説明

ジフェニルエチニル終端を有するオリゴマー

ジフェニルエチニル終端を有するオリゴマーが開示される。該終端を有するオリゴマーは、
式:
D−A−D
を有し、
Dがジフェニルエチニル終端であり、
Aが、イミドスルホン、エーテル、エーテルスルホン、アミド、イミド、エステル、エステルスルホン、エーテルイミド、アミドイミド、オキサゾール、オキサゾールスルホン、チアゾール、チアゾールスルホン、イミダゾール、及びイミダゾールスルホン、からなる群より選択されるオリゴマーである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して2官能の終端オリゴマーに、特にジフェニルエチニル終端を有するオリゴマーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
高温用途では、今日繊維強化複合材料として一般的に用いられているいくつかの熱硬化性樹脂のみが使用できる。これらの高温熱硬化性樹脂は、比較的低い熱安定性を有する脆性複合材料を形成することが多いため、多くの用途において望ましくはない。
【0003】
近年、化学者は航空機への用途に適した、高機能、高温先端複合材料のためのオリゴマーの合成を模索していた。高温ポリマーマトリクス複合材料のほとんどの設計は、得られる架橋構造の程度を制限する単官能終端を有する。高機能合成物は、耐溶剤性を示し、堅牢であり、耐衝撃性を有し、強く、またプロセスにとって簡単であることが必要である。熱酸化安定性を有し、高い温度で長期間に使用することができるオリゴマー及び複合材料の必要性がさらにある。
【0004】
エポキシベースの複合材料は多くの用途に適しているものの、これらは、熱・酸化環境の中で長い間残存することが期待される、熱的に安定であり、堅牢な複合材料が求められる用途には不適切である。熱的安定性、耐溶剤性及び堅牢性の許容可能なバランスを達成するために、最近の研究ではポリイミド合成物が注目されている。PMR−15から形成されるような、ポリイミド複合材料を使用できる最高温度は約600−625°F(315−330°C)以下の温度であり、これは690°F(365°C)のガラス転移温度を有するためである。PMR複合材料は、約350°F(170°C)において、長期使用(50,000時間)にわたり使用可能かもしれない。これらは、約600°F(315°C)の温度に、約500時間まで耐えることができる。
【0005】
しかしながら、プリプレグが、温度、湿気および他の貯蔵条件の変化に対してプリプレグを敏感にする未反応のモノマー反応物の混合物を繊維強化織物の上に有し、プリプレグを異なる硬化ステージにするため、PMR−15プリプレグは、これらの採用を妨害する著しいプロセス上の制限を受ける。
制御された環境であっても、これらのPMRプリプレグをエイジングすることは問題に結びつく場合がある。プリプレグ上の反応物を低温に保つことにより反応が遅くなるが、プリプレグの質はその絶対的な時間、並びに先の貯蔵及び取り扱い履歴に依存する。また、複合材料の質はプリプレグの質に比例する。さらに、PMR−15のようないくつかの設計については、労働力に対する健康と安全の懸念を示すほどPMRモノマーは有毒かもしれないし、又は危険かもしれない(特にPMR−15中のメチレンジアニリン又はMDA)。PMR複合材料の中で安定したイミド環を完全に形成することは問題のままである。これらの問題や他の問題は、PMR−15合成物にとって厄介である。
【0006】
商用の長鎖ポリイミドはさらに著しいプロセス上の問題を示す。AVIMID−N及びAVIMID−KIII(E.I.duPont de Nemoursの商標)樹脂およびプリプレグはPMR−15とは異なる。何故なら、これらは、分子量をコントロールし、かつ連結と硬化中にPMR−15中間物の可溶性を保持するために、PMR−15が使用する脂肪族の連鎖停止剤を含んでいないためである。連鎖停止剤を欠くと、AVIMIDはかなりの分子量まで連鎖することができる。しかしながら、これらの分子量を達成するために、AVIMID(及びこれらのLaRCカズン)は、可溶性を保持する、あるいは少なくともプロセスを許容する結晶性粉末の融解に依存する。これら結晶の溶解中間段階のために、航空機のパーツにAVIMIDを使用するのは困難であることが分かった。
【0007】
2官能終端、特にナド終端を有する可溶性オリゴマーの使用により、イミドおよび他の多くの樹脂主鎖が、驚くほど高いガラス転移温度、プリプレグのための合理的な処理パラメーター及び制約、並びに複合材料のための望ましい物理的性質を示した。このタイプの線形オリゴマーは、それぞれの樹脂鎖の終端に硬化における架橋を促す2つの架橋機能を含む。線形オリゴマーは、それぞれの終端に1つの架橋機能を有する場合には"単官能”である。米国特許No.5,969,079に開示される2つのナド終端(dinadic 終端)を含む化学物質を例外として、ほとんどの高温ポリマーマトリクス複合材料(HTMPCs)の構造が単官能終端を有する。
【0008】
これらは最小の粘性ポイントで急速に反応し、樹脂トランスファー成形、樹脂フィルム注入および真空支援された樹脂トランスファー成形のような液体の成形過程が望まれる場合、パーツを作り上げるために利用可能な処理ウィンドウを縮小するため、HTPMC構造に可能な化学物質のうちのいくつかを規定することができる、フェニルエチニル終端材料より低い温度で2つのナド終端及びナド終端材料が反応することが知られている。
【0009】
現在利用可能な全ての終端を有するフェニルエチニル材料には単官能終端がある。したがって、架橋の程度は制限される。特に航空宇宙等級エポキシ樹脂の中で、単官能終端より二官能性終端がポリマーに著しく高い機械的性質を供給することが示された。高温複合材料に適した、新しく、よりプロセス処理に適した材料への使用のための複機能性を有するフェニルエチニル終端材料を提供することが所望される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様では、ジフェニルエチニル終端を有するオリゴマーが提供される。当該終端を有するオリゴマーは、
式:
D−A−D
を有し、
Dがジフェニルエチニル終端であり、
Aが、イミドスルホン、エーテル、エーテルスルホン、アミド、イミド、エステル、エステルスルホン、エーテルイミド、アミドイミド、オキサゾール、オキサゾールスルホン、チアゾール、チアゾールスルホン、イミダゾール、及びイミダゾールスルホン、からなる群より選択されるオリゴマーである。
【0011】
他の一態様では、先進複合材料混合物が提供される。当該先進複合材料混合物は、
式:
D−A−D
を有するジフェニルエチニル終端オリゴマーを含み、
Dがジフェニルエチニル終端であり;
Aが、イミドスルホン、エーテル、エーテルスルホン、アミド、イミド、エステル、エステルスルホン、エーテルイミド、アミドイミド、オキサゾール、オキサゾールスルホン、チアゾール、チアゾールスルホン、イミダゾール、及びイミダゾールスルホンからなる群より選択されるオリゴマーである。
当該複合材料混合物は、該オリゴマーとは異なる化学ファミリーからなる少なくとも一つの互換ポリマーを含む。
【発明を実施するための形態】
【0012】
高温ポリマーマトリクス複合材料に用いるためのジフェニルエチニル終端オリゴマーが以下に詳細に開示される。ジフェニルエチニル終端は複合材料に対し、既知の単官能終端よりも顕著な高機械的特性及び安定性を付与する。ジフェニルエチニル終端は、種々の異なる機能性の主鎖と反応する、アミン、無水物、ヒドロキシあるいは酸塩化物機能性を持つことができる。
例えば、アミン機能終端は無水物機能主鎖と反応することができ、酸塩化物機能終端はアミン機能主鎖と反応することができる。終端はいくつかのルートから作ることができ、例えば、臭素をフェニルエチニル部分に置き換えるためにパラジウムベースの触媒を使用して、臭素化合物の臭素とフェニルアセチレンとを反応させてもよい。
【0013】
典型的な具体例では、混合物は、プロセスの容易さを保持する間に、合成物の機械的性質を調整するために使用される。先進複合材料混合物は、複素環式化合物のような1種の化学ファミリーの線形あるいは多次元架橋オリゴマー、及びエーテルスルホンのような異なる化学ファミリーからなり、架橋できない、対応する線形あるいは多次元ポリマーの混合物から調合することができる。
一般に、ポリマーは、当初オリゴマーよりも高い平均式量を有する。しかし、混合物のオリゴマー部分の式量は、架橋機能間の付加(つまりホモ)重合によって硬化する間にかなり増加する。オリゴマー対ポリマーの比率は、所望の物理的性質の組み合わせを達成するため、変えることができる。通常、比率は、硬化時に形成される付加重合体が複合材料の高々約50mol%を構成するような状態になる。主に2つの構成混合物を以下に記述するが、望まれれば、混合物は共反応物とオリゴマー又はポリマーのより複雑な混合でありえる。
混合物はさらに共反応オリゴマーを含んでもよい。オリゴマーとは、複合材料を形成するためのオリゴマーの硬化時に、有効な分子量を増加させるために反応する端部の架橋機能を含むいかなる分子量部分も意味する。ポリマーとは、オリゴマーの架橋機能を含まないいかなる樹脂も意味される。
【0014】
典型的な具体例の先進複合材料(混合化学物質)混合物は、イミドスルホンエーテル、エーテルスルホン、アミド、イミド、エステル、エステルスルホン、エーテルイミド、アミドイミドオキサゾール、オキサゾールスルホン、チアゾール、チアゾールスルホンイミダゾール、及びイミダゾールスルホン、からなる群より一般的に選択される一つの化学ファミリーからなる架橋オリゴマーの混合物と、異なる化学ファミリーからなり、強化剤、可塑剤などとして働く非架橋ポリマーとを含む。
共反応物は混合物に含まれてもよく、あるいは、3つ以上のオリゴマー/ポリマーの混合を含んでもよい。オリゴマーの平均式量が硬化時にかなり増加するため、一般的に未硬化の混合物中のポリマーの平均式量は、オリゴマーの平均式量より大きくなる。例えば、対応するポリマーが約20,000−40,000の平均式量を有する一方で、線形のオリゴマーは約500−5000の平均式量を有してもよい。硬化時に、オリゴマーとポリマーは、オリゴマーの付加重合のために、一般により近い平均式量を有する。したがって、広く異なる平均式量のコンポーネントを有する混合物で時折生じる問題は、先進複合材料混合物から形成された複合材料では顕著ではない。
【0015】
先進複合材料混合物は、高機能複合材料の特性の調整を可能にする。これらは、純粋な化合物ほど厳しい欠点がないような複合材料を提供するために、異なるファミリーからの樹脂の特性を平均化することを可能にする。例えば、複素環式化合物(オキサゾール、チアゾール又はイミダゾール)の硬い性質は、複素環式化合物オリゴマー及びエーテルスルホンポリマーを含む先進複合材料混合物によって低減される。最終的な複合材料は、純粋なエーテルスルホンより高い使用温度(熱酸化安定性)並びに純粋な複素環式化合物より大きな柔軟性を有する。従って、最終的な複合材料は、特に厳しい条件に対する候補とすることができる、平均化又は混合された物理的性質を有する。
【0016】
適切なオリゴマー/ポリマーの組み合わせは、特に限定されないが、アミドイミド/イミド、アミドイミド/イミドスルホン、アミドイミド/ヘテロ環、アミドイミド/ヘテロ環スルホン、イミド/ヘテロ環、イミドスルホン/ヘテロ環、イミド/ヘテロ環スルホン、イミド/アミド、イミドスルホン/アミド、エステル/アミド、エステルスルホン/アミド、エステル/イミド、エステル/イミドスルホン、エステルスルホン/イミド、又はエステルスルホン/イミドスルホン、を含む。それぞれの場合で、オリゴマーは混合における一方のコンポーネントになりえる。
【0017】
線形オリゴマーは一般式:
D―A―D
を有し、
A=上記ファミリーのうちの一つからなり、芳香族、脂肪族、又は芳香族及び脂肪族の主鎖を有する炭化水素残留物;
Dは、

からなる群より選択される。ここで、
Φ=フェニル
=アミン、ヒドロキシル、酸塩化物又は無水物
であり、RがAへの結合のポイントである
【0018】
この環境における主鎖Aは、一般的に、イミドスルホン、エーテルスルホン、アミド、エーテル、エステル、エステルスルホン、イミド、エーテルイミド、アミドイミド、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、あるいはヘテロ環(即ち、オキサゾール、チアゾール イミダゾール)スルホン、からなる群から個々に選ばれる。また、主鎖Aは、他の芳香族、脂肪族、芳香族及び脂肪族のラジカルを有しても、一般にリンケージ間には芳香族(典型的にはフェニル)ラジカルだけを含む。
この記載は主としてこれらの主鎖のパラ異性体について記述するが、他の異性体(特にメタ)を使用することもできる。主鎖中の芳香族ラジカルは、アリル、低アルキル、低アルコキシなどといった非反応性の置換基を含んでもよい。
【0019】
一般式D−A−Dのオリゴマーは、所望の主鎖を形成するために一般的に用いられるモノマー反応体(ポリマー前駆体)を適切な終端モノマーと反応させることにより得られる。
【0020】
一実施形態では、ジフェニルエチニル終端モノマーは、臭素とフェニルエチニルとを置き換えるパラジウムベース触媒を用いて、臭素とフェニルアセチレンとが反応する臭素化合物から開始して準備することができる。
例えば、ジフェニルエチニル終端モノマーは以下の反応スキームにより準備される:

【0021】
臭素化合物は、パラジウム触媒を用いることにより、フェニルエチニルアセチレンと反応する。

ここで、
Φ=フェニル
R1=アミン、ヒドロキシル、酸塩化物又は無水物
【0022】
他の実施形態では、以下の反応スキームが用いられてもよい。

又は

【0023】
アセチレンの部分を有する有機部分からのハロゲン原子の置換に使用される、適切なパラジウム触媒は、特に限定されないが、Pd/(PPh; PdCl/(PPh; PdCl/CuCl/LCl; Pd(OAc)/PPh/EtN; Pd/(PPhを含む。さらにパラジウム−オン−カーボン(5%のPd/C); (30%のPd/C)あるいは、パラジウム・ブラック(純粋なPd)は使用することができる。さらに、PdOあるいはPd(OAc)/ベンゾイミダゾリウム塩類は使用することができる。典型的な具体例では、パラジウム触媒、例えばPd/(PPh又はPdCl/(PPhは、(例えば、トリエチルエチルアミン(triethyethylamine)、Cu(l)塩及び溶剤、例えば極性溶媒、例えばテトラヒドロフランである)基礎が存在する状態の中で使用される。
【0024】
アセチレンアリル化反応は、反応で使用される特定の臭化アリルに依存する、6−48時間の範囲の時間で、65−85°Cの温度における大気圧下の不活性雰囲気で実行される。要求される時間および温度は、臭化アリルの芳香族核の他の置換基の性質および位置に依存する。
【0025】
トリエチルアミンは、溶剤、並びに反応の間に生成される臭化水素の捕集剤の両方として利用される。トリエチルアミンの代わりに使用することができる他の有用なアミンは、例えば、ジエチルアミン、ブチルアミン、ピリジン及びその他同種のものである。
【0026】
トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、あるいはジメチルアセトアミドのような共溶剤も、反応物及び/又は生成物の可溶性を改善するために使用することができる。この反応は、例えば、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)塩化物又はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)になりえる、ホモジーニアスパラジウム触媒の存在を要求する。パラジウム触媒のユーティリティを改善するために、ホスフィン配位子の超過分が利用される。
このようなホスフィン配位子の例は次のものを含んでいる:
トリオーソトリルホスフィン(triorthotoluylphosphine)及びトリフェニルホスフィンが、有効性とコストのために好まれる。
このタイプの触媒反応をするパラジウム複合体の使用は、文献、例えば、F.R.Heck and H.A.Dieck、J. Organometalic Chem., 93、p 259−263(1975)に記載されている。さらに反応を促進するために、共触媒も使用されてもよい。
【0027】
適切な共触媒は、第一銅塩、例えば、塩化第一銅、第一銅臭化物、並びに好ましくは第一銅ヨウ化物を含む。この反応は、反応物の消失及び/又は生成物の外観をモニターして、ガスまたは薄層クロマトグラフィーによってモニターされる。
【0028】
終端反応物として使用される多くのフェニルエチニル化合物の代表例である化合物を準備するための最良の方法を含む以下の例は、より完全に本発明の実施形態を示す。
【0029】
機械攪拌機、環流冷却器および温度計が取り付けられたマルチ・ネック丸底フラスコは、窒素の正圧下で洗浄され維持された。フラスコは、356gの4,5-ジブロモ-1,8-ナフタル無水物(1.0mol)、乾燥してガス抜きされた1リットルのトリエチルアミン、215.2gのフェニルアセチレン(2.10mol)、0.80gのビス−トリフェニルホスフィンパラジウムII塩化物(1.01 mmol)、3.7gのトリフェニルホスフィン(14.1 mmol)および0.15gの第一銅のヨウ化物(0.79 mmol)で満たされた。この系は、穏やかな逆流にもたらされ、その温度で夜通し維持された。
【0030】
翌朝、薄層クロマトグラフィーにより、ジブロモナフタル無水物の痕跡のみが示された。反応混合物は、350mlのエーテルの追加後に、室温まで冷却された。トリエチルアミン・ヒドロブロミド副産物は濾過によって除かれた。濾液は1、8-ナフタリン無水物のジフェニルエチニル誘導体を得るためにロータリー・エバポレータにより凝縮された。
【0031】
例えば、上記の終端に基づいた形成は、例えば、
3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボキシル二無水物(BTDA)又は2,2'-ビス-(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)とアミン機能を有するジフェニルエチニル終端との反応;あるいは、
4,4'−ジクロロジフェニルスルホン又は4,4,ジクロロジフェニルヘキサフルオロプロパンとヒドロキシル(OH)機能を有するジフェニルエチニル終端との反応;あるいは、
4,4'-メチレンジアミン(MDA)、3,4'-オキシジアニリン(ODA)、又は1,3-ジアミノ-2,4,5,6-テトラフルオロベンゼン(DTFBA)と酸塩化物機能を有するジフェニルエチニル終端との反応により形成することができる。
さらに、鎖強度を分ける(機械的性質及び/又は改善された処理性能の為の強度を増加させるか減少させること)オリゴマーの主鎖内の異なるグループの組み合わせは、制限なく使用されてもよい。1つの具体例では、ジフェニルエチニル終端を備えたオリゴマーの分子量は約500−約5000の範囲にあり、別の具体例では、約1000−約1500である。
【0032】
オリゴマーの合成及び反応物の代表的なクラスがより詳細に開示される。アミドイミドは、2つの一般的なタイプの主鎖により特徴づけられる、
即ち:

である。ここで、
R3=例えば、フェノキシフェニルスルホンのような、芳香族、脂肪族、又は脂環式ラジカル;
R2=例えば、フェニル又はナフチルのような、有機部分
である。
線形ポリアミドイミドは、一般式:

(a)

(b)

(c)

(d)
のポリマーを含む。ここで、
Y=上記のジフェニルエチニル終端残留物;
R2=例えばフェニルのような、3価の有機ラジカル;
R3=例えば、フェノキシフェニルスルホンのような、芳香族、脂肪族、又は脂環式ラジカル
R4=2価の有機ラジカル;
m=通常0ないし5である、小さな整数。しかし、概してオリゴマー内の熱可塑性性能を分けるのに十分である整数。
Φ=フェニル
【0033】
アミドイミドは、一般的に、適した終端モノマー二酸ハロゲン化物、ジアミン、及び無水物の凝縮から得られる。二無水物は、2モルの酸ハロゲン化物無水物:

と、式:H2N―R3―NH2のジアミンとを凝縮することにより得られる。ここで、R2は上記のように規定され、Xはハロゲンである。
この場合、ジアミンは以下のジアミンより選択することができる。さらに、例えば、1,3; 3,3'; 及び3,4といった、以下のパラジアミン以外のイソマーが用いられてもよい。



q=―SO2―,―S―,―CO―,及び―(CF3)2C―;
Me=メチル; 及び
m=通常0ないし5である、小さな整数。しかし、概してオリゴマー内の熱可塑性性能を分けるのに十分である整数。
【0034】
米国特許No. 4,504,632; No. 4,058,505; No. 4,576,857; No. 4,251,417; 及びNo. 4,215,418に記載される物を含む他のジアミンが用いられてもよく、これらの全体的な内容が本命最初に引用される。
上記のアリル又はポリアリル"スルホン"ジアミンが用いられてもよい。なぜなら、これらのジアミンは、通常の合成溶媒に可溶であり生成するオリゴマー及び複合材料に対して高い熱安定性を与えるからである。ジアミンは、望まれる二酸ハロゲン化物に類似する、"Schiff base" 導電リンケージ(特には―N=CH―)を含んでもよい。
【0035】
フェノキシフェニルスルホンジアミンが

を含むように、エーテルスルホン(即ち、フェノキシフェニルスルホン)ジアミンでは、
R1

R"は

である。
【0036】
これらのジアミンの分子量は、約500から約2000まで変化する。より低い分子量ジアミンの使用は、2官能ポリアミドイミドオリゴマーの機械的性質を増強するように見える。その各々は主鎖に交替するエーテル"スルホン"セグメントを有する。
【0037】
この性質のフェノキシフェニルスルホンジアミンは、2モルのアミノフェノールとターミナルを有する(n+1)モルのアリルラジカル、4,4'-ジクロロジフェニルスルホンのような、反応性ハロ−機能グループ(ジハロゲン)、及び適したビスフェノール(即ち、時アルコール、二水素フェノール、又は時オール)である。ビスフェノールは以下の群より選択される。
2,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-プロパン (即ち、ビスフェノールA);
ビス-(2-ヒドロキシフェニル)-メタン;
ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-メタン;
1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-エタン;
1,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-エタン;
1,1-ビス-(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)-エタン;
1,1-ビス-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-エタン;
2,2-ビス-(3-フェニル-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン;
2,2-ビス-(4-ヒドロキシナフチル)-プロパン
2,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-ペンタン;
2,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-ヘキサン;
ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-フェニルメタン;
ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-シクロヘキシルメタン;
1,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-1,2-ビス-(フェニル)-エタン;
2,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルプロパン;
ビス-(3-ニトロ-4-ヒドロフェニル)-メタン;
ビス-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチル-3-メトキシフェニル)-メタン;
2,2-ビス-(3,5-ジヒドロ-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン;

又は
2,2-bis-(3-ブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン;又はこれらの混合物。
ビスフェノール-Aのような、芳香族特性を有するビスフェノール(即ち、脂肪族セグメントがない)が一実施形態において用いられる。
【0038】
この環境下でのジハロゲンは以下の群より選択される。


ここで、X=ハロゲン;
q=―SO2―,―S―,―CO―,又は―(CF3)2C―
である。
【0039】
縮合反応は、通常中間物"スルホン"リンケージを含むエーテルジアミンを生成する。この凝縮が、一般にDMSO/トルエン溶剤中のK2CO3あるいは別の基礎が存在する状態で、フェノラート・メカニズムによって生じる。K2CO3の粒度は、100-250 ANSIメッシュの範囲以内にあるべきである。この一般的なタイプのフェノキシフェニスルホンを準備するさらなる方法は、米国特許No.3,839,287およびNo.3,988,374に開示され、これらの全ての内容は、全ての適切で一貫した目的のための参照によって本明細書に組込まれる。
【0040】
二酸ハロゲン化物又はジカルボキシリル酸(即ち、二塩基酸)は、

(a) フェニル; (b) ナフチル; (c) ビフェニル;

(d) ポリアリル"スルホン"二価ラジカル;

(e) シッフ塩基化合物により表される二価ラジカル:

(ここで、Rはフェニル; ビフェニル; ナフチル;)
又は一般式:

(W=―SO2―又は―CH2―; 及び q=0-4;)
の二価ラジカル、からなる群より選択される。

又は、
(f) 一般式:

の二価ラジカル。
(ここで、R1=C2ないしC12の二価脂肪族、脂環族、又は、例えばフェニルのような芳香族ラジカル)

からなる群より選択される芳香族鎖セグメントを含んでもよい。
【0041】
チアゾール、オキサゾールあるいはイミダゾール・リンケージも、特にアリール基間で、伝導性あるいは半伝導性のオリゴマーを形成する伝導性リンケージとして使用されてもよい。二酸ハロゲン化物は、


を含んでもよい。ここkで、X=ハロゲンである。
【0042】
シッフ塩基ジカルボン酸および二酸ハロゲン化物は、一般的な反応スキーム:

あるいはこれと同様の合成で、アルデヒドおよびアミノ安息香酸(あるいは他のアミン酸)の凝縮によって準備することができる。
【0043】
ポリアリル又はアリル二酸ハロゲン化物は、脂肪族の結合が芳香性の結合ほど熱的に安定していない限りでは、生じるオリゴマー及び複合材料の中で高い熱的安定性を達成することができる。特に、化合物は、生じるオリゴマーの堅牢性を改善するために、例えば、−SO2−、−S−、−CO−、及び−(CF3)−2C−リンケージ、中間の電気的陰性物質(つまり"スルホン")リンケージを含んでもよい。
【0044】
主鎖を有する対応するアミドイミド:

は、酸無水物:

が、酸化ハロゲン無水物の代わりに使用された場合に得られる。生成する中間体は、二無水物ではなく、ジカルボン酸である。これらのジカルボン酸(あるいはこれらの二酸ハロゲン化物)は、上記のジアミンと共に用いられる。
【0045】
アミドイミドの合成に役立つ二無水物は、さらに次のものを含んでいる:
(a)ピロメリト二無水物、
(b) ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、
(c) 5-(2,5-ジケトテトラヒドロフラニル)-3-メチルシクロヘキセン-1,2-ジカルボン無水物(MCTC)、
及び、米国特許番号3,933,862; 4,504,632;4,577,034; 4,197,397; 4,251,417; 4,251,418;あるいは4,251,420で開示される、任意の芳香族か脂肪族の二無水物でもよい。二無水物の混合物が使用することができる。
【0046】
二無水物は、上記ジアミンのうちのどれもを備えた酸化ハロゲン無水物の凝縮に起因する中間物を含んでもよい。同様に、ジカルボン酸と二酸ハロゲン化物は、酸無水物と上記のジアミンとの凝縮によって得られた中間物を含んでもよい。対応するジカルボン酸はSOCl2(つまり塩化チオニル)が存在する状態で二酸ハロゲン化物(つまり塩化物)に変換される。
【0047】
先述のように、アミドイミドはいくつかのスキームによって合成することができる。
一般式:

の繰り返し単位を得るために、酸化ハロゲン無水物、特に、

がジアミン、及びアミン機能を有する終端と、n:n:2の割合で混合されてもよい。ここで、nは1以上の整数である。この反応では、ジアミンおよびアミン機能を有する終端で凝縮する中間物二無水物を形成するために、酸化ハロゲン無水物はジアミンと反応する。
この反応は、実質的に化学量論の量の(あるいはジアミンを超過する)酸化ハロゲン無水物と、より多くのジアミンと終端との混合物の追加によるジアミンとの混合によって二無水物が最初に得られるという、2つの段階で実行されてもよい。二無水物を形成するために用いられるジアミンは、反応の第二段階で用いられるとは異なるものか、あるいは、当初からのジアミンの混合物でもよい。
【0048】
一般式:

の繰り返し単位を有するアミドイミドは、酸無水物と、さらにジアミン又はアミン機能を有する終端と反応することができる中間体ジカルボン酸を形成するジアミンとを反応させることにより合成できる。反応は段階に分けられる。
【0049】
アミドイミドオリゴマー(すべてのオリゴマーのように)は、ジアミンと終端とを備えた二無水物/ジカルボン酸の凝縮が連続してではなく同時に行われる場合に、より大きな耐溶剤性を備えるようである。
【0050】
アミン機能を有する終端の使用は上記されているが、ジアミンが超過して供給された場合、酸化ハロゲン機能を有する終端を用いることにより、対応するオリゴマーは形成することができる。ジアミンが超過の中で提供される場合。反応混合物が一般的に酸化ハロゲン無水物又は酸化無水物、終端、及びジアミン及び合成は一つの段階で完成される。
【0051】
反応速度を増加させる必要がある場合、典型的には、反応は不活発な大気の下で、高い温度で行なわれる。反応混合物は、合成の全体にわたってよく撹拌されるべきである。反応混合物を冷やすことは反応速度を遅くするかもしれないし、オリゴマー生成物をコントロールするのを支援することができる。
【0052】
1つの具体例では、望まれれば、ジアミンはその前駆体OCN−R−NCOの形となることができる。米国特許No.4,599,383; 3,988,374; 4,628,079; 3,658,938; 及び4,574,144に開示されるアミドイミドは、ポリマーを、先進複合材料混合物を形成するのにふさわしいオリゴマーに変換するために架橋モノマーでキャップされることができる。(これらの全ての内容はすべての適切で一貫した目的のための参照によってここに組込まれる。)
【0053】
ポリエーテルイミド及びポリスルホンイミドは、共反応オリゴマー混合物での使用に適したオリゴマーを形成するようにキャップされる。化合物は一般式:

を有する。ここで、
X=―O―又は―S―;


又は

又は

又は

であり、
m=通常1ないし4である、小さな整数;
Φ=フェニル;
G=−SO−,−S−,−O−,−CH−,−CO−,−SO−,C又はNHCO;
R=3価のC(6−13)芳香族有機ラジカル;
=アミド,イミド又はスルホン;
=2価のC(6−30)芳香族有機ラジカル
である。
【0054】
ポリエーテルイミドオリゴマーはいくつかの反応スキームにより準備することができる。このような手法の一つは、


の同時に生じる凝縮を含む。
【0055】
I:II:III:IV=1:1:m:m+1(mは1以上の整数)およびY1=ハロ−又はニトロ−において、生成物は、先述の一般式を有する。不活性雰囲気下の適した溶媒中で反応が生じる。必要であれば、反応混合物は、反応を促進さえるために加熱することができる。反応条件は、米国特許番号3,847,869及び4,107,147に開示されたものに一般に類似する。
【0056】
あるいは、ポリエーテルイミドは、式:

のフタルイミド塩誘導体の自己凝縮からなるポリエーテルイミドポリマーと、式:

及び

の架橋終端部分とを反応させることにより得られる。
ここで、X=―O―又は―S―;
A1=

又は

又は

又は

である。ここで、
Φ=フェニル;
Y1=ハロ-又はニトロ-;
G=−SO2−,−S−,−O−,−CH2−,−CO−,−SO− , C3F6又はNHCO;
R1=アミド, イミド又はスルホン;
R'=2価のC(6−30)芳香族有機ラジカル;及び
M=アルカリ金属イオンまたはアンモニウム塩
である。)
【0057】
米国特許No. 4,297,474に記載されているように、二極性の非プロトン性溶媒の中では自己凝縮が進む。終端部分は、自己凝縮中に重合を抑制するために導入されるか、あるいは、次の重合の完了及びメタノールからのポリエーテルイミドポリマーの回復のために追加されることができる。
しかしながら、硬化した複合材料における改善された耐溶剤性は、重合に続くキャッピング・シーケンスではなく抑制シーケンスにより、最も達成される。
【0058】
ポリエーテルイミドを合成する別の方法は、不活性雰囲気下での適切な溶媒中における、約2m+2モルのニトロフタル無水物、約m+1モルのジアミン、約mモルのジアルコール(即ち、ビスフェノール、ジオールあるいは2価のフェノール)、及び−OH機能を有する2モルのAの自己凝縮を含む。ここで、ジアルコールは、フェノラートの形をしてもよい。
【0059】
この反応では、主鎖中の次の性質の中間体を形成するために、ジアミン(芳香族のエーテルスルホン主鎖を有しえる)は無水物と反応する:

ここで、R2はジアミンの残留物である。
同様に、一般式:

のエーテル・リンケージを形成するために、ジアルコールはニトロ機能性と反応する。
ここで、R3はジアルコールの残留物である。−OH機能を有するA1終端は重合を抑制する。生じるポリエーテルイミドには一般式:

を有する。
【0060】
別の合成は、不活性雰囲気下での適切な溶媒中における、約2m+2モルのニトロフタル無水物、約m+1モルのジアルコール、mモルのジアミン、及び−NH機能を有する2モルのAの自己凝縮を含む。また、ジアルコールは、フェノラートの形をしてもよい。生じるオリゴマーは一般式:

を有する。
【0061】
別の合成は、不活性雰囲気下での適切な溶媒中における、2モルのニトロフタル無水物、約m+1モルのジアルコール、mモルのジアミン、及び−NO機能を有する2モルのAの自己凝縮を含む。また、ジアルコールは、フェノラートの形をしてもよく、又はチオエーテルは対応するスルフヒドリル(チオ)の形をしてもよい。生じるオリゴマーは一般式:

を有する。
【0062】
如何なる合成においても、ジアルコールは、同程度の式:HS−R2−SHのジスルフィドリルと替えることができる。ジアルコール又はジスルフィドリルの混合物も使用することができる。
【0063】
先述のビスフェノールが用いられても、エーテルイミドには、ジアルコールは一般的にポリアリル化合物であり、好ましくは、
HO―Ar―OH;
HO―Ar―L―Ar'―L―Ar―OH
HO―Ar'―L―Ar―L―Ar'―OH
(L=―CH2―,―(CH3)2C―,―(CF3)2C―,―O―,―S―,―SO2―又は―CO―;)
からなる群より選択される。
ここで、
T及びT1=低アルキル、低アルコキシ、アリル、アリロキシ、アルキル基、アリル基、ハロゲンあるいはこれらの混合物
q=0-4; 及び k=0-3.
である。
【0064】
ジアルコールはさらに、ヒドロキノン;ビスフェノール-A;p,p'-ビフェノール;4,4'-ジヒドロキシジフェニル硫化物;4,4'-ジヒドロキシジフェニルエーテル;4,4'-ジヒドロキシジフェニルイソプロパン;4,4'-ジヒドロキシジフェニルヘキサフルオロプロパン; シッフ塩基セグメントを有するジアルコール,以下の群より選択されるラジカル:

ここで、Rはフェニル;ビフェニル;ナフチル;又は一般式:

のラジカルから選択される。ここで、W=―CH2―又は―SO2―;又は

から選択されるジアルコール。

(ここで、Lは上記に定義される。 Me=メチル;m=通常5より小さく好ましくは0又は1である整数、D=−CO−,−SO2−又は−(CF3)2C−のいずれか)
【0065】
ビスフェノール-Aはエーテルイミドの合成で使用されるが、他のジアルコールは、平均式量を著しく増加させずに、オリゴマーに硬度を加えるために使用することができるため、耐溶剤性を向上させることができる。ランダムあるいはブロックコポリマーが可能である。
【0066】
さらに、ジアルコールは、米国特許No. 4,584,364; 3,262,914; 又は4,611,048に記載されるものから選択されてもよい。本発明の架橋エーテルイミドを得るために、米国特許No. 4,611,048のヒドロキシ-終端エーテルイミドを―NO2機能を有するA1と反応させることができる。
【0067】
この性質のジアルコールは市販のものから入手可能である。いくつかのジアルコールは、4,4-ジクロロジフェニルスルフォンとビス(ジブロモビフェノラート)との反応のような、ハロゲン中間体とビス−フェノラートとの反応により容易に合成することができる。
【0068】
オリゴマーは、反応物がすべて一度に混合される均一系反応スキーム(このスキームが好まれる)、あるいはステップ毎の反応で合成することができる。ジアミンとジアルコールは、例えば、重合を開始するニトロフタ無水物及びその後に重合を抑制する終端の添加、により混合させることができる。当業者であれば、異なる手法も用いることができることが理解されるであろう。可能な限り、反応ステップ(即ち、反応物の追加)と反応条件を制御することにより望ましくない競合反応を最小限にするべきである。
【0069】
適したジアミンは、アミドイミド合成に関指摘際されたジアミンを含む。
【0070】
一般式:

の無水物

エーテルイミドの合成において有用であり、これらは、対応する終端フェノール又はチオール(--XH)と、R部分を含むニトロ−又はハロ−無水物との凝縮により得られる。ここで、
X=―O―又は―S―;
R=3価のC(6-13)芳香族有機ラジカル;
A1=

又は

又は

又は

である。
(ここで、Φ=フェニル;
G=−SO−,−S−,−O−,−CH−,−CO−,−SO−,C又はNHCO;
及び
R1=アミン、ヒドロキシル、酸塩化物又は無水物,)
【0071】
少なくとも一つのエーテルイミドの合成において、式:

の化合物が中間体又は反応物であり、
R=3価のC(6-13)芳香族有機ラジカル;
A1=

又は

又は

又は

である。ここで、
Φ=フェニル;
G=−SO−,−S−,−O−,−CH−,−CO−,−SO−,C又はNHCO;
=アミン、水酸基、酸塩化物又は無水物;
Y1=ハロ又はニトロ
である。
【0072】
この中間物は、−NH2機能を有するA1を、式:

の適したフタル無水物と反応させることにより形成される。
これらの代用された無水物は、米国特許番号4,297,474および3,847,869(それらの全内容はすべての適切で一貫した目的のための参照によってここに組込まれる)。
【0073】
エーテルイミドに対応するポリスルホンイミドオリゴマーは、約m+1モルの二無水物と約mモルのジアミン及び約2モルのアミン機能終端(A1―NH2)とを反応させて得ることができる。生成されるオリゴマーは一般式:

を有する。ここで、R及びR'は、6−200炭素原子を有する二価の芳香族有機ラジカルである。R及びR'は、ハロゲン化芳香族C(6-20)炭化水素誘導体;2−20の炭素原子を有するアルキレンラジカルシクロアルキレンラジカル;C(2-8)アルキレン終端ポリジオルガノシロキサン;及び式:

のラジカルを含んでもよい。ここで、
q=―CyH2y―,―CO―;―SO2―,―O―,―S―,―SiXX'―又は―SiXX'―O―SiXX'―;
y=1ないし5;及び
XX'=脂肪族、芳香族、水素
【0074】
先進複合材料混合物の概念は恐らく線形形態論に最も適するが、本発明の先進複合材料混合物はさらに多次元のオリゴマーおよびポリマーを含んでいる。
多次元オリゴマーは、芳香族のハブ及び架橋終端セグメントで終了する3つ以上の放射状の鎖又はアームを含んでいる。それぞれの鎖は、先述の樹脂リンケージを含んでいる。それぞれの鎖は本質的に同じである。例えば、多次元のエーテルは、ジハロゲンおよび終端モノマーを備えたフロログルシノールの同時の凝縮によって準備することができる。
【0075】
多次元のオリゴマーでは、多次元配列での架橋機能のより高い密度は硬化した複合材料に対して向上した熱酸化安定性を与える。通常、ハブは、「Y」パターンを形成するために3つの放射状の鎖を持つ。ある場合には、4つの鎖が使用されてもよい。ハブが放射状の鎖に適合するのに小さすぎるので、さらに多くの鎖を含むことは立体障害に結びつく。3個の置換原子のあるフェニル・ハブは、ハブに関して対称的に位置する鎖のために特に好ましい。ビフェニル、ナフチル、アザリン(例えば、メラミン)、あるいは他の芳香族部分も、ハブ・ラジカルとして使用されてもよい。
【0076】
多次元ポリアミドイミドオリゴマーは、一般式:



のオリゴマーを含む。ここで、Y,R2,R3,R4及びmは線形アミドイミドに関して上記で定義されたとおりである、Ar=価数wの有機ラジカル、Φ=フェニル、及びw=3又は4 である。好ましくは、Arは、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アザリニル(メラミンのような)又は次式のトリアジン誘導体:

から選択される有機ラジカル(一般的にはフェニル)である。ここで、
R2=米国特許 No. 4,574,154に記載されるような、1-12炭素原子を含む二価の炭化水素残留物
である。
【0077】
ハブは、式:

のエーテル無水物の残留物、又は
式:

のエーテルアミンであってもよい。
【0078】
オリゴマーのアーム長ができるだけ短く(処理を容易にするため)、オリゴマーに6つの架橋サイト(最も高い架橋の密度のため)がある場合、最良の結果が生じる。一実施例では、化合物が比較的安く、より容易に得られ、オリゴマーに高い熱的安定性を与えるため、ハブはフェニルラジカルを含む。
【0079】
オリゴマーのチェーンは、硬化した複合材料の耐溶剤性を改善する架橋終端を含む。これらの終端は、強く結合され、複雑かつ多次元的な相互連結したオリゴマーの配列を与えるため、硬化ステップの間に熱的あるいは化学的に活性化されてもよい。
【0080】
オリゴマーは、鎖の延長又は鎖の停止反応に次いで、ハブにアームが結合されることにより形成されてもよい。例えば、ポリアミドイミドオリゴマーを生じるために適した二酸ハロゲン化物、ジアミン、及び終端と反応する、一般式:

のアミノ−終端"スター”を得るために、
トリヒドロキシベンゼンは、p-アミノフェノール及び4,4'-ジブロモジフェニルスルホンの混合され、上昇する温度での不活性雰囲気下で反応されてもよい。
【0081】
エーテル無水物ハブは、米国特許 No. 3,933,862及び4,851,495 (チオ−アナログ)に記載されるように、不活性環境下における適した溶媒中で、ニトロフタル無水物又はハロフタル無水物とAr(−OH)wとを反応させることにより合成することができる。
【0082】
もちろんオリゴマーは、当業者であれば理解されるであろうヒドロキシハブとの凝縮又は同様の反応スキームに次いで、ニトロフタル無水物とアミン機能を有する終端とを反応させることにより得られてもよい。
【0083】
オリゴマーは、反応物がすべて一度に混合される均一系反応スキーム、あるいは放射する鎖がハブに添付され、続いて終端グループで最初の反応の生成物を反応させるステップ反応スキームで合成することができる。
もちろん、アームをハブにリンクするために、1つの反応性かつターミナルの機能を含んでいる終端ハブを反応させてもよい。均一系反応は、反応の複雑さによるオリゴマーの混合における疑いようのない結果のために好まれる。プロセスの生成物は、(個々の種の蒸留あるいは隔離がなくとも)所望の先進複合材料を形成するために、それ以上の分離なしで使用することができるオリゴマー混合物である。
【0084】
拡大連鎖が形成されるように、線形あるいは多次元オリゴマーは、4つ以上の反応物の混合物から合成することができる。しかしながら、要素を加えることは、反応および制御の複雑さを増す。
連鎖拡大剤および連鎖停止剤が混合され、互いと競合するため、望ましくない競合反応が生じるか、広く異なる特性がある巨大分子の複雑な混合物が形成されることがある。
【0085】
多次元エーテルイミドは、エーテル無水物ハブと上記の式II、III及びIVの化合物との反応により得ることができる。
【0086】
多次元アミドは、ニトロ、アミン、又は酸ハロゲン化物ハブと適したジアミン、ジカルボキシル酸ハロゲン化物、及びアミン,又は一般式:

のオリゴマーを形成する酸ハロゲン化物終端モノマーから得られる。ここで、Ar, w, −Φ−,i,及びDは、上記で規定されるとおりであり、P=ジアミンの残留物、及びQ=ジカルボン酸ハロゲン化物の残留物、である。
【0087】
多次元イミドは、適切な二無水物、アミンあるいは無水物終端を備えた、アミン、エーテル無水物あるいはエーテルアミン・ハブを使用して作ることができる。特に好ましい多次元イミドは、アミン・ハブに直接結合する無水物終端の凝縮を含む。
【0088】
多次元ポリエステルは、適切なジオールおよびジ酸ハロゲン化物と共にヒドロキシあるいはカルボン酸ハブ(特にシウラン酸)を使用して作ることができる。カルボン酸ハブは、米国特許No.4,617,390に開示される化合物、並びに、エーテル・リンケージ及び活性、終端カルボキシル酸機能を形成するために、フロログルシノールのようなポリオールとニトロベンゾ酸又はニトロフタル酸を反応させることにより得られる化合物を含む。
ニトロフタル酸生成物は6つのサイトを有するが、ニトロベンゾ酸生成物は3つの活性サイトを有する。各サイトは個々の式:

(Φ=フェニル)
を有する。もちろん、他のニトロ/酸も使用できる。
【0089】
ハブは、式:

のポリカルボキル酸を形成するために酸無水物と反応させることができる、式:

で表されるトリアミン化合物を形成するため、対応するハロ−ハブ(トリブロモベンゼンのような)とアミノフェノールとの反応により形成させることができる。ここで、
Φ=フェニルであり、ハブは、中間体エーテル及び芳香族に連結するイミド・リンケージにより特徴づけられる。チオ-アナログは、米国特許No. 3,933,862を参照して計画されてもよい。
【0090】
ハブは、米国特許 No. 4,709,008に記載されるようなポリオールから式:

のトリス(ヒドロキシフェニル)アルケンであってもよい。ここで、R=水素又はメチルであり、同じでも異なってもよい。ポリオールは、例えば、(米国特許Nos. 4,709,008; 3,579,542; 及び 4,394,469に記載されるように)酸化環境において、4-ヒドロキシベンズアルデヒド又は4-ヒドロキシアセトフェノンと超過したフェノールとを反応させることにより得られてもよい。
【0091】
ハブとして適切な化合物を形成するために、ポリオールは、ニトロフタル無水物、ニトロアニリン、ニトロフェノール、又はニトロベンゾ酸と反応させてもよい。
【0092】
ハブと終端アミン、カルボキシル酸、又はヒドロキシルグループとにより生じるフェノキシフェニルスルホン・アームは、本発明の多次元ポリエステルオリゴマーの作成のための前駆体でもある。
【0093】
ハブがフロログルシノール又はシアン(cyuranic)酸である場合、最良の結果が生じるだろう。いずれの場合にも、適した終端モノマー(フェノールまたは酸ハロゲン化物)が、3つあるいは6つの架橋サイトを有する多次元オリゴマー"短い−アーム”を形成するハブと反応させることができる。これらの化合物は最も単純な多次元のオリゴマーで、比較的安価に合成できる。
【0094】
多次元アミド、アミドイミド、ヘテロ環、及びヘテロ環スルホンが、これらのカルボキシル酸ハブを用いて得られることは、当業者の理解するところである。
【0095】
フリーデル−クラフト反応に次いで、式:

の多次元オリゴマーがウルマン芳香族エーテル合成体と合成される。ここで、Q=


q=−SO2−,−CO−,−S−又は−(CF3)2C−, 及び、好ましくは−SO2−又は−CO−;
Y1=上記で定義した架橋終端(即ちDi−Φ−).
【0096】
Ar−−O−Φ−CO−Y1]wオリゴマーを形成するために、エーテル・リンケージに対して活性な水素パラ−エーテル"スター”を生じるCuウルマン触媒ハロ置換基ハブがDMAC中のフェノールと塩基(NaOH)と反応できる。例えば、一般式:Φ−(−O−Φ)3の中間体(約3モルの(Y1) −COClと反応して最終的な、架橋可能な、エーテル/カルボニルオリゴマーを生成する)を生じるウルマンエーテル反応において、1モルのトリクロロベンゼンが、約3モルのフェノールと反応できる。
【0097】
混合物は、耐溶剤性の重要な損失を引き起こさずに、純粋なオリゴマー合成物の衝撃抵抗度を改善できる。本発明の先進複合材料混合物(つまり混合化学薬品)は、1又は複数の架橋可能なオリゴマー及び1又は複数の異なる化学ファミリー異なる化学ファミリーのポリマーの混合物を含む。これらのポリマーは架橋できない。架橋可能なオリゴマー及び互換性のあるポリマーは、相互に溶解可能な溶媒と一緒に混合される。混合物がオリゴマーとポリマーにおいて等モルであっても、オリゴマーとポリマーの比率は所望の物理的性質を達成するために調節することができる。先進複合材料混合物から形成された化合物の特性はポリマーとオリゴマー用式量の比率の変更により調節することができる。
【0098】
ポリマーを合成する際に、望まれれば、同程度のポリマーの重合を規制するために抑制化合物が採用されてもよい、その結果、特に線形系については、ポリマーは、架橋可能なオリゴマーよりも実質的に大きな平均式量を有する。熱的安定性については、アニリン、フェノール又は安息香酸塩化物のような芳香族の抑制化合物が好ましい。架橋結合しないポリマーは、架橋終端のための抑制キャップの置換基を伴うオリゴマーと同様の合成により得られる。
【0099】
当業者であれば理解するように、最良の先進複合材料混合物が恐らく適度の式量のものであり、オリゴマーとポリマーが等モル比率であれば、他の組成であってもよい。
【0100】
混合物中のオリゴマーに対して大きく超過したポリマーが提供される場合、硬化した複合材料の耐溶剤性は著しく減少する場合がある。
【0101】
先進複合材料混合物は、共反応オリゴマーの場合及び他の場合、アミドイミドオリゴマー、アミドオリゴマー、及びイミドポリマーの混合物、又は、アミドイミドオリゴマー、アミドイミドポリマー、及びイミドポリマーの混合物(即ち、イミドと共にさらに混合された混合アミドイミド)といった、多重オリゴマー又は多重ポリマーを含んでもよい。
ポリイミドオリゴマーが用いられた場合、先進複合材料混合物は、p-フェニレンジアミン、ベンジジン、又は4,4'-メチレン−ジアニリンといった共反応物を含みえる。米国特許No. 4,414,269に記載されるように、エーテルスルホンオリゴマーは、これらのイミド共反応物又は無水物又は無水物-誘導体共反応物を含みえる。当業者に理解されるように、オリゴマー、ポリマー、及び共反応物の他の組み合わせが用いられてもよい。
【0102】
上記に議論されるように、先進複合材料混合物のオリゴマー要素は、それ自体をオリゴマー及び同じ化学ファミリーからの互換性をもつポリマーとの混合物(あるいは、さらに異なるファミリーからの互換性をもつポリマーとの混合物)としてもよい。先進複合材料混合物は、単に3つ以上のオリゴマーあるいはポリマー要素から作ることができる。共反応オリゴマーが使用されなければ、一般的にこれらは1つのオリゴマー要素を含む。
仮説例
1. 上記からの化合物(a)の合成:

【0103】
式H2N-R3-NH2のジアミンは、式:

の2モルの酸無水物と反応して、式:

のジカルボン酸中間体を形成する。
【0104】
該中間体は、SOCl2が存在する状態で、対応する二酸塩化物に変換される。その後、所望の生成物を得るため、この二酸塩化物は、式H2N―R4―NH2のジアミン1モルと、式Y―Φ―NH2のアミン終端2モルと共に凝縮される。
【0105】
式Y―Φ―COXの酸ハロゲン化物終端と共に超過した式H2N―R4―NH2のジアミンが用いられた場合、生成物は式:

を有する。
2. 上記からの化合物(b)の合成:

【0106】
式H2N―R3―NH2のジアミンが
式:

の二無水物中間体を得るために、

と反応させられる。その後、所望の生成物を得るため、該中間体はY―Φ―COCl及び式HN―R―NHのジアミンと共に凝集される。
3. 上記からの化合物(d)の合成:

【0107】
所望の生成物を得るため、他の式H2N―R4―NH2のジアミン及び式Y―Φ―COClの酸ハロゲン化物終端と反応することができるジカルボン酸中間体を形成するために、式H2N―R3―NH2のジアミンが例1の酸無水物と反応される。
4. 一つのジアミンを有するアミドイミドの合成

【0108】
所望の生成物を得るために、2モルのアミン終端が、フタリル酸無水物のような、約(m+2)モルの酸無水物、及びのHN−(Φ)SO2-Φ-O-Φ-SO2-NH2のような、約(2m+1)モルのジアミンと反応される。副反応または競合反応を回避するために、オリゴマーに同時に起こる凝縮のための残りの反応物を加える前に、約2モルの酸無水物:1モルのジアミンの割合で、酸無水物およびジアミンを混合することによって。式:

のジカルボン酸中間物を準備することが恐らく望ましい。
5. 先進複合材料混合物の準備
【0109】
R2=R3=R4=フェニル,
m=1, i=2, 及び
Y=

である、例1のポリアミドイミドオリゴマーが適した溶媒で溶解される。
【0110】
一般式

(ポリアミドイミドと共に用いられた同じ溶媒あるいはポリアミドイミドの溶媒と他の溶媒との混和溶媒中における不活性雰囲気下でのCl−Φ−Cl及びフェノール(重合を抑制する))
のジアルコールの凝縮により、比較的高い平均式量のポリエーテルポリマーが得られる。
【0111】
先進複合材料混合物を形成するために2つの溶液が混合され、先進アミドイミド/エーテル複合材料の硬化以前にプリプレグ又は乾燥されえる。
6. 多次元的ポリアミドの合成
オリゴマーは、


の反応により準備される。
7. 2官能、多次元的ポリアミドの合成
オリゴマーは、


の反応により準備される。
例7の反応間の競合副反応はこの生成物を生じさせるのを妨げ、生成物の分離を困難にする傾向がある。生成物の産出は反応物を連続的に加えることにより増強することができる。しかし、生じるオリゴマーの物理的性質が害されることもある。
8. エーテルアミン・ハブを利用した合成:
【0112】
他の多次元的オリゴマーは、不活性雰囲気下で、


の反応により準備される。
【0113】
本開示は種々の特定的な記載により記述されているが、当業者であれば、特許請求の範囲内での変形例が実施可能であることが理解されるだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジフェニルエテニル終端を有するオリゴマーであって、
式:
D−A−D
を有し、
Dがジフェニルエチニル終端であり、
Aが、イミドスルホン、エーテル、エーテルスルホン、アミド、イミド、エステル、エステルスルホン、エーテルイミド、アミドイミド、オキサゾール、オキサゾールスルホン、チアゾール、チアゾールスルホン、イミダゾール、及びイミダゾールスルホン、からなる群より選択されるオリゴマーであることを特徴とするオリゴマー。
【請求項2】
ジフェニルエテニル終端を有するオリゴマーであって、
Dが

又は

又は

又は

であり、
Φ=フェニル;
G=−SO−,−S−,−O−,−CH−,−CO−,−SO−,C,又はNHCO;及び
=アミン、水酸基、酸塩化物又は無水物、
であり、RがAとの結合点であることを特徴とする請求項1に記載のオリゴマー。
【請求項3】
ジフェニルエテニル終端を有するオリゴマーであって、
Aがアミドイミドであり、該アミドイミドが式:

の繰り返し単位を含み、
=芳香族、脂肪族、脂環式ラジカル;及び
=有機部分、
であることを特徴とする請求項1に記載のオリゴマー。
【請求項4】
ジフェニルエチニル終端を有するオリゴマーであって、
Aがポリエーテルイミド又はポリスルホンイミドであり、該オリゴマーが以下の式を有し:

ここで、
X=−O−又はS−;


又は

又は

又は

であり、
m=1又は2;
Φ=フェニル;
R=3価のC(6−13)芳香族有機ラジカル;
=アミド,イミド又はスルホン;
G=−SO−,−S−,−O−,−CH−,−CO−,−SO−,C又はNHCO;
=2価のC(6−30)芳香族有機ラジカル
であることを特徴とする請求項1に記載のオリゴマー。
【請求項5】
ジフェニルエチニル終端を有するオリゴマーであって、Aが少なくとも式:
Φ−O−Φ−SO−Φ−O−Φ−
の断片を含む芳香族又は芳香族/脂肪族イミド残留物であることを特徴とする請求項2に記載のオリゴマー。
【請求項6】
ジフェニルエチニル終端を有するオリゴマーであって、Aがジアンヒドリド及びジアミンの凝縮からなる交替型イミドであることを特徴とする請求項5に記載のオリゴマー。
【請求項7】
ジフェニルエチニル終端を有するオリゴマーであって、Aが芳香族であることを特徴とする請求項6に記載のオリゴマー。
【請求項8】
ジフェニルエチニル終端を有するオリゴマーであって、
Aがジアンヒドリドモノマー及びジアミンモノマーの凝縮からなるイミドであり、
前記ジアンヒドリドが:

であり、前記ジアミンが、

又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項2に記載のモノマー。
【請求項9】
先進複合材料混合物であって、
式:
D−A−D
を有するジフェニルエチニル終端オリゴマーを含み、
Dがジフェニルエチニル終端であり;
Aが、イミドスルホン、エーテル、エーテルスルホン、アミド、イミド、エステル、エステルスルホン、エーテルイミド、アミドイミド、オキサゾール、オキサゾールスルホン、チアゾール、チアゾールスルホン、イミダゾール、及びイミダゾールスルホンからなる群より選択されるオリゴマーであり;
該オリゴマーとは異なる化学ファミリーからなる少なくとも一つの互換ポリマーを含むことを特徴とする先進複合材料混合物。
【請求項10】
Dが、

又は

又は

又は

であり、
Φ=フェニル;
G=−SO−,−S−,−O−,−CH−,−CO−,−SO−,C又はNHCO;
=アミン、ヒドロキシル、酸塩化物又は無水物
であり、RがAとの結合点であることを特徴とする請求項9に記載の先進複合材料混合物。
【請求項11】
Aがアミドイミドであり、該アミドイミドが式:

の繰り返し単位を含み、
=芳香族、脂肪族又は脂環式ラジカル;
=有機部分
であることを特徴とする請求項9に記載の先進複合材料混合物。
【請求項12】
Aがポリエーテルイミド又はポリスルホンイミドであり、前記オリゴマーが式:

を有し、
X=―O―又は―S―;


又は

又は

又は

であり、
m=1ないし4;
Φ=フェニル;
R=3価のC(6−13)芳香族有機ラジカル;
=アミド、イミド又はスルホン;
G=−SO−,−S−,−O−,−CH−,−CO−,−SO−,C又はNHCO;
R’=2価のC(6−30)芳香族有機ラジカル
であることを特徴とする請求項9に記載の先進複合材料混合物。
【請求項13】
少なくとも一つのポリマーが、イミドスルホン、エーテル、エーテルスルホン、アミド、イミド、エステル、エステルスルホン、エーテルイミド、アミドイミド、オキサゾール、オキサゾールスルホン、チアゾール、チアゾールスルホン、イミダゾール、及びイミダゾールスルホン、からなる群より選択されることを特徴とする請求項9に記載の先進複合材料混合物。
【請求項14】
Aが少なくとも式:
Φ−O−Φ−SO−Φ−O−Φ−
の断片を含む芳香族又は芳香族/脂肪族イミド残留物であることを特徴とする請求項9に記載の先進複合材料混合物。
【請求項15】
Aがジアンヒドリド及びジアミンの凝縮からなる交替型イミドであることを特徴とする請求項14に記載の先進複合材料混合物。
【請求項16】
Aが芳香族であることを特徴とする請求項14に記載の先進複合材料混合物。
【請求項17】
Aがジアンヒドリドモノマー及びジアミンモノマーの凝縮からなるイミドであり、
前記ジアンヒドリドが:

前記ジアミンが、

又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項9に記載の先進複合材料混合物。

【公表番号】特表2012−530789(P2012−530789A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513940(P2012−513940)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/021972
【国際公開番号】WO2010/141106
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】