説明

スイッチ構造およびこのスイッチ構造を備えた害虫防除装置

【課題】落下等の外力が作用した場合にも、オン・オフを電気的に切り替えるため一方向に往復移動されるスイッチ突起が破損することのないスイッチ構造を提供する。
【解決手段】スイッチ突起3に被せるスイッチカバー4に、スイッチ2をオン・オフするスライド方向Sにはスイッチ突起3を係止するがスライド方向Sに交差する方向Tにはスイッチ突起3を係止しないようにスリット4aが設けられているので、スイッチカバー4はスイッチ突起3に対してスライド方向Sに略垂直に交差する方向Tへ相対移動可能となる。このため、スイッチカバー4にスライド方向Sに交差する方向Tの外力が作用した際には、スイッチカバー4がスイッチ突起3に対して移動するので、スイッチ突起3が破損することはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスイッチ構造およびこのスイッチ構造を備えた害虫防除装置に関し、例えば携帯して使用される害虫防除装置等に使用することができるスイッチ構造及びこのスイッチ構造を備えた害虫防除装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯して使用される害虫防除装置として、害虫防除成分を保持した薬剤保持体をチャンバ内に支持し、チャンバ内に装備されモータにより駆動されるファンの回転により発生する気流を薬剤保持体に当てて、害虫防除成分をチャンバ外に揮散させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような害虫防除装置においては、チャンバ内のモータを電気的にオン・オフするために、スイッチ突起を一方向にスライドさせて切り換えるスイッチが取付けられており、スイッチ突起をスライドさせるスイッチカバーがケース(チャンバ)の外面から突出した構造を有している。したがって、使用者は、スイッチカバーをスライドさせることにより、モータをオン・オフ切り換えて、害虫防除装置を作動あるいは停止させることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2001−197856号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載されている害虫防除装置のように、使用者が携帯する機器においては、使用者の不注意等により機器を落下させる虞がある。このような場合に、落下に伴う衝撃等の外力がケースから突出しているスイッチカバーに作用することにより、スイッチ突起が破損してスイッチのオン・オフ切り替えができなくなり、機器そのものが使用できなくなるという不都合があった。
【0006】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、落下等の衝撃が作用した場合にも、オン・オフを電気的に切り替えるため一方向に往復移動されるスイッチ突起が破損することのないスイッチ構造及びこのスイッチ構造を備えた害虫防除装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、下記の構成により達成される。
(1) スイッチ突起が一方向に往復移動されることにより電気的にオン・オフを切り替えるためのスイッチ構造であって、
使用者が前記オン・オフを操作するため、前記スイッチ突起に被せられるスイッチカバーを更に備え、
当該スイッチカバーは、前記スイッチ突起に被せられる側の面に、前記スイッチ突起に係合して前記使用者の前記一方向の往復運動を伝達するための係合溝を有し、そして
当該係合溝は、前記一方向とは略垂直に交差する方向に所定の長さ又は全面に渡って設けられている
ことを特徴とするスイッチ構造。
(2) 上記(1)のスイッチ構造を備えることを特徴とする害虫防除装置。
【0008】
上記(1)の構成によれば、スイッチカバーのスイッチ突起に被せられる側の面に、スイッチ突起に係合するための係合溝が、電気的にオン・オフするためスイッチ突起が往復移動されるスライド方向(一方向)とは略垂直に交差する方向に所定の長さ又は全面に渡って設けられているので、そのスイッチ突起が静止している際、係合溝はスライド方向にはスイッチ突起を係止するが、スライド方向とは略垂直の方向にはスイッチ突起を係止しないことになる。即ち、スイッチカバーはスイッチ突起に対してスライド方向とは略垂直方向に交差する方向へ相対移動することができる。このため、衝撃が作用し易いスイッチカバーに、スライド方向に交差する方向の衝撃が作用した際には、スイッチカバーがスイッチ突起に対して相対移動して衝撃を吸収することができるので、スイッチ突起の破損を回避することができる。なお、スライド方向の外力が作用した場合には、スイッチ突起はスライド方向に移動可能なので、破損を回避することができ、あまりその衝撃は問題とならない。
上記(2)の構成によれば、例えば、使用者が携帯して使用される害虫防除装置では、使用者の不注意等により装置本体を落下させることが多いが、害虫防除装置のスイッチ構造として、スイッチカバーのスイッチ突起に被せられる側の面に、スイッチ突起に係合するための係合溝が、電気的にオン・オフするためスイッチ突起が往復移動されるスライド方向(一方向)とは略垂直に交差する方向に所定の長さ又は全面に渡って設けられているので、その落下等によりその交差する方向に衝撃が作用した場合、スイッチカバーがスイッチ突起に対して相対移動して衝撃を吸収することができ、スイッチ突起の破損を回避することができる。なお、装置本体の落下等によりスライド方向に外力が作用した場合には、スイッチ突起はスライド方向に移動可能であるので、破損を回避することができ、あまりその衝撃は問題とならない。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、落下等の衝撃が作用した場合にも、オン・オフを電気的に切り替えるため一方向に往復移動されるスイッチ突起が破損することのないスイッチ構造及びこのスイッチ構造を備えた害虫防除装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係る好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係るスイッチ構造を示す斜視図であり、図2はスイッチ構造を用いた回路の一例を示す回路図であり、図3(A)はスイッチ構造におけるスイッチ突起の破損実験の内容を示す説明図であり、図3(B)は本発明のスイッチ構造におけるスイッチ突起の破損実験の内容を示す説明図であり、図4はスイッチ突起の破損実験の結果を示す表である。
【0011】
図1に示すように、本発明に係るスイッチ構造1は、スイッチ2に設けられているスイッチ突起3を一方向(以下、スライド方向Sとも言う。)に往復移動することにより電気的にオン・オフを切り替えるためのものである。スイッチ突起3にはスイッチカバー4がこのスイッチ突起3の上方から被せられ、通常、スイッチカバー4が外部に突出することになるため、使用者はスイッチカバー4を直接操作してそのスライド方向Sに往復移動させることによりスイッチ2のオン・オフを電気的に切り換えることができる。
【0012】
このスイッチ構造1は、例えば図2に示す回路に用いることができる。即ち、使用者がスイッチカバー4を移動させることによりスイッチ突起3をスライド方向Sと平行な方向である、図2中A方向へ移動させて、スイッチ2をオンとすることにより、電気が供給され、このため、例えばモータMが回転すると共にLEDが点灯することになる。また、スイッチカバー4をA方向とは逆方向である、図2中B方向へ移動させてスイッチ2をオフとすることにより、電気の供給が停止され、例えばモータMが停止すると共にLEDが消灯することになる。
【0013】
また、図1に示すように、スイッチ2のスイッチ本体2aの一端辺(上辺)に沿ってスイッチ突起3がスライド方向Sに往復移動可能に設けられており、そしてスイッチ本体2aの上はケース5で覆われている。ケース5にはスイッチ穴5aが設けられており、スイッチ2のスイッチ突起3がこのスイッチ穴5aを介してケース5の上面から突出するようになっている。
一方、スイッチカバー4のスイッチ突起に被せられる側の面、即ち裏面には、スイッチ突起3に係合して使用者のスライド方向Sの往復運動を伝達するための、スリット(係合溝)4aが設けられており、ケース5の上からスイッチ突起3にスイッチカバー4が被せられることにより、スイッチ突起3がスリット4aに係合することになる。
【0014】
そして、スリット4aは、スライド方向Sの幅W1がスイッチ突起3のスライド方向Sの幅W2と略同じとなるように形成され、そして、スライド方向Sと略垂直に交差する方向Tにはスイッチ突起の方向Tの幅寸法よりも長く形成されている。
なお、この方向Tには裏面の全面に渡って形成されてもよい。
【0015】
このため、スイッチカバー4は、スイッチ突起3をスライド方向Sには係止するが、スライド方向Sに略垂直に交差する方向Tにはスイッチ突起3を係止しないことになる。
したがって、使用者がスイッチカバー4をスライド方向Sに往復移動させることにより、スイッチ2のオン・オフを電気的に切り換えることができるが、一方、例えばスライド方向Sと交差する方向Tに予期しない外力等によりスイッチカバー4が移動したとしても、スイッチカバー4がスリット4aに沿って移動するのみであり、スイッチ突起3はスイッチ2に対して静止したままとなる。
【0016】
これにより、スイッチカバー4にスライド方向Sに交差する方向Tの外力が作用した際には、スイッチカバー4がスイッチ突起3に対して相対移動することができるので、その外力による衝撃が逃げ、スイッチ突起3の破損を回避することができる。また、スライド方向Sの外力が作用した場合には、スイッチ突起3はスライド方向Sに移動可能なので、その外力に衝撃が逃げ、破損を回避することができる。
【0017】
次に、本発明の効果を確認するため、本発明が適用されていないスイッチカバー(比較例)と、本発明に係るスイッチカバー(実施例)と、に外力(撃力)が直接作用した場合のスイッチ突起の破損状態を調べる試験について説明する。
<A.スイッチカバー(比較例及び実施例)衝撃試験>
本発明の有用性をより正確に調べるため、比較例として、前述のスリット4aの代わりにスイッチ突起3に嵌合される嵌合凹部が設けられたスイッチカバー4(比較例−1)と、本発明に係るスイッチカバー4(実施例―1)と、を用意し、スイッチカバー4の衝撃試験を行った。この衝撃試験では、マイナスドライバーをスイッチカバー4に4方向からそれぞれ直接当て(図3(A)参照)、ドライバーをハンマーで叩いて撃力(打撃)を加えた。このときの試験結果を図4に示す。
【0018】
なお、最大400〜500Nの荷重が発生するように、プッシュプルゲージにて確認しながらハンマーで叩いた。また、この比較例−1とは、前述の図1に示したスイッチカバー4のスリット4a部の形状が異なるのみであり、他の部分は共通である。即ち、比較例−1において、スイッチ突起3はスイッチカバー4の嵌合凹部7(図3(B)参照)に嵌合されており、スライド方向Sのみならずこのスライド方向Sに略垂直に交差する方向Tにもスイッチ突起3がスイッチカバー4に係止されるものを意味する。一方、本発明に係る実施例―1のスイッチカバー4は、図3(B)に示すように、前述したようにスイッチカバー4にスリット4a(幅1.3mm、深さ1.2mm)が形成されたものであり、即ち、比較例−1のスイッチカバー4における嵌合穴7の方向Tの両側部(図中斜線部分)が削り取られた構成となっている。
【0019】
この衝撃試験の結果、図4に示すように、比較例−1について、方向3へ外力が作用した場合のみスイッチ突起3が破損したことがわかる。これは、スイッチカバー4に作用した衝撃は、どの方向においてもスイッチ突起3に伝達されることになるが、方向2および方向4については、スイッチ突起3のスライド方向Sであるためスイッチ突起3は移動可能であり、衝撃が逃げることになる。また、方向1について、スイッチ本体2aの一端辺においてその衝撃をある程度受け止めることができるものと推察され、このため、スイッチ突起3は破損していないものと考えられる。そして、方向3に衝撃が作用した場合には、図1に示したように、その衝撃の方向にはスイッチ本体2aがないため、スイッチ突起3のみでその衝撃をそのまま受けることになるものと推察され、このため、方向3の場合のみスイッチ突起3が破損しているものと考えられる。
【0020】
一方、本発明に係る実施例−1については、図4に示すように、方向1〜方向4のいずれの衝撃に対しても、スイッチ突起3の破損は見られなかった。これは、方向1および方向3の衝撃がスイッチカバー4に作用すると、スイッチカバー4がスリット4aに沿って移動するのみであり、衝撃はスイッチ突起3に伝達されない。このため、比較例−1においてスイッチ突起3が破損した方向の衝撃に対しても、破損を防止することができたことがわかる。
【0021】
次に、前述した本発明に係るスイッチ構造1を適用した害虫防除装置について説明する。
図5は本発明に係る害虫防除装置の斜視図であり、図6(A)は害虫防除装置の平面図であり、図6(B)は害虫防除装置の正面図であり、図6(C)は害虫防除装置の底面図であり、図7は害虫防除装置の分解斜視図であり、図8は害虫防除装置のケースを落下させた場合のスイッチ突起の破損実験の内容を示す説明図であり、図9は害虫防除装置におけるスイッチ突起の破損実験の結果を示す表である。
なお、前述したスイッチ構造1と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することにする。
【0022】
図5に示すように、害虫防除装置10は、起立した使用者の身につけて使用する。ここでは、害虫防除装置10が、ベルトBを介して使用者の身につけられおり、そして害虫防除装置10は、チャンバ11と薬剤保持体20とを主に備えて構成されている。
【0023】
図6(A)〜(C)および図7に示すように、チャンバ11は、平板及び当該平板に立設された周壁を有する、表側器体12a、中間器体12b及び裏側器体12cを組み合せて構成される。各平板は、長方形板の一端を半円板状にした形状であって、周壁は、平板の周りに円弧状に延びる円弧部分と、平板の周りに直線状に延びる直線部分とを有している。
【0024】
図5及び図6に示すように、表側器体12aの周壁には、薬剤保持体20を挿入するための挿入開口15が設けられている。また、表側器体12aの平板上部には、チャンバ11内に外気を取り入れるための吸気口21が設けられている。吸気口21は所定のパターンで配列された複数のスリット21aからなっている。図中、イチョウの葉を描くが如く表現するように配列された複数のスリット21aにより構成されている。また、平板下部には、後述するスイッチ2のスイッチカバー4を突出させるスイッチ開口16が設けられている(図7参照)。
【0025】
中間器体12bの上部周壁には、起立した使用者の身につけられた状態におけるチャンバ11の上部となる上部排気口13aが設けられている。また、起立した使用者の身につけられた状態におけるチャンバ11の下部となる下部排気口13bが設けられている。一方、中間器体12bの平板上部には、ファンFを収容する円形の開口17aが設けられており、平板下部にはスイッチ突起3を前方へ突出させるためのスイッチ開口17bが設けられている(図7参照)。
【0026】
裏側器体12cの平板には、害虫防除装置10を設置面(ここでは使用者の胴体表面)に係止する保持手段であるクリップ19が設けられている。また、裏側器体12cには、電池を出し入れする電池収納室の開口を塞ぐ蓋部材18が取り付けられている。裏側器体12cの内部空間14aには、ファンFを回転させるモータMが取付けられている。また、裏側器体12cの下部内面14bには、モータMのオン・オフを電気的に切り換えるスイッチ2が設けられており、スライド方向Sに往復移動自在のスイッチ突起3が前方(図7において上方)に突出して設けられている。
【0027】
したがって、裏側器体12cに中間器体12bを被せて取付ける際には、まず、裏側器体12cに設けられているスイッチ2のスイッチ突起3を、中間器体12bのスイッチ開口17bから突出させる。そして、ファンFをモータMの回転軸に取付け、スイッチ突起3にスイッチカバー4を嵌め込む。前述したように、スイッチカバー4にはスリット4aが設けられているので、このスリット4aにスイッチ突起3を合わせる。そして、表側器体12aを取付ける際には、スイッチカバー4がスイッチ開口16から突出するようにする。
【0028】
これにより、スイッチカバー4をスライド方向Sへ移動させることによりスイッチ突起3を移動させることができ、害虫防除装置10の使用者がモータMのオン・オフを電気的に容易に切り換えることができる。
なお、スイッチカバー4がスライド方向Sと交差する方向Tへ移動可能であることは、スイッチ構造1において前述で説明したとおりである。
【0029】
そして、図5に示すように、薬剤保持体20は、円環状の枠体25と、枠体25の中央に配置された略円板状の中央部27と、中央部27から枠体25に放射状に延びる桟27aと、枠体25、中央部27及び桟27aによって区画される複数の開口に架け渡されたネット状部材26とを備えている。ネット状部材26は、外形が略円形であり、その外周縁部を枠体25に支持され、このネット状部材26には、害虫防除成分を含む薬剤が保持されている。枠体25の内周径は、吸気口21である桟を設けた円形開口の外径より大きくされている。また、薬剤保持体20の枠体25の一端部には平板状の係合突起28が設けられており、装着時に、チャンバ11内部にその係合突起28に対応した形状で設けられた係合凹部(不図示)に挿嵌されることになる。この係合突起28及び係合凹部の係合により、チャンバ11内部に着脱自在に保持されるだけではなく、害虫防除装置10が揺動して逆さになってしまった場合にも、チャンバ11内部に確実に保持される。
【0030】
この薬剤保持体20は、図中矢印Xで示すように、チャンバ11の挿入開口15を介してチャンバ11内に挿着される。そして、吸気口21である円形開口の中心を通る平板に垂直な軸と同軸状にチャンバ11内に備えられたファンと、吸気口21との間に薬剤保持体20は配置されることになる。
【0031】
次に、害虫防除装置10に落下等の衝撃が作用した場合におけるスイッチ突起3の破損状態を調べる試験について説明する。
【0032】
<B.害虫防除装置衝撃(落下)試験>
図8に示すように、実際の使用態様に近い状態での衝撃を確認するため、害虫防除装置を種々の高さに吊るした状態からコンクリート地面に落下させて衝撃を与え、スイッチ突起3の破損状態を調べた。
【0033】
図9には、本発明が適用されていない比較例−2、及び本発明に係る実施例−2についての試験結果が示されている。
なお、比較例−2とは、前述した図1に示したスイッチカバー4のスリット4a部の形状が異なるのみであり、他の部分は共通である。即ち、比較例−2において、スイッチ突起3はスイッチカバー4の嵌合凹部7(図3(B)参照)に嵌合されており、スライド方向Sのみならずこのスライド方向Sに略垂直に交差する方向Tにもスイッチ突起3がスイッチカバー4に係止されるものを意味し、このように形成されたスイッチカバーを備えた害虫防除装置10を指し示す。一方、実施例−2とは、スイッチカバー4にスリット4aが形成されたものであり、本発明のスイッチ構造1を備えた害虫防除装置10を指し示している。
【0034】
衝撃試験の結果、図9に示すように、比較例−2においては70cm及び100cmの高さから落下させた場合に破損が確認された。
一方、図9に示すように、スリット4aが形成された本発明に係る実施例−2については、70cm、100cm、150cmのいずれの高さから落下させた場合でも、スイッチ突起3の破損は確認されなかった。
【0035】
以上、説明した害虫防除装置10によれば、スイッチカバー4の裏面に、スイッチ突起3に係合するためのスリット4aが、電気的にオン・オフするためのスイッチ突起3に対してスライド方向Sとは略垂直に交差する方向Tにその全面に渡って設けられているので、例えば害虫防除装置10が落下した場合等、方向Tに衝撃等の外力が作用したとき、スイッチカバー4はスイッチ突起3に対して相対移動して衝撃を吸収することができ、スイッチ突起3の破損を回避することができる。
なお、害虫防除装置10の落下等によりスライド方向Sの衝撃が作用した場合には、スイッチ突起3はスライド方向Sに移動可能なので、破損を回避することができる。
【0036】
なお、本発明のスイッチ構造は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
例えば、前述した実施形態において、スイッチ突起3の形状を矩形断面とした場合について例示したが、円形断面等にすることもできる。また、スリット4aをスイッチカバー4の裏面で全面に渡って設けたが、スイッチ突起3の破損が回避できればよく、より具体的には、前述の方向Tでスイッチカバー4がスイッチ突起3に対して相対移動し得る寸法長さでスリット4aが設けられていればよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係るスイッチ構造を示す斜視図である。
【図2】スイッチ構造を用いた回路の一例を示す回路図である。
【図3】(A)はスイッチ構造におけるスイッチ突起の破損実験の内容を示す説明図であり、(B)は本発明のスイッチ構造におけるスイッチ突起の破損実験の内容を示す説明図である。
【図4】スイッチ突起の破損実験の結果を示す表である。
【図5】本発明に係る害虫防除装置の斜視図である。
【図6】(A)は害虫防除装置の平面図であり、(B)は害虫防除装置の正面図であり、(C)は害虫防除装置の底面図である。
【図7】害虫防除装置の分解斜視図である。
【図8】害虫防除装置のケースを落下させた場合のスイッチ突起の破損実験の内容を示す説明図である。
【図9】害虫防除装置におけるスイッチ突起の破損実験の結果を示す表である。
【符号の説明】
【0038】
1 スイッチ構造
2 スイッチ
3 スイッチ突起
4 スイッチカバー
4a スリット(係合溝)
10 害虫防除装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチ突起が一方向に往復移動されることにより電気的にオン・オフを切り替えるためのスイッチ構造であって、
使用者が前記オン・オフを操作するため、前記スイッチ突起に被せられるスイッチカバーを更に備え、
当該スイッチカバーは、前記スイッチ突起に被せられる側の面に、前記スイッチ突起に係合して前記使用者の前記一方向の往復運動を伝達するための係合溝を有し、そして
当該係合溝は、前記一方向とは略垂直に交差する方向に所定の長さ又は全面に渡って設けられている
ことを特徴とするスイッチ構造。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ構造を備えることを特徴とする害虫防除装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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