説明

ターレット型包装機の保持ポケット

【課題】保持ポケットからの被包装物の飛び出しを確実に防止することができるターレット型包装機の保持ポケットを提供する。
【解決手段】保持ポケット51は、包材による包装が未完の半包装状態にあるフィルタシガレットの包装体118の受け入れを許容する開口端50を有する直方体形状をなしており、上壁52、底壁54、左右の側壁56,57及び端壁58を含み、上壁52には矩形の上部開口62が設けられており、上部開口62には、保持ポケット51内に向かって凸状に湾曲して設けられた板ばねユニット64が配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターレット型包装機に係わり、より詳しくは、被包装物を確実に保持できるターレット型包装機の保持ポケットに関する。
【背景技術】
【0002】
フィルタシガレットやシガレット等の煙草商品の束を包装するターレット型包装機としては、例えば、特許文献1に開示されるような煙草パック製造用包装機が提案されている。
【特許文献1】特許第3437753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1に開示される包装機において、煙草商品のグループ14のための包材は先ず、中空のマンドレル18の外周に巻き付けられ、底を有する未完の折込み状態に形成される。この後、煙草商品のグループ14はマンドレル18内を通過すべく供給される。このとき、グループ14は未完の折込み状態にある包材の底に当接することで、この包材を伴って保持ポケット21に受け渡され、半包装状態の包装体として保持ポケット21内に保持される。このような受渡しの際、保持ポケット21は、マンドレル18側に移動し、煙草のグループ14を迎えに行く(特許文献1の図3のh参照)。そして、半包装状態の包装体を保持した後、マンドレル18から離れ、元の位置に復帰する。このとき、保持ポケット21が移動する方向とは反対側に位置する半包装状態の包装体の端は、包材により閉じられておらず、開放端となっていることから、保持ポケット21の復帰動作や、その他の機械動作に伴う振動等により、斯かる包装体の開放端から煙草商品が飛び出すことがある。
【0004】
このように、煙草商品が飛び出した状態では、包材に対する残りの折込み動作が不能となる。即ち、この折込み動作のために、保持ポケットを備えたターレットの回転がなされると、飛び出した煙草商品が前記折込み動作のための折込み用ガイド等に接触し、煙草商品が破断したり、また、折込みガイドをも損傷させてしまうことがある。
本発明は、上記の不具合の発生を抑えるためのものであり、その目的とするところは、保持ポケットからの被包装物の飛び出しを確実に防止することができるターレット型包装機の保持ポケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明のターレット型包装機の保持ポケットは、複数の保持ポケットを有するターレットを備え、前記保持ポケット内に包材による包装が未完の半包装状態にある包装体を押し込んで保持し、この後、ターレットの回転に伴い前記包装体の包装を完成させるターレット型包装機であって、前記保持ポケット内に押し込まれる際、前記包装体は押込み方向でみて、その後端面のみが開放した半包装状態にあり、前記包装体の押込み後、前記保持ポケットが前記押込み方向に移動する、ターレット型包装機の保持ポケットにおいて、前記半包装状態にある包装体の受け入れを許容する開口端を有した直方体状のポケット本体と、前記ポケット本体内に前記包装体があるとき、前記包装体を前記ポケット本体の内面に押し付ける押圧力を加える押圧手段とを備えることを特徴とするものである(請求項1)。
【0006】
請求項1のターレット型包装機の保持ポケットによれば、押圧手段により、ポケット本体内に押し込まれた半包装状態にある包装体がポケット本体の内面に押し付けられるので、斯かる包装体は確実に保持ポケット内に保持される。
具体的には、前記ポケット本体は、前記ターレットの径方向に離間した上壁及び底壁と、前記ターレットの回転方向に離間した2つの側壁とを含み、前記上壁は、矩形の上部開口を有しており、前記押圧手段は、前記上部開口に配設された板ばねを含み、前記板ばねは前記押込み方向に沿って延び、前記ポケット本体の内部に向かって凸状に湾曲している構成とすることが好ましい(請求項2)。
【0007】
請求項2のターレット型包装機の保持ポケットによれば、板ばねがポケット本体の内部に向かって凸状に湾曲して配設されているので、この板ばねによりポケット本体内の包装体に押圧力を加えることができる。
また、前記板ばねは、前記開口端側とは反対側の基端のみにて前記上壁に固定されている構成とすることが好ましい(請求項3)。
【0008】
具体的には、前記板ばねは、前記上壁に載置される先端と、この先端と前記基端との間の中間部とを更に有し、この中間部は、前記上部開口を通じて前記ポケット本体内に没入する構成とすることが好ましい(請求項4)。
より具体的には、前記中間部は、その幅寸法が前記上部開口の幅と同等かそれよりも僅かに狭い幅狭部である構成とすることが好ましい(請求項5)。
【0009】
請求項3乃至5のターレット型包装機の保持ポケットによれば、押圧手段としての板ばねは、その基端と先端との間の中間部(幅狭部)がポケット本体の上部開口から没入され、この中間部(幅狭部)にてポケット本体内の包装体に押圧力を加える。
更に、前記板ばねの没入量を設定する設定手段を更に備える構成とすることが好ましい(請求項6)。
【0010】
請求項6のターレット型包装機の保持ポケットによれば、設定手段により板ばねの没入量を設定することができ、包装体に加わる押圧力を好適な範囲に設定することができる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1乃至請求項6に記載の本発明によれば、保持ポケット内に保持された包装体に押圧手段により押圧力が加えられので、間接的に包装体内の被包装物も押さえられる。そのため、包材の仕上げの折込みの際に被包装物が半包装状態にある包装体から外へ飛び出すことは有効に防止される。よって、不良品の発生が抑えられ、生産効率の向上が図れるとともに、包装機の故障も防止することができる。
【0012】
また、特に、押圧手段を板ばねとした構成によれば、比較的簡単な構成で被包装物の飛び出しを押さえることができ、包装機全体としての製造コスト削減に寄与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係るターレット型包装機の保持ポケットの実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、一実施例のターレット型包装機の概略構成を示す。
この包装機2は、フィルタシガレットのソフトパッケージ包装に用いられるものであり、フィルタシガレットのホッパ4と、ホッパ4の下方に配置されたシガレット充填装置6と、シガレット充填装置6から供給されたフィルタシガレットの束を搬送するチェーンコンベア8と、フィルタシガレットの束を内外の包材の折込みにより包装する回転折込みユニット10と、内外の包材の折込みが完了して得られたフィルタシガレットパッケージを移送する移送ターレット12と、前記パッケージを乾燥させる乾燥ターレット15とを備えている。
【0014】
ホッパ4には、図示しないフィルタアタッチメントから品質検査済みのフィルタシガレットが連続して供給される。供給されたフィルタシガレットは、ホッパ4の出口から吐出され、ホッパ4の下方に位置するシガレット充填装置6に供給される。
シガレット充填装置6は、ホッパ4の出口から供給されたフィルタシガレットを20本を一纏めとした3段の俵積み状態のフィルタシガレットの束116として後段のチェーンコンベア8に向かって突き出す。
【0015】
チェーンコンベア8は、複数の搬送ポケット23を備えており、シガレット充填装置6から回転折込みユニット10に向けて延びている。搬送ポケット23は、シガレット充填装置6から突き出されたフィルタシガレットの束116を受け取り、このフィルタシガレットの束116は、搬送ポケット23とともにチェーンコンベア8により移送され、回転折込みユニット10に向けて順次搬送される。
【0016】
回転折込みユニット10は、内外の包材の仮成形を行う仮成形用ターレット16と、この仮成形用ターレット16に同軸にして隣接した封口用ターレット19とを備え、この封口用ターレット19は内包材に対する仕上げの折込みを行うものである。
仮成形用ターレット16は、回転ホイールと、この回転ホイール上において周方向に等間隔を存して配置された複数の中空のマンドレル24と、各マンドレル24と組みをなし、そのマンドレル24に対して挿抜自在に配設されている複数のスライダとを備えている。
【0017】
マンドレル24は、図2に示すように、両側に開口端26,28を有する中空角筒状の部材である。一方の開口端26はチェーンコンベア8側に位置付けられ、他方の開口端28は隣接する封口用ターレット19側に位置付けられている。そして、スライダ30は、直方体状のスライダヘッド32と、このスライダヘッド32の後面に取り付けられたロッド34とを備えている。スライダヘッド32は、マンドレル24の中空断面と同形状且つ同一サイズの断面形状を有しており、マンドレル24内に挿通可能となっている。ロッド34は図示しない駆動装置に連結され、この駆動装置によりマンドレル24の長手方向に往復移動することで、スライダヘッド32をマンドレル24に対して挿抜させることができる。
【0018】
このマンドレル24が例えば、図1中のa位置にあるとき、図2に示すように、スライダヘッド32は、一方の開口端26からマンドレル24内に挿入されていき、図2中鎖線で示すように他方の開口端28の部分に位置決めされる。つまり、他方の開口端28はスライダヘッド32により閉塞され、この結果、マンドレル24の他方の開口端28は一時的な閉塞端として形成される。この状態でマンドレル24は回転ホイールの回転に伴い、回転ホイールの周方向に移動する。
【0019】
この仮成形用ターレット16の外周には、マンドレルに対して、内包材を供給する内包材供給装置20と、仮成形用ターレット16の回転方向でみて内包材供給装置20よりも後段に配置され、マンドレルに対して外包材を供給する外包材供給装置22とが配設されている。
内包材供給装置20は、図1中のb位置に配設されており、内包材としてのアルミ蒸着シート等の内包材をマンドレル24に向けて供給する。内包材は、ウェブロールから繰り出される内包材ウェブを所定の長さ毎に切断して得られる。そして、得られた内包材38は、仮成形用ターレット16の回転に伴い、図3に示すように、マンドレル24の外周に巻付けられ、マンドレル24の他方の開口端28から突出した角筒状に成形され、そして、その両端部はマンドレル24の側壁36にて互いに重ね合わされる。更に、マンドレル24の開口端28から突出した内包材38の一方の突出部が折込まれ、ここでの折込みは角筒状をなす内包材38の底を形成し、この底は左右の耳と、これら耳上に順次重ね合わされる上下のフラップ40,42から成る。ここで、マンドレル24の開口端28はスライダヘッド32により閉塞された状態にあるので、上述の耳、上下のフラップ40,42の折込みは容易に行うことができる。
【0020】
外包材供給装置22は、図1中のc位置に配設されており、紙シート等の外包材をマンドレル24に向けて供給する。外包材は、ウェブロールから繰り出される外包材のウェブを所定の長さ毎に切断して得られる。そして、図4に示すように、得られた外包材44は、仮成形用ターレット16の回転に伴い、内包材38が既に巻き付けられているマンドレル24の外周に巻き付けられる。
【0021】
外包材44の巻き付けは内包材38の場合と同様にして行われ、また、外包材44にも底が形成され、この底は内包材38の底と重ね合わされる。ここで、外包材44が内包材38と相違する点は、外包材44の場合、互いに重ね合わされた両端や、底を形成する上下のフラップが糊付けされていることにある。
このようにして、マンドレル24は、その周囲に内包材及び外包材が外嵌された状態となる。この後、スライダ30はマンドレル24内から一旦引き抜かれる。
【0022】
一方、仮成形用ターレット16に同軸にして隣接する封口用ターレット19は、回転ホイールと、この回転ホイール上において仮成形用ターレット16の各マンドレル24とそれぞれ対応する複数の保持ポケット51とを備えている。
保持ポケット51は、図5に示すように直方体形状をなし、矩形状の開口端50を有する。より詳しくは、保持ポケット51は、上壁52、底壁54、左右の側壁56,57及び端壁58を有し、この端壁58が開口端50と対向している。
【0023】
上壁52は、全体として略矩形状をなしており、開口端50側の縁部には矩形状の切欠凹所60が設けられている。この切欠凹所60には、内包材の仕上げの折込みがなされる際、折込みガイド部材等(図示せず)の通過を許容する。ここでの仕上げの折込みとは、前述の底の形成の場合と同様な折込み形態で、内包材38の他方の突出部を折り込むことを意味し、これにより、閉塞された上端壁、即ち、封口が形成される。
【0024】
上壁52に関して更に詳述すれば、上壁52は矩形の枠体53及び板ばねユニット64を含んでいる。枠体53は上壁52の中央に、矩形状の上部開口62を形成し、この上部開口62に板ばねユニット64が配設されている。
図6に示されるように、板ばねユニット64は、上部開口62から保持ポケット51内に向かって凸状に湾曲している。具体的には、枠体53は、端壁58及び開口端50に沿う縁の上面が後方斜面66及び前方斜面68として形成され、これら斜面66,68は上部開口62に向かって下向きに傾斜し、板ばねユニット64は、その基端64aが後方斜面66に載置された状態で固定され、その先端64bは前方斜面68に載置されることで、これら後方斜面66及び前方斜面68の傾斜に従い、その上部開口62に臨む腹部が保持ポケット51内に向かって凸状に湾曲する。それ故、保持ポケット51内に後述するように物品が挿入されたとき、この物品に対して、板ばねユニット64は矢印Aで示すように、上方より押圧力を付加することができる。なお、参照符号55は、枠体53における、後方斜面66と前方斜面68との中間に位置付けられた平坦面を表している。
【0025】
更に詳しくは、図7から明らかなように、板ばねユニット64は2枚の板ばねを重ね合わせた二重構造をなし、挟持ばね70とセットばね72からなっている。
挟持ばね70は枠体53の後方斜面66から前方斜面68に亘る長さを有し、後方斜面66に対応する基部を除き、その幅は上部開口62の幅と同等かそれよりも僅かに狭い。即ち、挟持ばね70はその基部から先の部位が幅狭部分となっており、これにより、板ばねユニット64はその挟持ばね70の幅狭部分が上部開口62から保持ポケット51内に没入可能となっている。また、挟持ばね70の基部にはその一側端にねじ挿通用の貫通孔74が形成され、その他側端には切欠76が形成されている。
【0026】
一方、セットばね72は、その幅が上部開口62の幅よりも広い。このため、セットばね72は、保持ポケット51内には没入しない。そして、セットばね72は、その長さが挟持ばね70よりも短く、挟持ばね70の基部から幅狭部分の一部に亘って挟持ばね70とオーバラップするものとなっている。そして、セットばね72にも挟持ばね70の貫通孔74及び切欠76に対応する位置にそれぞれ貫通孔78及び切欠80が形成されている。
【0027】
このセットばね72は、挟持ばね70の幅狭部分が保持ポケット51内に没入する量、即ち、挟持ばね70の湾曲量を所定値に設定するために用いられる。つまり、セットばね72は、挟持ばね70の基部から幅狭部分の一部に亘る範囲を枠体53の後方斜面66に沿うように保持することにより、挟持ばね70の全体としての湾曲量を所定値に設定する。
【0028】
挟持ばね70の湾曲量は、押圧力と比例するので、湾曲量が少なくなると、押圧力も小さくなる。従って、挟持ばね70の湾曲量が所定値以下となると、必要最小限の押圧力を確保することができなくなるので、必要最小限の押圧力を担保するために、セットばね72により挟持ばね70の湾曲量を規制している。
枠体53に対する挟持ばね70及びセットばね72の取り付け方について、以下により詳しく説明する。
【0029】
先ず、図7から明らかなように、保持ポケット51は、前述した枠体53と、左右の側壁、底壁及び端壁を形成する下部フレーム83とを備え、挟持ばね70及びセットばね72は枠体53に取り付けられる。
枠体53の後方斜面66にはその両側部に貫通孔84をそれぞれ有し、そして、枠体53の両側面には後方斜面66に対応した部位に段差部86がそれぞれ設けられている。挟持ばね70及びセットばね72はこれらの基部が後方斜面66に順次重ね合わされる一方、挟持ばね70の先端部のみが枠体53の前方斜面68に載置され、そして、上方から押さえ部材88により押さえられる。ここでの押さえ付けは、押さえ部材88と枠体53の後方斜面66との間にて挟持ばね70及びセットばね72の基部を挟持することから、これらばね70,72の基部は後方斜面66の傾斜に従って弾性変形し、挟持ばね70に前述した湾曲形状を付与する。
【0030】
詳しくは、押さえ部材88はその両側に上述した段差部86に合致する脚部90と、枠体53の両貫通孔84にそれぞれに対応する貫通孔92及びねじ孔94とを備え、貫通孔92は挟持ばね70及びセットばね72の切欠76,80側に配置され、ねじ孔94は挟持ばね70及びセットばね72の貫通孔74,78側に配置されている。
押さえ部材88は、ボルト96,98を介して枠体53に締結されている。ここで、ボルト96は枠体53の下方から貫通孔84,74,78を介して押さえ部材88のねじ孔94にねじ込まれ、これに対し、ボルト98は枠体53の上方から貫通孔92,切欠80,76を介して枠体53の貫通孔84を貫通し、そして、前述の下部フレーム83内にねじ込まれている。即ち、ボルト98はボルト96よりも長く、枠体53を前述の下部フレーム83に固定する働きもなす。
【0031】
この点に関して詳述すれば、図7に示すように、枠体53の両側部59,61は、保持ポケット51の側壁56,57の一部をそれぞれ形成し、ボルト98側の側部61はその下面に凸条63を有し、この凸条63は側部61の長手方向に延びている。
一方、側部61とともに側壁57を形成する下部フレーム83の側部67はその上面に溝69を有しており、この溝69は側部67の長手方向に延び、凸条63を嵌合させる幅を有する。それ故、側部61はその凸条63が側部67の溝69に嵌合されることで、側部67と結合され、これにより、側部61,67が保持ポケット51の側壁57を形成する。
【0032】
ここで、溝69の底には2つのねじ孔71,71がそれぞれ形成され、これらねじ孔71の1つに前述したボルト98がねじ込まれる。なお、他方のねじ孔71にも枠体53を貫通してボルト(図示しない)がねじ込まれることで、枠体53及び下部フレーム83は2本のボルトにより互いに締結される。
枠体53の側部59は、下部フレーム83の側部65と協働して保持ポケット51の側壁56を形成しているが、これら側部59と側部65との間には間隔が確保されている。より詳しくは、この間隔は図5に示すように、開口端50側の側壁56の端部に位置した切欠凹所100と、側壁56の長手方向に延びるスリット102を形成し、これら切欠凹所100及びスリット102は、内包材の前述した仕上げの折込みの際、図示しない折込みガイド部材等の進入を許容する。
【0033】
なお、端壁58は、図7に示すように、台形の形状をなし、その中央に貫通孔104を有している。この貫通孔104には、内包材の仕上げの折込みが完了した包装体、即ち、パッケージを保持ポケット51内から外へ排出する排出装置のロッド(図示せず。)が挿通され、このロッドの先端には排出ヘッドが装着される。この排出ヘッドは保持ポケット51内に位置付けられ、保持ポケット51の可動壁を形成する。
【0034】
また、端壁58の両側の斜面106には、半円形状の凹溝108がそれぞれ設けられており、更に、これら斜面106には挟持部材112がボルト114により取り付けられている。この挟持部材112は凹溝108と合致する断面三角形状の凹部110を有する。各凹溝108には図示しない装着ロッドがそれぞれ装着され、これら装着ロッドは対応する側の挟持部材112により固定される。装着ロッドは、図示しない駆動装置に連結されており、この駆動装置の働きにより、保持ポケット51は上述したマンドレル24に対して進退可能となっている。
【0035】
次に、前述した仮成形用ターレット16の回転状態から、その回転が更に進み、仮成形状態の内外の包材を備えたマンドレル24が図1中のd位置に到達した時点で、上述したチェーンコンベア8の1つの搬送ポケットもd位置に到達し、このd位置にて、搬送ポケットはマンドレル24の一方の開口端26の近傍に位置付けられる。一方、このとき、封口用ターレット19の複数の保持ポケット51のうち、対応する保持ポケット51は上述した駆動装置の装着ロッドを介してマンドレル24の他方の開口端28の近傍に位置付けられている。即ち、d位置においては、マンドレル24を挟んで搬送ポケットと保持ポケット51が互いに近接して同一線上に並ぶ。この状態で、一旦搬送ポケットの後方まで引き抜かれたスライダ30は搬送ポケットに向けて前進し、図8に示すように、搬送ポケット内のフィルタシガレットの束116をマンドレル24内へ押し込む。スライダ30が更に前進し、フィルタシガレットの束116が仮成形状態の内外の包材の底壁に当接すると、フィルタシガレットの束116は内外の包材を伴ってマンドレル24内を通過する。それ故、図9に示すように、内外の包材内にフィルタシガレットの束116が収容されていき、そして、半完成状態のフィルタシガレットの包装体118が保持ポケット51内に押し込められていく。このとき、包装体118は、板ばねユニット64、即ち、挟持ばね70の押圧力に抗して保持ポケット51内に進入する。そして、保持ポケット51の端壁58の近傍に位置付けられている排出装置の排出ヘッド120に包装体118が当接し、保持ポケット51内に包装体118が完全に収容された時点で、保持ポケット51は包装体118とともに、マンドレル24から離れる方向へ後退し、元の位置に戻る。
【0036】
保持ポケット51内においては、図6に示すように、挟持ばね70が包装体118に対して矢印A方向に働く押圧力を付加しているので、包装体118内の各フィルタシガレットにも押圧力が加わり、各フィルタシガレットは保持ポケット51内に確実に保持される。このため、保持ポケット51が元の位置に後退する際やその他の機械動作による振動等の影響により、封口前の包装体118からフィルタシガレットが外に飛び出すのを有効に防止できる。
【0037】
この後、保持ポケット51内に保持された半完成状態の包装体118に対し、封口用ターレット19の回転ホイールの回転に伴い、前述した仕上げの折込みが行われ、包装体の封口が行われる。
封口が終了した包装体は、排出装置の排出ヘッド120により保持ポケット51から押し出され、図1に示す後段の移送ターレット12に受け渡される。そして、斯かる包装体は、更にその後段の乾燥ターレット15に受け渡され、外包材に対して使用した糊の乾燥が行われ、フィルタシガレットの包装体の完成品、即ち、シガレットパッケージとなる。
【0038】
本発明は上述した一実施例に制約されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本実施例では、押圧手段として板ばねを用いた保持ポケットについて説明したが、押圧手段としては、コイルばね、ゴム等の弾性体を用いても構わない。また、包装する商品としては、たばこ商品に限定されるものではなく、お菓子などの食品等他の商品であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施例に係るターレット型包装機の概略構成図である。
【図2】実施例に係るマンドレルを示す斜視図である。
【図3】実施例に係るマンドレルに内包材を巻き付ける状態を示す斜視図である。
【図4】実施例に係るマンドレルに外包材を巻き付ける状態を示す斜視図である。
【図5】実施例に係る保持ポケットを示す斜視図である。
【図6】実施例に係る保持ポケットを示す断面図である。
【図7】実施例に係る保持ポケットの構成を示す分解斜視図である。
【図8】実施例に係るマンドレルにフィルタシガレットの束を押し込んでいる状態を示す斜視図である。
【図9】実施例に係る保持ポケットに内外の包材とともにフィルタシガレットの束を押し込んでいる状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
2 包装機
8 チェーンコンベア
10 回転折込みユニット
12 移送ターレット
15 乾燥ターレット
16 仮成形用ターレット
19 封口用ターレット
24 マンドレル
30 スライダ
32 スライダヘッド
34 ロッド
50 開口端
51 保持ポケット
52 上壁
53 枠体
54 底壁
56 側壁
57 側壁
58 端壁
60 切欠凹所
62 上部開口
64 板ばねユニット
66 後方斜面
68 前方斜面
70 挟持ばね
72 セットばね
83 下部フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の保持ポケットを有するターレットを備え、前記保持ポケット内に包材による包装が未完の半包装状態にある包装体を押し込んで保持し、この後、ターレットの回転に伴い前記包装体の包装を完成させるターレット型包装機であって、
前記保持ポケット内に押し込まれる際、前記包装体は押込み方向でみて、その後端面のみが開放した半包装状態にあり、
前記包装体の押込み後、前記保持ポケットが前記押込み方向に移動する、
ターレット型包装機の保持ポケットにおいて、
前記半包装状態にある包装体の受け入れを許容する開口端を有した直方体状のポケット本体と、
前記ポケット本体内に前記包装体があるとき、前記包装体を前記ポケット本体の内面に押し付ける押圧力を加える押圧手段と
を備えることを特徴とするターレット型包装機の保持ポケット。
【請求項2】
前記ポケット本体は、
前記ターレットの径方向に離間した上壁及び底壁と、
前記ターレットの回転方向に離間した2つの側壁と
を含み、
前記上壁は、
矩形の上部開口を有しており、
前記押圧手段は、
前記上部開口に配設された板ばねを含み、前記板ばねは前記押込み方向に沿って延び、前記ポケット本体の内部に向かって凸状に湾曲していることを特徴とする請求項1に記載のターレット型包装機の保持ポケット。
【請求項3】
前記板ばねは、前記開口端側とは反対側の基端のみにて前記上壁に固定されていることを特徴とする請求項2に記載のターレット型包装機の保持ポケット。
【請求項4】
前記板ばねは、
前記上壁に載置される先端と、
この先端と前記基端との間の中間部とを更に有し、
この中間部は、前記上部開口を通じて前記ポケット本体内に没入することを特徴とする請求項3に記載のターレット型包装機の保持ポケット。
【請求項5】
前記中間部は、その幅寸法が前記上部開口の幅と同等かそれよりも僅かに狭い幅狭部であることを特徴とする請求項4に記載のターレット型包装機の保持ポケット。
【請求項6】
前記板ばねの没入量を設定する設定手段を更に備えることを特徴とする請求項4又は5に記載のターレット型包装機の保持ポケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−246126(P2011−246126A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233090(P2008−233090)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000004569)日本たばこ産業株式会社 (406)
【Fターム(参考)】