説明

セロトニン2Bおよび/または2C受容体拮抗剤

【課題】 有効にセロトニン受容体2Bや2Cへの結合阻害作用を有するセロトニン受容体2Bおよび/または2C拮抗剤を提供すること。
【課題手段】
下記式1等で表される化合物
【化39】


(式中Xは水素原子、水酸基または酸素原子を示し、Rはアルキル基を示す)
を有効成分として含有するセロトニン受容体2Bおよび/または2C拮抗剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセロトニン2Bおよび/または2C受容体拮抗剤に関し、更に詳細には、摂食障害などのセロトニン2Bおよび/または2C受容体に関連する疾患の予防・治療効果を有するセロトニン2Bおよび/または2C受容体拮抗剤に関する。
【背景技術】
【0002】
セロトニンは5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT)とも呼ばれる生理活性アミンの一つであり、1種のホルモンとして機能し、平滑筋の収縮を制御している。また、セロトニンは神経伝達物質として、生体内において受容体を介して様々な生理作用を示す。
【0003】
セロトニン受容体には、これまで多数のサブタイプが報告されており、その中のいくつかについて生体内分布や機能との関連が明らかとなってきている。例えば、サブタイプ3は抹消神経、最後野等に存在し、摂食や血圧・呼吸反射等に関与しており、サブタイプ4は、海馬、腸神経叢、心臓などに存在し、胃液分泌および蠕動運動を亢進させたり、心臓では心収縮力と拍動数を増加させる機能を有する。
【0004】
一方セロトニン受容体2は、さらにサブタイプ2A〜2Cに分類される。これらのうちサブタイプ2Bは主に胃など末梢器官に存在し胃底部平滑筋収縮などに関与しており、サブタイプ2Cは主に脳など中枢神経系に存在し脳脊髄液産生調節機能などに関与するものであるが、いずれも様々な疾患に関連することが知られている。例えば、サブタイプ2Cには、特に肥満などの摂食障害、記憶障害、精神分裂病、気分障害、不安障害、疼痛、性的機能不全、泌尿器疾患およびうつ病との関連が報告されている(特許文献1)。
【0005】
また、サブタイプ2Bには、偏頭痛、高血圧、胃腸管障害、再狭窄、喘息、閉塞性気道疾患、肺気管支異形成、前立腺肥大、持続勃起症、アレルギー喘息、過敏性大腸症候群、下部食道括約筋過緊張、消化管運動異常、良性前立腺肥大などの疾患との関連が報告されている(特許文献2および3)。
【0006】
このようにセロトニン受容体2B、2Cが関連する疾患として種々のものがあり、生体内においてこれらのセロトニン受容体との結合を阻害する物質は、そのような疾患の予防薬や治療薬として有用である。また、セロトニン受容体3または4の拮抗剤は既に開発されているが、2B、2Cの拮抗剤はいまだ有効な薬剤が開発されていない。
【0007】
【特許文献1】特表2003−502317号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2003−166672号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2003−022920号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って本発明は、有効にセロトニン受容体、特にサブタイプ2Bや2Cへの結合阻害作用を有する物質を見出し、これを利用するセロトニン受容体2Bおよび/または2C拮抗剤を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、セロトニン受容体拮抗作用を有する物質を鋭意検索していたところ、特定の構造式で表される化合物がセロトニン受容体2Bや2Cに対して優れた拮抗作用を有することを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち本発明は、
下記式(1)ないし(4)、
【化20】

(式中Xは水素原子、水酸基または酸素原子を示し、Rはアルキル基を示す)
【化21】

(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、複数のRおよびRはそれぞれ水素原子、メトキシ基または水酸基を示す)
【化22】

【化23】

で表される化合物を有効成分として含有するセロトニン受容体2Bおよび/または2C拮抗剤である。
【発明の効果】
【0011】
本発明のセロトニン受容体2Bおよび/または2C拮抗剤に配合される式(1)ないし(4)の化合物は、セロトニン受容体サブタイプ2Bおよび/または2Cに対し優れた結合阻害作用を有するものである。従って、これらを有効成分とする本発明のセロトニン受容体2Bおよび/または2C拮抗剤は、セロトニン受容体が関連する摂食障害などの疾患の治療に有効なものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のセロトニン受容体2Bおよび/または2C拮抗剤において使用される有効成分の一つとしては、下記の一般式(1)で表される化合物が用いられる。
【0013】
【化24】

(式中Xは水素原子、水酸基または酸素原子を示し、Rはアルキル基を示す)
【0014】
上記式(1)で表される化合物には、下記式(5)ないし(9)の化合物が含まれており、これらが好ましく用いられる。これらの化合物の慣用名は、それぞれ8−ギンゲロール、10−ギンゲロール、8−ショーガオール、10−ギンゲルジオン、10−デヒドロギンゲルジオンである。
【0015】
【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【0016】
これらの化合物は、公知方法によって単離するか、または市販品を用いることができる。例えば、10−ギンゲルジオンおよび10−デヒドロギンゲルジオンは、Chem. Pharm. Bull., 40(2), P.389-391 (1992)やChem. Pharm. Bull., 30(2), P.754-757 (1982)に記載の分離精製方法によって得ることができる。また8−ギンゲロールおよび10−ギンゲロールはクロマデックス・インク(ChromaDex,Inc)から、8−ショーガオールは和光純薬工業からそれぞれ市販されており、これを用いることができる。
【0017】
また、本発明に用いる有効成分として下記一般式(2)で表される化合物を用いることもできる。
【0018】
【化30】

【0019】
上記式(2)で表される化合物には、下記式(10)ないし(15)の化合物が含まれ、これらが好ましく用いられる。これらの化合物の慣用名はそれぞれ、タンゲレチン、3,3’,4’,5,6,7,8−ヘプタメトキシフラボン、ナリンゲシン、ノビレチン、リクイリチゲニン、ヘスペレチンである。
【0020】
【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【0021】
これらの化合物は公知の方法により単離または合成するか、あるいは市販品を用いることができる。例えば、タンゲレチン、3,3’,4’,5,6,7,8−ヘプタメトキシフラボンおよびノビレチンは公知方法により分離精製して得ることができる(Chem. Pharm. Bull., 37(4), P.1092-1094 (1989)、Chem. Pharm. Bull., 35(7), P.3025-3028 (1987))。
【0022】
一方、ナリンゲニンおよびヘスペレチンは公知方法により合成することができる(薬学雑誌、48(10), P.933-937 (1928)、薬学雑誌、48(10), P.938-941 (1928))。またリクイリチゲニンは、クロマッデクス・インク(ChromaDex,Inc)から市販されているものを用いることができる。
【0023】
さらに、本発明に用いる有効成分として、下記式(3)で表されるグリシクマリンおよび式(4)で表されるイソリチリチゲニンを用いることができる。
【0024】
【化37】

【化38】

【0025】
上記グリシクマリンは、例えばChem. Pharm. Bull., 36(6), P.2090-2097 (1988)に記載の方法で単離することができ、また、イソリチリチゲニンはシグマ(Sigma)社から市販されているので、これを用いることができる。
【0026】
本発明のセロトニン受容体2Bおよび/または2C拮抗剤は、上記した化合物を有効成分とし、他の医薬用担体と適宜混合し、これを経口剤あるいは非経口剤として製剤化することにより製造することができる。
【0027】
経口剤としては、粉剤、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、軟カプセル剤、液剤等とすることができ、これに応じた医薬用担体、例えば、デンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩等を利用することができる。また、経口剤の調製にあたっては、更に結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料等を配合することができる。
【0028】
また、非経口剤も常法に従って製造され、希釈剤として一般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、注射用植物油、ゴマ油、ラッカセイ油、ダイズ油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等を用いることができる。更に、必要に応じて、殺菌剤、防腐剤、安定剤を加えてもよい。
【0029】
更に、この非経口剤は安定性の点から、バイアル等に充填後冷凍し、通常の凍結乾燥技術により水分を除去し、使用直前に凍結乾燥物から液剤を再調製することもできる。更にまた、必要に応じて適宜、等張化剤、安定剤、防腐剤、無痛化剤等を加えてもよい。その他の非経口剤としては、外用液剤、軟膏等の塗布剤、直腸内投与のための坐剤等が挙げられ、これらは何れも常法に従って製造される。
【0030】
本発明のセロトニン受容体2Bおよび/または2C拮抗剤において、有効成分である化合物の配合量は、化合物の種類、対象疾患、疾患程度、患者年齢等によっても相違するが、例えば、3,3’,4’,5,6,7,8−ヘプタメトキシフラボンを用いる場合は、大人一人当たり一日量として、1mgないし1g程度であり、100mgないし500mgとすることが好ましい。他の化合物を用いる場合も、大人一人当たり一日量としては、3,3’,4’,5,6,7,8−ヘプタメトキシフラボンと同程度とすることが好ましい。
【0031】
以上のようにして得られる本発明のセロトニン受容体2Bおよび/または2C拮抗剤は、セロトニン受容体2B、2Cが関連する種々の疾患、例えば、摂食障害、記憶障害、精神分裂病、気分障害、不安障害、疼痛、性的機能不全、泌尿器疾患およびうつ病などの主に2Cと関連する疾患や、偏頭痛、高血圧、胃腸管障害、再狭窄、喘息、閉塞性気道疾患、肺気管支異形成、前立腺肥大、持続勃起症、アレルギー喘息、過敏性大腸症候群、下部食道括約筋過緊張、消化管運動異常および良性前立腺肥大などの主に2Bが関連する疾患の予防・治療に有用である。
【0032】
また、本発明に用いられる化合物のうち、8−ギンゲロール、タンゲレチン、3,3’,4’,5,6,7,8−ヘプタメトキシフラボンおよびノビレチンの4種類の化合物は、セロトニン受容体2Bに選択的に作用するが、2Bは主に末梢器官に存在し、2Cと比較して脳などの中枢神経には少ないため、中枢神経系への影響等の面で有利に利用できるものである。
【実施例】
【0033】
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
【0034】
実 施 例 1
セロトニン受容体2B結合阻害試験:
セロトニン受容体2Bのリガンド[H]LSD(Lysergic acid diethylamide)の特異的結合に対する阻害作用を調べた。
【0035】
(1)被験物質
次の13種類の化合物を被験物質として用いた。
8−ギンゲロール、10−ギンゲロール、8−ショーガオール、10−ギンゲルジオン、10−デヒドロギンゲルジオン、タンゲレチン、3,3’,4’,5,6,7,8−ヘプタメトキシフラボン、ナリンゲニン、ノギレチン、リクイリチゲニン、ヘスペレチン、グリシクマリン、イソリチリチゲニン
【0036】
(2)受容体結合阻害試験
Tris−HCI緩衝液(pH7.7に、リコンビナントセロトニン2B受容体30μg、1.2nMの[H]LSDおよび被験物質を加え37℃、60分間インキュベーションした後、ガラス繊維フィルターにより濾過した。フィルターを洗浄し、液体シンチレーションカウンターで放射活性を測定した。この結合量から10μMセロトニン存在下の非特異的結合量を差し引いて[H]LSDとの特異的結合量を求めた。この特異的結合を50%抑制するために必要な被験物質の量をIC50値とし、非線形最小二乗法により求めた。その結果を表1に示す。
【0037】
実 施 例 2
セロトニン受容体2C結合阻害試験:
セロトニン受容体2Cのリガンド[H]メスレルギンの特異的結合に対する阻害作用を調べた。
【0038】
(1)被験物質
実施例1で用いた化合物のうち、リクイリチゲニンを除いた12種類の化合物を用いた。
(2)受容体結合阻害試験
Tris−HCI緩衝液(pH7.7) に、リコンビナントセロトニン2C受容体3.2μg、1.0nMの[H]メスレルギンおよび被験物質を加え25℃、60分間インキュベーションした後、ガラス繊維フィルターにより濾過した。フィルターを洗浄し、液体シンチレーションカウンターで放射活性を測定した。この結合量から1μMミアンセリン存在下の非特異的結合量を差し引いて[H]メスレルギンとの特異的結合量を求めた。それぞれの被験物質について実施例1と同様にしてIC50値を求めた。結果を表1に示す。
【0039】
実 施 例 3
セロトニン受容体3結合阻害試験:
セロトニン受容体3のリガンド[H]GR−65630(3‐(5‐メチル‐1H‐イミダゾール‐4‐イル)‐1‐(1‐メチル‐1H‐インドール‐2‐イル)‐1‐プロパノン)の特異的結合に対する阻害作用を調べた。
【0040】
(1)被験物質
実施例1で用いた化合物のうち、グリシクマリン、イソリクイリチゲニン、ナリンゲリンおよびリクイリチゲニンを除いた9種類の化合物を用いた。
【0041】
(2)受容体結合阻害試験
Tris−HCI緩衝液(pH7.5) に、ヒトリコンビナントセロトニン3受容体3.2μg、0.69nMの[H]GR−65630および被験物質を加え25℃、60分間インキュベーションした後、ガラス繊維フィルターにより濾過した。フィルターを洗浄し、液体シンチレーションカウンターで放射活性を測定した。この結合量から1μM MDL−7222(3,5‐ジクロロ安息香酸(1β,5β)‐8‐メチル‐8‐アザビシクロ[3.2.1]オクタン‐3α‐イル)存在下の非特異的結合量を差し引いて[H]GR−65630との特異的結合量を求めた。それぞれの被験物質について、実施例1と同様にしてIC50値を求めた。結果を表1に示す。
【0042】
実 施 例 4
セロトニン受容体4結合阻害試験:
セロトニン受容体4のアンタゴニスト[H]GR−113808(1−(2−メチルエチルスルホニルアミノエチル)−4−ピペリジニルメチル 1−メチルー1H−インドール−3−カルボキシレート)の特異的結合に対する阻害作用を調べた。
【0043】
(1)被験物質
実施例1で用いた化合物のうち、グリシクマリン、イソリクイリチゲニンおよびヘスペレチン(計3種類の化合物)を用いた。
【0044】
(2)膜の調製
ハートレイ系モルモット(体重250±20g)を用い、脳線条体を採取した。組織をTris−HCI緩衝液(pH7.4)でホモジナイスした後、遠心分離し、膜分画(ペレット部)を得た。
【0045】
(3)受容体結合阻害試験
Tris−HCI緩衝液(pH7.4)に、膜画分12.5mg、0.7nMの[H]GR−113808および被験物質を加え25℃、60分間インキュベーションした後、ガラス繊維フィルターにより濾過した。フィルターを洗浄し、液体シンチレーションカウンターで放射活性を測定した。この結合量から30μM セロトニン存在下の非特異的結合量を差し引いて[H]GR−113808との特異的結合量を求めた。それぞれの被験物質について、実施例1と同様にしてIC50値を求めた。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】

【0047】
いずれの化合物もセロトニン受容体2Bに対して結合阻害活性を示した。このうち、8−ギンゲロール、タンゲレチン、3,3’,4’,5,6,7,8−ヘプタメトキシフラボンおよびノビレチンは、2Bに対して選択的に結合阻害活性を示し、その他の化合物は2Bおよび2Cのいずれに対しても阻害活性を示した。またセロトニン受容体3に対しては、試験したいずれの化合物も阻害活性は低く、2Bおよび/または2C選択性を示した。さらに、イソリクイリチゲニンおよびヘスペレチンはセロトニン受容体4に対しても阻害活性は低く2Bおよび2C選択性を示した。セロトニン受容体3、4、2Bおよび2Cはそれぞれ種々の生理活性を有するため、特定のサブタイプに選択性を有することは副作用の点で有利である。
【0048】
製 剤 例 1
3,3’,4’,5,6,7,8−ヘプタメトキシフラボン100gを乳糖270g、微結晶セルロース120g、およびステアリン酸マグネシウム10gと混合し、この混合物を単発式打錠機にて打錠して直径9mm、重量250mgの錠剤を製造した。
【0049】
本錠剤1錠は、3,3’,4’,5,6,7,8−ヘプタメトキシフラボンを50mg含有し、症状にあわせて1日3〜10錠を数回に分けて服用するものであるする。
【0050】
製 剤 例 2
ノビレチン50gをトウモロコシデンプン950gと混合し、水を加えて練合し、1mm×1mmの網目を有するスクリーンにて造粒、乾燥して顆粒剤とした。
【0051】
本顆粒剤1gは、ノビレチンを50mg含有し、症状にあわせて1日2〜6gを数回に分けて服用するものである。
【0052】
製 剤 例 3
タンゲレチン100gを乳糖210g、でんぷん120g、滑石50g、ステアリン酸マグネシウム20gと混合し、250mgずつ硬カプセルに充填してカプセル剤を製造した。
【0053】
本カプセル剤1カプセルは、タンゲレチンを50mg含有し、症状にあわせて1日3〜10カプセルを数回にわけて服用するものである。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明のセロトニン受容体2Bおよび/または2C拮抗剤は、セロトニン受容体サブタイプのうち、2Bおよび/または2Cに対し優れた結合阻害作用を有するものである。
【0055】
従って本発明のセロトニン受容体2Bおよび/または2C拮抗剤は、セロトニン受容体2B、2Cが関連する種々の疾患、例えば、摂食障害、記憶障害、精神分裂病、気分障害、不安障害、疼痛、性的機能不全、泌尿器疾患およびうつ病などの主に2Cと関連する疾患や、偏頭痛、高血圧、胃腸管障害、再狭窄、喘息、閉塞性気道疾患、肺気管支異形成、前立腺肥大、持続勃起症、アレルギー喘息、過敏性大腸症候群、下部食道括約筋過緊張、消化管運動異常および良性前立腺肥大などの主に2Bが関連する疾患の予防・治療に有効なものである。
以 上

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)ないし(4)、
【化1】

(式中Xは水素原子、水酸基または酸素原子を示し、Rはアルキル基を示す)
【化2】

(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、複数のRおよびRはそれぞれ水素原子、メトキシ基または水酸基を示す)
【化3】

【化4】

で表される化合物を有効成分として含有するセロトニン受容体2Bおよび/または2C拮抗剤。
【請求項2】
上記式(1)で表される化合物が、下記式(5)ないし(9)で表されるいずれかの化合物である請求項第1項記載のセロトニン受容体2Bおよび/または2C拮抗剤。
【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【請求項3】
上記式(2)で表される化合物が、下記式(10)ないし(15)で表されるいずれかの化合物である請求項第1項記載のセロトニン受容体2Bおよび/または2C拮抗剤。
【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【請求項4】
セロトニン受容体2Bおよび/または2C関連疾患の予防および/または治療効果を有する請求項第1項ないし第3項の何れかの項記載のセロトニン受容体2Bおよび/または2C拮抗剤。
【請求項5】
セロトニン受容体2Bおよび/または2C関連疾患が、摂食障害、記憶障害、精神分裂病、気分障害、不安障害、疼痛、性的機能不全、泌尿器疾患、うつ病、偏頭痛、高血圧、胃腸管障害、再狭窄、喘息、閉塞性気道疾患、肺気管支異形成、前立腺肥大、持続勃起症、アレルギー喘息、過敏性大腸症候群、下部食道括約筋過緊張、消化管運動異常および良性前立腺肥大から選ばれるものである請求項第4項記載のセロトニン受容体2Bおよび/または2C拮抗剤。
【請求項6】
下記式(5)、(10)、(11)または(13)、
【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

で表されるいずれかの化合物を有効成分として含有するセロトニン受容体2B選択的拮抗剤。

【公開番号】特開2008−156297(P2008−156297A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−348101(P2006−348101)
【出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(504173471)国立大学法人 北海道大学 (971)
【出願人】(000003665)株式会社ツムラ (43)
【Fターム(参考)】