スケート具
【課題】 簡単な構造で、大幅な滑走性能の向上が図られるようにする。
【解決手段】 例えば靴本体2と、靴本体2の下面に設けられた前後一対のカップ3と、カップ3の下側に設けられたブレード4とを有するアイススケート靴1において、カップ3を上下ニ分割とし、その内部における靴本体2下面に大径有底筒状部材6を設け、ブレード4上には小径有底筒状部材7を設け、大径有底筒状部材6および小径有底筒状部材7内に一本のコイルスプリング8を内蔵することにより、コイルスプリング8が靴本体2を直接的に支持する構造となされている。
【解決手段】 例えば靴本体2と、靴本体2の下面に設けられた前後一対のカップ3と、カップ3の下側に設けられたブレード4とを有するアイススケート靴1において、カップ3を上下ニ分割とし、その内部における靴本体2下面に大径有底筒状部材6を設け、ブレード4上には小径有底筒状部材7を設け、大径有底筒状部材6および小径有底筒状部材7内に一本のコイルスプリング8を内蔵することにより、コイルスプリング8が靴本体2を直接的に支持する構造となされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、氷面を滑るためのアイススケート靴や路面を走行するためのローラースケート靴(インラインスケート靴を含む)およびスケートボード(本明細書において「スケート具」という)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、滑走を補助する機構を備えたスケート具としては、以下のようなものが知られている。
【0003】
先ず、アイススケート靴では、靴本体とブレードとの間にリンク機構およびショックアブソ−バーを備えたものが知られている。この靴は、三箇所の支点を有するリンクと該リンクに組み込まれたショックアブソ−バーとによって、使用者の身体的特性に合った靴の調整を機械的に行うものである。
【0004】
ローラースケート靴としては、靴本体とローラーとの間に略菱形の中空状フレームを介在させ、該フレーム内にゴム片やコイルスプリング等の弾性体を内蔵したものが知られている。
【0005】
また、他のローラースケート靴としては、前後一対のコイルスプリングと、これらを連係させるリンク部材とを備え、ジャンプを容易に行うようにしたものも知られている。
【0006】
この他、別のローラースケート靴(インラインスケート靴)としては、逆U形のスライドシートとコイルスプリングとによって、中央部分のローラーを緩衝することにより、滑走時における路面からの衝撃を緩和するようにしたものも知られている。
【0007】
更に他のローラースケート靴(インラインスケート靴)としては、靴本体とローラーとの間に楕円形のループ状部材を介在させ、該ループ状部材でローラーを支持することにより、滑走性能を高めるようにしたものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−290855号公報
【特許文献2】実用新案登録第3090667号公報
【特許文献3】実用新案登録第3035582号公報
【特許文献4】実用新案登録第3075838号公報
【特許文献5】特表平11−508471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述したいずれのものも滑走性能を高める機構を有するが、構造が複雑であって、通常のスケート靴に比べてかなり高価となる上、使用にあたって、細かなセッティングを必要としたり、履くのに手間を要する等、使い難い面が多かった。
【0010】
本発明の目的は、簡単な構造で、大幅な滑走性能の向上が図れる滑走用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の本発明は、足を載せるか、または足を入れる本体部と、本体部の下方に設けられた滑走用部とを有するスケート具であって、本体部と滑走用部との間に上下方向に作用する複数の弾性体が介在され、すべての弾性体が本体部を直接的に支持する構造となされているスケート具である。
【0012】
請求項2記載の本発明は、前記請求項1記載のスケート具について、全体形態がアイススケート靴であり、本体部が靴本体であり、滑走用部がブレードであり、弾性体が靴本体とブレードとの間に介在されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項3記載の本発明は、前記請求項2記載のスケート具について、ブレードが靴本体の幅方向に二枚設けられ、各ブレードと靴本体との間に弾性体がそれぞれ介在されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項4記載の本発明は、前記請求項2または請求項3記載のスケート具について、全体形態がスラップスケート靴であって、弾性体が少なくとも靴本体のつま先側部と踵部の下方にそれぞれ設けられ、つま先側部の弾性体はヒンジを介して靴本体と連結され、踵部の弾性体は靴本体と開離自在となされており、両弾性体間における靴本体とブレードとが戻りスプリングによって連結されていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項5記載の本発明は、前記請求項1記載のスケート具について、全体形態がローラースケート靴であり、本体部が靴本体であり、滑走用部が複数のローラーであり、弾性体が靴本体と各ローラーとの間に個別に介在された独立懸架式となされていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項6記載の本発明は、前記請求項1記載のスケート具について、全体形態がスケートボードであり、本体部がボード部であり、滑走用部が複数のローラーであり、弾性体がボード部と各ローラーとの間に個別に介在された独立懸架式となされていることを特徴とするものである。
【0017】
請求項7記載の本発明は、前記請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項記載のスケート具について、弾性体と共にショックアブソーバーが設けられているものである。
【0018】
請求項8記載の本発明は、前記請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項記載のスケート具について、弾性体がコイルスプリングであることを特徴とするものである。
【0019】
なお、本願において、弾性体としては、前述したコイルスプリングの他、板状バネも含まれ、更に、中空の蛇腹状本体に空気や不活性気体を封入したもの、或いはゴム状弾性を有するもの等が挙げられる。
【0020】
請求項9記載の本発明は、前記請求項4または請求項5記載のスケート具について、靴本体の底部に一ないし複数の屈曲用ヒンジ部が設けられるか、または靴本体の底部を屈曲自在な材料で構成することにより、靴本体の底部が前後方向に折り曲げ可能となされていることを特徴とするものである。
【0021】
請求項10記載の本発明は、前記請求項9または請求項10記載のスケート具について、靴本体における甲皮部から爪先部にかけて少なくとも一箇所に蛇腹状部が形成されたことを特徴とするものである。
【0022】
請求項11記載の本発明は、請求項4または請求項5記載のスケート具について、全体形態がスラップスケート靴であって、弾性体が靴本体のつま先側部と踵部およびその中間位置の各下方にそれぞれ設けられ、前記中間位置の弾性体はヒンジを介して靴本体と連結され、踵部の弾性体は靴本体と開離自在となされ、踵部と中間位置の両弾性体間における靴本体とブレードとが戻りスプリングで連結されており、靴本体の底部には、前記爪先側部および中間位置における弾性体と対応して屈曲用ヒンジ部が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0023】
スケート具は、脚力を中心として滑走を行うものであるが、一定距離をより速く滑走するためには脚力を有効に使うことが求められる。例えば、アイススケートの場合、一方の足に装着したスケート靴のエッジによって氷面を蹴りつつ、他方の足に装着したスケート靴を前方へ繰り出すという動作を左右交互に行うことによって滑走が連続的に行われる。この際、腰、膝および足首を曲げて、より低い前傾姿勢をとることで下半身のバネをつくり出し、より大きな推進力を得ている。そして、より効率的なスケーティングを行うためには、脚力を中心として出力される体の力を高いレベルを維持しつつ、できるだけ長い時間、氷面に作用させる必要がある。
【0024】
本発明のスケート具は、その本体部と滑走用部との間に弾性体を介在させ、且つ該弾性体が本体部を直接的に支持する構造となされているため、足で本体部に加えられた力が一旦、弾性体に蓄積され、その蓄積された力が該弾性体を介してより持続的な力となって滑走部に伝えられることとなる。そのため、使用者自身の推進力を、短時間で消失させることなく、該力を常に平準化して、且つ高いレベルで、より長い時間にわたって滑走部に加えることが可能となるのである。その結果、使用者は誰でも、常に効率的な滑走を容易に行うことができ、少ない力でより大きな推進力を得ることが実現される。
【0025】
更に、独立懸架式とした本発明に係るローラースケートやスケートボードによれば、各ローラーが個別に前述した効率的で大きな推進力で回転され、また路面に局部的な凹凸がある場合でも、全ローラーが凹凸の影響を受けずに、凹凸に遭遇したローラーだけが影響を受け、他のローラーは最大限の増幅された推進力を生み出すため、安定的且つ効率的な滑走が可能となる。
【0026】
また、ショックアブソーバーも設けた本発明のスケート具によれば、滑走時に使用者の足に伝わる振動が軽減され、これが前述した効率的で大きな推進力と相俟って、より速くてスムーズな滑走が行える。
【0027】
この他、靴本体の底部に屈曲用ヒンジ部を備えたスケート具によれば、靴本体が容易に屈曲するため、前述した力蓄積効果が更に向上すると共に、推進力も増強されるため、加速性が向上すると共に、コーナリング時の安定性も増加するという利点がある。しかもスケート具の使用者は、靴本体が容易に屈曲することで前傾姿勢をとりやすくなり、その結果、滑走時の空気抵抗を低減させることができる。
【0028】
また、靴本体の甲皮部から爪先部にかけて蛇腹状部を備えた本発明に係るスケート具によれば、前述した効果が更に増強され得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態1に係るアイススケート靴の側面図である。
【図2】同実施形態に係るアイススケート靴の正面図である。
【図3】実施形態1の変形例を示すアイススケート靴の正面図である。
【図4】実施形態2に係るスケートボードの底面図である。
【図5】同実施形態に係るスケートボードの側面図である。
【図6】同実施形態におけるローラー部分の拡大側面図である。
【図7】実施形態3に係るローラースケート靴の平面図である。
【図8】同実施形態に係るローラースケート靴の側面図である。
【図9】同実施形態におけるローラー部分の拡大正面図である。
【図10】実施形態4に係るインラインスケート靴の側面図である。
【図11】同実施形態におけるローラー部分の拡大正面図である。
【図12】実施形態5に係るスラップスケート靴の側面図である。
【図13】同スラップスケート靴におけるバネ機構の拡大断面図である。
【図14】同スラップスケート靴の踵部が上がった状態を示す側面図である。
【図15】本発明に係る他のバネ機構を示す正面図である。
【図16】同機構の側面図である。
【図17】本発明に係る更に他のバネ機構を示す正面図である。
【図18】実施形態6に係るスラップスケート靴を示す側面図である。
【図19】同実施形態のスケート靴であって、踵部だけが浮いた状態を示す側面図である。
【図20】同実施形態のスケート靴であって、中足骨下部まで浮いた状態を示す側面図である。
【図21】同実施形態のスケート靴における屈曲用ヒンジ部を拡大して示す斜視図である。
【図22】実施形態7に係るスラップスケート靴を示す側面図である。
【図23】同実施形態のスケート靴であって、踵部だけが浮いた状態を示す側面図である。
【図24】同実施形態のスケート靴であって、靴の最大屈曲状態を示す側面図である。
【図25】実施形態8に係るスラップスケート靴を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(実施形態1)
【0031】
図1および図2に示すように、1はアイススケート靴であって、靴本体2と、靴本体2の下方にカップ3を介して一体に設けられたブレード4とを有している。ブレード4は、靴本体2の幅中央に一枚設けられ、カップ3はつま先側部と踵側部の二箇所に設けられている。
【0032】
そして、各カップ3は、上下に二分割され、靴本体2のシャシー5に固定された上側半部3Aとブレード4に固定された下側半部3Bとを有しており、また上側半部3A内には下側が開口した大径有底筒状部材6が設けられ、下側半部3B内には上側が開口した小径有底筒状部材7が設けられ、小径有底筒状部材7は大径有底筒状部材6内に進入自在となされており、これら筒状部材6・7内には上下方向に伸びるコイルスプリング8が嵌め込まれている。
【0033】
本実施形態のアイススケート靴1は、一般のものと同様、靴本体2に足を入れて靴紐9を結ぶことで履くことができる。そして、通常のスケーティングフォームで滑走を行うだけで前記発明の効果で述べたような力蓄積による効率的な滑走が行える。
【0034】
図3は、本発明の変形例であって、前記ブレード4を靴本体2の幅方向に2枚(4A・4B)並列的に設けたものである。
【0035】
この場合、ブレード4A・4Bが左右に二枚あることで、スケートの初心者でも容易に氷面に安定的に立つことができる上、通常のスケーティングフォームで滑走を行えば、内側のブレード4Aが主となって滑走が行われるが、外側のブレード4Bも氷面をとらえているため、前記発明の効果で述べた力蓄積による効率的な滑走が更に増長される。
【0036】
本実施形態では、カップ3は、靴本体2下方の前後2箇所に設けたが、更にそれらの間にもう一箇所設けても良いし、或いは該部にショックアブソーバーを設けても良い。
【0037】
(実施形態2)
【0038】
図4〜図6に示すように、21はスケートボードであって、ボード本体22と、ボード本体22の下面に設けられた複数の独立懸架式ローラー23・24・25とを有している。
【0039】
より詳細には、ローラー23はボード本体22の下面前端に設けられたトップローラーであり、ローラー24はボード本体22の下面後端に設けられたテールローラーであり、ローラー25はボード本体22の下面における前寄り部分と後寄り部分に左右一対ずつ設けられたメインローラーである。
【0040】
トップローラー23とテールローラー24は、軸受32に支持されたシャフト27の両端に左右一対で設けられており、メインローラー25は軸受26に支持されたシャフト27の外側端に設けられている。そして、各ローラー23・24・25は後述する機構によって懸架されている。
【0041】
すなわち、図6に示すように、ボード本体22の下面にビス28によって方形のベースプレート29が取り付けられ、ベースプレート29の下面中央にはショックアブソーバー31が垂下されており、ショックアブソーバー31の下端は、後述する軸受26・32の上部に固定されている。軸受26・32には、ローラー23・24・25のシャフト27が挿通され、シャフト27の端部にはナット33が一体に形成されている。また、ショックアブソーバー31にはコイルスプリング30が装着されている。
【0042】
本実施形態に係るスケートボード21によれば、各ローラー23・24・25が独立懸架式であるため、路面の滑走時において、いずれかのローラー23・24・25が路面の凸部や石ころに衝突した場合でも、その衝突したローラーだけが押し上げられ、他のローラーは影響されないため、当該スケートボード21全体としては安定した状態が維持される。しかも、本実施形態のスケートボード21についても、前記発明の効果で述べた力蓄積作用が得られることは勿論である。
【0043】
また、ショックアブソーバー31によって、滑走時の振動が吸収されるため、使用者は振動による不快感を感ずることなく、スムーズで効率的な滑走が行えることとなる。
【0044】
本実施形態では、各ローラー23・24・25に前記ショックアブソーバー31を設ける他、メインローラー25のみにショックアブソーバー31を設けても良い。
【0045】
(実施形態3)
【0046】
図7〜図9に示すように、41はローラースケート靴であって、靴本体42と、靴本体42の下面における前側寄り部分と後側寄り部分にそれぞれ左右一対の独立懸架式のローラー43が取り付けられている。
【0047】
ローラー43の懸架構造は、前記実施形態2と基本的に同様であり、靴本体42の下面に一体に固定されたシャシー44に方形のベースプレート45がビス46によって取り付けられ、ベースプレート45の下面中央には、ショックアブソーバー47が垂下されており、ショックアブソーバー47の下端は、後述する軸受47の上部に固定されている。軸受47には、ローラー43のシャフト48が挿通され、シャフト48の端部には止めナット51が螺着されている。また、ショックアブソーバー47にはコイルスプリング52が装着されている。なお、図中40は、ローラー43の内周に装着されたボールベアリングを示す。
【0048】
本実施形態に係るローラースケート靴41も前記実施形態2に係るスケートボード21と同様の滑走効果が得られる。
【0049】
(実施形態4)
【0050】
図10および図11に示すように、61はインラインスケート靴であって、靴本体62と、靴本体62の下面に一体に固定されたシャシー63に前後一列に取り付けられた独立懸架式の4つのローラー64とを有している。
【0051】
シャシー63は、正面からみて略T形であって、その垂下壁63aにビス65によってベースプレート66が取り付けられ、ベースプレート66の下面両側寄り部分にショックアブソーバー67がそれぞれ配置され、ショックアブソーバー67の下端はそれぞれ軸受68に固定されており、両側の軸受68によってローラー64のシャフト69が支持されている。また、各ショックアブソーバー67にはコイルスプリング71が装着されている。なお、図中60は、ローラー64内周のボールベアリングを示す。
【0052】
本実施形態に係るインラインスケート靴61は、4つのローラー64が独立懸架式で靴本体62に直接的に取り付けられているため、前記実施形態3に係るローラースケート靴41と同様、路面の凹凸の影響が大幅に軽減されつつ、スムーズで効率的な滑走が行える。
【0053】
(実施形態5)
【0054】
図12〜図13に示すように、81はスラップスケート靴であって、靴本体82と、靴本体82の下方にカップ83・84を介して設けられたブレード85とを有している。ブレード85は、靴本体82の幅中央に一枚設けられ、カップ83・84は、つま先側と踵側部の二箇所に設けられている。なお、ブレード85は、靴本体82の幅方向に二列設けることもできる。
【0055】
つま先側のカップ83は、靴本体82の下面に一体に固定されたシャシー86とヒンジ87を介して連結されている。一方、踵側のカップ84は、図14に示すように、シャシー86から開離自在となされており、また両カップ83・84間において、ブレード85とシャシー86とが戻りスプリング88によって連結されている。
【0056】
カップ83・84の構造について詳述すると、いずれのカップも図13に示すように、下側が開口した有底円筒状の大径上側半部80Aと、大径上側半部80A内に進入自在となされ、上側が開口した有底円筒状の小径下側半部80Bとに二分割され、両半部80A・80B間にはコイルスプリング89が内蔵されている。
【0057】
そして、カップ83においては、大径上側半部80Aがヒンジ87に連結され、小径下側半部80Bがブレード85に固定されている。
【0058】
カップ84においては、大径上側半部80Aの上部に皿状の支持受台91が一体に設けられ、該支持受台91に対してシャシー86下面に設けられた凸部92が磁力で当接するようになされ、小径下側半部80Bはブレード85に固定されている。
【0059】
なお、図中90は、戻りスプリング88を接続するために、シャシー86下面およびブレード85上部に一体に形成されたシャックルを示す。
【0060】
本実施形態のスラップスケート靴81によれば、従来のスラップスケート靴と同様にブレード85が氷面に接触している時間がより長くなるだけでなく、氷面に作用する使用者の力がより持続されるため、効率的な滑走が更に促進される。
【0061】
図15〜図17は、本発明における懸架機構の他の実施形態であり、前述した各実施形態における懸架機構と置き換えることができる。
【0062】
図15および図16に示す懸架機構について説明すると、靴本体やボード本体等の本体側部101と、ブレードやローラー等の滑走用側部102との間において、中央にショックアブソーバー93が設けられ、その両側に戻りスプリング94がそれぞれ装着されており、戻りスプリング94は、両側のガイド壁95によって折れ曲がることなく、上下方向に作用にするように保持されている。ガイド壁95は、図16に示すように、正面から見て略鼓形であって、上下一対の板状部材95A・95Bとからなり、下側板状部材95Bにはスリット96が形成され、上側板状部材95Aの外面下端には先端に皿形頭部97aが一体に形成された係合ピン97が一体に形成され、そして、該係合ピン97がスリット96に挿通されて、上側板状部材95Aと下側板状部材95Bがスライドするようになされている。
【0063】
図17に示す懸架機構は、コイルスプリング98を用いたバネ機構にショックアブソーバー99を直列的に設けたものである。
【0064】
(実施形態6)
【0065】
図18〜図20に示すように、111はスラップスケート靴であって、靴本体112と、靴本体112の下方に3つのカップ113〜115を介して設けられたブレード116とを有している。ブレード116は、本実施形態では、靴本体112の底面における幅中央に一枚設けられている。カップ113〜115のうち、カップ113は前部、カップ115は後部、カップ114はカップ113とカップ116の中間に設けられている。
【0066】
またカップ113は、前述した実施形態5におけるカップ83と同様、靴本体112の下面に一体に固定されたシャシー117(靴本体底部)とヒンジ118を介して連結されている。一方、カップ114およびカップ115は、シャシー117から開離自在となされ、カップ113とカップ114間並びにカップ114とカップ115間に介在された第一戻りスプリング118および第二戻りスプリング119によって、常にブレード116が靴本体112側へ付勢される構造となされている。各カップ113〜115の構造は、実施形態5におけるカップ83・84と同様である。
【0067】
そして、シャシー117におけるカップ113の上方位置およびカップ114の上方位置にはそれぞれ後述する屈曲用ヒンジ部121・122が設けられている。すなわち、図21に示すように、各ヒンジ部121・122では、シャシー117が前後で分割され、その前後のシャシー部材117a・117b同士が回転支軸123を備えた一般的なヒンジ機構によって折り曲げ自在となされ、また回転支軸123の長さ中央部分には戻りスプリング124が装着されている。
【0068】
本実施形態のスラップスケート靴111によれば、使用者がリンク上で加速したり、或いはコーナリングする際には、図19に示すように、靴本体112のシャシー117が屈曲用第一ヒンジ部121において折れ曲がると共に、靴本体112の踵側部分がカップ115から上方へ開離し、更に図20に示すように、シャシー117は屈曲用第二ヒンジ部122においても同様に折れ曲がると共に、靴本体112はカップ114からも上方へ開離する。その結果、靴本体112は、その踵側部分が氷面をとらえているブレード116から大きく上方へ屈曲することが可能となる。そのため、従来の市販のスラップスケート靴に比べてより大きな加速力や優れたコーナリング性を得ることができる。しかもこれが前述した本発明に係るスケート靴の力蓄積作用と相俟って大幅な滑走力向上を実現することができる。
【0069】
なお、第一戻りスプリング118および第二戻りスプリング119は、前記屈曲用第一・第二ヒンジ部121・122によって開離される靴本体112とブレード116とを互いに接近させるように作用する。
【0070】
本実施形態のスケート靴111は、3つのカップ113〜115と二箇所の屈曲用ヒンジ部121・122および二本の戻りスプリング118・119を有する構造であったが、前部と踵部の中間に位置するカップ114および該部における屈曲用第一ヒンジ部121および第二戻りスプリング119を省略する場合もある。この他、靴本体112の底部にあたるシャシー117自体をゴムやプラスチック等の可撓性材料で構成することにより、前記と同様にシャシー117を前後方向に折り曲げ可能とするようにしても良い。
【0071】
(実施形態7)
【0072】
図22〜図24に示すように、本実施形態のスラップスケート靴131は、前記実施形態6のスケート靴111の変形例であって、実施形態6のスケート靴111と同様、靴本体132の下部に3つのカップ133〜135を有すると共に、シャシー137に屈曲用の第一および第二ヒンジ部138・139が設けられているが、本実施形態では、靴本体132とブレード136とを連結するヒンジ141が前部のカップ133ではなく、中央のカップ134の上部に設けられている。また、戻りスプリング142は本実施形態では中央のカップ134と踵部側のカップ135との間にのみ設けられている。
【0073】
本実施形態のスケート靴131によれば、使用者がリンク上で加速したり、或いはコーナリングする際には、図23に示すように、靴本体132のシャシー137が屈曲用第一ヒンジ部138において折れ曲がると共に、靴本体132の踵側部分がカップ135から上方へ開離し、更に図24に示すように、シャシー137は屈曲用第二ヒンジ部139においても同様に折れ曲がる。この際、本実施形態では、中央に靴本体132とブレード136とを連結するヒンジ141が設けられているため、屈曲用第二ヒンジ部139において、靴本体132が大きく折れ曲がった状態となり、これによって使用者の推進力が有効に利用されることとなる。
【0074】
(実施形態8)
【0075】
図25に示すように、本実施形態のスラップスケート靴141は靴本体142の底部およびその下方のカップ並びにブレードについては、前記実施形態6と同様である。
【0076】
本実施形態のスケート靴141では、靴本体142の甲皮部およびその爪先側部分に小溝143が靴幅方向に伸びる蛇腹状部144A・144Bが設けられており、該蛇腹状部144A・144Bは、より詳細には、靴本体142のシャシー145における屈曲用第一・第二ヒンジ部146・147を基点として側面から見て上方へ扇形に広がるように形成されている。
【0077】
本実施形態のスケート靴141によれば、滑走時において、前記実施形態6のスケート靴111と同様の作用効果が得られる上、靴本体142が容易に屈曲することとなるため、更にその作用効果が増幅され得る。
【0078】
また、本実施形態はスラップスケート靴141であったが、ブレードに代えて複数のローラーを有するローラースケート靴とする場合もある。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明のスケート具によれば、効率的でスムーズな滑走が誰でも容易に行えるため、幅広い利用が期待できる。
【符号の説明】
【0080】
1 アイススケート靴
2 靴本体
3 カップ
4 ブレード
5 ボトムプレート
6・7 筒状部材
8 コイルスプリング
【技術分野】
【0001】
本発明は、氷面を滑るためのアイススケート靴や路面を走行するためのローラースケート靴(インラインスケート靴を含む)およびスケートボード(本明細書において「スケート具」という)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、滑走を補助する機構を備えたスケート具としては、以下のようなものが知られている。
【0003】
先ず、アイススケート靴では、靴本体とブレードとの間にリンク機構およびショックアブソ−バーを備えたものが知られている。この靴は、三箇所の支点を有するリンクと該リンクに組み込まれたショックアブソ−バーとによって、使用者の身体的特性に合った靴の調整を機械的に行うものである。
【0004】
ローラースケート靴としては、靴本体とローラーとの間に略菱形の中空状フレームを介在させ、該フレーム内にゴム片やコイルスプリング等の弾性体を内蔵したものが知られている。
【0005】
また、他のローラースケート靴としては、前後一対のコイルスプリングと、これらを連係させるリンク部材とを備え、ジャンプを容易に行うようにしたものも知られている。
【0006】
この他、別のローラースケート靴(インラインスケート靴)としては、逆U形のスライドシートとコイルスプリングとによって、中央部分のローラーを緩衝することにより、滑走時における路面からの衝撃を緩和するようにしたものも知られている。
【0007】
更に他のローラースケート靴(インラインスケート靴)としては、靴本体とローラーとの間に楕円形のループ状部材を介在させ、該ループ状部材でローラーを支持することにより、滑走性能を高めるようにしたものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−290855号公報
【特許文献2】実用新案登録第3090667号公報
【特許文献3】実用新案登録第3035582号公報
【特許文献4】実用新案登録第3075838号公報
【特許文献5】特表平11−508471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述したいずれのものも滑走性能を高める機構を有するが、構造が複雑であって、通常のスケート靴に比べてかなり高価となる上、使用にあたって、細かなセッティングを必要としたり、履くのに手間を要する等、使い難い面が多かった。
【0010】
本発明の目的は、簡単な構造で、大幅な滑走性能の向上が図れる滑走用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の本発明は、足を載せるか、または足を入れる本体部と、本体部の下方に設けられた滑走用部とを有するスケート具であって、本体部と滑走用部との間に上下方向に作用する複数の弾性体が介在され、すべての弾性体が本体部を直接的に支持する構造となされているスケート具である。
【0012】
請求項2記載の本発明は、前記請求項1記載のスケート具について、全体形態がアイススケート靴であり、本体部が靴本体であり、滑走用部がブレードであり、弾性体が靴本体とブレードとの間に介在されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項3記載の本発明は、前記請求項2記載のスケート具について、ブレードが靴本体の幅方向に二枚設けられ、各ブレードと靴本体との間に弾性体がそれぞれ介在されていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項4記載の本発明は、前記請求項2または請求項3記載のスケート具について、全体形態がスラップスケート靴であって、弾性体が少なくとも靴本体のつま先側部と踵部の下方にそれぞれ設けられ、つま先側部の弾性体はヒンジを介して靴本体と連結され、踵部の弾性体は靴本体と開離自在となされており、両弾性体間における靴本体とブレードとが戻りスプリングによって連結されていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項5記載の本発明は、前記請求項1記載のスケート具について、全体形態がローラースケート靴であり、本体部が靴本体であり、滑走用部が複数のローラーであり、弾性体が靴本体と各ローラーとの間に個別に介在された独立懸架式となされていることを特徴とするものである。
【0016】
請求項6記載の本発明は、前記請求項1記載のスケート具について、全体形態がスケートボードであり、本体部がボード部であり、滑走用部が複数のローラーであり、弾性体がボード部と各ローラーとの間に個別に介在された独立懸架式となされていることを特徴とするものである。
【0017】
請求項7記載の本発明は、前記請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項記載のスケート具について、弾性体と共にショックアブソーバーが設けられているものである。
【0018】
請求項8記載の本発明は、前記請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項記載のスケート具について、弾性体がコイルスプリングであることを特徴とするものである。
【0019】
なお、本願において、弾性体としては、前述したコイルスプリングの他、板状バネも含まれ、更に、中空の蛇腹状本体に空気や不活性気体を封入したもの、或いはゴム状弾性を有するもの等が挙げられる。
【0020】
請求項9記載の本発明は、前記請求項4または請求項5記載のスケート具について、靴本体の底部に一ないし複数の屈曲用ヒンジ部が設けられるか、または靴本体の底部を屈曲自在な材料で構成することにより、靴本体の底部が前後方向に折り曲げ可能となされていることを特徴とするものである。
【0021】
請求項10記載の本発明は、前記請求項9または請求項10記載のスケート具について、靴本体における甲皮部から爪先部にかけて少なくとも一箇所に蛇腹状部が形成されたことを特徴とするものである。
【0022】
請求項11記載の本発明は、請求項4または請求項5記載のスケート具について、全体形態がスラップスケート靴であって、弾性体が靴本体のつま先側部と踵部およびその中間位置の各下方にそれぞれ設けられ、前記中間位置の弾性体はヒンジを介して靴本体と連結され、踵部の弾性体は靴本体と開離自在となされ、踵部と中間位置の両弾性体間における靴本体とブレードとが戻りスプリングで連結されており、靴本体の底部には、前記爪先側部および中間位置における弾性体と対応して屈曲用ヒンジ部が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0023】
スケート具は、脚力を中心として滑走を行うものであるが、一定距離をより速く滑走するためには脚力を有効に使うことが求められる。例えば、アイススケートの場合、一方の足に装着したスケート靴のエッジによって氷面を蹴りつつ、他方の足に装着したスケート靴を前方へ繰り出すという動作を左右交互に行うことによって滑走が連続的に行われる。この際、腰、膝および足首を曲げて、より低い前傾姿勢をとることで下半身のバネをつくり出し、より大きな推進力を得ている。そして、より効率的なスケーティングを行うためには、脚力を中心として出力される体の力を高いレベルを維持しつつ、できるだけ長い時間、氷面に作用させる必要がある。
【0024】
本発明のスケート具は、その本体部と滑走用部との間に弾性体を介在させ、且つ該弾性体が本体部を直接的に支持する構造となされているため、足で本体部に加えられた力が一旦、弾性体に蓄積され、その蓄積された力が該弾性体を介してより持続的な力となって滑走部に伝えられることとなる。そのため、使用者自身の推進力を、短時間で消失させることなく、該力を常に平準化して、且つ高いレベルで、より長い時間にわたって滑走部に加えることが可能となるのである。その結果、使用者は誰でも、常に効率的な滑走を容易に行うことができ、少ない力でより大きな推進力を得ることが実現される。
【0025】
更に、独立懸架式とした本発明に係るローラースケートやスケートボードによれば、各ローラーが個別に前述した効率的で大きな推進力で回転され、また路面に局部的な凹凸がある場合でも、全ローラーが凹凸の影響を受けずに、凹凸に遭遇したローラーだけが影響を受け、他のローラーは最大限の増幅された推進力を生み出すため、安定的且つ効率的な滑走が可能となる。
【0026】
また、ショックアブソーバーも設けた本発明のスケート具によれば、滑走時に使用者の足に伝わる振動が軽減され、これが前述した効率的で大きな推進力と相俟って、より速くてスムーズな滑走が行える。
【0027】
この他、靴本体の底部に屈曲用ヒンジ部を備えたスケート具によれば、靴本体が容易に屈曲するため、前述した力蓄積効果が更に向上すると共に、推進力も増強されるため、加速性が向上すると共に、コーナリング時の安定性も増加するという利点がある。しかもスケート具の使用者は、靴本体が容易に屈曲することで前傾姿勢をとりやすくなり、その結果、滑走時の空気抵抗を低減させることができる。
【0028】
また、靴本体の甲皮部から爪先部にかけて蛇腹状部を備えた本発明に係るスケート具によれば、前述した効果が更に増強され得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態1に係るアイススケート靴の側面図である。
【図2】同実施形態に係るアイススケート靴の正面図である。
【図3】実施形態1の変形例を示すアイススケート靴の正面図である。
【図4】実施形態2に係るスケートボードの底面図である。
【図5】同実施形態に係るスケートボードの側面図である。
【図6】同実施形態におけるローラー部分の拡大側面図である。
【図7】実施形態3に係るローラースケート靴の平面図である。
【図8】同実施形態に係るローラースケート靴の側面図である。
【図9】同実施形態におけるローラー部分の拡大正面図である。
【図10】実施形態4に係るインラインスケート靴の側面図である。
【図11】同実施形態におけるローラー部分の拡大正面図である。
【図12】実施形態5に係るスラップスケート靴の側面図である。
【図13】同スラップスケート靴におけるバネ機構の拡大断面図である。
【図14】同スラップスケート靴の踵部が上がった状態を示す側面図である。
【図15】本発明に係る他のバネ機構を示す正面図である。
【図16】同機構の側面図である。
【図17】本発明に係る更に他のバネ機構を示す正面図である。
【図18】実施形態6に係るスラップスケート靴を示す側面図である。
【図19】同実施形態のスケート靴であって、踵部だけが浮いた状態を示す側面図である。
【図20】同実施形態のスケート靴であって、中足骨下部まで浮いた状態を示す側面図である。
【図21】同実施形態のスケート靴における屈曲用ヒンジ部を拡大して示す斜視図である。
【図22】実施形態7に係るスラップスケート靴を示す側面図である。
【図23】同実施形態のスケート靴であって、踵部だけが浮いた状態を示す側面図である。
【図24】同実施形態のスケート靴であって、靴の最大屈曲状態を示す側面図である。
【図25】実施形態8に係るスラップスケート靴を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(実施形態1)
【0031】
図1および図2に示すように、1はアイススケート靴であって、靴本体2と、靴本体2の下方にカップ3を介して一体に設けられたブレード4とを有している。ブレード4は、靴本体2の幅中央に一枚設けられ、カップ3はつま先側部と踵側部の二箇所に設けられている。
【0032】
そして、各カップ3は、上下に二分割され、靴本体2のシャシー5に固定された上側半部3Aとブレード4に固定された下側半部3Bとを有しており、また上側半部3A内には下側が開口した大径有底筒状部材6が設けられ、下側半部3B内には上側が開口した小径有底筒状部材7が設けられ、小径有底筒状部材7は大径有底筒状部材6内に進入自在となされており、これら筒状部材6・7内には上下方向に伸びるコイルスプリング8が嵌め込まれている。
【0033】
本実施形態のアイススケート靴1は、一般のものと同様、靴本体2に足を入れて靴紐9を結ぶことで履くことができる。そして、通常のスケーティングフォームで滑走を行うだけで前記発明の効果で述べたような力蓄積による効率的な滑走が行える。
【0034】
図3は、本発明の変形例であって、前記ブレード4を靴本体2の幅方向に2枚(4A・4B)並列的に設けたものである。
【0035】
この場合、ブレード4A・4Bが左右に二枚あることで、スケートの初心者でも容易に氷面に安定的に立つことができる上、通常のスケーティングフォームで滑走を行えば、内側のブレード4Aが主となって滑走が行われるが、外側のブレード4Bも氷面をとらえているため、前記発明の効果で述べた力蓄積による効率的な滑走が更に増長される。
【0036】
本実施形態では、カップ3は、靴本体2下方の前後2箇所に設けたが、更にそれらの間にもう一箇所設けても良いし、或いは該部にショックアブソーバーを設けても良い。
【0037】
(実施形態2)
【0038】
図4〜図6に示すように、21はスケートボードであって、ボード本体22と、ボード本体22の下面に設けられた複数の独立懸架式ローラー23・24・25とを有している。
【0039】
より詳細には、ローラー23はボード本体22の下面前端に設けられたトップローラーであり、ローラー24はボード本体22の下面後端に設けられたテールローラーであり、ローラー25はボード本体22の下面における前寄り部分と後寄り部分に左右一対ずつ設けられたメインローラーである。
【0040】
トップローラー23とテールローラー24は、軸受32に支持されたシャフト27の両端に左右一対で設けられており、メインローラー25は軸受26に支持されたシャフト27の外側端に設けられている。そして、各ローラー23・24・25は後述する機構によって懸架されている。
【0041】
すなわち、図6に示すように、ボード本体22の下面にビス28によって方形のベースプレート29が取り付けられ、ベースプレート29の下面中央にはショックアブソーバー31が垂下されており、ショックアブソーバー31の下端は、後述する軸受26・32の上部に固定されている。軸受26・32には、ローラー23・24・25のシャフト27が挿通され、シャフト27の端部にはナット33が一体に形成されている。また、ショックアブソーバー31にはコイルスプリング30が装着されている。
【0042】
本実施形態に係るスケートボード21によれば、各ローラー23・24・25が独立懸架式であるため、路面の滑走時において、いずれかのローラー23・24・25が路面の凸部や石ころに衝突した場合でも、その衝突したローラーだけが押し上げられ、他のローラーは影響されないため、当該スケートボード21全体としては安定した状態が維持される。しかも、本実施形態のスケートボード21についても、前記発明の効果で述べた力蓄積作用が得られることは勿論である。
【0043】
また、ショックアブソーバー31によって、滑走時の振動が吸収されるため、使用者は振動による不快感を感ずることなく、スムーズで効率的な滑走が行えることとなる。
【0044】
本実施形態では、各ローラー23・24・25に前記ショックアブソーバー31を設ける他、メインローラー25のみにショックアブソーバー31を設けても良い。
【0045】
(実施形態3)
【0046】
図7〜図9に示すように、41はローラースケート靴であって、靴本体42と、靴本体42の下面における前側寄り部分と後側寄り部分にそれぞれ左右一対の独立懸架式のローラー43が取り付けられている。
【0047】
ローラー43の懸架構造は、前記実施形態2と基本的に同様であり、靴本体42の下面に一体に固定されたシャシー44に方形のベースプレート45がビス46によって取り付けられ、ベースプレート45の下面中央には、ショックアブソーバー47が垂下されており、ショックアブソーバー47の下端は、後述する軸受47の上部に固定されている。軸受47には、ローラー43のシャフト48が挿通され、シャフト48の端部には止めナット51が螺着されている。また、ショックアブソーバー47にはコイルスプリング52が装着されている。なお、図中40は、ローラー43の内周に装着されたボールベアリングを示す。
【0048】
本実施形態に係るローラースケート靴41も前記実施形態2に係るスケートボード21と同様の滑走効果が得られる。
【0049】
(実施形態4)
【0050】
図10および図11に示すように、61はインラインスケート靴であって、靴本体62と、靴本体62の下面に一体に固定されたシャシー63に前後一列に取り付けられた独立懸架式の4つのローラー64とを有している。
【0051】
シャシー63は、正面からみて略T形であって、その垂下壁63aにビス65によってベースプレート66が取り付けられ、ベースプレート66の下面両側寄り部分にショックアブソーバー67がそれぞれ配置され、ショックアブソーバー67の下端はそれぞれ軸受68に固定されており、両側の軸受68によってローラー64のシャフト69が支持されている。また、各ショックアブソーバー67にはコイルスプリング71が装着されている。なお、図中60は、ローラー64内周のボールベアリングを示す。
【0052】
本実施形態に係るインラインスケート靴61は、4つのローラー64が独立懸架式で靴本体62に直接的に取り付けられているため、前記実施形態3に係るローラースケート靴41と同様、路面の凹凸の影響が大幅に軽減されつつ、スムーズで効率的な滑走が行える。
【0053】
(実施形態5)
【0054】
図12〜図13に示すように、81はスラップスケート靴であって、靴本体82と、靴本体82の下方にカップ83・84を介して設けられたブレード85とを有している。ブレード85は、靴本体82の幅中央に一枚設けられ、カップ83・84は、つま先側と踵側部の二箇所に設けられている。なお、ブレード85は、靴本体82の幅方向に二列設けることもできる。
【0055】
つま先側のカップ83は、靴本体82の下面に一体に固定されたシャシー86とヒンジ87を介して連結されている。一方、踵側のカップ84は、図14に示すように、シャシー86から開離自在となされており、また両カップ83・84間において、ブレード85とシャシー86とが戻りスプリング88によって連結されている。
【0056】
カップ83・84の構造について詳述すると、いずれのカップも図13に示すように、下側が開口した有底円筒状の大径上側半部80Aと、大径上側半部80A内に進入自在となされ、上側が開口した有底円筒状の小径下側半部80Bとに二分割され、両半部80A・80B間にはコイルスプリング89が内蔵されている。
【0057】
そして、カップ83においては、大径上側半部80Aがヒンジ87に連結され、小径下側半部80Bがブレード85に固定されている。
【0058】
カップ84においては、大径上側半部80Aの上部に皿状の支持受台91が一体に設けられ、該支持受台91に対してシャシー86下面に設けられた凸部92が磁力で当接するようになされ、小径下側半部80Bはブレード85に固定されている。
【0059】
なお、図中90は、戻りスプリング88を接続するために、シャシー86下面およびブレード85上部に一体に形成されたシャックルを示す。
【0060】
本実施形態のスラップスケート靴81によれば、従来のスラップスケート靴と同様にブレード85が氷面に接触している時間がより長くなるだけでなく、氷面に作用する使用者の力がより持続されるため、効率的な滑走が更に促進される。
【0061】
図15〜図17は、本発明における懸架機構の他の実施形態であり、前述した各実施形態における懸架機構と置き換えることができる。
【0062】
図15および図16に示す懸架機構について説明すると、靴本体やボード本体等の本体側部101と、ブレードやローラー等の滑走用側部102との間において、中央にショックアブソーバー93が設けられ、その両側に戻りスプリング94がそれぞれ装着されており、戻りスプリング94は、両側のガイド壁95によって折れ曲がることなく、上下方向に作用にするように保持されている。ガイド壁95は、図16に示すように、正面から見て略鼓形であって、上下一対の板状部材95A・95Bとからなり、下側板状部材95Bにはスリット96が形成され、上側板状部材95Aの外面下端には先端に皿形頭部97aが一体に形成された係合ピン97が一体に形成され、そして、該係合ピン97がスリット96に挿通されて、上側板状部材95Aと下側板状部材95Bがスライドするようになされている。
【0063】
図17に示す懸架機構は、コイルスプリング98を用いたバネ機構にショックアブソーバー99を直列的に設けたものである。
【0064】
(実施形態6)
【0065】
図18〜図20に示すように、111はスラップスケート靴であって、靴本体112と、靴本体112の下方に3つのカップ113〜115を介して設けられたブレード116とを有している。ブレード116は、本実施形態では、靴本体112の底面における幅中央に一枚設けられている。カップ113〜115のうち、カップ113は前部、カップ115は後部、カップ114はカップ113とカップ116の中間に設けられている。
【0066】
またカップ113は、前述した実施形態5におけるカップ83と同様、靴本体112の下面に一体に固定されたシャシー117(靴本体底部)とヒンジ118を介して連結されている。一方、カップ114およびカップ115は、シャシー117から開離自在となされ、カップ113とカップ114間並びにカップ114とカップ115間に介在された第一戻りスプリング118および第二戻りスプリング119によって、常にブレード116が靴本体112側へ付勢される構造となされている。各カップ113〜115の構造は、実施形態5におけるカップ83・84と同様である。
【0067】
そして、シャシー117におけるカップ113の上方位置およびカップ114の上方位置にはそれぞれ後述する屈曲用ヒンジ部121・122が設けられている。すなわち、図21に示すように、各ヒンジ部121・122では、シャシー117が前後で分割され、その前後のシャシー部材117a・117b同士が回転支軸123を備えた一般的なヒンジ機構によって折り曲げ自在となされ、また回転支軸123の長さ中央部分には戻りスプリング124が装着されている。
【0068】
本実施形態のスラップスケート靴111によれば、使用者がリンク上で加速したり、或いはコーナリングする際には、図19に示すように、靴本体112のシャシー117が屈曲用第一ヒンジ部121において折れ曲がると共に、靴本体112の踵側部分がカップ115から上方へ開離し、更に図20に示すように、シャシー117は屈曲用第二ヒンジ部122においても同様に折れ曲がると共に、靴本体112はカップ114からも上方へ開離する。その結果、靴本体112は、その踵側部分が氷面をとらえているブレード116から大きく上方へ屈曲することが可能となる。そのため、従来の市販のスラップスケート靴に比べてより大きな加速力や優れたコーナリング性を得ることができる。しかもこれが前述した本発明に係るスケート靴の力蓄積作用と相俟って大幅な滑走力向上を実現することができる。
【0069】
なお、第一戻りスプリング118および第二戻りスプリング119は、前記屈曲用第一・第二ヒンジ部121・122によって開離される靴本体112とブレード116とを互いに接近させるように作用する。
【0070】
本実施形態のスケート靴111は、3つのカップ113〜115と二箇所の屈曲用ヒンジ部121・122および二本の戻りスプリング118・119を有する構造であったが、前部と踵部の中間に位置するカップ114および該部における屈曲用第一ヒンジ部121および第二戻りスプリング119を省略する場合もある。この他、靴本体112の底部にあたるシャシー117自体をゴムやプラスチック等の可撓性材料で構成することにより、前記と同様にシャシー117を前後方向に折り曲げ可能とするようにしても良い。
【0071】
(実施形態7)
【0072】
図22〜図24に示すように、本実施形態のスラップスケート靴131は、前記実施形態6のスケート靴111の変形例であって、実施形態6のスケート靴111と同様、靴本体132の下部に3つのカップ133〜135を有すると共に、シャシー137に屈曲用の第一および第二ヒンジ部138・139が設けられているが、本実施形態では、靴本体132とブレード136とを連結するヒンジ141が前部のカップ133ではなく、中央のカップ134の上部に設けられている。また、戻りスプリング142は本実施形態では中央のカップ134と踵部側のカップ135との間にのみ設けられている。
【0073】
本実施形態のスケート靴131によれば、使用者がリンク上で加速したり、或いはコーナリングする際には、図23に示すように、靴本体132のシャシー137が屈曲用第一ヒンジ部138において折れ曲がると共に、靴本体132の踵側部分がカップ135から上方へ開離し、更に図24に示すように、シャシー137は屈曲用第二ヒンジ部139においても同様に折れ曲がる。この際、本実施形態では、中央に靴本体132とブレード136とを連結するヒンジ141が設けられているため、屈曲用第二ヒンジ部139において、靴本体132が大きく折れ曲がった状態となり、これによって使用者の推進力が有効に利用されることとなる。
【0074】
(実施形態8)
【0075】
図25に示すように、本実施形態のスラップスケート靴141は靴本体142の底部およびその下方のカップ並びにブレードについては、前記実施形態6と同様である。
【0076】
本実施形態のスケート靴141では、靴本体142の甲皮部およびその爪先側部分に小溝143が靴幅方向に伸びる蛇腹状部144A・144Bが設けられており、該蛇腹状部144A・144Bは、より詳細には、靴本体142のシャシー145における屈曲用第一・第二ヒンジ部146・147を基点として側面から見て上方へ扇形に広がるように形成されている。
【0077】
本実施形態のスケート靴141によれば、滑走時において、前記実施形態6のスケート靴111と同様の作用効果が得られる上、靴本体142が容易に屈曲することとなるため、更にその作用効果が増幅され得る。
【0078】
また、本実施形態はスラップスケート靴141であったが、ブレードに代えて複数のローラーを有するローラースケート靴とする場合もある。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明のスケート具によれば、効率的でスムーズな滑走が誰でも容易に行えるため、幅広い利用が期待できる。
【符号の説明】
【0080】
1 アイススケート靴
2 靴本体
3 カップ
4 ブレード
5 ボトムプレート
6・7 筒状部材
8 コイルスプリング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足を載せるか、または足を入れる本体部と、本体部の下方に設けられた滑走用部とを有するスケート具であって、本体部と滑走用部との間に上下方向に作用する複数の弾性体が介在され、すべての弾性体が本体部を直接的に支持する構造となされている、スケート具。
【請求項2】
全体形態がアイススケート靴であって、本体部が靴本体であり、滑走用部がブレードであり、弾性体が靴本体とブレードとの間に介在されている、請求項1記載のスケート具。
【請求項3】
ブレードが靴本体の幅方向に二枚設けられ、各ブレードと靴本体との間に弾性体がそれぞれ介在されている、請求項2記載のスケート具。
【請求項4】
全体形態がスラップスケート靴であって、弾性体が少なくとも靴本体のつま先側部と踵部の下方にそれぞれ設けられ、つま先側部の弾性体はヒンジを介して靴本体と連結され、踵部の弾性体は靴本体と開離自在となされ、両弾性体間における靴本体とブレードとが戻りスプリングで連結されている、請求項2または請求項3記載のスケート具。
【請求項5】
全体形態がローラースケート靴であって、本体部が靴本体であり、滑走用部が複数のローラーであり、弾性体が靴本体と各ローラーとの間に個別に介在された独立懸架式となされている、請求項1記載のスケート具。
【請求項6】
全体形態がスケートボードであって、本体部がボード部であり、滑走用部が複数のローラーであり、弾性体がボード部と各ローラーとの間に個別に介在された独立懸架式となされている、請求項1記載のスケート具。
【請求項7】
弾性体と共にショックアブソーバーが設けられている、請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項記載のスケート具。
【請求項8】
弾性体がコイルスプリングである、請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項記載のスケート具。
【請求項9】
靴本体の底部に一ないし複数の屈曲用ヒンジ部が設けられるか、または靴本体の底部を屈曲自在な材料で構成することにより、靴本体の底部が前後方向に折り曲げ可能となされている、請求項4または請求項5記載のスケート具。
【請求項10】
靴本体における甲皮部から爪先部にかけて少なくとも一箇所に蛇腹状部が形成された請求項9または請求項10記載のスケート具。
【請求項11】
全体形態がスラップスケート靴であって、弾性体が靴本体のつま先側部と踵部およびその中間位置の各下方にそれぞれ設けられ、前記中間位置の弾性体はヒンジを介して靴本体と連結され、踵部の弾性体は靴本体と開離自在となされ、踵部と中間位置の両弾性体間における靴本体とブレードとが戻りスプリングで連結されており、靴本体の底部には、前記爪先側部および中間位置における弾性体と対応して屈曲用ヒンジ部が設けられている、請求項4または請求項5記載のスケート具。
【請求項1】
足を載せるか、または足を入れる本体部と、本体部の下方に設けられた滑走用部とを有するスケート具であって、本体部と滑走用部との間に上下方向に作用する複数の弾性体が介在され、すべての弾性体が本体部を直接的に支持する構造となされている、スケート具。
【請求項2】
全体形態がアイススケート靴であって、本体部が靴本体であり、滑走用部がブレードであり、弾性体が靴本体とブレードとの間に介在されている、請求項1記載のスケート具。
【請求項3】
ブレードが靴本体の幅方向に二枚設けられ、各ブレードと靴本体との間に弾性体がそれぞれ介在されている、請求項2記載のスケート具。
【請求項4】
全体形態がスラップスケート靴であって、弾性体が少なくとも靴本体のつま先側部と踵部の下方にそれぞれ設けられ、つま先側部の弾性体はヒンジを介して靴本体と連結され、踵部の弾性体は靴本体と開離自在となされ、両弾性体間における靴本体とブレードとが戻りスプリングで連結されている、請求項2または請求項3記載のスケート具。
【請求項5】
全体形態がローラースケート靴であって、本体部が靴本体であり、滑走用部が複数のローラーであり、弾性体が靴本体と各ローラーとの間に個別に介在された独立懸架式となされている、請求項1記載のスケート具。
【請求項6】
全体形態がスケートボードであって、本体部がボード部であり、滑走用部が複数のローラーであり、弾性体がボード部と各ローラーとの間に個別に介在された独立懸架式となされている、請求項1記載のスケート具。
【請求項7】
弾性体と共にショックアブソーバーが設けられている、請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項記載のスケート具。
【請求項8】
弾性体がコイルスプリングである、請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項記載のスケート具。
【請求項9】
靴本体の底部に一ないし複数の屈曲用ヒンジ部が設けられるか、または靴本体の底部を屈曲自在な材料で構成することにより、靴本体の底部が前後方向に折り曲げ可能となされている、請求項4または請求項5記載のスケート具。
【請求項10】
靴本体における甲皮部から爪先部にかけて少なくとも一箇所に蛇腹状部が形成された請求項9または請求項10記載のスケート具。
【請求項11】
全体形態がスラップスケート靴であって、弾性体が靴本体のつま先側部と踵部およびその中間位置の各下方にそれぞれ設けられ、前記中間位置の弾性体はヒンジを介して靴本体と連結され、踵部の弾性体は靴本体と開離自在となされ、踵部と中間位置の両弾性体間における靴本体とブレードとが戻りスプリングで連結されており、靴本体の底部には、前記爪先側部および中間位置における弾性体と対応して屈曲用ヒンジ部が設けられている、請求項4または請求項5記載のスケート具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2011−5242(P2011−5242A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112038(P2010−112038)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(307041872)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(307041872)
【Fターム(参考)】
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