説明

スプリンクラ消火設備およびその制御方法

【課題】二次側配管内の負圧に起因する過流量を防止し、過流量によるウォーターハンマの発生とこれによる設備の破損とを防止するスプリンクラ消火設備を得る。
【解決手段】二次側配管12の基端側に、消火用水の流出を防止する逆止弁38と開閉弁37とを設け、この開閉弁を予作動弁22の開弁に先立って開弁して二次側配管12内に外気を流入させ、流入する外気で二次側配管12内を大気圧にして過流量を防止するとともに、二次側配管12の末端部に外気流入を防止する逆止弁39とエアベント34とを設け、これを通じて二次側配管12内に圧送される消火用水によって二次側配管12内の空気が排気されるようにし、二次側配管12が充水される時間を短縮した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプリンクラ消火設備に関し、特に、予作動弁の二次側の配管を負圧状態にした予作動式のスプリンクラ消火設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、スプリンクラヘッドが接続された二次側配管内を圧縮気体で充填し、その二次側配管の基端側に予作動弁を設けた、加圧型予作動式スプリンクラ消火設備がある。この設備は、スプリンクラヘッドと同じ防護区画に設置された火災感知器が動作すると、予作動弁が開放し、二次側配管に充水するように構成されている。
【0003】
このような予作動式のスプリンクラ消火設備では、火災感知器とスプリンクラヘッドの両方が動作したときに消火用水が放水されるので水損を生じにくいが、竣工時等で通水試験を行った後に二次側配管を排水しても、スプリンクラヘッドが接続される立ち下がり管部分に水が残る場合があり、スプリンクラヘッドが破損した場合に漏水を起こすことがある。
【0004】
そこで、二次側配管に真空ポンプを接続し、配管内を負圧にした予作動式スプリンクラ消火設備が提案されている(例えば特許文献1参照)。この負圧型予作動式スプリンクラ消火設備では、二次側配管内は圧縮気体の代わりに負圧空気となるので、前述のような漏水が起こりにくい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公平6−26292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】

しかしながら、従来の負圧型の予作動式スプリンクラ消火設備は、設備が破損する虞がある。すなわち、火災感知器が動作して予作動弁が開放するとき、二次側配管内が負圧状態になっていることから、配管内を流れる水の流量が規定放水量を超えた過流量となり、ウォーターハンマが発生してスプリンクラ消火設備の配管が破損する虞がある。 本発明は上述のような課題を解決するためになされたものであり、配管内を流れる水の流量が過流量となることを防止し、過流量に起因するウォーターハンマによる設備の破損を防止するスプリンクラ消火設備を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るスプリンクラ消火設備は、予作動弁と、該予作動弁の二次側に設けられ、スプリンクラヘッドが接続され、平常時は充水されない二次側配管と、前記二次側配管に接続されて平常時は前記二次側配管内を負圧にする真空ポンプと、を備える予作動式のスプリンクラ消火設備において、一端が大気中に開放され、他端が逆止弁を介して前記二次側配管の基端側に接続され、前記予作動弁の開弁に先立って開弁され、外気を前記二次側配管内に流入させる常閉の開閉弁と、

二次側が大気中に開放される逆止弁の一次側に二次側が接続され、一次側が前記二次側配管の末端部に接続され、前記二次側配管内を消火用水が圧送されるときに、前記二次側配管内の空気を排出するエアベントと、を備えることを特徴とする。 また、本発明に係るスプリンクラ消火設備の制御方法は、予作動弁と、該予作動弁の二次側に設けられ、スプリンクラヘッドが接続され、平常時は充水されない二次側配管と、前記二次側配管に接続されて平常時は前記二次側配管内を負圧にする真空ポンプと、を備える予作動式のスプリンクラ消火設備の制御方法において、前記二次側配管の基端側に逆止弁の二次側を接続し、該逆止弁の一次側に他端が大気中に開放している常閉の開閉弁の一端を接続し、前記二次側配管の末端部にエアベントの一次側を接続し、該エアベントの二次側を逆止弁の一次側に接続し、該逆止弁の二次側を大気中に開放し、前記予作動弁の開弁に先だって前記開閉弁を開弁して前記二次側配管内に外気を流入させ、開弁した予作動弁から圧送される消火用水によって前記二次側配管内の空気を前記エアベントを介して排出するように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るスプリンクラ消火設備は、請求項1に記載の構成、または、請求項2に記載の制御方法によれば、送水開始時に二次側配管内を常圧にして、二次側配管内の負圧に起因する消火用水の過流量を防止するので、過流量に起因するウォーターハンマとこれによる設備の破損を防止することができる。また、二次側配管内を常圧にする際に遠隔操作で開弁する開閉弁を二次側配管の基端側に設け、機械的に自律的動作するエアベントと逆止弁を二次側配管末端側に設けたので、二次側末端への電線敷設が不要であり、制御するための電線を二次側配管基端部付近に集中させることができることから配線工事が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態に係るスプリンクラ消火設備の構成図である。
【図2】図1におけるエアベントの構成例を説明する図である。
【図3】図1におけるエアベントが二次側配管の空気を排出する動作を説明する図である。
【図4】図1におけるエアベントが閉止する動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1乃至図4に基づいて、本発明の実施の形態に係るスプリンクラ消火設備について説明する。
【0011】
まず図1を用いて、スプリンクラ消火設備の構成について説明する。
【0012】
本実施の形態のスプリンクラ消火設備は、スプリンクラヘッド2、予作動弁22、一次側配管11、二次側配管12、真空配管14、真空ポンプ24、流水遮断弁31、ヘッド作動検出装置46、真空スイッチ41および53、及び、加圧送水装置21等から構成されている。

防護区画1には、複数のスプリンクラヘッド2が設けられている。また、防護区画1には、防護区画1内で発生した火災を感知する火災感知器3が設けられている。この火災感知器3は火災受信機4と電気的に接続されており、火災感知器3の火災発報を受信した火災受信機4は、火災信号を消火システム制御盤5へ送出する。また、消火システム制御盤5は、中継器51を介して、予作動弁22を駆動する電動のパイロット弁である遠隔起動弁22bおよび予作動弁22の開放による消火用水の通水を検知する流水検知手段としての流水信号スイッチ22a、開放弁47、真空スイッチ41、ヘッド作動検出装置46、および、後述する開閉弁35と電気的に接続されており、さらに消火ポンプ制御盤6は加圧送水装置21と電気的に接続されている。消火システム制御盤5は、所定の圧力で作動する真空スイッチ41、または、単位時間当たりの圧力上昇が所定の値を超えるときに作動するヘッド作動検出装置46のいずれかが作動することによって、スプリンクラヘッド2が作動したかどうかを判断する。
【0013】
複数のスプリンクラヘッド2は各々立ち下がり配管13に接続されている。また、立ち下がり配管13のそれぞれは、二次側配管12に接続されている。この二次側配管12の一方の端部は、平常時は閉止しており火災時に電気的に開放される予作動弁22の一方の端部に接続されている。予作動弁22の他方の端部は、一次側配管11の一方の端部に接続されている。また、一次側配管11の他方の端部(基端側)は、加圧送水装置21の吐出口に接続されている。
【0014】
一方、二次側配管12の他方の端部は、末端試験弁25の一方の端部に接続されている。末端試験弁25の他方の端部には、排水配管16が接続されている。スプリンクラ消火設備の水漏れ試験等によって二次側配管12に充填された水は、末端試験弁25及び予作動弁22に備えた図示しない排水弁を開くことにより、外部に排出される。通常の監視状態においては、末端試験弁25は閉じられた状態となっている。
【0015】
また、二次側配管12には、真空配管14の一方の端部が接続されている。真空配管14の他方の端部には、真空ポンプ24が接続されている。
【0016】
この真空配管14には、二次側配管12との接続部側から真空ポンプ24側に向けて、二次側の圧力上昇で閉止する流水遮断弁31、真空スイッチ41、圧力上昇が所定の値以上で作動するヘッド作動検出装置46及びオリフィス42が順に設けられている。なお、スプリンクラヘッド破損時に立ち下がり配管13内の残っている水が漏れ出ぬように、二次側配管12内を強力に吸引するように負圧としたり、竣工時、通水試験後、等に、負圧とする時間を短縮したりするときに開放する開放弁47が、オリフィス42と並列に接続される。また、オリフィス42と真空ポンプ24との間の真空配管14には、真空スイッチ53が接続されており、真空配管14の内圧を所定の値以下とするように真空ポンプ制御盤52を介して、真空ポンプ24を制御している。
【0017】
さらに、二次側配管12は、基端側、すなわち予作動弁22側に逆止弁38を介して他端が大気中に開放されている開閉弁37の一端が接続され、また、末端部にはエアベント34の一次側が接続され、エアベント34の二次側には他端が大気中に開放されている逆止弁39の一端が接続されている。
【0018】
次に図2を用いてエアベント34の構成の一例について説明する。
【0019】
エアベント34は一次側接続部34a、二次側接続部34bを備え、配管に接続できるようになっており、その内部にはフロート室34cを備える。フロート室34c内には、水に浮くフロート34dが封入されており、その上部には流通路34fを介して二次側接続部34bと連通する開口部である弁座34eが備わる。エアベント34は、フロート室34cに水が入っていないときは、一次側接続部34aと二次側接続部34bとが連通し、互いに空気の流通があるが、一次側接続部34aからフロート室34cに水が流入して、フロート34dが浮き上がったときは、フロート34dが弁座34eを閉止する弁体として作用するようになっている。
<スプリンクラ消火設備の動作>
本実施の形態に係るスプリンクラ消火設備は、平常時の監視状態においては、二次側配管12は充水せず、真空ポンプ24を起動させて二次側配管12内及び真空配管14内が大気圧より低い負圧となっている、真空式の予作動式スプリンクラ消火設備である。
【0020】
以下、このスプリンクラ消火設備の動作について説明する。まず、スプリンクラヘッド2の作動を検出する動作について説明する。続いて、スプリンクラ消火設備の消火動作について説明する。
(スプリンクラヘッド作動検出動作)
スプリンクラヘッド2の作動を検出する動作について説明する。
【0021】
上述のように、通常の監視状態において、二次側配管12内及び真空配管14内は負圧となっている。これら二次側配管12内及び真空配管14内は、立ち下がり配管13とスプリンクラヘッド2との接続部等から徐々に空気が流入し、負圧である管内圧力が上がってくる(大気圧に近づいてくる)。負圧である二次側配管12内及び真空配管14内の圧力が所定の圧力以上となったことを真空スイッチ53で検出した場合、真空ポンプ制御盤52が真空ポンプ24を作動させて、二次側配管12内及び真空配管14内の負圧を一定以下の圧力に保っている。なお、負圧である二次側配管12内の圧力が上昇する場合には、スプリンクラヘッド2の作動によるものと、配管からの空気流入による場合とがある。ここでは、配管からの空気流入による圧力上昇を真空スイッチ53で検出し、スプリンクラヘッド2の作動による圧力上昇をヘッド作動検出装置46または真空スイッチ41で検出している。
【0022】
防護区画1で火災が発生し、スプリンクラヘッド2が作動すると(スプリンクラヘッド2の放水口が開放されると)、スプリンクラヘッド2の放水口から二次側配管12内及び真空配管14内に防護区画1の空気が流入する。これにより、負圧である二次側配管12内及び真空配管14内の圧力が上昇する。
【0023】
そこで、本実施の形態では、負圧である二次側配管12内及び真空配管14内の圧力を真空スイッチ41および真空スイッチ53で検出し、ヘッド作動検出装置46が所定時間当たりの圧力変化量に基づいてスプリンクラヘッド2の作動を検出している。より具体的には、平常状態において配管の接続部等から空気が流入する場合には、負圧である二次側配管12内及び真空配管14内の圧力上昇速度は小さい。つまり、平常状態における圧力の所定時間当たりの変化量は小さい。一方、スプリンクラヘッド2作動時においては、負圧である二次側配管12内及び真空配管14内の圧力上昇速度は、通常の監視状態の場合よりも大きくなる。つまり、スプリンクラヘッド2作動時における所定時間当たりの圧力変化量は、平常状態の場合よりも大きくなる。ヘッド作動検出装置46は所定時間当たりの圧力変化量のこの違いによって、スプリンクラヘッド2の作動を検出している。換言すると、ヘッド作動検出装置46は所定時間当たりの圧力変化量の絶対値が所定の閾値よりも大きくなったときに、消火システム制御盤5はスプリンクラヘッド2が作動したと判断している。
【0024】
ここで、スプリンクラヘッド2の作動検出を所定時間当たりの圧力変化量に基づいてヘッド作動検出装置46で行う理由について説明する。
【0025】
従来のスプリンクラ消火設備は、負圧である二次側配管12内及び真空配管14内の圧力がある閾値よりも大きくなったとき(ある閾値よりも大気圧に近い値となったとき)、スプリンクラヘッド2が作動したと判断していた。本実施の形態においても、真空スイッチ41が所定の閾値以上の圧力となるときにもスプリンクラヘッド2が作動したと判断するようにもしている。しかしながら、二次側配管12内及び真空配管14内の体積と比較してスプリンクラヘッド2の放水口は小さく、また二次側配管12内の圧力と防護区画1の圧力差が小さいため、スプリンクラヘッド2から二次側配管12に流入する空気量が少ないので、負圧である二次側配管12内及び真空配管14内の圧力上昇には時間がかかってしまう。このため、スプリンクラヘッド2作動時に例えば真空ポンプ24を起動したばかりで、負圧である二次側配管12内及び真空配管14内の圧力が低く、現在の圧力とある閾値との圧力差が大きい場合、閾値まで圧力が上昇するのには時間がかかり、真空スイッチ41によるスプリンクラヘッド2の作動検出が遅くなってしまう。
【0026】
一方、本実施の形態では、ヘッド作動検出装置46が、負圧である二次側配管12内及び真空配管14内の圧力の所定時間当たりの変化量の絶対値が所定の閾値よりも大きくなったときにも、スプリンクラヘッド2が作動したと判断している。このため、スプリンクラヘッド2作動時における二次側配管12内及び真空配管14内の圧力にかかわらず、早期にスプリンクラヘッド2の作動を検出することができる。なお、本実施の形態では、真空ポンプ24の作動中にスプリンクラヘッド2が作動したとき、二次側配管12の圧力が変化しなくなり、ヘッド作動検出装置46が作動しなくなることを防ぐため、ヘッド作動検出装置46と真空ポンプ24の間の真空配管14にオリフィス42を設けている。
(消火動作)
続いて、スプリンクラ消火設備の消火動作について、図1、図3、および、図4に基づいて説明する。
【0027】
平常状態においては、一次側配管11の予作動弁22まで水が充填され、二次側配管12内及び真空配管14内に水が充填されていない状態となっている。
【0028】
防護区画1で火災が発生すると、火災を感知した火災感知器3は火災受信機4へ火災信号を送出し、この火災信号を受信した火災受信機4は消火システム制御盤5に火災信号を発信する。また、その後スプリンクラヘッド2が作動し、負圧である二次側配管12の圧力が上昇すると、消火システム制御盤5は中継器51を介して、真空スイッチ41の作動、または、ヘッド作動検出装置46の所定時間当たりの圧力変化量に基づき、スプリンクラヘッド2の作動を検出する。火災信号とスプリンクラヘッド2の作動の両方を検知した場合、消火システム制御盤5は、まず開閉弁37を開放し、開放された開閉弁37、逆止弁38を介して、大気圧である外気が負圧である二次側配管内に流入し、二次側配管12内の圧力は大気圧に近づいてゆく。そして、消火システム制御盤5は、開閉弁37を開放した所定時間の後に遠隔起動弁22bを開放することによって予作動弁22を開放し、二次側配管12に水を供給する(充填する)。すなわち、消火システム制御盤5は、遠隔起動弁22bを開放するに先立って(所定時間前に)、開閉弁37を開放するのである。
【0029】
開弁した予作動弁22から内部の圧力が大気圧に近づいた二次側配管12へ向かって圧送される消火用水は、その圧力によって逆止弁38を閉止し、二次側配管12内を進むが、二次側配管12が負圧であることに起因する過流量とはならないので、この過流量に起因するウォーターハンマを防止することができる。
予作動弁22の開放に伴って一次側配管11の圧力が低下し、これによって加圧送水装置21が始動する。なお、予作動弁22が開放されると、予作動弁22に設けられた流水信号用スイッチ22aは、中継器51を介して消火システム制御盤5に流水信号を発信する。
【0030】
さらに、二次側配管12内を圧送される消火用水は、エアベント34が充水されるまで、エアベント34および逆止弁39を介して、二次側配管12内に流入した空気を押し出しながら進行する(図3参照)。したがって、二次側配管12内に流入した外気に流れを妨げられることなく、消火用水は二次側配管12内を進むので、二次側配管12を充水する時間が遅れることも防止する。
【0031】
そして、二次側配管12が消火用水で充水され、その末端部にあるエアベント34へ到達して内部のフロート室34cを充水すると、フロート34dは浮き上がって弁座34eへ当接して閉弁し、消火用水はエアベント34および逆止弁39を介して外部へ放出されることはない(図4参照)。そして、規定圧力に達した二次側配管12内の消火用水は、立ち下がり配管13を介して作動したスプリンクラヘッド2から防護区画1に規定放水圧力で放水し、防護区画1で発生した火災を消火する。
【0032】
以上の説明のように、放水開始に先だって開弁させる開閉弁37を介して二次側配管12内に外気を流入させ、二次側配管12内の圧力を真空ポンプ24による負圧から大気圧に近づけるので、二次側配管12内を進む消火用水は、二次側配管12内が負圧であることに起因する過流量とはならないので、この過流量に起因するウォーターハンマとこれによる消火設備の破損を防ぐことができる。
【0033】
なお、本実施の形態では、二次側配管12の圧力上昇によって流水遮断弁31が閉止されるように制御する。このため、予作動弁22が開放して二次側配管12に水が供給されても、流水遮断弁31より下流部の真空配管14に水が流入することを防止できる。つまり、真空ポンプ24に水が流入することを防止できる。したがって、真空ポンプ24が水を吸引して、過負荷で停止したり故障を起こしたりすることを防止できる。 以上の説明は、火災感知器3が火災を感知し、かつ、スプリンクラヘッド2の作動を検出することによって予作動弁22を開放するように制御するスプリンクラ消火設備に関するものであるが、一般的な予作動式スプリンクラ消火設備のように、火災感知器3が火災を感知したときに予作動弁22を開放するように制御するスプリンクラ消火設備においても、スプリンクラヘッド2の作動を待たずに二次側配管12を充水するだけであり、本発明が二次側配管12内の負圧に起因するウォーターハンマを防止する効果を奏することに変わりはない。
【符号の説明】
【0034】
1 防護区画、 2 スプリンクラヘッド、 3 火災感知器、
4 火災受信機、 5 消火システム制御盤、 6 消火ポンプ制御盤、
10 消火水槽、 11 一次側配管、 12 二次側配管、
13 立ち下がり配管、 14 真空配管、 16 排水配管、
21 加圧送水装置、 22 予作動弁、 22a 流水信号用スイッチ、
22b 遠隔起動弁、 24 真空ポンプ、 25 末端試験弁、
31 流水遮断弁、 34 エアベント、 37 開放弁、
38、39 逆止弁、 41 真空スイッチ、 42 オリフィス、
46 ヘッド作動検出装置、 47 開放弁、 51 中継器、
52 真空ポンプ制御盤、 53 真空スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予作動弁と、該予作動弁の二次側に設けられ、スプリンクラヘッドが接続され、平常時は充水されない二次側配管と、前記二次側配管に接続されて平常時は前記二次側配管内を負圧にする真空ポンプと、を備える予作動式のスプリンクラ消火設備において、;

一端が大気中に開放され、他端が逆止弁を介して前記二次側配管の基端側に接続され、前記予作動弁の開弁に先立って開弁され、外気を前記二次側配管内に流入させる常閉の開閉弁と、
二次側が大気中に開放される逆止弁の一次側に二次側が接続され、一次側が前記二次側配管の末端部に接続され、前記二次側配管内を消火用水が圧送されるときに、前記二次側配管内の空気を排出するエアベントと、
を備えることを特徴とするスプリンクラ消火設備。
【請求項2】
予作動弁と、該予作動弁の二次側に設けられ、スプリンクラヘッドが接続され、平常時は充水されない二次側配管と、前記二次側配管に接続されて平常時は前記二次側配管内を負圧にする真空ポンプと、を備える予作動式のスプリンクラ消火設備の制御方法において、;

前記二次側配管の基端側に逆止弁の二次側を接続し、該逆止弁の一次側に他端が大気中に開放している常閉の開閉弁の一端を接続し、
前記二次側配管の末端部にエアベントの一次側を接続し、該エアベントの二次側を逆止弁の一次側に接続し、該逆止弁の二次側を大気中に開放し、
前記予作動弁の開弁に先だって前記開閉弁を開弁して前記二次側配管内に外気を流入させ、開弁した予作動弁から圧送される消火用水によって前記二次側配管内の空気を前記エアベントを介して排出するように制御することを特徴とするスプリンクラ消火設備の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−22104(P2013−22104A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157368(P2011−157368)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【Fターム(参考)】