スクリーン印刷機
【課題】基板の上下方向の厚さの変更と、基板の搬送方向に対して略直交する方向の長さの変更と、に簡単に対応可能なスクリーン印刷機を提供することを課題とする。
【解決手段】スクリーン印刷機１は、印刷時にマスク５０の下面を支持するマスクバックアップ装置２を備える。基板Ｂの搬送方向をＸ軸方向、Ｘ軸方向に略直交する方向をＹ軸方向とする。マスクバックアップ装置２は、複数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを有する。複数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒのうち、印刷時にマスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの数は、基板ＢのＹ軸方向の長さに応じて、加除可能である。基板Ｂの上下方向の厚さによらず、印刷時に、マスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面と、基板Ｂの上面と、を略同じ高さにする。
【解決手段】スクリーン印刷機１は、印刷時にマスク５０の下面を支持するマスクバックアップ装置２を備える。基板Ｂの搬送方向をＸ軸方向、Ｘ軸方向に略直交する方向をＹ軸方向とする。マスクバックアップ装置２は、複数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを有する。複数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒのうち、印刷時にマスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの数は、基板ＢのＹ軸方向の長さに応じて、加除可能である。基板Ｂの上下方向の厚さによらず、印刷時に、マスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面と、基板Ｂの上面と、を略同じ高さにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、基板の所定の位置にはんだを印刷するためのスクリーン印刷機に関する。
【背景技術】
【０００２】
図４３に、従来のスクリーン印刷機の印刷前状態の模式図を示す。図４３に示すように、基板１００は、基板バックアップ片１０１の上面に載置されている。基板１００の上方には、マスク１０２とスキージ１０３とが配置されている。マスク１０２には、所定のパターンで、上下方向に貫通する印刷孔（図略）が配置されている。マスク１０２の上面には、はんだ（図略）が配置されている。
【０００３】
図４４に、同スクリーン印刷機の印刷状態の模式図を示す。図４４に示すように、印刷状態においては、基板１００の上面にマスク１０２の下面が当接している。スキージ１０３は、マスク１０２の上面を前後方向に摺動する。マスク１０２の上面のはんだは、摺動するスキージ１０３により、印刷孔に押し込まれる。押し込まれたはんだは、基板１００の上面の所定の位置に印刷される。
【０００４】
しかしながら、図４４に円Ａ１００で示すように、基板１００の左右方向両端付近を境に、マスク１０２の左右方向両端は、スキージ１０３により下方に押し下げられている（図４４においてはマスク１０２の変形を強調して示す。）。このため、基板１００の左右方向両端付近に印圧が集中してしまう。すなわち、基板１００の左右方向両端付近と中央付近とで印圧がばらついてしまう。印圧がばらつくと、スキージ１０３の通過に伴って、マスク１０２が変形してしまう。このため、印刷の位置ずれや、かすれ等が発生しやすくなる。つまり、印刷品質が低下してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開平６−２６２７４８号公報
【特許文献２】特開２００５−３２４４９３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
そこで、基板の左右方向両側に一対のマスクバックアップ片が配置されたスクリーン印刷機が考案されている（例えば特許文献１参照）。図４５に、同スクリーン印刷機の基板搬送状態の模式図を示す。図４６に、同スクリーン印刷機の印刷前状態の模式図を示す。図４７に、同スクリーン印刷機の印刷状態の模式図を示す。なお、図４５〜図４７において、図４３と対応する部位については同じ符号で示す。
【０００７】
図４５〜図４７に示すように、基板バックアップ片１０１の左右方向両側には、一対のマスクバックアップ片１０４が配置されている。図４７に示すように、印刷状態においては、マスク１０２における基板１００の左右方向両側部分は、マスクバックアップ片１０４により下方から支持されている。このため、マスク１０２の左右方向両端が、スキージ１０３により下方に押し下げられにくい。したがって、基板１００の左右方向両端付近と中央付近とで印圧がばらつきにくい。このように、マスクバックアップ片１０４を配置すると、印刷品質の低下を抑制することができる。
【０００８】
ところで、印刷状態においては、マスクバックアップ片１０４の上面の高さと、基板１００の上面の高さと、クランプ部材１０５の上面の高さと、を略同じ高さにする必要がある。このため、図４５に示すように、マスクバックアップ片１０４の上面と基板バックアップ片１０１の上面との高度差Ａ１０２は、基板１００の上下方向の厚さＡ１０１と、略等しくなるように設定されている。
【０００９】
しかしながら、はんだを印刷する基板１００の種類を変更する際、つまり段取り替えの際、基板１００の上下方向の厚さＡ１０１が変わる場合がある。この場合、逐一、高度差Ａ１０２を設定し直す必要がある。
【００１０】
特許文献２には、版離れ性を向上させる目的でマスクバックアップ片を配置したスクリーン印刷機が開示されている。特許文献２のスクリーン印刷機の基板の左右方向両側には、一対のマスクバックアップ片が配置されている。特許文献２の[図３]に示すように、スクリーン印刷機には部材高さ保持手段が配置されている。このため、基板の上下方向の厚さによらず、マスクバックアップ片の上面の高さと、基板の上面の高さと、クランプ部材の上面の高さと、を略同じ高さに保持することができる。したがって、基板の上下方向の厚さが変わる場合であっても、マスクバックアップ片の上面と基板バックアップ片の上面との高度差を、設定し直す必要がない。
【００１１】
しかしながら、特許文献２には、図４４に示すような印刷時の課題、すなわち印刷品質の低下という課題は、開示あるいは示唆されていない。また、特許文献１、特許文献２のスクリーン印刷機によると、マスクバックアップ片の前後方向長さを変更することができない。このため、段取り替えの際、基板１００の前後方向長さが変わる場合に、マスクバックアップ片を、丸ごと交換する必要がある。
【００１２】
本発明のスクリーン印刷機は、上記課題に鑑みて完成されたものである。本発明は、基板の上下方向の厚さの変更と、基板の搬送方向に対して略直交する方向の長さの変更と、に簡単に対応可能なマスクバックアップ装置を備えるスクリーン印刷機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
（１）上記課題を解決するため、本発明のスクリーン印刷機は、印刷孔を有するマスクの下面を基板の上面に当接させ、該印刷孔を介してはんだを該マスクの上面側から該基板の上面に印刷する印刷時に、該マスクの下面を支持するマスクバックアップ装置を備えてなるスクリーン印刷機であって、前記基板の搬送方向をＸ軸方向、該Ｘ軸方向に略直交する方向をＹ軸方向として、前記マスクバックアップ装置は、複数のマスクバックアップ片を有し、複数の該マスクバックアップ片のうち、前記印刷時に前記マスクの下面を支持する該マスクバックアップ片の数は、該基板の該Ｙ軸方向の長さに応じて、加除可能であり、該基板の上下方向の厚さによらず、該印刷時に、該マスクの下面を支持する該マスクバックアップ片の上面と、該基板の上面と、を略同じ高さにすることを特徴とする（請求項１に対応）。
【００１４】
本発明のスクリーン印刷機のマスクバックアップ装置は、複数のマスクバックアップ片を備えている。このため、印刷時に、印圧がばらつきにくく、マスクが変形しにくい。したがって、印刷品質が低下しにくい。
【００１５】
また、複数のマスクバックアップ片は、加除可能である。例えば段取り替えなどにより、基板のＹ軸方向の長さが長くなる場合は、印刷時にマスクの下面を支持するためのマスクバックアップ片の配置数を増加させる。一方、基板のＹ軸方向の長さが短くなる場合は、印刷時にマスクの下面を支持するためのマスクバックアップ片の配置数を減少させる。
【００１６】
このように、本発明のスクリーン印刷機によると、マスクバックアップ片の配置数を増減することにより、基板のＹ軸方向の長さの変更に対応することができる。このため、マスクバックアップ片を丸ごと交換する場合と比較して、作業が簡単である。また、基板の種類に対する汎用性が高い。
【００１７】
また、本発明のスクリーン印刷機によると、基板の上下方向の厚さによらず、印刷時に、マスクの下面を支持するマスクバックアップ片の上面と、基板の上面と、を略同じ高さにすることができる。このため、基板の上下方向の厚さの変更に応じて、逐一、マスクバックアップ片の上面と基板バックアップ片の上面との高度差を、基板の上下方向の厚さと略等しくなるように、調整する必要がない。
【００１８】
（２）好ましくは、上記（１）の構成において、さらに、前記印刷時に前記基板の下面を支持する基板バックアップ片を有する基板バックアップ装置と、前記マスクを有するマスク装置と、該印刷時に該マスクの上面を摺動し前記印刷孔を介して前記はんだを該基板の上面に印刷するスキージを有するスキージ装置と、を備える構成とする方がよい（請求項２に対応）。本構成によると、印刷の際、基板の下面を基板バックアップ片により支持することができる。
【００１９】
（２−１）好ましくは、上記（２）の構成において、さらに、前記印刷時に前記基板の前記Ｙ軸方向両側面を挟持するクランプ装置を有し、前記スキージの摺動方向は、該Ｙ軸方向であり、複数の前記マスクバックアップ片は、前記基板バックアップ片の前記Ｘ軸方向両側に配置されており、複数の該マスクバックアップ片の該Ｘ軸方向両端間の長さは、該スキージの該Ｘ軸方向の長さ以上である構成とする方がよい。
【００２０】
仮に、複数のマスクバックアップ片のＸ軸方向両端間の長さがスキージのＸ軸方向の長さよりも短い場合、言い換えると複数のマスクバックアップ片に対してスキージがＸ軸方向にはみ出る場合、マスクのうちスキージのＸ軸方向両端の下方に配置される部分が、マスクバックアップ片により支持されないおそれがある。この場合、マスクの当該部分がスキージにより下方に押し下げられるおそれがある。
【００２１】
これに対して、本構成によると、マスクのうちスキージのＸ軸方向両端の下方に配置される部分が、マスクバックアップ片により支持されている。このため、マスクの当該部分がスキージにより下方に押し下げられるおそれがない。したがって、スキージの摺動方向（Ｙ軸方向）に対して略直交する方向（Ｘ軸方向）に、印圧がばらつきにくい。
【００２２】
（２−２）好ましくは、上記（２）の構成において、さらに、前記印刷時に前記基板の前記Ｙ軸方向両側面を挟持するクランプ装置を有し、前記スキージの摺動方向は、該Ｙ軸方向であり、複数の前記マスクバックアップ片は、前記基板バックアップ片の前記Ｘ軸方向両側に配置されており、該Ｘ軸方向に互いに隣り合う、該マスクバックアップ片の上面と、該基板の上面と、の間の隙間は、略０である構成とする方がよい。
【００２３】
本構成によると、印刷時に、マスクバックアップ片の上面と、基板の上面と、がＸ軸方向に略隙間なく連なっている。このため、スキージの摺動方向（Ｙ軸方向）に対して略直交する方向（Ｘ軸方向）に、印圧がばらつきにくい。
【００２４】
（２−３）好ましくは、上記（２）の構成において、前記基板バックアップ装置は、前記Ｙ軸方向に延在する基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部と、該基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部に移動可能に配置される複数の前記基板バックアップ片と、を有し、該基板バックアップ片を該基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部に沿って移動させることにより、前記印刷時に前記基板の下面を支持する該基板バックアップ片の配置数を調整する構成とする方がよい。
【００２５】
本構成によると、複数の基板バックアップ片が、基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部に沿って、Ｙ軸方向に移動可能である。このため、基板のＹ軸方向の長さに応じて、印刷時に基板の下面を支持するための基板バックアップ片の配置数を、簡単に増減することができる。
【００２６】
また、本構成によると、基板のＹ軸方向の長さを変更する際、逐一、基板バックアップ片を、スクリーン印刷機の機内から機外に、あるいは機外から機内に、移動させる必要がない。このように、本構成によると、基板のＹ軸方向の長さの変更に簡単に対応することができる。
【００２７】
（２−４）好ましくは、上記（２−３）の構成において、前記基板バックアップ装置は、前記Ｘ軸方向に並設可能な複数の基板バックアップユニットを有し、複数の該基板バックアップユニットは、各々、前記基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部と、複数の前記基板バックアップ片と、を有する構成とする方がよい。本構成によると、基板バックアップユニットのＸ軸方向の並設数を増減することにより、基板のＸ軸方向の長さの変更に簡単に対応することができる。
【００２８】
（３）好ましくは、上記（２）の構成において、さらに、前記基板バックアップ装置が配置され上下動可能なバックアップテーブルと、前記マスクバックアップ装置が配置されるメインテーブルと、を有する構成とする方がよい（請求項３に対応）。
【００２９】
本構成によると、基板バックアップ装置とマスクバックアップ装置とが、各々別のテーブルに配置されている。このため、基板バックアップ装置とマスクバックアップ装置とを、互いに独立して動かすことができる。
【００３０】
（４）好ましくは、上記（３）の構成において、さらに、前記メインテーブルに配置され、前記印刷時に前記基板の両側面を挟持するクランプ装置を有し、前記マスクバックアップ装置は、さらに、該メインテーブルに対して上下動しないメインテーブル用基部と、該メインテーブル用基部と複数の前記マスクバックアップ片との間に介装され複数の該マスクバックアップ片の上面を上昇させることが可能な可動部と、を有し、該バックアップテーブルの上昇量を調整することにより、該基板の上下方向の厚さによらず、該基板の上面を、該クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させ、該メインテーブル用基部の上端と該クランプ装置の上面との高度差が不変であることを利用して、該可動部は、該印刷時に前記マスクの下面を支持する該マスクバックアップ片の上面を、該クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させる構成とする方がよい（請求項４に対応）。
【００３１】
本構成によると、印刷の際、基板の両側面を、クランプ装置により、挟持することができる。また、本構成によると、基板の上下方向の厚さが厚い場合には、その分バックアップテーブルの上昇量を小さくする。一方、基板の上下方向の厚さが薄い場合には、その分バックアップテーブルの上昇量を大きくする。このようにして、基板の上下方向の厚さによらず、基板の上面を、クランプ装置の上面と略同じ高さに揃えている。
【００３２】
また、メインテーブル用基部の上端と、クランプ装置の上面と、の高度差は不変である。このため、マスクの下面を支持するマスクバックアップ片の上面を、クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させる際の、マスクバックアップ片の上面の上昇量は、一定である。したがって、可動部は、基板の上下方向の厚さによらず、またバックアップテーブルの上昇量によらず、常に一定の上昇量で、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片の上面を、クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させることができる。
【００３３】
このように、本構成によると、基板の上下方向の厚さに応じてバックアップテーブルの上昇量を調整する場合であっても、マスクバックアップ片の上面の上昇量を調整する必要がない。このため、例えば、特許文献２のスクリーン印刷機のように、部材高さ保持手段を配置する必要がない。したがって、スクリーン印刷機の構造が簡単になる。
【００３４】
（５）好ましくは、上記（３）または（４）の構成において、前記メインテーブルは、前記Ｙ軸方向に所定の間隔だけ離間して配置され前記Ｘ軸方向に延在する複数のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を有し、前記マスクバックアップ装置は、さらに、前記基板バックアップ片の該Ｘ軸方向両側に配置される一対のメインテーブル用スライダを有し、該メインテーブル用スライダは、該メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を移動する構成とする方がよい（請求項５に対応）。
【００３５】
本構成によると、一対のメインテーブル用スライダが、基板バックアップ片のＸ軸方向両側に配置されている。メインテーブル用スライダは、メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部に沿って、Ｘ軸方向に移動可能である。
【００３６】
例えば段取り替えなどにより、基板のＸ軸方向の長さが長くなる場合は、一対のメインテーブル用スライダ間のＸ軸方向の間隔を広げる。一方、基板のＸ軸方向の長さが短くなる場合は、一対のメインテーブル用スライダ間のＸ軸方向の間隔を狭める。
【００３７】
このように、本構成によると、一対のメインテーブル用スライダ間のＸ軸方向の間隔を拡縮することにより、基板のＸ軸方向の長さの変更に対応することができる。
【００３８】
（６）好ましくは、上記（５）の構成において、前記メインテーブルは、さらに、前記Ｘ軸方向に延在し、駆動時に互いに反対方向に動く順方向区間と逆方向区間とを有するメインテーブル側コンベアベルトを有し、一対の前記メインテーブル用スライダのうち一方は該順方向区間に、一対の該メインテーブル用スライダのうち他方は該逆方向区間に、それぞれ固定されている構成とする方がよい（請求項６に対応）。
【００３９】
本構成によると、メインテーブル側コンベアベルトを任意の方向に駆動することにより、一対のメインテーブル用スライダを、互いに反対方向に移動させることができる。このため、簡単に一対のメインテーブル用スライダ間のＸ軸方向の間隔を拡縮することができる。
【００４０】
（７）好ましくは、上記（５）または（６）の構成において、前記メインテーブル用スライダは、前記メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を移動する一対の前記メインテーブル用基部と、一対の前記可動部と、メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部と、を有し、該可動部は、昇降部と、該昇降部と該メインテーブル用基部とを上下方向に伸縮可能に連結する伸縮部と、を有し、該メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部は、前記Ｙ軸方向に延在し一対の該昇降部間に架設され、複数の前記マスクバックアップ片は、該メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に移動可能に配置され、該マスクバックアップ片を該メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に沿って移動させることにより、該マスクバックアップ片の配置数を調整する構成とする方がよい（請求項７に対応）。
【００４１】
本構成によると、伸縮部が伸張することにより昇降部が上昇する。すなわち、複数のマスクバックアップ片が上昇する。また、本構成によると、一対の昇降部間には、Ｙ軸方向に延在するメインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部が架設されている。複数のマスクバックアップ片は、当該メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に移動可能に配置されている。このため、マスクバックアップ片を移動させることにより、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片の配置数を、簡単に調整することができる。
【００４２】
また、本構成が、上記（５）の構成を介して、上記（４）の構成に従属する場合、メインテーブル用基部の上端と、クランプ装置の上面と、の高度差は不変である。このため、マスクの下面を支持するマスクバックアップ片の上面を、クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させる際の、マスクバックアップ片の上面の上昇量は、一定である。したがって、伸縮部は、基板の上下方向の厚さによらず、またバックアップテーブルの上昇量によらず、常に一定の伸張量で、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片の上面を、クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させることができる。
【００４３】
（７−１）好ましくは、上記（７）の構成において、前記伸縮部は、流体により伸縮する流体シリンダである構成とする方がよい。本構成によると、伸縮部を容易に伸縮させることができる。
【００４４】
（８）好ましくは、上記（７）の構成において、前記クランプ装置は、一対の前記メインテーブル用スライダを前記Ｘ軸方向に跨ぐと共に、前記Ｙ軸方向に移動可能な可動クランプ部材を有し、該可動クランプ部材は、移動することにより該Ｙ軸方向に押圧力を出力する出力部を有し、前記マスクバックアップ片は、該出力部に対して該Ｘ軸方向から離接可能な入力部を有し、該入力部を該出力部に当接させた状態で、該可動クランプ部材を該Ｙ軸方向に移動させることにより、該出力部の該押圧力を用いて、該マスクバックアップ片を、前記メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に沿って移動させる構成とする方がよい（請求項８に対応）。
【００４５】
本構成によると、可動クランプ部材の動きを利用して、マスクバックアップ片を移動させている。すなわち、可動クランプ部材は、印刷時に基板のＹ軸方向の側面を保持する。このため、可動クランプ部材の動きとマスクバックアップ片の動きとを連動させることにより、印刷時に必要な数のマスクバックアップ片を簡単に配置することができる。
【００４６】
（８−１）好ましくは、上記（８）の構成において、前記出力部は、前記Ｙ軸方向両端が互いに前記Ｘ軸方向にずれた出力面を有し、前記入力部は、該Ｙ軸方向両端が互いに該Ｘ軸方向にずれた入力面を有し、該出力面と該入力面とが面接触する構成とする方がよい。本構成によると、簡単に、押圧力を出力部から入力部に伝達することができる。
【００４７】
（９）好ましくは、上記（５）または（６）の構成において、前記メインテーブル用スライダは、一対の前記メインテーブル用基部と、一対の壁部と、前記可動部と、を有し、該壁部は、該メインテーブル用基部に固定され、該可動部は、前記Ｙ軸方向に延在し一対の該壁部間に軸回りに揺動可能に架設されるシャフトであり、前記マスクバックアップ片は、該シャフトの軸回りに揺動可能に配置され、該マスクバックアップ片は、該シャフトの軸回りに揺動することにより、前記印刷時に前記マスクの下面を支持しない寝状態と、該寝状態よりも高さが高く該印刷時に該マスクの下面を支持する立状態と、に切り替え可能である構成とする方がよい（請求項９に対応）。
【００４８】
本構成によると、複数のマスクバックアップ片は、シャフトの軸周りに揺動可能である。このため、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片の上面を、上昇させることができる。すなわち、マスクバックアップ片を揺動させることにより、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片の配置数を、簡単に調整することができる。
【００４９】
また、本構成が、上記（５）の構成を介して、上記（４）の構成に従属する場合、前述したように、メインテーブル用基部の上端と、クランプ装置の上面と、の高度差は不変である。このため、マスクの下面を支持するマスクバックアップ片の上面を、クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させる際の、マスクバックアップ片の上面の上昇量は、一定である。したがって、シャフトは、基板の上下方向の厚さによらず、またバックアップテーブルの上昇量によらず、常に一定の揺動量で、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片の上面を、クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させることができる。
【００５０】
（１０）好ましくは、上記（９）の構成において、前記マスクバックアップ片は、ボールプランジャを有し、前記シャフトは、側周面に、該ボールプランジャが係脱可能な凹部を有し、該ボールプランジャと該凹部との係脱機構を利用して、該マスクバックアップ片を、前記立状態にする構成とする方がよい（請求項１０に対応）。
【００５１】
マスクバックアップ片のボールプランジャと凹部とが係合している場合は、当該マスクバックアップ片はシャフトと一体的に揺動する。一方、マスクバックアップ片のボールプランジャと凹部とが係合していない場合は、当該マスクバックアップ片に対してシャフトは空回りする。すなわち、マスクバックアップ片はシャフトと一体的に揺動しない。このように、ボールプランジャと凹部との係脱機構を利用すると、任意のマスクバックアップ片を揺動させることができる。あるいは、任意のマスクバックアップ片を停止させることができる。したがって、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片を、立状態にすることができる。
【００５２】
（１１）好ましくは、上記（９）または（１０）の構成において、前記マスクバックアップ片は、前記Ｙ軸方向に隣接する別の該マスクバックアップ片に当接すると共に前記シャフトを中心とする周方向両端が互いに該Ｙ軸方向にずれた動力伝達面を有し、該動力伝達面を介して、該シャフトの揺動力および該揺動力に抗する揺動規制力のうち少なくとも一方を、伝達する構成とする方がよい（請求項１１に対応）。
【００５３】
本構成によると、Ｙ軸方向に互いに隣接する一対のマスクバックアップ片間において、動力伝達面を介して、揺動力および揺動規制力のうち少なくとも一方を、伝達することができる。このため、所定の数のマスクバックアップ片を、一度に、立状態あるいは寝状態にすることができる。
【００５４】
（１２）好ましくは、上記（１１）の構成において、前記クランプ装置は、一対の前記メインテーブル用スライダを前記Ｘ軸方向に跨ぐと共に、前記Ｙ軸方向に移動可能な可動クランプ部材を有し、全ての前記マスクバックアップ片を前記寝状態にすると共に、前記ボールプランジャを前記凹部に係合させ、該マスクバックアップ片が該寝状態から該立状態に切り替わる方向に前記シャフトを揺動させ、所定の該マスクバックアップ片を該可動クランプ部材に当接させ、該可動クランプ部材から入力される前記揺動規制力により、所定の該ボールプランジャを該凹部から外し、該マスクバックアップ片に対して該シャフトを空動させ、所定の該マスクバックアップ片が該立状態に切り替わるのを抑制すると共に、所定の該マスクバックアップ片に対して前記基板から離間する方向に連なる別の該バックアップ片に、前記動力伝達面を介して該揺動規制力を伝達し、所定の該マスクバックアップ片に連なる別の該バックアップ片が該立状態に切り替わるのを抑制する構成とする方がよい（請求項１２に対応）。
【００５５】
本構成によると、印刷時における可動クランプ部材のＹ軸方向の位置を利用して、マスクの下面を支持するマスクバックアップ片を、寝状態から立状態に切り替えている。このため、印刷時に必要な数のマスクバックアップ片を簡単に配置することができる。
【００５６】
（１３）好ましくは、上記（２）の構成において、さらに、前記基板バックアップ装置が配置され、上下動可能なバックアップテーブルを備え、前記マスクバックアップ装置は、該バックアップテーブルに配置される構成とする方がよい（請求項１３に対応）。本構成によると、バックアップテーブルに、基板バックアップ装置とマスクバックアップ装置とが、共に配置されている。このため、スクリーン印刷機の構造が簡単になる。
【００５７】
（１４）好ましくは、上記（１３）の構成において、さらに、前記印刷時に前記基板の両側面を挟持するクランプ装置を有し、該クランプ装置はストッパを有し、前記マスクバックアップ装置は、前記バックアップテーブルに対して上下動しないバックアップテーブル用基部と、該バックアップテーブル用基部と複数の前記マスクバックアップ片との間に介装され上下方向に伸縮可能な緩衝部と、を有し、該バックアップテーブルの上昇量を調整することにより、該基板の上下方向の厚さによらず、該基板の上面を、該クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させ、該緩衝部を該ストッパに当接させ該緩衝部を収縮させることにより、前記印刷時に前記マスクの下面を支持する該マスクバックアップ片の上面を、該クランプ装置の上面と略同じ高さに揃える構成とする方がよい（請求項１４に対応）。
【００５８】
バックアップテーブルに基板バックアップ装置とマスクバックアップ装置とが共に配置されている場合、バックアップテーブルの上昇量を調整すると、マスクバックアップ片の上面の上昇量も変わってしまう。このため、マスクバックアップ片の上面と、クランプ装置の上面とを、略同じ高さに揃えにくくなる。
【００５９】
この点、本構成によると、マスクバックアップ装置に緩衝部が配置されている。並びに、クランプ装置にストッパが配置されている。このため、基板の上下方向の厚さによらず、つまりバックアップテーブルの上昇量によらず、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片の上面を、クランプ装置の上面と略同じ高さに揃えることができる。
【００６０】
（１５）好ましくは、上記（１３）または（１４）の構成において、前記バックアップテーブルは、前記Ｙ軸方向に所定の間隔だけ離間して配置され前記Ｘ軸方向に延在する複数のバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を有し、前記マスクバックアップ装置は、さらに、前記基板バックアップ片の該Ｘ軸方向両側に配置される一対のバックアップテーブル用スライダを有し、該バックアップテーブル用スライダは、該バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を移動する構成とする方がよい（請求項１５に対応）。
【００６１】
本構成によると、一対のバックアップテーブル用スライダが、基板バックアップ片のＸ軸方向両側に配置されている。バックアップテーブル用スライダは、バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部に沿って、Ｘ軸方向に移動可能である。
【００６２】
例えば段取り替えなどにより、基板のＸ軸方向の長さが長くなる場合は、一対のバックアップテーブル用スライダ間のＸ軸方向の間隔を広げる。一方、基板のＸ軸方向の長さが短くなる場合は、一対のバックアップテーブル用スライダ間のＸ軸方向の間隔を狭める。
【００６３】
このように、本構成によると、一対のバックアップテーブル用スライダ間のＸ軸方向の間隔を拡縮することにより、基板のＸ軸方向の長さの変更に対応することができる。
【００６４】
（１６）好ましくは、上記（１５）の構成において、前記バックアップテーブルは、さらに、前記Ｘ軸方向に延在し、駆動時に互いに反対方向に動く順方向区間と逆方向区間とを有するバックアップテーブル側コンベアベルトを有し、一対の前記バックアップテーブル用スライダのうち一方は該順方向区間に、一対の該バックアップテーブル用スライダのうち他方は該逆方向区間に、それぞれ固定されている構成とする方がよい（請求項１６に対応）。
【００６５】
本構成によると、バックアップテーブル側コンベアベルトを任意の方向に駆動することにより、一対のバックアップテーブル用スライダを、互いに反対方向に移動させることができる。このため、簡単に一対のバックアップテーブル用スライダ間のＸ軸方向の間隔を拡縮することができる。
【００６６】
（１７）好ましくは、上記（１５）または（１６）の構成において、前記バックアップテーブル用スライダは、前記バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を移動する一対の前記バックアップテーブル用基部と、前記緩衝部と、バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部と、を有し、該緩衝部は、一対の該バックアップテーブル用基部の上方に配置される一対の壁部と、前記Ｙ軸方向に延在し一対の該壁部間に架設され前記ストッパに当接可能な当接部と、一対の該バックアップテーブル用基部と一対の壁部とを上下方向に伸縮可能に連結する一対の緩衝体と、を有し、該バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部は、該Ｙ軸方向に延在し一対の該壁部間に架設され、複数の前記マスクバックアップ片は、該バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に移動可能に配置され、該マスクバックアップ片を該バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に沿って移動させることにより、該マスクバックアップ片の配置数を調整する構成とする方がよい（請求項１７に対応）。
【００６７】
本構成によると、基板の上下方向の厚さの変更に伴うバックアップテーブルの上昇量の変更を、一対の緩衝体の収縮量により吸収することができる。
【００６８】
また、本構成によると、一対の壁部間には、Ｙ軸方向に延在するバックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部が架設されている。複数のマスクバックアップ片は、当該バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に移動可能に配置されている。このため、マスクバックアップ片を移動させることにより、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片の配置数を、簡単に調整することができる。
【００６９】
（１７−１）好ましくは、上記（１７）の構成において、前記緩衝体は、流体により伸縮する流体ダンパである構成とする方がよい。本構成によると、緩衝体の伸縮量を大きくすることができる。このため、基板の上下方向の厚さを大きく変更する場合であっても、対応しやすい。
【００７０】
（１８）好ましくは、上記（１７）の構成において、前記クランプ装置は、一対の前記バックアップテーブル用スライダを前記Ｘ軸方向に跨ぐと共に、前記Ｙ軸方向に移動可能な可動クランプ部材を有し、該可動クランプ部材は、移動することにより該Ｙ軸方向に押圧力を出力する出力部を有し、前記マスクバックアップ片は、該出力部に対して該Ｘ軸方向から離接可能な入力部を有し、該入力部を該出力部に当接させた状態で、該可動クランプ部材を該Ｙ軸方向に移動させることにより、該出力部の該押圧力を用いて、該マスクバックアップ片を、前記バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に沿って移動させる構成とする方がよい（請求項１８に対応）。
【００７１】
本構成によると、可動クランプ部材の動きを利用して、マスクバックアップ片を移動させている。すなわち、可動クランプ部材は、印刷時に基板のＹ軸方向の側面を挟持する。このため、可動クランプ部材の動きとマスクバックアップ片の動きとを連動させることにより、印刷時に必要な数のマスクバックアップ片を簡単に配置することができる。
【００７２】
（１８−１）好ましくは、上記（１８）の構成において、前記出力部は、前記Ｙ軸方向両端が互いに前記Ｘ軸方向にずれた出力面を有し、前記入力部は、該Ｙ軸方向両端が互いに該Ｘ軸方向にずれた入力面を有し、該出力面と該入力面とが面接触する構成とする方がよい。本構成によると、簡単に、押圧力を出力部から入力部に伝達することができる。
【００７３】
（１９）好ましくは、上記（１４）の構成において、前記マスクバックアップ装置は、さらに、前記基板バックアップ片の前記Ｘ軸方向両側に手動で配置される一対の手動用ユニットを有し、該手動用ユニットは、一対の前記バックアップテーブル用基部と、一対の該バックアップテーブル用基部間に架設される前記緩衝部と、を有し、該緩衝部は、一対の該バックアップテーブル用基部の上方に連なり上下方向に伸縮可能な一対の手動用緩衝体と、前記Ｙ軸方向に延在し一対の該手動用緩衝体間に架設されるマスクバックアップ片配置部と、前記ストッパに当接可能な手動用当接部と、を有し、複数の前記マスクバックアップ片は、該マスクバックアップ片配置部に加除可能に配置され、該マスクバックアップ片配置部に対する該マスクバックアップ片の配置数を手動で調整する構成とする方がよい（請求項１９に対応）。
【００７４】
本構成によると、一対の手動用ユニットが、基板バックアップ片のＸ軸方向両側に配置されている。例えば段取り替えなどにより、基板のＸ軸方向の長さが長くなる場合は、手動で一対の手動用ユニット間のＸ軸方向の間隔を広げる。一方、基板のＸ軸方向の長さが短くなる場合は、手動で一対の手動用ユニット間のＸ軸方向の間隔を狭める。このように、本構成によると、手動で一対の手動用ユニット間のＸ軸方向の間隔を拡縮することにより、基板のＸ軸方向の長さの変更に対応することができる。
【００７５】
また、本構成によると、マスクバックアップ片配置部におけるマスクバックアップ片の配置数を手動で変更することにより、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片の配置数を調整することができる。すなわち、マスクバックアップ片の配置数を調整することにより、基板のＹ軸方向の長さの変更に対応することができる。
【００７６】
また、本構成によると、既存のスクリーン印刷機に対して、特別な加工を施すことなく、マスクバックアップ片の数を加除可能なマスクバックアップ装置を、アドオンすることができる。このため、汎用性が高い。
【００７７】
（２０）好ましくは、上記（２）ないし（１９）のいずれかの構成において、前記印刷時に前記マスクの下面を支持する際、互いに隣接する任意の一対の前記マスクバックアップ片の上面間の境界は、前記スキージの摺動方向に対して、直交方向以外の交差方向に延在する構成とする方がよい（請求項２０に対応）。
【００７８】
スキージは、マスクの上面を摺動する。マスクバックアップ片は、マスクの下面を支持している。ここで、スキージに摺動方向に対して、互いに隣接する任意の一対のマスクバックアップ片の上面間の境界が、直交していると、スキージが当該境界の上を通過する際に、スキージのがたつきが大きくなる。
【００７９】
この点、本構成によると、スキージに摺動方向に対して、互いに隣接する任意の一対のマスクバックアップ片の上面間の境界が、直交していない。このため、スキージが当該境界の上を通過する際に、スキージのがたつきが大きくなりにくい。
【００８０】
（２１）上記構成のうち、基板バックアップ装置に関する（２−３）、（２−４）の構成、互いに隣接する任意の一対のマスクバックアップ片の上面間の境界に関する（２０）の構成は、（１）の構成から独立して実施することも可能である。すなわち、（２−３）、（２−４）、（２０）の構成は、複数のマスクバックアップ片を加除不可能なスクリーン印刷機や、マスクバックアップ片を有しないスクリーン印刷機に適用することも可能である。また、（２−３）、（２−４）、（２０）の構成は、基板の上下方向の厚さの変更に応じて、逐一、マスクバックアップ片の上面と基板バックアップ片の上面との高度差を、基板の上下方向の厚さと、略等しくなるように調整する必要があるスクリーン印刷機に適用することも可能である。
【発明の効果】
【００８１】
本発明によると、基板の上下方向の厚さの変更と、基板の搬送方向に対して略直交する方向の長さの変更と、に簡単に対応可能なマスクバックアップ装置を備えるスクリーン印刷機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００８２】
【図１】第一実施形態のスクリーン印刷機の斜視図である。
【図２】同スクリーン印刷機の上面図である。
【図３】同スクリーン印刷機の前面図である。
【図４】同スクリーン印刷機の分解斜視図である。
【図５】同スクリーン印刷機の基板バックアップユニットの斜視図である。
【図６】同スクリーン印刷機の基板バックアップユニットの部分拡大斜視図である。
【図７】同スクリーン印刷機の右方のメインテーブル用スライダの斜視図である。
【図８】同スクリーン印刷機のマスクバックアップ片の拡大斜視図である。
【図９】同スクリーン印刷機の可動クランプ部材の右方の柱部付近の拡大斜視図である。
【図１０】同スクリーン印刷機の印刷前状態の前面図である。
【図１１】同スクリーン印刷機の印刷状態の前面図である。
【図１２】同スクリーン印刷機の、基板の左右方向の長さを長くする場合の上面図である。
【図１３】同スクリーン印刷機の、基板の前後方向の長さを長くする場合の第一工程の上面図である。
【図１４】同スクリーン印刷機の、基板の前後方向の長さを長くする場合の第二工程の上面図である。
【図１５】図１４の枠ＸＶ内の拡大図である。
【図１６】同スクリーン印刷機の、基板の前後方向の長さを長くする場合の第三工程の上面図である。
【図１７】同スクリーン印刷機の、基板の前後方向の長さを長くする場合の第四工程の上面図である。
【図１８】第二実施形態のスクリーン印刷機の斜視図である。
【図１９】同スクリーン印刷機の右方のメインテーブル用スライダの斜視図である。
【図２０】同スクリーン印刷機の立状態のマスクバックアップ片の上面図である。
【図２１】同スクリーン印刷機のシャフトおよび立状態のマスクバックアップ片の軸直方向断面図である。
【図２２】同スクリーン印刷機のシャフトおよび寝状態のマスクバックアップ片の軸直方向断面図である。
【図２３】同スクリーン印刷機の基板搬送状態の前面図である。
【図２４】同スクリーン印刷機の基板搬送状態の上面図である。
【図２５】同スクリーン印刷機の基板搬送状態におけるシャフトおよび寝状態のマスクバックアップ片の軸直方向断面図である。
【図２６】同スクリーン印刷機の印刷前状態の前面図である。
【図２７】同スクリーン印刷機の印刷前状態の上面図である。
【図２８】図２７の枠ＸＸＶＩＩＩ内の拡大図である。
【図２９】同スクリーン印刷機の、基板の前後方向の長さを長くする場合の上面図である。
【図３０】第三実施形態のスクリーン印刷機の斜視図である。
【図３１】同スクリーン印刷機の上面図である。
【図３２】同スクリーン印刷機の前面図である。
【図３３】同スクリーン印刷機の分解斜視図である。
【図３４】同スクリーン印刷機の右方のバックアップテーブル用スライダの斜視図である。
【図３５】同スクリーン印刷機の印刷前状態の前面図である。
【図３６】第四実施形態のスクリーン印刷機の斜視図である。
【図３７】同スクリーン印刷機の分解斜視図である。
【図３８】互いに曲面状に面接触するマスクバックアップ片と出力部との上面図である。
【図３９】互いに前後方向にずれて面接触するマスクバックアップ片と出力部との上面図である。
【図４０】曲面状の動力伝達面を有する立状態のマスクバックアップ片の上面図である。
【図４１】階段状の動力伝達面を有する立状態のマスクバックアップ片の上面図である。
【図４２】動力伝達面を有しないスクリーン印刷機の印刷前状態の上面図である。
【図４３】従来のスクリーン印刷機の印刷前状態の模式図である。
【図４４】同スクリーン印刷機の印刷状態の模式図である。
【図４５】マスクバックアップ片を備えるスクリーン印刷機の基板搬送状態の模式図である。
【図４６】同スクリーン印刷機の印刷前状態の模式図である。
【図４７】同スクリーン印刷機の印刷状態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【００８３】
以下、本発明のスクリーン印刷機の実施の形態について説明する。
【００８４】
＜第一実施形態＞
［スクリーン印刷機の構成］
まず、本実施形態のスクリーン印刷機の構成について説明する。図１に、本実施形態のスクリーン印刷機の斜視図を示す。図２に、同スクリーン印刷機の上面図を示す。図３に、同スクリーン印刷機の前面図を示す。図４に、同スクリーン印刷機の分解斜視図を示す。なお、以下に示す図中、左右方向が本発明のＸ軸方向に、前後方向が本発明のＹ軸方向に、それぞれ対応する。また、図１、図２、図４においては、説明の便宜上、基板、マスク装置、スキージ装置を省略して示す。また、図３においては、説明の便宜上、固定クランプ部材を省略して示す。
【００８５】
図１〜図４に示すように、スクリーン印刷機１は、マスクバックアップ装置２と、基板バックアップ装置３と、クランプ装置４と、マスク装置５と、スキージ装置６と、バックアップテーブル７と、メインテーブル８と、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｆ、９ｒと、を備えている。
【００８６】
（メインテーブル８、バックアップテーブル７）
メインテーブル８は、テーブル本体８４と、一対のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒと、一対のメインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｌ、８１Ｒと、一対の保持板８２ｆ、８２ｒと、メインテーブル側コンベアベルト８３と、を備えている。
【００８７】
テーブル本体８４は、長方形板状を呈している。テーブル本体８４は、上下方向に移動可能である。また、テーブル本体８４は、左右方向、前後方向、上下方向軸を中心とする回転方向に、位置調整可能である。
【００８８】
一対の保持板８２ｆ、８２ｒは、各々、細板状を呈している。一対の保持板８２ｆ、８２ｒは、各々、左右方向に延在している。保持板８２ｆは、テーブル本体８４の上面の前縁に沿って配置されている。保持板８２ｒは、テーブル本体８４の上面の後縁に沿って配置されている。
【００８９】
一対のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒは、各々、角柱状を呈している。一対のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒは、各々、左右方向に延在している。メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆは、保持板８２ｆの上面に配置されている。メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｒは、保持板８２ｒの上面に配置されている。
【００９０】
メインテーブル側コンベアベルト８３は、左右方向に延びる環状を呈している。メインテーブル側コンベアベルト８３は、保持板８２ｆの前面に配置されている。メインテーブル側コンベアベルト８３は、上方の順方向区間８３０と、下方の逆方向区間８３１と、を備えている。
【００９１】
一対のメインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｌ、８１Ｒは、各々、角柱状を呈している。一対のメインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｌ、８１Ｒは、各々、前後方向に延在している。メインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｌは、テーブル本体８４の上面の左縁に沿って配置されている。メインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｒは、テーブル本体８４の上面の右縁に沿って配置されている。
【００９２】
バックアップテーブル７は、テーブル本体７０を備えている。テーブル本体７０は、長方形板状を呈している。図３に示すように、テーブル本体７０は、ボールねじ装置のシャフト７１により、下方から支持されている。シャフト７１には、ボールねじ装置のナット（図略）が環装されている。シャフト７１に対してナットが螺動することにより、テーブル本体７０は、上下方向に移動可能である。
【００９３】
（基板バックアップ装置３）
基板バックアップ装置３は、三つの基板バックアップユニット３０を備えている。三つの基板バックアップユニット３０は、図４にハッチングで示すように、テーブル本体７０の上面に配置されている。三つの基板バックアップユニット３０は、左右方向に並んでいる。
【００９４】
図５に、基板バックアップユニットの斜視図を示す。図５に示すように、基板バックアップユニット３０は、底板３００と、一対のブロック３０１ｆ、３０１ｒ（図２参照）と、ストッパ３０２と、基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部３０３と、多数の基板バックアップ片３０４と、を備えている。
【００９５】
底板３００は、細板状を呈している。底板３００は、前後方向に延在している。一対のブロック３０１ｆ、３０１ｒは、各々直方体状を呈している。ブロック３０１ｆは、底板３００の上面の前端に配置されている。ブロック３０１ｒは、底板３００の上面の後端に配置されている。
【００９６】
基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部３０３は、シャフト状を呈している。基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部３０３は、前後方向に延在している。基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部３０３は、一対のブロック３０１ｆ、３０１ｒ間に架設されている。
【００９７】
多数の基板バックアップ片３０４は、各々、長方形板状を呈している。図６に、基板バックアップユニットの部分拡大斜視図を示す。図６に示すように、基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部３０３は、多数の基板バックアップ片３０４を、串刺し状に貫通している。多数の基板バックアップ片３０４は、各々、基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部３０３に沿って、前後方向に移動可能である。
【００９８】
図５に戻って、ストッパ３０２は、円柱状を呈している。ストッパ３０２は、ブロック３０１ｆに近接して配置されている。ストッパ３０２は、多数の基板バックアップ片３０４の前端を位置決めしている。
【００９９】
（マスクバックアップ装置２）
図１〜図４に戻って、マスクバックアップ装置２は、多数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒと、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒと、を備えている。一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒは、各々、一対のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒ間に架設されている。一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒは、各々、一対のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒに沿って、左右方向に移動可能である。メインテーブル用スライダ２１Ｌは、基板バックアップ装置３の左方に配置されている。メインテーブル用スライダ２１Ｒは、基板バックアップ装置３の右方に配置されている。
【０１００】
図７に、右方のメインテーブル用スライダの斜視図を示す。図７に示すように、メインテーブル用スライダ２１Ｒは、一対のメインテーブル用基部２１０Ｒｆ、２１０Ｒｒと、一対の可動部２１１Ｒｆ、２１１Ｒｒと、メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２１２Ｒと、固定板２１３Ｒと、を備えている。
【０１０１】
一対のメインテーブル用基部２１０Ｒｆ、２１０Ｒｒは、各々、直方体状を呈している。一対のメインテーブル用基部２１０Ｒｆ、２１０Ｒｒの下面には、各々、被ガイド溝部２１４Ｒｆ、２１４Ｒｒが形成されている。図４に示すように、被ガイド溝部２１４Ｒｆは、メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆに対して、左右方向に摺動可能である。また、被ガイド溝部２１４Ｒｒは、メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｒに対して、左右方向に摺動可能である。
【０１０２】
図７に戻って、固定板２１３Ｒは、長方形板状を呈している。固定板２１３Ｒは、メインテーブル用基部２１０Ｒｆの前面に固定されている。また、図１に示すように、固定板２１３Ｒは、メインテーブル側コンベアベルト８３の順方向区間８３０に固定されている。
【０１０３】
図７に戻って、一対の可動部２１１Ｒｆ、２１１Ｒｒは、各々、昇降部２１５Ｒｆ、２１５Ｒｒと、エアシリンダ２１６Ｒｆ、２１６Ｒｒと、一対のガイド部材２５０Ｒｆ、２５０Ｒｒと、を備えている。エアシリンダ２１６Ｒｆ、２１６Ｒｒは、本発明の伸縮部に含まれる。前方の昇降部２１５Ｒｆは、直方体状を呈している。昇降部２１５Ｒｆは、メインテーブル用基部２１０Ｒｆの上方に配置されている。エアシリンダ２１６Ｒｆは、メインテーブル用基部２１０Ｒｆと昇降部２１５Ｒｆとの間に介装されている。一対のガイド部材２５０Ｒｆは、エアシリンダ２１６Ｒｆの左右両側に配置されている。同様に、後方の昇降部２１５Ｒｒは、直方体状を呈している。昇降部２１５Ｒｒは、メインテーブル用基部２１０Ｒｒの上方に配置されている。エアシリンダ２１６Ｒｒは、メインテーブル用基部２１０Ｒｒと昇降部２１５Ｒｒとの間に介装されている。一対のガイド部材２５０Ｒｒは、エアシリンダ２１６Ｒｒの左右両側に配置されている。エアシリンダ２１６Ｒｆ、２１６Ｒｒは、各々、上下方向に伸縮可能である。
【０１０４】
メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２１２Ｒは、シャフト状を呈している。メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２１２Ｒは、前後方向に延在している。メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２１２Ｒは、一対の昇降部２１５Ｒｆ、２１５Ｒｒ間に架設されている。
【０１０５】
多数のマスクバックアップ片２０Ｒは、各々、長方形板状を呈している。図８に、マスクバックアップ片の拡大斜視図を示す。図８に示すように、メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２１２Ｒは、多数のマスクバックアップ片２０Ｒを、串刺し状に貫通している。多数のマスクバックアップ片２０Ｒは、各々、メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２１２Ｒに沿って、前後方向に移動可能である。マスクバックアップ片２０Ｒの右端面には、入力面２００Ｒが配置されている。入力面２００Ｒの後端は、前端に対して、左方にずれている。入力面２００Ｒは、前後方向軸に対して、角度θで傾斜している。また、マスクバックアップ片２０Ｒの上面は、左右方向軸に対して、角度αで傾斜している。
【０１０６】
図７に細線で示すように、エアシリンダ２１６Ｒｆ、２１６Ｒｒが伸張することにより、一対の昇降部２１５Ｒｆ、２１５Ｒｒ、メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２１２Ｒ、多数のマスクバックアップ片２０Ｒは、上昇可能である。
【０１０７】
図１〜図４に戻って、左方のメインテーブル用スライダ２１Ｌの構成は、右方のメインテーブル用スライダ２１Ｒの構成と同様である。ただし、図１に示すように、左方のメインテーブル用スライダ２１Ｌの固定板２１３Ｌは、メインテーブル側コンベアベルト８３の逆方向区間８３１に固定されている。また、左方のマスクバックアップ片２０Ｌは、右方のマスクバックアップ片２０Ｒに対して、左右対称に配置されている。すなわち、図２に示すように、左方のマスクバックアップ片２０Ｌの左端面には、入力面２００Ｌが配置されている。入力面２００Ｌの後端は、前端に対して、右方にずれている。入力面２００Ｌは、前後方向軸に対して、角度θで傾斜している。また、マスクバックアップ片２０Ｌの上面は、左右方向軸に対して、角度αで傾斜している。
【０１０８】
（クランプ装置４、基板搬送用コンベアベルト９ｆ、９ｒ）
クランプ装置４は、固定クランプ部材４０ｆと、可動クランプ部材４０ｒと、を備えている。固定クランプ部材４０ｆは、下方に開口するコ字板状を呈している。固定クランプ部材４０ｆは、メインテーブル８のテーブル本体８４の上面に配置されている。固定クランプ部材４０ｆは、メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆの後方に配置されている。図４に示すように、固定クランプ部材４０ｆは、左右一対の柱部４００ｆＬ、４００ｆＲと、梁部４０１ｆと、を備えている。固定クランプ部材４０ｆは、バックアップテーブル７のテーブル本体７０を跨いでいる。すなわち、左方の柱部４００ｆＬは、テーブル本体７０の左方に配置されている。右方の柱部４００ｆＲは、テーブル本体７０の右方に配置されている。梁部４０１ｆは、一対の柱部４００ｆＬ、４００ｆＲの上端間に架設されている。
【０１０９】
可動クランプ部材４０ｒは、固定クランプ部材４０ｆの後方に配置されている。可動クランプ部材４０ｒは、下方に開口するコ字板状を呈している。可動クランプ部材４０ｒは、左右一対の柱部４００ｒＬ、４００ｒＲと、梁部４０１ｒと、左右一対の被ガイド部４０２ｒＬ、４０２ｒＲと、左右一対の出力部４０４ｒＬ、４０４ｒＲと、を備えている。可動クランプ部材４０ｒは、固定クランプ部材４０ｆと同様に、バックアップテーブル７のテーブル本体７０を跨いでいる。一対の被ガイド部４０２ｒＬ、４０２ｒＲは、各々、直方体状を呈している。一対の被ガイド部４０２ｒＬ、４０２ｒＲの下面には、各々、被ガイド溝部４０３ｒＬ、４０３ｒＲが形成されている。図４に示すように、被ガイド溝部４０３ｒＬは、メインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｌに対して、前後方向に摺動可能である。また、被ガイド溝部４０３ｒＲは、メインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｒに対して、前後方向に摺動可能である。一対の出力部４０４ｒＬ、４０４ｒＲは、各々、円板状を呈している。出力部４０４ｒＬは、柱部４００ｒＬの前面に配置されている。出力部４０４ｒＲは、柱部４００ｒＲの前面に配置されている。
【０１１０】
図９に、可動クランプ部材の右方の柱部付近の拡大斜視図を示す。図９に示すように、出力部４０４ｒＲの側周面には、出力面４０５ｒＲが配置されている。出力面４０５ｒＲは、後方から前方に向かって尖る、テーパ面状を呈している。出力面４０５ｒＲは、前後方向軸に対して、角度θで傾斜している。出力面４０５ｒＲは、柱部４００ｒＲの左縁から左方に突出している。左方の出力部４０４ｒＬの構成は、右方の出力部４０４ｒＲの構成と同様である。また、左方の出力部４０４ｒＬは、右方の出力部４０４ｒＲに対して、左右対称に配置されている。すなわち、図４に示すように、左方の出力部４０４ｒＬの出力面４０５ｒＬは、柱部４００ｒＬの右縁から右方に突出している。
【０１１１】
基板搬送用コンベアベルト９ｆは、図２に示すように、固定クランプ部材４０ｆの梁部４０１ｆの後面に配置されている。基板搬送用コンベアベルト９ｆは、左右方向に延在している。基板搬送用コンベアベルト９ｒは、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの前面に配置されている。基板搬送用コンベアベルト９ｒは、左右方向に延在している。図３に示すように、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｆ、９ｒ間には、基板Ｂが架設されている。一対の基板搬送用コンベアベルト９ｆ、９ｒにより、基板Ｂは、左方（上流側）から右方（下流側）に向かって、搬送される。
【０１１２】
（マスク装置５、スキージ装置６）
マスク装置５は、図３に示すように、基板バックアップ装置３の上方に配置されている。マスク装置５は、マスク５０と、フレーム５１と、を備えている。フレーム５１は、長方形枠状を呈している。マスク５０は、長方形の薄板状を呈している。マスク５０は、フレーム５１に張設されている。マスク５０には、所定のパターンで印刷孔（図略）が穿設されている。マスク５０の上面には、はんだ（図略）が盛りつけられている。
【０１１３】
スキージ装置６は、図３に示すように、マスク装置５の上方に配置されている。スキージ装置６は、スキージ６０を備えている。スキージ６０は、長方形板状を呈している。スキージ６０は、マスク５０の上面に対して、前後方向に摺動可能である。
【０１１４】
［印刷時のスクリーン印刷機の動き］
次に、印刷時のスクリーン印刷機１の動きについて説明する。図１０に、本実施形態のスクリーン印刷機の印刷前状態の前面図を示す。図１１に、同スクリーン印刷機の印刷状態の前面図を示す。図１０、図１１においては、説明の便宜上、固定クランプ部材を省略して示す。
【０１１５】
まず、図３に白抜き矢印で示すように、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒにより、基板Ｂを、基板バックアップ装置３の基板バックアップ片３０４の真上まで搬送する。
【０１１６】
次いで、図１０に白抜き矢印で示すように、エアシリンダ２１６Ｌｆ、２１６Ｒｆを伸張させることにより、昇降部２１５Ｌｆ、２１５Ｒｆ、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを上昇させる（図７参照）。並びに、シャフト７１に対してボールねじ装置のナットを螺動させることにより、バックアップテーブル７のテーブル本体７０を上昇させる。そして、基板バックアップ片３０４により、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒから、基板Ｂを持ち上げる。このように、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒ、基板Ｂを上昇させることにより、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の高さと、基板Ｂの上面の高さと、固定クランプ部材の梁部の上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの上面の高さと、を略一致させる。
【０１１７】
続いて、図２に示すように、可動クランプ部材４０ｒを、一対のメインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｌ、８１Ｒに沿って、前方に微量だけ移動させる。そして、固定クランプ部材４０ｆの梁部４０１ｆと可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒとにより、基板Ｂを前後方向から挟持する。
【０１１８】
図１０に戻って、それから、基板Ｂの上面とマスク５０の下面との間に、カメラ（図略）を挿入する。そして、メインテーブル８のテーブル本体８４を微量だけ動かすことにより、マスク５０に対する基板Ｂの位置を調整する。
【０１１９】
その後、図１１に白抜き矢印で示すように、メインテーブル８を上昇させることにより、マスクバックアップ装置２、基板バックアップ装置３、クランプ装置４、バックアップテーブル７、メインテーブル８を一体的に上昇させる。そして、基板Ｂの上面をマスク５０の下面に当接させる。並びに、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面をマスク５０の下面に当接させる。
【０１２０】
この状態で、マスク５０の上面に、スキージ６０を前後方向に摺動させる。そして、印刷孔を介して、はんだを基板Ｂの上面に所定のパターンで印刷する。その後、図３に示すように、再び基板Ｂを一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒに搭載し、下工程に基板Ｂを払い出す。
【０１２１】
［基板の上下方向の厚さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き］
次に、基板Ｂの上下方向の厚さを変更する場合のスクリーン印刷機１の動きについて説明する。この場合は、図１０に示す印刷前状態における、バックアップテーブル７のテーブル本体７０の上昇量を調整する。すなわち、シャフト７１に対するボールねじ装置のナットの螺動量を調整することにより、基板Ｂの上面の高さと、固定クランプ部材の梁部の上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの上面の高さと、が略一致するように、バックアップテーブル７のテーブル本体７０の上昇量を調整する。
【０１２２】
例えば、段取り替えなどにより、基板Ｂの上下方向の厚さが厚くなる場合は、テーブル本体７０の上昇量つまり基板バックアップ片３０４の上昇量を小さくする。一方、基板Ｂの上下方向の厚さが薄くなる場合は、テーブル本体７０の上昇量つまり基板バックアップ片３０４の上昇量を大きくする。
【０１２３】
［基板の左右方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き］
次に、基板Ｂの左右方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機１の動きについて説明する。図１２に、本実施形態のスクリーン印刷機の、基板の左右方向の長さを長くする場合の上面図を示す。基板の左右方向の長さを長くする場合は、図１２に白抜き矢印で示すように、まず、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒ間の間隔、つまり左方のマスクバックアップ片２０Ｌと右方のマスクバックアップ片２０Ｒとの間の間隔を広げる。
【０１２４】
具体的には、図１に示すように、順方向区間８３０が左方から右方に移動すると共に逆方向区間８３１が右方から左方に移動する方向に、メインテーブル側コンベアベルト８３を駆動する。ここで、右方のメインテーブル用スライダ２１Ｒの固定板２１３Ｒは、順方向区間８３０に固定されている。並びに、左方のメインテーブル用スライダ２１Ｌの固定板２１３Ｌは、逆方向区間８３１に固定されている。このため、メインテーブル側コンベアベルト８３を駆動することにより、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒ間の間隔が広がる。
【０１２５】
次いで、図１２にハッチングで示すように、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒ間の間隔が広がった分に応じて、基板バックアップユニット３０をバックアップテーブル７のテーブル本体７０に追加する。このようにして、基板Ｂの左右方向の長さを長くする場合に対応する。
【０１２６】
一方、基板の左右方向の長さを短くする場合は、まず、余分な基板バックアップユニット３０をバックアップテーブル７のテーブル本体７０から撤去する。次いで、図１２の場合と反対方向にメインテーブル側コンベアベルト８３を駆動し、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒ間の間隔を狭める。このようにして、基板の左右方向の長さを短くする場合に対応する。
【０１２７】
［基板の前後方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き］
次に、基板Ｂの前後方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機１の動きについて説明する。図１３に、本実施形態のスクリーン印刷機の、基板の前後方向の長さを長くする場合の第一工程の上面図を示す。図１４に、同スクリーン印刷機の、基板の前後方向の長さを長くする場合の第二工程の上面図を示す。図１５に、図１４の枠ＸＶ内の拡大図を示す。図１６に、同スクリーン印刷機の、基板の前後方向の長さを長くする場合の第三工程の上面図を示す。図１７に同スクリーン印刷機の、基板の前後方向の長さを長くする場合の第四工程の上面図を示す。なお、図１３〜図１７においては、説明の便宜上、基板バックアップ装置を省略して示す。
【０１２８】
基板Ｂの前後方向の長さを長くする場合は、図１３に白抜き矢印で示すように、まず、可動クランプ部材４０ｒを、一対のメインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｌ、８１Ｒに沿って、後方に移動させる。そして、固定クランプ部材４０ｆと可動クランプ部材４０ｒとの間の間隔を広げる。なお、可動クランプ部材４０ｒが移動する前の位置には、前後方向に隣り合うマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒ同士が互いに離間することにより、間隔Ｌ４が区画されている。
【０１２９】
次いで、図１４に白抜き矢印で示すように、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒ間の間隔、つまり左方のマスクバックアップ片２０Ｌと右方のマスクバックアップ片２０Ｒとの間の間隔を広げる。そして、可動クランプ部材４０ｒの出力部４０４ｒＬ、４０４ｒＲと、任意のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの入力面２００Ｌ、２００Ｒと、を当接させる。具体的には、図１５にハッチングで示すように、任意のマスクバックアップ片２０Ｒの入力面２００Ｒと、出力部４０４ｒＲの出力面４０５ｒＲと、を面接触させる。
【０１３０】
続いて、図１６に白抜き矢印で示すように、可動クランプ部材４０ｒを、一対のメインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｌ、８１Ｒに沿って、前方に移動させる。ここで、図８、図９に示すように、出力面４０５ｒＲおよび入力面２００Ｒは、前後方向軸に対して、角度θで傾斜している。このため、可動クランプ部材４０ｒから任意のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒに、前向きの押圧力が加わる。当該押圧力により、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを移動させ、間隔Ｌ４（図１３、図１４参照）を隔てて離間しているマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒ同士を、当接させる。
【０１３１】
それから、図１７に示すように、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒ間の間隔、つまり左方のマスクバックアップ片２０Ｌと右方のマスクバックアップ片２０Ｒとの間の間隔を、図１３に示す状態にまで狭める。このようにして、基板Ｂの前後方向の長さを長くする場合に対応する。
【０１３２】
一方、基板Ｂの前後方向の長さを短くする場合は、可動クランプ部材４０ｒを前方に移動させる。そして、固定クランプ部材４０ｆと可動クランプ部材４０ｒとの間の間隔を狭める。このようにして、基板Ｂの前後方向の長さを短くする場合に対応する。
【０１３３】
［作用効果］
次に、本実施形態のスクリーン印刷機１の作用効果について説明する。本実施形態のスクリーン印刷機１のマスクバックアップ装置２は、複数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを備えている。このため、印刷時に、印圧がばらつきにくく、マスク５０が変形しにくい。したがって、印刷品質が低下しにくい。
【０１３４】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの配置数を増減することにより、基板Ｂの前後方向の長さの変更に対応することができる。このため、マスクバックアップ片を丸ごと交換する場合と比較して、作業が簡単である。また、基板Ｂの種類に対する汎用性が高い。
【０１３５】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、基板Ｂの上下方向の厚さによらず、印刷時に、マスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面と、基板Ｂの上面と、を略同じ高さにすることができる。このため、基板Ｂの上下方向の厚さの変更に応じて、逐一、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面と基板バックアップ片３０４の上面との高度差を、基板Ｂの上下方向の厚さと略等しくなるように、調整する必要がない。
【０１３６】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図１１に示すように、複数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの左右方向両端間の長さＬ１は、スキージ６０の左右方向の長さＬ２よりも、長い。このため、マスク５０のうちスキージ６０の左右方向両端の下方に配置される部分を、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒにより確実に支持することができる。したがって、マスク５０の当該部分がスキージ６０により下方に押し下げられるおそれがない。
【０１３７】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図１１に示すように、左右方向に互いに隣り合う、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面と、基板Ｂの上面と、の間の隙間Ｌ３が、略０になるように設定されている。このため、左右方向に印圧がばらつきにくい。
【０１３８】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図６に示すように、基板バックアップ片３０４が、基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部３０３に沿って、前後方向に移動可能である。このため、基板Ｂの前後方向の長さに応じて、印刷時に基板Ｂの下面を支持するための基板バックアップ片３０４の配置数を、簡単に増減することができる。
【０１３９】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、基板Ｂの前後方向の長さを変更する際、逐一、基板バックアップ片３０４を、スクリーン印刷機１の機内から機外に、あるいは機外から機内に、移動させる必要がない。このため、基板Ｂの前後方向の長さの変更に簡単に対応することができる。
【０１４０】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図１２に示すように、基板バックアップユニット３０の左右方向の並設数を増減することにより、基板Ｂの左右方向の長さの変更に簡単に対応することができる。
【０１４１】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、基板Ｂの上下方向の厚さの変更に応じて、バックアップテーブル７の上昇量を調整している。そして、基板Ｂの上下方向の厚さによらず、基板Ｂの上面を、固定クランプ部材４０ｆおよび可動クランプ部材４０ｒの上面と略同じ高さに揃えている。
【０１４２】
また、図１０に示すように、メインテーブル用基部２１０Ｌｆ、２１０Ｒｆの上端と、固定クランプ部材および可動クランプ部材４０ｒの上面と、の高度差Ｈ１は不変である。このため、マスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面を、固定クランプ部材および可動クランプ部材４０ｒの上面と略同じ高さまで上昇させる際の、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の上昇量は、一定である。したがって、エアシリンダ２１６Ｌｆ、２１６Ｒｆは、基板Ｂの上下方向の厚さによらず、またバックアップテーブル７の上昇量によらず、常に一定の伸張量で、印刷時にマスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面を、固定クランプ部材および可動クランプ部材４０ｒの上面と略同じ高さまで、上昇させることができる。
【０１４３】
このように、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、基板Ｂの上下方向の厚さに応じてバックアップテーブル７の上昇量を調整する場合であっても、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の上昇量を調整する必要がない。このため、マスクバックアップ装置２の構造が簡単になる。
【０１４４】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒが、基板バックアップ片３０４の左右方向両側に配置されている。図１２に示すように、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒは、各々、一対のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒに沿って、左右方向に移動可能である。このため、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒ間の左右方向の間隔を拡縮することにより、基板Ｂの左右方向の長さの変更に対応することができる。
【０１４５】
また、図１に示すように、左方のメインテーブル用スライダ２１Ｌは、メインテーブル側コンベアベルト８３の逆方向区間８３１に固定されている。一方、右方のメインテーブル用スライダ２１Ｒは、メインテーブル側コンベアベルト８３の順方向区間８３０に固定されている。このため、メインテーブル側コンベアベルト８３を任意の方向に駆動することにより、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒを、互いに反対方向に移動させることができる。したがって、簡単かつ自動的に、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒ間の左右方向の間隔を拡縮することができる。
【０１４６】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図８に示すように、複数のマスクバックアップ片２０Ｒは、メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２１２Ｒに摺動可能に配置されている。このため、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを摺動させることにより、印刷時にマスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの配置数を、簡単に調整することができる。
【０１４７】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図７に示すように、本発明の伸縮部として、エアシリンダ２１６Ｒｆ、２１６Ｒｒを用いている。このため、マスクバックアップ片２０Ｒを、所定の量だけ確実に上昇させることができる。
【０１４８】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図１４〜図１６に示すように、可動クランプ部材４０ｒの動きを利用して、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを移動させている。すなわち、可動クランプ部材４０ｒは、固定クランプ部材４０ｆと共に、基板Ｂの前後方向の両側面を挟持する。このため、可動クランプ部材４０ｒの動きとマスクバックアップ片２０Ｌ、２０ｒの動きとを連動させることにより、印刷時に必要な数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを簡単に配置することができる。
【０１４９】
また、図８、図９に示すように、出力面４０５ｒＲおよび入力面２００Ｒは、前後方向軸に対して、角度θで傾斜している。そして、図１５に示すように、出力面４０５ｒＲと入力面２００Ｒとは面接触している。このため、可動クランプ部材４０ｒから任意のマスクバックアップ片２０Ｒに、前向きの押圧力を加えることができる。
【０１５０】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図８に示すように、マスクバックアップ片２０Ｒの上面は、左右方向軸に対して、角度αで傾斜している。このため、印刷時にマスク５０の下面を支持する際、互いに隣接する任意の一対のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面間の境界は、スキージ６０の摺動方向（前後方向）に対して、直交方向（左右方向）以外の交差方向に延在している。
【０１５１】
スキージ６０は、マスク５０の上面を摺動する。マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒは、マスク５０の下面を支持している。ここで、スキージ６０に摺動方向に対して、互いに隣接する任意の一対のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面間の境界が、直交していると、スキージ６０が当該境界の上を通過する際に、スキージ６０のがたつきが大きくなる。
【０１５２】
この点、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、スキージ６０に摺動方向に対して、互いに隣接する任意の一対のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面間の境界が、直交していない。このため、スキージ６０が当該境界の上を通過する際に、スキージ６０のがたつきが大きくなりにくい。
【０１５３】
＜第二実施形態＞
本実施形態のスクリーン印刷機と第一実施形態のスクリーン印刷機との相違点は、マスクバックアップ片が揺動して基板の下面を支持する点である。ここでは、主に、相違点について説明する。
【０１５４】
［スクリーン印刷機の構成］
まず、本実施形態のスクリーン印刷機の構成について説明する。図１８に、本実施形態のスクリーン印刷機の斜視図を示す。なお、図１と対応する部位については同じ符号で示す。
【０１５５】
図１８に示すように、スクリーン印刷機１は、マスクバックアップ装置２と、基板バックアップ装置３と、クランプ装置４と、マスク装置と、スキージ装置と、バックアップテーブル７と、メインテーブル８と、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒと、を備えている。
【０１５６】
（メインテーブル８、バックアップテーブル７、基板バックアップ装置３、基板搬送用コンベアベルト９ｒ、マスク装置、スキージ装置）
これらの部材の構成、配置は、第一実施形態におけるこれらの部材の構成、配置と、同様である。したがって、ここでは説明を割愛する。
【０１５７】
（クランプ装置４）
クランプ装置４の構成、配置は、第一実施形態におけるクランプ装置の構成、配置と、略同様である。ただし、クランプ装置４には、出力部４０４ｒＬ、４０４ｒＲ（図１参照）が配置されていない。
【０１５８】
（マスクバックアップ装置２）
マスクバックアップ装置２は、多数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒと、一対のメインテーブル用スライダ２２Ｌ、２２Ｒと、を備えている。一対のメインテーブル用スライダ２２Ｌ、２２Ｒは、各々、一対のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒ間に架設されている。一対のメインテーブル用スライダ２２Ｌ、２２Ｒは、各々、一対のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒに沿って、左右方向に移動可能である。メインテーブル用スライダ２２Ｌは、基板バックアップ装置３の左方に配置されている。メインテーブル用スライダ２２Ｒは、基板バックアップ装置３の右方に配置されている。
【０１５９】
図１９に、右方のメインテーブル用スライダの斜視図を示す。なお、図７と対応する部位については同じ符号で示す。図１９に示すように、メインテーブル用スライダ２２Ｒは、一対のメインテーブル用基部２２０Ｒｆ、２２０Ｒｒと、シャフト２２１Ｒと、一対の壁部２２２Ｒｆ、２２２Ｒｒと、固定板２２３Ｒと、ロータリアクチュエータ２２５Ｒと、寝状態用ストッパ２２６Ｒと、を備えている。
【０１６０】
一対のメインテーブル用基部２２０Ｒｆ、２２０Ｒｒは、各々、直方体状を呈している。一対のメインテーブル用基部２２０Ｒｆ、２２０Ｒｒの下面には、各々、被ガイド溝部２２４Ｒｆが形成されている。前方の被ガイド溝部２２４Ｒｆは、図１８のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆに対して、左右方向に摺動可能である。後方の被ガイド溝部は、図１８のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｒに対して、左右方向に摺動可能である。
【０１６１】
固定板２２３Ｒは、長方形板状を呈している。固定板２２３Ｒは、メインテーブル用基部２２０Ｒｆの前面に固定されている。また、固定板２２３Ｒは、図１８のメインテーブル側コンベアベルト８３の順方向区間８３０に固定されている。
【０１６２】
一対の壁部２２２Ｒｆ、２２２Ｒｒは、各々、長方形板状を呈している。前方の壁部２２２Ｒｆは、前方のメインテーブル用基部２２０Ｒｆの上面に配置されている。後方の壁部２２２Ｒｒは、後方のメインテーブル用基部２２０Ｒｒの上面に配置されている。
【０１６３】
シャフト２２１Ｒは、丸棒状を呈している。シャフト２２１Ｒは、前後方向に延在している。シャフト２２１Ｒは、一対の壁部２２２Ｒｆ、２２２Ｒｒにより、揺動可能に支持されている。シャフト２２１Ｒの側周面には、多数の凹部が凹設されている。多数の凹部は、前後方向に並んで、所定間隔ずつ離間して配置されている。シャフト２２１Ｒの後端は、後方の壁部２２２Ｒｒから、後方に突出している。シャフト２２１Ｒの後端は、ロータリアクチュエータ２２５Ｒの回転軸に連結されている。ロータリアクチュエータ２２５Ｒにより、シャフト２２１Ｒを、軸回りに揺動させることができる。
【０１６４】
寝状態用ストッパ２２６Ｒは、細板状を呈している。寝状態用ストッパ２２６Ｒは、前後方向に延在している。寝状態用ストッパ２２６Ｒは、一対の壁部２２２Ｒｆ、２２２Ｒｒ間に架設されている。寝状態用ストッパ２２６Ｒは、シャフト２２１Ｒの右下に配置されている。
【０１６５】
多数のマスクバックアップ片２０Ｒは、各々、長方形板状を呈している。多数のマスクバックアップ片２０Ｒは、ボールプランジャと、動力伝達面２０２Ｒと、シャフト貫通孔２０３Ｒと、を備えている。動力伝達面２０２Ｒは、多数のマスクバックアップ片２０Ｒの前面および後面に配置されている。ただし、前端のマスクバックアップ片２０Ｒにおいては、動力伝達面２０２Ｒは後面のみに配置されている。並びに、後端のマスクバックアップ片２０Ｒにおいては、動力伝達面２０２Ｒは前面のみに配置されている。シャフト貫通孔２０３Ｒは、マスクバックアップ片２０Ｒの長手方向一端に穿設されている。シャフト２２１Ｒは、多数のマスクバックアップ片２０Ｒのシャフト貫通孔２０３Ｒを、串刺し状に貫通している。
【０１６６】
多数のマスクバックアップ片２０Ｒは、互いの動力伝達面２０２Ｒを介して、前後方向に連なっている。多数のマスクバックアップ片２０Ｒは、各々、シャフト２２１Ｒの軸回りに揺動可能である。多数のマスクバックアップ片２０Ｒは、各々、立状態Ａ１と寝状態Ａ２とに切り替え可能である。立状態Ａ１の複数のマスクバックアップ片２０Ｒは、シャフト２２１Ｒの真上に延在している。立状態Ａ１の複数のマスクバックアップ片２０Ｒは、後述する印刷時に基板の下面を支持する。寝状態Ａ２の複数のマスクバックアップ片２０Ｒは、シャフト２２１Ｒの右方に延在している。
【０１６７】
（動力伝達面の揺動力および揺動規制力の伝達機構）
図２０に、立状態のマスクバックアップ片の上面図を示す。図２０に示すように、動力伝達面２０２Ｒの右端（周方向一端）は、左端（周方向他端）に対して、前方にずれている。動力伝達面２０２Ｒは、左右方向軸に対して、角度βで傾斜している。
【０１６８】
以下、前後方向に連なる任意の一対のマスクバックアップ片２０Ｒａ、２０Ｒｂに着目して、動力伝達面２０２Ｒａ、２０２Ｒｂの動力伝達機構を説明する。動力伝達面２０２Ｒａと動力伝達面２０２Ｒｂとは前後方向に連なっている。マスクバックアップ片２０Ｒａ、２０Ｒｂが揺動する際に、これら一対の動力伝達面２０２Ｒａ、２０２Ｒｂ同士は、互いに周方向に干渉する。このため、前方のマスクバックアップ片２０Ｒａを立状態Ａ１から寝状態Ａ２に切り替えると（図１９参照）、動力伝達面２０２Ｒａ、２０２Ｒｂを介して、マスクバックアップ片２０Ｒａの揺動力をマスクバックアップ片２０Ｒｂに伝達することができる。
【０１６９】
また、前方のマスクバックアップ片２０Ｒａを寝状態Ａ２から立状態Ａ１に切り替えないように規制すると（図１９参照）、動力伝達面２０２Ｒａ、２０２Ｒｂを介して、マスクバックアップ片２０Ｒａの揺動規制力をマスクバックアップ片２０Ｒｂに伝達することができる。
【０１７０】
このように、動力伝達面２０２Ｒａ、２０２Ｒｂは、前方から見て時計回り方向（図１９参照）の揺動力を、マスクバックアップ片２０Ｒａからマスクバックアップ片２０Ｒｂに、伝達することができる。並びに、動力伝達面２０２Ｒａ、２０２Ｒｂは、前方から見て反時計回り方向（図１９参照）の揺動力に抗する揺動規制力を、マスクバックアップ片２０Ｒａからマスクバックアップ片２０Ｒｂに、伝達することができる。
【０１７１】
（ボールプランジャと凹部との係脱機構）
図２１に、シャフトおよび立状態のマスクバックアップ片の軸直方向断面図を示す。図２１に示すように、ボールプランジャ２０１Ｒは、マスクバックアップ片２０Ｒのシャフト貫通孔２０３Ｒ付近に埋設されている。ボールプランジャ２０１Ｒは、ボール２０１Ｒａと、コイルばね２０１Ｒｂと、ケース２０１Ｒｃと、を備えている。ケース２０１Ｒｃは、有底円筒状（カップ状）を呈している。ケース２０１Ｒｃは、シャフト貫通孔２０３Ｒに開口している。コイルばね２０１Ｒｂの一端は、ケース２０１Ｒｃの底壁に固定されている。コイルばね２０１Ｒｂの他端には、ボール２０１Ｒａが固定されている。一方、シャフト２２１Ｒの側周面には、反球面状の凹部２２７Ｒが凹設されている。立状態Ａ１においては、コイルばね２０１Ｒｂの付勢力により、ボール２０１Ｒａは凹部２２７Ｒに係合している。
【０１７２】
図２２に、シャフトおよび寝状態のマスクバックアップ片の軸直方向断面図を示す。図２２に示すように、寝状態Ａ２においては、シャフト２２１Ｒの凹部２２７Ｒに対して、ボールプランジャ２０１Ｒは、前方から見て時計回り方向に略９０°だけ揺動した位置に、配置されている。ボール２０１Ｒａは、凹部２２７Ｒから外れている。コイルばね２０１Ｒｂには付勢力が蓄積されている。マスクバックアップ片２０Ｒの下面は、寝状態用ストッパ２２６Ｒの上面に、当接している。
【０１７３】
図１８に戻って、左方のメインテーブル用スライダ２２Ｌの構成は、右方のメインテーブル用スライダ２２Ｒの構成と同様である。ただし、図１８に示すように、左方のメインテーブル用スライダ２２Ｌの固定板２２３Ｌは、メインテーブル側コンベアベルト８３の逆方向区間８３１に固定されている。また、左方のマスクバックアップ片２０Ｌは、右方のマスクバックアップ片２０Ｒに対して、左右対称に配置されている。すなわち、図２０とは左右対称に、立状態Ａ１において、動力伝達面の左端は、右端に対して、前方にずれている。動力伝達面は、左右方向軸に対して、角度βで傾斜している。
【０１７４】
［印刷時のスクリーン印刷機の動き］
次に、印刷時のスクリーン印刷機１の動きについて説明する。図２３に、本実施形態のスクリーン印刷機の基板搬送状態の前面図を示す。なお、図３と対応する部位については、同じ符号で示す。図２４に、同スクリーン印刷機の基板搬送状態の上面図を示す。図２５に、同スクリーン印刷機の基板搬送状態におけるシャフトおよび寝状態のマスクバックアップ片の軸直方向断面図を示す。図２６に、同スクリーン印刷機の印刷前状態の前面図を示す。なお、図１０と対応する部位については同じ符号で示す。図２７に、同スクリーン印刷機の印刷前状態の上面図を示す。図２８に、図２７の枠ＸＸＶＩＩＩ内の拡大図を示す。図２３、図２６においては、説明の便宜上、固定クランプ部材を省略して示す。図２４、図２７においては、説明の便宜上、基板バックアップ装置を省略して示す。並びに、図２４、図２７においては、説明の便宜上、基板にハッチングを施す。
【０１７５】
また、後述するように、図２５は、全てのマスクバックアップ片２０Ｒが寝状態Ａ２の場合を示している。これに対して、図２２は、一部のマスクバックアップ片２０Ｒが寝状態Ａ２の場合を示している。このため、図２５と図２２とでは、ボール２０１Ｒａと凹部２２７Ｒとの係合状況が相違している。
【０１７６】
まず、図２３、図２４に示すように、全てのマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを、一旦、寝状態Ａ２にする。具体的には、図２３、図２４に白抜き矢印Ｙ１Ｌで示すように、ロータリアクチュエータ２２５Ｌにより、左方のシャフト２２１Ｌを、前方から見て反時計回り方向に、略９０°揺動する。並びに、図２３、図２４に白抜き矢印Ｙ１Ｒで示すように、ロータリアクチュエータ２２５Ｒにより、右方のシャフト２２１Ｒを、前方から見て時計回り方向に、略９０°揺動する。
【０１７７】
図２１に示すように、立状態Ａ１においては、ボール２０１Ｒａが凹部２２７Ｒに係合している。このため、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒを揺動させると、立状態Ａ１のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒは、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒと一体的に揺動し、図２５に示す寝状態Ａ２に切り替わる。図２５に示すように、寝状態Ａ２においては、マスクバックアップ片２０Ｒの下面が寝状態用ストッパ２２６Ｒに当接している。
【０１７８】
これに対して、図２２に示すように、寝状態Ａ２（詳しくは、多数のマスクバックアップ片２０Ｒのうち、一部のマスクバックアップ片２０Ｒが寝状態Ａ２である場合における当該寝状態Ａ２）においては、ボール２０１Ｒａが凹部２２７Ｒから外れている。また、寝状態Ａ２においては、マスクバックアップ片２０Ｒの下面が寝状態用ストッパ２２６Ｒに当接している。このため、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒを揺動させても、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒは揺動しない。言い換えると、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒは、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒに対して空動する。シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒがマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒに対して略９０°空動することにより、図２５に示すように、コイルばね２０１Ｒｂの付勢力により、ボール２０１Ｒａが凹部２２７Ｒに係合する。
【０１７９】
このように、図２３、図２４に示すように、全てのマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを、一旦、寝状態Ａ２にすることにより、全てのボール２０１Ｒａが全ての凹部２２７Ｒに係合する。
【０１８０】
次いで、図２３に白抜き矢印Ｙ２で示すように、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒにより、基板Ｂを、基板バックアップ装置３の基板バックアップ片３０４の真上まで搬送する。
【０１８１】
続いて、図２６、図２７に示すように、印刷時にマスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを、寝状態Ａ２から立状態Ａ１に切り替える。具体的には、図２６、図２７に白抜き矢印Ｙ３Ｌで示すように、ロータリアクチュエータ２２５Ｌにより、左方のシャフト２２１Ｌを、前方から見て時計回り方向に、略９０°揺動する。並びに、図２６、図２７に白抜き矢印Ｙ３Ｒで示すように、ロータリアクチュエータ２２５Ｒにより、右方のシャフト２２１Ｒを、前方から見て反時計回り方向に、略９０°揺動する。
【０１８２】
図２５に示すように、寝状態Ａ２においては、全てのマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒのボールプランジャ２０１Ｒが、各々、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒの凹部２２７Ｒに係合している。このため、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒを揺動させると、全てのマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒは、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒと一体的に揺動し、立状態Ａ１に切り替わろうとする。
【０１８３】
しかしながら、図２６に一点鎖線で示すように、可動クランプ部材４０ｒの下方に配置されているマスクバックアップ片２０Ｌｃ、２０Ｒｃは、寝状態Ａ２から立状態Ａ１に切り替わる際、可動クランプ部材４０ｒに当接してしまう。すなわち、マスクバックアップ片２０Ｌｃ、２０Ｒｃには、可動クランプ部材４０ｒから、揺動規制力が入力される。当該揺動規制力により、マスクバックアップ片２０Ｌｃ、２０Ｒｃのボールプランジャが、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒの凹部から、外れる。このため、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒは、マスクバックアップ片２０Ｌｃ、２０Ｒｃに対して空動する。
【０１８４】
また、可動クランプ部材４０ｒから入力される揺動規制力は、図２８に示すように、動力伝達面２０２Ｒを介して、マスクバックアップ片２０Ｒｃの後方に連なるマスクバックアップ片２０Ｒにも伝達される。当該揺動規制力により、マスクバックアップ片２０Ｌｃ、２０Ｒｃの後方に連なるマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒのボールプランジャが、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒの凹部から、外れる。このため、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒは、マスクバックアップ片２０Ｌｃ、２０Ｒｃの後方に連なるマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒに対しても空動する。
【０１８５】
その後、マスクバックアップ片２０Ｌｃ、２０Ｒｃ、およびマスクバックアップ片２０Ｌｃ、２０Ｒｃの後方に連なるマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒは、各々、自重により再び寝状態Ａ２に復帰する。
【０１８６】
このようにして、全てのマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒのうち、可動クランプ部材４０ｒよりも前方のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒだけを、選択的に寝状態Ａ２から立状態Ａ１に切り替える。
【０１８７】
それから、図２６に白抜き矢印Ｙ４で示すように、バックアップテーブル７のテーブル本体７０を上昇させる。そして、基板バックアップ片３０４により、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒから、基板Ｂを持ち上げる。このように、所望のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを寝状態Ａ２から立状態Ａ１に切り替え、かつ基板Ｂを上昇させることにより、立状態Ａ１のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の高さと、基板Ｂの上面の高さと、固定クランプ部材の梁部の上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの上面の高さと、を略一致させる。
【０１８８】
その後の工程は第一実施形態同様である。すなわち、固定クランプ部材４０ｆと可動クランプ部材４０ｒとにより基板Ｂを前後方向から挟持し、マスク５０に対する基板Ｂの位置を微調整し、基板Ｂの上面をマスク５０の下面に当接させる。並びに、立状態Ａ１のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面をマスク５０の下面に当接させる。そして、はんだを基板Ｂの上面に印刷し、再び基板Ｂを一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒに搭載し、下工程に基板Ｂを払い出す。
【０１８９】
［基板の上下方向の厚さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き]
基板Ｂの上下方向の厚さを変更する場合のスクリーン印刷機１の動きは、第一実施形態同様である。すなわち、基板バックアップ片３０４の上昇量を調整することにより、基板Ｂの上下方向の厚さの変更に対応する。
【０１９０】
［基板の左右方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き］
基板Ｂの左右方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機１の動きは、第一実施形態同様である。すなわち、一対のメインテーブル用スライダ２２Ｌ、２２Ｒ間の間隔を拡縮し、かつそれに応じて基板バックアップユニット３０の配置数を増減することにより、基板Ｂの左右方向の長さの変更に対応する。
【０１９１】
［基板の前後方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き］
次に、基板Ｂの前後方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機１の動きについて説明する。図２９に、本実施形態のスクリーン印刷機の、基板の前後方向の長さを長くする場合の上面図を示す。なお、図１３と対応する部位については同じ符号で示す。
【０１９２】
基板Ｂの前後方向の長さを変更する場合は、図２３、図２４に示す基板搬送状態と同様に、全てのマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを、一旦、寝状態Ａ２にする。次いで、図２９に示すように、基板Ｂの前後方向の長さの変更に応じて、可動クランプ部材４０ｒを前方あるいは後方に移動させる。このようにして、基板Ｂの前後方向の長さの変更に対応する。
【０１９３】
［作用効果］
次に、本実施形態のスクリーン印刷機１の作用効果について説明する。本実施形態のスクリーン印刷機１は、構成が共通する部分に関しては、第一実施形態のスクリーン印刷機と同様の作用効果を有する。
【０１９４】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、マスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面を、固定クランプ部材４０ｆおよび可動クランプ部材４０ｒの上面と略同じ高さまで上昇させる際の、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の上昇量は、一定である。したがって、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒは、基板Ｂの上下方向の厚さによらず、またバックアップテーブル７の上昇量によらず、常に一定の揺動量で、印刷時にマスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを揺動させることができる。
【０１９５】
このように、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、基板Ｂの上下方向の厚さに応じてバックアップテーブル７の上昇量を調整する場合であっても、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの揺動量を調整する必要がない。このため、スクリーン印刷機１の構造が簡単になる。
【０１９６】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを揺動させることにより、印刷時にマスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの配置数を、簡単に調整することができる。
【０１９７】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図２１、図２２、図２５に示すように、ボールプランジャ２０１Ｒと凹部２２７Ｒとの係脱機構を利用して、任意のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを揺動させている。また、任意のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを停止させている。このため、印刷時にマスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを、選択的に立状態Ａ１にすることができる。
【０１９８】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図２６、図２７、図２８に示すように、前後方向に互いに隣接する一対のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒ間において、動力伝達面２０２Ｒを介して、揺動規制力を伝達している。このため、マスクバックアップ片２０Ｌｃ、２０Ｒｃ、およびマスクバックアップ片２０Ｌｃ、２０Ｒｃの後方に連なるマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを、まとめて寝状態Ａ２に復帰させることができる。
【０１９９】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、印刷時における可動クランプ部材４０ｒの前後方向の位置を利用して、マスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒだけを、選択的に寝状態Ａ２から立状態Ａ１に切り替えている。このため、印刷時に必要な数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを簡単に配置することができる。
【０２００】
＜第三実施形態＞
本実施形態のスクリーン印刷機と第一実施形態のスクリーン印刷機との相違点は、マスクバックアップ装置がバックアップテーブルに配置されている点である。ここでは、主に、相違点について説明する。
【０２０１】
［スクリーン印刷機の構成］
まず、本実施形態のスクリーン印刷機の構成について説明する。図３０に、本実施形態のスクリーン印刷機の斜視図を示す。図３１に、同スクリーン印刷機の上面図を示す。図３２に、同スクリーン印刷機の前面図を示す。図３３に、同スクリーン印刷機の分解斜視図を示す。図３０〜図３３において、図１〜図４と対応する部位については同じ符号で示す。また、図３０、図３１、図３３においては、説明の便宜上、基板、マスク装置、スキージ装置を省略して示す。また、図３２においては、説明の便宜上、固定クランプ部材を省略して示す。
【０２０２】
図３０〜図３３に示すように、スクリーン印刷機１は、マスクバックアップ装置２と、基板バックアップ装置３と、クランプ装置４と、マスク装置５と、スキージ装置６と、バックアップテーブル７と、メインテーブル８と、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｆ、９ｒと、を備えている。
【０２０３】
（メインテーブル８、バックアップテーブル７）
メインテーブル８は、テーブル本体８４と、一対のメインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｌ、８１Ｒと、を備えている。これらの部材の構成、配置は、第一実施形態におけるこれらの部材の構成、配置と、同様である。したがって、ここでは説明を割愛する。
【０２０４】
バックアップテーブル７は、テーブル本体７０と、一対のバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆ、７２ｒと、バックアップテーブル側コンベアベルト７４と、を備えている。
【０２０５】
一対のバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆ、７２ｒは、各々、角柱状を呈している。一対のバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆ、７２ｒは、各々、左右方向に延在している。バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆは、テーブル本体７０の上面の前縁に沿って配置されている。バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｒは、テーブル本体７０の上面の後縁に沿って配置されている。
【０２０６】
バックアップテーブル側コンベアベルト７４は、左右方向に延びる環状を呈している。バックアップテーブル側コンベアベルト７４は、テーブル本体７０の前面に配置されている。バックアップテーブル側コンベアベルト７４は、上方の順方向区間７４０と、下方の逆方向区間７４１と、を備えている。
【０２０７】
テーブル本体７０は、長方形板状を呈している。図３２に示すように、テーブル本体７０は、ボールねじ装置のシャフト７１により、下方から支持されている。シャフト７１に対してボールねじ装置のナット（図略）が螺動することにより、テーブル本体７０は、上下方向に移動可能である。
【０２０８】
（基板バックアップ装置３）
基板バックアップ装置３の構成は、第一実施形態における基板バックアップ装置の構成と、同様である。基板バックアップ装置３は、図３３にハッチングで示すように、一対のバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆ、７２ｒ間に配置されている。
【０２０９】
（基板搬送用コンベアベルト９ｆ、９ｒ、マスク装置５、スキージ装置６）
これらの部材の構成、配置は、第一実施形態におけるこれらの部材の構成、配置と、同様である。したがって、ここでは説明を割愛する。
【０２１０】
（マスクバックアップ装置２）
マスクバックアップ装置２は、多数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒと、一対のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒと、を備えている。一対のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒは、各々、一対のバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆ、７２ｒ間に架設されている。一対のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒは、各々、一対のバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆ、７２ｒに沿って、左右方向に移動可能である。バックアップテーブル用スライダ２３Ｌは、基板バックアップ装置３の左方に配置されている。バックアップテーブル用スライダ２３Ｒは、基板バックアップ装置３の右方に配置されている。
【０２１１】
図３４に、右方のバックアップテーブル用スライダの斜視図を示す。なお、図７と対応する部位については同じ符号で示す。図３４に示すように、バックアップテーブル用スライダ２３Ｒは、一対のバックアップテーブル用基部２３０Ｒｆ、２３０Ｒｒと、緩衝部２３６Ｒと、バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２３２Ｒと、固定板２３３Ｒと、を備えている。
【０２１２】
一対のバックアップテーブル用基部２３０Ｒｆ、２３０Ｒｒは、各々、直方体状を呈している。一対のバックアップテーブル用基部２３０Ｒｆ、２３０Ｒｒの下面には、各々、被ガイド溝部２３４Ｒｆ、２３４Ｒｒが形成されている。図３３に示すように、被ガイド溝部２３４Ｒｆは、バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆに対して、左右方向に摺動可能である。また、被ガイド溝部２３４Ｒｒは、バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｒに対して、左右方向に摺動可能である。
【０２１３】
図３４に戻って、固定板２３３Ｒは、長方形板状を呈している。固定板２３３Ｒは、バックアップテーブル用基部２３０Ｒｆの前面に固定されている。また、図３０に示すように、固定板２３３Ｒは、バックアップテーブル側コンベアベルト７４の順方向区間７４０に固定されている。
【０２１４】
図３４に戻って、緩衝部２３６Ｒは、一対の壁部２３７Ｒｆ、２３７Ｒｒと、当接部２３８Ｒと、エアダンパ２３９Ｒｆと、一対のガイド部材２５１Ｒｆと、を備えている。エアダンパ２３９Ｒｆは、本発明の緩衝体に含まれる。前方の壁部２３７Ｒｆは、直方体状を呈している。壁部２３７Ｒｆは、バックアップテーブル用基部２３０Ｒｆの上方に配置されている。エアダンパ２３９Ｒｆは、バックアップテーブル用基部２３０Ｒｆと壁部２３７Ｒｆとの間に介装されている。一対のガイド部材２５１Ｒｆは、エアダンパ２３９Ｒｆの左右両側に配置されている。同様に、後方の壁部２３７Ｒｒは、直方体状を呈している。壁部２３７Ｒｒは、バックアップテーブル用基部２３０Ｒｒの上方に配置されている。エアダンパは、バックアップテーブル用基部２３０Ｒｒと壁部２３７Ｒｒとの間に介装されている。一対のガイド部材は、エアダンパの左右両側に配置されている。エアダンパ２３９Ｒｆは、各々、上下方向に伸縮可能である。当接部２３８Ｒは、細板状を呈している。当接部２３８Ｒは、前後方向に延在している。当接部２３８Ｒは、一対の壁部２３７Ｒｆ、２３７Ｒｒ間に架設されている。
【０２１５】
バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２３２Ｒは、シャフト状を呈している。バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２３２Ｒは、前後方向に延在している。バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２３２Ｒは、一対の壁部２３７Ｒｆ、２３７Ｒｒ間に架設されている。
【０２１６】
マスクバックアップ片２０Ｒの構成は、第一実施形態におけるマスクバックアップ片の構成と、同様である。バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２３２Ｒは、多数のマスクバックアップ片２０Ｒを、串刺し状に貫通している。多数のマスクバックアップ片２０Ｒは、各々、バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２３２Ｒに沿って、前後方向に移動可能である。
【０２１７】
図３０〜図３３に戻って、左方のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌの構成は、右方のバックアップテーブル用スライダ２３Ｒの構成と同様である。ただし、図３０に示すように、左方のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌの固定板２３３Ｌは、バックアップテーブル側コンベアベルト７４の逆方向区間７４１に固定されている。また、左方のマスクバックアップ片２０Ｌは、右方のマスクバックアップ片２０Ｒに対して、左右対称に配置されている。
【０２１８】
（クランプ装置４）
クランプ装置４の構成は、第一実施形態におけるクランプ装置の構成と、略同様である。ただし、固定クランプ部材４０ｆの梁部４０１ｆの前面下部には、ストッパ４０６ｆが配置されている。ストッパ４０６ｆは、左右方向に延在している。並びに、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの後面下部には、図３２に点線で示すように、ストッパ４０６ｒが配置されている。ストッパ４０６ｒは、左右方向に延在している。後述する印刷時において、ストッパ４０６ｆ、４０６ｒには、下方からマスクバックアップ装置２の当接部２３８Ｌ、２３８Ｒが当接している。
【０２１９】
［印刷時のスクリーン印刷機の動き］
次に、印刷時のスクリーン印刷機１の動きについて説明する。図３５に、本実施形態のスクリーン印刷機の印刷前状態の前面図を示す。なお、説明の便宜上、固定クランプ部材を省略して示す。また、図１０と対応する部位については同じ符号で示す。
【０２２０】
まず、図３２に白抜き矢印で示すように、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒにより、基板Ｂを、基板バックアップ装置３の基板バックアップ片３０４の真上まで搬送する。
【０２２１】
次いで、図３５に白抜き矢印で示すように、シャフト７１に対してボールねじ装置のナットを螺動させることにより、バックアップテーブル７のテーブル本体７０を上昇させる。そして、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒおよび基板バックアップ片３０４を同時に上昇させる。この際、基板バックアップ片３０４により、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒから基板Ｂを持ち上げる。このように、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒ、基板Ｂを上昇させることにより、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の高さと、基板Ｂの上面の高さと、固定クランプ部材の梁部の上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの上面の高さと、を略一致させる。
【０２２２】
その後の工程は第一実施形態同様である。すなわち、固定クランプ部材４０ｆと可動クランプ部材４０ｒとにより基板Ｂを前後方向から挟持し、マスク５０に対する基板Ｂの位置を微調整し、基板Ｂの上面をマスク５０の下面に当接させる。並びに、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面をマスク５０の下面に当接させる。そして、はんだを基板Ｂの上面に印刷し、再び基板Ｂを一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒに搭載し、下工程に基板Ｂを払い出す。
【０２２３】
［基板の上下方向の厚さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き]
次に、基板Ｂの上下方向の厚さを変更する場合のスクリーン印刷機１の動きについて説明する。この場合は、図３２に示す印刷前状態における、バックアップテーブル７のテーブル本体７０の上昇量を調整する。すなわち、シャフト７１に対するボールねじ装置のナットの螺動量を調整することにより、基板Ｂの上面の高さと、固定クランプ部材の梁部の上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの上面の高さと、が略一致するように、バックアップテーブル７のテーブル本体７０の上昇量を調整する。
【０２２４】
例えば、段取り替えなどにより、基板Ｂの上下方向の厚さが厚くなる場合は、テーブル本体７０の上昇量つまり基板バックアップ片３０４の上昇量を小さくする。一方、基板Ｂの上下方向の厚さが薄くなる場合は、テーブル本体７０の上昇量つまり基板バックアップ片３０４の上昇量を大きくする。
【０２２５】
ところで、テーブル本体７０の上昇量を調整すると、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上昇量まで変化してしまう。このため、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の高さと、固定クランプ部材の梁部の上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの上面の高さと、が一致しなくなる。
【０２２６】
この点について、図３２に示すように、当接部２３８Ｌ、２３８Ｒの上面とマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面との間の間隔Ｌ５と、ストッパ４０６ｒの下面と可動クランプ部材４０ｒの上面との間の間隔Ｌ６と、は略等しくなるように設定されている。このため、当接部２３８Ｌ、２３８Ｒの上面がストッパ４０６ｒの下面に当接するまでマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを上昇させることにより、常に、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の高さと、固定クランプ部材の梁部の上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの上面の高さと、を一致させることができる。
【０２２７】
並びに、基板Ｂの上下方向の厚さの変更を、エアダンパ２３９Ｌｆ、２３９Ｒｆの収縮量で吸収することにより、基板Ｂの上下方向の厚さの変更によらず、確実に、当接部２３８Ｌ、２３８Ｒの上面をストッパ４０６ｒの下面に当接させることができる。このようにして、基板Ｂの上下方向の厚さを変更する場合に対応する。
【０２２８】
［基板の左右方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き］
基板Ｂの左右方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機１の動きは、第一実施形態同様である。すなわち、一対のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒ間の間隔を拡縮し、かつそれに応じて基板バックアップユニット３０の配置数を増減することにより、基板Ｂの左右方向の長さの変更に対応する。
【０２２９】
［基板の前後方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き］
基板Ｂの前後方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機１の動きは、第一実施形態同様である。簡単に説明すると、基板Ｂの前後方向の長さが長くなる場合は、以下のように対応する。すなわち、まず、可動クランプ部材４０ｒを後方に移動させる。次いで、一対のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒ間の間隔を拡張し、可動クランプ部材４０ｒの出力部４０４ｒＬ、４０４ｒＲと所望のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの入力面とを当接させる。それから、可動クランプ部材４０ｒを前方に移動させ、所望のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを前方に移動させる。このようにして、基板Ｂの前後方向の長さが長くなる場合に対応する。一方、基板Ｂの前後方向の長さが短くなる場合は、可動クランプ部材４０ｒを前方に移動させることにより、対応する。
【０２３０】
［作用効果］
次に、本実施形態のスクリーン印刷機１の作用効果について説明する。本実施形態のスクリーン印刷機１は、構成が共通する部分に関しては、第一実施形態のスクリーン印刷機と同様の作用効果を有する。
【０２３１】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図３３に示すように、バックアップテーブル７に、基板バックアップ装置３とマスクバックアップ装置２とが、共に配置されている。このため、スクリーン印刷機１の構造が簡単になる。また、バックアップテーブル７を上昇させることにより、基板バックアップ装置３とマスクバックアップ装置２とを、一度に上昇させることができる。
【０２３２】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図３４に示すように、マスクバックアップ装置２に緩衝部２３６Ｒが配置されている。並びに、図３１に示すように、固定クランプ部材４０ｆにストッパ４０６ｆが、可動クランプ部材４０ｒにストッパ４０６ｒが、それぞれ配置されている。このため、基板Ｂの上下方向の厚さによらず、つまりバックアップテーブル７の上昇量によらず、印刷時にマスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面を、固定クランプ部材４０ｆおよび可動クランプ部材４０ｒの上面と、略同じ高さに揃えることができる。
【０２３３】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図３３に示すように、一対のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒが、基板バックアップ片３０４の左右方向両側に配置されている。一対のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒは、各々、一対のバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆ、７２ｒに沿って、左右方向に移動可能である。このため、一対のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒ間の左右方向の間隔を拡縮することにより、基板Ｂの左右方向の長さの変更に対応することができる。
【０２３４】
また、図３０に示すように、左方のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌは、バックアップテーブル側コンベアベルト７４の逆方向区間７４１に固定されている。一方、右方のバックアップテーブル用スライダ２３Ｒは、バックアップテーブル側コンベアベルト７４の順方向区間７４０に固定されている。このため、バックアップテーブル側コンベアベルト７４を任意の方向に駆動することにより、一対のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒを、互いに反対方向に移動させることができる。したがって、簡単かつ自動的に、一対のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒ間の左右方向の間隔を拡縮することができる。
【０２３５】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、複数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒは、バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２３２Ｒに摺動可能に配置されている。このため、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを摺動させることにより、印刷時にマスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの配置数を、簡単に調整することができる。
【０２３６】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図３２に示すように、本発明の緩衝体として、エアダンパ２３９Ｌｆ、２３９Ｒｆを用いている。このため、基板Ｂの上下方向の厚さの変更量が大きい場合であっても、ストッパ４０６ｆ、４０６ｒに当接部２３８Ｌ、２３８Ｒを当接させることができる。
【０２３７】
＜第四実施形態＞
本実施形態のスクリーン印刷機と第一実施形態のスクリーン印刷機との相違点は、マスクバックアップ装置がバックアップテーブルに配置されている点である。ここでは、主に、相違点について説明する。
【０２３８】
［スクリーン印刷機の構成］
まず、本実施形態のスクリーン印刷機の構成について説明する。図３６に、本実施形態のスクリーン印刷機の斜視図を示す。図３７に、同スクリーン印刷機の分解斜視図を示す。図３６、図３７において、図１、図４、図３０、図３３と対応する部位については同じ符号で示す。また、図３６、図３７においては、説明の便宜上、基板、マスク装置、スキージ装置を省略して示す。
【０２３９】
図３６、図３７に示すように、スクリーン印刷機１は、マスクバックアップ装置２と、基板バックアップ装置３と、クランプ装置４と、マスク装置と、スキージ装置と、バックアップテーブル７と、メインテーブル８と、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒと、を備えている。
【０２４０】
（メインテーブル８、バックアップテーブル７）
メインテーブル８は、テーブル本体８４と、一対のメインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｌ、８１Ｒと、を備えている。これらの部材の構成、配置は、第一実施形態におけるこれらの部材の構成、配置と、同様である。したがって、ここでは説明を割愛する。
【０２４１】
バックアップテーブル７は、テーブル本体７０を備えている。テーブル本体７０は、長方形板状を呈している。テーブル本体７０は、ボールねじ装置のシャフト（図略）により、下方から支持されている。シャフトに対してボールねじ装置のナット（図略）が相対的に螺動することにより、テーブル本体７０は、上下方向に移動可能である。
【０２４２】
（基板バックアップ装置３）
基板バックアップ装置３は、多数の基板バックアップ片３０４を備えている。多数の基板バックアップ片３０４は、各々、円柱状を呈している。多数の基板バックアップ片３０４は、手動により、バックアップテーブル７のテーブル本体７０の上面に搭載されている。
【０２４３】
（基板搬送用コンベアベルト９ｒ、マスク装置、スキージ装置）
これらの部材の構成、配置は、第一実施形態におけるこれらの部材の構成、配置と、同様である。したがって、ここでは説明を割愛する。
【０２４４】
（マスクバックアップ装置２）
マスクバックアップ装置２は、多数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒと、一対の手動用ユニット２４Ｌ、２４Ｒと、を備えている。多数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒは、各々、角柱状を呈している。手動用ユニット２４Ｌは、基板バックアップ装置３の左方に配置されている。手動用ユニット２４Ｒは、基板バックアップ装置３の右方に配置されている。
【０２４５】
手動用ユニット２４Ｒは、一対のバックアップテーブル用基部２４０Ｒｆ、２４０Ｒｒと、緩衝部２４６Ｒと、を備えている。一対のバックアップテーブル用基部２４０Ｒｆ、２４０Ｒｒは、各々、直方体状を呈している。前方のバックアップテーブル用基部２４０Ｒｆは、バックアップテーブル７のテーブル本体７０の上面の前縁付近に配置されている。後方のバックアップテーブル用基部２４０Ｒｒは、前方のバックアップテーブル用基部２４０Ｒｆの後方に、所定間隔だけ離間して配置されている。
【０２４６】
緩衝部２４６Ｒは、マスクバックアップ片配置部２４７Ｒと、手動用当接部２４８Ｒと、一対のエアダンパ２４９Ｒｆと、四つのガイド部材２５２Ｒｆと、を備えている。エアダンパ２４９Ｒｆは、本発明の手動用緩衝体に含まれる。前方のエアダンパ２４９Ｒｆは、前方のバックアップテーブル用基部２４０Ｒｆの上面に立設されている。前方の二つのガイド部材２５２Ｒｆは、エアダンパ２４９Ｒｆの左右両側に配置されている。後方のエアダンパは、前方のエアダンパ２４９Ｒｆ同様に、後方のバックアップテーブル用基部２４０Ｒｒの上面に立設されている。後方の二つのガイド部材は、エアダンパの左右両側に配置されている。マスクバックアップ片配置部２４７Ｒは、Ｌ字の細板状を呈している。マスクバックアップ片配置部２４７Ｒは、前後方向に延在している。マスクバックアップ片配置部２４７Ｒの底壁の前端は、前方のエアダンパ２４９Ｒｆにより支持されている。マスクバックアップ片配置部２４７Ｒの底壁の後端は、後方のエアダンパにより支持されている。すなわち、マスクバックアップ片配置部２４７Ｒは、前後一対のエアダンパ２４９Ｒｆの間に架設されている。マスクバックアップ片配置部２４７Ｒには、複数のマスクバックアップ片２０Ｒが、手動により、加除可能に配置されている。手動用当接部２４８Ｒは、マスクバックアップ片配置部２４７Ｒの上端面に配置されている。手動用当接部２４８Ｒは、前後方向に延在している。
【０２４７】
左方の手動用ユニット２４Ｌの構成は、右方の手動用ユニット２４Ｒの構成と同様である。また、左方の手動用ユニット２４Ｌは、右方の手動用ユニット２４Ｒに対して、左右対称に配置されている。
【０２４８】
（クランプ装置４）
クランプ装置４の構成は、第一実施形態におけるクランプ装置の構成と、略同様である。ただし、クランプ装置４には、出力部４０４ｒＬ、４０４ｒＲ（図１参照）が配置されていない。
【０２４９】
また、固定クランプ部材４０ｆの梁部４０１ｆの前面下部には、ストッパ４０６ｆが配置されている。ストッパ４０６ｆは、左右方向に延在している。並びに、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの後面下部には、ストッパが配置されている。ストッパは、左右方向に延在している。後述する印刷時において、ストッパ４０６ｆには、下方からマスクバックアップ装置２の手動用当接部２４８Ｌ、２４８Ｒが当接している。
【０２５０】
［印刷時のスクリーン印刷機の動き］
次に、印刷時のスクリーン印刷機１の動きについて説明する。まず、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒにより、基板を、基板バックアップ装置３の基板バックアップ片３０４の真上まで搬送する。
【０２５１】
次いで、バックアップテーブル７のテーブル本体７０を上昇させる。そして、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒおよび基板バックアップ片３０４を同時に上昇させる。並びに、基板バックアップ片３０４により、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒから基板を持ち上げる。このように、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒ、基板を上昇させることにより、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の高さと、基板の上面の高さと、固定クランプ部材の上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの上面の高さと、を略一致させる。
【０２５２】
その後の工程は第一実施形態同様である。すなわち、固定クランプ部材４０ｆと可動クランプ部材４０ｒとにより基板を前後方向から挟持し、マスクに対する基板の位置を微調整し、基板の上面をマスクの下面に当接させる。並びに、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面をマスクの下面に当接させる。そして、はんだを基板の上面に印刷し、再び基板を一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒに搭載し、下工程に基板を払い出す。
【０２５３】
［基板の上下方向の厚さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き]
次に、基板の上下方向の厚さを変更する場合のスクリーン印刷機１の動きについて説明する。この場合は、バックアップテーブル７のテーブル本体７０の上昇量を調整する。すなわち、基板の上面の高さと、固定クランプ部材の上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの上面の高さと、が略一致するように、バックアップテーブル７のテーブル本体７０の上昇量を調整する。
【０２５４】
例えば、段取り替えなどにより、基板の上下方向の厚さが厚くなる場合は、テーブル本体７０の上昇量つまり基板バックアップ片３０４の上昇量を小さくする。一方、基板の上下方向の厚さが薄くなる場合は、テーブル本体７０の上昇量つまり基板バックアップ片３０４の上昇量を大きくする。
【０２５５】
ところで、テーブル本体７０の上昇量を調整すると、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上昇量まで変化してしまう。このため、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の高さと、固定クランプ部材の梁部の上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの上面の高さと、が一致しなくなる。
【０２５６】
この点について、手動用当接部２４８Ｌ、２４８Ｒとマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面との間の間隔と、ストッパ４０６ｆの下面と固定クランプ部材４０ｆの上面との間の間隔と、は略等しくなるように設定されている。このため、手動用当接部２４８Ｌ、２４８Ｒがストッパ４０６ｆの下面に当接するまでマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを上昇させることにより、常に、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の高さと、固定クランプ部材４０ｆの上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの上面の高さと、を一致させることができる。
【０２５７】
並びに、基板の上下方向の厚さの変更を、エアダンパ２４９Ｌｆ、２４９Ｒｆの収縮量で吸収することにより、基板の上下方向の厚さの変更によらず、確実に、手動用当接部２４８Ｌ、２４８Ｒをストッパ４０６ｆの下面に当接させることができる。このようにして、基板の上下方向の厚さを変更する場合に対応する。
【０２５８】
［基板の左右方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き］
基板の左右方向の長さを変更する場合は、一対の手動用ユニット２４Ｌ、２４Ｒ間の間隔を拡縮し、かつそれに応じて基板バックアップ片３０４の配置数を増減することにより、対応する。これらの作業は手動により行う。
【０２５９】
［基板の前後方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き］
基板の前後方向の長さを変更する場合は、可動クランプ部材４０ｒを前方あるいは後方に移動させ、かつそれに応じてマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒ、基板バックアップ片３０４の配置数を増減することにより、対応する。マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒ、基板バックアップ片３０４の配置作業および撤去作業は、手動により行う。
【０２６０】
［作用効果］
次に、本実施形態のスクリーン印刷機の作用効果について説明する。本実施形態のスクリーン印刷機１は、構成が共通する部分に関しては、第一実施形態のスクリーン印刷機と同様の作用効果を有する。
【０２６１】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、手動で一対の手動用ユニット２４Ｌ、２４Ｒ間の左右方向の間隔を拡縮することにより、基板の左右方向の長さの変更に対応することができる。
【０２６２】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、マスクバックアップ片配置部２４７Ｌ、２４７Ｒにおけるマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの配置数を手動で変更することにより、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの配置数を調整することができる。すなわち、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの配置数を調整することにより、基板のＹ軸方向の長さの変更に対応することができる。
【０２６３】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、既存のスクリーン印刷機に対して、特別な加工を施すことなく、マスクバックアップ装置２をアドオンすることができる。このため、汎用性が高い。
【０２６４】
＜その他＞
以上、本発明のスクリーン印刷機の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【０２６５】
例えば、第一実施形態、第三実施形態においては、図８、図９に示すように、入力面２００Ｒ、出力面４０５ｒＲを、共に平面状とした。しかしながら、入力面２００Ｒ、出力面４０５ｒＲの形状は、特に限定しない。図３８に、互いに曲面状に面接触するマスクバックアップ片と出力部との上面図を示す。図３９に、互いに前後方向にずれて面接触するマスクバックアップ片と出力部との上面図を示す。なお、図３８、図３９において、図８、図９と対応する部位については同じ符号で示す。図３８に示すように、出力面４０５ｒＲおよび入力面２００Ｒを曲面状としてもよい。また、図３９に示すように、出力面４０５ｒＲおよび入力面２００Ｒを、前後方向にずらした状態で面接触させてもよい。
【０２６６】
すなわち、マスクバックアップ片２０Ｒに対して出力部４０４ｒＲが右方に配置されている場合は、出力面４０５ｒＲおよび入力面２００Ｒの後端が前端よりも左方にずれていればよい。
【０２６７】
また、図３に示すように、マスクバックアップ片２０Ｌに対して出力部４０４ｒＬが左方に配置されている場合は、出力面４０５ｒＬおよび入力面２００Ｌの後端が前端よりも右方にずれていればよい。
【０２６８】
また、出力面４０５ｒＬ、４０５ｒＲ、入力面２００Ｌ、２００Ｒは、前後方向に延在していてもよい。この場合は、面接触時の摩擦力により、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを動かせばよい。また、この場合、面接触時の摩擦力が大きくなるように、出力面４０５ｒＬ、４０５ｒＲ、入力面２００Ｌ、２００Ｒに、例えばエンボス加工面のように、凹凸形状の模様を付与してもよい。
【０２６９】
また、第二実施形態においては、図２０に示すように、動力伝達面２０２Ｒを平面状とした。しかしながら、動力伝達面２０２Ｒの形状は、特に限定しない。図４０に、曲面状の動力伝達面を有する立状態のマスクバックアップ片の上面図を示す。図４１に、階段状の動力伝達面を有する立状態のマスクバックアップ片の上面図を示す。なお、図４０、図４１において、図２０と対応する部位については同じ符号で示す。図４０に示すように、動力伝達面２０２Ｒを曲面状としてもよい。また、図４１に示すように、動力伝達面２０２Ｒを階段状としてもよい。
【０２７０】
すなわち、図２３に示すように、前方から見て時計回り方向の揺動力を前方のマスクバックアップ片２０Ｒａから後方のマスクバックアップ片２０Ｒｂに伝達する場合、並びに前方から見て反時計回り方向の揺動力に抗する揺動規制力を前方のマスクバックアップ片２０Ｒａから後方のマスクバックアップ片２０Ｒｂに伝達する場合は、動力伝達面２０２Ｒの反時計回り方向端２０２Ｒｃが時計回り方向端２０２Ｒｄよりも後方にずれていればよい。
【０２７１】
また、図２３に示すように、前方から見て反時計回り方向の揺動力を前方のマスクバックアップ片２０Ｌから後方のマスクバックアップ片２０Ｌに伝達する場合、並びに前方から見て時計回り方向の揺動力に抗する揺動規制力を前方のマスクバックアップ片２０Ｌから後方のマスクバックアップ片２０Ｌに伝達する場合は、動力伝達面の時計回り方向端が反時計回り方向端よりも後方にずれていればよい。
【０２７２】
また、第二実施形態において、動力伝達面２０２Ｒを配置しない形態で実施してもよい。図４２に、動力伝達面を有しないスクリーン印刷機の印刷前状態の上面図を示す。なお、図２７と対応する部位については同じ符号で示す。図４２に示すように、動力伝達面を有しないスクリーン印刷機１の場合、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒを揺動させることにより、可動クランプ部材４０ｒの下方に配置されているマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒ（図４２においては、説明の便宜上、ハッチングを施す。）を除いて、全てのマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒが立ち上がる。図２１に示すように、立状態Ａ１のマスクバックアップ片２０Ｒのボールプランジャ２０１Ｒは、シャフト２２１Ｒの凹部２２７Ｒに係合している。図２２に示すように、寝状態Ａ２のマスクバックアップ片２０Ｒのボールプランジャ２０１Ｒは、シャフト２２１Ｒの凹部２２７Ｒから外れている。このように、可動クランプ部材４０ｒよりも後方のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの揺動状態によらず、可動クランプ部材４０ｒよりも前方のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒが立状態Ａ１でありさえすれば、マスクの下面を支持することができる。
【０２７３】
また、第二実施形態においては、図１９に示すように、寝状態Ａ２を確保するために、寝状態用ストッパ２２６Ｒを配置した。しかしながら、寝状態用ストッパ２２６Ｒは配置しなくてもよい。この場合は、バックアップテーブル７のテーブル本体７０の上面にマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを当接させることにより、寝状態Ａ２を確保してもよい。
【０２７４】
また、上記実施形態においては、スキージ６０の摺動方向と基板Ｂの搬送方向とを互いに略直交させた。しかしながら、スキージ６０の摺動方向と基板Ｂの搬送方向とを略一致させてもよい。この場合は、スキージの摺動方向（Ｘ軸方向）に沿って、印圧がばらつくのを抑制することができる。
【０２７５】
また、第一実施形態、第二実施形態のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒの配置数は、合計四つでもよい（図１、図１８参照）。すなわち、左方のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２２Ｌ用として二つのメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒを、右方のメインテーブル用スライダ２１Ｒ、２２Ｒ用として二つのメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒを、それぞれ配置してもよい。
【０２７６】
同様に、第三実施形態のバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆ、７２ｒの配置数は、合計四つでもよい（図３０参照）。すなわち、左方のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ用として二つのバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆ、７２ｒを、右方のバックアップテーブル用スライダ２３Ｒ用として二つのバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆ、７２ｒを、それぞれ配置してもよい。
【０２７７】
また、第一実施形態においては、本発明の伸縮部としてエアシリンダ２１６Ｒｆ、２１６Ｒｒを配置した（図７参照）。しかしながら、本発明の伸縮部としてオイルシリンダを配置してもよい。また、本発明の伸縮部としてゴムやばねなどの弾性体を配置してもよい。
【０２７８】
また、第三実施形態、第四実施形態においては、本発明の緩衝体、手動用緩衝体としてエアダンパ２３９Ｒｆ、２４９Ｌｆ、２４９Ｒｆを配置した（図３４、図３６参照）。しかしながら、本発明の緩衝体、手動用緩衝体としてオイルダンパを配置してもよい。また、本発明の緩衝体、手動用緩衝体としてゴムやばねなどの弾性体を配置してもよい。
【０２７９】
また、第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態においては、メインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒ、２２Ｌ、２２Ｒ、バックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒを自動で移動させたが、手動で移動させてもよい。同様に、第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態においては、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを自動で移動させたが、手動で移動させてもよい。
【０２８０】
また、基板バックアップ装置３は、マスクバックアップ装置２の構成が上記スクリーン印刷機１とは異なるスクリーン印刷機に用いることもできる。また、基板バックアップ装置３は、マスクバックアップ装置２を有しないスクリーン印刷機に用いることもできる。
【０２８１】
また、マスクバックアップ片２０Ｒの上面間の境界を、角度α（図８参照）や角度β（図２０参照）で延在させる形態、つまり上面間の境界を前後方向に対して直交方向以外の交差方向に延在させる形態は、マスクバックアップ装置２の構成が上記スクリーン印刷機１とは異なるスクリーン印刷機に用いることもできる。
【符号の説明】
【０２８２】
１：スクリーン印刷機、２：マスクバックアップ装置、３：基板バックアップ装置、４：クランプ装置、５：マスク装置、６：スキージ装置、７：バックアップテーブル、８：メインテーブル、９ｆ：基板搬送用コンベアベルト、９ｒ：基板搬送用コンベアベルト。
２０Ｌ：マスクバックアップ片、２０Ｌｃ：マスクバックアップ片、２０Ｒ：マスクバックアップ片、２０Ｒａ：マスクバックアップ片、２０Ｒｂ：マスクバックアップ片、２０Ｒｃ：マスクバックアップ片、２１Ｌ：メインテーブル用スライダ、２１Ｒ：メインテーブル用スライダ、２２Ｌ：メインテーブル用スライダ、２２Ｒ：メインテーブル用スライダ、２３Ｌ：バックアップテーブル用スライダ、２３Ｒ：バックアップテーブル用スライダ、２４Ｌ：手動用ユニット、２４Ｒ：手動用ユニット、３０：基板バックアップユニット、４０ｆ：固定クランプ部材、４０ｒ：可動クランプ部材、５０：マスク、５１：フレーム、６０：スキージ、７０：テーブル本体、７１：シャフト、７２ｆ：バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部、７２ｒ：バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部、７４：バックアップテーブル側コンベアベルト、８０ｆ：メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部、８０ｒ：メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部、８１Ｌ：メインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部、８１Ｒ：メインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部、８２ｆ：保持板、８２ｒ：保持板、８３：メインテーブル側コンベアベルト、８４：テーブル本体。
２００Ｌ：入力面、２００Ｒ：入力面、２０１Ｒ：ボールプランジャ、２０１Ｒａ：ボール、２０１Ｒｂ：コイルばね、２０１Ｒｃ：ケース、２０２Ｒ：動力伝達面、２０２Ｒａ：動力伝達面、２０２Ｒｂ：動力伝達面、２０２Ｒｃ：反時計回り方向端、２０２Ｒｄ：時計回り方向端、２０３Ｒ：シャフト貫通孔、２１０Ｌｆ：メインテーブル用基部、２１０Ｒｆ：メインテーブル用基部、２１０Ｒｒ：メインテーブル用基部、２１１Ｒｆ：可動部、２１１Ｒｒ：可動部、２１２Ｒ：メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部、２１３Ｌ：固定板、２１３Ｒ：固定板、２１４Ｒｆ：被ガイド溝部、２１４Ｒｒ：被ガイド溝部、２１５Ｌｆ：昇降部、２１５Ｒｆ：昇降部、２１５Ｒｒ：昇降部、２１６Ｌｆ：エアシリンダ（伸縮部）、２１６Ｒｆ：エアシリンダ（伸縮部）、２１６Ｒｒ：エアシリンダ（伸縮部）、２２０Ｒｆ：メインテーブル用基部、２２０Ｒｒ：メインテーブル用基部、２２１Ｌ：シャフト、２２１Ｒ：シャフト、２２２Ｒｆ：壁部、２２２Ｒｒ：壁部、２２３Ｌ：固定板、２２３Ｒ：固定板、２２４Ｒｆ：被ガイド溝部、２２５Ｌ：ロータリアクチュエータ、２２５Ｒ：ロータリアクチュエータ、２２６Ｌ：寝状態用ストッパ、２２６Ｒ：寝状態用ストッパ、２２７Ｒ：凹部、２３０Ｒｆ：バックアップテーブル用基部、２３０Ｒｒ：バックアップテーブル用基部、２３２Ｒ：バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部、２３３Ｌ：固定板、２３３Ｒ：固定板、２３４Ｒｆ：被ガイド溝部、２３４Ｒｒ：被ガイド溝部、２３６Ｒ：緩衝部、２３７Ｒｆ：壁部、２３７Ｒｒ：壁部、２３８Ｌ：当接部、２３８Ｒ：当接部、２３９Ｌｆ：エアダンパ（緩衝体）、２３９Ｒｆ：エアダンパ（緩衝体）、２４０Ｒｆ：バックアップテーブル用基部、２４０Ｒｒ：バックアップテーブル用基部、２４６Ｒ：緩衝部、２４７Ｌ：マスクバックアップ片配置部、２４７Ｒ：マスクバックアップ片配置部、２４８Ｌ：手動用当接部、２４８Ｒ：手動用当接部、２４９Ｌｆ：エアダンパ（手動用緩衝体）、２４９Ｒｆ：エアダンパ（手動用緩衝体）、２５０Ｒｆ：ガイド部材、２５０Ｒｒ：ガイド部材、２５１Ｒｆ：ガイド部材、２５２Ｒｆ：ガイド部材、３００：底板、３０１ｆ：ブロック、３０１ｒ：ブロック、３０２：ストッパ、３０３：基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部、３０４：基板バックアップ片、４００ｆＬ：柱部、４００ｆＲ：柱部、４００ｒＬ：柱部、４００ｒＲ：柱部、４０１ｆ：梁部、４０１ｒ：梁部、４０２ｒＬ：被ガイド部、４０２ｒＲ：被ガイド部、４０３ｒＬ：被ガイド溝部、４０３ｒＲ：被ガイド溝部、４０４ｒＬ：出力部、４０４ｒＲ：出力部、４０５ｒＬ：出力面、４０５ｒＲ：出力面、４０６ｆ：ストッパ、４０６ｒ：ストッパ、７４０：順方向区間、７４１：逆方向区間、８３０：順方向区間、８３１：逆方向区間。
Ａ１：立状態、Ａ２：寝状態、Ｂ：基板。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、基板の所定の位置にはんだを印刷するためのスクリーン印刷機に関する。
【背景技術】
【０００２】
図４３に、従来のスクリーン印刷機の印刷前状態の模式図を示す。図４３に示すように、基板１００は、基板バックアップ片１０１の上面に載置されている。基板１００の上方には、マスク１０２とスキージ１０３とが配置されている。マスク１０２には、所定のパターンで、上下方向に貫通する印刷孔（図略）が配置されている。マスク１０２の上面には、はんだ（図略）が配置されている。
【０００３】
図４４に、同スクリーン印刷機の印刷状態の模式図を示す。図４４に示すように、印刷状態においては、基板１００の上面にマスク１０２の下面が当接している。スキージ１０３は、マスク１０２の上面を前後方向に摺動する。マスク１０２の上面のはんだは、摺動するスキージ１０３により、印刷孔に押し込まれる。押し込まれたはんだは、基板１００の上面の所定の位置に印刷される。
【０００４】
しかしながら、図４４に円Ａ１００で示すように、基板１００の左右方向両端付近を境に、マスク１０２の左右方向両端は、スキージ１０３により下方に押し下げられている（図４４においてはマスク１０２の変形を強調して示す。）。このため、基板１００の左右方向両端付近に印圧が集中してしまう。すなわち、基板１００の左右方向両端付近と中央付近とで印圧がばらついてしまう。印圧がばらつくと、スキージ１０３の通過に伴って、マスク１０２が変形してしまう。このため、印刷の位置ずれや、かすれ等が発生しやすくなる。つまり、印刷品質が低下してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開平６−２６２７４８号公報
【特許文献２】特開２００５−３２４４９３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
そこで、基板の左右方向両側に一対のマスクバックアップ片が配置されたスクリーン印刷機が考案されている（例えば特許文献１参照）。図４５に、同スクリーン印刷機の基板搬送状態の模式図を示す。図４６に、同スクリーン印刷機の印刷前状態の模式図を示す。図４７に、同スクリーン印刷機の印刷状態の模式図を示す。なお、図４５〜図４７において、図４３と対応する部位については同じ符号で示す。
【０００７】
図４５〜図４７に示すように、基板バックアップ片１０１の左右方向両側には、一対のマスクバックアップ片１０４が配置されている。図４７に示すように、印刷状態においては、マスク１０２における基板１００の左右方向両側部分は、マスクバックアップ片１０４により下方から支持されている。このため、マスク１０２の左右方向両端が、スキージ１０３により下方に押し下げられにくい。したがって、基板１００の左右方向両端付近と中央付近とで印圧がばらつきにくい。このように、マスクバックアップ片１０４を配置すると、印刷品質の低下を抑制することができる。
【０００８】
ところで、印刷状態においては、マスクバックアップ片１０４の上面の高さと、基板１００の上面の高さと、クランプ部材１０５の上面の高さと、を略同じ高さにする必要がある。このため、図４５に示すように、マスクバックアップ片１０４の上面と基板バックアップ片１０１の上面との高度差Ａ１０２は、基板１００の上下方向の厚さＡ１０１と、略等しくなるように設定されている。
【０００９】
しかしながら、はんだを印刷する基板１００の種類を変更する際、つまり段取り替えの際、基板１００の上下方向の厚さＡ１０１が変わる場合がある。この場合、逐一、高度差Ａ１０２を設定し直す必要がある。
【００１０】
特許文献２には、版離れ性を向上させる目的でマスクバックアップ片を配置したスクリーン印刷機が開示されている。特許文献２のスクリーン印刷機の基板の左右方向両側には、一対のマスクバックアップ片が配置されている。特許文献２の[図３]に示すように、スクリーン印刷機には部材高さ保持手段が配置されている。このため、基板の上下方向の厚さによらず、マスクバックアップ片の上面の高さと、基板の上面の高さと、クランプ部材の上面の高さと、を略同じ高さに保持することができる。したがって、基板の上下方向の厚さが変わる場合であっても、マスクバックアップ片の上面と基板バックアップ片の上面との高度差を、設定し直す必要がない。
【００１１】
しかしながら、特許文献２には、図４４に示すような印刷時の課題、すなわち印刷品質の低下という課題は、開示あるいは示唆されていない。また、特許文献１、特許文献２のスクリーン印刷機によると、マスクバックアップ片の前後方向長さを変更することができない。このため、段取り替えの際、基板１００の前後方向長さが変わる場合に、マスクバックアップ片を、丸ごと交換する必要がある。
【００１２】
本発明のスクリーン印刷機は、上記課題に鑑みて完成されたものである。本発明は、基板の上下方向の厚さの変更と、基板の搬送方向に対して略直交する方向の長さの変更と、に簡単に対応可能なマスクバックアップ装置を備えるスクリーン印刷機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
（１）上記課題を解決するため、本発明のスクリーン印刷機は、印刷孔を有するマスクの下面を基板の上面に当接させ、該印刷孔を介してはんだを該マスクの上面側から該基板の上面に印刷する印刷時に、該マスクの下面を支持するマスクバックアップ装置を備えてなるスクリーン印刷機であって、前記基板の搬送方向をＸ軸方向、該Ｘ軸方向に略直交する方向をＹ軸方向として、前記マスクバックアップ装置は、複数のマスクバックアップ片を有し、複数の該マスクバックアップ片のうち、前記印刷時に前記マスクの下面を支持する該マスクバックアップ片の数は、該基板の該Ｙ軸方向の長さに応じて、加除可能であり、該基板の上下方向の厚さによらず、該印刷時に、該マスクの下面を支持する該マスクバックアップ片の上面と、該基板の上面と、を略同じ高さにすることを特徴とする（請求項１に対応）。
【００１４】
本発明のスクリーン印刷機のマスクバックアップ装置は、複数のマスクバックアップ片を備えている。このため、印刷時に、印圧がばらつきにくく、マスクが変形しにくい。したがって、印刷品質が低下しにくい。
【００１５】
また、複数のマスクバックアップ片は、加除可能である。例えば段取り替えなどにより、基板のＹ軸方向の長さが長くなる場合は、印刷時にマスクの下面を支持するためのマスクバックアップ片の配置数を増加させる。一方、基板のＹ軸方向の長さが短くなる場合は、印刷時にマスクの下面を支持するためのマスクバックアップ片の配置数を減少させる。
【００１６】
このように、本発明のスクリーン印刷機によると、マスクバックアップ片の配置数を増減することにより、基板のＹ軸方向の長さの変更に対応することができる。このため、マスクバックアップ片を丸ごと交換する場合と比較して、作業が簡単である。また、基板の種類に対する汎用性が高い。
【００１７】
また、本発明のスクリーン印刷機によると、基板の上下方向の厚さによらず、印刷時に、マスクの下面を支持するマスクバックアップ片の上面と、基板の上面と、を略同じ高さにすることができる。このため、基板の上下方向の厚さの変更に応じて、逐一、マスクバックアップ片の上面と基板バックアップ片の上面との高度差を、基板の上下方向の厚さと略等しくなるように、調整する必要がない。
【００１８】
（２）好ましくは、上記（１）の構成において、さらに、前記印刷時に前記基板の下面を支持する基板バックアップ片を有する基板バックアップ装置と、前記マスクを有するマスク装置と、該印刷時に該マスクの上面を摺動し前記印刷孔を介して前記はんだを該基板の上面に印刷するスキージを有するスキージ装置と、を備える構成とする方がよい（請求項２に対応）。本構成によると、印刷の際、基板の下面を基板バックアップ片により支持することができる。
【００１９】
（２−１）好ましくは、上記（２）の構成において、さらに、前記印刷時に前記基板の前記Ｙ軸方向両側面を挟持するクランプ装置を有し、前記スキージの摺動方向は、該Ｙ軸方向であり、複数の前記マスクバックアップ片は、前記基板バックアップ片の前記Ｘ軸方向両側に配置されており、複数の該マスクバックアップ片の該Ｘ軸方向両端間の長さは、該スキージの該Ｘ軸方向の長さ以上である構成とする方がよい。
【００２０】
仮に、複数のマスクバックアップ片のＸ軸方向両端間の長さがスキージのＸ軸方向の長さよりも短い場合、言い換えると複数のマスクバックアップ片に対してスキージがＸ軸方向にはみ出る場合、マスクのうちスキージのＸ軸方向両端の下方に配置される部分が、マスクバックアップ片により支持されないおそれがある。この場合、マスクの当該部分がスキージにより下方に押し下げられるおそれがある。
【００２１】
これに対して、本構成によると、マスクのうちスキージのＸ軸方向両端の下方に配置される部分が、マスクバックアップ片により支持されている。このため、マスクの当該部分がスキージにより下方に押し下げられるおそれがない。したがって、スキージの摺動方向（Ｙ軸方向）に対して略直交する方向（Ｘ軸方向）に、印圧がばらつきにくい。
【００２２】
（２−２）好ましくは、上記（２）の構成において、さらに、前記印刷時に前記基板の前記Ｙ軸方向両側面を挟持するクランプ装置を有し、前記スキージの摺動方向は、該Ｙ軸方向であり、複数の前記マスクバックアップ片は、前記基板バックアップ片の前記Ｘ軸方向両側に配置されており、該Ｘ軸方向に互いに隣り合う、該マスクバックアップ片の上面と、該基板の上面と、の間の隙間は、略０である構成とする方がよい。
【００２３】
本構成によると、印刷時に、マスクバックアップ片の上面と、基板の上面と、がＸ軸方向に略隙間なく連なっている。このため、スキージの摺動方向（Ｙ軸方向）に対して略直交する方向（Ｘ軸方向）に、印圧がばらつきにくい。
【００２４】
（２−３）好ましくは、上記（２）の構成において、前記基板バックアップ装置は、前記Ｙ軸方向に延在する基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部と、該基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部に移動可能に配置される複数の前記基板バックアップ片と、を有し、該基板バックアップ片を該基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部に沿って移動させることにより、前記印刷時に前記基板の下面を支持する該基板バックアップ片の配置数を調整する構成とする方がよい。
【００２５】
本構成によると、複数の基板バックアップ片が、基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部に沿って、Ｙ軸方向に移動可能である。このため、基板のＹ軸方向の長さに応じて、印刷時に基板の下面を支持するための基板バックアップ片の配置数を、簡単に増減することができる。
【００２６】
また、本構成によると、基板のＹ軸方向の長さを変更する際、逐一、基板バックアップ片を、スクリーン印刷機の機内から機外に、あるいは機外から機内に、移動させる必要がない。このように、本構成によると、基板のＹ軸方向の長さの変更に簡単に対応することができる。
【００２７】
（２−４）好ましくは、上記（２−３）の構成において、前記基板バックアップ装置は、前記Ｘ軸方向に並設可能な複数の基板バックアップユニットを有し、複数の該基板バックアップユニットは、各々、前記基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部と、複数の前記基板バックアップ片と、を有する構成とする方がよい。本構成によると、基板バックアップユニットのＸ軸方向の並設数を増減することにより、基板のＸ軸方向の長さの変更に簡単に対応することができる。
【００２８】
（３）好ましくは、上記（２）の構成において、さらに、前記基板バックアップ装置が配置され上下動可能なバックアップテーブルと、前記マスクバックアップ装置が配置されるメインテーブルと、を有する構成とする方がよい（請求項３に対応）。
【００２９】
本構成によると、基板バックアップ装置とマスクバックアップ装置とが、各々別のテーブルに配置されている。このため、基板バックアップ装置とマスクバックアップ装置とを、互いに独立して動かすことができる。
【００３０】
（４）好ましくは、上記（３）の構成において、さらに、前記メインテーブルに配置され、前記印刷時に前記基板の両側面を挟持するクランプ装置を有し、前記マスクバックアップ装置は、さらに、該メインテーブルに対して上下動しないメインテーブル用基部と、該メインテーブル用基部と複数の前記マスクバックアップ片との間に介装され複数の該マスクバックアップ片の上面を上昇させることが可能な可動部と、を有し、該バックアップテーブルの上昇量を調整することにより、該基板の上下方向の厚さによらず、該基板の上面を、該クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させ、該メインテーブル用基部の上端と該クランプ装置の上面との高度差が不変であることを利用して、該可動部は、該印刷時に前記マスクの下面を支持する該マスクバックアップ片の上面を、該クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させる構成とする方がよい（請求項４に対応）。
【００３１】
本構成によると、印刷の際、基板の両側面を、クランプ装置により、挟持することができる。また、本構成によると、基板の上下方向の厚さが厚い場合には、その分バックアップテーブルの上昇量を小さくする。一方、基板の上下方向の厚さが薄い場合には、その分バックアップテーブルの上昇量を大きくする。このようにして、基板の上下方向の厚さによらず、基板の上面を、クランプ装置の上面と略同じ高さに揃えている。
【００３２】
また、メインテーブル用基部の上端と、クランプ装置の上面と、の高度差は不変である。このため、マスクの下面を支持するマスクバックアップ片の上面を、クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させる際の、マスクバックアップ片の上面の上昇量は、一定である。したがって、可動部は、基板の上下方向の厚さによらず、またバックアップテーブルの上昇量によらず、常に一定の上昇量で、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片の上面を、クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させることができる。
【００３３】
このように、本構成によると、基板の上下方向の厚さに応じてバックアップテーブルの上昇量を調整する場合であっても、マスクバックアップ片の上面の上昇量を調整する必要がない。このため、例えば、特許文献２のスクリーン印刷機のように、部材高さ保持手段を配置する必要がない。したがって、スクリーン印刷機の構造が簡単になる。
【００３４】
（５）好ましくは、上記（３）または（４）の構成において、前記メインテーブルは、前記Ｙ軸方向に所定の間隔だけ離間して配置され前記Ｘ軸方向に延在する複数のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を有し、前記マスクバックアップ装置は、さらに、前記基板バックアップ片の該Ｘ軸方向両側に配置される一対のメインテーブル用スライダを有し、該メインテーブル用スライダは、該メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を移動する構成とする方がよい（請求項５に対応）。
【００３５】
本構成によると、一対のメインテーブル用スライダが、基板バックアップ片のＸ軸方向両側に配置されている。メインテーブル用スライダは、メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部に沿って、Ｘ軸方向に移動可能である。
【００３６】
例えば段取り替えなどにより、基板のＸ軸方向の長さが長くなる場合は、一対のメインテーブル用スライダ間のＸ軸方向の間隔を広げる。一方、基板のＸ軸方向の長さが短くなる場合は、一対のメインテーブル用スライダ間のＸ軸方向の間隔を狭める。
【００３７】
このように、本構成によると、一対のメインテーブル用スライダ間のＸ軸方向の間隔を拡縮することにより、基板のＸ軸方向の長さの変更に対応することができる。
【００３８】
（６）好ましくは、上記（５）の構成において、前記メインテーブルは、さらに、前記Ｘ軸方向に延在し、駆動時に互いに反対方向に動く順方向区間と逆方向区間とを有するメインテーブル側コンベアベルトを有し、一対の前記メインテーブル用スライダのうち一方は該順方向区間に、一対の該メインテーブル用スライダのうち他方は該逆方向区間に、それぞれ固定されている構成とする方がよい（請求項６に対応）。
【００３９】
本構成によると、メインテーブル側コンベアベルトを任意の方向に駆動することにより、一対のメインテーブル用スライダを、互いに反対方向に移動させることができる。このため、簡単に一対のメインテーブル用スライダ間のＸ軸方向の間隔を拡縮することができる。
【００４０】
（７）好ましくは、上記（５）または（６）の構成において、前記メインテーブル用スライダは、前記メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を移動する一対の前記メインテーブル用基部と、一対の前記可動部と、メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部と、を有し、該可動部は、昇降部と、該昇降部と該メインテーブル用基部とを上下方向に伸縮可能に連結する伸縮部と、を有し、該メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部は、前記Ｙ軸方向に延在し一対の該昇降部間に架設され、複数の前記マスクバックアップ片は、該メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に移動可能に配置され、該マスクバックアップ片を該メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に沿って移動させることにより、該マスクバックアップ片の配置数を調整する構成とする方がよい（請求項７に対応）。
【００４１】
本構成によると、伸縮部が伸張することにより昇降部が上昇する。すなわち、複数のマスクバックアップ片が上昇する。また、本構成によると、一対の昇降部間には、Ｙ軸方向に延在するメインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部が架設されている。複数のマスクバックアップ片は、当該メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に移動可能に配置されている。このため、マスクバックアップ片を移動させることにより、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片の配置数を、簡単に調整することができる。
【００４２】
また、本構成が、上記（５）の構成を介して、上記（４）の構成に従属する場合、メインテーブル用基部の上端と、クランプ装置の上面と、の高度差は不変である。このため、マスクの下面を支持するマスクバックアップ片の上面を、クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させる際の、マスクバックアップ片の上面の上昇量は、一定である。したがって、伸縮部は、基板の上下方向の厚さによらず、またバックアップテーブルの上昇量によらず、常に一定の伸張量で、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片の上面を、クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させることができる。
【００４３】
（７−１）好ましくは、上記（７）の構成において、前記伸縮部は、流体により伸縮する流体シリンダである構成とする方がよい。本構成によると、伸縮部を容易に伸縮させることができる。
【００４４】
（８）好ましくは、上記（７）の構成において、前記クランプ装置は、一対の前記メインテーブル用スライダを前記Ｘ軸方向に跨ぐと共に、前記Ｙ軸方向に移動可能な可動クランプ部材を有し、該可動クランプ部材は、移動することにより該Ｙ軸方向に押圧力を出力する出力部を有し、前記マスクバックアップ片は、該出力部に対して該Ｘ軸方向から離接可能な入力部を有し、該入力部を該出力部に当接させた状態で、該可動クランプ部材を該Ｙ軸方向に移動させることにより、該出力部の該押圧力を用いて、該マスクバックアップ片を、前記メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に沿って移動させる構成とする方がよい（請求項８に対応）。
【００４５】
本構成によると、可動クランプ部材の動きを利用して、マスクバックアップ片を移動させている。すなわち、可動クランプ部材は、印刷時に基板のＹ軸方向の側面を保持する。このため、可動クランプ部材の動きとマスクバックアップ片の動きとを連動させることにより、印刷時に必要な数のマスクバックアップ片を簡単に配置することができる。
【００４６】
（８−１）好ましくは、上記（８）の構成において、前記出力部は、前記Ｙ軸方向両端が互いに前記Ｘ軸方向にずれた出力面を有し、前記入力部は、該Ｙ軸方向両端が互いに該Ｘ軸方向にずれた入力面を有し、該出力面と該入力面とが面接触する構成とする方がよい。本構成によると、簡単に、押圧力を出力部から入力部に伝達することができる。
【００４７】
（９）好ましくは、上記（５）または（６）の構成において、前記メインテーブル用スライダは、一対の前記メインテーブル用基部と、一対の壁部と、前記可動部と、を有し、該壁部は、該メインテーブル用基部に固定され、該可動部は、前記Ｙ軸方向に延在し一対の該壁部間に軸回りに揺動可能に架設されるシャフトであり、前記マスクバックアップ片は、該シャフトの軸回りに揺動可能に配置され、該マスクバックアップ片は、該シャフトの軸回りに揺動することにより、前記印刷時に前記マスクの下面を支持しない寝状態と、該寝状態よりも高さが高く該印刷時に該マスクの下面を支持する立状態と、に切り替え可能である構成とする方がよい（請求項９に対応）。
【００４８】
本構成によると、複数のマスクバックアップ片は、シャフトの軸周りに揺動可能である。このため、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片の上面を、上昇させることができる。すなわち、マスクバックアップ片を揺動させることにより、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片の配置数を、簡単に調整することができる。
【００４９】
また、本構成が、上記（５）の構成を介して、上記（４）の構成に従属する場合、前述したように、メインテーブル用基部の上端と、クランプ装置の上面と、の高度差は不変である。このため、マスクの下面を支持するマスクバックアップ片の上面を、クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させる際の、マスクバックアップ片の上面の上昇量は、一定である。したがって、シャフトは、基板の上下方向の厚さによらず、またバックアップテーブルの上昇量によらず、常に一定の揺動量で、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片の上面を、クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させることができる。
【００５０】
（１０）好ましくは、上記（９）の構成において、前記マスクバックアップ片は、ボールプランジャを有し、前記シャフトは、側周面に、該ボールプランジャが係脱可能な凹部を有し、該ボールプランジャと該凹部との係脱機構を利用して、該マスクバックアップ片を、前記立状態にする構成とする方がよい（請求項１０に対応）。
【００５１】
マスクバックアップ片のボールプランジャと凹部とが係合している場合は、当該マスクバックアップ片はシャフトと一体的に揺動する。一方、マスクバックアップ片のボールプランジャと凹部とが係合していない場合は、当該マスクバックアップ片に対してシャフトは空回りする。すなわち、マスクバックアップ片はシャフトと一体的に揺動しない。このように、ボールプランジャと凹部との係脱機構を利用すると、任意のマスクバックアップ片を揺動させることができる。あるいは、任意のマスクバックアップ片を停止させることができる。したがって、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片を、立状態にすることができる。
【００５２】
（１１）好ましくは、上記（９）または（１０）の構成において、前記マスクバックアップ片は、前記Ｙ軸方向に隣接する別の該マスクバックアップ片に当接すると共に前記シャフトを中心とする周方向両端が互いに該Ｙ軸方向にずれた動力伝達面を有し、該動力伝達面を介して、該シャフトの揺動力および該揺動力に抗する揺動規制力のうち少なくとも一方を、伝達する構成とする方がよい（請求項１１に対応）。
【００５３】
本構成によると、Ｙ軸方向に互いに隣接する一対のマスクバックアップ片間において、動力伝達面を介して、揺動力および揺動規制力のうち少なくとも一方を、伝達することができる。このため、所定の数のマスクバックアップ片を、一度に、立状態あるいは寝状態にすることができる。
【００５４】
（１２）好ましくは、上記（１１）の構成において、前記クランプ装置は、一対の前記メインテーブル用スライダを前記Ｘ軸方向に跨ぐと共に、前記Ｙ軸方向に移動可能な可動クランプ部材を有し、全ての前記マスクバックアップ片を前記寝状態にすると共に、前記ボールプランジャを前記凹部に係合させ、該マスクバックアップ片が該寝状態から該立状態に切り替わる方向に前記シャフトを揺動させ、所定の該マスクバックアップ片を該可動クランプ部材に当接させ、該可動クランプ部材から入力される前記揺動規制力により、所定の該ボールプランジャを該凹部から外し、該マスクバックアップ片に対して該シャフトを空動させ、所定の該マスクバックアップ片が該立状態に切り替わるのを抑制すると共に、所定の該マスクバックアップ片に対して前記基板から離間する方向に連なる別の該バックアップ片に、前記動力伝達面を介して該揺動規制力を伝達し、所定の該マスクバックアップ片に連なる別の該バックアップ片が該立状態に切り替わるのを抑制する構成とする方がよい（請求項１２に対応）。
【００５５】
本構成によると、印刷時における可動クランプ部材のＹ軸方向の位置を利用して、マスクの下面を支持するマスクバックアップ片を、寝状態から立状態に切り替えている。このため、印刷時に必要な数のマスクバックアップ片を簡単に配置することができる。
【００５６】
（１３）好ましくは、上記（２）の構成において、さらに、前記基板バックアップ装置が配置され、上下動可能なバックアップテーブルを備え、前記マスクバックアップ装置は、該バックアップテーブルに配置される構成とする方がよい（請求項１３に対応）。本構成によると、バックアップテーブルに、基板バックアップ装置とマスクバックアップ装置とが、共に配置されている。このため、スクリーン印刷機の構造が簡単になる。
【００５７】
（１４）好ましくは、上記（１３）の構成において、さらに、前記印刷時に前記基板の両側面を挟持するクランプ装置を有し、該クランプ装置はストッパを有し、前記マスクバックアップ装置は、前記バックアップテーブルに対して上下動しないバックアップテーブル用基部と、該バックアップテーブル用基部と複数の前記マスクバックアップ片との間に介装され上下方向に伸縮可能な緩衝部と、を有し、該バックアップテーブルの上昇量を調整することにより、該基板の上下方向の厚さによらず、該基板の上面を、該クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させ、該緩衝部を該ストッパに当接させ該緩衝部を収縮させることにより、前記印刷時に前記マスクの下面を支持する該マスクバックアップ片の上面を、該クランプ装置の上面と略同じ高さに揃える構成とする方がよい（請求項１４に対応）。
【００５８】
バックアップテーブルに基板バックアップ装置とマスクバックアップ装置とが共に配置されている場合、バックアップテーブルの上昇量を調整すると、マスクバックアップ片の上面の上昇量も変わってしまう。このため、マスクバックアップ片の上面と、クランプ装置の上面とを、略同じ高さに揃えにくくなる。
【００５９】
この点、本構成によると、マスクバックアップ装置に緩衝部が配置されている。並びに、クランプ装置にストッパが配置されている。このため、基板の上下方向の厚さによらず、つまりバックアップテーブルの上昇量によらず、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片の上面を、クランプ装置の上面と略同じ高さに揃えることができる。
【００６０】
（１５）好ましくは、上記（１３）または（１４）の構成において、前記バックアップテーブルは、前記Ｙ軸方向に所定の間隔だけ離間して配置され前記Ｘ軸方向に延在する複数のバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を有し、前記マスクバックアップ装置は、さらに、前記基板バックアップ片の該Ｘ軸方向両側に配置される一対のバックアップテーブル用スライダを有し、該バックアップテーブル用スライダは、該バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を移動する構成とする方がよい（請求項１５に対応）。
【００６１】
本構成によると、一対のバックアップテーブル用スライダが、基板バックアップ片のＸ軸方向両側に配置されている。バックアップテーブル用スライダは、バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部に沿って、Ｘ軸方向に移動可能である。
【００６２】
例えば段取り替えなどにより、基板のＸ軸方向の長さが長くなる場合は、一対のバックアップテーブル用スライダ間のＸ軸方向の間隔を広げる。一方、基板のＸ軸方向の長さが短くなる場合は、一対のバックアップテーブル用スライダ間のＸ軸方向の間隔を狭める。
【００６３】
このように、本構成によると、一対のバックアップテーブル用スライダ間のＸ軸方向の間隔を拡縮することにより、基板のＸ軸方向の長さの変更に対応することができる。
【００６４】
（１６）好ましくは、上記（１５）の構成において、前記バックアップテーブルは、さらに、前記Ｘ軸方向に延在し、駆動時に互いに反対方向に動く順方向区間と逆方向区間とを有するバックアップテーブル側コンベアベルトを有し、一対の前記バックアップテーブル用スライダのうち一方は該順方向区間に、一対の該バックアップテーブル用スライダのうち他方は該逆方向区間に、それぞれ固定されている構成とする方がよい（請求項１６に対応）。
【００６５】
本構成によると、バックアップテーブル側コンベアベルトを任意の方向に駆動することにより、一対のバックアップテーブル用スライダを、互いに反対方向に移動させることができる。このため、簡単に一対のバックアップテーブル用スライダ間のＸ軸方向の間隔を拡縮することができる。
【００６６】
（１７）好ましくは、上記（１５）または（１６）の構成において、前記バックアップテーブル用スライダは、前記バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を移動する一対の前記バックアップテーブル用基部と、前記緩衝部と、バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部と、を有し、該緩衝部は、一対の該バックアップテーブル用基部の上方に配置される一対の壁部と、前記Ｙ軸方向に延在し一対の該壁部間に架設され前記ストッパに当接可能な当接部と、一対の該バックアップテーブル用基部と一対の壁部とを上下方向に伸縮可能に連結する一対の緩衝体と、を有し、該バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部は、該Ｙ軸方向に延在し一対の該壁部間に架設され、複数の前記マスクバックアップ片は、該バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に移動可能に配置され、該マスクバックアップ片を該バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に沿って移動させることにより、該マスクバックアップ片の配置数を調整する構成とする方がよい（請求項１７に対応）。
【００６７】
本構成によると、基板の上下方向の厚さの変更に伴うバックアップテーブルの上昇量の変更を、一対の緩衝体の収縮量により吸収することができる。
【００６８】
また、本構成によると、一対の壁部間には、Ｙ軸方向に延在するバックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部が架設されている。複数のマスクバックアップ片は、当該バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に移動可能に配置されている。このため、マスクバックアップ片を移動させることにより、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片の配置数を、簡単に調整することができる。
【００６９】
（１７−１）好ましくは、上記（１７）の構成において、前記緩衝体は、流体により伸縮する流体ダンパである構成とする方がよい。本構成によると、緩衝体の伸縮量を大きくすることができる。このため、基板の上下方向の厚さを大きく変更する場合であっても、対応しやすい。
【００７０】
（１８）好ましくは、上記（１７）の構成において、前記クランプ装置は、一対の前記バックアップテーブル用スライダを前記Ｘ軸方向に跨ぐと共に、前記Ｙ軸方向に移動可能な可動クランプ部材を有し、該可動クランプ部材は、移動することにより該Ｙ軸方向に押圧力を出力する出力部を有し、前記マスクバックアップ片は、該出力部に対して該Ｘ軸方向から離接可能な入力部を有し、該入力部を該出力部に当接させた状態で、該可動クランプ部材を該Ｙ軸方向に移動させることにより、該出力部の該押圧力を用いて、該マスクバックアップ片を、前記バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に沿って移動させる構成とする方がよい（請求項１８に対応）。
【００７１】
本構成によると、可動クランプ部材の動きを利用して、マスクバックアップ片を移動させている。すなわち、可動クランプ部材は、印刷時に基板のＹ軸方向の側面を挟持する。このため、可動クランプ部材の動きとマスクバックアップ片の動きとを連動させることにより、印刷時に必要な数のマスクバックアップ片を簡単に配置することができる。
【００７２】
（１８−１）好ましくは、上記（１８）の構成において、前記出力部は、前記Ｙ軸方向両端が互いに前記Ｘ軸方向にずれた出力面を有し、前記入力部は、該Ｙ軸方向両端が互いに該Ｘ軸方向にずれた入力面を有し、該出力面と該入力面とが面接触する構成とする方がよい。本構成によると、簡単に、押圧力を出力部から入力部に伝達することができる。
【００７３】
（１９）好ましくは、上記（１４）の構成において、前記マスクバックアップ装置は、さらに、前記基板バックアップ片の前記Ｘ軸方向両側に手動で配置される一対の手動用ユニットを有し、該手動用ユニットは、一対の前記バックアップテーブル用基部と、一対の該バックアップテーブル用基部間に架設される前記緩衝部と、を有し、該緩衝部は、一対の該バックアップテーブル用基部の上方に連なり上下方向に伸縮可能な一対の手動用緩衝体と、前記Ｙ軸方向に延在し一対の該手動用緩衝体間に架設されるマスクバックアップ片配置部と、前記ストッパに当接可能な手動用当接部と、を有し、複数の前記マスクバックアップ片は、該マスクバックアップ片配置部に加除可能に配置され、該マスクバックアップ片配置部に対する該マスクバックアップ片の配置数を手動で調整する構成とする方がよい（請求項１９に対応）。
【００７４】
本構成によると、一対の手動用ユニットが、基板バックアップ片のＸ軸方向両側に配置されている。例えば段取り替えなどにより、基板のＸ軸方向の長さが長くなる場合は、手動で一対の手動用ユニット間のＸ軸方向の間隔を広げる。一方、基板のＸ軸方向の長さが短くなる場合は、手動で一対の手動用ユニット間のＸ軸方向の間隔を狭める。このように、本構成によると、手動で一対の手動用ユニット間のＸ軸方向の間隔を拡縮することにより、基板のＸ軸方向の長さの変更に対応することができる。
【００７５】
また、本構成によると、マスクバックアップ片配置部におけるマスクバックアップ片の配置数を手動で変更することにより、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片の配置数を調整することができる。すなわち、マスクバックアップ片の配置数を調整することにより、基板のＹ軸方向の長さの変更に対応することができる。
【００７６】
また、本構成によると、既存のスクリーン印刷機に対して、特別な加工を施すことなく、マスクバックアップ片の数を加除可能なマスクバックアップ装置を、アドオンすることができる。このため、汎用性が高い。
【００７７】
（２０）好ましくは、上記（２）ないし（１９）のいずれかの構成において、前記印刷時に前記マスクの下面を支持する際、互いに隣接する任意の一対の前記マスクバックアップ片の上面間の境界は、前記スキージの摺動方向に対して、直交方向以外の交差方向に延在する構成とする方がよい（請求項２０に対応）。
【００７８】
スキージは、マスクの上面を摺動する。マスクバックアップ片は、マスクの下面を支持している。ここで、スキージに摺動方向に対して、互いに隣接する任意の一対のマスクバックアップ片の上面間の境界が、直交していると、スキージが当該境界の上を通過する際に、スキージのがたつきが大きくなる。
【００７９】
この点、本構成によると、スキージに摺動方向に対して、互いに隣接する任意の一対のマスクバックアップ片の上面間の境界が、直交していない。このため、スキージが当該境界の上を通過する際に、スキージのがたつきが大きくなりにくい。
【００８０】
（２１）上記構成のうち、基板バックアップ装置に関する（２−３）、（２−４）の構成、互いに隣接する任意の一対のマスクバックアップ片の上面間の境界に関する（２０）の構成は、（１）の構成から独立して実施することも可能である。すなわち、（２−３）、（２−４）、（２０）の構成は、複数のマスクバックアップ片を加除不可能なスクリーン印刷機や、マスクバックアップ片を有しないスクリーン印刷機に適用することも可能である。また、（２−３）、（２−４）、（２０）の構成は、基板の上下方向の厚さの変更に応じて、逐一、マスクバックアップ片の上面と基板バックアップ片の上面との高度差を、基板の上下方向の厚さと、略等しくなるように調整する必要があるスクリーン印刷機に適用することも可能である。
【発明の効果】
【００８１】
本発明によると、基板の上下方向の厚さの変更と、基板の搬送方向に対して略直交する方向の長さの変更と、に簡単に対応可能なマスクバックアップ装置を備えるスクリーン印刷機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００８２】
【図１】第一実施形態のスクリーン印刷機の斜視図である。
【図２】同スクリーン印刷機の上面図である。
【図３】同スクリーン印刷機の前面図である。
【図４】同スクリーン印刷機の分解斜視図である。
【図５】同スクリーン印刷機の基板バックアップユニットの斜視図である。
【図６】同スクリーン印刷機の基板バックアップユニットの部分拡大斜視図である。
【図７】同スクリーン印刷機の右方のメインテーブル用スライダの斜視図である。
【図８】同スクリーン印刷機のマスクバックアップ片の拡大斜視図である。
【図９】同スクリーン印刷機の可動クランプ部材の右方の柱部付近の拡大斜視図である。
【図１０】同スクリーン印刷機の印刷前状態の前面図である。
【図１１】同スクリーン印刷機の印刷状態の前面図である。
【図１２】同スクリーン印刷機の、基板の左右方向の長さを長くする場合の上面図である。
【図１３】同スクリーン印刷機の、基板の前後方向の長さを長くする場合の第一工程の上面図である。
【図１４】同スクリーン印刷機の、基板の前後方向の長さを長くする場合の第二工程の上面図である。
【図１５】図１４の枠ＸＶ内の拡大図である。
【図１６】同スクリーン印刷機の、基板の前後方向の長さを長くする場合の第三工程の上面図である。
【図１７】同スクリーン印刷機の、基板の前後方向の長さを長くする場合の第四工程の上面図である。
【図１８】第二実施形態のスクリーン印刷機の斜視図である。
【図１９】同スクリーン印刷機の右方のメインテーブル用スライダの斜視図である。
【図２０】同スクリーン印刷機の立状態のマスクバックアップ片の上面図である。
【図２１】同スクリーン印刷機のシャフトおよび立状態のマスクバックアップ片の軸直方向断面図である。
【図２２】同スクリーン印刷機のシャフトおよび寝状態のマスクバックアップ片の軸直方向断面図である。
【図２３】同スクリーン印刷機の基板搬送状態の前面図である。
【図２４】同スクリーン印刷機の基板搬送状態の上面図である。
【図２５】同スクリーン印刷機の基板搬送状態におけるシャフトおよび寝状態のマスクバックアップ片の軸直方向断面図である。
【図２６】同スクリーン印刷機の印刷前状態の前面図である。
【図２７】同スクリーン印刷機の印刷前状態の上面図である。
【図２８】図２７の枠ＸＸＶＩＩＩ内の拡大図である。
【図２９】同スクリーン印刷機の、基板の前後方向の長さを長くする場合の上面図である。
【図３０】第三実施形態のスクリーン印刷機の斜視図である。
【図３１】同スクリーン印刷機の上面図である。
【図３２】同スクリーン印刷機の前面図である。
【図３３】同スクリーン印刷機の分解斜視図である。
【図３４】同スクリーン印刷機の右方のバックアップテーブル用スライダの斜視図である。
【図３５】同スクリーン印刷機の印刷前状態の前面図である。
【図３６】第四実施形態のスクリーン印刷機の斜視図である。
【図３７】同スクリーン印刷機の分解斜視図である。
【図３８】互いに曲面状に面接触するマスクバックアップ片と出力部との上面図である。
【図３９】互いに前後方向にずれて面接触するマスクバックアップ片と出力部との上面図である。
【図４０】曲面状の動力伝達面を有する立状態のマスクバックアップ片の上面図である。
【図４１】階段状の動力伝達面を有する立状態のマスクバックアップ片の上面図である。
【図４２】動力伝達面を有しないスクリーン印刷機の印刷前状態の上面図である。
【図４３】従来のスクリーン印刷機の印刷前状態の模式図である。
【図４４】同スクリーン印刷機の印刷状態の模式図である。
【図４５】マスクバックアップ片を備えるスクリーン印刷機の基板搬送状態の模式図である。
【図４６】同スクリーン印刷機の印刷前状態の模式図である。
【図４７】同スクリーン印刷機の印刷状態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【００８３】
以下、本発明のスクリーン印刷機の実施の形態について説明する。
【００８４】
＜第一実施形態＞
［スクリーン印刷機の構成］
まず、本実施形態のスクリーン印刷機の構成について説明する。図１に、本実施形態のスクリーン印刷機の斜視図を示す。図２に、同スクリーン印刷機の上面図を示す。図３に、同スクリーン印刷機の前面図を示す。図４に、同スクリーン印刷機の分解斜視図を示す。なお、以下に示す図中、左右方向が本発明のＸ軸方向に、前後方向が本発明のＹ軸方向に、それぞれ対応する。また、図１、図２、図４においては、説明の便宜上、基板、マスク装置、スキージ装置を省略して示す。また、図３においては、説明の便宜上、固定クランプ部材を省略して示す。
【００８５】
図１〜図４に示すように、スクリーン印刷機１は、マスクバックアップ装置２と、基板バックアップ装置３と、クランプ装置４と、マスク装置５と、スキージ装置６と、バックアップテーブル７と、メインテーブル８と、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｆ、９ｒと、を備えている。
【００８６】
（メインテーブル８、バックアップテーブル７）
メインテーブル８は、テーブル本体８４と、一対のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒと、一対のメインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｌ、８１Ｒと、一対の保持板８２ｆ、８２ｒと、メインテーブル側コンベアベルト８３と、を備えている。
【００８７】
テーブル本体８４は、長方形板状を呈している。テーブル本体８４は、上下方向に移動可能である。また、テーブル本体８４は、左右方向、前後方向、上下方向軸を中心とする回転方向に、位置調整可能である。
【００８８】
一対の保持板８２ｆ、８２ｒは、各々、細板状を呈している。一対の保持板８２ｆ、８２ｒは、各々、左右方向に延在している。保持板８２ｆは、テーブル本体８４の上面の前縁に沿って配置されている。保持板８２ｒは、テーブル本体８４の上面の後縁に沿って配置されている。
【００８９】
一対のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒは、各々、角柱状を呈している。一対のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒは、各々、左右方向に延在している。メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆは、保持板８２ｆの上面に配置されている。メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｒは、保持板８２ｒの上面に配置されている。
【００９０】
メインテーブル側コンベアベルト８３は、左右方向に延びる環状を呈している。メインテーブル側コンベアベルト８３は、保持板８２ｆの前面に配置されている。メインテーブル側コンベアベルト８３は、上方の順方向区間８３０と、下方の逆方向区間８３１と、を備えている。
【００９１】
一対のメインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｌ、８１Ｒは、各々、角柱状を呈している。一対のメインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｌ、８１Ｒは、各々、前後方向に延在している。メインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｌは、テーブル本体８４の上面の左縁に沿って配置されている。メインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｒは、テーブル本体８４の上面の右縁に沿って配置されている。
【００９２】
バックアップテーブル７は、テーブル本体７０を備えている。テーブル本体７０は、長方形板状を呈している。図３に示すように、テーブル本体７０は、ボールねじ装置のシャフト７１により、下方から支持されている。シャフト７１には、ボールねじ装置のナット（図略）が環装されている。シャフト７１に対してナットが螺動することにより、テーブル本体７０は、上下方向に移動可能である。
【００９３】
（基板バックアップ装置３）
基板バックアップ装置３は、三つの基板バックアップユニット３０を備えている。三つの基板バックアップユニット３０は、図４にハッチングで示すように、テーブル本体７０の上面に配置されている。三つの基板バックアップユニット３０は、左右方向に並んでいる。
【００９４】
図５に、基板バックアップユニットの斜視図を示す。図５に示すように、基板バックアップユニット３０は、底板３００と、一対のブロック３０１ｆ、３０１ｒ（図２参照）と、ストッパ３０２と、基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部３０３と、多数の基板バックアップ片３０４と、を備えている。
【００９５】
底板３００は、細板状を呈している。底板３００は、前後方向に延在している。一対のブロック３０１ｆ、３０１ｒは、各々直方体状を呈している。ブロック３０１ｆは、底板３００の上面の前端に配置されている。ブロック３０１ｒは、底板３００の上面の後端に配置されている。
【００９６】
基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部３０３は、シャフト状を呈している。基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部３０３は、前後方向に延在している。基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部３０３は、一対のブロック３０１ｆ、３０１ｒ間に架設されている。
【００９７】
多数の基板バックアップ片３０４は、各々、長方形板状を呈している。図６に、基板バックアップユニットの部分拡大斜視図を示す。図６に示すように、基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部３０３は、多数の基板バックアップ片３０４を、串刺し状に貫通している。多数の基板バックアップ片３０４は、各々、基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部３０３に沿って、前後方向に移動可能である。
【００９８】
図５に戻って、ストッパ３０２は、円柱状を呈している。ストッパ３０２は、ブロック３０１ｆに近接して配置されている。ストッパ３０２は、多数の基板バックアップ片３０４の前端を位置決めしている。
【００９９】
（マスクバックアップ装置２）
図１〜図４に戻って、マスクバックアップ装置２は、多数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒと、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒと、を備えている。一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒは、各々、一対のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒ間に架設されている。一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒは、各々、一対のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒに沿って、左右方向に移動可能である。メインテーブル用スライダ２１Ｌは、基板バックアップ装置３の左方に配置されている。メインテーブル用スライダ２１Ｒは、基板バックアップ装置３の右方に配置されている。
【０１００】
図７に、右方のメインテーブル用スライダの斜視図を示す。図７に示すように、メインテーブル用スライダ２１Ｒは、一対のメインテーブル用基部２１０Ｒｆ、２１０Ｒｒと、一対の可動部２１１Ｒｆ、２１１Ｒｒと、メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２１２Ｒと、固定板２１３Ｒと、を備えている。
【０１０１】
一対のメインテーブル用基部２１０Ｒｆ、２１０Ｒｒは、各々、直方体状を呈している。一対のメインテーブル用基部２１０Ｒｆ、２１０Ｒｒの下面には、各々、被ガイド溝部２１４Ｒｆ、２１４Ｒｒが形成されている。図４に示すように、被ガイド溝部２１４Ｒｆは、メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆに対して、左右方向に摺動可能である。また、被ガイド溝部２１４Ｒｒは、メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｒに対して、左右方向に摺動可能である。
【０１０２】
図７に戻って、固定板２１３Ｒは、長方形板状を呈している。固定板２１３Ｒは、メインテーブル用基部２１０Ｒｆの前面に固定されている。また、図１に示すように、固定板２１３Ｒは、メインテーブル側コンベアベルト８３の順方向区間８３０に固定されている。
【０１０３】
図７に戻って、一対の可動部２１１Ｒｆ、２１１Ｒｒは、各々、昇降部２１５Ｒｆ、２１５Ｒｒと、エアシリンダ２１６Ｒｆ、２１６Ｒｒと、一対のガイド部材２５０Ｒｆ、２５０Ｒｒと、を備えている。エアシリンダ２１６Ｒｆ、２１６Ｒｒは、本発明の伸縮部に含まれる。前方の昇降部２１５Ｒｆは、直方体状を呈している。昇降部２１５Ｒｆは、メインテーブル用基部２１０Ｒｆの上方に配置されている。エアシリンダ２１６Ｒｆは、メインテーブル用基部２１０Ｒｆと昇降部２１５Ｒｆとの間に介装されている。一対のガイド部材２５０Ｒｆは、エアシリンダ２１６Ｒｆの左右両側に配置されている。同様に、後方の昇降部２１５Ｒｒは、直方体状を呈している。昇降部２１５Ｒｒは、メインテーブル用基部２１０Ｒｒの上方に配置されている。エアシリンダ２１６Ｒｒは、メインテーブル用基部２１０Ｒｒと昇降部２１５Ｒｒとの間に介装されている。一対のガイド部材２５０Ｒｒは、エアシリンダ２１６Ｒｒの左右両側に配置されている。エアシリンダ２１６Ｒｆ、２１６Ｒｒは、各々、上下方向に伸縮可能である。
【０１０４】
メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２１２Ｒは、シャフト状を呈している。メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２１２Ｒは、前後方向に延在している。メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２１２Ｒは、一対の昇降部２１５Ｒｆ、２１５Ｒｒ間に架設されている。
【０１０５】
多数のマスクバックアップ片２０Ｒは、各々、長方形板状を呈している。図８に、マスクバックアップ片の拡大斜視図を示す。図８に示すように、メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２１２Ｒは、多数のマスクバックアップ片２０Ｒを、串刺し状に貫通している。多数のマスクバックアップ片２０Ｒは、各々、メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２１２Ｒに沿って、前後方向に移動可能である。マスクバックアップ片２０Ｒの右端面には、入力面２００Ｒが配置されている。入力面２００Ｒの後端は、前端に対して、左方にずれている。入力面２００Ｒは、前後方向軸に対して、角度θで傾斜している。また、マスクバックアップ片２０Ｒの上面は、左右方向軸に対して、角度αで傾斜している。
【０１０６】
図７に細線で示すように、エアシリンダ２１６Ｒｆ、２１６Ｒｒが伸張することにより、一対の昇降部２１５Ｒｆ、２１５Ｒｒ、メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２１２Ｒ、多数のマスクバックアップ片２０Ｒは、上昇可能である。
【０１０７】
図１〜図４に戻って、左方のメインテーブル用スライダ２１Ｌの構成は、右方のメインテーブル用スライダ２１Ｒの構成と同様である。ただし、図１に示すように、左方のメインテーブル用スライダ２１Ｌの固定板２１３Ｌは、メインテーブル側コンベアベルト８３の逆方向区間８３１に固定されている。また、左方のマスクバックアップ片２０Ｌは、右方のマスクバックアップ片２０Ｒに対して、左右対称に配置されている。すなわち、図２に示すように、左方のマスクバックアップ片２０Ｌの左端面には、入力面２００Ｌが配置されている。入力面２００Ｌの後端は、前端に対して、右方にずれている。入力面２００Ｌは、前後方向軸に対して、角度θで傾斜している。また、マスクバックアップ片２０Ｌの上面は、左右方向軸に対して、角度αで傾斜している。
【０１０８】
（クランプ装置４、基板搬送用コンベアベルト９ｆ、９ｒ）
クランプ装置４は、固定クランプ部材４０ｆと、可動クランプ部材４０ｒと、を備えている。固定クランプ部材４０ｆは、下方に開口するコ字板状を呈している。固定クランプ部材４０ｆは、メインテーブル８のテーブル本体８４の上面に配置されている。固定クランプ部材４０ｆは、メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆの後方に配置されている。図４に示すように、固定クランプ部材４０ｆは、左右一対の柱部４００ｆＬ、４００ｆＲと、梁部４０１ｆと、を備えている。固定クランプ部材４０ｆは、バックアップテーブル７のテーブル本体７０を跨いでいる。すなわち、左方の柱部４００ｆＬは、テーブル本体７０の左方に配置されている。右方の柱部４００ｆＲは、テーブル本体７０の右方に配置されている。梁部４０１ｆは、一対の柱部４００ｆＬ、４００ｆＲの上端間に架設されている。
【０１０９】
可動クランプ部材４０ｒは、固定クランプ部材４０ｆの後方に配置されている。可動クランプ部材４０ｒは、下方に開口するコ字板状を呈している。可動クランプ部材４０ｒは、左右一対の柱部４００ｒＬ、４００ｒＲと、梁部４０１ｒと、左右一対の被ガイド部４０２ｒＬ、４０２ｒＲと、左右一対の出力部４０４ｒＬ、４０４ｒＲと、を備えている。可動クランプ部材４０ｒは、固定クランプ部材４０ｆと同様に、バックアップテーブル７のテーブル本体７０を跨いでいる。一対の被ガイド部４０２ｒＬ、４０２ｒＲは、各々、直方体状を呈している。一対の被ガイド部４０２ｒＬ、４０２ｒＲの下面には、各々、被ガイド溝部４０３ｒＬ、４０３ｒＲが形成されている。図４に示すように、被ガイド溝部４０３ｒＬは、メインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｌに対して、前後方向に摺動可能である。また、被ガイド溝部４０３ｒＲは、メインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｒに対して、前後方向に摺動可能である。一対の出力部４０４ｒＬ、４０４ｒＲは、各々、円板状を呈している。出力部４０４ｒＬは、柱部４００ｒＬの前面に配置されている。出力部４０４ｒＲは、柱部４００ｒＲの前面に配置されている。
【０１１０】
図９に、可動クランプ部材の右方の柱部付近の拡大斜視図を示す。図９に示すように、出力部４０４ｒＲの側周面には、出力面４０５ｒＲが配置されている。出力面４０５ｒＲは、後方から前方に向かって尖る、テーパ面状を呈している。出力面４０５ｒＲは、前後方向軸に対して、角度θで傾斜している。出力面４０５ｒＲは、柱部４００ｒＲの左縁から左方に突出している。左方の出力部４０４ｒＬの構成は、右方の出力部４０４ｒＲの構成と同様である。また、左方の出力部４０４ｒＬは、右方の出力部４０４ｒＲに対して、左右対称に配置されている。すなわち、図４に示すように、左方の出力部４０４ｒＬの出力面４０５ｒＬは、柱部４００ｒＬの右縁から右方に突出している。
【０１１１】
基板搬送用コンベアベルト９ｆは、図２に示すように、固定クランプ部材４０ｆの梁部４０１ｆの後面に配置されている。基板搬送用コンベアベルト９ｆは、左右方向に延在している。基板搬送用コンベアベルト９ｒは、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの前面に配置されている。基板搬送用コンベアベルト９ｒは、左右方向に延在している。図３に示すように、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｆ、９ｒ間には、基板Ｂが架設されている。一対の基板搬送用コンベアベルト９ｆ、９ｒにより、基板Ｂは、左方（上流側）から右方（下流側）に向かって、搬送される。
【０１１２】
（マスク装置５、スキージ装置６）
マスク装置５は、図３に示すように、基板バックアップ装置３の上方に配置されている。マスク装置５は、マスク５０と、フレーム５１と、を備えている。フレーム５１は、長方形枠状を呈している。マスク５０は、長方形の薄板状を呈している。マスク５０は、フレーム５１に張設されている。マスク５０には、所定のパターンで印刷孔（図略）が穿設されている。マスク５０の上面には、はんだ（図略）が盛りつけられている。
【０１１３】
スキージ装置６は、図３に示すように、マスク装置５の上方に配置されている。スキージ装置６は、スキージ６０を備えている。スキージ６０は、長方形板状を呈している。スキージ６０は、マスク５０の上面に対して、前後方向に摺動可能である。
【０１１４】
［印刷時のスクリーン印刷機の動き］
次に、印刷時のスクリーン印刷機１の動きについて説明する。図１０に、本実施形態のスクリーン印刷機の印刷前状態の前面図を示す。図１１に、同スクリーン印刷機の印刷状態の前面図を示す。図１０、図１１においては、説明の便宜上、固定クランプ部材を省略して示す。
【０１１５】
まず、図３に白抜き矢印で示すように、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒにより、基板Ｂを、基板バックアップ装置３の基板バックアップ片３０４の真上まで搬送する。
【０１１６】
次いで、図１０に白抜き矢印で示すように、エアシリンダ２１６Ｌｆ、２１６Ｒｆを伸張させることにより、昇降部２１５Ｌｆ、２１５Ｒｆ、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを上昇させる（図７参照）。並びに、シャフト７１に対してボールねじ装置のナットを螺動させることにより、バックアップテーブル７のテーブル本体７０を上昇させる。そして、基板バックアップ片３０４により、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒから、基板Ｂを持ち上げる。このように、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒ、基板Ｂを上昇させることにより、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の高さと、基板Ｂの上面の高さと、固定クランプ部材の梁部の上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの上面の高さと、を略一致させる。
【０１１７】
続いて、図２に示すように、可動クランプ部材４０ｒを、一対のメインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｌ、８１Ｒに沿って、前方に微量だけ移動させる。そして、固定クランプ部材４０ｆの梁部４０１ｆと可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒとにより、基板Ｂを前後方向から挟持する。
【０１１８】
図１０に戻って、それから、基板Ｂの上面とマスク５０の下面との間に、カメラ（図略）を挿入する。そして、メインテーブル８のテーブル本体８４を微量だけ動かすことにより、マスク５０に対する基板Ｂの位置を調整する。
【０１１９】
その後、図１１に白抜き矢印で示すように、メインテーブル８を上昇させることにより、マスクバックアップ装置２、基板バックアップ装置３、クランプ装置４、バックアップテーブル７、メインテーブル８を一体的に上昇させる。そして、基板Ｂの上面をマスク５０の下面に当接させる。並びに、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面をマスク５０の下面に当接させる。
【０１２０】
この状態で、マスク５０の上面に、スキージ６０を前後方向に摺動させる。そして、印刷孔を介して、はんだを基板Ｂの上面に所定のパターンで印刷する。その後、図３に示すように、再び基板Ｂを一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒに搭載し、下工程に基板Ｂを払い出す。
【０１２１】
［基板の上下方向の厚さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き］
次に、基板Ｂの上下方向の厚さを変更する場合のスクリーン印刷機１の動きについて説明する。この場合は、図１０に示す印刷前状態における、バックアップテーブル７のテーブル本体７０の上昇量を調整する。すなわち、シャフト７１に対するボールねじ装置のナットの螺動量を調整することにより、基板Ｂの上面の高さと、固定クランプ部材の梁部の上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの上面の高さと、が略一致するように、バックアップテーブル７のテーブル本体７０の上昇量を調整する。
【０１２２】
例えば、段取り替えなどにより、基板Ｂの上下方向の厚さが厚くなる場合は、テーブル本体７０の上昇量つまり基板バックアップ片３０４の上昇量を小さくする。一方、基板Ｂの上下方向の厚さが薄くなる場合は、テーブル本体７０の上昇量つまり基板バックアップ片３０４の上昇量を大きくする。
【０１２３】
［基板の左右方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き］
次に、基板Ｂの左右方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機１の動きについて説明する。図１２に、本実施形態のスクリーン印刷機の、基板の左右方向の長さを長くする場合の上面図を示す。基板の左右方向の長さを長くする場合は、図１２に白抜き矢印で示すように、まず、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒ間の間隔、つまり左方のマスクバックアップ片２０Ｌと右方のマスクバックアップ片２０Ｒとの間の間隔を広げる。
【０１２４】
具体的には、図１に示すように、順方向区間８３０が左方から右方に移動すると共に逆方向区間８３１が右方から左方に移動する方向に、メインテーブル側コンベアベルト８３を駆動する。ここで、右方のメインテーブル用スライダ２１Ｒの固定板２１３Ｒは、順方向区間８３０に固定されている。並びに、左方のメインテーブル用スライダ２１Ｌの固定板２１３Ｌは、逆方向区間８３１に固定されている。このため、メインテーブル側コンベアベルト８３を駆動することにより、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒ間の間隔が広がる。
【０１２５】
次いで、図１２にハッチングで示すように、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒ間の間隔が広がった分に応じて、基板バックアップユニット３０をバックアップテーブル７のテーブル本体７０に追加する。このようにして、基板Ｂの左右方向の長さを長くする場合に対応する。
【０１２６】
一方、基板の左右方向の長さを短くする場合は、まず、余分な基板バックアップユニット３０をバックアップテーブル７のテーブル本体７０から撤去する。次いで、図１２の場合と反対方向にメインテーブル側コンベアベルト８３を駆動し、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒ間の間隔を狭める。このようにして、基板の左右方向の長さを短くする場合に対応する。
【０１２７】
［基板の前後方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き］
次に、基板Ｂの前後方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機１の動きについて説明する。図１３に、本実施形態のスクリーン印刷機の、基板の前後方向の長さを長くする場合の第一工程の上面図を示す。図１４に、同スクリーン印刷機の、基板の前後方向の長さを長くする場合の第二工程の上面図を示す。図１５に、図１４の枠ＸＶ内の拡大図を示す。図１６に、同スクリーン印刷機の、基板の前後方向の長さを長くする場合の第三工程の上面図を示す。図１７に同スクリーン印刷機の、基板の前後方向の長さを長くする場合の第四工程の上面図を示す。なお、図１３〜図１７においては、説明の便宜上、基板バックアップ装置を省略して示す。
【０１２８】
基板Ｂの前後方向の長さを長くする場合は、図１３に白抜き矢印で示すように、まず、可動クランプ部材４０ｒを、一対のメインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｌ、８１Ｒに沿って、後方に移動させる。そして、固定クランプ部材４０ｆと可動クランプ部材４０ｒとの間の間隔を広げる。なお、可動クランプ部材４０ｒが移動する前の位置には、前後方向に隣り合うマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒ同士が互いに離間することにより、間隔Ｌ４が区画されている。
【０１２９】
次いで、図１４に白抜き矢印で示すように、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒ間の間隔、つまり左方のマスクバックアップ片２０Ｌと右方のマスクバックアップ片２０Ｒとの間の間隔を広げる。そして、可動クランプ部材４０ｒの出力部４０４ｒＬ、４０４ｒＲと、任意のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの入力面２００Ｌ、２００Ｒと、を当接させる。具体的には、図１５にハッチングで示すように、任意のマスクバックアップ片２０Ｒの入力面２００Ｒと、出力部４０４ｒＲの出力面４０５ｒＲと、を面接触させる。
【０１３０】
続いて、図１６に白抜き矢印で示すように、可動クランプ部材４０ｒを、一対のメインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｌ、８１Ｒに沿って、前方に移動させる。ここで、図８、図９に示すように、出力面４０５ｒＲおよび入力面２００Ｒは、前後方向軸に対して、角度θで傾斜している。このため、可動クランプ部材４０ｒから任意のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒに、前向きの押圧力が加わる。当該押圧力により、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを移動させ、間隔Ｌ４（図１３、図１４参照）を隔てて離間しているマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒ同士を、当接させる。
【０１３１】
それから、図１７に示すように、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒ間の間隔、つまり左方のマスクバックアップ片２０Ｌと右方のマスクバックアップ片２０Ｒとの間の間隔を、図１３に示す状態にまで狭める。このようにして、基板Ｂの前後方向の長さを長くする場合に対応する。
【０１３２】
一方、基板Ｂの前後方向の長さを短くする場合は、可動クランプ部材４０ｒを前方に移動させる。そして、固定クランプ部材４０ｆと可動クランプ部材４０ｒとの間の間隔を狭める。このようにして、基板Ｂの前後方向の長さを短くする場合に対応する。
【０１３３】
［作用効果］
次に、本実施形態のスクリーン印刷機１の作用効果について説明する。本実施形態のスクリーン印刷機１のマスクバックアップ装置２は、複数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを備えている。このため、印刷時に、印圧がばらつきにくく、マスク５０が変形しにくい。したがって、印刷品質が低下しにくい。
【０１３４】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの配置数を増減することにより、基板Ｂの前後方向の長さの変更に対応することができる。このため、マスクバックアップ片を丸ごと交換する場合と比較して、作業が簡単である。また、基板Ｂの種類に対する汎用性が高い。
【０１３５】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、基板Ｂの上下方向の厚さによらず、印刷時に、マスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面と、基板Ｂの上面と、を略同じ高さにすることができる。このため、基板Ｂの上下方向の厚さの変更に応じて、逐一、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面と基板バックアップ片３０４の上面との高度差を、基板Ｂの上下方向の厚さと略等しくなるように、調整する必要がない。
【０１３６】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図１１に示すように、複数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの左右方向両端間の長さＬ１は、スキージ６０の左右方向の長さＬ２よりも、長い。このため、マスク５０のうちスキージ６０の左右方向両端の下方に配置される部分を、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒにより確実に支持することができる。したがって、マスク５０の当該部分がスキージ６０により下方に押し下げられるおそれがない。
【０１３７】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図１１に示すように、左右方向に互いに隣り合う、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面と、基板Ｂの上面と、の間の隙間Ｌ３が、略０になるように設定されている。このため、左右方向に印圧がばらつきにくい。
【０１３８】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図６に示すように、基板バックアップ片３０４が、基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部３０３に沿って、前後方向に移動可能である。このため、基板Ｂの前後方向の長さに応じて、印刷時に基板Ｂの下面を支持するための基板バックアップ片３０４の配置数を、簡単に増減することができる。
【０１３９】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、基板Ｂの前後方向の長さを変更する際、逐一、基板バックアップ片３０４を、スクリーン印刷機１の機内から機外に、あるいは機外から機内に、移動させる必要がない。このため、基板Ｂの前後方向の長さの変更に簡単に対応することができる。
【０１４０】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図１２に示すように、基板バックアップユニット３０の左右方向の並設数を増減することにより、基板Ｂの左右方向の長さの変更に簡単に対応することができる。
【０１４１】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、基板Ｂの上下方向の厚さの変更に応じて、バックアップテーブル７の上昇量を調整している。そして、基板Ｂの上下方向の厚さによらず、基板Ｂの上面を、固定クランプ部材４０ｆおよび可動クランプ部材４０ｒの上面と略同じ高さに揃えている。
【０１４２】
また、図１０に示すように、メインテーブル用基部２１０Ｌｆ、２１０Ｒｆの上端と、固定クランプ部材および可動クランプ部材４０ｒの上面と、の高度差Ｈ１は不変である。このため、マスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面を、固定クランプ部材および可動クランプ部材４０ｒの上面と略同じ高さまで上昇させる際の、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の上昇量は、一定である。したがって、エアシリンダ２１６Ｌｆ、２１６Ｒｆは、基板Ｂの上下方向の厚さによらず、またバックアップテーブル７の上昇量によらず、常に一定の伸張量で、印刷時にマスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面を、固定クランプ部材および可動クランプ部材４０ｒの上面と略同じ高さまで、上昇させることができる。
【０１４３】
このように、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、基板Ｂの上下方向の厚さに応じてバックアップテーブル７の上昇量を調整する場合であっても、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の上昇量を調整する必要がない。このため、マスクバックアップ装置２の構造が簡単になる。
【０１４４】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒが、基板バックアップ片３０４の左右方向両側に配置されている。図１２に示すように、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒは、各々、一対のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒに沿って、左右方向に移動可能である。このため、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒ間の左右方向の間隔を拡縮することにより、基板Ｂの左右方向の長さの変更に対応することができる。
【０１４５】
また、図１に示すように、左方のメインテーブル用スライダ２１Ｌは、メインテーブル側コンベアベルト８３の逆方向区間８３１に固定されている。一方、右方のメインテーブル用スライダ２１Ｒは、メインテーブル側コンベアベルト８３の順方向区間８３０に固定されている。このため、メインテーブル側コンベアベルト８３を任意の方向に駆動することにより、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒを、互いに反対方向に移動させることができる。したがって、簡単かつ自動的に、一対のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒ間の左右方向の間隔を拡縮することができる。
【０１４６】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図８に示すように、複数のマスクバックアップ片２０Ｒは、メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２１２Ｒに摺動可能に配置されている。このため、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを摺動させることにより、印刷時にマスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの配置数を、簡単に調整することができる。
【０１４７】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図７に示すように、本発明の伸縮部として、エアシリンダ２１６Ｒｆ、２１６Ｒｒを用いている。このため、マスクバックアップ片２０Ｒを、所定の量だけ確実に上昇させることができる。
【０１４８】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図１４〜図１６に示すように、可動クランプ部材４０ｒの動きを利用して、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを移動させている。すなわち、可動クランプ部材４０ｒは、固定クランプ部材４０ｆと共に、基板Ｂの前後方向の両側面を挟持する。このため、可動クランプ部材４０ｒの動きとマスクバックアップ片２０Ｌ、２０ｒの動きとを連動させることにより、印刷時に必要な数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを簡単に配置することができる。
【０１４９】
また、図８、図９に示すように、出力面４０５ｒＲおよび入力面２００Ｒは、前後方向軸に対して、角度θで傾斜している。そして、図１５に示すように、出力面４０５ｒＲと入力面２００Ｒとは面接触している。このため、可動クランプ部材４０ｒから任意のマスクバックアップ片２０Ｒに、前向きの押圧力を加えることができる。
【０１５０】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図８に示すように、マスクバックアップ片２０Ｒの上面は、左右方向軸に対して、角度αで傾斜している。このため、印刷時にマスク５０の下面を支持する際、互いに隣接する任意の一対のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面間の境界は、スキージ６０の摺動方向（前後方向）に対して、直交方向（左右方向）以外の交差方向に延在している。
【０１５１】
スキージ６０は、マスク５０の上面を摺動する。マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒは、マスク５０の下面を支持している。ここで、スキージ６０に摺動方向に対して、互いに隣接する任意の一対のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面間の境界が、直交していると、スキージ６０が当該境界の上を通過する際に、スキージ６０のがたつきが大きくなる。
【０１５２】
この点、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、スキージ６０に摺動方向に対して、互いに隣接する任意の一対のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面間の境界が、直交していない。このため、スキージ６０が当該境界の上を通過する際に、スキージ６０のがたつきが大きくなりにくい。
【０１５３】
＜第二実施形態＞
本実施形態のスクリーン印刷機と第一実施形態のスクリーン印刷機との相違点は、マスクバックアップ片が揺動して基板の下面を支持する点である。ここでは、主に、相違点について説明する。
【０１５４】
［スクリーン印刷機の構成］
まず、本実施形態のスクリーン印刷機の構成について説明する。図１８に、本実施形態のスクリーン印刷機の斜視図を示す。なお、図１と対応する部位については同じ符号で示す。
【０１５５】
図１８に示すように、スクリーン印刷機１は、マスクバックアップ装置２と、基板バックアップ装置３と、クランプ装置４と、マスク装置と、スキージ装置と、バックアップテーブル７と、メインテーブル８と、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒと、を備えている。
【０１５６】
（メインテーブル８、バックアップテーブル７、基板バックアップ装置３、基板搬送用コンベアベルト９ｒ、マスク装置、スキージ装置）
これらの部材の構成、配置は、第一実施形態におけるこれらの部材の構成、配置と、同様である。したがって、ここでは説明を割愛する。
【０１５７】
（クランプ装置４）
クランプ装置４の構成、配置は、第一実施形態におけるクランプ装置の構成、配置と、略同様である。ただし、クランプ装置４には、出力部４０４ｒＬ、４０４ｒＲ（図１参照）が配置されていない。
【０１５８】
（マスクバックアップ装置２）
マスクバックアップ装置２は、多数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒと、一対のメインテーブル用スライダ２２Ｌ、２２Ｒと、を備えている。一対のメインテーブル用スライダ２２Ｌ、２２Ｒは、各々、一対のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒ間に架設されている。一対のメインテーブル用スライダ２２Ｌ、２２Ｒは、各々、一対のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒに沿って、左右方向に移動可能である。メインテーブル用スライダ２２Ｌは、基板バックアップ装置３の左方に配置されている。メインテーブル用スライダ２２Ｒは、基板バックアップ装置３の右方に配置されている。
【０１５９】
図１９に、右方のメインテーブル用スライダの斜視図を示す。なお、図７と対応する部位については同じ符号で示す。図１９に示すように、メインテーブル用スライダ２２Ｒは、一対のメインテーブル用基部２２０Ｒｆ、２２０Ｒｒと、シャフト２２１Ｒと、一対の壁部２２２Ｒｆ、２２２Ｒｒと、固定板２２３Ｒと、ロータリアクチュエータ２２５Ｒと、寝状態用ストッパ２２６Ｒと、を備えている。
【０１６０】
一対のメインテーブル用基部２２０Ｒｆ、２２０Ｒｒは、各々、直方体状を呈している。一対のメインテーブル用基部２２０Ｒｆ、２２０Ｒｒの下面には、各々、被ガイド溝部２２４Ｒｆが形成されている。前方の被ガイド溝部２２４Ｒｆは、図１８のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆに対して、左右方向に摺動可能である。後方の被ガイド溝部は、図１８のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｒに対して、左右方向に摺動可能である。
【０１６１】
固定板２２３Ｒは、長方形板状を呈している。固定板２２３Ｒは、メインテーブル用基部２２０Ｒｆの前面に固定されている。また、固定板２２３Ｒは、図１８のメインテーブル側コンベアベルト８３の順方向区間８３０に固定されている。
【０１６２】
一対の壁部２２２Ｒｆ、２２２Ｒｒは、各々、長方形板状を呈している。前方の壁部２２２Ｒｆは、前方のメインテーブル用基部２２０Ｒｆの上面に配置されている。後方の壁部２２２Ｒｒは、後方のメインテーブル用基部２２０Ｒｒの上面に配置されている。
【０１６３】
シャフト２２１Ｒは、丸棒状を呈している。シャフト２２１Ｒは、前後方向に延在している。シャフト２２１Ｒは、一対の壁部２２２Ｒｆ、２２２Ｒｒにより、揺動可能に支持されている。シャフト２２１Ｒの側周面には、多数の凹部が凹設されている。多数の凹部は、前後方向に並んで、所定間隔ずつ離間して配置されている。シャフト２２１Ｒの後端は、後方の壁部２２２Ｒｒから、後方に突出している。シャフト２２１Ｒの後端は、ロータリアクチュエータ２２５Ｒの回転軸に連結されている。ロータリアクチュエータ２２５Ｒにより、シャフト２２１Ｒを、軸回りに揺動させることができる。
【０１６４】
寝状態用ストッパ２２６Ｒは、細板状を呈している。寝状態用ストッパ２２６Ｒは、前後方向に延在している。寝状態用ストッパ２２６Ｒは、一対の壁部２２２Ｒｆ、２２２Ｒｒ間に架設されている。寝状態用ストッパ２２６Ｒは、シャフト２２１Ｒの右下に配置されている。
【０１６５】
多数のマスクバックアップ片２０Ｒは、各々、長方形板状を呈している。多数のマスクバックアップ片２０Ｒは、ボールプランジャと、動力伝達面２０２Ｒと、シャフト貫通孔２０３Ｒと、を備えている。動力伝達面２０２Ｒは、多数のマスクバックアップ片２０Ｒの前面および後面に配置されている。ただし、前端のマスクバックアップ片２０Ｒにおいては、動力伝達面２０２Ｒは後面のみに配置されている。並びに、後端のマスクバックアップ片２０Ｒにおいては、動力伝達面２０２Ｒは前面のみに配置されている。シャフト貫通孔２０３Ｒは、マスクバックアップ片２０Ｒの長手方向一端に穿設されている。シャフト２２１Ｒは、多数のマスクバックアップ片２０Ｒのシャフト貫通孔２０３Ｒを、串刺し状に貫通している。
【０１６６】
多数のマスクバックアップ片２０Ｒは、互いの動力伝達面２０２Ｒを介して、前後方向に連なっている。多数のマスクバックアップ片２０Ｒは、各々、シャフト２２１Ｒの軸回りに揺動可能である。多数のマスクバックアップ片２０Ｒは、各々、立状態Ａ１と寝状態Ａ２とに切り替え可能である。立状態Ａ１の複数のマスクバックアップ片２０Ｒは、シャフト２２１Ｒの真上に延在している。立状態Ａ１の複数のマスクバックアップ片２０Ｒは、後述する印刷時に基板の下面を支持する。寝状態Ａ２の複数のマスクバックアップ片２０Ｒは、シャフト２２１Ｒの右方に延在している。
【０１６７】
（動力伝達面の揺動力および揺動規制力の伝達機構）
図２０に、立状態のマスクバックアップ片の上面図を示す。図２０に示すように、動力伝達面２０２Ｒの右端（周方向一端）は、左端（周方向他端）に対して、前方にずれている。動力伝達面２０２Ｒは、左右方向軸に対して、角度βで傾斜している。
【０１６８】
以下、前後方向に連なる任意の一対のマスクバックアップ片２０Ｒａ、２０Ｒｂに着目して、動力伝達面２０２Ｒａ、２０２Ｒｂの動力伝達機構を説明する。動力伝達面２０２Ｒａと動力伝達面２０２Ｒｂとは前後方向に連なっている。マスクバックアップ片２０Ｒａ、２０Ｒｂが揺動する際に、これら一対の動力伝達面２０２Ｒａ、２０２Ｒｂ同士は、互いに周方向に干渉する。このため、前方のマスクバックアップ片２０Ｒａを立状態Ａ１から寝状態Ａ２に切り替えると（図１９参照）、動力伝達面２０２Ｒａ、２０２Ｒｂを介して、マスクバックアップ片２０Ｒａの揺動力をマスクバックアップ片２０Ｒｂに伝達することができる。
【０１６９】
また、前方のマスクバックアップ片２０Ｒａを寝状態Ａ２から立状態Ａ１に切り替えないように規制すると（図１９参照）、動力伝達面２０２Ｒａ、２０２Ｒｂを介して、マスクバックアップ片２０Ｒａの揺動規制力をマスクバックアップ片２０Ｒｂに伝達することができる。
【０１７０】
このように、動力伝達面２０２Ｒａ、２０２Ｒｂは、前方から見て時計回り方向（図１９参照）の揺動力を、マスクバックアップ片２０Ｒａからマスクバックアップ片２０Ｒｂに、伝達することができる。並びに、動力伝達面２０２Ｒａ、２０２Ｒｂは、前方から見て反時計回り方向（図１９参照）の揺動力に抗する揺動規制力を、マスクバックアップ片２０Ｒａからマスクバックアップ片２０Ｒｂに、伝達することができる。
【０１７１】
（ボールプランジャと凹部との係脱機構）
図２１に、シャフトおよび立状態のマスクバックアップ片の軸直方向断面図を示す。図２１に示すように、ボールプランジャ２０１Ｒは、マスクバックアップ片２０Ｒのシャフト貫通孔２０３Ｒ付近に埋設されている。ボールプランジャ２０１Ｒは、ボール２０１Ｒａと、コイルばね２０１Ｒｂと、ケース２０１Ｒｃと、を備えている。ケース２０１Ｒｃは、有底円筒状（カップ状）を呈している。ケース２０１Ｒｃは、シャフト貫通孔２０３Ｒに開口している。コイルばね２０１Ｒｂの一端は、ケース２０１Ｒｃの底壁に固定されている。コイルばね２０１Ｒｂの他端には、ボール２０１Ｒａが固定されている。一方、シャフト２２１Ｒの側周面には、反球面状の凹部２２７Ｒが凹設されている。立状態Ａ１においては、コイルばね２０１Ｒｂの付勢力により、ボール２０１Ｒａは凹部２２７Ｒに係合している。
【０１７２】
図２２に、シャフトおよび寝状態のマスクバックアップ片の軸直方向断面図を示す。図２２に示すように、寝状態Ａ２においては、シャフト２２１Ｒの凹部２２７Ｒに対して、ボールプランジャ２０１Ｒは、前方から見て時計回り方向に略９０°だけ揺動した位置に、配置されている。ボール２０１Ｒａは、凹部２２７Ｒから外れている。コイルばね２０１Ｒｂには付勢力が蓄積されている。マスクバックアップ片２０Ｒの下面は、寝状態用ストッパ２２６Ｒの上面に、当接している。
【０１７３】
図１８に戻って、左方のメインテーブル用スライダ２２Ｌの構成は、右方のメインテーブル用スライダ２２Ｒの構成と同様である。ただし、図１８に示すように、左方のメインテーブル用スライダ２２Ｌの固定板２２３Ｌは、メインテーブル側コンベアベルト８３の逆方向区間８３１に固定されている。また、左方のマスクバックアップ片２０Ｌは、右方のマスクバックアップ片２０Ｒに対して、左右対称に配置されている。すなわち、図２０とは左右対称に、立状態Ａ１において、動力伝達面の左端は、右端に対して、前方にずれている。動力伝達面は、左右方向軸に対して、角度βで傾斜している。
【０１７４】
［印刷時のスクリーン印刷機の動き］
次に、印刷時のスクリーン印刷機１の動きについて説明する。図２３に、本実施形態のスクリーン印刷機の基板搬送状態の前面図を示す。なお、図３と対応する部位については、同じ符号で示す。図２４に、同スクリーン印刷機の基板搬送状態の上面図を示す。図２５に、同スクリーン印刷機の基板搬送状態におけるシャフトおよび寝状態のマスクバックアップ片の軸直方向断面図を示す。図２６に、同スクリーン印刷機の印刷前状態の前面図を示す。なお、図１０と対応する部位については同じ符号で示す。図２７に、同スクリーン印刷機の印刷前状態の上面図を示す。図２８に、図２７の枠ＸＸＶＩＩＩ内の拡大図を示す。図２３、図２６においては、説明の便宜上、固定クランプ部材を省略して示す。図２４、図２７においては、説明の便宜上、基板バックアップ装置を省略して示す。並びに、図２４、図２７においては、説明の便宜上、基板にハッチングを施す。
【０１７５】
また、後述するように、図２５は、全てのマスクバックアップ片２０Ｒが寝状態Ａ２の場合を示している。これに対して、図２２は、一部のマスクバックアップ片２０Ｒが寝状態Ａ２の場合を示している。このため、図２５と図２２とでは、ボール２０１Ｒａと凹部２２７Ｒとの係合状況が相違している。
【０１７６】
まず、図２３、図２４に示すように、全てのマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを、一旦、寝状態Ａ２にする。具体的には、図２３、図２４に白抜き矢印Ｙ１Ｌで示すように、ロータリアクチュエータ２２５Ｌにより、左方のシャフト２２１Ｌを、前方から見て反時計回り方向に、略９０°揺動する。並びに、図２３、図２４に白抜き矢印Ｙ１Ｒで示すように、ロータリアクチュエータ２２５Ｒにより、右方のシャフト２２１Ｒを、前方から見て時計回り方向に、略９０°揺動する。
【０１７７】
図２１に示すように、立状態Ａ１においては、ボール２０１Ｒａが凹部２２７Ｒに係合している。このため、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒを揺動させると、立状態Ａ１のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒは、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒと一体的に揺動し、図２５に示す寝状態Ａ２に切り替わる。図２５に示すように、寝状態Ａ２においては、マスクバックアップ片２０Ｒの下面が寝状態用ストッパ２２６Ｒに当接している。
【０１７８】
これに対して、図２２に示すように、寝状態Ａ２（詳しくは、多数のマスクバックアップ片２０Ｒのうち、一部のマスクバックアップ片２０Ｒが寝状態Ａ２である場合における当該寝状態Ａ２）においては、ボール２０１Ｒａが凹部２２７Ｒから外れている。また、寝状態Ａ２においては、マスクバックアップ片２０Ｒの下面が寝状態用ストッパ２２６Ｒに当接している。このため、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒを揺動させても、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒは揺動しない。言い換えると、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒは、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒに対して空動する。シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒがマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒに対して略９０°空動することにより、図２５に示すように、コイルばね２０１Ｒｂの付勢力により、ボール２０１Ｒａが凹部２２７Ｒに係合する。
【０１７９】
このように、図２３、図２４に示すように、全てのマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを、一旦、寝状態Ａ２にすることにより、全てのボール２０１Ｒａが全ての凹部２２７Ｒに係合する。
【０１８０】
次いで、図２３に白抜き矢印Ｙ２で示すように、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒにより、基板Ｂを、基板バックアップ装置３の基板バックアップ片３０４の真上まで搬送する。
【０１８１】
続いて、図２６、図２７に示すように、印刷時にマスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを、寝状態Ａ２から立状態Ａ１に切り替える。具体的には、図２６、図２７に白抜き矢印Ｙ３Ｌで示すように、ロータリアクチュエータ２２５Ｌにより、左方のシャフト２２１Ｌを、前方から見て時計回り方向に、略９０°揺動する。並びに、図２６、図２７に白抜き矢印Ｙ３Ｒで示すように、ロータリアクチュエータ２２５Ｒにより、右方のシャフト２２１Ｒを、前方から見て反時計回り方向に、略９０°揺動する。
【０１８２】
図２５に示すように、寝状態Ａ２においては、全てのマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒのボールプランジャ２０１Ｒが、各々、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒの凹部２２７Ｒに係合している。このため、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒを揺動させると、全てのマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒは、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒと一体的に揺動し、立状態Ａ１に切り替わろうとする。
【０１８３】
しかしながら、図２６に一点鎖線で示すように、可動クランプ部材４０ｒの下方に配置されているマスクバックアップ片２０Ｌｃ、２０Ｒｃは、寝状態Ａ２から立状態Ａ１に切り替わる際、可動クランプ部材４０ｒに当接してしまう。すなわち、マスクバックアップ片２０Ｌｃ、２０Ｒｃには、可動クランプ部材４０ｒから、揺動規制力が入力される。当該揺動規制力により、マスクバックアップ片２０Ｌｃ、２０Ｒｃのボールプランジャが、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒの凹部から、外れる。このため、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒは、マスクバックアップ片２０Ｌｃ、２０Ｒｃに対して空動する。
【０１８４】
また、可動クランプ部材４０ｒから入力される揺動規制力は、図２８に示すように、動力伝達面２０２Ｒを介して、マスクバックアップ片２０Ｒｃの後方に連なるマスクバックアップ片２０Ｒにも伝達される。当該揺動規制力により、マスクバックアップ片２０Ｌｃ、２０Ｒｃの後方に連なるマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒのボールプランジャが、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒの凹部から、外れる。このため、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒは、マスクバックアップ片２０Ｌｃ、２０Ｒｃの後方に連なるマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒに対しても空動する。
【０１８５】
その後、マスクバックアップ片２０Ｌｃ、２０Ｒｃ、およびマスクバックアップ片２０Ｌｃ、２０Ｒｃの後方に連なるマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒは、各々、自重により再び寝状態Ａ２に復帰する。
【０１８６】
このようにして、全てのマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒのうち、可動クランプ部材４０ｒよりも前方のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒだけを、選択的に寝状態Ａ２から立状態Ａ１に切り替える。
【０１８７】
それから、図２６に白抜き矢印Ｙ４で示すように、バックアップテーブル７のテーブル本体７０を上昇させる。そして、基板バックアップ片３０４により、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒから、基板Ｂを持ち上げる。このように、所望のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを寝状態Ａ２から立状態Ａ１に切り替え、かつ基板Ｂを上昇させることにより、立状態Ａ１のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の高さと、基板Ｂの上面の高さと、固定クランプ部材の梁部の上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの上面の高さと、を略一致させる。
【０１８８】
その後の工程は第一実施形態同様である。すなわち、固定クランプ部材４０ｆと可動クランプ部材４０ｒとにより基板Ｂを前後方向から挟持し、マスク５０に対する基板Ｂの位置を微調整し、基板Ｂの上面をマスク５０の下面に当接させる。並びに、立状態Ａ１のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面をマスク５０の下面に当接させる。そして、はんだを基板Ｂの上面に印刷し、再び基板Ｂを一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒに搭載し、下工程に基板Ｂを払い出す。
【０１８９】
［基板の上下方向の厚さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き]
基板Ｂの上下方向の厚さを変更する場合のスクリーン印刷機１の動きは、第一実施形態同様である。すなわち、基板バックアップ片３０４の上昇量を調整することにより、基板Ｂの上下方向の厚さの変更に対応する。
【０１９０】
［基板の左右方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き］
基板Ｂの左右方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機１の動きは、第一実施形態同様である。すなわち、一対のメインテーブル用スライダ２２Ｌ、２２Ｒ間の間隔を拡縮し、かつそれに応じて基板バックアップユニット３０の配置数を増減することにより、基板Ｂの左右方向の長さの変更に対応する。
【０１９１】
［基板の前後方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き］
次に、基板Ｂの前後方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機１の動きについて説明する。図２９に、本実施形態のスクリーン印刷機の、基板の前後方向の長さを長くする場合の上面図を示す。なお、図１３と対応する部位については同じ符号で示す。
【０１９２】
基板Ｂの前後方向の長さを変更する場合は、図２３、図２４に示す基板搬送状態と同様に、全てのマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを、一旦、寝状態Ａ２にする。次いで、図２９に示すように、基板Ｂの前後方向の長さの変更に応じて、可動クランプ部材４０ｒを前方あるいは後方に移動させる。このようにして、基板Ｂの前後方向の長さの変更に対応する。
【０１９３】
［作用効果］
次に、本実施形態のスクリーン印刷機１の作用効果について説明する。本実施形態のスクリーン印刷機１は、構成が共通する部分に関しては、第一実施形態のスクリーン印刷機と同様の作用効果を有する。
【０１９４】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、マスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面を、固定クランプ部材４０ｆおよび可動クランプ部材４０ｒの上面と略同じ高さまで上昇させる際の、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の上昇量は、一定である。したがって、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒは、基板Ｂの上下方向の厚さによらず、またバックアップテーブル７の上昇量によらず、常に一定の揺動量で、印刷時にマスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを揺動させることができる。
【０１９５】
このように、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、基板Ｂの上下方向の厚さに応じてバックアップテーブル７の上昇量を調整する場合であっても、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの揺動量を調整する必要がない。このため、スクリーン印刷機１の構造が簡単になる。
【０１９６】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを揺動させることにより、印刷時にマスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの配置数を、簡単に調整することができる。
【０１９７】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図２１、図２２、図２５に示すように、ボールプランジャ２０１Ｒと凹部２２７Ｒとの係脱機構を利用して、任意のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを揺動させている。また、任意のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを停止させている。このため、印刷時にマスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを、選択的に立状態Ａ１にすることができる。
【０１９８】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図２６、図２７、図２８に示すように、前後方向に互いに隣接する一対のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒ間において、動力伝達面２０２Ｒを介して、揺動規制力を伝達している。このため、マスクバックアップ片２０Ｌｃ、２０Ｒｃ、およびマスクバックアップ片２０Ｌｃ、２０Ｒｃの後方に連なるマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを、まとめて寝状態Ａ２に復帰させることができる。
【０１９９】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、印刷時における可動クランプ部材４０ｒの前後方向の位置を利用して、マスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒだけを、選択的に寝状態Ａ２から立状態Ａ１に切り替えている。このため、印刷時に必要な数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを簡単に配置することができる。
【０２００】
＜第三実施形態＞
本実施形態のスクリーン印刷機と第一実施形態のスクリーン印刷機との相違点は、マスクバックアップ装置がバックアップテーブルに配置されている点である。ここでは、主に、相違点について説明する。
【０２０１】
［スクリーン印刷機の構成］
まず、本実施形態のスクリーン印刷機の構成について説明する。図３０に、本実施形態のスクリーン印刷機の斜視図を示す。図３１に、同スクリーン印刷機の上面図を示す。図３２に、同スクリーン印刷機の前面図を示す。図３３に、同スクリーン印刷機の分解斜視図を示す。図３０〜図３３において、図１〜図４と対応する部位については同じ符号で示す。また、図３０、図３１、図３３においては、説明の便宜上、基板、マスク装置、スキージ装置を省略して示す。また、図３２においては、説明の便宜上、固定クランプ部材を省略して示す。
【０２０２】
図３０〜図３３に示すように、スクリーン印刷機１は、マスクバックアップ装置２と、基板バックアップ装置３と、クランプ装置４と、マスク装置５と、スキージ装置６と、バックアップテーブル７と、メインテーブル８と、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｆ、９ｒと、を備えている。
【０２０３】
（メインテーブル８、バックアップテーブル７）
メインテーブル８は、テーブル本体８４と、一対のメインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｌ、８１Ｒと、を備えている。これらの部材の構成、配置は、第一実施形態におけるこれらの部材の構成、配置と、同様である。したがって、ここでは説明を割愛する。
【０２０４】
バックアップテーブル７は、テーブル本体７０と、一対のバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆ、７２ｒと、バックアップテーブル側コンベアベルト７４と、を備えている。
【０２０５】
一対のバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆ、７２ｒは、各々、角柱状を呈している。一対のバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆ、７２ｒは、各々、左右方向に延在している。バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆは、テーブル本体７０の上面の前縁に沿って配置されている。バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｒは、テーブル本体７０の上面の後縁に沿って配置されている。
【０２０６】
バックアップテーブル側コンベアベルト７４は、左右方向に延びる環状を呈している。バックアップテーブル側コンベアベルト７４は、テーブル本体７０の前面に配置されている。バックアップテーブル側コンベアベルト７４は、上方の順方向区間７４０と、下方の逆方向区間７４１と、を備えている。
【０２０７】
テーブル本体７０は、長方形板状を呈している。図３２に示すように、テーブル本体７０は、ボールねじ装置のシャフト７１により、下方から支持されている。シャフト７１に対してボールねじ装置のナット（図略）が螺動することにより、テーブル本体７０は、上下方向に移動可能である。
【０２０８】
（基板バックアップ装置３）
基板バックアップ装置３の構成は、第一実施形態における基板バックアップ装置の構成と、同様である。基板バックアップ装置３は、図３３にハッチングで示すように、一対のバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆ、７２ｒ間に配置されている。
【０２０９】
（基板搬送用コンベアベルト９ｆ、９ｒ、マスク装置５、スキージ装置６）
これらの部材の構成、配置は、第一実施形態におけるこれらの部材の構成、配置と、同様である。したがって、ここでは説明を割愛する。
【０２１０】
（マスクバックアップ装置２）
マスクバックアップ装置２は、多数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒと、一対のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒと、を備えている。一対のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒは、各々、一対のバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆ、７２ｒ間に架設されている。一対のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒは、各々、一対のバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆ、７２ｒに沿って、左右方向に移動可能である。バックアップテーブル用スライダ２３Ｌは、基板バックアップ装置３の左方に配置されている。バックアップテーブル用スライダ２３Ｒは、基板バックアップ装置３の右方に配置されている。
【０２１１】
図３４に、右方のバックアップテーブル用スライダの斜視図を示す。なお、図７と対応する部位については同じ符号で示す。図３４に示すように、バックアップテーブル用スライダ２３Ｒは、一対のバックアップテーブル用基部２３０Ｒｆ、２３０Ｒｒと、緩衝部２３６Ｒと、バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２３２Ｒと、固定板２３３Ｒと、を備えている。
【０２１２】
一対のバックアップテーブル用基部２３０Ｒｆ、２３０Ｒｒは、各々、直方体状を呈している。一対のバックアップテーブル用基部２３０Ｒｆ、２３０Ｒｒの下面には、各々、被ガイド溝部２３４Ｒｆ、２３４Ｒｒが形成されている。図３３に示すように、被ガイド溝部２３４Ｒｆは、バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆに対して、左右方向に摺動可能である。また、被ガイド溝部２３４Ｒｒは、バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｒに対して、左右方向に摺動可能である。
【０２１３】
図３４に戻って、固定板２３３Ｒは、長方形板状を呈している。固定板２３３Ｒは、バックアップテーブル用基部２３０Ｒｆの前面に固定されている。また、図３０に示すように、固定板２３３Ｒは、バックアップテーブル側コンベアベルト７４の順方向区間７４０に固定されている。
【０２１４】
図３４に戻って、緩衝部２３６Ｒは、一対の壁部２３７Ｒｆ、２３７Ｒｒと、当接部２３８Ｒと、エアダンパ２３９Ｒｆと、一対のガイド部材２５１Ｒｆと、を備えている。エアダンパ２３９Ｒｆは、本発明の緩衝体に含まれる。前方の壁部２３７Ｒｆは、直方体状を呈している。壁部２３７Ｒｆは、バックアップテーブル用基部２３０Ｒｆの上方に配置されている。エアダンパ２３９Ｒｆは、バックアップテーブル用基部２３０Ｒｆと壁部２３７Ｒｆとの間に介装されている。一対のガイド部材２５１Ｒｆは、エアダンパ２３９Ｒｆの左右両側に配置されている。同様に、後方の壁部２３７Ｒｒは、直方体状を呈している。壁部２３７Ｒｒは、バックアップテーブル用基部２３０Ｒｒの上方に配置されている。エアダンパは、バックアップテーブル用基部２３０Ｒｒと壁部２３７Ｒｒとの間に介装されている。一対のガイド部材は、エアダンパの左右両側に配置されている。エアダンパ２３９Ｒｆは、各々、上下方向に伸縮可能である。当接部２３８Ｒは、細板状を呈している。当接部２３８Ｒは、前後方向に延在している。当接部２３８Ｒは、一対の壁部２３７Ｒｆ、２３７Ｒｒ間に架設されている。
【０２１５】
バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２３２Ｒは、シャフト状を呈している。バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２３２Ｒは、前後方向に延在している。バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２３２Ｒは、一対の壁部２３７Ｒｆ、２３７Ｒｒ間に架設されている。
【０２１６】
マスクバックアップ片２０Ｒの構成は、第一実施形態におけるマスクバックアップ片の構成と、同様である。バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２３２Ｒは、多数のマスクバックアップ片２０Ｒを、串刺し状に貫通している。多数のマスクバックアップ片２０Ｒは、各々、バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２３２Ｒに沿って、前後方向に移動可能である。
【０２１７】
図３０〜図３３に戻って、左方のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌの構成は、右方のバックアップテーブル用スライダ２３Ｒの構成と同様である。ただし、図３０に示すように、左方のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌの固定板２３３Ｌは、バックアップテーブル側コンベアベルト７４の逆方向区間７４１に固定されている。また、左方のマスクバックアップ片２０Ｌは、右方のマスクバックアップ片２０Ｒに対して、左右対称に配置されている。
【０２１８】
（クランプ装置４）
クランプ装置４の構成は、第一実施形態におけるクランプ装置の構成と、略同様である。ただし、固定クランプ部材４０ｆの梁部４０１ｆの前面下部には、ストッパ４０６ｆが配置されている。ストッパ４０６ｆは、左右方向に延在している。並びに、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの後面下部には、図３２に点線で示すように、ストッパ４０６ｒが配置されている。ストッパ４０６ｒは、左右方向に延在している。後述する印刷時において、ストッパ４０６ｆ、４０６ｒには、下方からマスクバックアップ装置２の当接部２３８Ｌ、２３８Ｒが当接している。
【０２１９】
［印刷時のスクリーン印刷機の動き］
次に、印刷時のスクリーン印刷機１の動きについて説明する。図３５に、本実施形態のスクリーン印刷機の印刷前状態の前面図を示す。なお、説明の便宜上、固定クランプ部材を省略して示す。また、図１０と対応する部位については同じ符号で示す。
【０２２０】
まず、図３２に白抜き矢印で示すように、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒにより、基板Ｂを、基板バックアップ装置３の基板バックアップ片３０４の真上まで搬送する。
【０２２１】
次いで、図３５に白抜き矢印で示すように、シャフト７１に対してボールねじ装置のナットを螺動させることにより、バックアップテーブル７のテーブル本体７０を上昇させる。そして、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒおよび基板バックアップ片３０４を同時に上昇させる。この際、基板バックアップ片３０４により、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒから基板Ｂを持ち上げる。このように、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒ、基板Ｂを上昇させることにより、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の高さと、基板Ｂの上面の高さと、固定クランプ部材の梁部の上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの上面の高さと、を略一致させる。
【０２２２】
その後の工程は第一実施形態同様である。すなわち、固定クランプ部材４０ｆと可動クランプ部材４０ｒとにより基板Ｂを前後方向から挟持し、マスク５０に対する基板Ｂの位置を微調整し、基板Ｂの上面をマスク５０の下面に当接させる。並びに、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面をマスク５０の下面に当接させる。そして、はんだを基板Ｂの上面に印刷し、再び基板Ｂを一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒに搭載し、下工程に基板Ｂを払い出す。
【０２２３】
［基板の上下方向の厚さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き]
次に、基板Ｂの上下方向の厚さを変更する場合のスクリーン印刷機１の動きについて説明する。この場合は、図３２に示す印刷前状態における、バックアップテーブル７のテーブル本体７０の上昇量を調整する。すなわち、シャフト７１に対するボールねじ装置のナットの螺動量を調整することにより、基板Ｂの上面の高さと、固定クランプ部材の梁部の上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの上面の高さと、が略一致するように、バックアップテーブル７のテーブル本体７０の上昇量を調整する。
【０２２４】
例えば、段取り替えなどにより、基板Ｂの上下方向の厚さが厚くなる場合は、テーブル本体７０の上昇量つまり基板バックアップ片３０４の上昇量を小さくする。一方、基板Ｂの上下方向の厚さが薄くなる場合は、テーブル本体７０の上昇量つまり基板バックアップ片３０４の上昇量を大きくする。
【０２２５】
ところで、テーブル本体７０の上昇量を調整すると、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上昇量まで変化してしまう。このため、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の高さと、固定クランプ部材の梁部の上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの上面の高さと、が一致しなくなる。
【０２２６】
この点について、図３２に示すように、当接部２３８Ｌ、２３８Ｒの上面とマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面との間の間隔Ｌ５と、ストッパ４０６ｒの下面と可動クランプ部材４０ｒの上面との間の間隔Ｌ６と、は略等しくなるように設定されている。このため、当接部２３８Ｌ、２３８Ｒの上面がストッパ４０６ｒの下面に当接するまでマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを上昇させることにより、常に、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の高さと、固定クランプ部材の梁部の上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの上面の高さと、を一致させることができる。
【０２２７】
並びに、基板Ｂの上下方向の厚さの変更を、エアダンパ２３９Ｌｆ、２３９Ｒｆの収縮量で吸収することにより、基板Ｂの上下方向の厚さの変更によらず、確実に、当接部２３８Ｌ、２３８Ｒの上面をストッパ４０６ｒの下面に当接させることができる。このようにして、基板Ｂの上下方向の厚さを変更する場合に対応する。
【０２２８】
［基板の左右方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き］
基板Ｂの左右方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機１の動きは、第一実施形態同様である。すなわち、一対のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒ間の間隔を拡縮し、かつそれに応じて基板バックアップユニット３０の配置数を増減することにより、基板Ｂの左右方向の長さの変更に対応する。
【０２２９】
［基板の前後方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き］
基板Ｂの前後方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機１の動きは、第一実施形態同様である。簡単に説明すると、基板Ｂの前後方向の長さが長くなる場合は、以下のように対応する。すなわち、まず、可動クランプ部材４０ｒを後方に移動させる。次いで、一対のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒ間の間隔を拡張し、可動クランプ部材４０ｒの出力部４０４ｒＬ、４０４ｒＲと所望のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの入力面とを当接させる。それから、可動クランプ部材４０ｒを前方に移動させ、所望のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを前方に移動させる。このようにして、基板Ｂの前後方向の長さが長くなる場合に対応する。一方、基板Ｂの前後方向の長さが短くなる場合は、可動クランプ部材４０ｒを前方に移動させることにより、対応する。
【０２３０】
［作用効果］
次に、本実施形態のスクリーン印刷機１の作用効果について説明する。本実施形態のスクリーン印刷機１は、構成が共通する部分に関しては、第一実施形態のスクリーン印刷機と同様の作用効果を有する。
【０２３１】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図３３に示すように、バックアップテーブル７に、基板バックアップ装置３とマスクバックアップ装置２とが、共に配置されている。このため、スクリーン印刷機１の構造が簡単になる。また、バックアップテーブル７を上昇させることにより、基板バックアップ装置３とマスクバックアップ装置２とを、一度に上昇させることができる。
【０２３２】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図３４に示すように、マスクバックアップ装置２に緩衝部２３６Ｒが配置されている。並びに、図３１に示すように、固定クランプ部材４０ｆにストッパ４０６ｆが、可動クランプ部材４０ｒにストッパ４０６ｒが、それぞれ配置されている。このため、基板Ｂの上下方向の厚さによらず、つまりバックアップテーブル７の上昇量によらず、印刷時にマスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面を、固定クランプ部材４０ｆおよび可動クランプ部材４０ｒの上面と、略同じ高さに揃えることができる。
【０２３３】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図３３に示すように、一対のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒが、基板バックアップ片３０４の左右方向両側に配置されている。一対のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒは、各々、一対のバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆ、７２ｒに沿って、左右方向に移動可能である。このため、一対のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒ間の左右方向の間隔を拡縮することにより、基板Ｂの左右方向の長さの変更に対応することができる。
【０２３４】
また、図３０に示すように、左方のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌは、バックアップテーブル側コンベアベルト７４の逆方向区間７４１に固定されている。一方、右方のバックアップテーブル用スライダ２３Ｒは、バックアップテーブル側コンベアベルト７４の順方向区間７４０に固定されている。このため、バックアップテーブル側コンベアベルト７４を任意の方向に駆動することにより、一対のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒを、互いに反対方向に移動させることができる。したがって、簡単かつ自動的に、一対のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒ間の左右方向の間隔を拡縮することができる。
【０２３５】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、複数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒは、バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部２３２Ｒに摺動可能に配置されている。このため、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを摺動させることにより、印刷時にマスク５０の下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの配置数を、簡単に調整することができる。
【０２３６】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、図３２に示すように、本発明の緩衝体として、エアダンパ２３９Ｌｆ、２３９Ｒｆを用いている。このため、基板Ｂの上下方向の厚さの変更量が大きい場合であっても、ストッパ４０６ｆ、４０６ｒに当接部２３８Ｌ、２３８Ｒを当接させることができる。
【０２３７】
＜第四実施形態＞
本実施形態のスクリーン印刷機と第一実施形態のスクリーン印刷機との相違点は、マスクバックアップ装置がバックアップテーブルに配置されている点である。ここでは、主に、相違点について説明する。
【０２３８】
［スクリーン印刷機の構成］
まず、本実施形態のスクリーン印刷機の構成について説明する。図３６に、本実施形態のスクリーン印刷機の斜視図を示す。図３７に、同スクリーン印刷機の分解斜視図を示す。図３６、図３７において、図１、図４、図３０、図３３と対応する部位については同じ符号で示す。また、図３６、図３７においては、説明の便宜上、基板、マスク装置、スキージ装置を省略して示す。
【０２３９】
図３６、図３７に示すように、スクリーン印刷機１は、マスクバックアップ装置２と、基板バックアップ装置３と、クランプ装置４と、マスク装置と、スキージ装置と、バックアップテーブル７と、メインテーブル８と、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒと、を備えている。
【０２４０】
（メインテーブル８、バックアップテーブル７）
メインテーブル８は、テーブル本体８４と、一対のメインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部８１Ｌ、８１Ｒと、を備えている。これらの部材の構成、配置は、第一実施形態におけるこれらの部材の構成、配置と、同様である。したがって、ここでは説明を割愛する。
【０２４１】
バックアップテーブル７は、テーブル本体７０を備えている。テーブル本体７０は、長方形板状を呈している。テーブル本体７０は、ボールねじ装置のシャフト（図略）により、下方から支持されている。シャフトに対してボールねじ装置のナット（図略）が相対的に螺動することにより、テーブル本体７０は、上下方向に移動可能である。
【０２４２】
（基板バックアップ装置３）
基板バックアップ装置３は、多数の基板バックアップ片３０４を備えている。多数の基板バックアップ片３０４は、各々、円柱状を呈している。多数の基板バックアップ片３０４は、手動により、バックアップテーブル７のテーブル本体７０の上面に搭載されている。
【０２４３】
（基板搬送用コンベアベルト９ｒ、マスク装置、スキージ装置）
これらの部材の構成、配置は、第一実施形態におけるこれらの部材の構成、配置と、同様である。したがって、ここでは説明を割愛する。
【０２４４】
（マスクバックアップ装置２）
マスクバックアップ装置２は、多数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒと、一対の手動用ユニット２４Ｌ、２４Ｒと、を備えている。多数のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒは、各々、角柱状を呈している。手動用ユニット２４Ｌは、基板バックアップ装置３の左方に配置されている。手動用ユニット２４Ｒは、基板バックアップ装置３の右方に配置されている。
【０２４５】
手動用ユニット２４Ｒは、一対のバックアップテーブル用基部２４０Ｒｆ、２４０Ｒｒと、緩衝部２４６Ｒと、を備えている。一対のバックアップテーブル用基部２４０Ｒｆ、２４０Ｒｒは、各々、直方体状を呈している。前方のバックアップテーブル用基部２４０Ｒｆは、バックアップテーブル７のテーブル本体７０の上面の前縁付近に配置されている。後方のバックアップテーブル用基部２４０Ｒｒは、前方のバックアップテーブル用基部２４０Ｒｆの後方に、所定間隔だけ離間して配置されている。
【０２４６】
緩衝部２４６Ｒは、マスクバックアップ片配置部２４７Ｒと、手動用当接部２４８Ｒと、一対のエアダンパ２４９Ｒｆと、四つのガイド部材２５２Ｒｆと、を備えている。エアダンパ２４９Ｒｆは、本発明の手動用緩衝体に含まれる。前方のエアダンパ２４９Ｒｆは、前方のバックアップテーブル用基部２４０Ｒｆの上面に立設されている。前方の二つのガイド部材２５２Ｒｆは、エアダンパ２４９Ｒｆの左右両側に配置されている。後方のエアダンパは、前方のエアダンパ２４９Ｒｆ同様に、後方のバックアップテーブル用基部２４０Ｒｒの上面に立設されている。後方の二つのガイド部材は、エアダンパの左右両側に配置されている。マスクバックアップ片配置部２４７Ｒは、Ｌ字の細板状を呈している。マスクバックアップ片配置部２４７Ｒは、前後方向に延在している。マスクバックアップ片配置部２４７Ｒの底壁の前端は、前方のエアダンパ２４９Ｒｆにより支持されている。マスクバックアップ片配置部２４７Ｒの底壁の後端は、後方のエアダンパにより支持されている。すなわち、マスクバックアップ片配置部２４７Ｒは、前後一対のエアダンパ２４９Ｒｆの間に架設されている。マスクバックアップ片配置部２４７Ｒには、複数のマスクバックアップ片２０Ｒが、手動により、加除可能に配置されている。手動用当接部２４８Ｒは、マスクバックアップ片配置部２４７Ｒの上端面に配置されている。手動用当接部２４８Ｒは、前後方向に延在している。
【０２４７】
左方の手動用ユニット２４Ｌの構成は、右方の手動用ユニット２４Ｒの構成と同様である。また、左方の手動用ユニット２４Ｌは、右方の手動用ユニット２４Ｒに対して、左右対称に配置されている。
【０２４８】
（クランプ装置４）
クランプ装置４の構成は、第一実施形態におけるクランプ装置の構成と、略同様である。ただし、クランプ装置４には、出力部４０４ｒＬ、４０４ｒＲ（図１参照）が配置されていない。
【０２４９】
また、固定クランプ部材４０ｆの梁部４０１ｆの前面下部には、ストッパ４０６ｆが配置されている。ストッパ４０６ｆは、左右方向に延在している。並びに、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの後面下部には、ストッパが配置されている。ストッパは、左右方向に延在している。後述する印刷時において、ストッパ４０６ｆには、下方からマスクバックアップ装置２の手動用当接部２４８Ｌ、２４８Ｒが当接している。
【０２５０】
［印刷時のスクリーン印刷機の動き］
次に、印刷時のスクリーン印刷機１の動きについて説明する。まず、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒにより、基板を、基板バックアップ装置３の基板バックアップ片３０４の真上まで搬送する。
【０２５１】
次いで、バックアップテーブル７のテーブル本体７０を上昇させる。そして、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒおよび基板バックアップ片３０４を同時に上昇させる。並びに、基板バックアップ片３０４により、一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒから基板を持ち上げる。このように、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒ、基板を上昇させることにより、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の高さと、基板の上面の高さと、固定クランプ部材の上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの上面の高さと、を略一致させる。
【０２５２】
その後の工程は第一実施形態同様である。すなわち、固定クランプ部材４０ｆと可動クランプ部材４０ｒとにより基板を前後方向から挟持し、マスクに対する基板の位置を微調整し、基板の上面をマスクの下面に当接させる。並びに、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面をマスクの下面に当接させる。そして、はんだを基板の上面に印刷し、再び基板を一対の基板搬送用コンベアベルト９ｒに搭載し、下工程に基板を払い出す。
【０２５３】
［基板の上下方向の厚さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き]
次に、基板の上下方向の厚さを変更する場合のスクリーン印刷機１の動きについて説明する。この場合は、バックアップテーブル７のテーブル本体７０の上昇量を調整する。すなわち、基板の上面の高さと、固定クランプ部材の上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの上面の高さと、が略一致するように、バックアップテーブル７のテーブル本体７０の上昇量を調整する。
【０２５４】
例えば、段取り替えなどにより、基板の上下方向の厚さが厚くなる場合は、テーブル本体７０の上昇量つまり基板バックアップ片３０４の上昇量を小さくする。一方、基板の上下方向の厚さが薄くなる場合は、テーブル本体７０の上昇量つまり基板バックアップ片３０４の上昇量を大きくする。
【０２５５】
ところで、テーブル本体７０の上昇量を調整すると、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上昇量まで変化してしまう。このため、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の高さと、固定クランプ部材の梁部の上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの梁部４０１ｒの上面の高さと、が一致しなくなる。
【０２５６】
この点について、手動用当接部２４８Ｌ、２４８Ｒとマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面との間の間隔と、ストッパ４０６ｆの下面と固定クランプ部材４０ｆの上面との間の間隔と、は略等しくなるように設定されている。このため、手動用当接部２４８Ｌ、２４８Ｒがストッパ４０６ｆの下面に当接するまでマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを上昇させることにより、常に、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの上面の高さと、固定クランプ部材４０ｆの上面の高さと、可動クランプ部材４０ｒの上面の高さと、を一致させることができる。
【０２５７】
並びに、基板の上下方向の厚さの変更を、エアダンパ２４９Ｌｆ、２４９Ｒｆの収縮量で吸収することにより、基板の上下方向の厚さの変更によらず、確実に、手動用当接部２４８Ｌ、２４８Ｒをストッパ４０６ｆの下面に当接させることができる。このようにして、基板の上下方向の厚さを変更する場合に対応する。
【０２５８】
［基板の左右方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き］
基板の左右方向の長さを変更する場合は、一対の手動用ユニット２４Ｌ、２４Ｒ間の間隔を拡縮し、かつそれに応じて基板バックアップ片３０４の配置数を増減することにより、対応する。これらの作業は手動により行う。
【０２５９】
［基板の前後方向の長さを変更する場合のスクリーン印刷機の動き］
基板の前後方向の長さを変更する場合は、可動クランプ部材４０ｒを前方あるいは後方に移動させ、かつそれに応じてマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒ、基板バックアップ片３０４の配置数を増減することにより、対応する。マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒ、基板バックアップ片３０４の配置作業および撤去作業は、手動により行う。
【０２６０】
［作用効果］
次に、本実施形態のスクリーン印刷機の作用効果について説明する。本実施形態のスクリーン印刷機１は、構成が共通する部分に関しては、第一実施形態のスクリーン印刷機と同様の作用効果を有する。
【０２６１】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、手動で一対の手動用ユニット２４Ｌ、２４Ｒ間の左右方向の間隔を拡縮することにより、基板の左右方向の長さの変更に対応することができる。
【０２６２】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、マスクバックアップ片配置部２４７Ｌ、２４７Ｒにおけるマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの配置数を手動で変更することにより、印刷時にマスクの下面を支持するマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの配置数を調整することができる。すなわち、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの配置数を調整することにより、基板のＹ軸方向の長さの変更に対応することができる。
【０２６３】
また、本実施形態のスクリーン印刷機１によると、既存のスクリーン印刷機に対して、特別な加工を施すことなく、マスクバックアップ装置２をアドオンすることができる。このため、汎用性が高い。
【０２６４】
＜その他＞
以上、本発明のスクリーン印刷機の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【０２６５】
例えば、第一実施形態、第三実施形態においては、図８、図９に示すように、入力面２００Ｒ、出力面４０５ｒＲを、共に平面状とした。しかしながら、入力面２００Ｒ、出力面４０５ｒＲの形状は、特に限定しない。図３８に、互いに曲面状に面接触するマスクバックアップ片と出力部との上面図を示す。図３９に、互いに前後方向にずれて面接触するマスクバックアップ片と出力部との上面図を示す。なお、図３８、図３９において、図８、図９と対応する部位については同じ符号で示す。図３８に示すように、出力面４０５ｒＲおよび入力面２００Ｒを曲面状としてもよい。また、図３９に示すように、出力面４０５ｒＲおよび入力面２００Ｒを、前後方向にずらした状態で面接触させてもよい。
【０２６６】
すなわち、マスクバックアップ片２０Ｒに対して出力部４０４ｒＲが右方に配置されている場合は、出力面４０５ｒＲおよび入力面２００Ｒの後端が前端よりも左方にずれていればよい。
【０２６７】
また、図３に示すように、マスクバックアップ片２０Ｌに対して出力部４０４ｒＬが左方に配置されている場合は、出力面４０５ｒＬおよび入力面２００Ｌの後端が前端よりも右方にずれていればよい。
【０２６８】
また、出力面４０５ｒＬ、４０５ｒＲ、入力面２００Ｌ、２００Ｒは、前後方向に延在していてもよい。この場合は、面接触時の摩擦力により、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを動かせばよい。また、この場合、面接触時の摩擦力が大きくなるように、出力面４０５ｒＬ、４０５ｒＲ、入力面２００Ｌ、２００Ｒに、例えばエンボス加工面のように、凹凸形状の模様を付与してもよい。
【０２６９】
また、第二実施形態においては、図２０に示すように、動力伝達面２０２Ｒを平面状とした。しかしながら、動力伝達面２０２Ｒの形状は、特に限定しない。図４０に、曲面状の動力伝達面を有する立状態のマスクバックアップ片の上面図を示す。図４１に、階段状の動力伝達面を有する立状態のマスクバックアップ片の上面図を示す。なお、図４０、図４１において、図２０と対応する部位については同じ符号で示す。図４０に示すように、動力伝達面２０２Ｒを曲面状としてもよい。また、図４１に示すように、動力伝達面２０２Ｒを階段状としてもよい。
【０２７０】
すなわち、図２３に示すように、前方から見て時計回り方向の揺動力を前方のマスクバックアップ片２０Ｒａから後方のマスクバックアップ片２０Ｒｂに伝達する場合、並びに前方から見て反時計回り方向の揺動力に抗する揺動規制力を前方のマスクバックアップ片２０Ｒａから後方のマスクバックアップ片２０Ｒｂに伝達する場合は、動力伝達面２０２Ｒの反時計回り方向端２０２Ｒｃが時計回り方向端２０２Ｒｄよりも後方にずれていればよい。
【０２７１】
また、図２３に示すように、前方から見て反時計回り方向の揺動力を前方のマスクバックアップ片２０Ｌから後方のマスクバックアップ片２０Ｌに伝達する場合、並びに前方から見て時計回り方向の揺動力に抗する揺動規制力を前方のマスクバックアップ片２０Ｌから後方のマスクバックアップ片２０Ｌに伝達する場合は、動力伝達面の時計回り方向端が反時計回り方向端よりも後方にずれていればよい。
【０２７２】
また、第二実施形態において、動力伝達面２０２Ｒを配置しない形態で実施してもよい。図４２に、動力伝達面を有しないスクリーン印刷機の印刷前状態の上面図を示す。なお、図２７と対応する部位については同じ符号で示す。図４２に示すように、動力伝達面を有しないスクリーン印刷機１の場合、シャフト２２１Ｌ、２２１Ｒを揺動させることにより、可動クランプ部材４０ｒの下方に配置されているマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒ（図４２においては、説明の便宜上、ハッチングを施す。）を除いて、全てのマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒが立ち上がる。図２１に示すように、立状態Ａ１のマスクバックアップ片２０Ｒのボールプランジャ２０１Ｒは、シャフト２２１Ｒの凹部２２７Ｒに係合している。図２２に示すように、寝状態Ａ２のマスクバックアップ片２０Ｒのボールプランジャ２０１Ｒは、シャフト２２１Ｒの凹部２２７Ｒから外れている。このように、可動クランプ部材４０ｒよりも後方のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒの揺動状態によらず、可動クランプ部材４０ｒよりも前方のマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒが立状態Ａ１でありさえすれば、マスクの下面を支持することができる。
【０２７３】
また、第二実施形態においては、図１９に示すように、寝状態Ａ２を確保するために、寝状態用ストッパ２２６Ｒを配置した。しかしながら、寝状態用ストッパ２２６Ｒは配置しなくてもよい。この場合は、バックアップテーブル７のテーブル本体７０の上面にマスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを当接させることにより、寝状態Ａ２を確保してもよい。
【０２７４】
また、上記実施形態においては、スキージ６０の摺動方向と基板Ｂの搬送方向とを互いに略直交させた。しかしながら、スキージ６０の摺動方向と基板Ｂの搬送方向とを略一致させてもよい。この場合は、スキージの摺動方向（Ｘ軸方向）に沿って、印圧がばらつくのを抑制することができる。
【０２７５】
また、第一実施形態、第二実施形態のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒの配置数は、合計四つでもよい（図１、図１８参照）。すなわち、左方のメインテーブル用スライダ２１Ｌ、２２Ｌ用として二つのメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒを、右方のメインテーブル用スライダ２１Ｒ、２２Ｒ用として二つのメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部８０ｆ、８０ｒを、それぞれ配置してもよい。
【０２７６】
同様に、第三実施形態のバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆ、７２ｒの配置数は、合計四つでもよい（図３０参照）。すなわち、左方のバックアップテーブル用スライダ２３Ｌ用として二つのバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆ、７２ｒを、右方のバックアップテーブル用スライダ２３Ｒ用として二つのバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部７２ｆ、７２ｒを、それぞれ配置してもよい。
【０２７７】
また、第一実施形態においては、本発明の伸縮部としてエアシリンダ２１６Ｒｆ、２１６Ｒｒを配置した（図７参照）。しかしながら、本発明の伸縮部としてオイルシリンダを配置してもよい。また、本発明の伸縮部としてゴムやばねなどの弾性体を配置してもよい。
【０２７８】
また、第三実施形態、第四実施形態においては、本発明の緩衝体、手動用緩衝体としてエアダンパ２３９Ｒｆ、２４９Ｌｆ、２４９Ｒｆを配置した（図３４、図３６参照）。しかしながら、本発明の緩衝体、手動用緩衝体としてオイルダンパを配置してもよい。また、本発明の緩衝体、手動用緩衝体としてゴムやばねなどの弾性体を配置してもよい。
【０２７９】
また、第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態においては、メインテーブル用スライダ２１Ｌ、２１Ｒ、２２Ｌ、２２Ｒ、バックアップテーブル用スライダ２３Ｌ、２３Ｒを自動で移動させたが、手動で移動させてもよい。同様に、第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態においては、マスクバックアップ片２０Ｌ、２０Ｒを自動で移動させたが、手動で移動させてもよい。
【０２８０】
また、基板バックアップ装置３は、マスクバックアップ装置２の構成が上記スクリーン印刷機１とは異なるスクリーン印刷機に用いることもできる。また、基板バックアップ装置３は、マスクバックアップ装置２を有しないスクリーン印刷機に用いることもできる。
【０２８１】
また、マスクバックアップ片２０Ｒの上面間の境界を、角度α（図８参照）や角度β（図２０参照）で延在させる形態、つまり上面間の境界を前後方向に対して直交方向以外の交差方向に延在させる形態は、マスクバックアップ装置２の構成が上記スクリーン印刷機１とは異なるスクリーン印刷機に用いることもできる。
【符号の説明】
【０２８２】
１：スクリーン印刷機、２：マスクバックアップ装置、３：基板バックアップ装置、４：クランプ装置、５：マスク装置、６：スキージ装置、７：バックアップテーブル、８：メインテーブル、９ｆ：基板搬送用コンベアベルト、９ｒ：基板搬送用コンベアベルト。
２０Ｌ：マスクバックアップ片、２０Ｌｃ：マスクバックアップ片、２０Ｒ：マスクバックアップ片、２０Ｒａ：マスクバックアップ片、２０Ｒｂ：マスクバックアップ片、２０Ｒｃ：マスクバックアップ片、２１Ｌ：メインテーブル用スライダ、２１Ｒ：メインテーブル用スライダ、２２Ｌ：メインテーブル用スライダ、２２Ｒ：メインテーブル用スライダ、２３Ｌ：バックアップテーブル用スライダ、２３Ｒ：バックアップテーブル用スライダ、２４Ｌ：手動用ユニット、２４Ｒ：手動用ユニット、３０：基板バックアップユニット、４０ｆ：固定クランプ部材、４０ｒ：可動クランプ部材、５０：マスク、５１：フレーム、６０：スキージ、７０：テーブル本体、７１：シャフト、７２ｆ：バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部、７２ｒ：バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部、７４：バックアップテーブル側コンベアベルト、８０ｆ：メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部、８０ｒ：メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部、８１Ｌ：メインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部、８１Ｒ：メインテーブル側Ｙ軸方向ガイド部、８２ｆ：保持板、８２ｒ：保持板、８３：メインテーブル側コンベアベルト、８４：テーブル本体。
２００Ｌ：入力面、２００Ｒ：入力面、２０１Ｒ：ボールプランジャ、２０１Ｒａ：ボール、２０１Ｒｂ：コイルばね、２０１Ｒｃ：ケース、２０２Ｒ：動力伝達面、２０２Ｒａ：動力伝達面、２０２Ｒｂ：動力伝達面、２０２Ｒｃ：反時計回り方向端、２０２Ｒｄ：時計回り方向端、２０３Ｒ：シャフト貫通孔、２１０Ｌｆ：メインテーブル用基部、２１０Ｒｆ：メインテーブル用基部、２１０Ｒｒ：メインテーブル用基部、２１１Ｒｆ：可動部、２１１Ｒｒ：可動部、２１２Ｒ：メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部、２１３Ｌ：固定板、２１３Ｒ：固定板、２１４Ｒｆ：被ガイド溝部、２１４Ｒｒ：被ガイド溝部、２１５Ｌｆ：昇降部、２１５Ｒｆ：昇降部、２１５Ｒｒ：昇降部、２１６Ｌｆ：エアシリンダ（伸縮部）、２１６Ｒｆ：エアシリンダ（伸縮部）、２１６Ｒｒ：エアシリンダ（伸縮部）、２２０Ｒｆ：メインテーブル用基部、２２０Ｒｒ：メインテーブル用基部、２２１Ｌ：シャフト、２２１Ｒ：シャフト、２２２Ｒｆ：壁部、２２２Ｒｒ：壁部、２２３Ｌ：固定板、２２３Ｒ：固定板、２２４Ｒｆ：被ガイド溝部、２２５Ｌ：ロータリアクチュエータ、２２５Ｒ：ロータリアクチュエータ、２２６Ｌ：寝状態用ストッパ、２２６Ｒ：寝状態用ストッパ、２２７Ｒ：凹部、２３０Ｒｆ：バックアップテーブル用基部、２３０Ｒｒ：バックアップテーブル用基部、２３２Ｒ：バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部、２３３Ｌ：固定板、２３３Ｒ：固定板、２３４Ｒｆ：被ガイド溝部、２３４Ｒｒ：被ガイド溝部、２３６Ｒ：緩衝部、２３７Ｒｆ：壁部、２３７Ｒｒ：壁部、２３８Ｌ：当接部、２３８Ｒ：当接部、２３９Ｌｆ：エアダンパ（緩衝体）、２３９Ｒｆ：エアダンパ（緩衝体）、２４０Ｒｆ：バックアップテーブル用基部、２４０Ｒｒ：バックアップテーブル用基部、２４６Ｒ：緩衝部、２４７Ｌ：マスクバックアップ片配置部、２４７Ｒ：マスクバックアップ片配置部、２４８Ｌ：手動用当接部、２４８Ｒ：手動用当接部、２４９Ｌｆ：エアダンパ（手動用緩衝体）、２４９Ｒｆ：エアダンパ（手動用緩衝体）、２５０Ｒｆ：ガイド部材、２５０Ｒｒ：ガイド部材、２５１Ｒｆ：ガイド部材、２５２Ｒｆ：ガイド部材、３００：底板、３０１ｆ：ブロック、３０１ｒ：ブロック、３０２：ストッパ、３０３：基板バックアップ片用Ｙ軸方向ガイド部、３０４：基板バックアップ片、４００ｆＬ：柱部、４００ｆＲ：柱部、４００ｒＬ：柱部、４００ｒＲ：柱部、４０１ｆ：梁部、４０１ｒ：梁部、４０２ｒＬ：被ガイド部、４０２ｒＲ：被ガイド部、４０３ｒＬ：被ガイド溝部、４０３ｒＲ：被ガイド溝部、４０４ｒＬ：出力部、４０４ｒＲ：出力部、４０５ｒＬ：出力面、４０５ｒＲ：出力面、４０６ｆ：ストッパ、４０６ｒ：ストッパ、７４０：順方向区間、７４１：逆方向区間、８３０：順方向区間、８３１：逆方向区間。
Ａ１：立状態、Ａ２：寝状態、Ｂ：基板。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
印刷孔を有するマスクの下面を基板の上面に当接させ、該印刷孔を介してはんだを該マスクの上面側から該基板の上面に印刷する印刷時に、該マスクの下面を支持するマスクバックアップ装置を備えてなるスクリーン印刷機であって、
前記基板の搬送方向をＸ軸方向、該Ｘ軸方向に略直交する方向をＹ軸方向として、
前記マスクバックアップ装置は、複数のマスクバックアップ片を有し、
複数の該マスクバックアップ片のうち、前記印刷時に前記マスクの下面を支持する該マスクバックアップ片の数は、該基板の該Ｙ軸方向の長さに応じて、加除可能であり、
該基板の上下方向の厚さによらず、該印刷時に、該マスクの下面を支持する該マスクバックアップ片の上面と、該基板の上面と、を略同じ高さにすることを特徴とするスクリーン印刷機。
【請求項２】
さらに、前記印刷時に前記基板の下面を支持する基板バックアップ片を有する基板バックアップ装置と、前記マスクを有するマスク装置と、該印刷時に該マスクの上面を摺動し前記印刷孔を介して前記はんだを該基板の上面に印刷するスキージを有するスキージ装置と、を備える請求項１に記載のスクリーン印刷機。
【請求項３】
さらに、前記基板バックアップ装置が配置され上下動可能なバックアップテーブルと、前記マスクバックアップ装置が配置されるメインテーブルと、を有する請求項２に記載のスクリーン印刷機。
【請求項４】
さらに、前記メインテーブルに配置され、前記印刷時に前記基板の両側面を挟持するクランプ装置を有し、
前記マスクバックアップ装置は、さらに、該メインテーブルに対して上下動しないメインテーブル用基部と、該メインテーブル用基部と複数の前記マスクバックアップ片との間に介装され複数の該マスクバックアップ片の上面を上昇させることが可能な可動部と、を有し、
該バックアップテーブルの上昇量を調整することにより、該基板の上下方向の厚さによらず、該基板の上面を、該クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させ、
該メインテーブル用基部の上端と該クランプ装置の上面との高度差が不変であることを利用して、該可動部は、該印刷時に前記マスクの下面を支持する該マスクバックアップ片の上面を、該クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させる請求項３に記載のスクリーン印刷機。
【請求項５】
前記メインテーブルは、前記Ｙ軸方向に所定の間隔だけ離間して配置され前記Ｘ軸方向に延在する複数のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を有し、
前記マスクバックアップ装置は、さらに、前記基板バックアップ片の該Ｘ軸方向両側に配置される一対のメインテーブル用スライダを有し、
該メインテーブル用スライダは、該メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を移動する請求項３または請求項４に記載のスクリーン印刷機。
【請求項６】
前記メインテーブルは、さらに、前記Ｘ軸方向に延在し、駆動時に互いに反対方向に動く順方向区間と逆方向区間とを有するメインテーブル側コンベアベルトを有し、
一対の前記メインテーブル用スライダのうち一方は該順方向区間に、一対の該メインテーブル用スライダのうち他方は該逆方向区間に、それぞれ固定されている請求項５に記載のスクリーン印刷機。
【請求項７】
前記メインテーブル用スライダは、前記メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を移動する一対の前記メインテーブル用基部と、一対の前記可動部と、メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部と、を有し、
該可動部は、昇降部と、該昇降部と該メインテーブル用基部とを上下方向に伸縮可能に連結する伸縮部と、を有し、
該メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部は、前記Ｙ軸方向に延在し一対の該昇降部間に架設され、
複数の前記マスクバックアップ片は、該メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に移動可能に配置され、
該マスクバックアップ片を該メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に沿って移動させることにより、該マスクバックアップ片の配置数を調整する請求項５または請求項６に記載のスクリーン印刷機。
【請求項８】
前記クランプ装置は、一対の前記メインテーブル用スライダを前記Ｘ軸方向に跨ぐと共に、前記Ｙ軸方向に移動可能な可動クランプ部材を有し、
該可動クランプ部材は、移動することにより該Ｙ軸方向に押圧力を出力する出力部を有し、
前記マスクバックアップ片は、該出力部に対して該Ｘ軸方向から離接可能な入力部を有し、
該入力部を該出力部に当接させた状態で、該可動クランプ部材を該Ｙ軸方向に移動させることにより、該出力部の該押圧力を用いて、該マスクバックアップ片を、前記メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に沿って移動させる請求項７に記載のスクリーン印刷機。
【請求項９】
前記メインテーブル用スライダは、一対の前記メインテーブル用基部と、一対の壁部と、前記可動部と、を有し、
該壁部は、該メインテーブル用基部に固定され、
該可動部は、前記Ｙ軸方向に延在し一対の該壁部間に軸回りに揺動可能に架設されるシャフトであり、
前記マスクバックアップ片は、該シャフトの軸回りに揺動可能に配置され、
該マスクバックアップ片は、該シャフトの軸回りに揺動することにより、前記印刷時に前記マスクの下面を支持しない寝状態と、該寝状態よりも高さが高く該印刷時に該マスクの下面を支持する立状態と、に切り替え可能である請求項５または請求項６に記載のスクリーン印刷機。
【請求項１０】
前記マスクバックアップ片は、ボールプランジャを有し、
前記シャフトは、側周面に、該ボールプランジャが係脱可能な凹部を有し、
該ボールプランジャと該凹部との係脱機構を利用して、該マスクバックアップ片を、前記立状態にする請求項９に記載のスクリーン印刷機。
【請求項１１】
前記マスクバックアップ片は、前記Ｙ軸方向に隣接する別の該マスクバックアップ片に当接すると共に前記シャフトを中心とする周方向両端が互いに該Ｙ軸方向にずれた動力伝達面を有し、
該動力伝達面を介して、該シャフトの揺動力および該揺動力に抗する揺動規制力のうち少なくとも一方を、伝達する請求項９または請求項１０に記載のスクリーン印刷機。
【請求項１２】
前記クランプ装置は、一対の前記メインテーブル用スライダを前記Ｘ軸方向に跨ぐと共に、前記Ｙ軸方向に移動可能な可動クランプ部材を有し、
全ての前記マスクバックアップ片を前記寝状態にすると共に、前記ボールプランジャを前記凹部に係合させ、
該マスクバックアップ片が該寝状態から該立状態に切り替わる方向に前記シャフトを揺動させ、
所定の該マスクバックアップ片を該可動クランプ部材に当接させ、該可動クランプ部材から入力される前記揺動規制力により、所定の該ボールプランジャを該凹部から外し、該マスクバックアップ片に対して該シャフトを空動させ、所定の該マスクバックアップ片が該立状態に切り替わるのを抑制すると共に、所定の該マスクバックアップ片に対して前記基板から離間する方向に連なる別の該バックアップ片に、前記動力伝達面を介して該揺動規制力を伝達し、所定の該マスクバックアップ片に連なる別の該バックアップ片が該立状態に切り替わるのを抑制する請求項１１に記載のスクリーン印刷機。
【請求項１３】
さらに、前記基板バックアップ装置が配置され、上下動可能なバックアップテーブルを備え、
前記マスクバックアップ装置は、該バックアップテーブルに配置される請求項２に記載のスクリーン印刷機。
【請求項１４】
さらに、前記印刷時に前記基板の両側面を挟持するクランプ装置を有し、
該クランプ装置はストッパを有し、
前記マスクバックアップ装置は、前記バックアップテーブルに対して上下動しないバックアップテーブル用基部と、該バックアップテーブル用基部と複数の前記マスクバックアップ片との間に介装され上下方向に伸縮可能な緩衝部と、を有し、
該バックアップテーブルの上昇量を調整することにより、該基板の上下方向の厚さによらず、該基板の上面を、該クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させ、
該緩衝部を該ストッパに当接させ該緩衝部を収縮させることにより、前記印刷時に前記マスクの下面を支持する該マスクバックアップ片の上面を、該クランプ装置の上面と略同じ高さに揃える請求項１３に記載のスクリーン印刷機。
【請求項１５】
前記バックアップテーブルは、前記Ｙ軸方向に所定の間隔だけ離間して配置され前記Ｘ軸方向に延在する複数のバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を有し、
前記マスクバックアップ装置は、さらに、前記基板バックアップ片の該Ｘ軸方向両側に配置される一対のバックアップテーブル用スライダを有し、
該バックアップテーブル用スライダは、該バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を移動する請求項１３または請求項１４に記載のスクリーン印刷機。
【請求項１６】
前記バックアップテーブルは、さらに、前記Ｘ軸方向に延在し、駆動時に互いに反対方向に動く順方向区間と逆方向区間とを有するバックアップテーブル側コンベアベルトを有し、
一対の前記バックアップテーブル用スライダのうち一方は該順方向区間に、一対の該バックアップテーブル用スライダのうち他方は該逆方向区間に、それぞれ固定されている請求項１５に記載のスクリーン印刷機。
【請求項１７】
前記バックアップテーブル用スライダは、前記バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を移動する一対の前記バックアップテーブル用基部と、前記緩衝部と、バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部と、を有し、
該緩衝部は、一対の該バックアップテーブル用基部の上方に配置される一対の壁部と、前記Ｙ軸方向に延在し一対の該壁部間に架設され前記ストッパに当接可能な当接部と、一対の該バックアップテーブル用基部と一対の壁部とを上下方向に伸縮可能に連結する一対の緩衝体と、を有し、
該バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部は、該Ｙ軸方向に延在し一対の該壁部間に架設され、
複数の前記マスクバックアップ片は、該バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に移動可能に配置され、
該マスクバックアップ片を該バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に沿って移動させることにより、該マスクバックアップ片の配置数を調整する請求項１５または請求項１６に記載のスクリーン印刷機。
【請求項１８】
前記クランプ装置は、一対の前記バックアップテーブル用スライダを前記Ｘ軸方向に跨ぐと共に、前記Ｙ軸方向に移動可能な可動クランプ部材を有し、
該可動クランプ部材は、移動することにより該Ｙ軸方向に押圧力を出力する出力部を有し、
前記マスクバックアップ片は、該出力部に対して該Ｘ軸方向から離接可能な入力部を有し、
該入力部を該出力部に当接させた状態で、該可動クランプ部材を該Ｙ軸方向に移動させることにより、該出力部の該押圧力を用いて、該マスクバックアップ片を、前記バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に沿って移動させる請求項１７に記載のスクリーン印刷機。
【請求項１９】
前記マスクバックアップ装置は、さらに、前記基板バックアップ片の前記Ｘ軸方向両側に手動で配置される一対の手動用ユニットを有し、
該手動用ユニットは、一対の前記バックアップテーブル用基部と、一対の該バックアップテーブル用基部間に架設される前記緩衝部と、を有し、
該緩衝部は、一対の該バックアップテーブル用基部の上方に連なり上下方向に伸縮可能な一対の手動用緩衝体と、前記Ｙ軸方向に延在し一対の該手動用緩衝体間に架設されるマスクバックアップ片配置部と、前記ストッパに当接可能な手動用当接部と、を有し、
複数の前記マスクバックアップ片は、該マスクバックアップ片配置部に加除可能に配置され、
該マスクバックアップ片配置部に対する該マスクバックアップ片の配置数を手動で調整する請求項１４に記載のスクリーン印刷機。
【請求項２０】
前記印刷時に前記マスクの下面を支持する際、互いに隣接する任意の一対の前記マスクバックアップ片の上面間の境界は、前記スキージの摺動方向に対して、直交方向以外の交差方向に延在する請求項２ないし請求項１９のいずれかに記載のスクリーン印刷機。
【請求項１】
印刷孔を有するマスクの下面を基板の上面に当接させ、該印刷孔を介してはんだを該マスクの上面側から該基板の上面に印刷する印刷時に、該マスクの下面を支持するマスクバックアップ装置を備えてなるスクリーン印刷機であって、
前記基板の搬送方向をＸ軸方向、該Ｘ軸方向に略直交する方向をＹ軸方向として、
前記マスクバックアップ装置は、複数のマスクバックアップ片を有し、
複数の該マスクバックアップ片のうち、前記印刷時に前記マスクの下面を支持する該マスクバックアップ片の数は、該基板の該Ｙ軸方向の長さに応じて、加除可能であり、
該基板の上下方向の厚さによらず、該印刷時に、該マスクの下面を支持する該マスクバックアップ片の上面と、該基板の上面と、を略同じ高さにすることを特徴とするスクリーン印刷機。
【請求項２】
さらに、前記印刷時に前記基板の下面を支持する基板バックアップ片を有する基板バックアップ装置と、前記マスクを有するマスク装置と、該印刷時に該マスクの上面を摺動し前記印刷孔を介して前記はんだを該基板の上面に印刷するスキージを有するスキージ装置と、を備える請求項１に記載のスクリーン印刷機。
【請求項３】
さらに、前記基板バックアップ装置が配置され上下動可能なバックアップテーブルと、前記マスクバックアップ装置が配置されるメインテーブルと、を有する請求項２に記載のスクリーン印刷機。
【請求項４】
さらに、前記メインテーブルに配置され、前記印刷時に前記基板の両側面を挟持するクランプ装置を有し、
前記マスクバックアップ装置は、さらに、該メインテーブルに対して上下動しないメインテーブル用基部と、該メインテーブル用基部と複数の前記マスクバックアップ片との間に介装され複数の該マスクバックアップ片の上面を上昇させることが可能な可動部と、を有し、
該バックアップテーブルの上昇量を調整することにより、該基板の上下方向の厚さによらず、該基板の上面を、該クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させ、
該メインテーブル用基部の上端と該クランプ装置の上面との高度差が不変であることを利用して、該可動部は、該印刷時に前記マスクの下面を支持する該マスクバックアップ片の上面を、該クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させる請求項３に記載のスクリーン印刷機。
【請求項５】
前記メインテーブルは、前記Ｙ軸方向に所定の間隔だけ離間して配置され前記Ｘ軸方向に延在する複数のメインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を有し、
前記マスクバックアップ装置は、さらに、前記基板バックアップ片の該Ｘ軸方向両側に配置される一対のメインテーブル用スライダを有し、
該メインテーブル用スライダは、該メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を移動する請求項３または請求項４に記載のスクリーン印刷機。
【請求項６】
前記メインテーブルは、さらに、前記Ｘ軸方向に延在し、駆動時に互いに反対方向に動く順方向区間と逆方向区間とを有するメインテーブル側コンベアベルトを有し、
一対の前記メインテーブル用スライダのうち一方は該順方向区間に、一対の該メインテーブル用スライダのうち他方は該逆方向区間に、それぞれ固定されている請求項５に記載のスクリーン印刷機。
【請求項７】
前記メインテーブル用スライダは、前記メインテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を移動する一対の前記メインテーブル用基部と、一対の前記可動部と、メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部と、を有し、
該可動部は、昇降部と、該昇降部と該メインテーブル用基部とを上下方向に伸縮可能に連結する伸縮部と、を有し、
該メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部は、前記Ｙ軸方向に延在し一対の該昇降部間に架設され、
複数の前記マスクバックアップ片は、該メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に移動可能に配置され、
該マスクバックアップ片を該メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に沿って移動させることにより、該マスクバックアップ片の配置数を調整する請求項５または請求項６に記載のスクリーン印刷機。
【請求項８】
前記クランプ装置は、一対の前記メインテーブル用スライダを前記Ｘ軸方向に跨ぐと共に、前記Ｙ軸方向に移動可能な可動クランプ部材を有し、
該可動クランプ部材は、移動することにより該Ｙ軸方向に押圧力を出力する出力部を有し、
前記マスクバックアップ片は、該出力部に対して該Ｘ軸方向から離接可能な入力部を有し、
該入力部を該出力部に当接させた状態で、該可動クランプ部材を該Ｙ軸方向に移動させることにより、該出力部の該押圧力を用いて、該マスクバックアップ片を、前記メインテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に沿って移動させる請求項７に記載のスクリーン印刷機。
【請求項９】
前記メインテーブル用スライダは、一対の前記メインテーブル用基部と、一対の壁部と、前記可動部と、を有し、
該壁部は、該メインテーブル用基部に固定され、
該可動部は、前記Ｙ軸方向に延在し一対の該壁部間に軸回りに揺動可能に架設されるシャフトであり、
前記マスクバックアップ片は、該シャフトの軸回りに揺動可能に配置され、
該マスクバックアップ片は、該シャフトの軸回りに揺動することにより、前記印刷時に前記マスクの下面を支持しない寝状態と、該寝状態よりも高さが高く該印刷時に該マスクの下面を支持する立状態と、に切り替え可能である請求項５または請求項６に記載のスクリーン印刷機。
【請求項１０】
前記マスクバックアップ片は、ボールプランジャを有し、
前記シャフトは、側周面に、該ボールプランジャが係脱可能な凹部を有し、
該ボールプランジャと該凹部との係脱機構を利用して、該マスクバックアップ片を、前記立状態にする請求項９に記載のスクリーン印刷機。
【請求項１１】
前記マスクバックアップ片は、前記Ｙ軸方向に隣接する別の該マスクバックアップ片に当接すると共に前記シャフトを中心とする周方向両端が互いに該Ｙ軸方向にずれた動力伝達面を有し、
該動力伝達面を介して、該シャフトの揺動力および該揺動力に抗する揺動規制力のうち少なくとも一方を、伝達する請求項９または請求項１０に記載のスクリーン印刷機。
【請求項１２】
前記クランプ装置は、一対の前記メインテーブル用スライダを前記Ｘ軸方向に跨ぐと共に、前記Ｙ軸方向に移動可能な可動クランプ部材を有し、
全ての前記マスクバックアップ片を前記寝状態にすると共に、前記ボールプランジャを前記凹部に係合させ、
該マスクバックアップ片が該寝状態から該立状態に切り替わる方向に前記シャフトを揺動させ、
所定の該マスクバックアップ片を該可動クランプ部材に当接させ、該可動クランプ部材から入力される前記揺動規制力により、所定の該ボールプランジャを該凹部から外し、該マスクバックアップ片に対して該シャフトを空動させ、所定の該マスクバックアップ片が該立状態に切り替わるのを抑制すると共に、所定の該マスクバックアップ片に対して前記基板から離間する方向に連なる別の該バックアップ片に、前記動力伝達面を介して該揺動規制力を伝達し、所定の該マスクバックアップ片に連なる別の該バックアップ片が該立状態に切り替わるのを抑制する請求項１１に記載のスクリーン印刷機。
【請求項１３】
さらに、前記基板バックアップ装置が配置され、上下動可能なバックアップテーブルを備え、
前記マスクバックアップ装置は、該バックアップテーブルに配置される請求項２に記載のスクリーン印刷機。
【請求項１４】
さらに、前記印刷時に前記基板の両側面を挟持するクランプ装置を有し、
該クランプ装置はストッパを有し、
前記マスクバックアップ装置は、前記バックアップテーブルに対して上下動しないバックアップテーブル用基部と、該バックアップテーブル用基部と複数の前記マスクバックアップ片との間に介装され上下方向に伸縮可能な緩衝部と、を有し、
該バックアップテーブルの上昇量を調整することにより、該基板の上下方向の厚さによらず、該基板の上面を、該クランプ装置の上面と略同じ高さまで上昇させ、
該緩衝部を該ストッパに当接させ該緩衝部を収縮させることにより、前記印刷時に前記マスクの下面を支持する該マスクバックアップ片の上面を、該クランプ装置の上面と略同じ高さに揃える請求項１３に記載のスクリーン印刷機。
【請求項１５】
前記バックアップテーブルは、前記Ｙ軸方向に所定の間隔だけ離間して配置され前記Ｘ軸方向に延在する複数のバックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を有し、
前記マスクバックアップ装置は、さらに、前記基板バックアップ片の該Ｘ軸方向両側に配置される一対のバックアップテーブル用スライダを有し、
該バックアップテーブル用スライダは、該バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を移動する請求項１３または請求項１４に記載のスクリーン印刷機。
【請求項１６】
前記バックアップテーブルは、さらに、前記Ｘ軸方向に延在し、駆動時に互いに反対方向に動く順方向区間と逆方向区間とを有するバックアップテーブル側コンベアベルトを有し、
一対の前記バックアップテーブル用スライダのうち一方は該順方向区間に、一対の該バックアップテーブル用スライダのうち他方は該逆方向区間に、それぞれ固定されている請求項１５に記載のスクリーン印刷機。
【請求項１７】
前記バックアップテーブル用スライダは、前記バックアップテーブル側Ｘ軸方向ガイド部を移動する一対の前記バックアップテーブル用基部と、前記緩衝部と、バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部と、を有し、
該緩衝部は、一対の該バックアップテーブル用基部の上方に配置される一対の壁部と、前記Ｙ軸方向に延在し一対の該壁部間に架設され前記ストッパに当接可能な当接部と、一対の該バックアップテーブル用基部と一対の壁部とを上下方向に伸縮可能に連結する一対の緩衝体と、を有し、
該バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部は、該Ｙ軸方向に延在し一対の該壁部間に架設され、
複数の前記マスクバックアップ片は、該バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に移動可能に配置され、
該マスクバックアップ片を該バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に沿って移動させることにより、該マスクバックアップ片の配置数を調整する請求項１５または請求項１６に記載のスクリーン印刷機。
【請求項１８】
前記クランプ装置は、一対の前記バックアップテーブル用スライダを前記Ｘ軸方向に跨ぐと共に、前記Ｙ軸方向に移動可能な可動クランプ部材を有し、
該可動クランプ部材は、移動することにより該Ｙ軸方向に押圧力を出力する出力部を有し、
前記マスクバックアップ片は、該出力部に対して該Ｘ軸方向から離接可能な入力部を有し、
該入力部を該出力部に当接させた状態で、該可動クランプ部材を該Ｙ軸方向に移動させることにより、該出力部の該押圧力を用いて、該マスクバックアップ片を、前記バックアップテーブル用Ｙ軸方向ガイド部に沿って移動させる請求項１７に記載のスクリーン印刷機。
【請求項１９】
前記マスクバックアップ装置は、さらに、前記基板バックアップ片の前記Ｘ軸方向両側に手動で配置される一対の手動用ユニットを有し、
該手動用ユニットは、一対の前記バックアップテーブル用基部と、一対の該バックアップテーブル用基部間に架設される前記緩衝部と、を有し、
該緩衝部は、一対の該バックアップテーブル用基部の上方に連なり上下方向に伸縮可能な一対の手動用緩衝体と、前記Ｙ軸方向に延在し一対の該手動用緩衝体間に架設されるマスクバックアップ片配置部と、前記ストッパに当接可能な手動用当接部と、を有し、
複数の前記マスクバックアップ片は、該マスクバックアップ片配置部に加除可能に配置され、
該マスクバックアップ片配置部に対する該マスクバックアップ片の配置数を手動で調整する請求項１４に記載のスクリーン印刷機。
【請求項２０】
前記印刷時に前記マスクの下面を支持する際、互いに隣接する任意の一対の前記マスクバックアップ片の上面間の境界は、前記スキージの摺動方向に対して、直交方向以外の交差方向に延在する請求項２ないし請求項１９のいずれかに記載のスクリーン印刷機。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【図２８】
【図２９】
【図３０】
【図３１】
【図３２】
【図３３】
【図３４】
【図３５】
【図３６】
【図３７】
【図３８】
【図３９】
【図４０】
【図４１】
【図４２】
【図４３】
【図４４】
【図４５】
【図４６】
【図４７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【図２８】
【図２９】
【図３０】
【図３１】
【図３２】
【図３３】
【図３４】
【図３５】
【図３６】
【図３７】
【図３８】
【図３９】
【図４０】
【図４１】
【図４２】
【図４３】
【図４４】
【図４５】
【図４６】
【図４７】
【公開番号】特開２０１０−２６４７０１（Ｐ２０１０−２６４７０１Ａ）
【公開日】平成２２年１１月２５日（２０１０．１１．２５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１１９１９４（Ｐ２００９−１１９１９４）
【出願日】平成２１年５月１５日（２００９．５．１５）
【出願人】（０００２３７２７１）富士機械製造株式会社 (775)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年１１月２５日（２０１０．１１．２５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年５月１５日（２００９．５．１５）
【出願人】（０００２３７２７１）富士機械製造株式会社 (775)
【Ｆターム（参考）】
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