説明

シート積載装置、シート搬送装置、画像読取装置、及び画像形成装置

【課題】簡単な構造で、トレイ上に積載された複数のシートの端部を整合できるシート積載装置、シート搬送装置、画像読取装置、及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】欠歯ギア90が正転した場合、ラックギア61を介して叩きガイド35が左側方に移動する。叩きガイド35はサイドガイド21をシート6側に付勢し、サイドガイド21はシート6側に移動する。欠歯ギア90が逆転した場合、ラックギア61を介して叩きガイド35が右側方に移動する。バネ部材71は幅方向に引っ張られる。欠歯ギア90がラックギア61から離脱した途端、叩きガイド35はバネ部材71に引っ張られ、サイドガイド21に衝突する。サイドガイド21に振動が付与される。シート6の右端部がサイドガイド21によって押されて整合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート積載装置、シート搬送装置、画像読取装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数枚のシートを1枚ずつ繰り出して、読取位置に自動的に供給するADF(Auto Document Feeder)と称されるシート搬送装置を備えた画像読取装置が知られている。特許文献1が開示するシート供給装置は、積載シートがシートセット台にセットされた後、ホームポジションから自動的に移動してシートの端部を押して積載シートを整合するシート整合手段を備えている。シート整合手段は、例えば、原稿テーブルにセットされた一対のサイドガイドとエンドガイドである。一対のサイドガイドとエンドガイドは、原稿を幅方向の両端部、及び搬送方向の上流側の端部をそれぞれの方向から押して整合する。
【0003】
サイドガイドは、駆動モータからタイミングベルトを介して、ピニオンに駆動力を与えられることにより、原稿テーブル上を移動可能である。エンドガイドは駆動モータによって原稿テーブル上を移動可能である。サイドガイドとエンドガイドとが原稿に近づくと、ファンモータが起動し、原稿の束にその搬送方向の先端側から空気が吹き込まれる。さらに駆動モータの制御により、サイドガイド及びエンドガイドが小刻みに往復しながら原稿に向かって移動する。サイドガイドとエンドガイドとが原稿の端部をそれぞれの方向から押して原稿を整合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−68486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1が開示する技術は、各サイドガイドを移動させるために複数の駆動モータや、空気を吹き込む為のファンモータ等が必要となるので構成が複雑であった。
【0006】
本発明の目的は、簡単な構造で、トレイ上に積載された複数のシートの端部を整合できるシート積載装置、シート搬送装置、画像読取装置、及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係るシート積載装置は、シートが積載されるシート積載装置であって、前記シートが積載されるトレイと、前記トレイ上において、前記シートの端部に対して接離する接離方向に移動可能に設けられ、前記トレイ上に積載された前記シートの端部に当接する端部ガイドと、前記端部ガイドの前記シートの端部側とは反対側において前記接離方向に移動可能に設けられた補助ガイドと、ギア部と欠歯部とを周方向に有する欠歯ギアであって、駆動源により回転され、前記ギア部が、前記補助ガイドを前記接離方向に移動させる入力ギアに対して噛合可能な欠歯ギアと、前記補助ガイドを前記接離方向において前記端部ガイド側へ引っ張るバネ部材と、を備えることを特徴とする。
【0008】
第1態様に係るシート積載装置では、欠歯ギアが回転すると、ギア部が、入力ギアに対して噛合し、離脱する。入力ギアは、補助ガイドを接離方向に移動させるものである。ギア部が回転され、バネ部材が引き伸ばされる場合、ギア部が入力ギアから離脱した際に、バネ部材の引っ張り力により、補助ガイドが端部ガイドに衝突することにより、端部ガイドに振動を付与することができる。このように単一の駆動源で1つの欠歯ギアを回転させるという簡単な構造によって、端部ガイドに振動を付与して、トレイ上に積載された複数のシートの端部を整合できる。
【0009】
また、第1態様において、前記入力ギアは、前記接離方向に延設され且つ前記補助ガイドに連結されたラックギアであって、前記ラックギアは、前記欠歯ギアが回転することにより、前記接離方向に移動し、前記補助ガイドを前記接離方向に移動させてもよい。これにより補助ガイドを接離方向に確実に移動させることができる。
【0010】
また、第1態様において、前記欠歯ギアが正転することにより、前記ギア部が噛合する前記入力ギアが前記接離方向の前記端部側に移動し、前記欠歯ギアが逆転することにより、前記ギア部が噛合する前記入力ギアが前記接離方向の前記端部側とは反対側に移動するようにしてもよい。欠歯ギアが正転する場合、ギア部が噛合しているときは入力ギアが接離方向の端部側に移動する。このとき補助ガイドが端部ガイドをシートの端部側に当接して移動させるので、端部ガイドをシートの端部側に寄せることができる。欠歯ギアが逆転する場合、ギア部が噛合しているときは入力ギアが接離方向の端部側とは反対側に移動する。このときバネ部材が引っ張られる。そしてギア部が離脱した時は、補助ガイドがバネ部材によって端部ガイド側に引っ張られ、端部ガイドに衝突する。それ故、端部ガイドに振動を付与することができる。
【0011】
また、本発明の第2態様に係るシート搬送装置は、請求項1から3の何れかに記載のシート積載装置と、前記シート積載装置に積載されたシートを搬送する搬送部と、を備える。
【0012】
第2態様に係るシート搬送装置では、搬送部を備えているので、シート積載装置に積載され、整合されたシートを搬送できる。従って、搬送されるシートの斜行を抑制できる。
【0013】
また、第2態様において、前記端部ガイドは、前記シートの搬送方向に直交する幅方向の一端部に当接する第1端部ガイドと、前記シートの前記幅方向の前記一端部とは反対側の他端部に当接する第2端部ガイドと、を備え、前記補助ガイドは、前記第1端部ガイドの前記シートの前記一端部側とは反対側において前記接離方向に移動可能に設けられた第1補助ガイドと、前記第2端部ガイドの前記シートの前記他端部側とは反対側において前記接離方向に移動可能に設けられた第2補助ガイドと、を備え、前記欠歯ギアの前記ギア部は、前記第1補助ガイドを前記一端部側に接離する方向に移動させる入力ギアに対して噛合可能な第1ギア部と、前記第2補助ガイドを前記他端部側に接離する方向に移動させる入力ギアに対して噛合可能な第2ギア部とを備え、前記バネ部材は、前記第1補助ガイドを前記接離方向において前記第1端部ガイド側へ引っ張る第1バネ部材と、前記第2補助ガイドを前記接離方向において前記第2端部ガイド側へ引っ張る第2バネ部材と、を備えていてもよい。第1端部ガイドと第2端部ガイドは、トレイ上に積載されたシートの幅方向の一端部と他端部とに当接する。第1補助ガイドは、第1端部ガイドに振動を付与する。第2補助ガイドは、第2端部ガイドに振動を付与する。それ故、第2態様はトレイ上に積載されたシートを幅方向において整合できる。
【0014】
また、第2態様において、前記端部ガイドは、前記シートの搬送方向の下流側の一端部に当接する第3端部ガイドを備え、前記補助ガイドは、前記第3端部ガイドの前記シートの前記下流側の一端部側とは反対側において前記搬送方向に移動可能に設けられた第3補助ガイドを備え、前記欠歯ギアの前記ギア部は、前記第3補助ガイドを前記下流側の一端部側に接離する方向に移動させる入力ギアに対して噛合可能な第3ギア部を備え、前記バネ部材は、前記第3補助ガイドを前記搬送方向において前記第3端部ガイド側へ引っ張る第3バネ部材を備えていてもよい。第3端部ガイドは、トレイ上に積載されたシートの搬送方向の下流側の一端部に当接する。第3補助ガイドは、第3端部ガイドに振動を付与する。それ故、第2態様はトレイ上に積載されたシートの下流側一端部を揃えることができる。
【0015】
また、第2態様において、前記トレイの前記シートが積載される上面は、前記シートの搬送方向に直交する幅方向から見た場合に、平面に対して下方に湾曲していてもよい。故に、トレイに積載されたシートを湾曲させることができるので、シートの幅方向における剛性を高めることができる。故に、シートの一端部と他端部に、第1端部ガイドと第2端部ガイドが接触しても、シートの一端部と他端部とが折れ曲がったりすることがない。
【0016】
本発明の第3態様に係るシート積載装置は、シートが積載されるシート積載装置であって、前記シートが積載されるトレイと、前記トレイ上において、前記シートの端部に対して接離する接離方向に移動可能に設けられ、前記トレイ上に積載された前記シートの端部に当接する端部ガイドと、ギア部と欠歯部とを周方向に有する欠歯ギアであって、駆動源により回転され、前記ギア部が、前記端部ガイドを前記接離方向に移動させる入力ギアに対して噛合可能な欠歯ギアと、前記端部ガイドを前記接離方向において前記端部ガイド側へ引っ張るバネ部材と、を備え、前記ギア部が前記入力ギアから離脱した際に、前記バネ部材の引っ張り力により、前記端部ガイドを前記端部側へ移動させることを特徴とする。
【0017】
第3態様に係るシート積載装置では、欠歯ギアが回転すると、ギア部が、入力ギアに対して噛合し、離脱する。入力ギアは、端部ガイドを接離方向に移動させるものである。ギア部が入力ギアから離脱した際に、バネ部材の引っ張り力により、端部ガイドをシートの端部側へ移動させることができる。それ故、簡単な構造で、トレイ上に積載された複数のシートの端部を整合できる。
【0018】
本発明の第4態様に係る画像読取装置は、請求項4から7の何れかに記載のシート搬送装置と、前記シート搬送装置によって搬送される前記シートの画像を読み取る読取部と、を備えている。
【0019】
第4態様に係る画像読取装置は、第2態様のシート搬送装置を備えているので、トレイにおいて端部が揃った状態のシートを読取部に搬送できる。それ故、読取部は、シートの画像をズレることなく読み取ることができる。
【0020】
本発明の第5態様に係る画像形成装置は、請求項9に記載の画像読取装置と、前記読取部によって読み取られた画像に基づいて記録媒体に画像形成を行う画像形成部と、を備えている。
【0021】
第5態様に係る画像形成装置では、画像形成部が、第4態様の画像読取装置で読み取られた画像に基づいて記録媒体に画像形成を行う。故に、記録媒体に良好な画像を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る複合機1の斜視図である。
【図2】上記複合機1の前後方向に沿った断面図である。
【図3】上記複合機1が備えるシート積載装置11の平面図である。
【図4】上記シート積載装置11において欠歯ギア90が正転したときを説明するための説明図である。
【図5】上記シート積載装置11において欠歯ギア90が図4の状態から逆転したときを説明するための説明図である。
【図6】上記シート積載装置11において欠歯ギア90が図6の状態からさらに逆転したときを説明するための説明図である。
【図7】本発明の一変形例に係るシート積載装置110の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態である複合機1について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本開示が採用し得る技術的特徴を説明する為に用いるものであり、記載している装置の構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0024】
以下説明において、図1の右斜め上方、左斜め下方、左斜め上方、右斜め下方を、複合機1の前方、後方、右方、左方とする。また図1中A方向に示す後方から前方へ向けてシートが搬送される方向を搬送方向とする。また、図1中B方向に示すシートの面上であって、且つシートの搬送方向に直交する方向を幅方向とする。また、図1中C方向に示すシートの面に直交する方向を高さ方向とする。また搬送方向の後方を上流側、搬送方向の前方を下流側とする。図2、図3中のA〜C方向は、図1中のA〜C方向に対応している。図3中のD方向への回転を正転、E方向への回転を逆転とする。
【0025】
先ず、複合機1の構成について説明する。図1に示すように、複合機1は、電話機能、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能等を備えた多機能周辺装置である。複合機1は、本体部2の上部にシートの画像を読み取る為の画像読取装置3を備えている。画像読取装置3は、本体部2内に設けられ、シートの一面に形成された画像を読み取る読取部8(図2参照)と、読取部8にシートを給紙する自動原稿給紙装置10(以下、ADF10という)とを備えている。複合機1が本発明の画像形成装置の一例である。本実施形態における画像読取装置3が本発明の画像読取装置の一例である。本実施形態におけるADF10が本発明のシート搬送装置の一例である。
【0026】
複合機1は、給紙トレイ12と、排紙トレイ14と、延長ガイド14Aと、を備える。図1に示すように、給紙トレイ12は、本体部2の上部後ろ側に設けられている。給紙トレイ12は、前方から後方にかけて斜め上方に傾斜している。給紙トレイ12は、上部にシートが積載されるシート積載面12Aを有する。シート積載面12Aは、搬送方向において上方から緩やかに湾曲しつつ下流側に向かって延出されている。排紙トレイ14は、本体部2の前方に設けられる。排紙トレイ14は、後方から前方にかけて斜め上方に傾斜している。排紙トレイ14は、読取部8により読み取られたシートが排紙され、積載される為の板状のトレイである。延長ガイド14Aは、排紙トレイ14の上端部の幅方向中央部の上方に延設されている。
【0027】
複合機1は、操作パネル5と、受話器7と、を備える。操作パネル5は、本体部2の上部において給紙トレイ12と排紙トレイ14との間に挟まれた位置に保守作業上、着脱可能に設けられる。操作パネル5は、複合機1を操作する為の略長方形状のパネルである。受話器7は、操作パネル5の左隣に設けられている。例えば、利用者が操作パネル5のスタートボタン53を押すと、画像読取装置3のADF10は、給紙トレイ12からシートを1枚ずつ繰り出して読取部8に搬送する。読取部8に読み取られたシートの画像は、本体部2内の非図示のメモリに記憶される。読取部8において画像を読み取られたシートは、排紙トレイ14に排出される。
【0028】
複合機1は、図2に示すように、本体部2の内部にプリンタ部4を備えている。プリンタ部4は、記録媒体である用紙に現像剤像を転写して画像を形成する。本体部2は用紙排出部19を備えている。用紙排出部19は、本体部2の上部における排紙トレイ14の下方に設けられている。用紙排出部19はプリンタ部4にて画像形成が終了した用紙を受け取る。
【0029】
プリンタ部4は、画像形成部120と、フィーダ部130と、搬送ユニット140とを備えている。画像形成部120は、複合機1の非図示のメモリに記憶された画像に基づいて、画像を用紙に形成する。フィーダ部130は画像形成部120に用紙を供給する。搬送ユニット140は画像形成部120にて画像形成が終了した用紙を反転させて用紙排出部19まで搬送する。
【0030】
図4に示すように、フィーダ部130は、給紙トレイ34と、給紙ローラ43と、分離ローラ44と、分離パッド44Aと、一対の搬送ローラ38と、一対のレジストローラ39とを備えている。給紙トレイ34は本体部2の最下部に着脱可能に装着されている。給紙ローラ43は給紙トレイ34の前端部上方に設けられ、画像形成部120に用紙を搬送する。分離ローラ44及び分離パッド44Aは給紙ローラ43にて搬送される用紙を1枚毎に分離する。
【0031】
一対の搬送ローラ38は分離ローラ44より用紙の搬送方向の下流側に設けられている。一対の搬送ローラ38は給紙ローラ43により搬送される用紙を画像形成部120に向けて搬送する。一対のレジストローラ39は画像形成部120の入口側に設けられている。一対のレジストローラ39は搬送される用紙に所定の搬送抵抗を付与して用紙の搬送状態を整える。
【0032】
画像形成部120は、露光装置121と、現像装置122と、定着器123とを備えている。露光装置121は本体部2内の最上部に設けられている。画像形成部120は非図示のレーザ光源と、ポリゴンミラーと、fθレンズと、反射鏡とを備えている。画像形成部120は後述する感光ドラム24の表面に静電潜像を形成する。
【0033】
現像装置122は露光装置121の下方側において本体部2内に着脱可能に収納されている。現像装置122は、感光ドラム24、帯電器25、及び現像剤収容部26を備えている。感光ドラム24は用紙に転写される現像剤像を担持する。帯電器25は感光ドラム24の表面を帯電させる。現像剤収容部26は現像剤を収容する。供給ローラ27及び現像ローラ29は、現像剤収容部26と感光ドラム24との間に設けられている。供給ローラ27及び現像ローラ29は、現像剤収容部26から搬出された現像剤を感光ドラム24に供給する。
【0034】
現像剤収容部26から搬出された現像剤は、供給ローラ27の回転によって現像ローラ29側に供給される。現像ローラ29側に供給された現像剤は、現像ローラ29の表面に担持された後、露光装置121にて露光された感光ドラム24の表面に供給される。転写ローラ28は搬送されている用紙を挟んで感光ドラム24と対向する位置に設けられている。転写ローラ28は感光ドラム24に帯電した電荷と反対の電荷を帯びている。転写ローラ28は感光ドラム24と同期して回転する。感光ドラム24の表面に生成された現像剤像が用紙の印刷面に転写される。
【0035】
定着器123は、加熱ローラ67と、加圧ローラ68と、ケーシング69とを備えている。加熱ローラ67は用紙の印刷面側に配設されて現像剤像を加熱する。加圧ローラ68は用紙を挟んで加熱ローラ67と反対側に設けられて用紙を加熱ローラ67側に押圧する。ケーシング69は加熱ローラ67及び加圧ローラ68を収納する。
【0036】
搬送ユニット140は定着器123に対して用紙の搬送方向の下流側に設けられている。搬送ユニット140は定着器123から排出口9側に至る略U字状の搬送経路を構成する。搬送ユニット140は、一対の搬送ローラ45、46と、転向ガイド47と、一対の排出ローラ48、49とを備えている。
【0037】
搬送ローラ45、46は定着器123から排出された用紙に接触して回転することにより用紙を送り出す。転向ガイド47は搬送ローラ45、46より搬送方向下流側に設けられている。転向ガイド47は略U字状に湾曲した搬送経路の折り返し部に設けられている。転向ガイド47は搬送ローラ45、46から排出された用紙の搬送方向を上方側に略180度転向させる。排出ローラ48、49は搬送経路の排出口9側に設けられている。排出ローラ48、49は用紙を用紙排出部19に排出する。
【0038】
次に、ADF10の構成について説明する。ADF10は、図2に示すように、シート積載装置11と、分離部30と、搬送部40と、排出部50とを備えている。シート積載装置11は、給紙トレイ12に積載された複数のシートの幅方向の両端部と、搬送方向の下流側の一端部とを叩いて整合する。分離部30は、シート積載装置11のシートの搬送方向の下流側に設けられる。分離部30は、給紙トレイ12に積載されたシートを1枚ずつ分離して繰り出す。搬送部40は、分離部30の下流側に設けられる。搬送部40は、分離部30により分離されたシートを読取部8に向けて搬送する。排出部50は、読取部8の搬送方向の下流側に設けられる。排出部50は、読取部8によって画像が読み取られたシート6を排紙トレイ14に向けて排出する。本実施形態におけるシート積載装置11が本発明の「シート積載装置」の一例である。
【0039】
分離部30は、分離パッド32と、分離ローラ31と、を備える。分離パッド32は、給紙トレイ12に積載された複数枚のシートから最上部のシートの上面に接触してシートに所定の搬送抵抗を付与する。分離ローラ31は、シートを分離パッド32に押し付けながら回転することにより、最下方に位置するシートから順に1枚ずつ分離して繰り出す。分離ローラ31は、分離ローラ31に駆動力を供給する非図示の駆動源により駆動される。搬送部40は、搬送ローラ41と、ピンチローラ42と、を備える。搬送ローラ41は、分離部30によって分離されたシートの上面に接触してシートに搬送力を付与する。ピンチローラ42は、シートを搬送ローラ41に下方から押し付ける。
【0040】
排出部50は、図2に示すように、排出ローラ51と、ピンチローラ52とを備えている。排出ローラ51は、読取部8によって読み取られたシートの上面に接触してシートを排紙トレイ14に向けて排出する。ピンチローラ52は、シートを排出ローラ51に対して下方から押し付ける。排出ローラ51は、非図示の駆動源により駆動される。
【0041】
次に、シート積載装置11の構成について説明する。図3に示すように、シート積載装置11は、給紙トレイ12と、右側整合機構15と、左側整合機構16と、下流側整合機構17と、モータ80と、欠歯ギア90と、を備えている。
【0042】
先ず、右側整合機構15の構成について説明する。図3に示すように、右側整合機構15は、給紙トレイ12に積載されたシート6の右端部を叩いて整合する。右側整合機構15は、サイドガイド21と、叩きガイド35と、ラックギア61と、バネ部材71とを備えている。
【0043】
サイドガイド21は、シート積載面12Aの右側領域に設けられている。サイドガイド21は、側面視略三角形状の板部材である。シート積載面12Aの右側には溝部(図示略)が設けられている。この右側の溝部は、給紙トレイ12の幅方向に平行である。サイドガイド21は、この溝部に沿って幅方向に移動可能である。サイドガイド21は、給紙トレイ12に積載された複数のシート6の右端部に当接して複数のシート6の位置を規制する。サイドガイド21は、バネ固定部56を備えている。バネ固定部56は、幅方向に延出し、左端から下流側に向けて延出している。バネ固定部56の右端は、サイドガイド21の左面に固定されている。バネ固定部56には、後述するバネ部材71の左側の一端部が固定されている。
【0044】
叩きガイド35は、シート積載面12Aに設けられている。叩きガイド35は、サイドガイド21のシート6の右端部に対向する側とは反対側に設けられている。叩きガイド35は、側面視略三角形状の板部材である。叩きガイド35の搬送方向における長さは、サイドガイド21の搬送方向における長さよりも短い(図4参照)。叩きガイド35も、右側の溝部に沿って幅方向に移動可能である。
【0045】
ラックギア61は、給紙トレイ12の幅方向に延設されている。ラックギア61は、幅方向に移動可能に設けられている。ラックギア61は略L字状に形成されている。ラックギア61は、固定部61Bと、ギア部61Aとを備えている。固定部61Bは、叩きガイド35に固定されている。ギア部61Aは、欠歯ギア90に噛合する。バネ部材71は、バネ固定部56と、叩きガイド35との間に固定されている。バネ部材71の一端部は、バネ固定部56の左方向の先端側に固定される。バネ部材71の他端部は、叩きガイド35の左面に固定されている。
【0046】
次に、左側整合機構16の構成について説明する。図3に示すように、左側整合機構16は、給紙トレイ12に積載されたシート6の左端部を叩いて整合する。左側整合機構16は、サイドガイド22と、叩きガイド36と、ラックギア62と、バネ部材72とを備えている。
【0047】
サイドガイド22は、シート積載面12Aの左側領域に設けられている。サイドガイド22は、側面視略三角形状の板部材である。シート積載面12Aの左側領域には溝部18(図1参照)が設けられている。左側領域の溝部18は、給紙トレイ12の幅方向に平行である。サイドガイド22は、溝部18に沿って幅方向に移動可能である。サイドガイド22は、給紙トレイ12に積載された複数のシート6の左端部に当接して位置を規制する。サイドガイド22は、バネ固定部57を備えている。バネ固定部57は、幅方向に延出し、右端から上流側に向けて延出している。バネ固定部57の左端は、サイドガイド22の右面に固定されている。バネ固定部57には、後述するバネ部材72の右側の一端部が固定されている。
【0048】
叩きガイド36は、シート積載面12Aに設けられている。叩きガイド36は、サイドガイド22のシート6の左端部に対向する側とは反対側に設けられている。叩きガイド36は、側面視略三角形状の板部材である。叩きガイド36の搬送方向における長さは、サイドガイド22の搬送方向における長さよりも短い。叩きガイド36は、左側の溝部18に沿って幅方向に移動可能である。
【0049】
ラックギア62は、給紙トレイ12の幅方向に延設されている。ラックギア62は、幅方向に移動可能に設けられている。ラックギア62は略L字状に形成されている。ラックギア62は、固定部62Bと、ギア部62Aとを備えている。固定部62Bは、叩きガイド36に固定されている。ギア部62Aは、欠歯ギア90に噛合する。バネ部材72は、バネ固定部57と、叩きガイド36との間に固定されている。バネ部材72の右側の一端部は、バネ固定部57の左面に固定される。バネ部材72の左側の他端部は、叩きガイド36の右面に固定されている。
【0050】
次に、下流側整合機構17の構成について説明する。図3に示すように、下流側整合機構17は、給紙トレイ12に積載されたシート6の下流側の一端部である先端部を叩いて整合する。下流側整合機構17は、エンドガイド23と、叩きガイド37と、ラックギア63と、バネ部材73とを備えている。
【0051】
エンドガイド23は、シート積載面12Aの下流側領域に設けられている。エンドガイド23は、長方形形状の板部材である。シート積載面12Aの下流側領域には溝部(図示略)が設けられている。下流側の溝部は、搬送方向に平行である。エンドガイド23は、下流側の溝部に沿って搬送方向に移動可能である。エンドガイド23は、給紙トレイ12に積載された複数のシート6の先端部に当接して複数のシート6の位置を規制する。エンドガイド23は、バネ固定部58を備えている。バネ固定部58は、搬送方向に延出し、上流側の一端部から左側方に向けて延出している。バネ固定部58の下流側の一端部は、エンドガイド23の上流側の面に固定されている。バネ固定部58には、後述するバネ部材73の上流側の一端部が固定されている。
【0052】
叩きガイド37は、シート積載面12Aに設けられている。叩きガイド37は、エンドガイド23のシート6の先端部に対向する側とは反対側に設けられている。叩きガイド37は、長方形状の板部材である。叩きガイド37の幅方向における長さは、エンドガイド23の幅方向における長さよりも短い。叩きガイド37は、シート積載面12Aの下流側領域に設けられた溝部に沿って搬送方向に移動可能である。
【0053】
ラックギア63は、搬送方向に延設されている。ラックギア63は、搬送方向に移動可能に設けられている。ラックギア63は略L字状に形成されている。ラックギア63は、固定部63Bと、ギア部63Aとを備えている。固定部63Bは、叩きガイド37に固定されている。ギア部63Aは、欠歯ギア90に噛合する。バネ部材73は、バネ固定部材58と、叩きガイド37との間に固定されている。バネ部材73の一端部は、バネ固定部材58の上流側の先端に固定される。バネ部材73の他端部は、叩きガイド37の上流側の面に固定されている。
【0054】
次に、欠歯ギア90の構造について説明する。図3に示すように、欠歯ギア90は、軸部91と、第1ギア部93と、第2ギア部94と、第3ギア部95とを備えている。軸部91は略円柱状である。軸部91の下部の外周には、ギア部91Aが設けられている。軸部91の上部の外周には、第1ギア部93と、第2ギア部94と、第3ギア部95とが設けられている。本実施形態における第1ギア部93と第2ギア部94との間、第2ギア部94と第3ギア部95との間、第3ギア部95と第1ギア部93との間が、本発明の「欠歯部」の一例である。
【0055】
第1ギア部93、第2ギア部94、及び第3ギア部95は、軸部91の回転により、ラックギア61のギア部61A、ギア部62A、及びギア部63Aに対して噛合し、離脱する。第1ギア部93と第2ギア部94とは、軸部91を挟んで互いに対向する位置にある。第3ギア部95は、軸部91から見て、第1ギア部93と第2ギア部94とに対して略直角の位置にある。図4に示すように、軸部91のギア部91Aには、モータ80の出力軸の先端に設けた駆動ギア82が噛合している。モータ80が駆動すると、駆動ギア82が回転し、欠歯ギア90の軸部91が正転又は逆転する。軸部91の回転に伴って、第1ギア部93、第2ギア部94、及び第3ギア部95が回転する。
【0056】
次に、シート積載装置11におけるシート6の整合動作について、図4〜図6を参照して説明する。シート積載装置11は、モータ80の駆動制御を行い、欠歯ギア90を正転、又は逆転させる。それ故、給紙トレイ12上に積載された複数のシート6の端部を叩いて揃える整合動作が行われる。さらに、本実施例は、図4〜図6において、欠歯ギア90の時計回りの回転を正転、反時計回りの回転を逆転として説明する。
【0057】
・欠歯ギア90が正転する場合
先ず、モータ80の出力軸が一方向に回転する。すると、図4に示すように、駆動ギア82に噛合する欠歯ギア90が正転する。右側整合機構15では、欠歯ギア90の第1ギア部93が、例えば図4に示すようにラックギア61のギア部61Aに噛合し、軸部91を中心に正転する。ラックギア61は左側方に移動するので、叩きガイド35も左側方に移動する。叩きガイド35はサイドガイド21をシート6側に付勢する。サイドガイド21は、シート6側に移動する。欠歯ギア90がさらに正転すると、ラックギア61のギア部61Aから、欠歯ギア90の第1ギア部93が離脱する。故に、サイドガイド21の移動が止まる。
【0058】
左側整合機構16では、欠歯ギア90の第2ギア部94が、例えば図4に示すようにラックギア62のギア部62Aに噛合し、軸部91を中心に正転する。ラックギア62は右側方に移動するので、叩きガイド36も右側方に移動する。叩きガイド36はサイドガイド22をシート6側に付勢する。サイドガイド22は、シート6側に移動する。欠歯ギア90がさらに正転すると、ギア部62Aから第2ギア部94が離脱する。サイドガイド22の移動が止まる。
【0059】
下流側整合機構17では、欠歯ギア90の第3ギア部95が、例えば図4に示すようにラックギア63のギア部63Aに噛合し、軸部91を中心に正転する。ラックギア63は搬送方向の上流側に移動するので、叩きガイド37も搬送方向の上流側に移動する。叩きガイド37はエンドガイド23をシート6側に付勢する。エンドガイド23は、シート6側に移動する。欠歯ギア90がさらに正転すると、ギア部63Aから第3ギア部95が離脱する。エンドガイド23の移動が止まる。
【0060】
このように、欠歯ギア90が正転を続けることによって、給紙トレイ12上に積載されたシート6は、右側、左側、搬送方向下流側の3方向から、サイドガイド21、22、及びエンドガイド23によって徐々に押される。故にシート6は、給紙トレイ12の中央に徐々に寄せられるので、各端部が互いに整合される。
【0061】
・欠歯ギア90が逆転する場合
次いで、モータ80が反対方向に回転する。すると、図5に示すように、駆動ギア82を介して欠歯ギア90が逆転する。右側整合機構15では、欠歯ギア90の第1ギア部93が、例えば図5に示すようにラックギア61のギア部61Aに噛合し、軸部91を中心に逆転する。ラックギア61は右側方に移動するので、叩きガイド35も右側方に移動する。サイドガイド21は現在の位置から動かないので、叩きガイド35とサイドガイド21との距離は徐々に離間する。バネ部材71は右方向に引っ張られる。
【0062】
左側整合機構16では、欠歯ギア90の第2ギア部94が、例えば図5に示すようにラックギア62のギア部62Aに噛合し、軸部91を中心に逆転する。ラックギア62は左側方に移動するので、叩きガイド36も左側方に移動する。サイドガイド22は現在の位置から動かないので、叩きガイド36とサイドガイド22との距離は徐々に離間する。バネ部材72は左方向に引っ張られる。
【0063】
下流側整合機構17では、欠歯ギア90の第3ギア部95が、例えば図5に示すようにラックギア63のギア部63Aに噛合し、軸部91を中心に逆転する。ラックギア63は搬送方向の下流側に移動するので、叩きガイド37も搬送方向の下流側に移動する。エンドガイド23は現在の位置から動かないので、叩きガイド37とエンドガイド23との距離は徐々に離間する。バネ部材73は下流側に引っ張られる。
【0064】
さらに、モータ80が逆転する。すると、図6に示すように、駆動ギア82を介して欠歯ギア90がさらに逆転する。すると、右側整合機構15では、欠歯ギア90の第1ギア部93が、ラックギア61のギア部61Aから離脱する。叩きガイド35は、バネ部材71によってサイドガイド21側に引っ張られている。それ故、ギア部61Aから第1ギア部93が離脱した途端、叩きガイド35はバネ部材71に引っ張られて、サイドガイド21に衝突する。この衝突によりサイドガイド21に振動が付与される。このサイドガイド21の振動により、サイドガイド21に当接したシート6が整合される。
【0065】
左側整合機構16では、欠歯ギア90の第2ギア部94が、ラックギア62のギア部62Aから離脱する。叩きガイド36は、バネ部材72によってサイドガイド22側に引っ張られている。それ故、ギア部62Aから第2ギア部94が離脱した途端、叩きガイド36は、バネ部材72に引っ張られて、サイドガイド22に衝突する。このときサイドガイド22に振動が付与され、シート6が整合される。
【0066】
下流側整合機構17では、欠歯ギア90の第3ギア部95が、ラックギア63のギア部63Aから離脱する。叩きガイド37は、バネ部材73によってエンドガイド23側に引っ張られている。それ故、ギア部63Aから第3ギア部95が離脱した途端、叩きガイド37は、バネ部材73によって引っ張られて、エンドガイド23に衝突する。このときエンドガイド23に振動が付与され、シート6が整合される。
【0067】
以上のようにして、給紙トレイ12上に積載された複数のシート6の右端部、左端部、及び先端部が整合される。さらに図1,図2に示すように、給紙トレイ12のシート積載面12Aは平面に対して湾曲している。よって、給紙トレイ12に積載されたシート6は、シート積載面12Aに沿って湾曲する。この湾曲により、シート6の幅方向の両端部の剛性を高めることができる。従って、シート6の右端部、左端部が、サイドガイド21,22に当接するときに、シート6が折れる可能性を抑制できる。このようにして、シート積載装置11による整合動作により、シート6の右端部、左端部、及び先端部が整合される。
【0068】
なお、上記説明において、本実施形態におけるモータ80が本発明の駆動源の一例である。本実施形態におけるサイドガイド21,22、エンドガイド23が本発明の端部ガイドの一例である。さらには、本実施形態におけるサイドガイド21が本発明の第1端部ガイドであり、サイドガイド22が本発明の第2端部ガイドであり、エンドガイド23が本発明の第3端部ガイドである。本実施形態における叩きガイド35〜37が本発明の補助ガイドの一例である。
【0069】
以上説明したように、本実施形態の複合機1は、シート積載装置11を備えている。例えば、モータ80の出力軸が一方向に回転した場合、駆動ギア82を介して欠歯ギア90は正転する。欠歯ギア90が正転すると、第1ギア部93、第2ギア部94、及び第3ギア部95は、ラックギア61,62,63のギア部61A,62A,63Aに噛合、及び離脱する。ラックギア61は左側方に移動するので、叩きガイド35も左側方に移動する。叩きガイド35はサイドガイド21をシート6側に付勢する。ラックギア62は右側方に移動するので、叩きガイド36も右側方に移動する。叩きガイド36はサイドガイド22をシート6側に付勢する。ラックギア63は搬送方向の上流側に移動するので、叩きガイド37も上流側に移動する。叩きガイド37はエンドガイド23をシート6側に付勢する。このようにしてシート6は給紙トレイ12の中央に徐々に寄せられるので、シート6の右端部、左端部、及び先端部が自動的に整合される。
【0070】
また、モータ80の出力軸が反対方向に回転した場合、駆動ギア82を介して欠歯ギア90は逆転する。右側整合機構15では、ラックギア61は右側方に移動するので、叩きガイド35も右側方に移動する。このときサイドガイド21は動かないので、叩きガイド35とサイドガイド21との距離は徐々に離間し、バネ部材71は幅方向に引っ張られる。欠歯ギア90がさらに逆転すると、欠歯ギア90の第1ギア部93が、ラックギア61のギア部61Aから離脱する。ギア部61Aから第1ギア部93が離脱した途端、叩きガイド35はバネ部材71に引っ張られて、サイドガイド21に衝突する。このときサイドガイド21に振動が付与される。他のシートよりも右側方にはみ出たシート6は幅方向の中央に移動する。これによりシート6の右端部が自動的に整合される。左側整合機構16、及び下流側整流機構17においても、右側整合機構15と同様の動作が行われ、シート6の左端部、及び先端部が自動的に整合される。本実施形態は、欠歯ギア90を用いることで、駆動源を複数持つ必要がない。それ故、本実施形態は、簡単な構造で、給紙トレイ12に積載されたシート6の端部を自動的に整合できる。
【0071】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態のシート積載装置11は、右側整合機構15と、左側整合機構16と、下流側整合機構17とを備えているが、その中の1つの機構だけでもよく、又は2つの機構を組み合わせて備えるようにしてもよい。
【0072】
また上記実施形態では、サイドガイドと、叩きガイドとを別体にして設けているが、一体にして設けてもよい。そこで、サイドガイドと、叩きガイドとを一体にしたシート積載装置110について説明する。
【0073】
図7に示すように、シート積載装置110は、右側整合機構115と、左側整合機構116と、下流側整合機構117とを備えている。右側整合機構115は、サイドガイド210と、上記実施形態と同一のラックギア61と、バネ部材71とを備えている。ラックギア61の固定部61Bは、サイドガイド210の右面に固定されている。バネ部材71の一端部は、バネ固定部材77に固定されている。バネ固定部材77は、給紙トレイ12の内側に固定されている。バネ固定部材77は、サイドガイド210よりも幅方向の中央側に位置している。バネ部材71の他端部は、サイドガイド210の左面に固定されている。
【0074】
左側整合機構116は、サイドガイド220と、上記実施形態と同一のラックギア62と、バネ部材72とを備えている。ラックギア62の固定部62Bは、サイドガイド220の左面に固定されている。バネ部材72の一端部は、バネ固定部材78に固定されている。バネ固定部材78は、給紙トレイ12の内側に固定されている。バネ固定部材78は、サイドガイド220よりも幅方向の中央側に位置している。バネ部材72の他端部は、サイドガイド220の右面に固定されている。
【0075】
下流側整合機構117は、エンドガイド230と、上記実施形態と同一のラックギア63と、バネ部材73とを備えている。ラックギア63の固定部63Bは、エンドガイド230の下流側の面に固定されている。バネ部材73の一端部は、バネ固定部材79に固定されている。バネ固定部材79は、給紙トレイ12の内側に固定されている。バネ固定部材79は、エンドガイド230よりも搬送方向の上流側に位置している。バネ部材73の他端部は、エンドガイド230の上流側の面に固定されている。
【0076】
このようなシート積載装置110において、欠歯ギア90が正転した場合、サイドガイド210,220、及びエンドガイド230は、ラックギア61,62,63を介して、何れもシート6側に移動する。サイドガイド210,220、及びエンドガイド230は、シート6の右端部、左端部、及び先端部にそれぞれ接触する。シート6は給紙トレイ12の中央に徐々に寄せられる。故に、シート6の右端部、左端部、及び先端部が自動的に整合される。
【0077】
他方、欠歯ギア90が逆転した場合、サイドガイド210,220、及びエンドガイド230は、ラックギア61,62,63を介して、何れもシート6から離間する方向に移動する。サイドガイド210,220、及びエンドガイド230は、シート6の両端部及び先端部から一旦離間する。バネ部材71〜73は、互いに離間する方向に引っ張られる。
【0078】
そして、欠歯ギア90の第1ギア部93、第2ギア部94、及び第3ギア部95が、ラックギア61,62,63から離脱した途端、バネ部材71,72,73の引っ張り力により、サイドガイド210,220,及びエンドガイド230は、シート6の右端部、左端部、及び先端部に衝突する。それ故、給紙トレイ12に積載された複数のシート6の右端部、左端部、及び先端部が、サイドガイド210,220、及びエンドガイド230に押されて整合される。このような変形例においてもシート6の端部を整合できる。
【0079】
また上記形態では、紙媒体であるシートを一例として説明したが、例えば、シートとしては、樹脂フィルムでもよく、シート状のものであれば材質については限定しない。
【0080】
また上記実施形態では、本発明のシート搬送装置として、複合機1、及び画像読取装置3のADF10として説明したが、シートの給紙が必要な装置であればこれ以外にも適用可能である。例えば、本発明は、単にシートを搬送するためのシート搬送装置に適用されてもよい。また、例えば、本発明は、画像形成部を備えないシートフィード型の画像読取装置に適用さてもよい。
【0081】
また上記実施形態では、湾曲するシート積載面12Aを備えた給紙トレイ11について説明したが、給紙トレイ11の全体を湾曲させてもよい。また、給紙トレイ11のシート積載面12Aは平面であってもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 複合機
3 画像読取装置
4 プリンタ部
6 シート
8 読取部
10 自動原稿給紙装置(ADF)
11 シート積載装置
12 給紙トレイ
12A シート積載面
21,22 サイドガイド
23 エンドガイド
30 分離部
35〜37 叩きガイド
40 搬送部
50 排出部
61〜63 ラックギア
71〜73 バネ部材
80 モータ
90 欠歯ギア
93 第1ギア部
94 第2ギア部
95 第3ギア部
110 シート積載装置
210,220 サイドガイド
230 エンドガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートが積載されるシート積載装置であって、
前記シートが積載されるトレイと、
前記トレイ上において、前記シートの端部に対して接離する接離方向に移動可能に設けられ、前記トレイ上に積載された前記シートの端部に当接する端部ガイドと、
前記端部ガイドの前記シートの端部側とは反対側において前記接離方向に移動可能に設けられた補助ガイドと、
ギア部と欠歯部とを周方向に有する欠歯ギアであって、駆動源により回転され、前記ギア部が、前記補助ガイドを前記接離方向に移動させる入力ギアに対して噛合可能な欠歯ギアと、
前記補助ガイドを前記接離方向において前記端部ガイド側へ引っ張るバネ部材と、
を備えることを特徴とするシート積載装置。
【請求項2】
前記入力ギアは、前記接離方向に延設され且つ前記補助ガイドに連結されたラックギアであって、
前記ラックギアは、前記欠歯ギアが回転することにより、前記接離方向に移動し、前記補助ガイドを前記接離方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載のシート積載装置。
【請求項3】
前記欠歯ギアが正転することにより、前記ギア部が噛合する前記入力ギアが前記接離方向の前記端部側に移動し、
前記欠歯ギアが逆転することにより、前記ギア部が噛合する前記入力ギアが前記接離方向の前記端部側とは反対側に移動することを特徴とする請求項1又は2に記載のシート積載装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れかに記載のシート積載装置と、
前記シート積載装置に積載されたシートを搬送する搬送部と、
を備えることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項5】
前記端部ガイドは、
前記シートの搬送方向に直交する幅方向の一端部に当接する第1端部ガイドと、
前記シートの前記幅方向の前記一端部とは反対側の他端部に当接する第2端部ガイドと、
を備え、
前記補助ガイドは、
前記第1端部ガイドの前記シートの前記一端部側とは反対側において前記接離方向に移動可能に設けられた第1補助ガイドと、
前記第2端部ガイドの前記シートの前記他端部側とは反対側において前記接離方向に移動可能に設けられた第2補助ガイドと、
を備え、
前記欠歯ギアの前記ギア部は、
前記第1補助ガイドを前記一端部側に接離する方向に移動させる入力ギアに対して噛合可能な第1ギア部と、前記第2補助ガイドを前記他端部側に接離する方向に移動させる入力ギアに対して噛合可能な第2ギア部とを備え、
前記バネ部材は、
前記第1補助ガイドを前記接離方向において前記第1端部ガイド側へ引っ張る第1バネ部材と、
前記第2補助ガイドを前記接離方向において前記第2端部ガイド側へ引っ張る第2バネ部材と、
を備えたことを特徴とする請求項4に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記端部ガイドは、
前記シートの搬送方向の下流側の一端部に当接する第3端部ガイドを備え、
前記補助ガイドは、
前記第3端部ガイドの前記シートの前記下流側の一端部側とは反対側において前記搬送方向に移動可能に設けられた第3補助ガイドを備え、
前記欠歯ギアの前記ギア部は、
前記第3補助ガイドを前記下流側の一端部側に接離する方向に移動させる入力ギアに対して噛合可能な第3ギア部を備え、
前記バネ部材は、
前記第3補助ガイドを前記搬送方向において前記第3端部ガイド側へ引っ張る第3バネ部材を備えたことを特徴とする請求項4又は5に記載のシート搬送装置。
【請求項7】
前記トレイの前記シートが積載される上面は、前記シートの搬送方向に直交する幅方向から見た場合に、平面に対して下方に湾曲していることを特徴とする請求項4から6の何れかに記載のシート搬送装置。
【請求項8】
シートが積載されるシート積載装置であって、
前記シートが積載されるトレイと、
前記トレイ上において、前記シートの端部に対して接離する接離方向に移動可能に設けられ、前記トレイ上に積載された前記シートの端部に当接する端部ガイドと、
ギア部と欠歯部とを周方向に有する欠歯ギアであって、駆動源により回転され、前記ギア部が、前記端部ガイドを前記接離方向に移動させる入力ギアに対して噛合可能な欠歯ギアと、
前記端部ガイドを前記接離方向において前記端部ガイド側へ引っ張るバネ部材と、
を備え、
前記ギア部が前記入力ギアから離脱した際に、前記バネ部材の引っ張り力により、前記端部ガイドを前記端部側へ移動させることを特徴とするシート積載装置。
【請求項9】
請求項4から7の何れかに記載のシート搬送装置と、
前記シート搬送装置によって搬送される前記シートの画像を読み取る読取部と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項10】
請求項9に記載の画像読取装置と、
前記読取部によって読み取られた画像に基づいて記録媒体に画像形成を行う画像形成部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−240800(P2012−240800A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112960(P2011−112960)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】