スカラロボット
【課題】 作動軸の交換作業が簡単になるスカラロボットを提供すること。
【解決手段】 回転中心を中心として水平方向に回転可能に設けられた第2アーム20と、第2アーム20の先端側に配置され、上下方向に移動する中空の作動軸31と、作動軸31に挿通された可撓性を有する線条部材とを備えたスカラロボットにおいて、線条部材を、内部配線34と外部配線34a,34bとからなる接続配線と、内部配管35と外部配管35a,35bとからなる接続配管とで構成した。そして、作動軸31に、内部配線34と内部配管35とを一体に組み付けて作動軸組付体30を構成した。
【解決手段】 回転中心を中心として水平方向に回転可能に設けられた第2アーム20と、第2アーム20の先端側に配置され、上下方向に移動する中空の作動軸31と、作動軸31に挿通された可撓性を有する線条部材とを備えたスカラロボットにおいて、線条部材を、内部配線34と外部配線34a,34bとからなる接続配線と、内部配管35と外部配管35a,35bとからなる接続配管とで構成した。そして、作動軸31に、内部配線34と内部配管35とを一体に組み付けて作動軸組付体30を構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平方向に回転可能に設けられたアームの先端に、中空の作動軸を移動可能に設けるとともに、作動軸の内部に配線や配管からなる線条部材を通したスカラロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子部品の実装にアームや作動軸を備えたスカラロボットが用いられている。このようなスカラロボットの中に、配線や配管がアームの移動の邪魔にならないようにするために、中空の作動軸を用いて、配線や配管を作動軸の内部に配置したものがある(例えば、特許文献1参照)。このロボットは、ロボット基台を備えたロボットコラムと、ロボットコラムの上端に水平方向に回転可能に設けられた第1アームと、第1アームの先端に水平方向に回転可能に設けられた第2アームとを備えている。そして、第2アームの先端に取付シャフトが設けられ、この取付シャフト内に上下動および回転動が可能になった中空のロボットスプラインシャフトが設置されている。
【0003】
また、ロボットスプラインシャフトの下部には、電磁弁を備えたエアマニホールド、リモート端末制御プリント基板および圧縮エアの供給により作動するハンドやツールなどが取り付けられている。そして、ロボットコラムから第2アームを介して延びてくるケーブルやエア配管が、ロボットスプラインシャフトの上端開口からロボットスプラインシャフトの内部を挿通しロボットスプラインシャフトの下端開口から外部に引き出されている。ケーブルの先端はリモート端末制御プリント基板の端子に接続され、エア配管の先端はエアマニホールドの接続口に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−277178号公報
【発明の概要】
【0005】
前述した従来のスカラロボットでは、ロボットスプラインシャフトが破損した場合などには交換する必要があるが、この交換の際に、まず、ケーブルやエア配管をロボットスプラインシャフトから抜いたのちに、ロボットスプラインシャフトを取り外さなければならない。そして、新たなロボットスプラインシャフトを取り付けたのちに、ロボットスプラインシャフトにケーブルやエア配管を通さなければならず、ロボットスプラインシャフトの交換に手間と時間とがかかる。また、ケーブルの先端をリモート端末制御プリント基板の端子に着脱したり、エア配管の先端をエアマニホールドの接続口に着脱したりする作業も必要であるため、さらに、手間と時間とがかかる。
【0006】
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、その目的は、作動軸の交換作業が簡単になるスカラロボットを提供することである。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
【0007】
前述した目的を達成するため、本発明に係るスカラロボットの構成上の特徴は、一端側に位置する回転中心部(23)を中心として水平方向に回転可能に設けられたアーム(20)と、アームの他端側に配置され、上下方向に移動する中空の作動軸(31,61)と、作動軸に挿通された可撓性を有する線条部材とを備えたスカラロボット(A,B)であって、線条部材は、作動軸の内部に位置する部分を含む内部線条部材(34,35,64)と、内部線条部材に着脱可能に接続され作動軸の外部に位置する外部線条部材(34a,34b,35a,35b,64a,64b)とを含み、作動軸と内部線条部材とで一体の作動軸組付体(30,60)を構成したことにある。
【0008】
本発明に係るスカラロボットでは、線条部材に、少なくとも、作動軸の内部に位置する部分を含む内部線条部材と、内部線条部材に着脱可能に接続され作動軸の外部に位置する外部線条部材とで構成される接続された線条部材を含ませている。そして、中空の作動軸にそのまま接続された線条部材を通すのではなく、接続される線条部材の内部線条部材を作動軸に一体に組み付けて作動軸組付体を構成し、その内部線条部材に外部線条部材を着脱可能に接続している。このため、作動軸を取り替える際には、外部線条部材と内部線条部材との接続を解除して、作動軸と内部線条部材とを一緒にアームから取り外し、新たな作動軸組付体をアームに取り付けたのちに、外部線条部材と内部線条部材とを接続することができる。
【0009】
この結果、接続された外部線条部材と内部線条部材との全体を作動軸から抜き取ったり、作動軸に挿入したりする作業が不要になる。このため、メンテナンスや取り替えのために、作動軸をアームに対して着脱する作業が容易になる。なお、本発明においては、線条部材は単数であっても複数であってもよいが、外部線条部材と内部線条部材とを接続した線条部材が少なくとも1つは含まれるものとする。また、外部線条部材と内部線条部材との接続は、外部線条部材と内部線条部材との端部にそれぞれ互いに着脱可能になった接続端子などを設けることによって行ってもよいし、作動軸の開口部にコネクタなどの接続部材を設け、この接続部材を介して行ってもよい。
【0010】
さらに、内部線条部材は、作動軸の内部に位置する部分だけで構成してもよいし、作動軸の内部に位置する部分と外部に位置する部分の一部とで構成してもよい。この場合の内部線条部材の外部に位置する部分は、基端部側で作動軸の外部に位置する部分または先端部側で作動軸の外部に位置する部分とすることが好ましく、基端部側と先端側との双方で作動軸の外部に位置する部分を含む場合には、その長さは、作動軸の内部に位置する部分の長さに比べて極短いものとしておく。
【0011】
本発明に係るスカラロボットの他の構成上の特徴は、内部線条部材と外部線条部材とを接続する接続部材(32,33,62,63)をさらに備え、接続部材を作動軸の外部に配設したことにある。本発明によると、内部線条部材と外部線条部材との接続が容易になる。
【0012】
本発明に係るスカラロボットのさらに他の構成上の特徴は、内部線条部材は内部配線(34,64)を含み、外部線条部材は外部配線(34a,34b,64a,64b)を含むことにある。本発明に係るスカラロボットでは、接続された内部配線と外部配線とからなり、スカラロボットに備わっている各装置間を電気的に接続する配線を、作動軸を介して目的の部分に延ばすことができる。
【0013】
本発明に係るスカラロボットのさらに他の構成上の特徴は、内部線条部材は内部配管(35)を含み、外部線条部材は外部配管(35a,35b)を含むことにある。本発明に係るスカラロボットでは、内部配管と外部配管とからなり、スカラロボットに備わっている所定の装置に空気を送ったり所定の装置を吸引したりするための接続配管を、作動軸を介して目的の部分に延ばすことができる。
【0014】
本発明に係るスカラロボットのさらに他の構成上の特徴は、外部線条部材は、作動軸の外部側から作動軸の上端部に延びる基端側線条部材(34a,35a,64a)を含むことにある。本発明によると、外部線条部材に、基端側線条部材が含まれるため、スカラロボットの本体側から作動軸に向かって延びる基端側線条部材の先端部を作動軸の内部に取り付けられた内部線条部材の上端部に着脱可能に接続できる。
【0015】
本発明に係るスカラロボットのさらに他の構成上の特徴は、接続部材は、作動軸の上端開口に、内部線条部材の上端部が連結されるとともに、基端側線条部材の先端部が着脱可能になった上端接続部材(32,62)を含むことにある。本発明によると、作動軸の上端開口に設けられ内部線条部材の上端部が連結された上端接続部材に対して、基端側線条部材の先端部を着脱可能にしているため、基端側線条部材と内部線条部材とを接続したり接続を解除したりする操作が容易になる。
【0016】
本発明に係るスカラロボットのさらに他の構成上の特徴は、外部線条部材は、作動軸の下端部から作動軸の外部に延びる先端側線条部材(34b,35b,64b)を含むことにある。本発明によると、外部線条部材に、先端側線条部材が含まれるため、作動軸から作動軸の下方に配置された所定の装置に向かって延びる先端側線条部材の基端部を作動軸の内部に取り付けられた内部線条部材の下端部に着脱可能に接続できる。さらに、外部線条部材を、基端側線条部材と先端側線条部材とで構成した場合には、基端側線条部材の先端部と先端側線条部材の基端部とを、それぞれ作動軸の内部に取り付けられた内部線条部材の対応する端部に着脱可能に接続できる。
【0017】
本発明に係るスカラロボットのさらに他の構成上の特徴は、接続部材は、作動軸の下端開口に、内部線条部材の下端部が連結されるとともに、先端側線条部材の上端部が着脱可能になった下端接続部材(33,63)を含むことにある。本発明によると、作動軸の下端開口に設けられ内部線条部材の下端部が連結された下端接続部材に対して、先端側線条部材の基端部を着脱可能にしているため、先端側線条部材と内部線条部材とを接続したり接続を解除したりする操作が容易になる。
【0018】
本発明に係るスカラロボットのさらに他の構成上の特徴は、作動軸の上端開口近傍で、線条部材(34a,35a,64a,65)を保持する保持部材(53,66)をさらに備えたことにある。
【0019】
本発明によると、線条部材における作動軸の上部に位置する部分が保持部材によって保持されるため、作動軸が移動する際に、線条部材が振り回されてその作動軸の上部に位置する部分が破損することがなくなる。なお、線条部材は、作動軸の上端開口の上方に固定しておくことが好ましく、これによると、線条部材が作動軸の上端開口の周縁部に擦られて消耗することを防止できる。
【0020】
本発明に係るスカラロボットのさらに他の構成上の特徴は、作動軸(61)の上部に上部貫通穴(61a)が設けられているとともに、線条部材は、作動軸の上方から作動軸を挿通して作動軸の下方に連続して延びる連続線条部材(65)を含み、連続線条部材が、上部貫通穴から作動軸の内部に挿入されていることにある。
【0021】
本発明によると、作動軸内に組み込まれた内部線条部材と、内部線条部材に接続されて作動軸の外部に位置する外部線条部材とからなる接続された線条部材の他に、作動軸の外部から作動軸の上部を通過して内部に延びる連続線条部材を用いる場合に、連続線条部材を、作動軸の上端開口を通さずに作動軸内に通すことができる。例えば、作動軸の上端開口に、内部線条部材の上端部を固定するための接続部材を取り付けた場合には、複数の線条部材のすべてを作動軸の上端開口から作動軸の内部に挿入することが難しくなることがある。
【0022】
このような場合に、作動軸に組み込まれた内部線条部材以外の連続線条部材を、作動軸の上部貫通穴から作動軸の内部に挿入することができる。このため、作動軸の上端開口に、内部線条部材の端部を固定するための接続部材を取り付けても、その接続部材が、連続線条部材を作動軸内に通す際の邪魔にならなくなる。この場合、作動軸の下端開口には、連続線条部材が通過できるスペースを設けておく。
【0023】
本発明に係るスカラロボットのさらに他の構成上の特徴は、作動軸の下部に下部貫通穴(61b)が設けられているとともに、線条部材は、作動軸の上方から作動軸を挿通して作動軸の下方に連続して延びる連続線条部材を含み、連続線条部材が、下部貫通穴から作動軸の外部に延びていることにある。
【0024】
本発明によると、作動軸内に組み込まれた内部線条部材と、内部線条部材に接続されて作動軸の外部に位置する外部線条部材とからなる接続された線条部材の他に、作動軸の内部を通過して作動軸の下部から外部に延びる連続線条部材を用いる場合に、連続線条部材を、作動軸の下端開口を通さずに作動軸の外部に通すことができる。例えば、作動軸の下端開口に、内部線条部材の下端部を固定するための接続部材を取り付けた場合には、複数の線条部材のすべてを作動軸の下端開口から作動軸の外部に引き出すことが難しくなることがある。
【0025】
このような場合に、作動軸に組み込まれた内部線条部材以外の連続線条部材の先端側部分を、作動軸の下部貫通穴から作動軸の外部に引き出すことができる。このため、作動軸の下端開口に、内部線条部材の下端部を固定するための接続部材を取り付けても、その接続部材が、連続線条部材を作動軸の外部に引き出す際の邪魔にならなくなる。この場合、作動軸の上端開口には、連続線条部材が通過できるスペースを設けておく。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態に係るスカラロボットを示した斜視図である。
【図2】図1のスカラロボットの作動軸が下降した状態を示した斜視図である。
【図3】スカラロボットの内部を示した断面図である。
【図4】作動軸組付体を示した断面図である。
【図5】Z軸ボールネジナットとR軸ボールスプラインナットとが取り付けられた作動軸を示した斜視図である。
【図6】Z軸ボールネジナットとR軸ボールスプラインナットとが取り付けられた作動軸を示した断面図である。
【図7】スカラロボットにおけるカバーの内部を拡大して示した断面図である。
【図8】外部配線および外部配管を作動軸の上端接続部材に固定した状態を示した斜視図である。
【図9】外部配線と外部配管との先端部を作動軸の上端接続部材に接近させた状態を示した斜視図である。
【図10】外部配線と外部配管との先端部を作動軸の上端接続部材に接続させた状態を示した斜視図である。
【図11】外部配線と外部配管との基端部を作動軸の下端接続部材に接近させた状態を示した斜視図である。
【図12】外部配線と外部配管との基端部を作動軸の下端接続部材に接続させた状態を示した斜視図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係るスカラロボットを示した斜視図である。
【図14】図13のスカラロボットの内部を示した断面図である。
【図15】外部配線のコネクタを上端接続部材の配線コネクタに接近させた状態を示した斜視図である。
【図16】外部配線のコネクタを上端接続部材の配線コネクタに接続させた状態を示した斜視図である。
【図17】外部配線と連続配管とをステーを介して上端接続部材の上面に固定した状態を示した斜視図である。
【図18】外部配線のコネクタを下端接続部材の配線コネクタに接近させた状態を示した斜視図である。
【図19】外部配線のコネクタを下端接続部材の配線コネクタに接続させた状態を示した斜視図である。
【図20】図19の状態からさらに下部貫通穴から外部に引き出された連続配管の先端部をハンドに取り付けられた作業装置に接続した状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係るスカラロボットを図面を用いて説明する。図1および図2は、同実施形態に係るスカラロボットAを示している。このスカラロボットAはベース部10と、第1アーム18と、第2アーム20と、作動軸組付体30と、第2アーム20に設けられて作動軸組付体30を移動させる昇降回転駆動装置40とを備えている。ベース部10は床や台等に固定設置されており、図3に示したように、矩形箱形のケース11と、ケース11内の上部に固定設置されたモータ12と、モータ12の上部に組み付けられケース11の上面部11aに固定設置された減速機13とを備えている。以下の説明において、上下方向および左右方向は、図3に基づいて記載する。
【0028】
ケース11の上面部11aにおける左側部分に取付用穴11bが形成されており、モータ12と減速機13とは、この取付用穴11bを介して上面部11aに取り付けられている。モータ12は、モータケース12aに軸受を介して回転自在に支持された回転軸12b、回転軸12bの外周に設けられたロータ、ロータの外周に対向して配置されたステータおよび回転検出用レゾルバなどで構成されている。このモータ12は、回転軸12bを上方に向けて突出させるとともに、取付用穴11b内を下方から上方に向かって貫通させて、後述する減速機13の入力部13aに連結させており、モータケース12aを上面部11aの下面に固定することにより、ケース11に組み付けられている。
【0029】
減速機13は、ハーモニックドライブ(登録商標)として知られているもので、詳細は省略するが、モータ12の回転軸12bに連結された入力部13aと、第1アーム18に連結された出力部13bとを備えている。そして、出力部13bの円筒部分の外周にはベアリング14が設けられており、このベアリング14によって、第1アーム18は、ケース11に対して回転可能な状態で支持されている。また、モータ12の駆動力は、回転軸12b、入力部13aおよび出力部13bを介して減速されて第1アーム18に伝達される。
【0030】
ケース11の右側面部11cの上部には、後述するカバー37に向かって延びる可撓性のあるケーブル15の基端部が取付部材15aによって固定されている。ケーブル15の内部には、各種の配線や吸引用の配管等が収容されている。また、ケース11の右側面部11cの下部には、ケース11内の各種の配線や吸引用の配管等の各端部を、ケース11の外側の配線16に接続するための配線用コネクタ16aおよび外側の配管(図示せず)に接続するための配管用継手17が設けられている。この配線用コネクタ16aとケーブル15内の配線、および配管用継手17とケーブル15内の配管とは、それぞれケース11内で接続されている。
【0031】
第1アーム18は、長円形の板状に形成されている。第1アーム18の下面における右側部分には取付用凹部が形成されており、この取付用凹部に減速機13の出力部13bが固定されている。そして、第1アーム18の上面における左側部分にも同様の取付用凹部が形成され、その取付用凹部に、減速機22が取り付けられている。さらに、減速機22を介して第2アーム20が取り付けられている。
【0032】
第2アーム2は、長円状の板状に形成されており、その右側部分には、上下に貫通する取付用穴23が形成されている。そして、モータ21は、回転軸21bを下方に向けて突出させて、取付用穴23内を上方から下方に向かって貫通させ、モータケース21aを第2アーム20の上面に固定させて、第2アーム20に組み付けられている。このモータ21は、前述したモータ12と上下方向の位置が逆になっているが、同じ構造のもので構成されている。なお、本実施形態においては、第2アーム20で本発明に係るアームが構成され、第2アーム20における取付用穴23が形成された部分で本発明に係る回転中心部が構成される。
【0033】
減速機22も、前述した減速機13と上下方向の位置が逆になっているが、同じ構造のもので構成されており、モータ21の回転軸21bに連結された入力部22aと第1アーム18に連結された出力部22bとを備えている。減速機22は、モータ21の回転軸21bの回転を減速して第1アーム18に伝達する。そして、出力部22bの円筒部分の外周にベアリング24が設けられている。このベアリング24を介して、第2アーム20は、第1アーム18に対して回転可能な状態で支持される。また、モータ21の駆動力は回転軸21b、入力部22aおよび出力部22bを介して第1アーム18に伝達される。第2アーム20の左側部分には、後述する作動軸組付体30を挿通させる取付用穴25が形成されている。
【0034】
作動軸組付体30は、図4に示したように、中空の作動軸31の上端開口に上端接続部材32を取り付け、下端開口に下端接続部材33を取り付けるとともに、上端接続部材32と下端接続部材33との間をそれぞれ、内部配線34と内部配管35とで接続した一体からなる構成をしている。作動軸31は、図5および図6に示したように、中空の鋼製のボールネジボールスプラインシャフトで構成されている。この作動軸31の外周部には、軸周り方向に回転しながら軸方向に延びる螺旋状のボールネジ溝31aと、軸周り方向に間隔を保って軸方向に延びる複数のボールスプライン溝31bとが形成されている。
【0035】
上端接続部材32は、肉厚円板状のブッシュフランジ32aの中央部分に、それぞれ上下に連通する複数の穴部を設け、この穴部の両側にそれぞれ配線コネクタ32bと配管継手32cを設けて構成されている。そして、上端接続部材32は、一対の配線コネクタ32bと一対の配管継手32cとをそれぞれ作動軸31の内部側と外部側とに突出させて作動軸31の上端開口内部に取り付けられている。なお、作動軸31の内部側に位置する配線コネクタ32bと配管継手32cとは、内部配線34と内部配管35に覆われて、図4では見えない。
【0036】
下端接続部材33は、肉厚円板状のブッシュフランジ33aの内部に、それぞれ上下に連通する複数の穴部を設け、この穴部の両側にそれぞれ配線コネクタ33bと配管継手33cを設けて構成されている。下端接続部材33は、一対の配線コネクタ33bと一対の配管継手33cとをそれぞれ作動軸31の内部側と外部側とに突出させて作動軸31の下端開口内部に取り付けられている。なお、作動軸31の内部側に位置する配線コネクタ33bと配管継手33cも、内部配線34と内部配管35に覆われて、図4では見えない。
【0037】
上端接続部材32と下端接続部材33とは、それぞれ配線コネクタ32bと配線コネクタ33bおよび配管継手32cと配管継手33cが互いに対向するようにして、作動軸31の開口に対してねじ止めまたは圧入することによって固定されている。そして、作動軸31の内部側の配線コネクタ32bと配線コネクタ33bとに内部配線34の両端部が接続され、作動軸31の内部側の配管継手32cと配管継手33cとに内部配管35の両端部が接続されている。なお、上端接続部材32および下端接続部材33をねじ止めによって作動軸31に取り付ける場合には、上下のねじを逆方向に形成して、内部配線34と内部配管35とに捻じれが生じないようにする。
【0038】
また、図5および図6に示した作動軸31には、後述する昇降回転駆動装置40に備わったZ軸ボールネジナット42と、R軸ボールスプラインナット46とが取り付けられている。Z軸ボールネジナット42の内面には、ボールネジ溝31aに係合できる複数の鋼球が配置されており、この複数の鋼球をボールネジ溝31aに係合させて、Z軸ボールネジナット42は作動軸31に組み付けられる。また、R軸ボールスプラインナット46の内面には、複数のボールスプライン溝31bにそれぞれ係合できる複数の鋼球が配置されており、この複数の鋼球をボールスプライン溝31bに係合させて、R軸ボールスプラインナット46は作動軸31に組み付けられる。
【0039】
昇降回転駆動装置40は、図7に示したように、第2アーム20の上面における中央部と左側部分とにかけて設けられており、作動軸組付体30を上下方向に移動させたり、軸周り方向に回転させたりする。この昇降回転駆動装置40は、第2アーム20の上面に設けられたカバー37によって上方と周囲とを囲われており、Z軸駆動装置41と、R軸駆動装置45と、支持スペーサ49とを備えている。カバー37の上面左側における第2アーム20の取付用穴25の上方に位置する部分には、挿通穴37aが形成されており、作動軸組付体30は、取付用穴25を垂直に挿通して、その上端部は、挿通穴37aを貫通してカバー37の外部に延びている。
【0040】
Z軸駆動装置41は、Z軸ボールネジナット42と、Z軸モータ43と、Z軸ボールネジナット42に連結された状態で作動軸組付体30の外周に設けられたプーリ44と、Z軸モータ43の回転軸に設けられたプーリ43aと、プーリ44とプーリ43aとに掛け渡されたタイミングベルト43bとを備えている。Z軸モータ43は、回転軸を上方に向けて配置されており、プーリ44、プーリ43aおよびタイミングベルト43bは、カバー37内の左上部で水平左右方向に延びるように配置されている。Z軸モータ43が作動すると、その駆動力が、回転軸からプーリ43a、タイミングベルト43bおよびプーリ44を介してZ軸ボールネジナット42に伝達される。
【0041】
Z軸ボールネジナット42は、内輪42a、外輪42bおよび内輪42aと外輪42bとの間に配置された複数の球形の転動体42cからなるボールベアリングで構成されており、プーリ44は、内輪42aの上面に、ねじ44aによって固定されている。また、Z軸ボールネジナット42の外輪42bは、支持スペーサ49によって支持されている。支持スペーサ49は、略円筒状に形成された支持部材で構成されており、中心軸を取付用穴25の中心に合わせて第2アーム20の上面に設置されている。
【0042】
この支持スペーサ49は、高さの低い円筒状に形成された支持台49aと、支持台49aの上部に配置された二つの部材からなる支持部49bとで構成されている。支持部49bは左右に分割された2つの部材を合わせることにより略円筒状になるように構成されており、2つの部材間には上下に延びる隙間が形成されている。外輪42bの外周上端部にはフランジ42dが形成されており、外輪42bは、外周面を支持部49bの内面に当てフランジ42dを支持部49bの上端から外部側に延ばした状態で支持部49bの上部に固定されている。なお、Z軸モータ43は、支持スペーサ49の右側近傍に設置されている。また、前述したボールネジ溝31aに係合する複数の鋼球は、内輪42aの内周面に配置されている。
【0043】
R軸駆動装置45は、R軸ボールスプラインナット46と、R軸モータ47と、R軸ボールスプラインナット46に連結された状態で作動軸組付体30の外周に設けられたプーリ48と、R軸モータ47の回転軸に設けられたプーリ47aと、プーリ48とプーリ47aとに掛け渡されたタイミングベルト47bとを備えている。R軸モータ47は、回転軸を下方に向けてZ軸モータ43の右側に配置されている。そして、プーリ48、プーリ47aおよびタイミングベルト47bは、カバー37内の左下部で水平左右方向に延びるように配置されている。なお、支持台49aの右側部分には開口が形成されており、タイミングベルト47bは、この開口を通って支持スペーサ49の内部と外部との間に掛け渡されている。R軸モータ47が作動すると、その駆動力が、回転軸からプーリ47a、タイミングベルト47bおよびプーリ48を介してR軸ボールスプラインナット46に伝達される。
【0044】
R軸ボールスプラインナット46は、内輪46a、外輪46bおよび内輪46aと外輪46bとの間に配置された複数の球形の転動体46cからなるボールベアリングで構成されており、プーリ48は、内輪46aの下面に、ねじ48aによって固定されている。また、R軸ボールスプラインナット46の外輪46bの外周下端部にはフランジ46dが形成されており、外輪46bは、外周面を支持部49bの内面に当てフランジ46dを支持部49bの下端と支持台49aの上端との間で外部側に延ばした状態で支持スペーサ49に固定されている。なお、前述したボールスプライン溝31bに係合する複数の鋼球は、内輪46aの内周面に配置されている。
【0045】
このように構成したため、R軸駆動装置45のR軸モータ47を停止させた状態で、Z軸駆動装置41のZ軸モータ43を上方から見て回転軸が反時計周り方向に回転するように作動させると、作動軸組付体30は、回転することなく下降する。この場合、R軸モータ47が停止していることによってR軸ボールスプラインナット46の内輪46aも停止状態に維持され、作動軸組付体30は、ボールスプライン溝31bと内輪46aの複数の鋼球との係合により回転できなくなる。そして、Z軸モータ43の作動により、Z軸ボールネジナット42の内輪42aが回転するため、作動軸組付体30は、ボールネジ溝31aの内輪42aの複数の鋼球に対する係合位置を変更させながら下降していく。また、R軸モータ47を停止させた状態で、Z軸モータ43を上方から見て回転軸が時計周り方向に回転するように作動させると、作動軸組付体30は、回転することなく上昇する。
【0046】
つぎに、Z軸駆動装置41のZ軸モータ43を停止させた状態で、R軸駆動装置45のR軸モータ47を上方から見て回転軸が反時計周り方向に回転するように作動させると、作動軸組付体30は、回転しながら上昇する。この場合、R軸モータ47の作動により、R軸ボールスプラインナット46の内輪46aが回転するため、作動軸組付体30は、ボールスプライン溝31bと内輪46aの複数の鋼球との係合により回転しようとする。そして、Z軸モータ43が停止していることによって、作動軸組付体30は、ボールネジ溝31aの内輪42aの複数の鋼球に対する係合位置を変更させながら上昇していく。また、Z軸モータ43を停止させた状態で、R軸モータ47を上方から見て回転軸が時計周り方向に回転するように作動させると、作動軸組付体30は、回転しながら下降する。
【0047】
さらに、R軸駆動装置45のR軸モータ47を上方から見て回転軸が反時計周り方向に回転するように作動させるとともに、Z軸駆動装置41のZ軸モータ43を、R軸モータ47と同速度で上方から見て回転軸が反時計周り方向に回転するように作動させると、作動軸組付体30は、上下移動することなく反時計周り方向に回転する。この場合、R軸モータ47の作動により作動軸組付体30は回転しながら上昇しようとするが、Z軸モータ43の作動により作動軸組付体30は下降しようとするため、作動軸組付体30は上下移動することなく、反時計周り方向に回転する。また、R軸モータ47とZ軸モータ43とを上方から見て回転軸が時計周り方向に回転するように作動させて、Z軸ボールネジナット42の内輪42aと、R軸ボールスプラインナット46の内輪46aとを同速度で回転させると、作動軸組付体30は、上下移動することなく時計周り方向に回転する。
【0048】
このように、Z軸モータ43とR軸モータ47とをそれぞれ単独で作動させたり、Z軸モータ43とR軸モータ47との作動を組み合わせたりすることにより、作動軸組付体30を所定の方向に回転させたり、上下方向に移動させたりすることができる。また、Z軸モータ43とR軸モータ47とには、それぞれブレーキが備わっており、これによって、Z軸モータ43とR軸モータ47との作動が停止しているときに、作動軸組付体30が不意に下降したり回転したりすることが防止される。また、Z軸モータ43とR軸モータ47とにそれぞれ回転速度を減速してプーリ44,48に伝達するための減速機を組み付けてもよい。
【0049】
また、図8に示したように、カバー37の上面における右側部分には、ケース11の右側面部11cから延びてくるケーブル15の先端部が取付部材15bによって固定されている。そして、カバー37の上面における取付部材15bの右側からは、外部配線34aおよび外部配管35aが作動軸組付体30の上端に向かって延びており、この外部配線34aおよび外部配管35aの基端側部分は、カバー37の上面に設けられた配線コネクタと配管継手とからなる接続部材38によって固定されている。外部配線34aおよび外部配管35aの基端部は、カバー37内で、ケーブル15を介して延びてきた配線および配管にそれぞれ接続されている。
【0050】
また、第2アーム20の前後の側部の左右方向の中央部分には、カバー37に沿って上方に延び、上部がカバー37の上面よりもさらに高くなったコ字状のステー51が設けられている。このステー51の上部側部分には、所定間隔をおいて複数のねじ挿通穴51aが形成されている。そして、外部配線34aおよび外部配管35aは、このステー51の前部の上下に延びる部分に沿うように配置され、間隔をおいて配置された複数のナイロンクランプ52とねじ52aとによってステー51に固定されている。また、ステー51の下端部は屈曲して第2アーム20の底面に沿っており、その部分がボルトによって第2アーム20に固定されている。
【0051】
外部配線34aおよび外部配管35aの先端側部分は、作動軸組付体30の上端に向かって延びており、外部配線34aの先端部は作動軸組付体30の上端に設けられた上端接続部材32の配線コネクタ32bに接続され、外部配管35aの先端部は上端接続部材32の配管継手32cに接続されている。図9に、外部配線34aおよび外部配管35aの先端部が、作動軸組付体30の上端に接近した状態を示し、図10に、外部配線34aおよび外部配管35aの先端部が、それぞれ上端接続部材32の配線コネクタ32bと配管継手32cに接続された状態を示している。
【0052】
また、作動軸31の外周面上端には、略リング状の下降端ストッパ71がボルト71aによって固定されている。そして、下降端ストッパ71の上面には、固定用のステー53が取り付けられており、外部配線34aおよび外部配管35aは、このステー53を介して上端接続部材32の上面に固定されている。ステー53は、それぞれ間隔をおいて複数のねじ挿通穴が形成された水平片53aと垂直片53bとからなるL形の部材で構成されており、水平片53aの中央から垂直片53bの下部にかけての部分に、配線コネクタ32bや配管継手32cの上部を上方に突出させるための挿通穴が形成されている。
【0053】
また、下降端ストッパ71の上面には、複数のねじ穴が形成されており、ステー53は、水平片53aの挿通穴を下降端ストッパ71のねじ穴に合わせて下降端ストッパ71の上面に配置され、ねじ54によって下降端ストッパ71に固定されている。そして、外部配線34aおよび外部配管35aは、2個のナイロンクランプ55と2個のねじ55aによって垂直片53bに固定されている。外部配線34aおよび外部配管35aにおける接続部材38とステー53との間の部分の長さは、作動軸組付体30が、図1に示した移動範囲の上端に位置しているときと、図2に示した移動範囲の下端に位置しているときとの間のストロークと、作動軸組付体30が軸回り方向に回転する際の捻じれを考慮して、作動軸組付体30に追従でき、かつたるみが生じない長さに設定されている。
【0054】
また、図11に示したように、作動軸組付体30の下端に設けられた下端接続部材33の外部側の配線コネクタ33bと配管継手33cとは、下方に向かって突出しており、この配線コネクタ33bと配管継手33cとに、外部配線34bと外部配管35bとが接続される。なお、図11に、外部配線34bおよび外部配管35bの基端部を、作動軸組付体30の下端に接近させた状態を示し、図12に、外部配線34bおよび外部配管35bの先端部を、それぞれ下端接続部材33の配線コネクタ33bと配管継手33cに接続させた状態を示している。
【0055】
また、作動軸組付体30の下部側部分の外周には、略リング状の上昇端ストッパ72がボルト72aによって固定されている。そして、上昇端ストッパ72の下面に接して作動軸組付体30の外周面下端に、アダプタ56が取り付けられ、このアダプタ56を介してハンド56aが取り付けられている。ハンド56aには、工具等の作業用具や、チャック、作業アーム、吸引装置等の作業装置や、センサ56bが取り付けられる。ケース11内やケーブル15内を通る各種の配線および配管の一部は、モータ12,21等に接続され、残りの配線および配管は、外部配線34aおよび外部配管35a、内部配線34および内部配管35、外部配線34bおよび外部配管35bを介してハンド56aに取り付けられる作業装置やセンサ56bに接続される。
【0056】
また、外部配線34a、内部配線34および外部配線34bで構成される配線は、制御装置(図示せず)や電源に接続されており、スカラロボットAに備わった各装置は、制御装置の制御にしたがって作動する。なお、外部配線34bおよび外部配管35bにおける作動軸組付体30の下端部とハンド56aやセンサ56bとの間の部分の長さは余裕を持たせる必要がないため、最小限の長さにしておく。
【0057】
このように構成されたスカラロボットAを、例えば基板等に電子部品を実装する部品実装機として作動させる際には、基板等、電子部品が装着される部材を所定の場所に設置するとともに、電子部品を所定の場所に準備しておく。また、ハンド56aに、吸引装置を装着し、この吸引装置に、外部配管35bの中の負圧管を接続しておく。そして、スイッチ等の操作により、スカラロボットAの作動を開始させる。これによって、ベース部10に対して、第1アーム18がモータ12の回転軸12bを中心として水平面上で回転するとともに、第1アーム18に対して、第2アーム20がモータ21の回転軸21bを中心として水平面上で回転して作動軸31を電子部品の設置場所に移動させる。
【0058】
ついで、Z軸モータ43とR軸モータ47との作動により、作動軸組付体30の下端側の吸引装置が下降するとともに、軸周り方向に回転して電子部品を所定方向から吸着できるようにする。その状態で、吸引装置の作動により、吸引装置に電子部品が吸着される。つぎに、Z軸モータ43の作動により吸引装置が上昇し、モータ12,21の作動により第1アーム18がベース部10に対して、第2アーム20が第1アーム18に対してそれぞれ回転し、吸引装置は基板の所定位置の上方に移動する。
【0059】
ついで、Z軸モータ43とR軸モータ47の作動により、吸引装置が下降するとともに、軸周り方向に回転して電子部品を基板の設定位置に位置させる。その状態で、吸引装置による電子部品の吸引を解除して、電子部品を基板上に実装する。この操作を繰り返すことにより、複数の電子部品が順次基板に装着される。また、その際の作動軸組付体30の上下方向の移動範囲は、下降方向が下降端ストッパ71によって規制され、上昇方向が上昇端ストッパ72によって規制される。
【0060】
そして、作動軸31が損傷したり、メンテナンスのために作動軸組付体30を取り外す必要が生じたりしたときには、作動軸組付体30から外部配線34a,34bおよび外部配管35a,35bを取り外すとともに、下降端ストッパ71、上昇端ストッパ72およびアダプタ56等を取り外す。その状態で、作動軸組付体30を回転させながら下降または上昇させて、スカラロボットAの本体から取り外す。ついで、新しい作動軸組付体30をスカラロボットAの本体に組み込んだのちに、作動軸組付体30に外部配線34a,34bおよび外部配管35a,35bを接続するとともに、下降端ストッパ71、上昇端ストッパ72およびアダプタ56等を取り付ける。
【0061】
なお、R軸ボールスプラインナット46と作動軸31には、複数の鋼球の直径を変えることによって予圧をかけているが、作動軸組付体30の交換の際に、作動軸組付体30だけを交換すると、前述した予圧がかかり過ぎたり、かからなかったりすることがある。また、新たな作動軸組付体30と、Z軸ボールネジナット42との間にも不具合が生じることがある。このような場合には、作動軸組付体30だけでなく、作動軸組付体30を、Z軸ボールネジナット42およびR軸ボールスプラインナット46と一緒に交換することもできる。
【0062】
以上のように、本実施形態に係るスカラロボットAでは、接続配線を作動軸31内に設置される内部配線34と内部配線34の両端に接続される外部配線34a,34bとで構成するとともに、接続配管を作動軸31内に設置される内部配管35と内部配管35の両端に接続される外部配管35a,35bとで構成している。そして、内部配線34と内部配管35を、作動軸31の両端開口にそれぞれ設けられた上端接続部材32と下端接続部材33を介して作動軸31に組み付けて一体からなる作動軸組付体30を形成している。
【0063】
このため、作動軸31が破損したりして、作動軸組付体30を取り替える際には、外部配線34a,34bと外部配管35a,35bとを作動軸組付体30から外して、作動軸組付体30をスカラロボットAの本体から取り外し、新たな作動軸組付体30をスカラロボットAの本体に取り付け、その作動軸組付体30に外部配線34a,34bと外部配管35a,35bとを接続することができる。この結果、配線や配管の全体を作動軸31から抜き取ったり、作動軸31に挿入したりする作業が不要になる。このため、メンテナンスや取り替えのために、作動軸31をスカラロボットAの本体に対して着脱する作業が容易になる。
【0064】
また、作動軸31の上端開口に、上端接続部材32を設けたことにより、外部配線34aと外部配管35aとの内部配線34と内部配管35とへの接続やその接続を解除する操作が容易になる。さらに、作動軸31の下端開口に、下端接続部材33を設けたことにより、外部配線34bと外部配管35bとの内部配線34と内部配管35とへの接続やその接続を解除する操作が容易になる。また、下降端ストッパ71に、外部配線34aと外部配管35aとを保持するためのステー53を設けたため、作動軸31が移動する際に、外部配線34aと外部配管35aが振り回されて破損することがなくなる。
【0065】
(第2実施形態)
図13および図14は、本発明の第2実施形態に係るスカラロボットBを示している。このスカラロボットBでは、配管が接続されることなく連続して延びる2本の連続配管65で構成されており、作動軸組付体60の内部には、内部配線64だけが設置されている。作動軸組付体60は、中空の作動軸61の上下の開口にそれぞれ、上端接続部材62と下端接続部材63を取り付けるとともに、上端接続部材62と下端接続部材63との間を、内部配線64で接続した一体からなる構成をしている。また、作動軸61の上端側には、図15ないし図17に示したように、上部貫通穴61aが形成され、作動軸61の下端側には、図18ないし図20に示したように、下部貫通穴61bが形成されている。
【0066】
図15ないし図17は、スカラロボットBが備える作動軸組付体60の上端側部分を示しており、これらの図に示されているように、外部配線64aの先端部には、上端接続部材62の配線コネクタ62aに嵌合できるコネクタ62bが取り付けられている。そして、図15に示したように、外部配線64aのコネクタ62bを上端接続部材62の配線コネクタ62aに接近させた状態から、コネクタ62bを配線コネクタ62aに押し付けることにより、図16に示したように、配線コネクタ62aとコネクタ62bとを連結して内部配線64と外部配線64aとを接続することができる。
【0067】
作動軸61内には、連続配管65も通されており、図16の状態で、外部から延びてくる連続配管65の先端部を上部貫通穴61aから作動軸61の内部に挿入する。そして、さらに連続配管65を作動軸61内に挿入してその先端側部分を下部貫通穴61bから外部に引き出す。また、作動軸61の外周面上部には、略リング状の下降端ストッパ73がボルト73aによって固定されている。
【0068】
そして、下降端ストッパ73の上面には、ステー66がねじ67によって固定されており、外部配線64aおよび連続配管65は、2個のナイロンクランプ68と2個のねじ68aによってステー66の垂直片66bに固定される。これによって、図17に示した状態になる。なお、ステー66は、水平片66aと垂直片66bとからなっており、垂直片66bが前述したステー53の垂直片53bよりも縦長になっていることと、挿通穴に作動軸61の上部が挿通していること以外はステー53と同じ構成になっている。
【0069】
図18ないし図20は、スカラロボットBが備える作動軸組付体60の下端側部分を示しており、これらの図に示されているように、外部配線64bの基端部には、下端接続部材63の配線コネクタ63aに嵌合できるコネクタ63bが取り付けられている。そして、図18に示したように、外部配線64bのコネクタ63bを下端接続部材63の配線コネクタ63aに接近させた状態から、コネクタ63bを配線コネクタ63aに押し付けることにより、図19に示したように、配線コネクタ63aとコネクタ63bとを連結して内部配線64と外部配線64bとを接続することができる。なお、図18および図19においては、下部貫通穴61bから外部に引き出された連続配管65を省略している。
【0070】
そして、図20に示したように、外部配線64bの先端部は、センサ69bなどに接続され、下部貫通穴61bから外部に引き出された連続配管65の先端部はハンド69aに取り付けられる作業装置などに接続される。また、アダプタ69は、前述したスカラロボットAのアダプタ56よりも空間部が縦長になった略コ字状に形成されており、その上面で、略リング状の上昇端ストッパ74がボルト74aによって作動軸61の外周面に固定されている。このスカラロボットBのそれ以外の部分の構成については、前述したスカラロボットAと同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。
【0071】
本実施形態に係るスカラロボットBでは、作動軸組付体60に組み込まれた内部配線64と、内部配線64に接続される外部配線64a,64bからなる接続配線の他に、連続して延びる連続配管65を用いる場合に、連続配管65を、作動軸61の上下の開口を通さずに作動軸61内に通すことができる。すなわち、作動軸61の上下の開口に、それぞれ配線コネクタ62aとコネクタ62bや、配線コネクタ63aとコネクタ63bを配置した場合に、連続配管65を作動軸61の上下の開口に通すことは難しいが、作動軸61の内部には連続配管65の一部を収容できるスペースがあることがある。
【0072】
この場合に、作動軸61に上部貫通穴61aと下部貫通穴61bとを設けて、連続配管65を、上部貫通穴61aから作動軸61の内部に挿入し、その先端側部分を下部貫通穴61bから作動軸61の外部に引き出すことができる。このため、作動軸61の上下の開口に、配線コネクタ62a,63aなどを設けても、その配線コネクタ62a,63aなどが、連続配管65を作動軸61内に通す際の邪魔にならなくなる。このスカラロボットBのそれ以外の作用効果については、前述したスカラロボットAと同様である。
【0073】
また、本発明に係るロボットは、前述した各実施形態に限定するものでなく、適宜変更して実施することができる。前述した第1実施形態においては、作動軸31の上下に取り付けた上端接続部材32と下端接続部材33との間をそれぞれ内部配線34と内部配管35とで接続して作動軸組付体30を構成をしているが、この作動軸組付体は、他の構成にすることもできる。
【0074】
例えば、作動軸31の上端に上端接続部材32を取り付けて下端接続部材33は設けず、内部配線と内部配管とをそれぞれ作動軸31の内部から作動軸31の下端開口を通して外部に延ばして作動軸組付体を構成してもよい。また、作動軸31の下端に下端接続部材33を取り付けて上端接続部材32は設けず、内部配線と内部配管とをそれぞれ作動軸31の内部から作動軸31の上端開口を通して外部に延ばして作動軸組付体を構成してもよい。また、配線だけで接続線条部材を構成してもよいし、配管だけで接続線条部材を構成してもよい。
【0075】
また、前述した第2実施形態においては、内部線条部材として内部配線64を用い、連続線条部材として連続配管65を用いているが、これに代えて、内部線条部材として内部配管を用い、連続線条部材として連続配線を用いてもよい。さらに、内部線条部材として内部配線と内部配管との双方を用い、連続線条部材として連続配線と連続配管との双方を用いるなど、種々の配線および配管を組み合わせることができる。
【0076】
また、作動軸61の上端に上端接続部材62を取り付けるとともに、作動軸61の上端側に上部貫通穴61aを形成して、下端接続部材63は設けず、連続線条部材を上部貫通穴61aから作動軸61内に挿入して作動軸61の下端開口から外部に引き出すこともできる。さらに、作動軸61の下端に下端接続部材63を取り付けるとともに、作動軸61の下端側に下部貫通穴61bを形成して、上端接続部材62は設けず、連続線条部材を作動軸61の上端開口から作動軸内に挿入して下部貫通穴61bから外部に引き出すこともできる。また、本発明に係るスカラロボットのそれ以外の部分の構成についても、本発明の技術的範囲内で適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0077】
20…第2アーム、23…取付用穴、30,60…作動軸組付体、31,61…作動軸、32,62…上端接続部材、33,63…下端接続部材、34,64…内部配線、34a,34b,64a,64b…外部配線、35…内部配管、35a,35b…外部配管、53,66…ステー、61a…上部貫通穴、61b…下部貫通穴、65…連続配管、A,B…スカラロボット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平方向に回転可能に設けられたアームの先端に、中空の作動軸を移動可能に設けるとともに、作動軸の内部に配線や配管からなる線条部材を通したスカラロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子部品の実装にアームや作動軸を備えたスカラロボットが用いられている。このようなスカラロボットの中に、配線や配管がアームの移動の邪魔にならないようにするために、中空の作動軸を用いて、配線や配管を作動軸の内部に配置したものがある(例えば、特許文献1参照)。このロボットは、ロボット基台を備えたロボットコラムと、ロボットコラムの上端に水平方向に回転可能に設けられた第1アームと、第1アームの先端に水平方向に回転可能に設けられた第2アームとを備えている。そして、第2アームの先端に取付シャフトが設けられ、この取付シャフト内に上下動および回転動が可能になった中空のロボットスプラインシャフトが設置されている。
【0003】
また、ロボットスプラインシャフトの下部には、電磁弁を備えたエアマニホールド、リモート端末制御プリント基板および圧縮エアの供給により作動するハンドやツールなどが取り付けられている。そして、ロボットコラムから第2アームを介して延びてくるケーブルやエア配管が、ロボットスプラインシャフトの上端開口からロボットスプラインシャフトの内部を挿通しロボットスプラインシャフトの下端開口から外部に引き出されている。ケーブルの先端はリモート端末制御プリント基板の端子に接続され、エア配管の先端はエアマニホールドの接続口に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−277178号公報
【発明の概要】
【0005】
前述した従来のスカラロボットでは、ロボットスプラインシャフトが破損した場合などには交換する必要があるが、この交換の際に、まず、ケーブルやエア配管をロボットスプラインシャフトから抜いたのちに、ロボットスプラインシャフトを取り外さなければならない。そして、新たなロボットスプラインシャフトを取り付けたのちに、ロボットスプラインシャフトにケーブルやエア配管を通さなければならず、ロボットスプラインシャフトの交換に手間と時間とがかかる。また、ケーブルの先端をリモート端末制御プリント基板の端子に着脱したり、エア配管の先端をエアマニホールドの接続口に着脱したりする作業も必要であるため、さらに、手間と時間とがかかる。
【0006】
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、その目的は、作動軸の交換作業が簡単になるスカラロボットを提供することである。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
【0007】
前述した目的を達成するため、本発明に係るスカラロボットの構成上の特徴は、一端側に位置する回転中心部(23)を中心として水平方向に回転可能に設けられたアーム(20)と、アームの他端側に配置され、上下方向に移動する中空の作動軸(31,61)と、作動軸に挿通された可撓性を有する線条部材とを備えたスカラロボット(A,B)であって、線条部材は、作動軸の内部に位置する部分を含む内部線条部材(34,35,64)と、内部線条部材に着脱可能に接続され作動軸の外部に位置する外部線条部材(34a,34b,35a,35b,64a,64b)とを含み、作動軸と内部線条部材とで一体の作動軸組付体(30,60)を構成したことにある。
【0008】
本発明に係るスカラロボットでは、線条部材に、少なくとも、作動軸の内部に位置する部分を含む内部線条部材と、内部線条部材に着脱可能に接続され作動軸の外部に位置する外部線条部材とで構成される接続された線条部材を含ませている。そして、中空の作動軸にそのまま接続された線条部材を通すのではなく、接続される線条部材の内部線条部材を作動軸に一体に組み付けて作動軸組付体を構成し、その内部線条部材に外部線条部材を着脱可能に接続している。このため、作動軸を取り替える際には、外部線条部材と内部線条部材との接続を解除して、作動軸と内部線条部材とを一緒にアームから取り外し、新たな作動軸組付体をアームに取り付けたのちに、外部線条部材と内部線条部材とを接続することができる。
【0009】
この結果、接続された外部線条部材と内部線条部材との全体を作動軸から抜き取ったり、作動軸に挿入したりする作業が不要になる。このため、メンテナンスや取り替えのために、作動軸をアームに対して着脱する作業が容易になる。なお、本発明においては、線条部材は単数であっても複数であってもよいが、外部線条部材と内部線条部材とを接続した線条部材が少なくとも1つは含まれるものとする。また、外部線条部材と内部線条部材との接続は、外部線条部材と内部線条部材との端部にそれぞれ互いに着脱可能になった接続端子などを設けることによって行ってもよいし、作動軸の開口部にコネクタなどの接続部材を設け、この接続部材を介して行ってもよい。
【0010】
さらに、内部線条部材は、作動軸の内部に位置する部分だけで構成してもよいし、作動軸の内部に位置する部分と外部に位置する部分の一部とで構成してもよい。この場合の内部線条部材の外部に位置する部分は、基端部側で作動軸の外部に位置する部分または先端部側で作動軸の外部に位置する部分とすることが好ましく、基端部側と先端側との双方で作動軸の外部に位置する部分を含む場合には、その長さは、作動軸の内部に位置する部分の長さに比べて極短いものとしておく。
【0011】
本発明に係るスカラロボットの他の構成上の特徴は、内部線条部材と外部線条部材とを接続する接続部材(32,33,62,63)をさらに備え、接続部材を作動軸の外部に配設したことにある。本発明によると、内部線条部材と外部線条部材との接続が容易になる。
【0012】
本発明に係るスカラロボットのさらに他の構成上の特徴は、内部線条部材は内部配線(34,64)を含み、外部線条部材は外部配線(34a,34b,64a,64b)を含むことにある。本発明に係るスカラロボットでは、接続された内部配線と外部配線とからなり、スカラロボットに備わっている各装置間を電気的に接続する配線を、作動軸を介して目的の部分に延ばすことができる。
【0013】
本発明に係るスカラロボットのさらに他の構成上の特徴は、内部線条部材は内部配管(35)を含み、外部線条部材は外部配管(35a,35b)を含むことにある。本発明に係るスカラロボットでは、内部配管と外部配管とからなり、スカラロボットに備わっている所定の装置に空気を送ったり所定の装置を吸引したりするための接続配管を、作動軸を介して目的の部分に延ばすことができる。
【0014】
本発明に係るスカラロボットのさらに他の構成上の特徴は、外部線条部材は、作動軸の外部側から作動軸の上端部に延びる基端側線条部材(34a,35a,64a)を含むことにある。本発明によると、外部線条部材に、基端側線条部材が含まれるため、スカラロボットの本体側から作動軸に向かって延びる基端側線条部材の先端部を作動軸の内部に取り付けられた内部線条部材の上端部に着脱可能に接続できる。
【0015】
本発明に係るスカラロボットのさらに他の構成上の特徴は、接続部材は、作動軸の上端開口に、内部線条部材の上端部が連結されるとともに、基端側線条部材の先端部が着脱可能になった上端接続部材(32,62)を含むことにある。本発明によると、作動軸の上端開口に設けられ内部線条部材の上端部が連結された上端接続部材に対して、基端側線条部材の先端部を着脱可能にしているため、基端側線条部材と内部線条部材とを接続したり接続を解除したりする操作が容易になる。
【0016】
本発明に係るスカラロボットのさらに他の構成上の特徴は、外部線条部材は、作動軸の下端部から作動軸の外部に延びる先端側線条部材(34b,35b,64b)を含むことにある。本発明によると、外部線条部材に、先端側線条部材が含まれるため、作動軸から作動軸の下方に配置された所定の装置に向かって延びる先端側線条部材の基端部を作動軸の内部に取り付けられた内部線条部材の下端部に着脱可能に接続できる。さらに、外部線条部材を、基端側線条部材と先端側線条部材とで構成した場合には、基端側線条部材の先端部と先端側線条部材の基端部とを、それぞれ作動軸の内部に取り付けられた内部線条部材の対応する端部に着脱可能に接続できる。
【0017】
本発明に係るスカラロボットのさらに他の構成上の特徴は、接続部材は、作動軸の下端開口に、内部線条部材の下端部が連結されるとともに、先端側線条部材の上端部が着脱可能になった下端接続部材(33,63)を含むことにある。本発明によると、作動軸の下端開口に設けられ内部線条部材の下端部が連結された下端接続部材に対して、先端側線条部材の基端部を着脱可能にしているため、先端側線条部材と内部線条部材とを接続したり接続を解除したりする操作が容易になる。
【0018】
本発明に係るスカラロボットのさらに他の構成上の特徴は、作動軸の上端開口近傍で、線条部材(34a,35a,64a,65)を保持する保持部材(53,66)をさらに備えたことにある。
【0019】
本発明によると、線条部材における作動軸の上部に位置する部分が保持部材によって保持されるため、作動軸が移動する際に、線条部材が振り回されてその作動軸の上部に位置する部分が破損することがなくなる。なお、線条部材は、作動軸の上端開口の上方に固定しておくことが好ましく、これによると、線条部材が作動軸の上端開口の周縁部に擦られて消耗することを防止できる。
【0020】
本発明に係るスカラロボットのさらに他の構成上の特徴は、作動軸(61)の上部に上部貫通穴(61a)が設けられているとともに、線条部材は、作動軸の上方から作動軸を挿通して作動軸の下方に連続して延びる連続線条部材(65)を含み、連続線条部材が、上部貫通穴から作動軸の内部に挿入されていることにある。
【0021】
本発明によると、作動軸内に組み込まれた内部線条部材と、内部線条部材に接続されて作動軸の外部に位置する外部線条部材とからなる接続された線条部材の他に、作動軸の外部から作動軸の上部を通過して内部に延びる連続線条部材を用いる場合に、連続線条部材を、作動軸の上端開口を通さずに作動軸内に通すことができる。例えば、作動軸の上端開口に、内部線条部材の上端部を固定するための接続部材を取り付けた場合には、複数の線条部材のすべてを作動軸の上端開口から作動軸の内部に挿入することが難しくなることがある。
【0022】
このような場合に、作動軸に組み込まれた内部線条部材以外の連続線条部材を、作動軸の上部貫通穴から作動軸の内部に挿入することができる。このため、作動軸の上端開口に、内部線条部材の端部を固定するための接続部材を取り付けても、その接続部材が、連続線条部材を作動軸内に通す際の邪魔にならなくなる。この場合、作動軸の下端開口には、連続線条部材が通過できるスペースを設けておく。
【0023】
本発明に係るスカラロボットのさらに他の構成上の特徴は、作動軸の下部に下部貫通穴(61b)が設けられているとともに、線条部材は、作動軸の上方から作動軸を挿通して作動軸の下方に連続して延びる連続線条部材を含み、連続線条部材が、下部貫通穴から作動軸の外部に延びていることにある。
【0024】
本発明によると、作動軸内に組み込まれた内部線条部材と、内部線条部材に接続されて作動軸の外部に位置する外部線条部材とからなる接続された線条部材の他に、作動軸の内部を通過して作動軸の下部から外部に延びる連続線条部材を用いる場合に、連続線条部材を、作動軸の下端開口を通さずに作動軸の外部に通すことができる。例えば、作動軸の下端開口に、内部線条部材の下端部を固定するための接続部材を取り付けた場合には、複数の線条部材のすべてを作動軸の下端開口から作動軸の外部に引き出すことが難しくなることがある。
【0025】
このような場合に、作動軸に組み込まれた内部線条部材以外の連続線条部材の先端側部分を、作動軸の下部貫通穴から作動軸の外部に引き出すことができる。このため、作動軸の下端開口に、内部線条部材の下端部を固定するための接続部材を取り付けても、その接続部材が、連続線条部材を作動軸の外部に引き出す際の邪魔にならなくなる。この場合、作動軸の上端開口には、連続線条部材が通過できるスペースを設けておく。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態に係るスカラロボットを示した斜視図である。
【図2】図1のスカラロボットの作動軸が下降した状態を示した斜視図である。
【図3】スカラロボットの内部を示した断面図である。
【図4】作動軸組付体を示した断面図である。
【図5】Z軸ボールネジナットとR軸ボールスプラインナットとが取り付けられた作動軸を示した斜視図である。
【図6】Z軸ボールネジナットとR軸ボールスプラインナットとが取り付けられた作動軸を示した断面図である。
【図7】スカラロボットにおけるカバーの内部を拡大して示した断面図である。
【図8】外部配線および外部配管を作動軸の上端接続部材に固定した状態を示した斜視図である。
【図9】外部配線と外部配管との先端部を作動軸の上端接続部材に接近させた状態を示した斜視図である。
【図10】外部配線と外部配管との先端部を作動軸の上端接続部材に接続させた状態を示した斜視図である。
【図11】外部配線と外部配管との基端部を作動軸の下端接続部材に接近させた状態を示した斜視図である。
【図12】外部配線と外部配管との基端部を作動軸の下端接続部材に接続させた状態を示した斜視図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係るスカラロボットを示した斜視図である。
【図14】図13のスカラロボットの内部を示した断面図である。
【図15】外部配線のコネクタを上端接続部材の配線コネクタに接近させた状態を示した斜視図である。
【図16】外部配線のコネクタを上端接続部材の配線コネクタに接続させた状態を示した斜視図である。
【図17】外部配線と連続配管とをステーを介して上端接続部材の上面に固定した状態を示した斜視図である。
【図18】外部配線のコネクタを下端接続部材の配線コネクタに接近させた状態を示した斜視図である。
【図19】外部配線のコネクタを下端接続部材の配線コネクタに接続させた状態を示した斜視図である。
【図20】図19の状態からさらに下部貫通穴から外部に引き出された連続配管の先端部をハンドに取り付けられた作業装置に接続した状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係るスカラロボットを図面を用いて説明する。図1および図2は、同実施形態に係るスカラロボットAを示している。このスカラロボットAはベース部10と、第1アーム18と、第2アーム20と、作動軸組付体30と、第2アーム20に設けられて作動軸組付体30を移動させる昇降回転駆動装置40とを備えている。ベース部10は床や台等に固定設置されており、図3に示したように、矩形箱形のケース11と、ケース11内の上部に固定設置されたモータ12と、モータ12の上部に組み付けられケース11の上面部11aに固定設置された減速機13とを備えている。以下の説明において、上下方向および左右方向は、図3に基づいて記載する。
【0028】
ケース11の上面部11aにおける左側部分に取付用穴11bが形成されており、モータ12と減速機13とは、この取付用穴11bを介して上面部11aに取り付けられている。モータ12は、モータケース12aに軸受を介して回転自在に支持された回転軸12b、回転軸12bの外周に設けられたロータ、ロータの外周に対向して配置されたステータおよび回転検出用レゾルバなどで構成されている。このモータ12は、回転軸12bを上方に向けて突出させるとともに、取付用穴11b内を下方から上方に向かって貫通させて、後述する減速機13の入力部13aに連結させており、モータケース12aを上面部11aの下面に固定することにより、ケース11に組み付けられている。
【0029】
減速機13は、ハーモニックドライブ(登録商標)として知られているもので、詳細は省略するが、モータ12の回転軸12bに連結された入力部13aと、第1アーム18に連結された出力部13bとを備えている。そして、出力部13bの円筒部分の外周にはベアリング14が設けられており、このベアリング14によって、第1アーム18は、ケース11に対して回転可能な状態で支持されている。また、モータ12の駆動力は、回転軸12b、入力部13aおよび出力部13bを介して減速されて第1アーム18に伝達される。
【0030】
ケース11の右側面部11cの上部には、後述するカバー37に向かって延びる可撓性のあるケーブル15の基端部が取付部材15aによって固定されている。ケーブル15の内部には、各種の配線や吸引用の配管等が収容されている。また、ケース11の右側面部11cの下部には、ケース11内の各種の配線や吸引用の配管等の各端部を、ケース11の外側の配線16に接続するための配線用コネクタ16aおよび外側の配管(図示せず)に接続するための配管用継手17が設けられている。この配線用コネクタ16aとケーブル15内の配線、および配管用継手17とケーブル15内の配管とは、それぞれケース11内で接続されている。
【0031】
第1アーム18は、長円形の板状に形成されている。第1アーム18の下面における右側部分には取付用凹部が形成されており、この取付用凹部に減速機13の出力部13bが固定されている。そして、第1アーム18の上面における左側部分にも同様の取付用凹部が形成され、その取付用凹部に、減速機22が取り付けられている。さらに、減速機22を介して第2アーム20が取り付けられている。
【0032】
第2アーム2は、長円状の板状に形成されており、その右側部分には、上下に貫通する取付用穴23が形成されている。そして、モータ21は、回転軸21bを下方に向けて突出させて、取付用穴23内を上方から下方に向かって貫通させ、モータケース21aを第2アーム20の上面に固定させて、第2アーム20に組み付けられている。このモータ21は、前述したモータ12と上下方向の位置が逆になっているが、同じ構造のもので構成されている。なお、本実施形態においては、第2アーム20で本発明に係るアームが構成され、第2アーム20における取付用穴23が形成された部分で本発明に係る回転中心部が構成される。
【0033】
減速機22も、前述した減速機13と上下方向の位置が逆になっているが、同じ構造のもので構成されており、モータ21の回転軸21bに連結された入力部22aと第1アーム18に連結された出力部22bとを備えている。減速機22は、モータ21の回転軸21bの回転を減速して第1アーム18に伝達する。そして、出力部22bの円筒部分の外周にベアリング24が設けられている。このベアリング24を介して、第2アーム20は、第1アーム18に対して回転可能な状態で支持される。また、モータ21の駆動力は回転軸21b、入力部22aおよび出力部22bを介して第1アーム18に伝達される。第2アーム20の左側部分には、後述する作動軸組付体30を挿通させる取付用穴25が形成されている。
【0034】
作動軸組付体30は、図4に示したように、中空の作動軸31の上端開口に上端接続部材32を取り付け、下端開口に下端接続部材33を取り付けるとともに、上端接続部材32と下端接続部材33との間をそれぞれ、内部配線34と内部配管35とで接続した一体からなる構成をしている。作動軸31は、図5および図6に示したように、中空の鋼製のボールネジボールスプラインシャフトで構成されている。この作動軸31の外周部には、軸周り方向に回転しながら軸方向に延びる螺旋状のボールネジ溝31aと、軸周り方向に間隔を保って軸方向に延びる複数のボールスプライン溝31bとが形成されている。
【0035】
上端接続部材32は、肉厚円板状のブッシュフランジ32aの中央部分に、それぞれ上下に連通する複数の穴部を設け、この穴部の両側にそれぞれ配線コネクタ32bと配管継手32cを設けて構成されている。そして、上端接続部材32は、一対の配線コネクタ32bと一対の配管継手32cとをそれぞれ作動軸31の内部側と外部側とに突出させて作動軸31の上端開口内部に取り付けられている。なお、作動軸31の内部側に位置する配線コネクタ32bと配管継手32cとは、内部配線34と内部配管35に覆われて、図4では見えない。
【0036】
下端接続部材33は、肉厚円板状のブッシュフランジ33aの内部に、それぞれ上下に連通する複数の穴部を設け、この穴部の両側にそれぞれ配線コネクタ33bと配管継手33cを設けて構成されている。下端接続部材33は、一対の配線コネクタ33bと一対の配管継手33cとをそれぞれ作動軸31の内部側と外部側とに突出させて作動軸31の下端開口内部に取り付けられている。なお、作動軸31の内部側に位置する配線コネクタ33bと配管継手33cも、内部配線34と内部配管35に覆われて、図4では見えない。
【0037】
上端接続部材32と下端接続部材33とは、それぞれ配線コネクタ32bと配線コネクタ33bおよび配管継手32cと配管継手33cが互いに対向するようにして、作動軸31の開口に対してねじ止めまたは圧入することによって固定されている。そして、作動軸31の内部側の配線コネクタ32bと配線コネクタ33bとに内部配線34の両端部が接続され、作動軸31の内部側の配管継手32cと配管継手33cとに内部配管35の両端部が接続されている。なお、上端接続部材32および下端接続部材33をねじ止めによって作動軸31に取り付ける場合には、上下のねじを逆方向に形成して、内部配線34と内部配管35とに捻じれが生じないようにする。
【0038】
また、図5および図6に示した作動軸31には、後述する昇降回転駆動装置40に備わったZ軸ボールネジナット42と、R軸ボールスプラインナット46とが取り付けられている。Z軸ボールネジナット42の内面には、ボールネジ溝31aに係合できる複数の鋼球が配置されており、この複数の鋼球をボールネジ溝31aに係合させて、Z軸ボールネジナット42は作動軸31に組み付けられる。また、R軸ボールスプラインナット46の内面には、複数のボールスプライン溝31bにそれぞれ係合できる複数の鋼球が配置されており、この複数の鋼球をボールスプライン溝31bに係合させて、R軸ボールスプラインナット46は作動軸31に組み付けられる。
【0039】
昇降回転駆動装置40は、図7に示したように、第2アーム20の上面における中央部と左側部分とにかけて設けられており、作動軸組付体30を上下方向に移動させたり、軸周り方向に回転させたりする。この昇降回転駆動装置40は、第2アーム20の上面に設けられたカバー37によって上方と周囲とを囲われており、Z軸駆動装置41と、R軸駆動装置45と、支持スペーサ49とを備えている。カバー37の上面左側における第2アーム20の取付用穴25の上方に位置する部分には、挿通穴37aが形成されており、作動軸組付体30は、取付用穴25を垂直に挿通して、その上端部は、挿通穴37aを貫通してカバー37の外部に延びている。
【0040】
Z軸駆動装置41は、Z軸ボールネジナット42と、Z軸モータ43と、Z軸ボールネジナット42に連結された状態で作動軸組付体30の外周に設けられたプーリ44と、Z軸モータ43の回転軸に設けられたプーリ43aと、プーリ44とプーリ43aとに掛け渡されたタイミングベルト43bとを備えている。Z軸モータ43は、回転軸を上方に向けて配置されており、プーリ44、プーリ43aおよびタイミングベルト43bは、カバー37内の左上部で水平左右方向に延びるように配置されている。Z軸モータ43が作動すると、その駆動力が、回転軸からプーリ43a、タイミングベルト43bおよびプーリ44を介してZ軸ボールネジナット42に伝達される。
【0041】
Z軸ボールネジナット42は、内輪42a、外輪42bおよび内輪42aと外輪42bとの間に配置された複数の球形の転動体42cからなるボールベアリングで構成されており、プーリ44は、内輪42aの上面に、ねじ44aによって固定されている。また、Z軸ボールネジナット42の外輪42bは、支持スペーサ49によって支持されている。支持スペーサ49は、略円筒状に形成された支持部材で構成されており、中心軸を取付用穴25の中心に合わせて第2アーム20の上面に設置されている。
【0042】
この支持スペーサ49は、高さの低い円筒状に形成された支持台49aと、支持台49aの上部に配置された二つの部材からなる支持部49bとで構成されている。支持部49bは左右に分割された2つの部材を合わせることにより略円筒状になるように構成されており、2つの部材間には上下に延びる隙間が形成されている。外輪42bの外周上端部にはフランジ42dが形成されており、外輪42bは、外周面を支持部49bの内面に当てフランジ42dを支持部49bの上端から外部側に延ばした状態で支持部49bの上部に固定されている。なお、Z軸モータ43は、支持スペーサ49の右側近傍に設置されている。また、前述したボールネジ溝31aに係合する複数の鋼球は、内輪42aの内周面に配置されている。
【0043】
R軸駆動装置45は、R軸ボールスプラインナット46と、R軸モータ47と、R軸ボールスプラインナット46に連結された状態で作動軸組付体30の外周に設けられたプーリ48と、R軸モータ47の回転軸に設けられたプーリ47aと、プーリ48とプーリ47aとに掛け渡されたタイミングベルト47bとを備えている。R軸モータ47は、回転軸を下方に向けてZ軸モータ43の右側に配置されている。そして、プーリ48、プーリ47aおよびタイミングベルト47bは、カバー37内の左下部で水平左右方向に延びるように配置されている。なお、支持台49aの右側部分には開口が形成されており、タイミングベルト47bは、この開口を通って支持スペーサ49の内部と外部との間に掛け渡されている。R軸モータ47が作動すると、その駆動力が、回転軸からプーリ47a、タイミングベルト47bおよびプーリ48を介してR軸ボールスプラインナット46に伝達される。
【0044】
R軸ボールスプラインナット46は、内輪46a、外輪46bおよび内輪46aと外輪46bとの間に配置された複数の球形の転動体46cからなるボールベアリングで構成されており、プーリ48は、内輪46aの下面に、ねじ48aによって固定されている。また、R軸ボールスプラインナット46の外輪46bの外周下端部にはフランジ46dが形成されており、外輪46bは、外周面を支持部49bの内面に当てフランジ46dを支持部49bの下端と支持台49aの上端との間で外部側に延ばした状態で支持スペーサ49に固定されている。なお、前述したボールスプライン溝31bに係合する複数の鋼球は、内輪46aの内周面に配置されている。
【0045】
このように構成したため、R軸駆動装置45のR軸モータ47を停止させた状態で、Z軸駆動装置41のZ軸モータ43を上方から見て回転軸が反時計周り方向に回転するように作動させると、作動軸組付体30は、回転することなく下降する。この場合、R軸モータ47が停止していることによってR軸ボールスプラインナット46の内輪46aも停止状態に維持され、作動軸組付体30は、ボールスプライン溝31bと内輪46aの複数の鋼球との係合により回転できなくなる。そして、Z軸モータ43の作動により、Z軸ボールネジナット42の内輪42aが回転するため、作動軸組付体30は、ボールネジ溝31aの内輪42aの複数の鋼球に対する係合位置を変更させながら下降していく。また、R軸モータ47を停止させた状態で、Z軸モータ43を上方から見て回転軸が時計周り方向に回転するように作動させると、作動軸組付体30は、回転することなく上昇する。
【0046】
つぎに、Z軸駆動装置41のZ軸モータ43を停止させた状態で、R軸駆動装置45のR軸モータ47を上方から見て回転軸が反時計周り方向に回転するように作動させると、作動軸組付体30は、回転しながら上昇する。この場合、R軸モータ47の作動により、R軸ボールスプラインナット46の内輪46aが回転するため、作動軸組付体30は、ボールスプライン溝31bと内輪46aの複数の鋼球との係合により回転しようとする。そして、Z軸モータ43が停止していることによって、作動軸組付体30は、ボールネジ溝31aの内輪42aの複数の鋼球に対する係合位置を変更させながら上昇していく。また、Z軸モータ43を停止させた状態で、R軸モータ47を上方から見て回転軸が時計周り方向に回転するように作動させると、作動軸組付体30は、回転しながら下降する。
【0047】
さらに、R軸駆動装置45のR軸モータ47を上方から見て回転軸が反時計周り方向に回転するように作動させるとともに、Z軸駆動装置41のZ軸モータ43を、R軸モータ47と同速度で上方から見て回転軸が反時計周り方向に回転するように作動させると、作動軸組付体30は、上下移動することなく反時計周り方向に回転する。この場合、R軸モータ47の作動により作動軸組付体30は回転しながら上昇しようとするが、Z軸モータ43の作動により作動軸組付体30は下降しようとするため、作動軸組付体30は上下移動することなく、反時計周り方向に回転する。また、R軸モータ47とZ軸モータ43とを上方から見て回転軸が時計周り方向に回転するように作動させて、Z軸ボールネジナット42の内輪42aと、R軸ボールスプラインナット46の内輪46aとを同速度で回転させると、作動軸組付体30は、上下移動することなく時計周り方向に回転する。
【0048】
このように、Z軸モータ43とR軸モータ47とをそれぞれ単独で作動させたり、Z軸モータ43とR軸モータ47との作動を組み合わせたりすることにより、作動軸組付体30を所定の方向に回転させたり、上下方向に移動させたりすることができる。また、Z軸モータ43とR軸モータ47とには、それぞれブレーキが備わっており、これによって、Z軸モータ43とR軸モータ47との作動が停止しているときに、作動軸組付体30が不意に下降したり回転したりすることが防止される。また、Z軸モータ43とR軸モータ47とにそれぞれ回転速度を減速してプーリ44,48に伝達するための減速機を組み付けてもよい。
【0049】
また、図8に示したように、カバー37の上面における右側部分には、ケース11の右側面部11cから延びてくるケーブル15の先端部が取付部材15bによって固定されている。そして、カバー37の上面における取付部材15bの右側からは、外部配線34aおよび外部配管35aが作動軸組付体30の上端に向かって延びており、この外部配線34aおよび外部配管35aの基端側部分は、カバー37の上面に設けられた配線コネクタと配管継手とからなる接続部材38によって固定されている。外部配線34aおよび外部配管35aの基端部は、カバー37内で、ケーブル15を介して延びてきた配線および配管にそれぞれ接続されている。
【0050】
また、第2アーム20の前後の側部の左右方向の中央部分には、カバー37に沿って上方に延び、上部がカバー37の上面よりもさらに高くなったコ字状のステー51が設けられている。このステー51の上部側部分には、所定間隔をおいて複数のねじ挿通穴51aが形成されている。そして、外部配線34aおよび外部配管35aは、このステー51の前部の上下に延びる部分に沿うように配置され、間隔をおいて配置された複数のナイロンクランプ52とねじ52aとによってステー51に固定されている。また、ステー51の下端部は屈曲して第2アーム20の底面に沿っており、その部分がボルトによって第2アーム20に固定されている。
【0051】
外部配線34aおよび外部配管35aの先端側部分は、作動軸組付体30の上端に向かって延びており、外部配線34aの先端部は作動軸組付体30の上端に設けられた上端接続部材32の配線コネクタ32bに接続され、外部配管35aの先端部は上端接続部材32の配管継手32cに接続されている。図9に、外部配線34aおよび外部配管35aの先端部が、作動軸組付体30の上端に接近した状態を示し、図10に、外部配線34aおよび外部配管35aの先端部が、それぞれ上端接続部材32の配線コネクタ32bと配管継手32cに接続された状態を示している。
【0052】
また、作動軸31の外周面上端には、略リング状の下降端ストッパ71がボルト71aによって固定されている。そして、下降端ストッパ71の上面には、固定用のステー53が取り付けられており、外部配線34aおよび外部配管35aは、このステー53を介して上端接続部材32の上面に固定されている。ステー53は、それぞれ間隔をおいて複数のねじ挿通穴が形成された水平片53aと垂直片53bとからなるL形の部材で構成されており、水平片53aの中央から垂直片53bの下部にかけての部分に、配線コネクタ32bや配管継手32cの上部を上方に突出させるための挿通穴が形成されている。
【0053】
また、下降端ストッパ71の上面には、複数のねじ穴が形成されており、ステー53は、水平片53aの挿通穴を下降端ストッパ71のねじ穴に合わせて下降端ストッパ71の上面に配置され、ねじ54によって下降端ストッパ71に固定されている。そして、外部配線34aおよび外部配管35aは、2個のナイロンクランプ55と2個のねじ55aによって垂直片53bに固定されている。外部配線34aおよび外部配管35aにおける接続部材38とステー53との間の部分の長さは、作動軸組付体30が、図1に示した移動範囲の上端に位置しているときと、図2に示した移動範囲の下端に位置しているときとの間のストロークと、作動軸組付体30が軸回り方向に回転する際の捻じれを考慮して、作動軸組付体30に追従でき、かつたるみが生じない長さに設定されている。
【0054】
また、図11に示したように、作動軸組付体30の下端に設けられた下端接続部材33の外部側の配線コネクタ33bと配管継手33cとは、下方に向かって突出しており、この配線コネクタ33bと配管継手33cとに、外部配線34bと外部配管35bとが接続される。なお、図11に、外部配線34bおよび外部配管35bの基端部を、作動軸組付体30の下端に接近させた状態を示し、図12に、外部配線34bおよび外部配管35bの先端部を、それぞれ下端接続部材33の配線コネクタ33bと配管継手33cに接続させた状態を示している。
【0055】
また、作動軸組付体30の下部側部分の外周には、略リング状の上昇端ストッパ72がボルト72aによって固定されている。そして、上昇端ストッパ72の下面に接して作動軸組付体30の外周面下端に、アダプタ56が取り付けられ、このアダプタ56を介してハンド56aが取り付けられている。ハンド56aには、工具等の作業用具や、チャック、作業アーム、吸引装置等の作業装置や、センサ56bが取り付けられる。ケース11内やケーブル15内を通る各種の配線および配管の一部は、モータ12,21等に接続され、残りの配線および配管は、外部配線34aおよび外部配管35a、内部配線34および内部配管35、外部配線34bおよび外部配管35bを介してハンド56aに取り付けられる作業装置やセンサ56bに接続される。
【0056】
また、外部配線34a、内部配線34および外部配線34bで構成される配線は、制御装置(図示せず)や電源に接続されており、スカラロボットAに備わった各装置は、制御装置の制御にしたがって作動する。なお、外部配線34bおよび外部配管35bにおける作動軸組付体30の下端部とハンド56aやセンサ56bとの間の部分の長さは余裕を持たせる必要がないため、最小限の長さにしておく。
【0057】
このように構成されたスカラロボットAを、例えば基板等に電子部品を実装する部品実装機として作動させる際には、基板等、電子部品が装着される部材を所定の場所に設置するとともに、電子部品を所定の場所に準備しておく。また、ハンド56aに、吸引装置を装着し、この吸引装置に、外部配管35bの中の負圧管を接続しておく。そして、スイッチ等の操作により、スカラロボットAの作動を開始させる。これによって、ベース部10に対して、第1アーム18がモータ12の回転軸12bを中心として水平面上で回転するとともに、第1アーム18に対して、第2アーム20がモータ21の回転軸21bを中心として水平面上で回転して作動軸31を電子部品の設置場所に移動させる。
【0058】
ついで、Z軸モータ43とR軸モータ47との作動により、作動軸組付体30の下端側の吸引装置が下降するとともに、軸周り方向に回転して電子部品を所定方向から吸着できるようにする。その状態で、吸引装置の作動により、吸引装置に電子部品が吸着される。つぎに、Z軸モータ43の作動により吸引装置が上昇し、モータ12,21の作動により第1アーム18がベース部10に対して、第2アーム20が第1アーム18に対してそれぞれ回転し、吸引装置は基板の所定位置の上方に移動する。
【0059】
ついで、Z軸モータ43とR軸モータ47の作動により、吸引装置が下降するとともに、軸周り方向に回転して電子部品を基板の設定位置に位置させる。その状態で、吸引装置による電子部品の吸引を解除して、電子部品を基板上に実装する。この操作を繰り返すことにより、複数の電子部品が順次基板に装着される。また、その際の作動軸組付体30の上下方向の移動範囲は、下降方向が下降端ストッパ71によって規制され、上昇方向が上昇端ストッパ72によって規制される。
【0060】
そして、作動軸31が損傷したり、メンテナンスのために作動軸組付体30を取り外す必要が生じたりしたときには、作動軸組付体30から外部配線34a,34bおよび外部配管35a,35bを取り外すとともに、下降端ストッパ71、上昇端ストッパ72およびアダプタ56等を取り外す。その状態で、作動軸組付体30を回転させながら下降または上昇させて、スカラロボットAの本体から取り外す。ついで、新しい作動軸組付体30をスカラロボットAの本体に組み込んだのちに、作動軸組付体30に外部配線34a,34bおよび外部配管35a,35bを接続するとともに、下降端ストッパ71、上昇端ストッパ72およびアダプタ56等を取り付ける。
【0061】
なお、R軸ボールスプラインナット46と作動軸31には、複数の鋼球の直径を変えることによって予圧をかけているが、作動軸組付体30の交換の際に、作動軸組付体30だけを交換すると、前述した予圧がかかり過ぎたり、かからなかったりすることがある。また、新たな作動軸組付体30と、Z軸ボールネジナット42との間にも不具合が生じることがある。このような場合には、作動軸組付体30だけでなく、作動軸組付体30を、Z軸ボールネジナット42およびR軸ボールスプラインナット46と一緒に交換することもできる。
【0062】
以上のように、本実施形態に係るスカラロボットAでは、接続配線を作動軸31内に設置される内部配線34と内部配線34の両端に接続される外部配線34a,34bとで構成するとともに、接続配管を作動軸31内に設置される内部配管35と内部配管35の両端に接続される外部配管35a,35bとで構成している。そして、内部配線34と内部配管35を、作動軸31の両端開口にそれぞれ設けられた上端接続部材32と下端接続部材33を介して作動軸31に組み付けて一体からなる作動軸組付体30を形成している。
【0063】
このため、作動軸31が破損したりして、作動軸組付体30を取り替える際には、外部配線34a,34bと外部配管35a,35bとを作動軸組付体30から外して、作動軸組付体30をスカラロボットAの本体から取り外し、新たな作動軸組付体30をスカラロボットAの本体に取り付け、その作動軸組付体30に外部配線34a,34bと外部配管35a,35bとを接続することができる。この結果、配線や配管の全体を作動軸31から抜き取ったり、作動軸31に挿入したりする作業が不要になる。このため、メンテナンスや取り替えのために、作動軸31をスカラロボットAの本体に対して着脱する作業が容易になる。
【0064】
また、作動軸31の上端開口に、上端接続部材32を設けたことにより、外部配線34aと外部配管35aとの内部配線34と内部配管35とへの接続やその接続を解除する操作が容易になる。さらに、作動軸31の下端開口に、下端接続部材33を設けたことにより、外部配線34bと外部配管35bとの内部配線34と内部配管35とへの接続やその接続を解除する操作が容易になる。また、下降端ストッパ71に、外部配線34aと外部配管35aとを保持するためのステー53を設けたため、作動軸31が移動する際に、外部配線34aと外部配管35aが振り回されて破損することがなくなる。
【0065】
(第2実施形態)
図13および図14は、本発明の第2実施形態に係るスカラロボットBを示している。このスカラロボットBでは、配管が接続されることなく連続して延びる2本の連続配管65で構成されており、作動軸組付体60の内部には、内部配線64だけが設置されている。作動軸組付体60は、中空の作動軸61の上下の開口にそれぞれ、上端接続部材62と下端接続部材63を取り付けるとともに、上端接続部材62と下端接続部材63との間を、内部配線64で接続した一体からなる構成をしている。また、作動軸61の上端側には、図15ないし図17に示したように、上部貫通穴61aが形成され、作動軸61の下端側には、図18ないし図20に示したように、下部貫通穴61bが形成されている。
【0066】
図15ないし図17は、スカラロボットBが備える作動軸組付体60の上端側部分を示しており、これらの図に示されているように、外部配線64aの先端部には、上端接続部材62の配線コネクタ62aに嵌合できるコネクタ62bが取り付けられている。そして、図15に示したように、外部配線64aのコネクタ62bを上端接続部材62の配線コネクタ62aに接近させた状態から、コネクタ62bを配線コネクタ62aに押し付けることにより、図16に示したように、配線コネクタ62aとコネクタ62bとを連結して内部配線64と外部配線64aとを接続することができる。
【0067】
作動軸61内には、連続配管65も通されており、図16の状態で、外部から延びてくる連続配管65の先端部を上部貫通穴61aから作動軸61の内部に挿入する。そして、さらに連続配管65を作動軸61内に挿入してその先端側部分を下部貫通穴61bから外部に引き出す。また、作動軸61の外周面上部には、略リング状の下降端ストッパ73がボルト73aによって固定されている。
【0068】
そして、下降端ストッパ73の上面には、ステー66がねじ67によって固定されており、外部配線64aおよび連続配管65は、2個のナイロンクランプ68と2個のねじ68aによってステー66の垂直片66bに固定される。これによって、図17に示した状態になる。なお、ステー66は、水平片66aと垂直片66bとからなっており、垂直片66bが前述したステー53の垂直片53bよりも縦長になっていることと、挿通穴に作動軸61の上部が挿通していること以外はステー53と同じ構成になっている。
【0069】
図18ないし図20は、スカラロボットBが備える作動軸組付体60の下端側部分を示しており、これらの図に示されているように、外部配線64bの基端部には、下端接続部材63の配線コネクタ63aに嵌合できるコネクタ63bが取り付けられている。そして、図18に示したように、外部配線64bのコネクタ63bを下端接続部材63の配線コネクタ63aに接近させた状態から、コネクタ63bを配線コネクタ63aに押し付けることにより、図19に示したように、配線コネクタ63aとコネクタ63bとを連結して内部配線64と外部配線64bとを接続することができる。なお、図18および図19においては、下部貫通穴61bから外部に引き出された連続配管65を省略している。
【0070】
そして、図20に示したように、外部配線64bの先端部は、センサ69bなどに接続され、下部貫通穴61bから外部に引き出された連続配管65の先端部はハンド69aに取り付けられる作業装置などに接続される。また、アダプタ69は、前述したスカラロボットAのアダプタ56よりも空間部が縦長になった略コ字状に形成されており、その上面で、略リング状の上昇端ストッパ74がボルト74aによって作動軸61の外周面に固定されている。このスカラロボットBのそれ以外の部分の構成については、前述したスカラロボットAと同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。
【0071】
本実施形態に係るスカラロボットBでは、作動軸組付体60に組み込まれた内部配線64と、内部配線64に接続される外部配線64a,64bからなる接続配線の他に、連続して延びる連続配管65を用いる場合に、連続配管65を、作動軸61の上下の開口を通さずに作動軸61内に通すことができる。すなわち、作動軸61の上下の開口に、それぞれ配線コネクタ62aとコネクタ62bや、配線コネクタ63aとコネクタ63bを配置した場合に、連続配管65を作動軸61の上下の開口に通すことは難しいが、作動軸61の内部には連続配管65の一部を収容できるスペースがあることがある。
【0072】
この場合に、作動軸61に上部貫通穴61aと下部貫通穴61bとを設けて、連続配管65を、上部貫通穴61aから作動軸61の内部に挿入し、その先端側部分を下部貫通穴61bから作動軸61の外部に引き出すことができる。このため、作動軸61の上下の開口に、配線コネクタ62a,63aなどを設けても、その配線コネクタ62a,63aなどが、連続配管65を作動軸61内に通す際の邪魔にならなくなる。このスカラロボットBのそれ以外の作用効果については、前述したスカラロボットAと同様である。
【0073】
また、本発明に係るロボットは、前述した各実施形態に限定するものでなく、適宜変更して実施することができる。前述した第1実施形態においては、作動軸31の上下に取り付けた上端接続部材32と下端接続部材33との間をそれぞれ内部配線34と内部配管35とで接続して作動軸組付体30を構成をしているが、この作動軸組付体は、他の構成にすることもできる。
【0074】
例えば、作動軸31の上端に上端接続部材32を取り付けて下端接続部材33は設けず、内部配線と内部配管とをそれぞれ作動軸31の内部から作動軸31の下端開口を通して外部に延ばして作動軸組付体を構成してもよい。また、作動軸31の下端に下端接続部材33を取り付けて上端接続部材32は設けず、内部配線と内部配管とをそれぞれ作動軸31の内部から作動軸31の上端開口を通して外部に延ばして作動軸組付体を構成してもよい。また、配線だけで接続線条部材を構成してもよいし、配管だけで接続線条部材を構成してもよい。
【0075】
また、前述した第2実施形態においては、内部線条部材として内部配線64を用い、連続線条部材として連続配管65を用いているが、これに代えて、内部線条部材として内部配管を用い、連続線条部材として連続配線を用いてもよい。さらに、内部線条部材として内部配線と内部配管との双方を用い、連続線条部材として連続配線と連続配管との双方を用いるなど、種々の配線および配管を組み合わせることができる。
【0076】
また、作動軸61の上端に上端接続部材62を取り付けるとともに、作動軸61の上端側に上部貫通穴61aを形成して、下端接続部材63は設けず、連続線条部材を上部貫通穴61aから作動軸61内に挿入して作動軸61の下端開口から外部に引き出すこともできる。さらに、作動軸61の下端に下端接続部材63を取り付けるとともに、作動軸61の下端側に下部貫通穴61bを形成して、上端接続部材62は設けず、連続線条部材を作動軸61の上端開口から作動軸内に挿入して下部貫通穴61bから外部に引き出すこともできる。また、本発明に係るスカラロボットのそれ以外の部分の構成についても、本発明の技術的範囲内で適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0077】
20…第2アーム、23…取付用穴、30,60…作動軸組付体、31,61…作動軸、32,62…上端接続部材、33,63…下端接続部材、34,64…内部配線、34a,34b,64a,64b…外部配線、35…内部配管、35a,35b…外部配管、53,66…ステー、61a…上部貫通穴、61b…下部貫通穴、65…連続配管、A,B…スカラロボット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側に位置する回転中心部を中心として水平方向に回転可能に設けられたアームと、
前記アームの他端側に配置され、上下方向に移動する中空の作動軸と、
前記作動軸に挿通された可撓性を有する線条部材と
を備えたスカラロボットであって、
前記線条部材は、前記作動軸の内部に位置する部分を含む内部線条部材と、前記内部線条部材に着脱可能に接続され前記作動軸の外部に位置する外部線条部材とを含み、
前記作動軸と前記内部線条部材とで一体の作動軸組付体を構成したことを特徴とするスカラロボット。
【請求項2】
前記内部線条部材と前記外部線条部材とを接続する接続部材をさらに備え、前記接続部材を前記作動軸の外部に配設した請求項1に記載のスカラロボット。
【請求項3】
前記内部線条部材は内部配線を含み、前記外部線条部材は外部配線を含む請求項1または2に記載のスカラロボット。
【請求項4】
前記内部線条部材は内部配管を含み、前記外部線条部材は外部配管を含む請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載のスカラロボット。
【請求項5】
前記外部線条部材は、前記作動軸の外部側から前記作動軸の上端部に延びる基端側線条部材を含む請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載のスカラロボット。
【請求項6】
前記接続部材は、前記作動軸の上端開口に、前記内部線条部材の上端部が連結されるとともに、前記基端側線条部材の先端部が着脱可能になった上端接続部材を含む請求項5に記載のスカラロボット。
【請求項7】
前記外部線条部材は、前記作動軸の下端部から前記作動軸の外部に延びる先端側線条部材を含む請求項1ないし6のうちのいずれか一つに記載のスカラロボット。
【請求項8】
前記接続部材は、前記作動軸の下端開口に、前記内部線条部材の下端部が連結されるとともに、前記先端側線条部材の上端部が着脱可能になった下端接続部材を含む請求項7に記載のスカラロボット。
【請求項9】
前記作動軸の上端開口近傍で、前記線条部材を保持する保持部材をさらに備えた請求項1ないし8のうちのいずれか一つに記載のスカラロボット。
【請求項10】
前記作動軸の上部に上部貫通穴が設けられているとともに、前記線条部材は、前記作動軸の上方から前記作動軸を挿通して前記作動軸の下方に連続して延びる連続線条部材を含み、前記連続線条部材が、前記上部貫通穴から前記作動軸の内部に挿入されている請求項1ないし9のうちのいずれか一つに記載のスカラロボット。
【請求項11】
前記作動軸の下部に下部貫通穴が設けられているとともに、前記線条部材は、前記作動軸の上方から前記作動軸を挿通して前記作動軸の下方に連続して延びる連続線条部材を含み、前記連続線条部材が、前記下部貫通穴から前記作動軸の外部に延びている請求項1ないし10のうちのいずれか一つに記載のスカラロボット。
【請求項1】
一端側に位置する回転中心部を中心として水平方向に回転可能に設けられたアームと、
前記アームの他端側に配置され、上下方向に移動する中空の作動軸と、
前記作動軸に挿通された可撓性を有する線条部材と
を備えたスカラロボットであって、
前記線条部材は、前記作動軸の内部に位置する部分を含む内部線条部材と、前記内部線条部材に着脱可能に接続され前記作動軸の外部に位置する外部線条部材とを含み、
前記作動軸と前記内部線条部材とで一体の作動軸組付体を構成したことを特徴とするスカラロボット。
【請求項2】
前記内部線条部材と前記外部線条部材とを接続する接続部材をさらに備え、前記接続部材を前記作動軸の外部に配設した請求項1に記載のスカラロボット。
【請求項3】
前記内部線条部材は内部配線を含み、前記外部線条部材は外部配線を含む請求項1または2に記載のスカラロボット。
【請求項4】
前記内部線条部材は内部配管を含み、前記外部線条部材は外部配管を含む請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載のスカラロボット。
【請求項5】
前記外部線条部材は、前記作動軸の外部側から前記作動軸の上端部に延びる基端側線条部材を含む請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載のスカラロボット。
【請求項6】
前記接続部材は、前記作動軸の上端開口に、前記内部線条部材の上端部が連結されるとともに、前記基端側線条部材の先端部が着脱可能になった上端接続部材を含む請求項5に記載のスカラロボット。
【請求項7】
前記外部線条部材は、前記作動軸の下端部から前記作動軸の外部に延びる先端側線条部材を含む請求項1ないし6のうちのいずれか一つに記載のスカラロボット。
【請求項8】
前記接続部材は、前記作動軸の下端開口に、前記内部線条部材の下端部が連結されるとともに、前記先端側線条部材の上端部が着脱可能になった下端接続部材を含む請求項7に記載のスカラロボット。
【請求項9】
前記作動軸の上端開口近傍で、前記線条部材を保持する保持部材をさらに備えた請求項1ないし8のうちのいずれか一つに記載のスカラロボット。
【請求項10】
前記作動軸の上部に上部貫通穴が設けられているとともに、前記線条部材は、前記作動軸の上方から前記作動軸を挿通して前記作動軸の下方に連続して延びる連続線条部材を含み、前記連続線条部材が、前記上部貫通穴から前記作動軸の内部に挿入されている請求項1ないし9のうちのいずれか一つに記載のスカラロボット。
【請求項11】
前記作動軸の下部に下部貫通穴が設けられているとともに、前記線条部材は、前記作動軸の上方から前記作動軸を挿通して前記作動軸の下方に連続して延びる連続線条部材を含み、前記連続線条部材が、前記下部貫通穴から前記作動軸の外部に延びている請求項1ないし10のうちのいずれか一つに記載のスカラロボット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−22715(P2013−22715A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162293(P2011−162293)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】
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