説明

シート束断裁装置及びこれを備えた製本装置並びに画像形成システム

【課題】背綴じされたシート束の周縁の一辺或いは三辺を断裁揃えする際に、背部を基準に比較的正確な冊子形状に仕上げる。
【解決手段】綴じ合わされた背部を除くシート束の天部・地部・小口部の少なくとも一方向を断裁する装置であって、シート束を所定の断裁位置に保持するシート束保持手段62と、断裁位置に配置された断裁手段70と、シート束保持手段と断裁手段を制御する制御手段78とを備える。そしてシート束保持手段は、断裁手段の切断線に対するシート束の角度姿勢を変更可能に構成し、制御手段には、断裁手段の切断線を基準にシート束保持手段に保持されたシート束の背部端面の傾き量を検出する背部傾き量検出手段66を設ける。そこでこの背部傾き量検出手段で検出した傾き量に基づいてシート束保持手段の角度姿勢を変更するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部揃え集積されたシート束の背部端面を除くシート束の周縁を断裁揃えするシート束断裁装置に係わり、正確な角度姿勢で断裁揃えすることが可能な断裁機構の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にこの種のシート束断裁装置は、例えば製本綴じされたシート束の天部・地部・小口部の三方向、或いは小口部の一方向をトリミング断裁する仕上げユニットとして、製本装置などの後処理装置に組み込まれている。そしてその機構は断裁位置にシート束を搬送して保持し、これを回転刃、平板状の平刃などの断裁刃で断裁する構造が広く知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、プリンタ、印刷機などの画像形成装置の端末装置として製本装置が示され、製本綴じしたシート束の三方向を断裁揃えする断裁ユニットが開示されている。このようにシート束断裁装置は、製本装置に内蔵され、画像形成システム、製本システムなどとして使用される場合と、スタンドアロン装置として使用される場合とがある。
【0004】
このようなシート束断裁装置は、断裁刃にシート束を搬送セットする束搬送手段と、これに保持されたシート束を断裁する断裁手段とで構成され、束搬送手段はその一部にシート束の姿勢を偏向するターンテーブルなどの束姿勢偏向手段を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−260977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のようなシート束断裁装置において、シート束を断裁位置に位置決めする際に、従来は、シート束を上流側から搬送する束搬送機構で位置決めするか、或いは搬送機構とは別の機構(束姿勢偏向手段など)で位置決めしている。そしてこの位置決め保持機構でシート束を回転させて天部、地部、小口部を断裁位置に臨ませている。
【0007】
このような機構で天部、地部、小口部を断裁する場合に、従来は最初に一辺を断裁刃の接打線に一致ように位置決めし、これを基準に90度ずつ回転させて他の辺を断裁しているため、断裁仕上げした冊子が斜傾する問題が生ずる。この状態を図10に示すが、例えば断裁位置の上流側で表紙綴じする際に背部端面が斜傾して綴じられている場合には同図(a)のように断裁される。また、背部と別の辺を基準に位置決めするとこの辺が斜傾してセットされると同図(b)のように断裁仕上げした冊子は歪んだ製本となる。
【0008】
このような仕上げ時の斜傾は、束姿勢偏向手段などの回転機構に回転誤差が生じた場合、束搬送手段などの位置決め時に傾きが生じた場合にも同様に断裁仕上げした冊子の斜傾が問題となる。
【0009】
そこで本発明者は、天部、地部、小口部の三方向或いは小口部の一方向を断裁仕上げする際に、背部を基準にシート束を断裁位置に位置決めするとの着想に至った。これによって背綴じ処理時に背部が斜頚していても、回転機構に角度誤差が生じても正確に断裁仕上げが可能となる。
【0010】
本発明は背綴じされたシート束の周縁の一辺或いは三辺を断裁揃えする際に、背部を基準に比較的正確な冊子形状に仕上げることが可能なシート束断裁機構の提供をその課題としている。
更に、本発明はシート束を断裁揃えする場合に、束姿勢偏向機構に角度誤差が生じても、自動的に修正することが可能なシート束断裁機構の提供をその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を達成するため本発明は、所定の断裁位置にシート束を位置決めするシート束保持手段と、断裁手段を配置し、このシート束保持手段を断裁手段の切断線に対するシート束の角度姿勢を変更可能に構成する。そしてその制御手段には、断裁位置に位置決めされたシート束の背部端面の傾き量を検出する背部傾き量検出手段を設け、この検出手段で検出した傾き量に基づいてシート束保持手段の角度姿勢を変更することを特徴としている。
【0012】
更にその構成を詳述すると、綴じ合わされた背部を除くシート束の天部・地部・小口部の少なくとも一方向を断裁する装置であって、シート束を所定の断裁位置に保持するシート束保持手段(62)と、断裁位置に配置された断裁手段(C)と、シート束保持手段と断裁手段を制御する制御手段(78)とを備える。そしてシート束保持手段は、断裁手段(C)の切断線に対するシート束の角度姿勢を変更可能に構成し、制御手段には、断裁手段の切断線を基準にシート束保持手段に保持されたシート束の背部端面の傾き量を検出する背部傾き量検出手段(66)を設ける。そこでこの背部傾き量検出手段で検出した傾き量に基づいてシート束保持手段の角度姿勢を変更するように構成する。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、断裁位置に位置決めされたシート束の背部端面の傾き量を検出する背部傾き量検出手段を設け、この検出手段で検出した傾き量に基づいてシート束保持手段の角度姿勢を変更するようにしたものであるから以下の効果を奏する。
【0014】
断裁位置か或いはその上流側若しくは下流側に配置された背部傾き量検出手段によって断裁位置に位置決めされたシート束の背部端面の傾き量を検出し、この傾き量に基づいてシート束保持手段の角度姿勢を変更するから、シート束の天部・地部・小口部のいずれを断裁する際にも常に背部を基準に、その角度位置が割り出されることとなり、背表紙部分を基準に正確な冊子形状に断裁仕上げされることとなる。従って仕上げ品位に富んだ製本処理が可能となる。
【0015】
この場合に本発明は、シート束の背部の傾き量を検出した後に断裁処理するか、断裁処理した後に背部の傾き量を検出して角度補正し、再度断裁処理するか、或いは断裁処理した後に背部の傾き量を検出して角度誤差量を判別し、後続するシート束の断裁時に誤差量を補正するように構成する。
【0016】
このように構成することによってシート束を断裁位置に位置決めする際に、傾きが生じても、或いはシート束の姿勢偏向時に傾きが生じても、その傾きを、背部を基準に補正することが可能となり、比較的正確な冊子形状に仕上げることが出来きる。従って連続して複数部数の製本処理する際に、その全ての処理が終了した後に断裁不良が発見されすべての冊子を廃棄処分するような事態を招くことがない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係わる画像形成システムの全体構成の説明図。
【図2】図1のシステムにおける製本装置の構成説明図。
【図3】図2の製本装置におけるシート束断裁機構の説明図。
【図4】図3の断裁機構における背部傾き量検出手段の構成説明図。
【図5】図2のシート束断裁機構の動作状態説明図であり、(a)はシート束を断裁位置に位置決めする状態を、(b)は位置決めしたシート束を旋回位置に移動する際に背部傾き量を検出する状態を示す。
【図6】図2のシート束断裁機構の動作状態説明図であり、(a)はシート束を断裁位置にセットした状態を、(b)はシート束の端縁を断裁する状態を示す。
【図7】図2のシート束断裁機構の動作状態説明図であり、(a)は断裁後のシート束の背部の傾き量を検出する状態を、(b)はシート束をスタッカに搬出する状態を示す。
【図8】図1の画像形成システムの制御構成の説明図。
【図9】背部の傾き量検出における制御手段の第1実施形態を示す動作フロー図。
【図10】背部の傾き量検出における制御手段の第2実施形態を示す動作フロー図。
【図11】背部の傾き量検出における制御手段の第3実施形態を示す動作フロー図。
【図12】従来技術の説明図であり、(a)は背部端面が斜傾していた場合の断裁仕上げ状態を、(b)は位置決め端面が傾斜していた場合の断裁仕上げ状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下図示の実施形態に従って本発明を詳述する。本発明はシート断裁装置及びこれを備えた製本装置、画像形成システムに係わり、シート断裁装置は製本装置に内蔵され、製本装置は画像形成装置の後処理装置としてシステムを構成する。以下画像形成装置A、製本装置B、シート束断裁装置(断裁ユニット)Cの順に説明する。
【0019】
[画像形成装置]
図1は画像形成システムを画像形成装置Aと、これに付設された製本装置Bとから構成する場合を示している。画像形成装置Aは静電印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷などの画像形成方式でシート上に画像形成してこれを排紙口14から搬出する。製本装置Bは、この排紙口14に連設され、画像形成されたシートを部揃え集積してその背綴部に接着剤を塗布して冊子状に綴じ合わせ、その周縁をトリミングカットして断裁仕上げした後、収納スタッカ74に収納するように構成されている。
【0020】
画像形成装置Aは、上述のように種々の印刷機構を採用することが可能であるが、その一例として静電印刷機構を示し、その構成を説明する。図示の画像形成装置Aはケーシング1内に給紙部2と、印字部3と、排紙部4と制御部が内蔵されている。給紙部2にはシートサイズに応じた複数のカセット5が準備され、制御部から指示されたサイズのシートが給紙経路6に繰り出される。この給紙経路6にはレジストローラ7が設けられ、シートを先端揃えした後所定のタイミングで下流側の印字部3に給送する。
【0021】
印字部3には静電ドラム10が設けられ、この静電ドラム10の周囲には印字ヘッド9、現像器11、転写チャージャ12などが配置されている。そして印字ヘッド9は例えばレーザ発光器などで構成され、静電ドラム10上に静電潜像を形成し、この潜像に現像器11でトナーインクを付着し、転写チャージャ12でシートに印刷する。この印刷シートは定着器13で定着され排紙経路17に搬出される。
【0022】
排紙部4には上記ケーシング1に形成した排紙口14と排紙ローラ15が配置されている。尚図示16は循環経路であり、排紙経路17からの印刷シートをスッチバック経路で表裏反転した後再びレジストローラ7に送り、印刷シートの裏面に画像形成する。このように片面若しくは両面に画像形成された印刷シートは排紙口14から排紙ローラ15で搬出される。
【0023】
尚図示20はスキャナユニットであり、上記印字ヘッド9で印刷する原稿画像を光学的に読み取る。その構造は一般的に知られているように原稿シートを載置セットするプラテン19と、このプラテン19に沿って原稿画像をスキャンするキャリッジ21と、このキャリッジ21からの光学像を光電変換する光学読取手段(例えばCCDディバイス)22とから構成されている。また図示のものは原稿シートを自動的にプラテンに給送する原稿送り装置23がプラテン19上に装備してある。
【0024】
[製本装置]
製本装置Bは、外部の印刷装置で画像形成され、部揃えされたシート束を、その端縁に接着剤を塗布して製本綴じするスタンドアロン構成か、或いは図1に示すように画像形成装置に連設されたシステムの端末装置として構成する。そして製本仕上げは、画像形成されたシート束(以下「中紙シート束」という)に接着剤を塗布して綴じ合わせる天糊製本か、或いは中紙シート束を表紙シートに綴じ合わせるくるみ製本する製本処理と、中紙シート束をステップラー装置(ユニット)で綴じ合わせて製本処理する、いずれかで製本するように構成する。図示の装置は、くるみ製本する製本処理を、その一例として示している。
【0025】
図2に示すように製本装置Bには、中紙シート束を塗布位置Pxから表紙綴じ位置Py、次いで断裁位置Pzに案内する製本経路42が備えられている。塗布位置Pxには、シート束の背綴じ端面に接着剤を塗布する接着剤塗布手段52が配置され、表紙綴じ位置Pyには、背当プレート59と背折プレート60から構成される表紙綴じ手段58が配置されている。
【0026】
また断裁位置Pzには綴じ合わせたシート束の周縁を断裁揃えする断裁ユニット(シート束断裁装置;以下同様)Cが配置されている。そして製本経路42には中紙シート束を経路に沿って塗布位置Pxから断裁位置Pzに移送するシート束搬送手段43が設けられている。
【0027】
[製本経路]
上記製本経路42について説明すると図2に示すように、製本装置Bのケーシング29には画像形成装置Aの排紙口14に連なる搬入口30が設けられ、この搬入口30からシートを装置内に搬入する。搬入経路31には、中紙搬送経路32と表紙搬送経路34が経路切換フラッパ36を介して連結されている。そして中紙搬送経路32には集積部37を介して製本経路42が連設され、表紙搬送経路34には後処理経路35が連設されている。
【0028】
図2から明らかなように製本経路42は略々鉛直方向に装置を縦断する方向に、表紙搬送経路34は略々水平方向に装置を横断する方向に配置されている。そして製本経路42と表紙搬送経路34とは互いに交差(直交)し、その交差部に後述する表紙綴じ手段58が配置されるようになっている。
【0029】
このように構成された搬入経路31には画像形成装置Aから印刷シートが給送される。画像形成装置Aからはコンテンツ情報(文書データ)を印刷された印刷シート(中紙シート)と表紙カバーとして使用するタイトルなどを印刷された印刷シート(表紙シート)とが搬出される。そこで製本装置Bは文書データが印刷されたシートを中紙搬送経路32に、表紙データが印刷されたシートを表紙搬送経路34に振り分け搬送する。
【0030】
一方、上記搬入経路31にはインサータ装置25が連結してあり、画像形成装置Aで印刷処理しない表紙シートを給紙トレイ26から1枚ずつ分離して搬入経路31に供給するように構成してある。このインサータ装置25は1つ若しくは複数段の給紙トレイ26を備え、このトレイ先端には積載されたシートを1枚ずつ分離して給送する給紙手段と、この給紙手段の下流側に給紙経路27が設けられ、この給紙経路27は経路切換片28を介して搬入経路31に連結している。
【0031】
また上記搬入経路31には搬送ローラ31aが、中紙搬送経路32には搬送ローラ32aが、製本経路42にはシート束搬送手段43と後述する束姿勢偏向手段62と排紙ローラ(排紙手段)72が配置されている。同様に表紙搬送経路34には搬送ローラ34aが、後処理経路35には搬送ローラ35aがそれぞれ配置され、それぞれ駆動モータに連結されている。
【0032】
[集積部の構成]
前記中紙搬送経路32の排紙口33に配置された集積トレイ38は排紙口33からのシートを束状に積載収納する。図2に示すように集積トレイ38は略々水平姿勢に配置されたトレイ部材で構成され、その上方には正逆転ローラ39と搬入ガイド40が設けられている。そして排紙口33からの印刷シートを搬入ガイド40で集積トレイ上に案内し、正逆転ローラ39で収納する。
【0033】
この正逆転ローラ39は正回転で印刷シートを集積トレイ38の先端側に移送し、逆回転でトレイ後端(図2右端)に配置された規制部材41にシート後端を突き当て規制する。また集積トレイ38には図示しないシートサイド整合手段が設けられトレイ上に収納した印刷シートの両側縁を基準位置に幅寄せ整合する。このような構成で中紙搬送経路32からの印刷シートは集積トレイ38上に順次積み上げられ束状に部揃えされる。
【0034】
上記集積トレイ38には図示しないシート束厚さ識別手段が配置され、トレイ上に集積されたシート束の厚さを検出するようになっている。その構成は例えばトレイ上に最上シートと接する紙触片を設け、この紙触片の位置をセンサで検出することによってシート束の厚さを識別することが出来る。
【0035】
この他シート束厚さ識別手段としては例えば排紙センサSe3から集積トレイ上に搬出されるシートを検出し、この排紙センサからの信号を計数するカウンタを設け、画像形成装置Aからのジョブ終了信号で計数したシートの総枚数に平均的な紙厚さを乗ずることによってシート束の厚さを識別することが出来る。
【0036】
[シート束搬送手段]
上記集積トレイ38からの中紙シート束を下流側の塗布位置Pxに搬送するシート束搬送手段43は図2に示すように集積トレイ38に集積された中紙シート束を一対の固定クランパと可動クランパ(不図示)でグリップしてシート束の姿勢を水平方向から鉛直方向に姿勢偏向し、製本経路42に沿って下流側に移送する。その構成は図示しないが既に種々のグリップ搬送機構が知られているのでその説明を省く。
【0037】
[接着剤塗布手段]
上記製本経路42には集積トレイ38の下流側に塗布位置Pxが設けられ、接着剤塗布手段52が配置されている。この接着剤塗布手段52は、図2に示すようにシート束搬送手段43に支持された中紙シート束の背部に接着剤を塗布する塗布ローラ53を備えている。この塗布ローラ53は糊容器54に回転可能に取付けられ、塗布モータMrに連結されている。
【0038】
また糊容器54は図2表裏面方向に往復移動するようにガイドレール56に支持されている。この糊容器54には図示しないタイミングベルトが架け渡され、駆動モータMdによって所定ストロークで往復動するように構成されている。
【0039】
従って糊容器54は、後述するシート束搬送手段43で位置決めされた中紙シート束の下端縁に沿って所定ストロークで往復動し、塗布ロール53は塗布モータMrで回転しながらシート束の下端縁に接着剤を塗布することとなる。
【0040】
[表紙綴じ手段の構成]
上記製本経路42の表紙綴じ位置Pyには表紙綴じ手段58が配置されている。この表紙綴じ手段58は図2に示すように背当プレート59と背折プレート60と折ロール61で構成される。この表紙綴じ位置Pyには前述の表紙搬送経路34が配置され、画像形成装置A又はインサータ装置25から表紙シートを給送する。
【0041】
そこで背当プレート59は表紙シートをバックアップする板状部材で構成され、製本経路42に進退自在に配置されている。この背当プレート59に支持された表紙シートに中紙シート束が逆T字状に接合される。そこで上記背折プレート60は左右一対のプレス部材で構成され、逆T字状に接合された表紙シートの背部を背折り成形するため、図示しない駆動手段で互いに接近及び離反するように構成されている。また上記折ロール61は背折り成形されたシート束を挟圧して折り仕上げする一対のローラで構成されている。
【0042】
[シート束断裁ユニット]
上記表紙綴じ位置Pyの下流側には断裁位置Pzが設定され、断裁ユニットCが配置されている。この断裁ユニットCは束姿勢偏向手段62と断裁縁プレス手段67と断裁手段70とで構成されている。
[束姿勢偏向手段]
上記折ロール61の下流側には、シート束を断裁位置Pzに位置決めセットするシート束送り手段(シート束保持手段;以下同様)62が配置されている。図示のシート束送り手段62はシート束の天地方向を偏向する束姿勢偏向手段で構成されている。この束姿勢偏向手段(シート束送り手段:以下同様)62は表紙綴じ位置Pyから表装されたシート束を所定姿勢に偏向して下流側の断裁位置Pzに給送する。
【0043】
このため束姿勢偏向手段62は図3に示すように前記折ロール61から送られたシート束を把持して回転するグリップ回転部材62a、62bを備えている。図3に示すようにこのグリップ回転部材62a、62bは装置フレームに昇降自在に取り付けられたユニットフレーム62xに設けられている。このユニットフレーム62xに製本経路42を挟んでグリップ回転部材62a、62bがそれぞれ回転自在に軸受支持され、一方の可動グリップ回転部材62bはシート束厚さ方向(製本経路42に対して直交する方向)に移動自在に支持されている。
【0044】
そして各グリップ回転部材62a、62bには製本経路内でシート束を姿勢偏向するように旋回モータMt1、Mt2が設けられている。また可動側のグリップ回転部材62bには図2左右方向に移動するグリップモータMgが装備されている。
【0045】
従って製本経路42内に導かれたシート束は、左右グリップ回転部材62a、62bでグリップ把持され旋回モータMt1、Mt2によってシート束の姿勢方向を偏向する。例えば背部を下側に搬入されたシート束を180度旋回して小口部を下側に下流側の排紙ローラ72に送る。またシート束を順次90度ずつ回転して下流側の断裁位置Pzに天部・地部・小口部をそれぞれ下側に偏向させシート束の周縁3方向を断裁するトリミングカットが可能となる。
【0046】
なお、上記可動側のグリップ回転部材62bにはグリップセンサ(図示せず)が設けられ、左右のグリップ回転部材62a、62b間にシート束が確実にグリップされたのを検知し、この検知後グリップ回転部材62a、62bを旋回駆動するように構成されている。そして上記ユニットフレーム62xは昇降モータMaによってシート束を製本経路42に沿って上下昇降させることが出来るようになっている。これはシート束周縁をトリミングカット及び分割切断する際に、断裁位置Pzにシート束を搬送セットし、その送り量で断裁位置Pzにおける断裁幅(カット量)を設定するためである。
【0047】
[断裁ユニットの構成]
上記束姿勢偏向手段62の下流側には断裁ユニットCが配置されている。この断裁ユニットCは図3に示すようにシート束の断裁縁を刃受部材64に押圧支持する断裁縁プレス手段67と、断裁刃ユニット68で構成されている。この断裁縁プレス手段67は後述する刃受部材64にシート束の断裁縁を押圧して保持するプレス機構で構成され、シート束を押圧する加圧部材65と、この加圧部材65に加圧力を付与する付勢手段(不図示)で構成されている。
【0048】
上記付勢手段は図示しない駆動手段によってシート束と直交する方向に加圧部材(加圧手段)65を付勢するスプリングで構成されている。上記断裁刃ユニット68は平刃状の断裁刃70と、これを駆動するカッタモータ(駆動手段)Mcとから構成されている。このような構成の断裁ユニットCにより、冊子状に製本処理されたシート束の背部を除く周縁を所定量裁断して切り揃える。
【0049】
上記断裁刃70は図3に示すように平刃形状の刃先でシート幅より長い刃幅で構成され、刃受部材64から間隔dを隔てた待機位置と、刃受部材64に当接する切断位置との間で往復動自在に支持され、カッタモータ(駆動手段)Mcに連結されている。
【0050】
上記断裁位置Pzには、断裁刃70と対向する位置に刃受部材64が配置されている。この刃受部材64は、断裁刃70とシート(束)を挟んで対向配置され、装置フレーム(不図示)に固定され、軟質のゴム質材、樹脂材(図示のものはポリプロピレン樹脂)で構成されている。
【0051】
[背部傾き量検出手段]
上記断裁位置Pzには製本経路42をシート束送り手段(束姿勢偏向手段)62で送られるシート束の背部端面の傾き量を検出する背部傾き量検出手段66が設けられている。この背部傾き量検出手段66は、シート束の背部端面の傾き量を検出するために図3に示すように製本経路42の断裁位置Pzか、その上流側若しくは下流側に配置されたセンサで構成する。図示のものは、断裁位置Pzの上流側に配置された左右一対のホトセンサ66S1、66S2(図4参照)で構成されている。そして、その検出位置を所定速度で移動するシート束の下端縁を検出した検出信号と移動速度からシート束の端縁の傾き量を演算するように構成されている。
【0052】
つまり、背部傾き量検出手段66はシート束の端縁を距離を隔てた2点以上で検出し、その検出信号とシート端縁の移動量から傾き量を演算するように構成されている。従って上述のシート束送り手段(シート束保持手段)62で断裁位置Pzにシート束の背部端面を位置決めし、その位置決め後にシート束を所定速度で移動する。このときのホトセンサ66S1、66S2の検出信号に基づいてこの背部端面の傾き量を検出することが可能となる。
【0053】
このように構成された背部傾き量検出手段66の検出タイミングについては後述するが、一対のホトセンサ66S1、66S2によって(1)背部端面を断裁位置Pzに位置決めした後に、このシート束を製本経路42に沿って上方(上流側)又は下方(下流側)に移動すると断裁位置Pzに位置決めされたシート束の背部端面の傾き量を検出することが出来る。
【0054】
またこのホトセンサ66S1,66S2によって(2)断裁位置Pzにシート束の一辺(背部・天部・地部・小口部)を位置決めした後に、束姿勢偏向手段62を所定角度(90度、180度、360度)回転し、回転後の背部端面をホトセンサ66S1,66S2で検出すると回転角度誤差を検出することが出来る。
【0055】
[排紙構成]
上記断裁位置Pzの下流側には排紙ローラ(排紙手段)72と収納スタッカ74が配置されている。この収納スタッカ74は図2に示すようにシート束を立位姿勢で収納するようになっている。そしてこの収納スタッカ74は図1に示すようにケーシング29に引き出し状に配置され、装置フロント側(図1紙面手前側)に引き出し可能に構成されている。装置フロント側に引き出した状態で上面方向から使用者が視認できるようになっている。尚図示74Sfは満杯検出センサであり、収納スタッカ74に収納されるシート束の満杯状態を検出して、オペレータにその除去を警告する。
【0056】
[制御手段の構成]
上述の画像形成システムの制御構成について説明する。図8にその制御構成を示すが、図1に示す画像形成装置Aと製本装置Bとを連結したシステムでは、例えば画像形成装置Aに備えられた制御CPU75にコントロールパネル18と、モード設定手段76を設ける。そして製本装置Bの制御部には制御CPU78を設け、この制御CPU78は製本処理実行プログラムをROM79から呼び出して製本経路42における各処理を実行する。
【0057】
またこの制御CPU78には画像形成装置Aの制御CPU75から後処理モード指示信号、ジョブ終了信号、シートサイズ情報その他製本に要する情報及びコマンド信号を受信する。一方前記搬入経路31、製本経路42、表紙搬送経路34には搬送するシート(シート束)を検出するシートセンサSe1乃至Se5が図2にそれぞれ図示する位置に配置されている。
【0058】
そこで制御CPU75には各シートセンサSe1乃至Se5の検出信号が伝達され、制御CPU78は「集積部制御部78a」「接着剤塗布手段制御部78b」「表紙綴じ手段制御部78c」「断裁手段制御部78d」「スタック制御部78e」をそれぞれ備えている。
【0059】
[背部端面の傾き量検出]
本発明は上述の構成において背部傾き量検出手段66を次のように制御することを特徴としている。前述したように断裁位置Pzには、その上流側(若しくは下流側)にホトセンサ66S1、66S2が配置され、このセンサ66S1,66S2で背部傾き量検出手段66が構成されている。
【0060】
そこで、断裁位置Pzに位置決めされ束姿勢偏向手段62に保持されたシート束の背部端縁を検出して、その傾き量に基づいてシート束保持手段(以下「束姿勢偏向手段」という)62の角度姿勢を変更する。このため、制御手段78を次の第1実施形態又は第2実施形態又は第3実施形態で構成する。
【0061】
[第1実施形態]
制御手段78を、背部傾き量検出手段66でシート束の背部端面の傾き量を検出し、束姿勢偏向手段62の回転角度を、背部傾き量を基点に演算するか、若しくは背部傾き量に基づいて予め設定されている回転角度を補正するように構成する。その制御構成は、まず断裁位置Pzに、シート束の背部を位置決めし、束姿勢偏向手段62でグリップして保持する。次いでこの位置決めされたシート束をホトセンサ66S1、66S2位置に移動して背部端面の傾き量を検出する。そしてこの検出した傾き量を基点に束姿勢を偏向する。
【0062】
例えば背部端面の傾き量が角度θ1であるときには、この角度θ1からプラス90度シート束を回転すると天部が断裁位置Pzに臨み、マイナス90度回転すると地部が、プラス180度回転すると小口部が断裁位置Pzに臨むように制御する。
【0063】
制御手段78は前述のコントロールパネル18からオペレータが指定した小口部一方向断裁のときには角度θ1を基点に束姿勢偏向手段62を180度回転する。また三方向回転のときには角度θ1を基点に90度回転して天部を、次いでその回転位置から90度回転して小口部を、更にその回転位置から90度回転して地部を断裁する。
【0064】
このように傾き量θ1を基点に束姿勢偏向手段62の回転角度をせっていする他、断裁位置Pzに位置決めしたシート束を、予め所定角度(例えば90度)ずつ回転する構成(位置決め位置基点)のときには、その基点を傾き量θ1に応じて補正するように構成しても良い。
【0065】
上記傾き量を基点に束姿勢を偏向する場合について、図9に示すフローチャートに従って詳述する。制御CPU78は表紙綴じ位置Pyでシート束の綴じ動作が完了するとモード設定手段76で「断裁モード」が選択されているか否か判断する(St01)。断裁モードに設定されている場合にはシート束搬送手段43をシート束から解除して初期位置に復帰させる。このとき断裁刃70を切断ポジションCp(図5(a)の状態)に位置付けて落下するシート束を受け止める(St02)。
【0066】
この状態で可動グリップ回転部材62bを待機位置からシート把持位置に移動して、そしてグリップ回転部材62aとの間でシート束をニップ保持する(St03)。この状態を図5(a)に示すが、シート束は上流側の表紙綴じ位置Pyで綴じ合わされてその背部が断裁位置Pzに位置決めされる。次いで制御CPU78は断裁刃70を待機ポジションWpに復帰させた後、束姿勢偏向手段62をシート束の旋回位置に位置移動する。
【0067】
図示のものは背部傾き量検出手段66を断裁位置Pzの上流側に配置した関係でシート束を製本経路42に沿って後退移動させる(St04)。そして背部端面の傾き量を背部傾き量検出手段66で検出する(St05)。この状態を図5(b)に示すがシート束の背部が断裁位置Pzに傾いた状態で位置決めされた傾き量を検出する。この背部の傾きは背部端面が斜傾して綴じ合わされたとき、或いは断裁刃70に落下位置決めする際にリバウンドで傾いたときに生ずる。
【0068】
そこで制御手段(制御CPU)78は、ホトセンサ66S1、66S2からの検出信号と束姿勢偏向手段62の移動速度から背部の傾き角度を演算する(St05)。そして制御手段(制御CPU)78はこの背部の傾き角度を基点にシート束を90度旋回するか、予め断裁位置Pzを基点に設定されている回転角度を補正してシート束を旋回する。このシート束の旋回は旋回モータMt1、Mt2の回転量制御で行う。
【0069】
制御手段(制御CPU)78はグリップ回転部材62a、62bを90度旋回してシート束の天部が下端となるように偏向した後、シート束を断裁位置Pzに移動する(St06)。この断裁位置Pzへの移動は断裁量演算手段71で演算した断裁量(カット量)に応じてシート束を断裁位置Pzに位置決めする。この状態は図6(a)(同図は小口部断裁状態を示している)と同様な状態となる。この位置決めと同時に制御手段78は断裁縁プレス手段67の加圧部材65でシート束を押圧保持し、断裁刃70で所定量断裁する(St07,St08;図6(b)参照)。
【0070】
シート束の天部断裁が終了した後、制御CPU78は加圧部材65と断裁刃70を待機ポジションWpに退避させる(St09)。そして、シート束を180度旋回し、地部が下端となるように姿勢偏向する(St10)。次いでシート束の地部を断裁位置Pzに移送する(St11)。このとき天部と同様に断裁量演算手段71で演算した断裁量に応じた位置にセットする。そして加圧部材65でシート束を押圧保持し、断裁刃70で所定量断裁する(St12,St13)。
【0071】
次いで制御CPU78は先と同様に加圧部材65と断裁刃70を待機ポジションWpに退避させる(St14)。そしてシート束を90度旋回して小口部が下端となるように姿勢偏向し、(St15)このシートを断裁位置Pzに移送する(St16)。そして加圧部材65でシート束を押圧保持し、断裁刃70で所定量断裁する(St17,St18)。このよう制御CPU78はシート束の3方向の断裁を終了する。
【0072】
この小口部を断裁した状態を図6(b)に示す。なお、シート束の小口部一方向を断裁するときには、上述のステップSt06からステップSt14までの動作を省略し、ステップSt05からステップSt15にジャンプする。
【0073】
シート束の断裁が終了すると制御手段78は、断裁縁プレス手段67の加圧を解除し、断裁刃70を待機ポジションWpに復帰させる。そして排紙ローラ72を回転駆動してシート束を収納スタッカ74に搬出する(St19、St20)。この状態を図7(b)に示す。一方上記ステップSt01で断裁モードが選択されないとき制御手段78は排紙動作に移行する(St19)。
【0074】
このような過程で、本発明はシート束を天部、地部、小口部の順に断裁処理する際に、背綴端面の傾き角度を背部傾き量検出手段66で検出し、その傾き角度を基点に天部、地部、小口部の回転角度を設定するか、予め設定されている回転角度を背部端面の傾き角度で補正することを特徴としている。
【0075】
上記断裁量演算手段71は、画像形成装置Aから送られたサイズ情報と束厚さ情報から断裁量を算出する。この断裁量はシートの寸法長さと中紙シートの束厚さとから周縁の断裁量を演算するように構成され、三方向断裁の場合は天部断裁量と、地部断裁量と、小口部断裁量がそれぞれ設定される。
【0076】
[第2実施形態]
第2実施形態は、図10に示すようにシート束を断裁位置Pzでその一方向又は三方向を断裁処理した後に、シート束の背部を背部傾き量検出手段66で検出する。これによって断裁した辺(例えば小口部)を基準に背部端面の傾き量が角度誤差量として判別できる。
【0077】
この誤差角度は例えば束姿勢変更手段62のグリップ回転部材62a、62bの位置ズレ、或いは旋回モータMt1、Mt2とその伝動機構の位置ズレ、ガタつきによって発生する。そこで第2の実施形態は制御手段78を次のように構成する。尚第1実施形態と同一のステップについては同一ステップ番号を付して説明を省略する。
【0078】
制御手段78は第1実施形態と同様にステップSt01〜ステップSt04を実行する。そしてステップSt05(背部の傾き量検出)を実行することなく、ステップSt06でシート束の角度を天部が断裁位置Pzに臨むように90度回転し、天部を断裁処理する(St07、08)。次いで断裁刃70を待機ポジションWpに復帰させ(St09)た後、シート束を180度回転し、地部を断裁する。その後小口部を断裁する。そして三方向すべての断裁が終了した段階(St21)でシート束を背部が断裁位置Pzに位置するように180度回転する(St22)。
【0079】
そこで制御手段78は、シート束の背部を断裁位置Pzに向けて移送する(St23)。このとき背部傾き量検出手段66で背部の傾き角度を検出する。この角度は前述と同様にホトセンサ66S1、66S2の検知信号とシート束移動速度で演算する(St24)。この傾き角度をグリップ回転部材62a、62bの角度誤差量として判別する。そして制御手段78はこの角度誤差量に基づいてグリップ回転部材62a、62bの角度位置を修正する。
【0080】
例えばこの角度誤差量が+1度のときにはグリップ回転部材62a、62bを、−1度回転姿勢を修正する。この角度修正は旋回モータMt1、Mt2の回転制御で行う(St25)。
【0081】
そして制御手段78は断裁量演算手段71で再度断裁量を演算し(St26、St27)、その断裁量に応じて先と同様にシート束の一方向又は三方向を断裁処理する(St28〜St32)。これによってたとえ束姿勢変更手段62に角度誤差が生じていても、最終的な断裁仕上げでは正確な製本仕上げが可能となる。
【0082】
[第3実施形態]
第3実施形態は、図11に示すようにシート束を断裁位置Pzでその一方向又は三方向を断裁処理した後に、シート束の背部を背部傾き量検出手段66で検出する。これによって断裁した辺(例えば小口部)を基準に背部端面の傾き量が角度誤差量として判別できる。この角度誤差量を記憶手段(不図示)に記憶する。そして後続シートの断裁の際に、この角度誤差量をよびだして束姿勢変更手段62の角度位置を修正する。そこで第3実施形態は制御手段78を次のように構成する。尚第1実施形態と同一のステップについては同一ステップ番号を付して説明を省略する。
【0083】
第2実施形態と同様にシート束の一方向又は三方向を断裁処理する(St01〜St21)。そしてシート束を背部が断裁位置Pzに位置するように180度回転する(St22)。そこで制御手段78は、シート束の背部を断裁位置Pzに向けて移送する(St23)。このとき背部傾き量検出手段66で背部の傾き角度を検出する。この角度は前述と同様にホトセンサ66S1、66S2の検知信号とシート束移動速度で演算する(St24)。この傾き角度をグリップ回転部材62a、62bの角度誤差量として判別する。
【0084】
そして制御手段78はこの角度誤差量を記憶手段に記憶する(St32)。記憶後シート束は排紙ローラ72を駆動して収納スタッカ74に収納される(St19、20)。次に後続するシート束を断裁位置Pzに移送し位置決めする。このとき制御手段78は束姿勢変更手段62の角度位置を修正する(St33)。この角度位置の修正は記憶手段(不図示)から先行シートの断裁の際に記憶した角度誤差量をメモリーから呼び出してその誤差量に基づいてグリップ回転部材62a、62bの角度位置を修正する。そして先と同様にシート束の一方向又は三方向を断裁する。
【符号の説明】
【0085】
A 画像形成装置
B 製本装置
C シート断裁装置(断裁ユニット)
Px 塗布位置
Py 表紙綴じ位置
Pz 断裁位置
Mt1 旋回モータ
Mt2 旋回モータ
Mc カッタモータ(駆動手段)
18 コントロールパネル
30 搬入口
31 搬入径路
32 中紙搬送経路
34 表紙搬送経路
38 集積トレイ
42 製本径路
43 シート束搬送手段
52 接着剤塗布手段
53 塗布ローラ
54 糊容器
58 表紙綴じ手段
62 束姿勢偏向手段(シート束保持手段)(シート束送り手段)
62a グリップ回転部材
62b 可動グリップ回転部材
65 加圧部材
66 背部傾き量検出手段
66S1 ホトセンサ
66S2 ホトセンサ
67 断裁縁プレス手段
68 断裁刃ユニット
70 断裁刃
72 排紙ローラ(排紙手段)
74 収納スタッカ
75 制御CPU(画像形成装置)
76 モード設定手段
78 制御CPU(製本装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
綴じ合わされた背部を除くシート束の天部・地部・小口部の少なくとも一方向を断裁する装置であって、
シート束を所定の断裁位置に保持するシート束保持手段と、
前記断裁位置に配置された断裁手段と、
前記シート束保持手段と断裁手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記シート束保持手段は、前記断裁手段の切断線に対するシート束の角度姿勢を変更可能に構成され、
前記制御手段には、前記断裁手段の切断線を基準に前記シート束保持手段に保持されたシート束の背部端面の傾き量を検出する背部傾き量検出手段が設けられ、
この背部傾き量検出手段で検出した傾き量に基づいて前記シート束保持手段の角度姿勢を変更するように構成されていることを特徴とするシート束断裁装置。
【請求項2】
前記シート束保持手段は、前記断裁位置におけるシート束の角度姿勢を偏向する束姿勢偏向手段で構成され、
この束姿勢偏向手段は前記断裁位置の上流側から下流側にシート束を移送すると共に、
前記背部傾き量検出手段は、前記断裁位置か、その上流側若しくは下流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシート束断裁装置。
【請求項3】
前記制御手段は、シート束の天部・地部・小口部の指定された断裁辺を前記断裁位置に位置決めする際に、前記背部傾き量検出手段で検出した背部傾き量を基準に前記束姿勢偏向手段の回転角度を設定することを特徴とする請求項2に記載のシート束断裁装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記束姿勢偏向手段の回転角度を、
背部傾き量を基点に演算するか、若しくは背部傾き量に基づいて予め設定されている回転角度を補正するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のシート束断裁装置。
【請求項5】
前記制御手段には、
シート束の指定された断裁辺を断裁した後に、この断裁端面の前記背部端面を基準とする傾き量を判別する角度誤差判別手段が設けられ、
前記制御手段は、前記背部端面を基準とする断裁端面の角度誤差量に基づいてシート束の指定された断裁辺を再度断裁するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のシート束断裁装置。
【請求項6】
前記制御手段には、
シート束の指定された断裁辺を断裁した後に、この断裁端面の前記背部端面を基準とする傾き量を判別する角度誤差判別手段と、
この角度誤差判別手段で判別した角度誤差量を記憶する記憶手段と、
が設けられ、
前記制御手段は、
後続するシート束の断裁時に、前記記憶手段に記憶された角度誤差量に基づいて前記束姿勢偏向手段の回転角度を補正するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のシート束断裁装置。
【請求項7】
前記角度誤差判別手段は、シート束の指定された断裁辺を断裁した後に、この断裁端面を起点に前記束姿勢偏向手段を所定角度回転させてシート束の背部端面を前記背部傾き量検出手段で検出した背部傾き量から角度誤差量を求めるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載のシート束断裁装置。
【請求項8】
順次給送されるシートを束状に集積する集積トレイ手段と、
前記集積トレイ手段で部揃え集積されたシート束の背部を綴じ合わせる綴じ手段と、
前記綴じ手段で綴じ合わされた背部を除くシート束の天部・地部・小口部の少なくとも一方向を断裁するシート束断裁装置と、
から構成され、
前記シート束断裁装置は請求項1乃至7のいずれか1項に記載の構成を有していることを特徴とする製本装置。
【請求項9】
前記綴じ手段は、ステップラーユニットで構成されていることを特徴とする請求項8に記載の製本装置。
【請求項10】
前記綴じ手段は、
シート束の背部端面に接着剤を塗布する接着剤塗布ユニットと、
この接着剤塗布ユニットで接着剤を塗布したシート束を表紙シートと綴じ合わせる表紙綴じユニットと、
で構成されていることを特徴とする請求項8に記載の製本装置。
【請求項11】
順次シート多情に画像形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置からのシートを部揃え集積して製本仕上げする製本装置と、
から構成され、
前記製本装置は、請求項8乃至10のいずれか1項に記載の構成を備えていることを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−136396(P2011−136396A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297986(P2009−297986)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000231589)ニスカ株式会社 (568)
【Fターム(参考)】