説明

テスター

【課題】 測定レンジの状態の如何にかかわらず地絡を発生させることなく抵抗及び電圧を良好に測定し得るテスターを提供する。
【解決手段】
測定レンジ1が抵抗レンジになっていることを検出する一方、抵抗レンジである場合で且つ被測定回路Fに測定用リード線1a,1bを接触させた状態で所定電圧以上の電圧が検出された場合には、高インピーダンス要素であるコイルVを測定用リード線1a,1b間に接続するとともに警報装置32を動作させ、前記抵抗レンジである場合に被測定回路Fに測定用リード線1a,1bを接触させたことを検出するとともに、コイルVが消勢され、且つ被測定回路Fと測定用リード線1a,1bとの接触が検出されていることを条件として被測定回路Fの抵抗を測定する抵抗測定回路を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテスターに関し、特に少なくとも被測定回路の電圧及び抵抗を検出する場合に適用して有用なものである。
【背景技術】
【0002】
被測定回路の電圧、電流及び抵抗を一台で検出し得る測定器としてテスターが知られている。この種のテスターは、一般に電圧、電流乃至抵抗の何れかの測定モードを選択するための測定レンジを有している。かかる測定レンジの選択操作により電圧測定回路、電流測定回路及び抵抗測定回路の何れかを選択して所定の測定を行うようになっている。ここで、電圧測定回路は被測定回路の所定部位間の電圧を計測する回路であるため、高インピーダンス回路となっており、電流測定回路及び抵抗測定回路は測定のための電力消費を可及的に低減すべく低インピーダンス回路となっている。また、抵抗測定回路は被測定回路の抵抗測定部位に測定電流を供給するための抵抗測定用電源を内蔵している。
【0003】
なお、簡易な構成により、対地間抵抗を広範囲にわたって計測することができるアーステスターを開示するものとして特許文献1が存在する。
【0004】
【特許文献1】特開2006−177765号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の如き従来技術に係るテスターにおいては、測定レンジが抵抗レンジのまま、被測定回路の電圧を誤って測定した場合には地絡を生起する場合がある。すなわち、被測定回路に電圧が印加されている状態で、テスターの測定用リード線を介して抵抗測定回路と接地間の電圧を測定した場合には、前記抵抗測定回路は低インピーダンスであるためテスターを介して被測定回路が接地されてしまう。このとき、被測定回路に地絡検出リレーが設けられている場合にはこの地絡検出リレーが動作する。
【0006】
ちなみに、被測定回路の検査の際には、適宜スイッチを入り切りしながら色々な条件を作り出して所定部位の電圧、抵抗を測定するため、測定レンジを切替えるのを忘れたまま間違った測定をしてしまう可能性がある。
【0007】
抵抗レンジのまま電圧が印加されている被測定回路にテスターの測定用リード線を接触させた場合に警報を発するような構成にした場合でも同様に抵抗測定回路が形成されていればこれを介して地絡が発生してしまう。一方、抵抗レンジで抵抗測定回路が選択されている場合において、被測定回路にテスターの測定用リード線を接触させた場合には、所定の抵抗測定を支障なく行うことができるような構成となっていなければならない。
【0008】
本発明は、上記従来技術に鑑み、電圧が印加された状態の被測定回路に抵抗レンジのテスターの測定リード線を接触させた場合でも、地絡を発生させることなく警報を発することができるばかりでなく、所定の抵抗測定及び電圧測定も良好に行うことができるテスターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の第1の態様は、
2本の測定用リード線を被測定回路にそれぞれ接触させることにより前記被測定回路の少なくとも電圧及び抵抗を測定し得るように構成したテスターであって、
前記電圧乃至抵抗の測定モードを選択する測定レンジと、
前記測定レンジが抵抗を測定するための抵抗レンジになっていることを検出する抵抗レンジ検出手段と、
前記抵抗レンジであることが検出されている場合において、前記被測定回路に測定用リード線をそれぞれ接触させた状態で前記測定用リード線間に所定の電圧以上の電圧が印加されている場合には、高インピーダンス要素が前記測定用リード線間に接続されるように動作するとともに警報手段を動作させて当該状態を告知する電圧検出手段と、
前記抵抗レンジであることが検出されている場合において、前記電圧検出手段が不動作の場合には前記被測定回路の抵抗を測定する抵抗測定回路が形成されるように動作するとともに、前記電圧検出手段を回路から切離す抵抗測定選択手段とを有することを特徴とするテスターにある。
【0010】
本発明の第2の態様は、
上記第1の態様に記載するテスターにおいて、
前記抵抗レンジ検出手段は、前記測定レンジが抵抗レンジを選択している場合にオン状態となるスイッチ手段を有することを特徴とするテスターにある。
【0011】
本発明の第3の態様は、
上記第1又は第2の態様に記載するテスターにおいて、
前記電圧検出手段は、電圧検出用リレーを有しており、この電圧検出用リレーのコイルに前記被測定回路の電圧が印加された場合に前記コイルが付勢されて前記高インピーダンス要素として機能するとともに前記警報手段を動作させるように構成したことを特徴とするテスターにある。
【0012】
本発明の第4の態様は、
上記第1乃至第3の態様の何れか一つに記載するテスターにおいて、
前記抵抗測定選択手段は、前記抵抗レンジであることが検出されている場合であって、前記電圧検出手段が不動作の場合にこのことを表す抵抗測定モード信号を送出する論理回路と、前記抵抗測定モード信号に基づき抵抗測定用電源により付勢されて前記抵抗測定回路を形成するとともにこの状態を保持し、同時に前記電圧検出手段を回路から切離す抵抗測定回路接続用リレーとを有することを特徴とするテスターにある。
【0013】
本発明の第5の態様は、
2本の測定用リード線を被測定回路にそれぞれ接触させることにより前記被測定回路の少なくとも電圧及び抵抗を測定し得るように構成したテスターであって、
前記電圧乃至抵抗の測定モードを選択する測定レンジと、
前記測定レンジが抵抗を測定するための抵抗レンジになっていることを検出する抵抗レンジ検出手段と、
前記抵抗レンジであることが検出されている場合において、前記被測定回路に測定用リード線をそれぞれ接触させた状態で前記測定用リード線間に所定の電圧以上の電圧が印加されている場合には、高インピーダンス要素が前記測定用リード線間に接続されるように動作するとともに警報手段を動作させて当該状態を告知する電圧検出手段と、
内部電源を具備し、前記抵抗レンジであることが検出されている場合においては前記被測定回路に電圧が印加されていない場合であっても前記内部電源の電圧に基づき前記被測定回路に前記測定用リード線をそれぞれ接触させたことを検出する接触判定手段と、
前記抵抗レンジであることが検出されている場合において、前記電圧検出手段が不動作で且つ前記接触判定手段が前記被測定回路と前記測定用リード線との接触を検出していることを条件として前記被測定回路の抵抗を測定する抵抗測定回路が形成されるように動作するとともに、前記電圧検出手段及び前記接触判定手段を回路から切離す抵抗測定選択手段とを有することを特徴とするテスターにある。
【0014】
本発明の第6の態様は、
上記第5の態様に記載するテスターにおいて、
前記接触判定手段は、内部電源と、これに直列に接続された最小動作電圧が前記内部電源の出力電圧よりも低い接触判定用リレーとを有することを特徴とするテスターにある。
【0015】
本発明の第7の態様は、
上記第6の態様に記載するテスターにおいて、
前記抵抗測定選択手段は、前記抵抗レンジであること及び前記接触判定用リレーが付勢されていることが検出されている場合であって、前記電圧検出手段が不動作の場合にこのことを表す抵抗測定モード信号を送出する論理回路と、前記抵抗測定モード信号に基づき抵抗測定用電源により付勢されて前記抵抗測定回路を形成するとともにこの状態を保持し、同時に前記電圧検出手段及び前記内部電源を回路から切離す抵抗測定回路接続用リレーとを有することを特徴とするテスターにある。
【0016】
本発明の第8の態様は、
上記第5乃至第7の態様の何れか一つに記載するテスターにおいて、
前記抵抗レンジ検出手段は、前記測定レンジが抵抗レンジを選択している場合にオン状態となるスイッチ手段を有することを特徴とするテスターにある。
【0017】
本発明の第9の態様は、
上記第5乃至第8の態様の何れか一つに記載するテスターにおいて、
前記電圧検出手段は、最小動作電圧が前記内部電源の出力電圧よりも高い電圧検出用リレーを有しており、この電圧検出用リレーのコイルに前記最低動作電圧以上の電圧が前記被測定回路から印加された場合に前記電圧検出用リレーのコイルが付勢されて前記高インピーダンス要素として機能するとともに前記警報手段を動作させるように構成したことを特徴とするテスターにある。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、抵抗レンジのまま電圧が印加されている被測定回路に測定用リード線を接触させても電圧検出手段が動作して、前記測定用リード線の間に高インピーダンス要素が接続されるので、地絡状態となることはない。また、このときには警報手段も動作させられるので、抵抗レンジのまま電圧が印加されている被測定回路に測定用リード線を接触させている状態であることを警告することができる。
【0019】
一方、抵抗レンジであっても被測定回路に電圧が印加されていない場合には、抵抗測定選択手段が動作するとともに、電圧検出手段又は、電圧検出手段及び接触判定手段はその機能が停止されるので、支障なく所定の抵抗測定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明の実施の形態に係るテスターを示す回路図である。同図に示すように、本形態に係るテスターは、2本の測定用リード線1a,1bを被測定回路Fにそれぞれ接触させることにより被測定回路Fの電圧、抵抗及び電流を測定し得るように構成したものである。このため、当該テスターには、測定レンジ1で選択する電圧測定モード、抵抗測定モード及び電流測定モードに対応して動作する電圧測定回路、抵抗測定回路、電流測定回路及び表示部等が内蔵されている。なお、これらの各回路等の構成は従来と変るところはないので図示は省略している。
【0022】
抵抗レンジ検出部Aは、測定レンジ1が抵抗を測定するための抵抗レンジになっていることを検出するもので、本形態の場合は、測定レンジ1が抵抗レンジになっている場合に機械的にオン状態となる接点a1を有するマイクロスイッチで構成してある。このマイクロスイッチは、a接点である接点a1とともに、接点a1とは逆の動作を行うb接点である接点a2も有している。ここで、接点a2は抵抗レンジ以外の電圧レンジ乃至電流レンジが選択されている場合に閉成されており、電圧測定回路乃至電流測定回路の形成に寄与する。
【0023】
なお、抵抗レンジ検出部Aは、同様の機能を有するものであれば、マイクロスイッチに限定するものでは勿論ない。例えば、リレーで構成することもできる。ただ、リレーで構成した場合には動作用の電源を内蔵しておく必要がある。
【0024】
電圧検出部10は、本形態の場合、最小動作電圧が内部電源eの出力電圧よりも高いコイルVを有する電圧検出用リレーからなる。そして、抵抗レンジであることが検出されている場合、すなわち接点a1が閉成されている場合において、整流器Dを介して形成される閉回路Iにより電圧検出用リレーの最低動作電圧以上の電圧である被測定回路Fの印加電圧がコイルVの両端に印加されることにより動作する。また、この動作により警報装置32を動作させる。このことにより低インピーダンスの抵抗測定モードであるにもかかわらず誤って電圧が印加されている被測定回路Fに測定用リード線1a,1bが接続されていることを警告する。この警告により当該テスターを用いて所定の測定作業を行っている作業者は測定レンジ1を切替操作して電圧測定回路を選択することができる。
【0025】
接触判定部20は、本形態の場合、内部電源eと、これに直列に接続された最小動作電圧が内部電源eの出力電圧よりも低いコイルBを有する接触判定用リレーとからなる。そして、抵抗レンジであることが検出されている場合、すなわち接点a1が閉成されている場合においては被測定回路Fに電圧が印加されていない場合であっても整流器Dを介して内部電源eの電圧に基づき被測定回路Fに測定用リード線1a,1bを接続することにより閉回路IIが形成され、コイルBが付勢されることにより動作する。すなわち、測定用リード線1a,1bを被測定回路Fに接触させた場合には、常にこの状態を検出する。
【0026】
抵抗測定選択部30は、論理回路31と、低インピーダンスのコイルC及びa接点である接点c1,c4及びb接点である接点c2,c3を具備する抵抗測定回路接続用リレーと、抵抗測定用電源Eとを有している。
【0027】
ここで、論理回路31は、この部分を抽出して図2に示すように、3入力のアンド回路31aとインバータ31bとを有しており、抵抗レンジ検出部Aが抵抗レンジであることを検出している場合において、コイルVが消勢され、且つコイルBが付勢されている場合にアンド論理が成立する構成となっている。換言すれば、抵抗レンジであることを検出している場合において、被測定回路Fに電圧が印加されておらず抵抗測定選択部30が不作動で、且つ接触判定部20が測定用リード線1a,1bの被測定回路Fに対する接触を検出している場合にアンド論理が成立する。このアンド論理の成立によりこのことを表す抵抗測定モード信号S1が生成され、この抵抗測定モード信号S1に基づき抵抗測定用電源EによりコイルCを付勢する。この結果、接点c1が閉成されてコイルCの動作が自己保持される。同時に、接点c2の開放によりコイルC及びコイルBが消勢されて電圧検出部10及び接触判定部20が当該テスターの回路から切り離される。かかる状態で、接点c4及び測定用リード線1a,1bを介して閉回路IIIが形成され、抵抗測定用電源Eにより被測定回路Fの所定部位の抵抗を測定することができる。すなわち、閉回路IIIが低インピーダンスの抵抗測定回路となる。
【0028】
図3は図1に示すテスターの動作手順を示すフローチャートである。同図に基づき本形態に係るテスターの動作シーケンスを説明する。なお、説明中の符号は図2に示すものの外、図1に示すものにも基づいている。
1) 測定レンジ1の使用レンジが抵抗レンジである場合、抵抗レンジ検出部Aが動作する(ステップS11,S12参照)。
2) 1)の状態で測定用リード線1a,1bを被測定回路Fに接続する(ステップS13参照)。
3) この結果、閉回路I,IIが形成される(ステップS14参照)。
4) 被測定回路Fの電圧の有無を検出する(ステップS15参照)。
5) 被測定回路Fの電圧がある場合、電圧検出部10のコイルV及び接触判定部20のコイルBが付勢される(ステップS16,S17参照)。
6) コイルVの付勢により警報装置32が動作して警報を発する(ステップS18参照)。
7) 測定用リード線1a,1bを被測定回路Fから外し、測定レンジ1を切替操作して使用レンジを電圧レンジに変更し、電圧測定を実施する(ステップS19,S20,S21参照)。
8) ステップS15の判定の結果、被測定回路Fの電圧がないと判断された場合、電圧検出部10のコイルVは付勢されないが、接触判定部20のコイルBは内部電源eにより付勢されるので、論理回路31のアンド論理が成立する(ステップS22,S23,S24参照)。
9) この結果、閉回路IIIを形成し、抵抗測定選択部30のコイルCを付勢して閉回路I,IIを解除するとともにコイルCを自己保持する(ステップS25,S26,S27,S28参照)。
10) 低インピーダンスの抵抗測定回路による抵抗測定を実施する(ステップS29参照)。
11) 測定レンジ1の使用レンジが電圧レンジである場合、高インピーダンスの電圧測定回路による電圧測定を実施する(ステップS11,S21参照)。
12) 測定レンジ1の使用レンジが電流レンジである場合、低インピーダンスの電流測定回路による電流測定を実施する(ステップS11,S30参照)。
【0029】
なお、上記実施の形態では、電圧検出部10、接触判定部20、抵抗測定選択部30は何れもリレーを利用して構成したがこれに限るものではない。例えば、それぞれの機能を実現し得るものであれば、ハードウエアと組み合わせたソフトウエアとして実現することもできる。
【0030】
また、上記実施の形態において接触判定部20は測定用リード線1a,1bが被測定回路Fに接続されていることを検出し、この検出を論理回路31の動作条件として利用することにより、被測定回路Fに電圧が印加されている場合には抵抗測定選択部30が動作せず、したがって閉回路IIIを形成しないようにすることで誤って低インピーダンスの抵抗測定回路により地絡が発生するのを防止しているが、かかる地絡防止を他の構成で保障することができれば、必ずしもこのような構成とする必要はない。例えば、論理回路31の論理の成立から一定時間遅延してコイルCが付勢されるように構成し、この遅延期間を利用して電圧検出部10の動作により抵抗測定モードであるにもかかわらず被測定回路Fに電圧が印加されていることを検出するとともに抵抗測定選択部30の動作をロックしてしまうような構成とすれば接触判定部20を省略することができる。この場合の論理回路31は、抵抗レンジが選択されている状態で電圧検出部10が不作動状態であることを条件として抵抗測定モード信号S1を生成すれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は電気回路の電圧、抵抗等を測定するテスターを製造、販売する産業分野で有効に利用し得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態に係るテスターを示す回路図である。
【図2】図1の論理回路の具体的な回路構成を示す回路図である。
【図3】図1に示すテスターの動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0033】
I,II,III 閉回路
1 測定レンジ
1a,1b 測定用リード線
10 電圧検出部
20 接触判定部
30 抵抗測定選択部
31 論理回路
32 警報装置
A 抵抗レンジ検出部
B,C,V コイル
S1 抵抗測定モード信号
E 抵抗測定用電源
e 内部電源
F 被測定回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2本の測定用リード線を被測定回路にそれぞれ接触させることにより前記被測定回路の少なくとも電圧及び抵抗を測定し得るように構成したテスターであって、
前記電圧乃至抵抗の測定モードを選択する測定レンジと、
前記測定レンジが抵抗を測定するための抵抗レンジになっていることを検出する抵抗レンジ検出手段と、
前記抵抗レンジであることが検出されている場合において、前記被測定回路に測定用リード線をそれぞれ接触させた状態で前記測定用リード線間に所定の電圧以上の電圧が印加されている場合には、高インピーダンス要素が前記測定用リード線間に接続されるように動作するとともに警報手段を動作させて当該状態を告知する電圧検出手段と、
前記抵抗レンジであることが検出されている場合において、前記電圧検出手段が不動作の場合には前記被測定回路の抵抗を測定する抵抗測定回路が形成されるように動作するとともに、前記電圧検出手段を回路から切離す抵抗測定選択手段とを有することを特徴とするテスター。
【請求項2】
請求項1に記載するテスターにおいて、
前記抵抗レンジ検出手段は、前記測定レンジが抵抗レンジを選択している場合にオン状態となるスイッチ手段を有することを特徴とするテスター。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載するテスターにおいて、
前記電圧検出手段は、電圧検出用リレーを有しており、この電圧検出用リレーのコイルに前記被測定回路の電圧が印加された場合に前記コイルが付勢されて前記高インピーダンス要素として機能するとともに前記警報手段を動作させるように構成したことを特徴とするテスター。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載するテスターにおいて、
前記抵抗測定選択手段は、前記抵抗レンジであることが検出されている場合であって、前記電圧検出手段が不動作の場合にこのことを表す抵抗測定モード信号を送出する論理回路と、前記抵抗測定モード信号に基づき抵抗測定用電源により付勢されて前記抵抗測定回路を形成するとともにこの状態を保持し、同時に前記電圧検出手段を回路から切離す抵抗測定回路接続用リレーとを有することを特徴とするテスター。
【請求項5】
2本の測定用リード線を被測定回路にそれぞれ接触させることにより前記被測定回路の少なくとも電圧及び抵抗を測定し得るように構成したテスターであって、
前記電圧乃至抵抗の測定モードを選択する測定レンジと、
前記測定レンジが抵抗を測定するための抵抗レンジになっていることを検出する抵抗レンジ検出手段と、
前記抵抗レンジであることが検出されている場合において、前記被測定回路に測定用リード線をそれぞれ接触させた状態で前記測定用リード線間に所定の電圧以上の電圧が印加されている場合には、高インピーダンス要素が前記測定用リード線間に接続されるように動作するとともに警報手段を動作させて当該状態を告知する電圧検出手段と、
内部電源を具備し、前記抵抗レンジであることが検出されている場合においては前記被測定回路に電圧が印加されていない場合であっても前記内部電源の電圧に基づき前記被測定回路に前記測定用リード線をそれぞれ接触させたことを検出する接触判定手段と、
前記抵抗レンジであることが検出されている場合において、前記電圧検出手段が不動作で且つ前記接触判定手段が前記被測定回路と前記測定用リード線との接触を検出していることを条件として前記被測定回路の抵抗を測定する抵抗測定回路が形成されるように動作するとともに、前記電圧検出手段及び前記接触判定手段を回路から切離す抵抗測定選択手段とを有することを特徴とするテスター。
【請求項6】
請求項5に記載するテスターにおいて、
前記接触判定手段は、内部電源と、これに直列に接続された最小動作電圧が前記内部電源の出力電圧よりも低い接触判定用リレーとを有することを特徴とするテスター。
【請求項7】
請求項6に記載するテスターにおいて、
前記抵抗測定選択手段は、前記抵抗レンジであること及び前記接触判定用リレーが付勢されていることが検出されている場合であって、前記電圧検出手段が不動作の場合にこのことを表す抵抗測定モード信号を送出する論理回路と、前記抵抗測定モード信号に基づき抵抗測定用電源により付勢されて前記抵抗測定回路を形成するとともにこの状態を保持し、同時に前記電圧検出手段及び前記内部電源を回路から切離す抵抗測定回路接続用リレーとを有することを特徴とするテスター。
【請求項8】
請求項5乃至請求項7の何れか一つに記載するテスターにおいて、
前記抵抗レンジ検出手段は、前記測定レンジが抵抗レンジを選択している場合にオン状態となるスイッチ手段を有することを特徴とするテスター。
【請求項9】
請求項5乃至請求項8の何れか一つに記載するテスターにおいて、
前記電圧検出手段は、最小動作電圧が前記内部電源の出力電圧よりも高い電圧検出用リレーを有しており、この電圧検出用リレーのコイルに前記最低動作電圧以上の電圧が前記被測定回路から印加された場合に前記電圧検出用リレーのコイルが付勢されて前記高インピーダンス要素として機能するとともに前記警報手段を動作させるように構成したことを特徴とするテスター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−281371(P2008−281371A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−123917(P2007−123917)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】