説明

スルホキシイミン置換ベンゾイル誘導体および除草剤

【課題】より低い薬量で効果の確実な、安全性の高い、除草剤に有用な化合物を提供すること。
【解決手段】式(I)〔式中:Eは、アルコキシ基またはアルコキシカルボニル基を示し;R1は、ハロゲン原子またはアルキル基を示し;pは1〜3のいずれかの整数を示し;R2、R3はそれぞれ独立して、アルキル基等を示す〕で表されるスルホキシイミン置換ベンゾイル誘導体。該スルホキシイミン置換ベンゾイル誘導体を有効成分として含有する除草剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスルホキシイミン置換ベンゾイル誘導体および除草剤に関する。より詳細に、本発明は、スルホキシイミノ基を有するベンゾイル誘導体またはその塩、およびそれらから選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する除草剤に関する。
【背景技術】
【0002】
農園芸作物の栽培にあたり、多大の労力を必要としてきた雑草防除に多くの除草剤が使用されるようになってきた。しかし、作物に薬害を生じたり、環境に残留したり、環境を汚染したりすることから、より低薬量で効果が確実でしかも安全に使用できる薬剤の開発が望まれている。
【0003】
本発明の化合物に類似の安息香酸誘導体が除草活性を有することは、いくつかの特許文献に記載されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、式(A)で表される安息香酸誘導体が除草剤の有効成分として有用であるとの記載がされている。しかしながら、特許文献1にて、実際の除草効果が示されている化合物は式(A)で表される安息香酸誘導体の一部だけである。
【0005】
【化1】

【0006】
(式(A)中、Y’はメチル基等を示し、Zは水素原子等を示し、X’はハロゲン原子等を示し、R、R’、R”はそれぞれ独立してアルキル基等を示す。)
【0007】
特許文献2〜4には、式(B)で表される安息香酸誘導体が開示されており、具体的に、ベンゾイル基の4位がメチルスルホニル基、ニトロ基またはクロロ基である化合物が開示されている。そして、該誘導体は除草剤の有効成分として有用であると述べている。
【0008】
【化2】

【0009】
(式(B)中、R1'〜R5'は、それぞれ独立して、水素原子等を示し、Q’は、下記(Q’−1)〜(Q’−3)で表される基等を示す。
【0010】
【化3】

【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】WO98/42678号パンフレット
【特許文献2】WO2004/52849号パンフレット
【特許文献3】WO2008/035737号パンフレット
【特許文献4】WO2009/116290号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、より低い薬量で効果の確実な、安全性の高い、除草剤に有用な化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、式(I)で表される化合物を見出し、該化合物が除草剤の有効成分として特に有用であることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0014】
すなわち、本発明は、以下のものを包含する。
(1)式(I)
【0015】
【化4】

【0016】
〈式(I)中、Eは、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、または無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基を示す。
1は、ハロゲン原子、または無置換の若しくは置換基を有するアルキル基を示す。pは、R1の置換数を示し且つ1〜3のいずれかの整数である。pが2以上のとき、複数のR1は同一であってもよいし相異なっていてもよい。
2およびR3は、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有するアルキル基を示す。また、R2とR3とが結合して環を形成してもよい。
Qは、式(Q1)または式(Q2)で表される基から選ばれる一種の基を示す。
【0017】
【化5】

【0018】
〔式(Q1)または式(Q2)中、*は結合部位を示す。
Gは、酸素原子、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、または −NRa−(なお、Raは、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するアルキル基、または無置換の若しくは置換基を有するアリール基を示す。)を示す。
4は、水素原子、または無置換の若しくは置換基を有するアルキル基を示す。
5は、無置換の若しくは置換基を有するアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するアルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリール基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロアリール基、無置換の若しくは置換基を有するアシル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基、Ra2NC(O)基(なお、Raは、前記と同じ意味を示す。)、無置換の若しくは置換基を有する(アルキルチオ)カルボニル基、無置換の若しくは置換基を有する(アリールチオ)カルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ(チオカルボニル)基、無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ(チオカルボニル)基、無置換の若しくは置換基を有する(アルキルチオ)チオカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有する(アリールチオ)チオカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアルキル(チオカルボニル)基、無置換の若しくは置換基を有するアリール(チオカルボニル)基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールスルフィニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、またはNRa2SO2基(なお、Raは、前記と同じ意味を示す。)を示す。
6は、水素原子、または無置換の若しくは置換基を有するアルキル基を示す。
Yは、オキソ基、無置換の若しくは置換基を有するアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアシル基または無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基を示す。mは、Yの置換数を示し且つ0〜4のいずれかの整数である。mが2以上のとき、複数のYは同一であってもよいし相異なっていてもよい。また、Y同士が結合して環を形成してもよい。〕〉
で表されるスルホキシイミン置換ベンゾイル誘導体またはその塩。
【0019】
(2) 前記(1)に記載のスルホキシイミン置換ベンゾイル誘導体若しくはその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する除草剤。
【発明の効果】
【0020】
本発明のスルホキシイミン置換ベンゾイル誘導体またはその塩は、より低い薬量で効果の確実な、安全性の高い除草剤の有効成分として有用な化合物である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を詳細に説明する。
1)スルホキシイミン置換ベンゾイル誘導体またはその塩
本発明の第1は、式(I)で表されるスルホキシイミン置換ベンゾイル誘導体(以下、「本発明化合物」ということがある。)またはその塩である。本発明化合物またはその塩には、水和物、各種溶媒和物や結晶多形等も含まれる。
【0022】
以下に、式(I)中の符号が示す意味を説明する。
まず、本発明における「無置換の」の用語は、該当する基が母核となる基のみであることを意味する。本明細書において、基の名称だけを表記している場合は無置換の基であることを意味する。
一方、「置換基を有する」の用語は、母核となる基のいずれかの水素原子が、母核と異なる構造の基で置換されていることを意味する。従って、「置換基」は、母核となる基に置換された他の基である。置換基は1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。2つ以上の置換基は同一であってもよいし、異なるものであってもよい。なお、基を構成する炭素の数を示す場合は、母核となる基を構成する炭素の数のみを言い、置換基を構成する炭素の数を含まない。基を構成する炭素の数は、例えば、1〜6個の場合、「C1〜6」と略記する。
【0023】
本発明の式(I)中の各符号で示される基(母核となる基)において、「置換基」となり得る基としては、例えば、水酸基; チオール基; フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子; シアノ基; イソシアノ基; ニトロ基; イソシアナト基; イソチオシアナト基; シアナト基; チオシアナト基; カルボキシル基; アミノ基;
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基などのアルキル基(好ましくは、C1〜6アルキル基);
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのシクロアルキル基(好ましくは、C3〜8シクロアルキル基);
ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−デセニル基などのアルケニル基(好ましくはC2〜6アルケニル基);
シクロプロペニル基、2−シクロペンテニル基、3−シクロヘキセニル基、4−シクロオクテニル基などのシクロアルケニル基(好ましくは、C3〜8シクロアルケニル基);
エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−メチル−3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、2−メチル−3−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1,1−ジメチル−2−ブチニル基、1−デシニル基などのアルキニル基(好ましくは、C2〜6アルキニル基);
クロロメチル基、フルオロメチル基、ブロモメチル基、ジクロロメチル基、ジフルオロメチル基、ジブロモメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、ブロモジフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、1−ブロモエチル基、ペンタフルオロエチル基などのハロアルキル基(好ましくは、ハロC1〜6アルキル基);
【0024】
フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−インダニル基、2−インダニル基、1−インデニル基、2−インデニル基などのアリール基(好ましくは、C6〜10アリール基);
フラン−2−イル基、フラン−3−イル基、チオフェン−2−イル基、チオフェン−3−イル基、ピロール−2−イル基、ピロール−3−イル基、オキサゾール−2−イル基、オキサゾール−4−イル基、オキサゾール−5−イル基、チアゾール−2−イル基、チアゾール−4−イル基、チアゾール−5−イル基、イソオキサゾール−3−イル基、イソオキサゾール−4−イル基、イソオキサゾール−5−イル基、イソチアゾール−3−イル基、イソチアゾール−4−イル基、イソチアゾール−5−イル基、イミダゾール−2−イル基、イミダゾール−4−イル基、イミダゾール−5−イル基、ピラゾール−3−イル基、ピラゾール−4−イル基、ピラゾール−5−イル基、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル基、1,3,4−チアジアゾール−2−イル基、1,2,3−トリアゾール−4−イル基、1,2,4−トリアゾール−3−イル基、1,2,4−トリアゾール−5−イル基などの不飽和へテロ5員環基;
ピリジン−2−イル基、ピリジン−3−イル基、ピリジン−4−イル基、ピリダジン−3−イル基、ピリダジン−4−イル基、ピラジン−2−イル基、ピリミジン−2−イル基、ピリミジン−4−イル基、ピリミジン−5−イル基、1,3,5−トリアジン−2−イル基、1,2,4−トリアジン−3−イル基などの不飽和へテロ6員環基;
テトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドラピラン−4−イル基、ピペリジン−3−イル基、ピロリジン−2−イル基、モルホリノ基、ピペリジノ基、N−メチルピペラジニル基などの飽和へテロ環基;
【0025】
メチルアミノ基、エチルアミノ基などのモノアルキルアミノ基;
1−ナフチルアミノ基、アニリノ基基などのモノアリールアミノ基;
ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのジアルキルアミノ基;
ジフェニルアミノ基、ジインダニルアミノ基などのジアリールアミノ基;
メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、n−プロピルスルホニルアミノ基、i−プロピルスルホニルアミノ基、n−ブチルスルホニルアミノ基、t−ブチルスルホニルアミノ基などのアルキルスルホニルアミノ基;
フェニルスルホニルアミノ基、インダニルスルホニルアミノ基などのアリールスルホニルアミノ基;
ピリジン−3−イルスルホニルアミノ基、フラン−2−イルスルホニルアミノ基などのヘテロアリールスルホニルアミノ基;
メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、i−プロポキシカルボニルアミノ基などのアルキルカルボニルアミノ基;
メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、i−プロポキシカルボニルアミノ基などのアルコキシカルボニルアミノ基;
ビス(メチルスルホニル)アミノ基、ビス(エチルスルホニルアミノ)基、(エチルスルホニル)(メチルスルホニル)アミノ基、ビス(n−プロピルスルホニル)アミノ基、ビス(i−プロピルスルホニル)アミノ基、ビス(n−ブチルスルホニル)アミノ基、ビス(t−ブチルスルホニル)アミノ基などのビス(アルキルスルホニル)アミノ基;
N−メチルイミノメチル基、1−N−フェニルイミノエチル基、N−ヒドロキシイミノメチル基、N−メトキシイミノメチル基などのN−無置換若しくはN置換イミノアルキル基(好ましくは、N無置換若しくはN置換イミノC1〜6アルキル基);
【0026】
ベンジル基、フェネチル基などのアリールアルキル基(好ましくは、C6〜10アリールC1〜6アルキル基);
ピリジン−2−イルメチル基、ピリジン−3−イルメチル基、6−クロル−ピリジン−3−イルメチル基、ピリミジン−2−イルメチル基などの不飽和ヘテロ6員環アルキル基(好ましくは、不飽和ヘテロ6員環C1〜6アルキル基);
フラン−2−イルメチル基、チオフェン−3−イルメチル基、1−メチル−ピラゾール−3−イルメチル基などの不飽和ヘテロ5員環アルキル基(好ましくは、不飽和ヘテロ5員環C1〜6アルキル基);
テトラヒドロフラン−2−イルメチル基、ピペラジン−3−イルメチル基、N−メチル−ピロリジン−3−イルメチル基、モルホリノメチル基などの飽和ヘテロ環アルキル基;
【0027】
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのアルコキシ基(好ましくは、C1〜6アルコキシ基);
クロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、3−ブロモ−n−プロポキシ基、パーフルオロ−t−ブトキシ基などのハロアルコキシ基(好ましくは、ハロC1〜6アルコキシ基);
ビニルオキシ基、アリルオキシ基などのアルケニルオキシ基(好ましくは、C2〜6アルケニルオキシ基);
2,3−ジクロロアリル基、2−クロロ−2−プロペニル基、2−クロロメチル−2−プロペニル基、4−ブロモ−2−ブテニル基などのハロアルケニル基(好ましくは、ハロC2〜6アルケニル基);
エチニルオキシ基、プロパルギルオキシ基などのアルキニルオキシ基(好ましくはC2〜6アルキニルオキシ基);
5−ブロモ−2−ペンチニルオキシ基、6−ヨード−2−ヘキシニルオキシ基、5,5,5−トリフルオロ−2−ペンチニルオキシ基、3−クロロプロパルギルオキシ基などのハロアルキニルオキシ基(好ましくは、ハロC2〜6アルキニルオキシ基);
フェノキシ基、1−ナフトキシ基などのアリールオキシ基(好ましくは、C6〜10アリールオキシ基);
メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基などのアルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、C1〜6アルコキシカルボニルオキシ基);
ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのアリールアルキルオキシ基(好ましくは、C6〜10アリールC1〜6アルキルオキシ基);
ピリジン−2−イルオキシ基、3−オキサゾリン−2−イルオキシ基、ピロリジン−2−イルオキシ基などのヘテロ環オキシ基;
【0028】
メチル(チオカルボニル)基、エチル(チオカルボニル)基、n−プロピル(チオカルボニル)基、i−プロピル(チオカルボニル)基、n−ブチル(チオカルボニル)基、i−ブチル(チオカルボニル)基、s−ブチル(チオカルボニル)基、t−ブチル(チオカルボニル)基などのアルキル(チオカルボニル)基(好ましくは、C1〜6アルキル(チオカルボニル)基);
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基(好ましくは、C1〜6アルコキシカルボニル基);
アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基などのN無置換若しくはN置換基アミノカルボニル基;
ヒドラジノ基、N’−フェニルヒドラジノ基、N’−メトキシカルボニルヒドラジノ基、N’−アセチルヒドラジノ基、N’−メチルヒドラジノ基などのN無置換若しくはN置換ヒドラジノ基;
ヒドラジノカルボニル基、N’−メチルヒドラジノカルボニル基、N’−フェニルヒドラジノカルボニル基などのN無置換若しくはN置換ヒドラジノカルボニル基;
【0029】
メチルチオ基、エチルチオ基、t−ブチルチオ基などのアルキルチオ基(好ましくは、C1〜6アルキルチオ基);
ビニルチオ基、アリルチオ基などのアルケニルチオ基(好ましくは、C2〜6アルケニルチオ基);
エチニルチオ基、プロパルギルチオ基などのアルキニルチオ基(好ましくは、C2〜6アルキニルチオ基);
フェニルチオ基、4−クロロフェニルチオ基などのアリールチオ基(好ましくは、C6〜10アリールチオ基);
ピリジン−2−イルチオ基、ピリダジン−3−イルチオ基などのヘテロアリールチオ基;
ベンジルチオ基、フェネチルチオ基などのアリールアルキルチオ基(好ましくは、C6〜10アリールC1〜6アルキルチオ基);
【0030】
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基などのアルキルスルホニル基(好ましくは、C1〜6アルキルスルホニル基);
ビニルスルホニル基、アリルスルホニル基などのアルケニルスルホニル基(好ましくは、C2〜6アルケニルスルホニル基);
エチニルスルホニル基、プロパルギルスルホニル基などのアルキニルスルホニル基(好ましくは、C2〜6アルキニルスルホニル基);
フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基などのアリールスルホニル基(好ましくは、C6〜10アリールスルホニル基);
ピリジン−2−イルスルホニル基、ピリジン−3−イルスルホニル基などのヘテロアリールスルホニル基;
ベンジルスルホニル基、フェネチルスルホニル基などのアリールアルキルスルホニル基(好ましくは、C6〜10アリールC1〜6アルキルスルホニル基);
【0031】
ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、アクリロイル基、シンナモイル基、ベンゾイル基、ピリジン−2−イルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基などのアシル基(好ましくは、C1〜10アシル基);
ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、シンナモイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ピリジン−2−イルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基などのアシルオキシ基(好ましくはC1〜10アシルオキシ基)等を挙げることができる。
【0032】
(E)
式(I)において、Eは、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、または無置換若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基を示す。
【0033】
Eにおける、「アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基等が挙げられる。これらのうち、C1〜6アルコキシ基が好ましい。また、「置換基を有するアルコキシ基」の例としては、クロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、3−ブロモ−n−プロポキシ基、パーフルオロ−t−ブトキシ基などが挙げられる。
【0034】
Eにおける、「アルコキシカルボニル基」としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基等が挙げられる。これらのうち、C2〜6アルコキシカルボニル基が好ましい。また、置換基を有するアルコキシカルボニル基としては、クロロメトキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル基、3−ブロモ−n−プロポキシカルボニル基、パーフルオロ−t−ブトキシカルボニル基などが挙げられる。
【0035】
(R1
式(I)において、R1は、ハロゲン原子、または無置換の若しくは置換基を有するアルキル基を示す。
1における、「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
1における、「アルキル基」としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基などのC1〜20アルキル基が挙げられる。これらのうちC1〜6アルキル基が好ましい。また、置換基を有するアルキル基としては、クロロメチル基、フルオロメチル基、ブロモメチル基、ジクロロメチル基、ジフルオロメチル基、ジブロモメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、ブロモジフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、1−ブロモエチル基、ペンタフルオロエチル基などが挙げられる。
【0036】
pはR1の置換数を示し且つ1〜3のいずれかの整数である。pが2以上のとき、複数のR1は同一であってもよいし相異なっていてもよい。
本発明に係るスルホキシイミン置換ベンゾイル誘導体は、優れた除草活性を有する観点から、R1の置換数pが1であるものが好ましい。より具体的には、式(I−a)で表される化合物が好ましい。
【0037】
【化6】

(式(I−a)中の、E、R1〜R3およびQは、式(I)中のE、R1〜R3およびQと同じ意味を示す。)
【0038】
(R2、R3
2およびR3は、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有するアルキル基、を示す。R2およびR3における「無置換の若しくは置換基を有するアルキル基」としては、前記R1における「無置換の若しくは置換基を有するアルキル基」として挙げたものと同じものが挙げられる。また、R2とR3とが結合して環を形成してもよい。
【0039】
(Q)
Qは、下記式(Q1)または(Q2)で表される基から選ばれる一種の基を示す。
【0040】
【化7】

【0041】
上記式(Q1)または(Q2)中、*は結合部位を示す。
Gは、酸素原子、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、または −NRa−を示す。
【0042】
「−NRa−」中のRaは、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するアルキル基、または無置換の若しくは置換基を有するアリール基を示す。
aにおける「無置換の若しくは置換基を有するアルキル基」としては、前記R1における「無置換の若しくは置換基を有するアルキル基」として挙げたものと同じものが挙げられる。
また、Raは、後述するR5と結合して環を形成してもよい。
【0043】
aにおける「アリール基」は、単環又は多環のアリール基である。多環アリール基は、少なくとも一つの環が芳香環であれば、残りの環が飽和脂環、不飽和脂環または芳香環のいずれであってもよい。アリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アズレニル基、インデニル基、インダニル基、テトラリニル基等が挙げられる。これらのうち、C6〜14のアリール基が好ましい。「置換基を有するアリール基」としては、4−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基などが挙げられる。
【0044】
(R4
4は水素原子、または無置換若しくは置換基を有するアルキル基を示す。
4における「無置換の若しくは置換基を有するアルキル基」としては、前記R1における「無置換の若しくは置換基を有するアルキル基」として挙げたものと同じものが挙げられる。
【0045】
(R5
5は、無置換の若しくは置換基を有するアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するアルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリール基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロアリール基、無置換の若しくは置換基を有するアシル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基、Ra2NC(O)基(なお、Raは、前記と同じ意味を示す。)、無置換の若しくは置換基を有する(アルキルチオ)カルボニル基、無置換若しくは置換基を有する(アリールチオ)カルボニル基、無置換若しくは置換基を有するアルコキシ(チオカルボニル)基、無置換若しくは置換基を有するアリールオキシ(チオカルボニル)基、無置換若しくは置換基を有する(アルキルチオ)チオカルボニル基、無置換若しくは置換基を有する(アリールチオ)チオカルボニル基、無置換若しくは置換基を有するアルキル(チオカルボニル)基、無置換若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールスルフィニル基、無置換若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、またはNRa2SO2基(なお、Raは、前記と同じ意味を示す。)を示す。
【0046】
5における「無置換の若しくは置換基を有するアルキル基」としては、前記R1における「無置換の若しくは置換基を有するアルキル基」として挙げたものと同じものが挙げられる。
5における「無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基」としては、前記Eにおける「無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基」として挙げたものと同じものが挙げられる。
5における「無置換の若しくは置換基を有するアリール基」としては、前記Raにおける「無置換の若しくは置換基を有するアリール基」として挙げたものと同じものが挙げられる。
【0047】
5における「アルケニル基」としては、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基等が挙げられる。これらのうち、C2〜6のアルケニル基が好ましい。「置換基を有するアルケニル基」としては、2,3−ジクロロアリル基、2−クロロ−2−プロペニル基、2−クロロメチル−2−プロペニル基、4−ブロモ−2−ブテニル基などが挙げられる。
【0048】
5における「アルキニル基」としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−メチル−3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、2−メチル−3−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1,1−ジメチル−2−ブチニル基等が挙げられる。これらのうち、C2〜6のアルキニル基が好ましい。「置換基を有するアルキニル基」としては、5−ブロモ−2−ペンチニル基、6−ヨード−2−ヘキシニル基、5,5,5−トリフルオロ−2−ペンチニル基、3−クロロプロパルギル基などが挙げられる。
【0049】
5における「ヘテロアリール基」は、炭素原子以外にヘテロ原子として窒素原子、酸素原子、または硫黄原子を1〜4個有する5〜7員の単環または多環の芳香族複素環、および、ベンゼン環と窒素原子、酸素原子、または硫黄原子を1〜4個有する5〜7員の複素環が縮合した縮合環を包含する。ヘテロアリール基としては、例えば、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、およびフロピリジニル等が挙げられる。
【0050】
5における「アシル基」は、水素原子、または、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、またはへテロアリール基等がカルボニル基と結合した基を意味する。例えば、ホルミル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、へプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、3−メチルノナノイル基、8−メチルノナノイル基、3−エチルオクタノイル基、3,7−ジメチルオクタノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ペンタデカノイル基、ヘキサデカノイル基、1−メチルペンタデカノイル基、14−メチルペンタデカノイル基、13,13−ジメチルテトラデカノイル基、ヘプタデカノイル基、15−メチルヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、1−メチルヘプタデカノイル基、ノナデカノイル基、アイコサノイル基およびヘナイコサノイル基等のアルキルカルボニル基(好ましくは炭素数2〜6);アクリロイル基、アリルカルボニル基等のアルケニルカルボニル基(好ましくは炭素数3〜6);
エチニルカルボニル基、2−プロピニルカルボニル基等のアルキニルカルボニル基(好ましくは炭素数3〜6);シクロプロピルカルボニル基、シクロペンチルカルボニル基等のシクロアルキルカルボニル基(好ましくは炭素数4〜7);ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、ビフェニルカルボニル基、アントラニルカルボニル基等のアリールカルボニル基(好ましくは炭素数7〜15);2−ピリジルカルボニル基、2−チエニルカルボニル基等のへテロアリールカルボニル基(好ましくは炭素数7〜15)等が挙げられる。「置換基を有するアシル基」としては、フェニルアセチル基などが挙げられる。
【0051】
5における「Ra2NC(O)基」は、上記NRa2基がカルボニル基と結合した基である。2つのRaが結合して3〜6員環を形成してもよい。「Ra2NC(O)基」としては、例えば、アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、メチルエチルアミノカルボニル基、アリルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ベンジルアミノカルボニル基等が挙げられる。
【0052】
5における「(アルキルチオ)カルボニル基」は、アルキルチオ基がカルボニル基と結合した基である。「(アルキルチオ)カルボニル基」としては、例えば、(メチルチオ)カルボニル基、(エチルチオ)カルボニル基、(n−プロピルチオ)カルボニル基、(i−プロピルチオ)カルボニル基、(n−ブチルチオ)カルボニル基、(i−ブチルチオ)カルボニル基、(s−ブチルチオ)カルボニル基、(t−ブチルチオ)カルボニル基、(n−ペンチルチオ)カルボニル基、(n−ヘキシルチオ)カルボニル基などの(C1〜20アルキルチオ)カルボニル基などが挙げられる。これらのうち、C1〜6(アルキルチオ)カルボニル基が好ましい。「置換基を有する(アルキルチオ)カルボニル基」としては、((1−エトキシカルボニル)−エチルチオ)カルボニル基などが挙げられる。
【0053】
5における「(アリールチオ)カルボニル基」は、アリールチオ基がカルボニル基と結合した基である。「(アリールチオ)カルボニル基」としては、例えば、(フェニルチオ)カルボニル基、(1−ナフチルチオ)カルボニル基、(2−ナフチルチオ)カルボニル基等が挙げられる。これらのうち、C6〜14(アリールチオ)カルボニル基が好ましい。
【0054】
5における「アルコキシ(チオカルボニル)基」は、アルコキシ基がチオカルボニル基と結合した基である。「アルコキシ(チオカルボニル)基」としては、例えば、メトキシ(チオカルボニル)基、エトキシ(チオカルボニル)基、n−プロホキシ(チオカルボニル)基、i−プロポキシ(チオカルボニル)基、n−ブトキシ(チオカルボニル)基、i−ブトキシ(チオカルボニル)基、s−ブトキシ(チオカルボニル)基、t−ブトキシ(チオカルボニル)基、n−ペンチルオキシ(チオカルボニル)基、n−ヘキシルオキシ(チオカルボニル)基等が挙げられる。これらのうち、C2〜6アルコキシ(チオカルボニル)基が好ましい。
【0055】
5における「アリールオキシ(チオカルボニル)基」は、アリールオキシ基がチオカルボニル基と結合した基である。「アリールオキシ(チオカルボニル)基」としては、例えば、フェノキシ(チオカルボニル)基、1−ナフチルオキシ(チオカルボニル)基、2−ナフチルオキシ(チオカルボニル)基等が挙げられる。これらのうち、C6〜14アリールオキシ(チオカルボニル)基が好ましい。
【0056】
5における「(アルキルチオ)チオカルボニル基」は、アルキルチオ基がチオカルボニル基と結合した基である。「(アルキルチオ)チオカルボニル基」としては、例えば、(メチルチオ)チオカルボニル基、(エチルチオ)チオカルボニル基、(n−プロピルチオ)チオカルボニル基、(i−プロピルチオ)チオカルボニル基、(n−ブチルチオ)チオカルボニル基、(i−ブチルチオ)チオカルボニル基、(s−ブチルチオ)チオカルボニル基、(t−ブチルチオ)チオカルボニル基、(n−ペンチルチオ)チオカルボニル基、(n−ヘキシルチオ)チオカルボニル基等が挙げられる。これらのうち、C2〜6(アルキルチオ)チオカルボニル基が好ましい。
【0057】
5における「(アリールチオ)チオカルボニル基」は、アリールチオ基がチオカルボニル基と結合した基である。「(アリールチオ)チオカルボニル基」としては、例えば、(フェニルチオ)チオカルボニル基、(1−ナフチルチオ)チオカルボニル基、(2−ナフチルチオ)チオカルボニル基等が挙げられる。これらのうち、C6〜14(アリールチオ)チオカルボニル基が好ましい。
5における「アルキル(チオカルボニル)基」は、アルキル基がチオカルボニル基と結合した基である。「アルキル(チオカルボニル)基」としては、例えば、メチル(チオカルボニル)基、エチル(チオカルボニル)基、n−プロピル(チオカルボニル)基、i−プロピル(チオカルボニル)基、n−ブチル(チオカルボニル)基、i−ブチル(チオカルボニル)基、s−ブチル(チオカルボニル)基、t−ブチル(チオカルボニル)基、n−ペンチル(チオカルボニル)基、n−ヘキシル(チオカルボニル)基等が挙げられる。これらのうち、C2〜6アルキル(チオカルボニル)基が好ましい。
【0058】
5における「アリール(チオカルボニル)基」は、アリール基がチオカルボニル基と結合した基である。「アリール(チオカルボニル)基」としては、例えば、フェニル(チオカルボニル)基、ナフチル(チオカルボニル)基等が挙げられる。
5における「アルキルスルホニル基」としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、i−プロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、i−ブチルスルホニル基、s−ブチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基等が挙げられる。これらのうち、C1〜6アルキルスルホニル基が好ましい。「置換基を有するアルキルスルホニル基」としては、トリフルオロメチルスルホニル基などが挙げられる。
【0059】
5における「アリールスルフィニル基」としては、例えば、フェニルスルフィニル基、1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基等が挙げられる。これらのうち、C6〜14アリールスルフィニル基が好ましい。
5における「アリールスルホニル基」としては、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基等が挙げられる。これらのうち、C6〜14アリールスルホニル基が好ましい。「置換基を有するアリールスルホニル基」としては、トルエンスルホニル基が挙げられる。
【0060】
5における「NRa2SO2基」のRaは前記定義と同じであり、NRa2SO2基としては、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、エチルアミノスルホニル基、アリルアミノスルホニル基、ベンジルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、フェニルメチルアミノスルホニル基等が挙げられる。
【0061】
(R6
6は、水素原子または無置換の若しくは置換基を有するアルキル基を示す。
6における「無置換の若しくは置換基を有するアルキル基」としては、前記R1における「無置換の若しくは置換基を有するアルキル基」として挙げたものと同じものが挙げられる。
【0062】
(Y)
Yは、オキソ基、無置換の若しくは置換基を有するアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアシル基、または無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基を示す。
【0063】
Yにおける「無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基」および「無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基」としては、前記Eにおける「無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基」および「無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基」として挙げたものと同じものが挙げられる。
Yにおける「無置換の若しくは置換基を有するアルキル基」としては、前記R1における「無置換の若しくは置換基を有するアルキル基」として挙げたものと同じものが挙げられる。
Yにおける「無置換の若しくは置換基を有するアシル基」としては、前記R5における「無置換の若しくは置換基を有するアシル基」として挙げたものと同じものが挙げられる。
【0064】
mは、Yの置換数を示し且つ0〜4のいずれかの整数である。mが2以上のとき、複数のYは同一であってもよいし相異なっていてもよい。また、Y同士が結合して環を形成してもよい。
【0065】
本発明化合物の塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩;鉄、銅等の遷移金属の塩;アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ヒドラジン等の有機塩基の塩;等が挙げられる。
【0066】
本発明化合物またはその塩には、不斉炭素、二重結合などに基づく立体異性体や、互変異性体が存在し得る。このような異性体およびそれらの混合物は全て本発明の技術的範囲に包含される。
本発明化合物またはその塩の構造は、NMRスペクトル、IRスペクトル、MSスペクトル等で決定することができる。
【0067】
2)本発明化合物またはその塩の製造方法
本発明化合物は、公知の方法によって製造することができる。例えば、特許文献4等に記載の方法によって製造することができる。
【0068】
本発明化合物またはその塩は、畑作条件で、土壌処理、茎葉処理のいずれの方法でも高い除草活性を示し、メヒシバ、アキノエノコログサ、イチビ、イヌビユ等の各種畑雑草に有効で、トウモロコシ、コムギ等の作物に選択性を示す化合物も含まれている。
また、本発明化合物またはその塩には、作物、観賞用植物、果樹等の有用植物に対し、生育抑制作用等の植物成長調節作用を示す化合物も含まれている。
また本発明化合物またはその塩には、各種水田雑草に対し、優れた殺草効力を有し、イネに選択性を示す化合物も含まれている。
更に本発明化合物またはその塩は、果樹園、芝生、線路端、空き地等の雑草の防除にも適用することができる。
【0069】
3)除草剤
本発明の除草剤は、本発明化合物またはその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有するものである。
本発明の除草剤は、本発明化合物またはその塩のみからなるものであってもよいし、本発明化合物またはその塩に他の成分を添加してなるものであってもよい。本発明の除草剤は、一般の農薬のとり得る形態、例えば、水和剤、粒剤、粉剤、乳剤、水溶剤、懸濁剤、フロアブル等の形態に製剤することができる。
【0070】
固形製剤とする場合には、添加剤や担体を添加することができる。添加剤または担体としては、大豆粉、小麦粉等の植物性粉末、珪藻土、燐灰石、石こう、タルク、ベントナイト、パイロフィライト、クレイ等の鉱物性微粉末、安息香酸ソーダ、尿素、芒硝等の有機および無機化合物を挙げることができる。
【0071】
液体製剤とする場合には、溶剤を添加することができる。溶剤としては、ケロシン、キシレンおよびソルベントナフサ等の石油留分、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アルコール、アセトン、トリクロルエチレン、メチルi−ブチルケトン、鉱物油、植物油、水等を挙げることができる。
【0072】
これらの製剤において均一かつ安定な形態をとるために、必要に応じて、界面活性剤を添加することができる。界面活性剤としては、特に限定はないが、例えば、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンが付加したアルキルエーテル、ポリオキシエチレンが付加した高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したトリスチリルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、i−ブチレン-無水マレイン酸の共重合体等が挙げられる。
【0073】
本発明の除草剤における有効成分濃度は、製剤の形により適宜選択することができる。例えば、水和剤に於いては、通常5〜90重量%、好ましくは10〜85重量%:乳剤に於いては、通常3〜70重量%、好ましくは5〜60重量%:粒剤に於いては、通常0.01〜50重量%、好ましくは0.05〜40重量%である。
【0074】
このようにして得られた水和剤、乳剤は水で所定の濃度に希釈して懸濁液或いは乳濁液の状態で、粒剤はそのままの状態で、雑草の発芽前または発芽後に、土壌に散布処理若しくは混和処理することができる。本発明の除草剤を施用するに当たっては1ヘクタール当たり有効成分0.1g以上とするのが好ましい。
【0075】
また、本発明の除草剤は、公知の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、他の除草剤、植物成長調整剤、肥料、薬害軽減剤等と混合して使用することもできる。特に、本発明の除草剤は、他の除草剤と混合使用することにより、使用薬量を減少させることができる。また、省力化をもたらすのみならず、混合薬剤の相乗作用により一層高い効果も期待できる。
【0076】
本発明の除草剤と、混合して使用することができる他の除草活性成分は、特に限定はない。例えば、次の(a)〜(k)に示すものが挙げられる。
(a)2,4−D、2,4−DB、2,4−DP、MCPA、MCPB、MCPP、クロメプロップ(clomeprop)等のフェノキシ系;2,3,6−TBA、ジカンバ(dicamba)、クロランベン(chloramben)、ピクロラム(picloram)、トリクロピル(triclopyr)、クロピラリド(clopyralid)、アミノピラリド(aminopyralid)、フルロキシピル(fluroxypyr)等の芳香族カルボン酸系;その他ナプタラム(naptalam)、ベナゾリン(benazolin)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)、ダイフルフェンゾピル(diflufenzopyr)等の植物のホルモン作用を攪乱することで除草効力を示すとされているもの。
【0077】
(b)クロロトルロン(chlorotoluron)、ジウロン(diuron)、フルオメツロン(fluometuron)、リニュロン(linuron)、イソプロチュロン(isoproturon)、テブチウロン(tebuthiuron)、イソウロン(isouron)、シデュロン(siduron)、クロロクスロン(chloroxuron)、クロロブロムロン(chlorobromuron)、ジメフロン(dimefuron)、エチジムロン(ethidimuron)、フェニュロン(fenuron)、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、メトブロムロン(metobromuron)、メトクスロン(metoxuron)、モノリニュロン(monolinuron)、ネブロン(neburon)等の尿素系;シマジン(simazine)、アトラジン(atrazine)、アトラトン(atratone)、シメトリン(simetryn)、プロメトリン(prometryn)、ジメタメトリン(dimethametryn)、ヘキサジノン(hexazinone)、メトリブジン(metribuzin)、メタミトロン(metamitron)、テルブチラジン(terbuthylazine)、シアナジン(cyanazine)、アメトリン(ametryn)、シブトリン(cybutryne)、プロパジン(propazine)、デスメトリン(desmetryne)、プロメトン(prometon)、テルブメトン(terbumeton)、テルブトリン(terbutryne)、トリエタジン(trietazine)等のトリアジン系;ブロマシル(bromacil)、レナシル(lenacil)、ターバシル(terbacil)等のウラシル系;プロパニル(propanil)、ペンタノクロル(pentanochlor)等のアニリド系;デスメディファム(desmedipham)、フェンメディファム(phenmedipham)等のカーバメート系;ブロモキシニル(bromoxynil)、アイオキシニル(ioxynil)、ブロモフェノキシム(bromofenoxim)等のヒドロキシベンゾニトリル系;その他ピリデート(pyridate)、クロリダゾン(chloridazon)、ベンタゾン(bentazon)、アミカルバゾン(amicarbazone)、メタゾール(methazole)、ピリダフォル(pyridafol)等の植物の光合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0078】
(c)それ自身が植物体中でフリーラジカルとなり、活性酸素を生成させて速効的な除草効力を示すとされているパラコート(paraquat)、ジクワット(diquat)等の4級アンモニウム塩系。
【0079】
(d)クロメトキシフェン(chlomethoxyfen)、ビフェノックス(bifenox)、アシフルオルフェンナトリウム塩(acifluorfen-sodium)、ホメサフェン(fomesafen)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、ラクトフェン(lactofen)、エトキシフェンエチル(ethoxyfen-ethyl)、フルオログリコフェンエチル(fluoroglycofen-ethyl)、ハロサフェン(halosafen)等のジフェニルエーテル系;クロルフタリム(chlorphthalim)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルミクロラックペンチル(flumiclorac-pentyl)、シニドンエチル(cinidon-ethyl)等の環状イミド系;フルチアセットメチル(fluthiacet-methyl)、チジアジミン(thidiazimin)等のチアジアゾール系;オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジアゾン(oxadiazon)等のオキサジアゾール系;アザフェニジン(azafenidin)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、カルフェントラゾンエチル(carfentrazone-ethyl)、ベンカルバゾン(bencarbazone)等のトリアゾリノン系;フルアゾレート(fluazolate)、ピラフルフェンエチル(pyraflufen-ethyl)等のフェニルピラゾール系;ベンズフェンジゾン(benzfendizone)、ブタフェナシル(butafenacil)等のピリミジンジオン系;その他ペントキサゾン(pentoxazone)、プロフルアゾール(profluazol)、ピラクロニル(pyrachlonil)、フルフェンピルエチル(flufenpyr-ethyl)等の植物のクロロフィル生合成を阻害し、光増感過酸化物質を植物体中に異常蓄積させることで除草効力を示すとされているもの。
【0080】
(e)ピラゾリネート(pyrazolynate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、トプラメゾン(topramezone、BAS−670H)、ピラスルフォトール(pyrasulfotole)等のピラゾール系;スルコトリオン(sulcotrione)、メソトリオン(mesotrione)、テフリルトリオン(tefuryltrione、AVH−301)、テンボトリオン(tembotrione)等のトリケトン系;イソキサフルトール(isoxaflutole)、イソキサクロロトール(isoxachlortole)等のイソキサゾール系;その他アミトロール(amitrol)、フルオメチュロン(fluometuron)、アクロニフェン(aclonifen)、ノルフルラゾン(norflurazon)、フルリドン(fluridone)、フルルタモン(flurtamone)、ジフルフェニカン(diflufenican)、クロマゾン(clomazone)、ベンゾビシクロン(benzobicyclone)、ピコリナフェン(picolinafen)、ベフルブタミド(beflubutamid)、フルロクロリドン(flurochloridone)等のカロチノイド等の植物の色素生合成を阻害し、白化作用を特徴とする除草効力を示すとされているもの。
【0081】
(f)ジクロホップメチル(diclofop-methyl)、フラムプロップエムメチル(flamprop-M-methyl)、フルアジホップブチル(fluazifop-butyl)、ハロキシホップメチル(haloxyfop-methyl)、キザロホップエチル(quizalofop-ethyl)、シハロホップブチル(cyhalofop-butyl)、フェノキサプロップエチル(fenoxaprop-ethyl)、メタミホップ(metamifop)、クロジナホッププロパルギル(clodinafop-propargyl)、プロパキザホップPエチル(propaquizafop-P-ethyl)等のアリールオキシフェノキシプロピオン酸系;アロキシジムナトリウム塩(alloxydim-sodium)、クレソジム(clethodim)、セトキシジム(sethoxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、ブトロキシジム(butroxydim)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、プロホキシジム(profoxydim)、シクロキシジム(cycloxydim)等のシクロヘキサンジオン系;ピノキサデン(pinoxaden)等のフェニルピラゾリン系等の植物のアセチルCoAカルボキシラーゼを阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0082】
(g)クロリムロンエチル(chlorimuron-ethyl)、スルホメツロンメチル(sulfometuron-methyl)、プリミスルフロンメチル(primisulfuron-methyl)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron-methyl)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、メトスルフロンメチル(metsulfuron-methyl)、シノスルフロン(cinosulfuron)、ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron-ethyl)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、リムスルフロン(rimsulfuron)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、プロスルフロン(prosulfuron)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron-methyl)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron-methyl)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、エタメトスルフロンメチル(ethametsulfuron-methyl)、イオドスルフロン(iodosulfuron)、スルフォスルフロン(sulfosulfuron)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリベヌロンメチル(tribenuron-methyl)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、フォーラムスルフロン(foramsulfuron)、トリフルオキシスルフロン(trifloxysulfuron)、メソスルフロンメチル(mesosulfuron-methyl)、オルソスルファムロン(orthosulfamuron)、トリフルスルフロンメチル(triflusulfuron-methyl)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、TH−547等のスルホニルウレア系;フルメツラム(flumetsulam)、メトスラム(metosulam)、ジクロスラム(diclosulam)、クロランスラムメチル(cloransulam-methyl)、フロラスラム(florasulam)、メトスルファム(metosulfam)、ペノキススラム(penoxsulam)、ピロキスラム(pyroxsulam)等のトリアゾロピリミジンスルホンアミド系;イマザピル(imazapyr)、イマゼタピル(imazethapyr)、イマザキン(imazaquin)、イマザモックス(imazamox)、イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザピック(imazapic)等のイミダゾリノン系;ピリチオバックナトリウム塩(pyrithiobac-sodium)、ビスピリバックナトリウム塩(bispyribac-sodium)、ピリミノバックメチル(pyriminobac-methyl)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)等のピリミジニルサリチル酸系;フルカーバゾン(flucarbazone)、プロポキシカルバゾン(propoxycarbazone)、チエンカルバゾンメチル(thiencarbazone-methyl)等のスルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系;その他グリホサート(glyphosate)、グリホサートアンモニウム塩(glyphosate-ammonium)、グリホサートi−プロピルアミン塩(glyphosate-isopropylamine)、スルホサート(sulfosate)、グルホシネート(glufosinate)、グルホシネートアンモニウム塩(glufosinate-ammonium)、ビラナホス(bilanafos)等の植物のアミノ酸生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0083】
(h)トリフルラリン(trifluralin)、オリザリン(oryzalin)、ペンディメタリン(pendimethalin)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、ベンフルラリン(benfluralin)、プロジアミン(prodiamine)、ブトラリン(butralin)、ジニトラミン(dinitramine)等のジニトロアニリン系;プロナミド(pronamide)、テブタム(tebutam)等のベンズアミド系;アミプロホスメチル(amiprofos-methyl)、ブタミホス(butamifos)等の有機リン系;プロファム(propham)、クロルプロファム(chlorpropham)、カルベタミド(carbetamide)等のフェニルカーバメート系;ジチオピル(dithiopyr)、チアゾピル(thiazopyr)等のピリジン系;その他DCPA等の植物の細胞有糸分裂を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0084】
(i)アラクロール(alachlor)、メタザクロール(metazachlor)、ブタクロール(butachlor)、プレチラクロール(pretilachlor)、メトラクロール(metolachlor)、S−メトラクロール(S-metolachlor)、テニルクロール(thenylchlor)、ペトキサマイド(pethoxamid)、アセトクロール(acetochlor)、プロパクロール(propachlor)、プロピソクロール(propisochlor)、ジメテナミド(dimethenamid)、ジメテナミド−P(dimethenamid-P)、ジメタクロール(dimethachlor)等のクロロアセトアミド系;ジフェナミド(diphenamid)、ナプロパミド(napropamide)、ナプロアニリド(naproanilide)等のアセトアミド系;フルフェナセット(flufenacet)、メフェナセット(mefenacet)等のオキシアセトアミド系;その他フェントラザミド(fentrazamide)、カフェンストロール(cafenstrole)、インダノファン(indanofan)、アニロホス(anilofos)、ピペロホス(piperophos)等の植物の細胞分裂阻害あるいは超長鎖脂肪酸生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0085】
(j)モリネート(molinate)、ジメピペレート(dimepiperate)、EPTC、ブチレート(butylate)、シクロエート(cycloate)、エスプロカルブ(esprocarb)、オルベンカルブ(orbencarb)、ペブレート(pebulate)、プロスルホカルブ(prosulfocarb)、チオベンカルブ(thiobencarb)、チオカルバジル(tiocarbazil)、トリアレート(triallate)、ベルノレート(vernolate)等のチオカーバメート系;ベンフレセート(benfuresate)、エトフメセート(ethofumesate)等のベンゾフラン系;その他ベンスリド(bensulide)、TCA、ダラポン(dalapon)、フルプロパネート(flupropanate)等の植物の脂質生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0086】
(k)アシュラム(asulam)、DNOC、ジノゼブ(dinoseb)、ジノターブ(dinoterb)、フルポキサム(flupoxam)、ジクロベニル(dichlobenil)、クロルチアミド(chlorthiamid)、イソキサベン(isoxaben)、キンクロラック(quinclorac)、MSMA、DSMA、エンドタール(endothall)、ソディウムクロレート(sodiumchlorate)、ペラルゴン酸(pelargonicacid)、ホスアミン(fosamine)、フランプロップi−プロピル(flamprop-isopropyl)、ジフェンゾコート(difenzoquat)、ブロモブチド(bromobutide)、クロルフルレノール(chlorflurenol)、シンメチリン(cinmethylin)、クミルロン(cumyluron)、ダゾメット(dazomet)、ダイムロン(daimuron)、メチルダイムロン(methyl-dymron)、エトベンザニド(etobenzanid)、メタム(matam)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、オレイン酸(oleic acid)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、ピロキサスルホン(pyroxasulfone、KIH−485)、HOK−201等のその他の除草剤。
【実施例】
【0087】
次に実施例を示して本発明をより詳細に説明する。ただし、これらの実施例によって本発明の範囲が限定されるものではない。
【0088】
特許文献4に記載の製造法に基づき表1に示す化合物を合成した。それらの物性を表1に示す。なお、表1中の物性欄の数値は融点(℃)を示す。
【0089】
【表1】

【0090】

【0091】

【0092】

【0093】

【0094】

【0095】

【0096】

【0097】
製剤実施例
次に、本発明の除草剤に関する製剤例を若干示す。有効成分化合物、添加物および添加割合は、本製剤実施例に限定されることなく、広い範囲で変更可能である。製剤実施例中の部は重量部を示す。
【0098】
(製剤実施例1)水和剤
本発明化合物 20部
ホワイトカーボン 20部
ケイソウ土 52部
アルキル硫酸ソーダ 8部
以上を均一に混合、微細に粉砕して、有効成分20%の水和剤を得る。
【0099】
(製剤実施例2)乳剤
本発明化合物 20部
キシレン 55部
ジメチルホルムアミド 15部
ポリオキシエチレンフェニルエーテル 10部
以上を混合、溶解して有効成分20%の乳剤を得る。
【0100】
(製剤実施例3)粒剤
本発明化合物 5部
タルク 40部
クレー 38部
ベントナイト 10部
アルキル硫酸ソーダ 7部
以上を均一に混合して微細に粉砕後、直径0.5〜1.0mmの粒状に造粒して有効成分5%の粒剤を得る。
【0101】
次に本発明の除草剤の効果に関する試験例を示す。
(試験例1)ヒエの除草効果
面積100cm2、深さ10cmの樹脂製ポットに、水を加えて、代かき状態にした水田土壌をつめ、ヒエの種子を播種した。次いで2.5葉期のイネを移植し湛水状態とした。温室内で育成し、ヒエの葉齢が1.5葉になった時期に、薬剤成分量が1ha当り63gとなるよう調製した薬液をポットに散布した。3週間経過後に除草効果とイネへの薬害とを判定した。
化合物番号3、6、7、12、13、15、16、17、20、23、24、25、27、28、30、31、32、33、34、37、39、41、42、43、45、48、51、52、53、54、56および57の化合物についてヒエの殺草効果を調べた。いずれの化合物もヒエの殺草率は60%以上、イネの殺草率は0%であった。
【0102】
(試験例2)ホタルイの除草効果
面積100cm2、深さ10cmの樹脂製ポットに、水を加えて、代かき状態にした水田土壌をつめ、ホタルイの種子を播種した。次いで2.5葉期のイネを移植し湛水状態とした。温室内で育成し、ホタルイの葉齢が1.5葉になった時期に、薬剤成分量が1ha当り63gとなるよう調製した薬液をポットに散布した。3週間経過後に除草効果とイネへの薬害とを判定した。
化合物番号3、5、6、7、8、12、13、15、16、17、18、19、20、23、24、25、26、27、28、30、31、32、33、34、35、36、39、41、42、50、および51の化合物についてホタルイの殺草効果を調べた。いずれの化合物もホタルイの殺草率は60%以上、イネの殺草率は0%であった。
【0103】
なお、殺草率は下記の数式によって算出した。
【0104】
【数1】

【0105】
以上の結果から、本発明の化合物を含有する除草剤は、ヒエやホタルイなどの雑草を防除できることがわかる。また、本発明の化合物を有効成分として含有する除草剤は、イネに対して薬害が無いことがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)

〈式(I)中、Eは、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、または無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基を示す。
1は、ハロゲン原子、または無置換の若しくは置換基を有するアルキル基を示す。pは、R1の置換数を示し且つ1〜3のいずれかの整数である。pが2以上のとき、複数のR1は同一であってもよいし相異なっていてもよい。
2およびR3は、それぞれ独立して、無置換の若しくは置換基を有するアルキル基を示す。また、R2とR3とが結合して環を形成してもよい。
Qは、式(Q1)または式(Q2)で表される基から選ばれる一種の基を示す。

〔式(Q1)または式(Q2)中、*は結合部位を示す。
Gは、酸素原子、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、または −NRa−(なお、Raは、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するアルキル基、または無置換の若しくは置換基を有するアリール基を示す。)を示す。
4は、水素原子、または無置換の若しくは置換基を有するアルキル基を示す。
5は、無置換の若しくは置換基を有するアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するアルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリール基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロアリール基、無置換の若しくは置換基を有するアシル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基、Ra2NC(O)基(なお、Raは、前記と同じ意味を示す。)、無置換の若しくは置換基を有する(アルキルチオ)カルボニル基、無置換の若しくは置換基を有する(アリールチオ)カルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ(チオカルボニル)基、無置換の若しくは置換基を有するアリールオキシ(チオカルボニル)基、無置換の若しくは置換基を有する(アルキルチオ)チオカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有する(アリールチオ)チオカルボニル基、無置換の若しくは置換基を有するアルキル(チオカルボニル)基、無置換の若しくは置換基を有するアリール(チオカルボニル)基、無置換の若しくは置換基を有するアルキルスルホニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールスルフィニル基、無置換の若しくは置換基を有するアリールスルホニル基、またはNRa2SO2基(なお、Raは、前記と同じ意味を示す。)を示す。
6は、水素原子、または無置換の若しくは置換基を有するアルキル基を示す。
Yは、オキソ基、無置換の若しくは置換基を有するアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアルコキシ基、無置換の若しくは置換基を有するアシル基または無置換の若しくは置換基を有するアルコキシカルボニル基を示す。mは、Yの置換数を示し且つ0〜4のいずれかの整数である。mが2以上のとき、複数のYは同一であってもよいし相異なっていてもよい。また、Y同士が結合して環を形成してもよい。〕〉
で表されるスルホキシイミン置換ベンゾイル誘導体またはその塩。
【請求項2】
請求項1に記載のスルホキシイミン置換ベンゾイル誘導体若しくはその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する除草剤。

【公開番号】特開2011−153088(P2011−153088A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14827(P2010−14827)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000004307)日本曹達株式会社 (434)
【Fターム(参考)】