されている基材にぶつかってトラブルを起こすということがないように、搬送、位置決め手段13の、停止時を含めた平均搬送速度が連続的に搬送される領域における搬送速度と同等もしくはそれ以上となるように定められている。
【0016】
打ち抜き手段14は、打ち抜き位置Aで停止している基材2の天面に貼り付けているシート3に、天面の4つの角をそれぞれ頂点とする4つの切り欠き4(図1参照)を形成するものであり、図5に示すように、基材2の4つの角に対応する位置にそれぞれ、切り欠きに対応した断面形状の穴37を備えた雌型38と、その穴に嵌合する雄型39と、その雄型39を昇降させる昇降機構を備えている。この構成により、基材2及びシート3が打ち抜き位置Aで所定位置に位置決めされた後、雄型39が上昇して雌型38の穴37に嵌合することで、シート3に切り欠き4を形成できる。ここで、雌型38の位置及び穴37の形状は、シート3に対して、図1(b)、(c)、図3(b)及び図8(b)に示す切り欠き4を形成することができるように定めており、この切り欠き4を形成することで、シート3に、基材天面2aの一対の第一辺2abの外側に位置する一対の第一側面貼付片3bと、天面2aの第一辺2abに直角な一対の第二辺2bcの外側に位置する一対の第二側面貼付片3cを形成でき、且つその第一側面貼付片3bの両端に、基材天面2aの第一辺2abの両端を越えて延び出した三角形状の突出部3bcを形成できる。
【0017】
図3において第一ラッピング手段15は、打ち抜き位置AよりもY方向の下流に配置されており、基材2を、基材天面の第一辺2abに平行方向にすなわちY方向に搬送しながら、基材2の進行方向に関して両側にある一対の第一側面貼付片3bを基材2の第一辺2abに沿う側面2bに巻き込んで貼り付けてゆくものであり、図6(a)、(b)、(c)、(d)にも示すように、基材2を搬送するローラ41と、基材2が搬送されてゆく際に、その基材2の第一側面貼付片3bに接触してその第一側面貼付片3bを徐々に基材側面2bに巻き込み、貼り付けることができるように、取付角度を徐々に変化させて取り付けられた複数のコロ42a、42b、42c、42d等を備えている。なお、第一ラッピング手段15の直ぐ上流には、シート3の両側の第一側面貼付片3bに塗布している接着剤を活性化させるためのヒーター43が設けられているが、接着剤によってはこのヒーターは省略してもよい。
【0018】
第一ラッピング手段15のY方向の下流には方向転換部Bが設けられており、その方向転換部Bには送られてきた基材2を、送られてきた方向に直角なX方向に送り出すための機構が設けられている。端部貼り付け手段16は、方向転換部Bから送り出された基材2をX方向に搬送しながら、進行方向に関して前側に位置する第一側面貼付片の両端の突出部を基材側面に貼り付けるものであり、図7(a)、(b)に示すように、基材2を基材天面の第一辺2abに直角方向であるX方向に搬送するローラ45と、基材2がX方向に搬送されてゆく際に、その基材2の第一側面貼付片3bの両端の突出部3bcに接触し、その突出部3bcを基材側面2cに押し付けて貼り付けるように配置されたコロ46等を備えている。このコロ46は、突出部3bcを側面2cに貼り付ける位置と、突出部3bcに接触しない退避位置に移動可能となっており、そのコロ46には、コロ46を往復動させる移動手段(図示せず)が連結されている。この移動手段46はコロ46を、基材進行方向に関して前側に位置する第一側面貼付片3bの両端の突出部3bcが通過する際には、その突出部3bcを基材側面2cに押し付けて貼り付けることができる位置とするが、後ろ側の突出部3bcが通過する際には、突出部3bcに接触しない位置に退避させるように作動するものであり、これによって、後ろ側の突出部3bcに塗布している接着剤がコロ46に付着するとか、突出部3bcが外側に折り曲げられるということを防止できる。なお、図3において、端部貼り付け手段16の直ぐ上流にも、シート3の両側の突出部3bcに塗布している接着剤を活性化させるためのヒーター47が設けられているが、接着剤によってはこのヒーターは省略してもよい。
【0019】
図3において、端部貼り付け手段16のX方向の下流には、送られてきた基材2を、X方向に直角なY方向に送り出す方向転換部Cが設けられ、更にその方向転換部CのY方向の下流には、送られてきた基材2をY方向に直角で且つ端部貼り付け手段16における基材搬送方向とは反対方向のX方向に送り出す方向転換部Dが設けられている。搬送手段17は、基材2を方向転換部Cから方向転換部Dに搬送するものであり、ここではローラ51を備えたものが用いられている。
【0020】
第二ラッピング手段18は、方向転換部DからX方向に送り出された基材2を、X方向に搬送しながら、進行方向の前側に位置する第一側面貼付片の両端の突出部と両側に位置する一対の第二側面貼付片を基材側面に巻き込んで貼り付けてゆくものであり、基材2をX方向に搬送するローラ56と、基材2が搬送されてゆく際に、その基材2の第一側面貼付片3bの両端の突出部3bcに接触してその突出部3bcを基材側面2cに押し付けて貼り付けるように配置されたコロ57と、基材2が搬送されてゆく際に第二側面貼付片3cを徐々に基材側面2cに巻き込み、貼り付けることができるように、取付角度を徐々に変化させて取り付けられた複数のコロ58a、58b、58c、58d等を備えている。なお、第二ラッピング手段18の直ぐ上流にも、シート3の両側の第二側面貼付片3cに塗布している接着剤を活性化させるためのヒーター59が設けられているが、接着剤によってはこのヒーターは省略してもよい。
【0021】
次に、上記構成のシートラッピング製品製造装置による製造方法を説明する。図3及び図4において、まず、シート供給部21から連続したシート3が引き出され、そのシート3にのり塗布部23で接着剤が塗布される。一方、基材2が一定間隔で、基材天面の第一辺2abに平行なY方向に搬送され、その基材2の天面に連続したシート3が中心軸線を合わせる形態で貼り付けられる。次いで、切断手段12が先行する基材2とそれに続く基材2の間の中間位置でシート3を切り離す。これにより、図8(a)に示すように、基材2の天面にシート3を、天面の4辺(第一辺2ab、第二辺2ac)の外側に、基材側面の所望領域に貼り付けるに適した大きさの領域が存在する形態で貼り付けた中間製品が形成される。
【0022】
次に、図3及び図4において、シート3を貼り付けた基材2がY方向に搬送され、打ち抜き位置Aに達すると、その位置で位置決めされ停止する。次に、打ち抜き手段14が作動してシート3に4つの切り欠き4を形成する。これにより、図1(b)、(c)、図3(b)及び図8(b)に示すように、シート3に、基材天面2aの一対の第一辺2abの外側に位置する一対の第一側面貼付片3bと、一対の第二辺2bcの外側に位置する一対の第二側面貼付片3cが形成され、且つその第一側面貼付片3bの両端には三角形状の突出部3bcが形成される。
【0023】
次に、図3及び図4において、基材2が更にY方向に搬送され、第一ラッピング手段15を通過し、その通過中に、進行方向に関して両側に位置する第一側面貼付片3bが基材両側の側面2bに巻き込まれて貼り付けられる。この際、第一側面貼付片3bの両端は、それに直角方向に存在している第二側面貼付片3cから切り欠き4によって切り離されているので、第一側面貼付片3bの巻き込みに第二側面貼付片3cが干渉することはなく、図8(c)に示すように、第一側面貼付片3bは基材側面2bに良好に貼り付けられることとなる。なお、第一側面貼付片3bの両端の突出部3bcは、この時には貼り付けられておらず、側面2bの延長方向に突出した状態となっている。
【0024】
図3において、第一ラッピング手段15をY方向に通り抜けた基材2は、その後、方向転換部Bで基材天面の第一辺2abに直角なX方向に送り出され、端部貼り付け手段16をX方向に通過する。その通過中、図7、図8(c)に示すように、進行方向に関して前側に位置する第一側面貼付片3bの両端の突出部3bcがコロ46によって、基材両側の側面2bに押し付けられ、貼り付けられる。なお、後ろ側の第一側面貼付片3bの両端の突出部3bcがコロ46の位置を通過する際にはコロ46が接触しない位置に退避しているので、その突出部3bcがコロ46で折り曲げられることはなく、両側に突出した状態に保たれる。
【0025】
図3において、端部貼り付け手段16を通り抜けた基材2は、方向転換部CでY方向に送り出されて方向転換部Dに至り、その方向転換部Dで、基材2の第一辺2abに直角なY方向ではあるが、端部貼り付け手段16における搬送方向とは反対方向に送り出され、第二ラッピング手段18をY方向に通過する。その通過中に、まず進行方向に関して前側に位置する第一側面貼付片3bの両端の突出部3bcがコロ57によって基材側面2cに貼り付けられ、次いで、進行方向に関して両側に位置する第二側面貼付片3cが基材両側の側面2cに巻き込まれて貼り付けられる。以上のようにして、図1に示すように、基材2の天面2a及び4側面2b、2cに1枚のシート3を貼り付け、且つ側面の角部においてシートの重なりのないシートラッピング製品1が、インラインで生産性よく製造される。製造されたシートラッピング製品1は、その後、集積部に送られ、集積される。
【0026】
図9は、本発明の他の実施の形態に係るシートラッピング製品の製造装置を示すものである。この製造装置は、図2に示すシートラッピング製品1Aを製造するものであり、基材天面にシートを貼り付けるシート貼り付け手段11と、シートを切断して切り離す切断手段12と、基材を打ち抜き位置Aに搬送し、位置決めして停止させる搬送、位置決め手段13と、打ち抜き位置Aに停止している基材の天面に貼り付けているシートに切り欠きを形成する打ち抜き手段14Aを備えている。シート貼り付け手段11、切断手段12、搬送、位置決め手段13は、図3に示す実施の形態に用いているものと同一である。打ち抜き手段14Aは、基材2の天面に貼り付けているシート3に、図2(b)及び図9(b)に示す形状の切り欠き4を形成するものであり、図5に示す打ち抜き手段14と打ち抜き形状、位置は異なるが打ち抜きのための機構は同様である。この打ち抜き手段14Aによってシート3に切り欠き4を形成することにより、シート3に、基材天面の一対の第一辺2abに沿う側面2bに貼り付けるための一対の第一側面貼付片3bと、一対の第二辺2acに沿う側面2cに貼り付けるための一対の第二側面貼付片3cを形成でき、且つその第二側面貼付片3cの両端に、第二辺2ac及び側面2cの両端を越えて延び出す三角形状の突出部3cbを形成できる。
【0027】
図9において、シートラッピング製品製造装置は、更に、打ち抜き位置Aの下流に設けられた方向転換部BからX方向に送り出された基材2をX方向に搬送しながら、その進行方向に関して両側に位置する一対の第二側面貼付片3cを基材側面2cに巻き込んで貼り付けてゆく第一ラッピング手段15Aと、その下流に設けられた方向転換部CからY方向に送り出された基材2をY方向に搬送しながら、進行方向に関して前側に位置する第二側面貼付片3c両端の突出部3cbを基材側面2bに貼り付ける端部貼り付け手段16Aと、その下流に設けられた方向転換部Dから基材2をX方向に送り出し、方向転換部Eに搬送する搬送手段17Aと、方向転換部Eから、端部貼り付け手段16における搬送方向とは反対方向のY方向に送り出された基材2をY方向に搬送しながら、進行方向の前側に位置する第二側面貼付片3cの両端の突出部3cbを基材の両側の側面2bに貼り付け且つ進行方向に関して両側に位置する一対の第一側面貼付片3bを両側の側面2bに巻き込んで貼り付けてゆく第二ラッピング手段18A等を備えている。
【0028】
第一ラッピング手段15A、端部貼り付け手段16A、第二ラッピング手段18Aは、図3に示す実施の形態に用いている第一ラッピング手段15、端部貼り付け手段16、第二ラッピング手段18とは、巻き込んで貼り付ける対象が異なるが、機構は同様のものであり、同様の部品(図3の実施の形態と同一符号を付している)を備えている。
【0029】
次に、図9に示すシートラッピング製品製造装置による製造方法を説明する。この装置においても、まず、シート供給部21から連続したシート3が引き出され、そのシート3にのり塗布部23で接着剤が塗布される。一方、基材2が一定間隔で、基材天面の第一辺2abに平行なY方向に搬送され、その基材2の天面に連続したシート3が中心軸線を合わせる形態で貼り付けられる。次いで、切断手段12が先行する基材2とそれに続く基材2の間の中間位置でシート3を切り離す。これにより、基材2の天面にシート3を、天面の4辺(第一辺2ab、第二辺2ac)の外側に、基材側面の所望領域に貼り付けるに適した大きさの領域が存在する形態で貼り付けた中間製品が形成される。
【0030】
次に、シート3を貼り付けた基材2がY方向に搬送され、打ち抜き位置Aに達すると、その位置で位置決めされ停止する。次に、打ち抜き手段14Aが作動してシート3に4つの切り欠き4を形成する。これにより、図2(b)、(c)及び図9(b)に示すように、シート3に、基材天面2aの一対の第一辺2abの外側に位置する一対の第一側面貼付片3bと、一対の第二辺2acの外側に位置する一対の第二側面貼付片3cが形成され、且つその第二側面貼付片3cの両端には基材天面2aの第二辺2ac及び側面2cの両端を越えて延び出した三角形状の突出部3cbが形成される。
【0031】
次に、図9において、基材2が更にY方向に搬送され、方向転換部Bで進行方向を直角に変更され、基材天面の第一辺2abに直角なX方向に搬送されて第一ラッピング手段15Aを通過し、その通過中に、進行方向に関して両側に位置する第二側面貼付片3cが基材両側の側面2cに巻き込まれて貼り付けられる。この際、第二側面貼付片3cの両端は、それに直角方向に存在している第一側面貼付片3bから切り欠き4によって切り離されているので、第二側面貼付片3cの巻き込みに第一側面貼付片3bが干渉することはなく、第二側面貼付片3cは基材側面2cに良好に貼り付けられる。なお、第二側面貼付片3cの両端の突出部3cbは、この時には貼り付けられておらず、側面2cの延長方向に突出した状態となっている。
【0032】
第一ラッピング手段15AをX方向に通り抜けた基材2は、その後、方向転換部Cで進行方向を直角に変更され、基材天面の第一辺2abに平行なY方向に搬送されて端部貼り付け手段16Aを通過し、その通過中に前側の第二側面貼付片3cの両端の突出部3cbのみが側面2bに貼り付けられる。その後、基材2は方向転換部Dから、方向転換部Eに搬送される。
【0033】
次に、方向転換部Eから基材2が、基材天面の第一辺2abに平行な且つ端部貼り付け手段16Aにおける搬送方向とは反対方向のY方向に送り出され、第二ラッピング手段18AをY方向に通過する。その通過中に、まず進行方向に関して前側に位置する第二側面貼付片3cの両端の突出部3cbがコロ57によって基材両側の側面2bに貼り付けられ、次いで、進行方向に関して両側に位置する第一側面貼付片3bが基材両側の側面2bに巻き込まれて貼り付けられる。以上のようにして、図2に示すように、基材2の天面2a及び4側面2b、2cに1枚のシート3を貼り付け、且つ側面の角部においてシートの重なりのないシートラッピング製品1Aが、インラインで生産性よく製造される。製造されたシートラッピング製品1Aは、その後、集積部に送られ、集積される。
【0034】
なお、以上に説明した実施の形態では、連続したシート3を基材2に貼り付ける際の基材2の進行方向を、基材2の長辺に平行方向としているが、本発明はこれに限らず、基材2の進行方向を、基材2の長辺に直角方向としてもよい。この場合には、基材の天面の第一辺2abを短辺側とすればよい。
【0035】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明で製造する対象のシートラッピング製品の1例を示すもので、(a)は概略斜視図、(b)はシートラッピング製品を、シートを基材の天面に貼り付けてはいるが基材の4側面には貼り付ける前の平面状の状態とした状態で示す概略斜視図、(c)はシートのコーナー領域を拡大して示す概略平面図
【図2】シートラッピング製品の他の例を示すもので、(a)は概略斜視図、(b)はシートラッピング製品を、シートを基材の天面に貼り付けてはいるが基材の4側面には貼り付ける前の平面状の状態とした状態で示す概略斜視図、(c)はシートのコーナー領域を拡大して示す概略平面図
【図3】(a)は本発明の実施の形態に係るシートラッピング製品製造装置の概略平面図、(b)は打ち抜き位置でシートを打ち抜いた後の中間製品を示す概略平面図
【図4】図3に示す製造装置の一部領域を示すもので、(a)は概略平面図、(b)は概略側面図
【図5】図3に示す製造装置の搬送、位置決め手段及び打ち抜き手段を示すもので、(a)は概略平面図、(b)は概略断面図
【図6】(a)、(b)、(c)、(d)は、第一ラッピング手段において、第一側面貼付片を基材側面に巻き込む状態を説明する概略正面図
【図7】(a)、(b)は、端部貼り付け手段によって突出部を基材側面に貼り付ける状態を説明する概略平面図
【図8】(a)、(b)、(c)、(d)は、基材天面にシートを貼り付け、次いで切り欠きを形成した後、基材側面にシートを巻き込んで貼り付ける動作を説明する概略斜視図
【図9】(a)は本発明の他の実施の形態に係るシートラッピング製品製造装置の概略平面図、(b)は打ち抜き位置でシートを打ち抜いた後の中間製品を示す概略平面図
【符号の説明】
【0037】
1、1A シートラッピング製品
2 基材
2a 天面
2ab 天面の第一辺
2ac 天面の第二辺
2ad 天面の角
2b、2c 側面
3 シート
3b 第一側面貼付片
3c 第二側面貼付片
3bc、3cb 突出部
4 切り欠き
11 シート貼り付け手段
12 切断手段
13 搬送、位置決め手段
14、14A 打ち抜き手段
15、15A 第一ラッピング手段
16、16A 端部貼り付け手段
17、17A 搬送手段
18、18A 第二ラッピング手段
21 シート供給部
23 のり塗布部
24、30、41、45、51、56 ローラ
25 搬送手段
26 貼り付けローラ
31 固定サイドストッパ
32 可動サイドストッパ
33 前側ストッパ
34 後ろ側ストッパ
37 穴
38 雌型
39 雄型
42a、42b、42c、42d コロ
46、57 コロ
58a、58b、58c、58d コロ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の基材と、その基材の天面全域と4側面の各々の少なくとも天面に隣接した領域に貼り付けられた1枚のシートを備えたシートラッピング製品を製造する方法であって、
一定間隔で搬送される基材の天面に、シート供給部から引き出された、前記天面よりも幅の広い連続したシートを、前記天面の平行な一対の第一辺が前記連続したシートの長手方向に平行となる関係で且つ前記連続したシートの両側縁が前記基材天面の両側に延び出した状態となるように貼り付けてゆくシート貼り付け工程と、
前記シートを、前記基材と基材の中間位置において切断して切り離す切断工程と、
前記基材の天面に貼り付けたシートの前記天面よりも外側の領域に、前記天面の一対の第一辺に沿う側面に貼り付けるための一対の第一側面貼付片であって、両端にその側面よりも外側に延び出す突出部を備えた一対の第一側面貼付片と、前記天面の前記第一辺に直角な一対の第二辺に沿う側面に貼り付けるための一対の第二側面貼付片を形成するように、前記シートに、天面の4つの角をそれぞれ頂点とする4つの切り欠きを形成する打ち抜き工程と、
前記基材を、前記基材天面の第一辺に平行方向に搬送しながら、進行方向に関して両側に位置する前記一対の第一側面貼付片を前記第一辺に沿う側面に巻き込んで貼り付けてゆく第一ラッピング工程と、
前記基材を、前記基材天面の第一辺に直角方向に搬送しながら、進行方向に関して前側に位置する第一側面貼付片の両端の突出部を前記第二辺に沿う側面に貼り付ける端部貼り付け工程と、
前記基材を、前記端部貼り付け工程における搬送方向とは反対方向に搬送しながら、進行方向に関して前側に位置する前記第一側面貼付片の両端の突出部を前記第二辺に沿う側面に貼り付け且つ進行方向に関して両側に位置する前記一対の第二側面貼付片を前記第二辺に沿う側面に巻き込んで貼り付けてゆく第二ラッピング工程を有することを特徴とするシートラッピング製品の製造方法。
【請求項2】
板状の基材と、その基材の天面全域と4側面の各々の少なくとも天面に隣接した領域に貼り付けられた1枚のシートを備えたシートラッピング製品を製造する方法であって、
一定間隔で搬送される基材の天面に、シート供給部から引き出された、前記天面よりも幅の広い連続したシートを、前記天面の平行な一対の第一辺が前記連続したシートの長手方向に平行となる関係で且つ前記連続したシートの両側縁が前記基材天面の両側に延び出した状態となるように貼り付けてゆくシート貼り付け工程と、
前記シートを、前記基材と基材の中間位置において切断して切り離す切断工程と、
前記基材の天面に貼り付けたシートの前記天面よりも外側の領域に、前記天面の一対の第一辺に沿う側面に貼り付けるための一対の第一側面貼付片と、前記天面の前記第一辺に直角な一対の第二辺に沿う側面に貼り付けるための一対の第二側面貼付片であって、両端にその側面よりも外側に延び出す突出部を備えた一対の第二側面貼付片を形成するように、前記シートに、天面の4つの角をそれぞれ頂点とする4つの切り欠きを形成する打ち抜き工程と、
前記基材を、前記基材天面の第一辺に直角方向に搬送しながら、進行方向に関して両側に位置する前記一対の第二側面貼付片を前記第二辺に沿う側面に巻き込んで貼り付けてゆく第一ラッピング工程と、
前記基材を、前記基材の天面の第一辺に平行方向に搬送しながら、進行方向に関して前側に位置する第二側面貼付片の両端の突出部を前記第一辺に沿う側面に貼り付ける端部貼り付け工程と、
前記基材を、前記端部貼り付け工程における搬送方向とは反対方向に搬送しながら、進行方向に関して前側に位置する前記第二側面貼付片の両端の突出部を前記第一辺に沿う側面に貼り付け且つ進行方向に関して両側に位置する前記一対の第一側面貼付片を前記第一辺に沿う側面に巻き込んで貼り付けてゆく第二ラッピング工程を有することを特徴とするシートラッピング製品の製造方法。
【請求項3】
板状の基材と、その基材の天面全域と4側面の各々の少なくとも天面に隣接した領域に貼り付けられた1枚のシートを備えたシートラッピング製品を製造する装置であって、
基材を一定間隔で搬送すると共に、それに並行して、シート供給部から前記天面よりも幅の広い連続したシートを引き出し、前記基材の天面に、該天面の平行な一対の第一辺が前記連続したシートの長手方向に平行となる関係で且つ前記連続したシートの両側縁が前記基材天面の両側に延び出した状態となるように貼り付けてゆくシート貼り付け手段と、
前記シートを、前記基材と基材の中間位置において切断して切り離す切断手段と、
前記シートを貼り付けた基材を、打ち抜き位置に搬送し、位置決めして停止させる搬送、位置決め手段と、
前記打ち抜き位置で停止している前記基材の天面に貼り付けたシートの前記天面よりも外側の領域に、前記天面の一対の第一辺に沿う側面に貼り付けるための一対の第一側面貼付片であって、両端にその側面よりも外側に延び出す突出部を備えた一対の第一側面貼付片と、前記天面の前記第一辺に直角な一対の第二辺に沿う側面に貼り付けるための一対の第二側面貼付片を形成するように、前記シートに、天面の4つの角をそれぞれ頂点とする4つの切り欠きを形成する打ち抜き手段と、
前記基材を、前記基材天面の第一辺に平行方向に搬送しながら、進行方向に関して両側に位置する前記一対の第一側面貼付片を前記第一辺に沿う側面に巻き込んで貼り付けてゆく第一ラッピング手段と、
前記基材を、前記基材天面の第一辺に直角方向に搬送しながら、進行方向に関して前側に位置する第一側面貼付片の両端の突出部を前記第二辺に沿う側面に貼り付ける端部貼り付け手段と、
該端部貼り付け手段を通過した前記基材を、前記端部貼り付け手段における基材通過方向に対して直角方向に搬送し、前記端部貼り付け手段から離れた位置に設定している方向転換部に搬送する搬送手段と、
前記方向転換部にある基材を、前記第一辺に直角方向に且つ前記端部貼り付け手段における基材搬送方向とは反対方向に搬送しながら、進行方向に関して前側に位置する前記第一側面貼付片の両端の突出部を前記第二辺に沿う側面に貼り付け且つ進行方向に関して両側に位置する前記一対の第二側面貼付片を前記第二辺に沿う側面に巻き込んで貼り付けてゆく第二ラッピング手段を有することを特徴とするシートラッピング製品の製造装置。
【請求項4】
板状の基材と、その基材の天面全域と4側面の各々の少なくとも天面に隣接した領域に貼り付けられた1枚のシートを備えたシートラッピング製品を製造する装置であって、
基材を一定間隔で搬送すると共に、それに並行して、シート供給部から前記天面よりも幅の広い連続したシートを引き出し、前記基材の天面に、該天面の平行な一対の第一辺が前記連続したシートの長手方向に平行となる関係で且つ前記連続したシートの両側縁が前記基材天面の両側に延び出した状態となるように貼り付けてゆくシート貼り付け手段と、
前記シートを、前記基材と基材の中間位置において切断して切り離す切断手段と、
前記シートを貼り付けた基材を、打ち抜き位置に搬送し、位置決めして停止させる搬送、位置決め手段と、
前記打ち抜き位置で停止している前記基材の天面に貼り付けたシートの前記天面よりも外側の領域に、前記天面の一対の第一辺に沿う側面に貼り付けるための一対の第一側面貼付片と、前記天面の前記第一辺に直角な一対の第二辺に沿う側面に貼り付けるための一対の第二側面貼付片であって、両端にその側面よりも外側に延び出す突出部を備えた一対の第二側面貼付片を形成するように、前記シートに、天面の4つの角をそれぞれ頂点とする4つの切り欠きを形成する打ち抜き手段と、
前記基材を、前記基材天面の第一辺に直角方向に搬送しながら、進行方向に関して両側に位置する前記一対の第二側面貼付片を前記第二辺に沿う側面に巻き込んで貼り付けてゆく第一ラッピング手段と、
前記基材を、前記基材天面の第一辺に平行方向に搬送しながら、進行方向に関して前側に位置する第二側面貼付片の両端の突出部を前記第一辺に沿う側面に貼り付ける端部貼り付け手段と、
該端部貼り付け手段を通過した前記基材を、前記端部貼り付け手段における基材通過方向に対して直角方向に搬送し、前記端部貼り付け手段から離れた位置に設定している方向転換部に搬送する搬送手段と、
前記方向転換部にある基材を、前記第一辺に平行方向に且つ前記端部貼り付け手段における基材搬送方向とは反対方向に搬送しながら、進行方向に関して前側に位置する前記第二側面貼付片の両端の突出部を前記第一辺に沿う側面に貼り付け且つ進行方向に関して両側に位置する前記一対の第一側面貼付片を前記第一辺に沿う側面に巻き込んで貼り付けてゆく第二ラッピング手段を有することを特徴とするシートラッピング製品の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−87161(P2008−87161A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−266921(P2006−266921)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】