説明

スプリンクラ消火設備

【課題】スプリンクラヘッドが取り付けられている配管に強い衝撃が加わったときに、その状態を検知することのできるスプリンクラ消火設備を提供する。
【解決手段】送水ポンプ1に連結された一次側配管3と、一次側配管3に連結された二次側配管5と、二次側配管5の立ち下げ管6の先端部に装着された複数のスプリンクラヘッド7とを有し、一次側配管3及び二次側配管5に送水ポンプ1により加圧された水が充填されたスプリンクラ消火設備において、二次側配管5の立ち下げ管6に直接取り付けられた衝撃センサ20を備え、衝撃センサ20は、二次側配管5に加わった衝撃力が所定値以上のときに衝撃検知の旨を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災発生時にスプリンクラヘッドから水を放水して消火するスプリンクラ消火設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のスプリンクラヘッドは、火災時の熱で溶ける感熱部(ハンダ)を備えており、その下端には、火災時の熱を感熱部に伝える集熱板が取り付けられている。この集熱板は、外部から力(衝撃)を受けたときに、その衝撃を吸収して変形する構造となっている。これは、スプリンクラヘッドの放水口を塞ぐ弁体の支持機構の部品に不具合が生じないようにするためである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】実開平5−33746号公報(第6頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、スプリンクラヘッドは、直接、外力を受けなくても、スプリンクラヘッドが取り付けられている配管自体に強い衝撃が加わると、その衝撃が配管を通してスプリンクラヘッドに伝わり、放水口を塞ぐ弁体の支持機構の部品が変形し、又は弁体やそれらの部品が位置ずれを起こす恐れがある。このような不具合が生じた場合には、スプリンクラヘッドが水漏れを起こしたり、誤動作して二次側配管内の水を放水する恐れがある。また、弁体の支持機構の部品が異常変形し正常な動作をしなくなる恐れもある。このように、スプリンクラヘッドに間接的な衝撃がかかった場合、外観ではその状態を発見しにくいという課題がある。
【0005】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたもので、スプリンクラヘッドが取り付けられている配管に強い衝撃が加わったときに、その状態を検知することのできるスプリンクラ消火設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るスプリンクラ消火設備は、送水ポンプに連結された一次側配管と、一次側配管に連通された二次側配管と、二次側配管に設けられた複数のスプリンクラヘッドとを有し、一次側配管及び二次側配管に送水ポンプにより加圧された水が充填されたスプリンクラ消火設備において、二次側配管に直接取り付けられた衝撃センサを備え、この衝撃センサは、二次側配管に加わった衝撃を感知する感知部と、感知部により感知された衝撃力が所定値以上のときに信号を出力する制御部と、制御部からの信号が入力されたときに衝撃検知の旨を報知する出力部とを有している。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、二次側配管に直接取り付けられた衝撃センサが所定値以上の衝撃力を検知すると、衝撃センサから衝撃検知の旨が報知されるので、強い衝撃で不具合の可能性のあるスプリンクラヘッドを特定でき、このため、外観から確認しづらいスプリンクラヘッドの交換の要否を確認することができ、水漏れを最小限に抑えることが可能になり、また、部品の異常変形による正常動作が行われないということを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係るスプリンクラ消火設備を示す配管系統の概略図、図2は実施の形態1におけるスプリンクラ消火設備の二次側配管の立ち下げ管部分を拡大して示す側面図、図3は二次側配管の立ち下げ管に取り付けられた衝撃センサのブロック構成図である。
図1において、送水ポンプ1は、例えばビル等の地下室に設けられた消火水槽2の近傍に設置され、ビルの各階に配置されたスプリンクラヘッド7から毎分80リットル以上の放水が可能な吐出量を有している。送水ポンプ1に一端が連結された一次側配管3は、ビルの配管スペース10内で最上階まで鉛直に立ち上がっており、各階で分岐されて例えば流水検知装置4にそれぞれ連結されている。
【0009】
二次側配管5は、各階の天井裏にそれぞれ設けられ、その一端が流水検知装置4に連結され、末端には、天井板11を貫通して垂れ下がる立ち下げ管6aが接続されている。この立ち下げ管6aの先端部には、手動式の試験弁8が取り付けられている。また、二次側配管5には、スプリンクラヘッド7の設置位置に応じて鉛直方向に垂下する立ち下げ管6が接続されている。なお、立ち下げ管6も二次側配管5の一部である、この立ち下げ管6は、例えば図2に示すように、ほぼ中央部に衝撃センサ20が取付具12によって直接取り付けられ、先端部にスプリンクラヘッド7が装着されている。
【0010】
スプリンクラヘッド7は、外周部に雄ネジが形成されたフランジ部7aを有し、その下端には、感熱体の半田7b及び2枚の集熱板7cが設けられ、立ち下げ管6の内周部に形成された雌ネジにねじ込んで取り付けられている。また、スプリンクラヘッド7には、フランジ部7aの雄ネジがねじ込まれて天井板11の下面に円形の外周部が接するシーリングプレート9が取り付けられている。このシーリングプレート9の傾斜面には、後述する発光ダイオード23bを収納する凹部9aが形成されている。
【0011】
前述した一次側配管3及び二次側配管5には、通常、送水ポンプ1により加圧された水が充填されており、火災によりスプリンクラヘッド7の半田7bが溶けて、放水口を塞ぐ弁体(図示せず)の支持機構の部品が落下すると、スプリンクラヘッド7の放水口から水が放出される。この時、流水検知装置4が一次側配管から二次側配管への流水を検知し、この検知により、制御盤(図示せず)が送水ポンプ1を駆動して消火水槽2内の水を一次側配管3に送り込み、スプリンクラヘッド7からの放水を継続する。なお、送水ポンプ1は、一次側配管3が所定圧に低下したときに駆動させても良い。
【0012】
立ち下げ管6のほぼ中央部に固着された衝撃センサ20は、図3に示すように、二次側配管5に加わった衝撃力による振動に応じて例えば電圧を生成するセンサ部21(感知部)と、このセンサ部21からの電圧が所定値以上のときに信号を出力する制御部22と、例えばスイッチング回路23a及びスイッチング回路23aに信号線23cを介して接続された発光ダイオード23bを備えた出力部23と、例えば一次電池からなる内部電源24とから構成されている。前述した出力部23は、制御部22からの信号が入力されたときにスイッチング回路23aを駆動し、ON・OFFを一周期とするパルス信号を出力させ、発光ダイオード23dを点滅して衝撃検知の旨を報知する。
【0013】
前記のように構成されたスプリンクラ消火設備において、衝撃センサの衝撃検知時の動作を説明する。
例えば、ビル内のある階で間仕切り変更等で改装が行われているときに、工具や材料等が二次側配管5や立ち下げ管6に当たった場合、その衝撃力による振動が二次側配管5と立ち下げ管6に伝わり衝撃センサ20に伝達される。この時、複数の衝撃センサ20のうち衝撃を感知したセンサ部21は、そのセンサ部21により感知された衝撃力による振動に応じて電圧を生成し、制御部22は、その電圧が所定値以上かどうかを判定する。この場合、衝撃のあった配管近傍の衝撃センサ20が最も強く感知するので、その衝撃センサ20の制御部22が所定値以上の電圧を検知した場合は、その出力部23が、制御部22からの信号が入力されたときに、スイッチング回路23aを駆動してパルス信号を出力させ、シーリングプレート9に取り付けられた発光ダイオード23bを点滅して衝撃検知の旨を報知する。
【0014】
以上のように実施の形態1によれば、二次側配管5や立ち下げ管6に衝撃が加わったときに、各衝撃センサ20がスプリンクラヘッド7の弁体やその支持機構の部品の変形、あるいはそれらが位置ずれを起こすような強い衝撃を検知すると、シーリングプレート9に取り付けられた発光ダイオード23bを点滅させるようにしたので、外観から確認しづらいスプリンクラヘッド7の交換の要否を容易に確認することができ、水漏れを最小限に抑えることが可能になり、また、部品の異常変形による正常動作が行われないということがなくなる。
【0015】
実施の形態2.
実施の形態1では、強い衝撃を検知したときにスプリンクラヘッド7の近傍に配置された発光ダイオード23bを点滅させて、衝撃検知の旨を報知するようにしたが、実施の形態2は、発光ダイオード23bの点滅に加えて、管理者が常駐する防災センター等にも報知するようにしたものであり、以下、図4及び図5を用いて説明する。
図4は本発明の実施の形態2に係るスプリンクラ消火設備を示す配管系統の概略図、図5は二次側配管の立ち下げ管に取り付けられた衝撃センサ及び防災センターに設置された受信機のブロック構成図である。なお、図1〜図3で説明した実施の形態1と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
【0016】
図4において、衝撃センサ30は、実施の形態1と同様に二次側配管5の立ち下げ管6に直接取り付けられ、受信機40は、管理者が常駐する防災センター等に設置されている。前記の衝撃センサ30は、図5に示すように、発光ダイオード23bが接続されたスイッチング回路23a及び無線送信部31aを有する出力部31を備えている。この出力部31は、制御部22からの信号が入力されたときに、スイッチング回路23aを駆動してON・OFFを一周期とするパルス信号を出力させると共に、無線送信部31aから衝撃検知の情報を無線で送信させる。この情報は、例えば衝撃検知の旨及び衝撃検知の階数である。
【0017】
受信機40は、無線受信部41と、制御部42と、ブザー等からなる警報部43と、液晶表示器からなる表示部44とを備えている。無線受信部41は、衝撃センサ30からの電波が受信されたときに検波して情報を抽出し制御部42に出力する。制御部42は、その情報に基づいて衝撃検知の旨及び衝撃検知の階数を表示部44に表示すると共に、警報部43を起動して警報音を発生させ管理者に報知する。
【0018】
前記のように構成されたスプリンクラ消火設備において、衝撃センサの衝撃検知時の動作を説明する。
前記と同様に間仕切り変更等で改装が行われているときに、工具や材料等が二次側配管5や立ち下げ管6に当たった場合、その衝撃力による振動が二次側配管5と立ち下げ管6に伝わり衝撃センサ30に伝達される。この時、複数の衝撃センサ30のうち衝撃を感知したセンサ部21は、その衝撃力による振動に応じて電圧を生成し、制御部22は、その電圧が所定値以上かどうかを判定する。所定値以上の電圧を検知した制御部22を有する衝撃センサ30が存在した場合は、その出力部31が、スイッチング回路23aを駆動してパルス信号を出力させ、無線送信部31aから衝撃検知の情報を電波で送信させる。
【0019】
この時、シーリングプレート9に取り付けられた発光ダイオード23bは、パルス信号の入力に基づいて点滅して衝撃検知の旨を報知し、防災センターの受信機40は、衝撃センサ30からの電波が受信されたときに、衝撃検知の旨及び衝撃検知の階数を表示部44に表示すると共に、警報部43を起動して警報音を発生させ管理者に報知する。
【0020】
以上のように実施の形態2によれば、二次側配管5や立ち下げ管6に衝撃が加わったときに、各衝撃センサ20がスプリンクラヘッド7の弁体やその支持機構の部品の変形、あるいはそれらが位置ずれを起こすような強い衝撃を検知すると、シーリングプレート9に取り付けられた発光ダイオード23bを点滅させ、受信機40の警報部43及び表示部44を通して衝撃検知の旨及び衝撃検知の階数を報知するようにしたので、何れの階から報知されているかが容易に分かり、外観から確認しづらいスプリンクラヘッド7の交換の要否を容易に確認することができ、水漏れを最小限に抑えることが可能になり、また、部品の異常変形による正常動作が行われないということがなくなる。
【0021】
なお、前記の実施の形態2では、衝撃センサ30から送信された電波を直接受信機40に受信させる構成としたが、受信機40までの距離が長かったり、ビルの構造上、受信機40に電波が感度良く届かなかった場合には、無線中継器を設けて受信機40に電波が届くようにする。
【0022】
実施の形態3.
実施の形態1、2では、二次側配管5の立ち下げ管6に衝撃センサ20、30を直接取り付けたが、実施の形態3は、二次側配管5の基端側と末端側に衝撃センサを取り付けたものであり、以下、図6及び図7を用いて説明する。
図6は本発明の実施の形態3に係るスプリンクラ消火設備を示す配管系統の概略図、図7は二次側配管の基端側と末端側の下げ管に取り付けられた衝撃センサのブロック構成図である。なお、図1〜図3で説明した実施の形態1と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
【0023】
図6において、衝撃センサ50は、各階において、二次側配管5の基端側と末端側にそれぞれ直接取り付けられている。基端側の衝撃センサ50は、ビルの各階に設けられたメンテナンス用のドアを開放した際に、目視可能な位置に配置され、末端側の衝撃センサ50は、天井板11を貫通して露出する立ち下げ管6aに取り付けられている。これら衝撃センサ50は、図7に示すように、液晶表示器51aを有する出力部51を備えている。出力部51は、制御部22からの信号が入力されたときに、衝撃検知の旨を液晶表示器51aに表示する。その液晶表示器51aは、図示していないが、衝撃センサ50のケース前面に設けられている。
【0024】
前記のように構成されたスプリンクラ消火設備において、衝撃センサの衝撃検知時の動作を説明する。
前記と同様に間仕切り変更等で改装が行われているときに、工具や材料等が二次側配管5や立ち下げ管6に当たった場合、その衝撃力による振動が二次側配管5の基端側と末端側に伝わり衝撃センサ50に伝達される。この時、2個の衝撃センサ50のセンサ部21は、その衝撃力による振動に応じて電圧を生成し、制御部22は、その電圧が所定値以上かどうかを判定する。例えば、一方の衝撃センサ30の制御部22が所定値以上の電圧を検知した場合は、その出力部51は、液晶表示器51aを駆動して衝撃検知の旨を表示する。
【0025】
以上のように実施の形態3によれば、2個の衝撃センサ50のうち何れか一方がスプリンクラヘッド7に異常を来すような強い衝撃を感知した際、液晶表示器51aにその旨を表示するようにしたので、その情報を通して二次側配管5の基端側あるいは末端側の何れかに強い衝撃が加わったことがわかり、異常を来した恐れのあるスプリンクラヘッド7が二次側配管5の基端側にあるか、末端側にあるのかをある程度特定することが可能になる。
【0026】
実施の形態4.
実施の形態3では、スプリンクラヘッド7に異常を来すような強い衝撃を感知した際、液晶表示器51aにその旨を表示するようにしたが、実施の形態4は、衝撃検知の情報を液晶表示器51aの外に受信機40側にも通知するようにしたものであり、以下、図8及び図9を用いて説明する。
図8は本発明の実施の形態4に係るスプリンクラ消火設備を示す配管系統の概略図、図9は二次側配管の基端側と末端側に取り付けられた衝撃センサのブロック構成図である。なお、図1〜図5で説明した実施の形態1、2と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
【0027】
図8において、衝撃センサ60は、実施の形態3と同様に各階において、二次側配管5の基端側と末端側にそれぞれ直接取り付けられている。この衝撃センサ60は、図9に示すように、液晶表示器51aと無線送信部31aとを有する出力部61を備えている。この出力部61は、制御部22からの信号が入力されたときに、衝撃センサ60のケース前面に設けられた液晶表示器51aに衝撃検知の旨を表示すると共に、無線送信部31aから衝撃検知の情報を無線で受信機40に送信させる。この情報は、前述したように衝撃検知の旨及び衝撃検知の階数である。
【0028】
前記のように構成されたスプリンクラ消火設備において、衝撃センサの衝撃検知時の動作を説明する。
前記と同様に間仕切り変更等で改装が行われているときに、工具や材料等が二次側配管5や立ち下げ管6に当たった場合、その衝撃力による振動が二次側配管5の基端側と末端側に伝わり衝撃センサ60に伝達される。この時、2個の衝撃センサ60のうち衝撃を感知したセンサ部21は、その衝撃力による振動に応じて電圧を生成し、制御部22は、その電圧が所定値以上かどうかを判定する。例えば、一方の衝撃センサ60の制御部22が所定値以上の電圧を検知した場合は、その出力部61は、液晶表示器51aを駆動して衝撃検知の旨を表示し、無線送信部31aから衝撃検知の情報を電波で送信させる。
【0029】
防災センターの受信機40は、衝撃センサ60からの電波が受信されたときに検波し、衝撃検知の旨及び階数等の情報を抽出して、その情報の衝撃検知の旨及び衝撃検知の階数を表示部44に表示すると共に、警報部43を起動して警報音を発生させ管理者に報知する。
【0030】
以上のように実施の形態4によれば、2個の衝撃センサ60のうち何れか一方がスプリンクラヘッド7に異常を来すような強い衝撃を感知した際、液晶表示器51aにその旨を表示し、また、受信機40の警報部43及び表示部44を通して衝撃検知の旨及び衝撃検知の階数を報知するようにしたので、何れの階から報知さているかが容易に分かり、外観から確認しづらいスプリンクラヘッド7の交換の要否を容易に確認することができ、水漏れを最小限に抑えることが可能になり、また、部品の異常変形による正常動作が行われないということがなくなる。
【0031】
なお、前記の実施の形態4では、衝撃センサ60から送信された電波を直接受信機40に受信させる構成としたが、受信機40までの距離が長かったり、ビルの構造上、受信機40に電波が感度良く届かなかった場合には、無線中継器を設けて受信機40に電波が届くようにする。又は、各階に無線信号を受信する中継器を設けて、その各中継器と受信機40を信号線で接続するようにしても良い。
【0032】
また、実施の形態4では、衝撃センサ60の出力部61が液晶表示器51aと無線送信部31aとを備えていることを述べたが、無線送信部31aのみでも良い。この場合、各階において配管スペース10内に無線中継器を配置し、衝撃センサ60からの電波を受信機40に送信するようにする。この無線中継器は、電波(衝撃検知の情報)を受信した際、受信電波のレベルから二次側配管5の基端側か末端側の衝撃センサ60かを判別し、その情報も含めて受信機40に送信する。この判別は、予め閾値を設定しておき、基端側の衝撃センサ60から送信される電波のレベルを閾値より高く、末端側の衝撃センサ60から送信される電波のレベルを閾値より低く設定しておくことにより可能になる。
【0033】
各実施の形態において、出力部として、液晶表示器51aを使用したものにおいては、衝撃を受けた際、その衝撃力を実際に数値化して、衝撃の度合いを数値で表示させるようにしても良い。このような表示器にすることで、地震によってスプリンクラや配管が衝撃を受けた後の処理が容易になる。例えば、地震が大きいからといって、必ずしも消火設備が大きなダメージを受けているとは限らない。それは建物や天井の構造によって、衝撃力(外力値)は、大きく変化すると考えられるからである。従って、衝撃力を表示できる表示器を備えておけば、震災後に各スプリンクラヘッドや配管が、天井や建物から受けた外力値を知ることが可能になる。そして、この値により、点検をする箇所や、各機器の交換を行うべきか否かの判断の目安とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態1に係るスプリンクラ消火設備を示す配管系統の概略図である。
【図2】実施の形態1におけるスプリンクラ消火設備の二次側配管の立ち下げ管部分を拡大して示す側面図である。
【図3】二次側配管の立ち下げ管に取り付けられた衝撃センサのブロック構成図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係るスプリンクラ消火設備を示す配管系統の概略図である。
【図5】二次側配管の立ち下げ管に取り付けられた衝撃センサ及び防災センターに設置された受信機のブロック構成図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係るスプリンクラ消火設備を示す配管系統の概略図である。
【図7】二次側配管の基端側と末端側の立ち下げ管に取り付けられた衝撃センサのブロック構成図である。
【図8】本発明の実施の形態4に係るスプリンクラ消火設備を示す配管系統の概略図である。
【図9】二次側配管の基端側と末端側に取り付けられた衝撃センサのブロック構成図である。
【符号の説明】
【0035】
1 送水ポンプ、2 消火水層、3 1次配管、4 流水検知装置、5 二次側配管、6 立ち下げ管、6a 立ち下げ管、7 スプリンクラヘッド、7a フランジ部、
7b 半田、7c 集熱板、8 試験弁、9 シーリングプレート、9a 凹部、
10 配管スペース、11 天井板、12 取付具、20 衝撃センサ、21 センサ部、22 制御部、23 出力部、23a スイッチング回路、23b 発光ダイオード、23c 信号線、24 内部電源、30 衝撃センサ、31 出力部、31a 無線送信部、40 受信機、50 衝撃センサ、51 出力部、51a 液晶表示器、60 衝撃センサ、61 出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送水ポンプに連結された一次側配管と、該一次側配管に連結された二次側配管と、該二次側配管に設けられた複数のスプリンクラヘッドとを有し、前記一次側配管及び前記二次側配管に前記送水ポンプにより加圧された水が充填されたスプリンクラ消火設備において、
前記二次側配管に直接取り付けられた衝撃センサを備え、
該衝撃センサは、前記二次側配管に加わった衝撃を感知する感知部と、該感知部により感知された衝撃力が所定値以上のときに信号を出力する制御部と、該制御部からの信号が入力されたときに衝撃検知の旨を報知する出力部とを有することを特徴とするスプリンクラ消火設備。
【請求項2】
前記二次側配管は、先端部に前記スプリンクラヘッドが装着された立ち下げ管を有し、
前記衝撃センサは、前記立ち下げ管に直接取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のスプリンクラ消火設備。
【請求項3】
前記衝撃センサは、前記二次側配管の基端側と末端側に直接取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のスプリンクラ消火設備。
【請求項4】
前記出力部は、前記スプリンクラヘッドの近傍に配置された発光ダイオードを有し、前記制御部からの信号が入力されたときに前記発光ダイオードを点灯あるいは点滅して衝撃検知の旨を報知することを特徴とする請求項1又は2記載のスプリンクラ消火設備。
【請求項5】
前記出力部は、前記衝撃センサのケースに設けられた表示器を有し、前記制御部からの信号が入力されたときに衝撃検知の旨を表示して報知することを特徴とする請求項1又は3記載のスプリンクラ消火設備。
【請求項6】
無線信号を受信する受信機を備え、
前記出力部は、前記制御部からの信号が入力されたときに衝撃検知の情報を無線で送信する無線送信部をさらに備え、
前記受信機は、前記無線送信部からの無線信号が受信されたときに、その受信信号に基づいて衝撃検知の情報を報知することを特徴とする請求項4又は5記載のスプリンクラ消火設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−213674(P2009−213674A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−60434(P2008−60434)
【出願日】平成20年3月11日(2008.3.11)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【Fターム(参考)】