説明

チェーンリンクの研磨方法及び装置

【解決手段】実施の形態は、作動中、カッターリンクの研磨を容易にすることのできる、ソーチェーン要素、スプロケット及びその他の固定具を含む、種々のチェーンソーの構成要素を提供する。種々の実施の形態において、構成要素は、研磨中、安定性を増し、先端に取り付けた研磨固定具を提供し及び(又は)研磨要素の寸法変更及び(又は)形状変更を容易にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001] 本出願は、2008年11月4日付けで出願された、「チェーンリンクの研磨方法及び装置(Chain Link Sharpening Method and Apparatus)」という名称の米国仮特許出願第61/111,145号、及び2008年7月8日付けで出願された、「チェーンリンクの研磨(Chain Link Sharpening)」という名称の米国仮特許出願第61/078,951号に対する優先権を主張する、2009年6月25日付けで出願された、「チェーンリンクの研磨方法及び装置(Chain Link Sharpening Method and Apparatus)」という名称の米国非仮特許出願第12/492,017号に基づくものであり、これら特許出願の全開示内容は、本明細書と一致しない部分(もしあれば)を除いて、その全体を参考として引用し本明細書に含めるものとする。
【0002】
[0002] 更に、本出願は、2008年7月9日付けで出願された、米国仮特許出願第61/079,405号に対する優先権を主張する、2009年5月21日付けで出願された、「実用チェーンカッター(Utility Chain Cutter)」という名称の米国実用非仮特許出願第12/470,456号に関し、その特許出願の明細書は、本明細書と一致しない部分(もしあれば)を除いて、その全体を参考として引用し本明細書に含めるものとする。
【技術分野】
【0003】
[0003] 本明細書の実施の形態は、チェーンソーの分野、より特定的には、カッターリンクがガイドバー又は駆動スプロケットの一部分を横断するとき、カッターリンクの研磨を容易にする構成とされたチェーンソーの構成要素に関する。
【背景技術】
【0004】
[0004] チェーンソーは、典型的には、倒木、整枝及び各種材料の切断のため使用されている。チェーンソーは、全体として、ハウジング内に収容されたエンジンと、ハウジングから延びるガイドバーと、カッターリンク、センターリンク、サイドリンク、タイストラップ及び駆動リンクを含むが、これらにのみ限定されない種々のリンクを含むことのできる無端のソーチェーンループとを含む。使用する間、種々のリンクの切断面は、鈍くなり且つ磨耗する。切断面の磨耗に伴い、所望の切断を行なうためには増大した量の力が必要とされ、かかる力は、非効率的で且つエネルギを消費することになる。このため、ソーチェーンのカッターリンクは、切断作動中に、効率を維持するため定期的に研磨される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005] カッターリンクを研磨する1つの方法は、研磨要素(例えば、減摩石)をチェーンソーのハウジング内に配置する工程を含む。研磨要素は、種々のソーチェーンリンクが駆動スプロケットを高速度にて横断するとき、該ソーチェーンリンクと接触するよう位置決めすることができる。しかし、これらのシステムには、短所がある。例えば、種々のソーチェーンリンクが繰返し接触するため、研磨要素の表面が摩耗して1つ以上の溝が生じることがある。これらの溝は、研磨過程中、切刃を変形させ又はその他、適正な切刃を維持する能力に悪影響を与えることがある。切刃の少しの変形も、種々の材料を切断するチェーンソーの能力に最終的に影響を与えることになろう。
[0006] 更に、減摩石が位置決めされ、カッターリンクが駆動スプロケットを高速度にて横断すると、カッターリンクは減摩石に対して予期しない衝撃力を加えることがある。この傾向の結果、石に対するカッターの望ましくない動き(例えば傾斜又は揺動)を許容し、また(又は)カッターリンクを変形させる作用を果たすであろうし、これらは全て最終的に性能を低下させることになろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
[0007] 実施の形態は、添付図面と共に、以下の詳細な説明により容易に理解されよう。実施の形態は、単に一例として示したものであり、添付図面の図にて何ら限定的なものではない。
【図1】種々の実施の形態に従ったチェーンソーを示す。
【図2】種々の実施の形態に従ったソーチェーンの一部分を示す。
【図3】3A−3Cは、種々の実施の形態に従ったカッターリンクを示す。
【図4】種々の実施の形態に従ったソーチェーンと研磨石との境界面を示す。
【図5】種々の実施の形態に従ったソーチェーンと研磨石との境界面を示す。
【図6】6A−6D及び6AAは、種々の実施の形態に従ったドレッサリンクを示す。
【図7】種々の実施の形態に従った駆動スプロケット、ソーチェーン及び研磨石の境界面を示す。
【図8】8A−8Bは、種々の実施の形態に従った、先端連結に適した、研磨ハウジングを示す。
【図9】種々の実施の形態に従ったドレッサリンクを示す。
【図10】種々の実施の形態に従ったドレッサリンクを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0018] 以下の詳細な説明においては添付図面を参照する。添付図面は実施の形態の一部分を形成し、また、実施可能である一例として形態を示すものでもある。しかしながら、図示された実施の形態以外の形態を利用することができ、また、本発明の範囲から逸脱せずに、構造上又は論理的な変更を為すことができることを理解すべきである。このため、以下の詳細な説明は、限定的な意味にて解決されるべきではなく、実施の形態の範囲は、特許請求の範囲及びそれらの等価物により規定される。
[0019] 種々の作用・工程が、実施の形態を理解するのに役立つような仕方にて、多数の別個の作用・工程として説明される。しかし、説明の順序は、これらの作用・工程がその順序で行われることを意味するものではない。
[0020] 説明は、上方/下方、前側/後側及び上部/底部のような用語を用いてなされるが、これは単に説明を容易にするための便宜であり、開示した実施の形態の適用例を制限することを意図するものではない。
[0021] 「連結された」及び「接続された」という語は、それらの派生語と共に、使用することがある。これらの語は、互いに同義語であることを意図するものではないことを理解すべきである。特定の実施の形態において、「接続された」は、2つ以上の要素が互いに直接、物理的に又は電気的に接触していることを示すため使用されよう。「連結された」の語もまた、2つ以上の要素が互いに直接、物理的に又は電気的に接触していることを意味する。しかし、「連結された」は、2つ以上の要素が互いに直接、接触してはいないが、それでも互いに、協働し又は相互作用することも意味する。
[0022] 説明の目的のため、「A/B」又は「A及び(又は)B」という形式による文言は、(A)、(B)又は(A及びB)を意味する。説明の目的のため、「A、B及びCの少なくとも1つ」いう形式の文言は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)又は(A、B及びC)を意味する。説明の目的のため、「(A)B」の形式の文言は、(B)又は(AB)を意味する、すなわち、Aは選択的な要素である。
[0023] 説明は、「実施の形態」という語を、単数の意味でも複数の意味でも用いる。これらは同一の又は異なる実施の形態の1つ以上を指すものである。更に、実施の形態に関して使用される、「備える」、「含む」、「有する」という語及び同様のものは同義語である。
[0024] 本明細書の種々の実施の形態において、ソーチェーンに対するより効果的で且つ信頼性の高い研磨機構を提供する方法、装置及びシステムが呈示される。一例としての実施の形態において、ソーチェーンには、研磨を容易にするように形状づけられた1つ以上の要素が設けられる。例えば、ソーチェーンには、支持を与え、切断深さを設定し、且つ、研磨要素の望ましくない磨耗を少なくするよう形状づけられた深さゲージを含む切断リンクと、カッターリンクを安定化させるのを助けるよう形状づけられた突起要素を含む中央リンク又は駆動リンクと、及び(又は)、研磨要素を整形し、清浄にし、処理し、磨耗を均一化し、及び(又は)、研磨要素の寸法を再設定(リサイズ)することを含むが、これらにのみ限定されない事項のための、研磨要素を調整(コンディショニング)するよう形状づけられた調整リンク又はドレッサリンクとが設けられている。
[0025] 種々の実施の形態において、切断要素は、駆動スプロケット、先端スプロケット、及び(又は)、これらではないガイドバーの別の部分を横断するとき、研磨要素と係合し得るようにすることができる。切断要素は、第一の面を規定するリンク板を含むことができ、また、ねじり軸線を中心としてねじるようにして第一の面の外方にねじり出された形の切断部分を有することができる。このねじり軸線は、幾つかの実施の形態においては、リンク板の水平中心線に対して鋭角な角度を形成する。切断要素は、切刃を形成するように切断部分の上側端縁にて研磨し得るようにすることができる。種々の実施の形態において、切断要素は、1つ以上の深さゲージを含むことができる。深さゲージは、例えば、リンク板上、及び(又は)、該リンク板に対向した第二のリンク板上に配設されるというように、切刃の前方に配置される。深さゲージは、研磨要素の溝と係合するように形状づけられ、所望の高さを維持するのを助け、及び(又は)その他の要素と共に、研磨要素を調整することを助ける(例えば、全体的な溝の形状の調製を助ける)よう形状づけることができる。種々の実施の形態において、深さゲージは、不均一な溝の磨耗を最小にし、及び(又は)、補正し、これにより切断要素の損傷を減少させることができる。
[0026] 種々の実施の形態において、突起要素又は安定手段部分(互換可能に説明することができる)は、ソーチェーン内にてカッターリンク間に配設することができる。突起要素は、カッター及び単一の深さゲージにて生ずる減摩石との典型的な2つの接触点のほかに、減摩石との追加的な接触点を提供する作用を果たすことができる。研磨要素との3つ以上の接触点を実現することで、カッターリンクが駆動スプロケット及び研磨要素を横断するとき、安定性及び支持性能が改良されることが分かった。多数の接触点は、また、種々のソーチェーンの構成要素の間の空隙を最小にし、従って、これらの構成要素が好ましくない衝撃力にて研磨要素と係合する可能性を少なくするのを助ける。突起要素は、また、研磨要素を調整(コンディショニング)するのを助ける。このことは、色々な溝の間に入った材料を除去することにより、研磨要素において溝が均一に磨耗するのを保証するのを助ける。溝の間に入る材料は、例えば、カッターリンクの研磨に起因して研磨要素に形成される可能性がある。
[0027] 種々の実施の形態において、ドレッサリンク又は調整リンクを使用して研磨要素の研削面を調整し(例えば、精密にし、形状修正し、清浄にし、及び(又は)、その他の修正を行なう)、研磨要素がカッターを適正に且つ効果的に研磨することを続けるのを許容する。調整リンクは、所望の幾何学的形態を有する別個のリンクとし、又は、適正な減摩材料が接着されて研磨要素の面及び(又は)溝の修正及び(又は)保守を行なうことを助けるよう修正したカッターリンクとすることができる。調整リンクは、面と、該面から外方に(「内」、「外」の「外」ではなく、「外れる」という意味)曲がった上面とを規定する立ち上がり部分を有する1つ以上のリンク板を備えることができる。種々の実施の形態において、調整材料部分は、調整リンクの上面に接着させられ且つ1つ以上の表面曲率に順応するようにすることができる。調整材料部分は、研磨要素を清浄にし、又はこれと代替的に、研磨要素を修正することを容易にすることができる。
[0028] その他の種々の実施の形態において、ソーチェーンの種々のリンク以外の構成要素を利用して、より効果的で且つより信頼性の高い研磨機構を提供し、ソーチェーンがガイドバーを横断するときにソーチェーンを研磨することができる。例えば、多数の小面付きの駆動スプロケットを使用して、研磨過程中、カッターリンクシャーシの安定性を増すことができる。多数の小面付きの駆動スプロケットは、カッターリンクのヒール(かかと部分)、トウ(つま先部分)及び(又は)その他のレール係合構成要素との支持面接触を実現することができる。支持面は、種々の実施の形態において、カッターリンクの底部に対する向上した支持体を提供し且つ、横断及び研磨中、カッターが揺動する傾向を少なくすることができる。更に、支持面は、カッターリンクの構成要素を石に対して位置決めするのを助けることができる。例えば、支持面は、深さゲージをカッターに対して上方に押し、深さゲージから材料が除去されるような構成とすることができる。このことは、カッターと深さゲージとの間にて適正な切断関係を保証するのを助けることができる。
[0029] 種々の実施の形態において、取り外し可能な研磨要素のハウジングは、所望の位置(例えば、先端)にてガイドバーに固定し且つソーチェーンの構成要素と研磨要素との間の係合を容易にする研磨要素のアクチュエータを有することができる。取り外し可能な研磨要素のハウジング、研磨要素、及びチェーン構成要素は、研磨要素が駆動スプロケットに近接する位置に配設されたとき、遭遇したのと同様の態様にて相互に接続することができる。
[0030] 本明細書にてより詳細に説明するように、これらの構成要素は、個別に又は組み合わせて使用し、より信頼性の高い研磨機構を提供することができる。本発明は、この点にて限定されるものではない。
[0031] 図1−図3を参照すると、種々の実施の形態に従ったチェーンソー装置100、ソーチェーン200及びソーチェーン構成要素202が示されている。チェーンソー100は、研磨要素102と、アクチュエータ116と、ガイドバー104と、駆動スプロケット106と、ソーチェーン108とを含むことができる。ソーチェーン108は、例えば、従来の研磨方法にて典型的である、歯溝(gullet)研磨(目立て)と相違して、頂面の研磨に適した切刃308を有するカッターリンク110のような、種々のリンク構成要素を含むことができる。また、カッターリンク110は、切刃308に先行し且つ切断深さを設定するのを助ける深さゲージ306を有することもできる。チェーン108は、カッターリンク110の前方部分と同様の全体形状とすることのできる前方部分を有する対向したタイストラップ210を含み、カッターリンクの深さゲージ306に相応する相補的なタイストラップの深さゲージ212を形成することもできる。チェーンは、突起要素112を有する中心リンク及び(又は)駆動リンク114を更に含むことができる。本発明の範囲から逸脱せずに、種々のその他のリンク及び/又は構成要素を含めることができる。例えば、ソーチェーンは、1つ以上の調整リンクを追加的に含むことができる。
[0032] 種々の実施の形態に従い、ソーチェーン108は、作動中、駆動スプロケット106によりガイドバー104の回りを駆動することができる。ソーチェーン108は、切断リンク110の深さゲージ306の高さに依存して、ある量の材料を切断する構成とされた個別の切断リンク110を含むことができ、また、使用されるならば、相補的な対向したタイストラップの深さゲージ212を含むことができる。切断リンク110がガイドバー104を横断し且つ材料と接触すると、そのことが、磨耗を生じ切断する能力が低下する結果となる。従って、研磨要素102は、ソーチェーン108に近接する位置に配置し且つアクチュエータ116に連結されることになる。アクチュエータ116を作動させたとき、研磨要素は、例えば、カッターリンク110のような、ソーチェーン108の種々のリンクと接触させ、研磨要素の減摩面がチェーン構成要素の頂面の一部分を研削し、これにより切刃308を研磨し且つ、深さゲージ306の深さゲージの高さ、及び使用されていれば、相補的な対向するタイストラップの深さゲージ212の高さを設定することができる。
[0033] 研磨要素102は最初に、切断要素110を研磨し、又はこれと代替的に、下方深さゲージ306、212を研磨し、切断工程を容易にする一方、研磨要素102は、1つ以上の溝を生成することができる。溝は、研磨要素の効果を低下させ、また、種々のソーチェーンリンクに損傷を生じさせソーチェーン108の全体を劣化させる可能性がある。従って、本明細書にてより詳細に説明するように、研磨要素102の効果を向上させるため、1つ以上のリンクを提供することができる。
[0034] 次に、図2を参照すると、種々の実施の形態に従った、ある長さのソーチェーン200が示されている。ある長さのソーチェーン200は、カッターリンクと、例えば、頂部の研磨型カッターリンク202のような非切断式リンクと、対向するタイストラップ210と、駆動リンク204と、及び(又は)タイストラップ206とを含むことができる。種々の実施の形態において、中心リンク及び(又は)駆動リンク204は、チェーン構成要素がガイドバーの駆動スプロケット又は先端スプロケットを横断するとき、研磨要素と係合し得るようにされた突起要素又は安定手段部分208を含むことができる。ある長さのチェーンソーは、また、図5を参照してより明確に示した、調整リンク又はドレッサリンク502のような、その他の構成要素を含むこともできる。ソーチェーン200は、無端ループの構成とされ、且つ、切断工程のため、チェーンソーのガイドバー上に掛け回すことができる。
[0035] カッターリンク202は、作動中、カッターリンクの研磨の向上を個別に又は全体的に助けることのできる多種の作動部分を含むことができる。例えば、図3A−図3Cを参照すると、カッターリンク202は、所定のレーキ角度まで研削された切刃308を有することのできる切断部分302を規定する後側部分と、全体として深さゲージ306と称されるカッターリンク202の前端における立ち上がり部分とを含むことができる。種々の実施の形態において、カッターリンク202は、支え部分304を含むことができる。
[0036] 種々の実施の形態において、切断部分302は、上方端縁及び(又は)側部分にて研磨し、切刃308を形成し且つ維持し得るようにされた、ねじられたカッター部分とすることができる。ねじられたカッター部分は、材料をカッターリンク202と一体的にねじって、切刃308が実用チェーン200の切断方向に対して実質的に横断する位置にすることができる。種々の実施の形態において、実質的な横断部分は、実用チェーンの切断方向に対して形成された垂直線に対して10°と60°との間の角度を形成するように規定することができる。先行技術のねじったカッターと相違して、ねじられたカッター部分302は、切断部分を形成することを目的としている材料の末端に向けて生じるねじりにより、形成することができる。例えば、ねじられたカッター部分302は、カッターリンク202の本体の平面に対して同一面内に材料の一部(この材料の一部は切断部分302に対し全体として適合している)を残すような強引な(積極的な)ねじりにより形成することができる。種々の実施の形態において、カッターリンク202の面内に残された材料は、本明細書にて更に詳細に説明するように、支え部分304として利用することができる。カッターリンク202の面内に材料を残す、ねじられたカッター部分302は、増大した破損抵抗性を提供することができる。
[0037] 種々の実施の形態において、切断部分302は、ねじり軸線又は弦312を生じさせるようにカッターリンクの上側部分をねじることにより形成することができる。角度を付けたねじり弦及び(又は)支え部分304を有することは、切刃を一層良く支持することを可能にし、また、切断部分が切断又は研磨工程中に付与される作用力に一層良く耐えることを許容することができる。
[0038] 種々の実施の形態において、ねじられたカッター部分302は、支え部分304を含んでおり、また、切断力を支え部分304に導くような構成とすることができる。支え部分304は、リベット穴316A、316Bを貫通する切断リンク202の中心線310の実質的に上方であるねじり軸線312を付与することに起因してカッターリンクと実質的に同一面内にあるようにすることができる。種々の実施の形態において、ねじり軸線は、鋭角な角度314にて切断リンクのトウに向けて、これにより支え部分304を形成するのを助けることができる。ねじり軸線312は、頂点318すなわち支え部分304の頂部の高方点を有することができる。種々の実施の形態において、支え部分304の頂点318は、カッターリンクのレール係合ヒールの上方にて約10.2mm(約0.4インチ)の高さを有することができる。その他の実施の形態において、支え部分は、6.35mm(.250インチ)以上の高さを有することができる。支え部分304を含むことは、切断力と同一面である材料の最大の断面積を提供することにより、カッターリンク202の破損に抵抗するよう作用することができる。
[0039] 種々の実施の形態において、ねじり軸線312は、リベット穴316A、316Bの中心を貫通して進む中心線310に対して角度を付けることができる。1つの実施の形態において、ねじり軸線312は、中心線310に対して10°から70°の範囲の鋭角な角度314を形成することができ(図3Aを参照)、また、トウ(つま先部分)に向けて(図示したように)又は後側リンクに向けて角度を付けることができる。
[0040] ねじられたカッターリンク202は、深さゲージ306を更に含むことができる。種々の実施の形態において、深さゲージ306は、切刃308を切断すべき材料中に導き、また、切刃308が種々の材料中に侵入する深さを制限するのを助けることができる。ねじられたカッターリンク202は、図3A−図3Cに示したように、ねじられたカッターリンクと一体的な第一の深さゲージ部分306を含むことができる。更に、第二の深さゲージ212は、対向したタイストラップ210上に形成し且つカッター深さゲージ306に対して相補的であり、これにより2重の深さゲージを形成するような構成とすることができる。深さゲージの増大した幅は、切断深さを制御するよう深さゲージの効果を向上させるのみならず、研磨工程中、カッターリンク202の横方向安定性を一層良くすることもできる。その結果、切刃はより均一に研磨され、また、研磨要素の調整を更に助けることができる。種々の実施の形態において、第一及び第二の深さゲージ306、212の位置は、カッターリンクの上側刃部がカッターリンクの中心から離れるよりも、カッターリンクの中心から更に離れた位置にすることができる。
[0041] 図2に示したように、第二の深さゲージ212がねじられたカッターリンク202の対向するタイストラップ210上に配置された状態にて、2つの対向する深さゲージ306、212の間に空隙214を形成することができる。種々の実施の形態において、ねじられたカッター部分302により切断される材料の量を制限することに加えて、深さゲージは、また、深さゲージが駆動スプロケットを横断するとき、研磨要素を調整する作用を果たすこともできる。種々の実施の形態において、深さゲージ306、212は、また、例えば、繰り返し使用することにより研磨要素が磨耗して溝が生ずるのを全体として解消する作用を果たすこともできる。
[0042] その他の種々の実施の形態において、カッターリンクは、上面に配設された減摩材を含む結合型カッターを備えることができる。上面に配設された減摩材を露出させるため、堆積物又は被覆物を除去する必要がある。減摩材の被覆物又は上層は、研磨要素により除去することができる。これは、例えば、ダイヤモンドマトリックスを切断すべき材料に対して露出させることになろう。
[0043] 図2を更に参照すると、種々の実施の形態に従ったタイストラップ206及び中央リンク/駆動リンク204が示されている。駆動リンク204は、チェーンの本体の上方にて全体として上方向に突出する安定化部分208を有する状態にて示されている。中央リンクは、安定化部分208を含むこともできる。図示したように、駆動リンク204は、チェーンソーの駆動スプロケット及び先端スプロケットに係合し、ガイドバーの回りのチェーンの動きを容易にする柄状部分を有する構成とされている。駆動柄状部分は、ガイドバーの溝と係合し、ガイドバーの円周の回りのチェーンソーの位置決めを容易にすることもできる。駆動柄状部分は、また、例えば、ソーチェーンの所期の用途に依存して、多様な態様にて構成することもできる。例えば、駆動柄状部分は、木を切断する用途のためきれいに除去する部分を有し、又は、例えば、結合適用例のため、使用すべくきれいに切った部分を有しない構成とすることができる。突出要素208は、駆動リンク204と一体にすることができる。これと代替的に、突出要素208は、駆動リンク204と分離したものとし、また、駆動リンクに単に締結されたものとしてもよい。
[0044] 図4を参照すると、駆動リンク上の突出要素208は、突出部が研磨要素と接触し、ソーチェーンと研磨要素との間にて多数の(3つ以上)の接点402、404、406の1つを形成するように配設することができる。種々の実施の形態において、例えば、接点は、カッター接点404である第一の接点と、深さゲージ接点402である第二の接点と、突出要素又は安定手段接点406である第三の接点とを含むことができる。これらの接点は、ソーチェーンが駆動スプロケットを横断するとき、例えば、研磨要素410とチェーンの構成要素との間にて衝撃を加えることになるであろう構成要素間の空隙を少なくすることにより、ソーチェーンの安定性を増すことができる。種々の実施の形態において、第三の接点は、上述したように、対向するタイストラップ上に配設された第二の深さゲージにより、又は、例えば、十分なシーケンスのチェーンが利用される場合、前側又は後側カッター又は深さゲージにより形成することができる。種々の実施の形態において、3つ以上の接点を利用してソーチェーンが駆動スプロケットを横断するとき、ソーチェーンの安定性を更に増すことができる。
[0045] 突出要素208は、また、材料の一部分を研磨要素410から除去してチェーンの寿命の間、効果的に研磨し易くする構成とすることもできる。種々の実施の形態において、カッター要素302は、研磨要素410と連続的に接触することを通じて研磨要素410に溝又は磨耗パターンを形成することができる。深さゲージのような、カッターリンクの種々の作用部は、溝を更に形成することができる。1つの実施の形態において、ソーチェーンは、左側用及び右側用カッターリンク及び深さゲージを利用することができる。左側用及び右側用深さゲージは、カッターリンクの切刃により形成されたより大きい溝内に2つの溝を形成することができる。突出要素208は、深さゲージにより形成された2つの溝の間に位置する材料を除去する構成とすることができる一方、このことは、チェーンの寿命の間、研磨効果を増大させることができる。
[0046] 種々の実施の形態において、突出要素208は、チェーンシャーシ(例えば、ソーチェーン)、これによりカッターの位置を減摩石又は研磨装置のような、研磨要素の形状に一層良く順応させる作用を果たすことができる。ソーチェーンを減摩石410又は研磨要素の形状に順応させることにより、突出要素208は、種々のリンクが駆動スプロケットを横断し且つ減摩石410に接触するとき、それらのリンクの衝撃損傷を最小にすることができる。
[0047] 種々の実施の形態において、突出要素208が切断工程を妨害しないことを保証するため、突起の位置は、深さゲージがカッターリンクの中心から離れる距離よりも後側カッターリンクの中心から更に遠方に配設することができる。更に、種々の実施の形態において、深さゲージは、切断リンクの切刃が中心から離れる距離よりもカッターリンクの中心から更に遠方にあり、カッターリンクが研磨要素を横断するとき、適正な切断深さが形成されることを保証することができる。
[0048] 次に、図5を参照すると、チェーン200は、また、研磨要素410を調整するため(例えば、形態修正し、処理し、清浄にし及び(又は)保守するため)、種々の実施の形態に従った調整リンク502を含むこともできる。カッターリンク202が駆動スプロケット700を横断し且つ、例えば減摩石のような、研磨要素410と接触するとき、減摩石が磨耗して溝が生ずる。溝は、種々の理由のため、時間と共に、不適正に形成されるすなわち変形する(例えば、丸みを付けた切刃となる)。変形した溝は、研磨要素410の研磨効果を低下させる可能性がある。このため、種々の実施の形態において、所望の幾何学的形態を有する調整リンク502は、ソーチェーン200に含め且つ、研磨要素410の溝の形態変更し且つ(及び)保守を行なうのを容易にするのを助けることができる。
[0049] 種々の実施の形態において、調整リンク502は、第一の面を規定する立ち上がり部分を有する第一のリンク板504を含むことができる。立ち上がり部分と一体的な上面506は、第一の面から曲げることができ、また、種々の実施の形態にて、表面曲率を含むことができる。調整リンク502は、同様の特徴を有する第一のリンク板504に対向して配設された第二のリンク板508を更に含むことができる。第一の上面506及び第二の上面510は、全体として、実用チェーンの中心線から離れるように延びることができる。種々の実施の形態において、調整リンクは、前縁から後縁まで延びる湾曲した上面と、1つの端縁から別の端縁まで延びるテーパー付き面と、テーパー付き前縁と、テーパー付き後縁と、又はこれらの組み合わせとの少なくとも1つを含むことができる。
[0050] 上面506、510は、その上面に接着させた調整材料部分を有する構成とすることができ、この場合、調整材料部分は、研磨要素を調整する構成とされている。調整材料部分は、種々の実施の形態にて、研磨要素を清浄にし、形状変更し、調整し及び(又は)形態修正することができる。調整材料部分は、ダイヤモンド要素のような、減摩材とし、又はこれと代替的に、切屑を研磨要素から除去する構成とされた清浄剤とすることができる。
[0051] 種々の実施の形態において、調整リンク502の上面506は、ソーチェーン内にてその他のリンクに対して所定の高さに配設することができる。例えば、調整リンク502は、その有効寿命の終了時、カッターリンクの推定高さよりも低い高さを有する構成とすることができる。その結果、調整リンク502がチェーン200の寿命の全体中、切断される材料に衝撃を加える傾向を少なくすることができる。
[0052] 調整リンク又はドレッサリンク600は、その幾つかを図6A−図6D及び図6AAに示した、多様な形態をとることができる。ドレッサリンクは、左側用リンク、右側用リンク、又はこれと代替的に、連続的な本体リンクとすることができる。種々の実施の形態において、ドレッサリンクは、典型的な切断リンクと同様の全体的な構成とし、また、ダイヤモンド含浸被覆物のような、調整材料部分を保持する上面602を有することができる。その他の実施の形態において、ドレッサリンクは、減摩材の面602に達する遅延接触ゲージ604(例えば、深さゲージ、レーカ又はその他の突起と同様)を有することができ、この遅延接触ゲージは、チェーンが石に浅い溝を形成する迄、駆動スプロケットの回りを動くとき、ドレッサリンクのダイヤモンド減摩材と石との間の接触を遅くする。これは、減摩材料の意図しない磨耗を遅くし、また、研磨要素の早期の磨耗を防止することができる。
[0053] 種々の実施の形態において、図6A−図6Dに示したように、ドレッサリンクの減摩材を保持する面の曲率、形状、長さ、幅及びその他の幾何学的因子は、リンクの調整性能を向上させるのを助け得るよう所望通りに変更することができる。種々の実施の形態において、ドレッサリンク600の減摩材を保持する面602は、例えば、横方向外方に、全体として、移動方向に対して横断方向に延びて、該面は、カッターリンクの経路よりも幅が広い経路を形成するようにすることができる。種々の実施の形態において、減摩材の面の各側部における外方伸長部606は、カッターの相応する側部よりも0.254mm(.010´´)から0.762mm(.030´´)の範囲だけ大きくすることができる。種々の実施の形態において、研磨材の面602の側部は、カッター要素202の幅よりも狭くすることができる。種々の実施の形態において、減摩材(単一の調整リンク又は右側用及び左側用対を含む)の面の全体幅は、手持ち型ソーにて、4.06mm(.16´´)から10.16mm(0.40´´)の範囲とし、また機械的伐採機にて7.11mm(0.28´´)及び16mm(0.63´´)とすることができる。減摩材の面に対してより幅の広い経路を提供することは、研磨要素410にてより幅の広い溝を提供し、切刃の隅部が溝の底部半径又は側部壁と接触しないようにすることができる。
[0054] 種々の実施の形態において、ドレッサリンク600の形状は、減摩面の一部分のみが研磨要素と接触し得るようにし、また、減摩面602の磨耗に伴ない、減摩面の新たな部分が研磨要素410の表面と係合し得るような構成とすることができる。このことは、チェーン200、研磨セグメント及び(又は)減摩性ドレッサセグメントをより長寿命にすることができる。例えば、上面602の表面曲率は、後方に向けてテーパーを付け、ドレッサリンクの前方部分610が最初に磨耗するようにする(例えば、図6A)。前方部分610が磨耗すると、新たな減摩材料が研磨要素410と出会う。更に、この構成において、前方部分610の後方の減摩材が支持体として作用するため、減摩材料に対するより多くの支持体が提供される。
[0055] 図6Dを参照すると、減摩面の向きは、前方にテーパーを付け、研磨要素と最初に接触するのは、ドレッサリンク600の後側部分608であるようにすることができる。磨耗したとき、係合面は、漸進的に前方に動き、また、幾つかの実施の形態において、減摩材料の磨耗(例えば、ダイヤモンドが失われ又は磨耗する)に伴い、下方に動く。かかる態様にて摩耗することは、研磨要素410に対して新たな減摩構成要素(例えば、ダイヤモンド)を提供することになる。更に、このことは、また、カッター202もまた、研磨する毎に高さが低くなるため、ドレッサリンク600の高さが低くなり、これにより性能を向上させることも許容する。かかる構成は、また、減摩材料がより滑らかに、ゆっくりとした態様にて研磨要素410と係合することも許容する。しかし、減摩要素は、支持体の欠如のため、ドレッサリンクから分離する傾向はより大きくなろう。
[0056] 別の実施の形態において、上面は、全体として湾曲させ、または、前方及び後方に向けて円弧状にテーパーを付けることができる。これらの形態は、中間部分が研磨要素と最初に係合する部分となることを許容し、また、研磨要素の磨耗に伴ない、研磨部分の前側及び後側の減摩要素は研磨要素を調整する。種々の実施の形態において、上面は、前縁から後縁まで、又はその逆のように、一端から他端までテーパーを付けることができる。
[0057] 図9を参照すると、調整リンク900の別の実施の形態が示されている。調整リンク900は、研磨要素410を調整する減摩性被覆を有する2つの露出面902A、902Bを備えることができる。例えば、深さゲージを有するのではなく、ドレッサリンク900は、第二のドレッサ面を有することができる。ドレッサ面は、第一の側部と、対向する第二の側部と、これら2つの側部を連結する減摩面とを含む右側用リンク、左側用リンク又は単一のドレッサリンクとして構成することができる。
[0058] 図10を参照すると、調整リンク1000の別の実施の形態が示されている。該調整リンク1000は、実用チェーン200の中心線上を延びる実質的な単一面1002を有する第一のリンク板を含むことができる。実質的な単一面は、減摩材料を研磨要素410に対して露出させる構成とすることができる。該面1002は、切断チェーン200の切り口と実質的に同様の又はそれ以下の幅を有する全体として平坦面を提供する構成とすることができる。種々の実施の形態において、調整リンク1000は、実質的な単一面1002の前方に配設された深さゲージ1004Aを含むことができる。更に、また、カッターリンク202の1つの実施の形態と同様に、調整リンク1000は、相補的な深さゲージ1004Bを含む、調整リンク1000に対向して配設されたタイストラップを同様に含むことができる。
[0059] 種々の実施の形態において、ダイヤモンド又はその他の減摩要素の密度及び配置を所望通りに制御することができる。例えば、比較的低密度の減摩要素を有することは、研磨要素の溝、表面又はその他の境界面を均一に調整することを可能にする。種々の実施の形態において、減摩要素は、カッターリンクの一部分にて垂直に積み重ね、異なる輪郭の表面又は溝を調整することを許容する。減摩要素を、ドレッサリンクの周縁及び表面の側部の一部分の回りに配設し、例えば、適正な幅の溝を保証することができる。
[0060] 次に、図5及び図7を参照すると、種々の実施の形態に従った駆動スプロケットが示されている。該駆動スプロケットは、1つ以上の駆動リンクと係合する構成とされた複数の歯溝を形成する、半径方向に向き決めたスプロケット歯702を含むことができる。半径方向に向き決めしたスプロケット歯702は、2つの支持リム704の間にて同軸状に配設することができる。支持リム704は、種々のリンクがスプロケット及び研磨要素を横断するとき、これらのリンクを支持する構成とされた複数の小面706を含むことができる。多数の小面付きの駆動スプロケット700は、可変長さを有する1つ以上の小面を含むことができる。1つの実施の形態において、長さは、ソーチェーン内にて種々のリンクの底部長さに全体的に等しく又はこれよりも僅かに長くすることができる。これは、リンクに対する十分な支持体を提供し且つ、駆動スプロケットが横断する間、滑り又は揺動に抵抗する機構を更に提供する。
[0061] 複数の小面706は、種々のソーチェーンリンクの底部の1つ以上の点と係合するような幾何学的構成とすることができる。例えば、小面は、実質的に平坦とし、又は、これと代替的に、段部708又は傾斜部のような種々の造作部を含み、ソーチェーンリンクが駆動スプロケット700を横断するとき、チェーンソーリンクを位置決めし易くすることができる。支持面は、種々のリンクが揺動し又はその他、望ましくない動きにて係合する傾向を少なくし、また、研磨部材により研磨し得るようカッターリンクの切刃を一層良く位置決めすることができる。更に、駆動スプロケット700の小面706は、リップ部710を含むことができる。該リップ部710は、カッターリンクに対する支持体を提供し且つ、研磨要素と切断リンクの構成要素(例えば、切断要素及び(又は)深さゲージ)との間の境界面により発生された摩擦力に起因する後方への動きに抵抗することができる。リップ部710は、多岐にわたる幾何学的構成とすることができる。
[0062] 小面付きの駆動スプロケット700は、また、図7にて露出した深さゲージ712により示したように、切刃よりも、研磨要素の動作に対してカッターの深さゲージをより露出させるよう向き決めされるような構成とすることもできる。その結果、より多くの材料を切刃308に対して深さゲージから除去することができ、その結果、カッターリンクの連続的な研磨中、深さゲージの設定状態を維持することができる。
[0063] 図8A−図8Bを参照すると、種々の実施の形態に従ったソーチェーンの研磨固定具800が示されている。該ソーチェーンの研磨固定具は、ガイドバーをソーチェーンの研磨固定具800に対して整合させる構成とされた1つ以上の位置決めピンのような1つ以上の位置決め部材802と、切断リンクがガイドバーの先端を横断するとき、1つ以上の切断リンクを研磨する構成とされた研磨要素804と、研磨要素804を1つ以上の切断リンクと選択的に接触させる構成とされたアクチュエータ808とを含むことができる。
[0064] 種々の実施の形態において、バーに取り付けたソーチェーンの研磨固定具は、ソーチェーンのガイドバーの先端に締結する仕方にて装着する構成とされたハウジング806を含むことができる。ハウジングは、ガイドバーの相応するスロット又は穴とかみ合う構成とされた1つ以上の整合ピンのような、位置決め部材802を含むことができる。ガイドバーが位置決め部材802上にて正確に配置されたとき、ハウジングの固定具は、ガイドバーに締結し且つ、チェーンがガイドバーの先端の回りにて自由に動くことを許容する。張力クランプは、位置決め部材と係合し、比較的確実な接続を保証し、研磨工程中、ガイドバーに対するハウジングの動きが生じないようにする。
[0065] 種々の実施の形態において、アクチュエータ808を使用して研磨要素804を切断要素と接触させることができる。起動装置808は、研磨要素と連絡可能に連結された偏倚レバー(例えば、ばね荷重式)を含むことができる。例えば、ハウジング806をチェーンソーにて向けられた力を介して硬い面に対して押し付けることにより、起動装置を起動したとき、減摩石804を、ソーチェーンの切断半径内に動かすことができる。種々の実施の形態において、起動装置808は、研磨要素804をソーチェーンと接触させるであろう動作に抵抗し得るような構成とすることができる。例えば、ばねは、研磨要素804をハウジング806の末端に対して押し付けることができる。このことは、研磨要素804がソーチェーンのリンクと望ましくなく接触するのを防止することができる。ばねは、チェーンソーの重量と等価的な又は実質的に等価的なばね定数を有する構成とすることができる。その結果、研磨要素804をソーチェーンのリンクと接触させるため僅かな力のみが必要とされる。当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、その他の起動装置808を利用することができることが容易に理解されよう。更に、種々の実施の形態において、研磨要素は、研磨要素が磨耗したとき、カートリッジを取り外し且つ交換することを許容する連結パターンを有する取り外し可能なカートリッジにより保持することができる。
[0066] 特定の実施の形態について本明細書にて示し且つ説明したが、当該技術の当業者には、発明の範囲から逸脱することなく、図示し且つ説明した実施の形態に置換して、同一の目的を実現するよう計画された多岐にわたる代替的な及び(又は)等価的な実施の形態又は実施例を採用することが可能であることが理解されよう。当該技術の当業者は、実施の形態は極めて多岐にわたる仕方にて具体化することができることが容易に理解されよう。この適用例は、本明細書にて説明した実施の形態の任意の適応例又は変更例を包含することを意図するものである。このため、実施の形態は、請求項及びそれらの等価物によってのみ限定されることを明確に意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断チェーンにおいて、
カッターリンクにして、上方端縁にて研磨されて切刃を形成し得るようにされたカッター部分と、該カッター部分の前記切刃の前方に配置された第一の深さゲージとを含むカッターリンクと、
前記カッターリンクと連結され、且つ、安定手段を含む非切断リンクと、
を備え、
前記安定手段、前記深さゲージ、及び前記切断部分が、作動中、研磨要素と同時に係合し得るようにされた、切断チェーン。
【請求項2】
請求項1に記載の切断チェーンにおいて、前記カッターリンクは、ねじられたカッター部分を含む、ねじられたカッターリンクである、切断チェーン。
【請求項3】
請求項2に記載の切断チェーンにおいて、前記カッターリンクは、該カッターリンクに対して実質的に同一面に存在し且つ前記カッター部分から切断力を受ける構成とされた支え部を含む、切断チェーン。
【請求項4】
請求項2に記載の切断チェーンにおいて、前記ねじられたカッターリンクの前記ねじられたカッター部分は、ねじり軸線の回りにてねじられた形であり、前記ねじり軸線は、前記カッターリンクのトウに向けてある角度にて向けられる、切断チェーン。
【請求項5】
請求項2に記載の切断チェーンにおいて、前記ねじられたカッターリンクの前記ねじられたカッター部分は、ねじり軸線の回りにてねじられた形であり、前記ねじり軸線は、前記カッターリンクの中心線に対して鋭角な角度を形成する、切断チェーン。
【請求項6】
請求項1に記載の切断チェーンにおいて、前記カッターリンクは、該カッターリンクの対向したタイストラップと一体の第二の深さゲージを備え、前記第一の深さゲージ及び第二の深さゲージは、前記研磨要素を調整する構成とされる、切断チェーン。
【請求項7】
請求項6に記載の切断チェーンにおいて、前記第一及び第二の深さゲージの位置は、前記カッターリンクの上方端縁が前記カッターリンクの前記中心から離れる距離よりも、該カッターリンクの中心から遠方にある、切断チェーン。
【請求項8】
請求項6に記載の切断チェーンにおいて、前記安定手段の位置は、前記カッターリンクの前記第一の深さゲージよりも該カッターリンクの中心から遠方にある、切断チェーン。
【請求項9】
請求項1に記載の切断チェーンにおいて、調整材料部分を保持する構成とされた上面を含む調整リンクを更に備え、該調整リンクは、該調整材料部分が前記研磨要素と係合して該研磨要素を調整するように、前記チェーン内に位置決めされる、切断チェーン。
【請求項10】
請求項9に記載の切断チェーンにおいて、前記調整リンクは、前記減摩材が前記研磨要素と接触するのを遅らせるような構成とされた深さゲージを更に備える、切断チェーン。
【請求項11】
請求項9に記載の切断チェーンにおいて、前記調整リンクは、左側用調整リンク、右側用調整リンク及び連続的な本体の調整リンクの1つである、切断チェーン。
【請求項12】
請求項9に記載の切断チェーンにおいて、前記調整リンクは、前記上面に対向する位置に配設された第二の上面を更に備え、前記上面及び前記第二の上面は、前記実用チェーンの中心線から全体として離れるように延びている、切断チェーン。
【請求項13】
請求項9に記載の切断チェーンにおいて、前記調整リンクは、前縁から後縁まで延びる湾曲した上面と、テーパー付きの前縁と、テーパー付きの後縁とのうちの少なくとも1つを更に備える、切断チェーン。
【請求項14】
実用切断チェーン用のねじられたカッターリンクにおいて、
第一の面を規定するリンク板と、
ねじり軸線の回りにて前記第一の面から外れるようにねじった形の切断部分と、を備え、
前記ねじり軸線は、前記リンク板の全体として水平な中心線に対して鋭角な角度を形成する、実用切断用チェーン用のねじられたカッターリンク。
【請求項15】
請求項14に記載のねじられたカッターリンクにおいて、深さゲージを含み、前記第一のリンク板に対向する位置に配設される別のリンク板を更に備える、ねじられたカッターリンク。
【請求項16】
請求項14に記載のねじられたカッターリンクにおいて、前記ねじり軸線は、前記実用切断チェーンの切断方向に対して横断的である、ねじられたカッターリンク。
【請求項17】
請求項14に記載のねじられたカッターリンクにおいて、前記切断部分から作用可能な力を受ける構成とされた支え部分を更に備え、前記支え部分は、前記切断部分をねじり軸線の回りにてねじることを介して前記第一の面内に形成される、ねじられたカッターリンク。
【請求項18】
請求項17に記載のねじられたカッターリンクにおいて、前記支え部分は、6.35mm(.250インチ)以上の高さを有する、ねじられたカッターリンク。
【請求項19】
スプロケットにおいて、
歯溝の各々が駆動リンクの駆動柄状部を受け入れる構成とされた、複数の歯溝を形成する、半径方向に向けたスプロケットの歯と、
前記半径方向に向けたスプロケットの歯の各側部にて同軸状に配設された支持リムとを備え、該支持リムは、前記カッターリンクが前記スプロケットを横断し且つ研磨要素と係合するとき、カッターリンクを支持する構成とされた複数の小面を含む、スプロケット。
【請求項20】
請求項19に記載のスプロケットにおいて、前記支持リムは、前記複数の小面の各々に段部を備え、該段部は、前記カッターリンクの一部分を持ち上げて前記研磨要素との係合を向上させる構成とされる、スプロケット。
【請求項21】
請求項19に記載のスプロケットにおいて、前記支持リムは、前記複数の小面の各々に傾斜部を備え、該傾斜部は、前記カッターリンクの一部分を持ち上げて前記研磨要素との係合を向上させる構成とされる、スプロケット。
【請求項22】
請求項19に記載のスプロケットにおいて、前記複数の小面は、前記支持リムが支持する構成とされた1つ以上のリンクの長さに実質的に等しい長さを有する、スプロケット。
【請求項23】
請求項19に記載のスプロケットにおいて、前記支持リムは、前記カッターリンクが前記スプロケットを横断するとき、カッターリンクのヒール及びトウ部分を支持する構成とされる、スプロケット。
【請求項24】
実用チェーン用の調整リンクにおいて、
第一の面と、該第一の面から外に曲がった第一の上面とを規定する立ち上がり部分を有する第一のリンク板を備え、前記上面は、該上面の所望の一部分が研磨要素と係合するのを許容する幾何学的構成を含み、
前記第一のリンク板の前記上面に接着され且つ前記面の幾何学的構成に順応すると共に、前記研磨要素を調整するよう配設された調整材料部分を備える、調整リンク。
【請求項25】
請求項24に記載の調整リンクにおいて、
前記第一の面に対して平行な第二の面と、前記第二の面から外に曲げられた第二の上面とを規定する立ち上がり部分を有する前記第一のリンク板に対向する位置に配設された第二のリンク板とを更に備え、前記第一のリンク板の前記第一の上面及び前記第二のリンク板の前記第二の上面は、前記実用チェーンの中心線から全体として離れる方向に延びる、調整リンク。
【請求項26】
請求項24に記載の調整リンクにおいて、前記上面の前記幾何学的構成は、前記上面の正面側部分が、該上面の後側部分の前に、前記研磨要素と係合することを可能にする構成とされ、前記後側部分上の減摩材は前記正面側上の減摩材の少なくとも一部分を支持するようにした、調整リンク。
【請求項27】
請求項24に記載の調整リンクにおいて、前記調整リンクの前記幅は、1.27から6.6mm(0.050から0.26インチ)の範囲にある、調整リンク。
【請求項28】
請求項24に記載の調整リンクにおいて、前記上面の前記幾何学的構成は、前記上面の中間部分が、該上面の後側部分の前に、前記研磨要素と係合することを可能にする構成とされ、前記後側部分上の減摩材は前記中間部分上の減摩材の少なくとも一部分を支持するようにした、調整リンク。
【請求項29】
請求項24に記載の調整リンクにおいて、前記第一のリンク板は、深さゲージを含み、前記上面は、該深さゲージの下方に配設される、調整リンク。
【請求項30】
請求項24に記載の調整リンクにおいて、前記上面の前記幾何学的構成は、前記上面の後側部分が該上面の正面側の前に、前記研磨要素と係合することを可能にする構成とされた、調整リンク。
【請求項31】
切断システムにおいて、
カッター要素と、深さゲージと、安定手段とを有する切断チェーンであって、ガイドバーと、チェーンソーの駆動スプロケットと係合する構成とされた前記切断チェーンと、
前記切断チェーンに近接する位置に配設された研磨要素と、
前記研磨要素に連結され且つ前記研磨要素を選択的に付勢して前記カッターチェーンと接触し得るようにされたアクチュエータとを備え、前記カッターチェーンが前記研磨要素と接触したとき、前記切断チェーンの2つ以上のその他の要素は、前記研磨要素と同時に接触するようにした、切断システム。
【請求項32】
請求項31に記載のシステムにおいて、前記切断チェーンの2つ以上のその他の要素は、深さゲージと、安定手段とを備える、システム。
【請求項33】
請求項31に記載のシステムにおいて、前記切断チェーンの2つ以上のその他の要素は、深さゲージと、第二の深さゲージとを備える、システム。
【請求項34】
請求項31に記載のシステムにおいて、前記研磨要素は、前記チェーンソーの駆動スプロケットに近接する位置に更に位置決めされる、システム。
【請求項35】
請求項31に記載のシステムにおいて、前記研磨要素は、前記ガイドバーの先端に近接する位置に更に位置決めされる、システム。
【請求項36】
請求項31に記載のシステムにおいて、前記切断チェーンは、減摩材を保持すると共に、該減摩材が前記研磨要素と係合して前記研磨要素を調整する構成とされた上面を含むドレッサリンクを更に備える、システム。
【請求項37】
請求項31に記載のシステムにおいて、前記チェーンソーの駆動スプロケットは、
複数の歯溝を形成する半径方向に向けたスプロケットの歯を備え、前記歯溝の各々は、駆動リンクの駆動柄状部を受け入れる構成とされ、
前記半径方向に向けたスプロケットの歯の各側部にて同軸状に配設された支持リムを備え、該支持リムは、前記カッターリンクが前記スプロケットを横断し且つ研磨要素と係合するとき、カッターリンクを支持する構成とされた複数の小面を含む、システム。
【請求項38】
請求項37に記載のシステムにおいて、前記支持リムは、前記複数の小面の各々に段部を備え、該段部は、前記カッターリンクの一部分を持ち上げて前記研磨要素との係合を向上させる構成とされる、システム。
【請求項39】
請求項31に記載のシステムにおいて、前記カッター要素は、前記切断チェーンの中心線に対して鋭角な角度を形成するねじり軸線と、作用可能な力を受ける構成とされた支え部分とを含む、ねじられたカッターリンクである、システム。
【請求項40】
バーに取り付けたソーチェーンの研磨固定具において、
前記バーに取り付けたソーチェーンの研磨固定具内にてガイドバーを整合させる構成とされた位置決め部材と、
該位置決め部材に作用可能に連結された研磨要素であって、該研磨要素が前記ガイドバーを横断するとき、1つ以上の切断リンクを研磨する構成とされた前記研磨要素と、
前記研磨要素と作用可能に連結されたアクチュエータとを備え、前記起動装置は、前記研磨要素を前記1つ以上の切断リンクと選択的に接触させる構成とされる、バーに取り付けたソーチェーンの研磨固定具。
【請求項41】
請求項40に記載のバーに取り付けたソーチェーンの研磨固定具において、前記位置決め部材と、前記研磨要素と、前記ガイドバーとを少なくとも部分的に保持する構成とされたハウジングを更に備える、バーに取り付けたソーチェーンの研磨固定具。
【請求項42】
請求項40に記載のバーに取り付けたソーチェーンの研磨固定具において、前記研磨要素は、研磨する表面積を提供する構成とされた三日月状の形状を備える、バーに取り付けたソーチェーンの研磨固定具。
【請求項43】
請求項40に記載のバーに取り付けたソーチェーンの研磨固定具において、前記起動装置は、前記1つ以上の切断リンクに対する研磨要素の取り付けに抵抗する構成とされたばねを備える、ソーチェーンの研磨固定具。
【請求項44】
請求項40に記載のバーに取り付けたソーチェーンの研磨固定具において、前記位置決め部材は、前記ガイドバーとかみ合う構成とされた複数の整合ピンを備える、バーに取り付けたソーチェーンの研磨固定具。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6AA】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−527647(P2011−527647A)
【公表日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517474(P2011−517474)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/048968
【国際公開番号】WO2010/005815
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(591052457)ブラウント・インコーポレーテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】BLOUNT INCORPORATED
【Fターム(参考)】