テーパー状表面を有するカテーテル
【課題】テーパー状表面を有するカテーテルを提供すること。
【解決手段】上記カテーテルは、長手方向軸を規定する細長い管状本体であって、該細長い管状本体は、第1の管腔を規定する第1の壁と、第2の管腔を規定する第2の壁とを含み、該第1の管腔および該第2の管腔は、それぞれ、第1の遠位開口部および第2の遠位開口部と連通している、細長い管状本体と、該第1および第2の管腔を分離する隔壁とを含み、該第1および第2の壁のうちの少なくとも1つは、該第1および第2の管腔のうちの1つと流体連通している側面開口部を規定し、該側面開口部は、外側アパーチャと、該外側アパーチャより小さい寸法を有する内側アパーチャとを有する。
【解決手段】上記カテーテルは、長手方向軸を規定する細長い管状本体であって、該細長い管状本体は、第1の管腔を規定する第1の壁と、第2の管腔を規定する第2の壁とを含み、該第1の管腔および該第2の管腔は、それぞれ、第1の遠位開口部および第2の遠位開口部と連通している、細長い管状本体と、該第1および第2の管腔を分離する隔壁とを含み、該第1および第2の壁のうちの少なくとも1つは、該第1および第2の管腔のうちの1つと流体連通している側面開口部を規定し、該側面開口部は、外側アパーチャと、該外側アパーチャより小さい寸法を有する内側アパーチャとを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1.技術分野)
本開示は、概して医療カテーテルに関し、具体的には、テーパー状表面を有するカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の説明)
カテーテルは、体腔、ダクトおよび脈管への流体の導入およびそこからの流体の引き抜きにおいて用いられる可撓性医療器具である。カテーテルは、液体の治療剤の投薬と、試験、モニタリング、または処分のための体液の除去とを含む、人の体内の多くの異なる用途のために使用される。カテーテルは、血液透析処置の特定の用途を有し、その用途において、血液は、血管から引き抜かれ、透析または浄化のために血液透析ユニットへ向けられ、その後に血管に戻される。
【0003】
一般に、透析カテーテルは、静脈管腔と動脈管腔を含む少なくとも2つの管腔を規定する。動脈管腔は、患者から血液を引き抜き、血液を透析器に送達する。静脈管腔は、透析器から浄化された血液を受け取り、血液を患者に戻す。静脈管腔および動脈管腔は、カテーテルの先端部に隣接する遠位開口部を含み得る。加えて、静脈管腔および動脈管腔は、側面開口部も含み得、側面開口部は、静脈管腔および動脈管腔に余分または代替的な流れの経路を提供する。
【0004】
血液透析処置の効率は、カテーテルの遠位端部における血液流れの再循環によって低減され得る。静脈管腔から出る透析された血液が、カテーテルの動脈管腔内に戻るように引かれる場合に、再循環は発生する。この欠点を克服するために、静脈管腔の開口部が動脈管腔の開口部を超えて遠位に配置されるように、いくつかのカテーテルデバイスは、カテーテルの開口部を互の位置をずらして配置する。しかしながら、これらのカテーテルデバイスはまた、さまざまな追加の欠点から悩まされる。例えば、静脈管腔および静脈管腔の互の位置をずらして配置された開口部は、カテーテルを通る流体流れを逆にすることにおいてそのカテーテルが適切ではないものにする。カテーテルを通る流体流れの可逆性は、カテーテルの開口部内の血栓の形成を除去するために使用され得る。従って、互の位置をずらして配置された開口部は、不利に、カテーテル内に流れの閉塞を間接にもたらし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それ故、カテーテル内の流れを逆にする能力に悪影響を与えることなしに、再循環の可能性を最小にする多重管腔カテーテルを用いて、従来の技術の不利点および欠点を克服することが望ましい。さらに、カテーテルおよびその構成パーツが、容易かつ効率的に製造および組み立てられることがより望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(要約)
従って、本開示は、細長い管状本体と隔壁とを有するカテーテルを対象とする。細長い管状本体は、長手方向軸を規定し、第1の管腔を規定する第1の壁と、第2の管腔を規定する第2の壁とを含む。第1の管腔および第2の管腔は、それぞれ、第1および第2の遠位開口部と連通している。第1および第2の壁は各々、第1の厚さおよび第2の厚さを有し得る。第1および第2の厚さは、異なり得る。例えば、第1の壁および/または第2の壁は各々、第1の厚さと、第1の厚さの近位に位置決めされた第2のより厚い厚さとを有し得る。隔壁は、第1および第2の管腔を分離する。第1および第2の壁のうちの1つまたは両方は、側面開口部を含む。
【0007】
側面開口部は、第1および第2の管腔のうちの1つと流体連通している。側面開口部は、外側アパーチャと内側アパーチャとを有する。内側アパーチャは、外側アパーチャより小さい寸法を有する。各側面開口部は、1つ以上の側壁によって規定される。各側壁が、外側アパーチャから内側アパーチャまで内側へテーパー状になることにより、外側アパーチャに隣接する側面開口部の寸法は、内側アパーチャに隣接する側面開口部の寸法より大きい。側面開口部は、実質的に切頭円錐体の形状であり得る。
【0008】
第1の壁は、第1の側面開口部を規定し、第2の壁は、第2の側面開口部を規定する。第1の側面開口部は、第1の管腔と流体連通している。第2の側面開口部は、第2の管腔と流体連通している。第1および第2の側面開口部は、細長い管状本体の長手方向軸に沿って長手方向に整列され得る。第1および第2の側面開口部は、細長い管状本体の長手方向軸に沿って長手方向にオフセットされ得る。
【0009】
第1の壁は、第1の内側表面と第1の外側表面とを規定する。第2の壁は、第2の内側表面と第2の外側表面とを規定する。第1の内側表面は、第1の管腔を規定し、第2の内側表面は、第2の管腔を規定する。第1の内側表面は、細長い管状本体の第1の遠位開口部から近位方向にテーパー状になり得ることにより、第1の管腔の寸法は、第1の遠位開口部付近で遠位方向に増大する。第2の内側表面は、細長い管状本体の第2の遠位開口部から近位方向にテーパー状になり得ることにより、第2の管腔の寸法は、第2の遠位開口部付近で遠位方向に増大する。第1および第2の内側表面のうちの1つまたは両方は、遠位テーパー状表面と近位テーパー状表面とを含み得る。遠位テーパー状表面は、第1および第2の遠位開口部のうちの1つから近位テーパー状表面まで、細長い管状本体の長手方向軸に対してリーディング角度で近位方向にテーパー状になる。近位テーパー状表面は、遠位テーパー状表面の近位端部から近位内側表面まで、長手方向軸に対してトレイリング角度で近位方向にテーパー状になる。リーディング角度とトレイリング角度とは異なっている。近位内側表面は、細長い管状本体の長手方向軸に実質的に平行である。
【0010】
1つの局面に従って、本開示は、長手方向軸を規定する細長い管状本体を含むカテーテルに関する。細長い管状本体は、第1の壁、第2の壁、および隔壁を含む。第1の壁は、第1の内側表面と第1の外側表面とを規定する。第1の内側表面は、第1の遠位開口部まで延在する第1の管腔を規定する。第1の内側表面は、第1の遠位流れ部分を規定し、第1の遠位流れ部分は、第1の遠位開口部から細長い管状本体の長手方向軸に向って近位方向にテーパー状になる。第2の壁は、第2の内側表面と第2の外側表面とを規定する。第2の内側表面は、第2の遠位開口部まで延在する第2の管腔を規定する。第2の内側表面は、第2の遠位流れ部分を規定し、第2の遠位流れ部分は、第2の遠位開口部から細長い管状本体の長手方向軸に向って近位方向にテーパー状になる。第1および第2の管腔の第1および第2の遠位流れ部分は、カテーテルの遠位端部に向って増大する寸法を有することにより、遠位開口部を通ってカテーテル内に流れる流体に対する抵抗が増大され、遠位開口部から流れる流体に対する抵抗が減少される。
【0011】
側面開口部は、第1および第2の壁の各々において規定される。側面開口部は、第1および第2の遠位開口部の近位に配置される。第1の側面開口部は、第1の壁において規定され得、第2の側面開口部は、第2の壁において規定され得る。第1および第2の側面開口部は、第1および第2の管腔のうちの1つの流れ入る流体または流れ出す流体に対する流れ抵抗の変化を提供する。各側面開口部は、第1および第2の管腔のうちの1つと流体連通しており、外側アパーチャおよび内側アパーチャを有する。内側アパーチャは、外側アパーチャより小さい寸法を有する。
【0012】
隔壁は、第1および第2の管腔を分離し得る。隔壁は、第1および第2の遠位開口部を超えて延在し得る。
【0013】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
カテーテルであって、該カテーテルは、
長手方向軸を規定する細長い管状本体であって、該細長い管状本体は、第1の管腔を規定する第1の壁と、第2の管腔を規定する第2の壁とを含み、該第1の管腔および該第2の管腔は、それぞれ、第1の遠位開口部および第2の遠位開口部と連通している、細長い管状本体と、
該第1および第2の管腔を分離する隔壁と
を含み、
該第1および第2の壁のうちの少なくとも1つは、該第1および第2の管腔のうちの1つと流体連通している側面開口部を規定し、該側面開口部は、外側アパーチャと、該外側アパーチャより小さい寸法を有する内側アパーチャとを有する、カテーテル。
(項目2)
各側面開口部は、少なくとも1つの側壁によって規定され、該少なくとも1つの側壁が、上記外側アパーチャから上記内側アパーチャまで内側へテーパー状になることにより、該外側アパーチャに隣接する側面開口部の寸法は、該内側アパーチャに隣接する側面開口部の寸法より大きい、上記項目に記載のカテーテル。
(項目3)
上記第1の壁は、第1の側面開口部を規定し、上記第2の壁は、第2の側面開口部を規定し、該第1の側面開口部は、上記第1の管腔と流体連通しており、該第2の側面開口部は、上記第2の管腔と流体連通している、上記項目のいずれかに記載のカテーテル。
(項目4)
上記隔壁は、上記第1および第2の遠位開口部を超えて延在する、上記項目のいずれかに記載のカテーテル。
(項目5)
上記第1および第2の側面開口部は、上記細長い管状本体の上記長手方向軸に沿って長手方向に整列されている、上記項目のいずれかに記載のカテーテル。
(項目6)
上記第1および第2の側面開口部は、上記細長い管状本体の上記長手方向軸に沿って長手方向にオフセットされている、上記項目のいずれかに記載のカテーテル。
(項目7)
上記第1の壁は、第1の内側表面と第1の外側表面とを規定し、上記第2の壁は、第2の内側表面と第2の外側表面とを規定し、該第1の内側表面は、上記第1の管腔を規定し、該第2の内側表面は、上記第2の管腔を規定する、上記項目のいずれかに記載のカテーテル。
(項目8)
上記第1の内側表面は、上記細長い管状本体の上記第1の遠位開口部から近位方向にテーパー状になることにより、上記第1の管腔の寸法は、該第1の遠位開口部付近で遠位方向に増大し、上記第2の内側表面は、該細長い管状本体の上記第2の遠位開口部から近位方向にテーパー状になることにより、上記第2の管腔の寸法は、該第2の遠位開口部付近で遠位方向に増大する、上記項目のいずれかに記載のカテーテル。
(項目9)
上記第1および第2の内側表面のうちの少なくとも1つは、遠位テーパー状表面と近位テーパー状表面とを含み、該遠位テーパー状表面は、上記第1および第2の遠位開口部のうちの1つから該近位テーパー状表面まで、上記細長い管状本体の上記長手方向軸に対してリーディング角度で近位方向にテーパー状になり、該近位テーパー状表面は、該遠位テーパー状表面の近位端部から近位内側表面まで、該長手方向軸に対してトレイリング角度で近位方向にテーパー状になり、該リーディング角度と該トレイリング角度とは異なっている、上記項目のいずれかに記載のカテーテル。
(項目10)
上記近位内側表面は、上記細長い管状本体の上記長手方向軸に実質的に平行である、上記項目のいずれかに記載のカテーテル。
【0014】
(摘要)
カテーテルは、細長い管状本体と隔壁とを有する。細長い管状本体は、長手方向軸を規定し、第1の管腔を規定する第1の壁と、第2の管腔を規定する第2の壁とを含む。第1の管腔および第2の管腔は、それぞれ、第1および第2の遠位開口部と連通している。隔壁は、第1および第2の管腔を分離する。第1および第2の壁のうちの1つまたは両方は、側面開口部を含む。側面開口部は、第1および第2の管腔のうちの1つと流体連通している。側面開口部は、外側アパーチャと内側アパーチャとを有する。内側アパーチャは、外側アパーチャより小さい寸法を有する。
【0015】
新規性を有すると確信されている本開示の対象および特徴は、添付した請求項において詳細に説明される。以下に説明されるように、本開示の動作の編成および態様の両方、並びに本開示のさらなる対象および利点は、添付の図面に関連して、以下の記載を参照することによって最もよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本開示の原理に従う本明細書に開示されたカテーテルの1つの実施形態の透視図である。
【図2】図2は、図1において示された本明細書に開示されたカテーテルの断面図である。
【図3】図3は、本開示の原理に従う本明細書に開示されたカテーテルの代替的実施形態の透視図である。
【図4A】図4Aは、図3において示された本明細書に開示されたカテーテルの断面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aにおいて線引きされた指示エリア詳細の拡大された断面図である。
【図4C】図4Cは、図4Aにおいて線引きされた指示エリア詳細の拡大された断面図である。
【図5A】図5Aは、図4Aにおいて線引きされた指示エリア詳細に沿って切り取られた、図4Aおいて示された本明細書に開示されたカテーテルの断面図である。
【図5B】図5Bは、図4Aにおいて線引きされた指示エリア詳細に沿って切り取られた、図4Aおいて示された本明細書に開示されたカテーテルの断面図である。
【図5C】図5Cは、図4Aにおいて線引きされた指示エリア詳細に沿って切り取られた、図4Aおいて示された本明細書に開示されたカテーテルの断面図である。
【図6A】図6Aは、本開示の原理に従う本明細書に開示されたカテーテルの別の実施形態の断面図である。
【図6B】図6Bは、図6Aにおいて線引きされた指示エリア詳細の拡大された断面図である。
【図6C】図6Cは、図6Aにおいて線引きされた指示エリア詳細の拡大された断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(代表的な実施形態の詳細な説明)
開示されたカテーテルおよび使用の方法の代表的な実施形態は、被検体の体に出入りする流体の管理のための医療カテーテルに関して議論され、具体的に、障害のない流体流れを容易にするために、使用中に望ましくない再循環を制限するカテーテル先端部を含むカテーテルに関して議論される。カテーテルが、カテーテルの管腔の間に可逆性の流体流れを容易にするように構成されることは有益である。本開示は、さまざまなカテーテル(例えば、血液透析、腹膜、PICC、CVCおよびポート)、および外科手術、診断、および被検体の疾患および体の不調の関連した処置を含むカテーテル用途に対して利用され得る。
【0018】
以下の議論において、用語「近位」は、実施者により近い構造の部分を指し、その一方で、用語「遠位」は、実施者からより離れる部分を指す。本開示に従って、用語「実施者」は、医者、看護師、または介護者を指し、かつサポートの人を含み得る。本明細書に使用されるように、用語「被検体」は、人間の患者または他の動物を指す。
【0019】
以下の議論は、本開示の原理に従うカテーテルの説明を含む。ここで、添付した図面において例示されている本開示の代表的な実施形態に対して詳細に参照される。
【0020】
図1〜2を参照すると、本明細書に開示されたカテーテルの1つの実施形態が示され、概してカテーテル100と呼ばれる。カテーテル100は、細長い管状本体102を含み、細長い管状本体102は、長手方向軸「L」を規定し、第1の壁104、第2の壁106、および隔壁108を規定する。第1の管腔104aが、第1の壁104と隔壁108との間に規定される。第1の管腔104aは、第1の遠位開口部104bまで延在する。第2の管腔106aが、第2の壁106と隔壁108との間に規定される。第2の管腔106aは、第2の遠位開口部106bまで延在する。隔壁108は、第1および第2の管腔104aおよび106aを分離し、第1および第2の遠位開口部104bおよび106bを超えて遠位へ延在し得る。第1および第2の壁104および106のうちの1つまたは両方は、側面開口部110を含む。1つの実施形態において、図2に示されるように、第1の側面開口部110aは、第1の壁104において規定され、第1の管腔104aと流体連通して配置される。第2の側面開口部110bは、第2の壁106において規定され、第2の管腔106aと流体連通して配置される。第1および第2の側面開口部110aおよび110bは、遠位開口部104bおよび106bの近位に配置され、細長い管状本体102の長手方向軸「L」に沿って長手方向に整列され、または長手方向にオフセットされ得、そして任意の適切な寸法および/または形状(正弦波の形、円形、多角形等)を有し得る。
【0021】
各側面開口部110は、外側アパーチャ112(図2)と内側アパーチャ114とを有する。内側アパーチャ114は、外側アパーチャ112より小さい寸法を有する。この点について、内側および外側アパーチャ114および112は、各側面開口部110を規定する1つの側壁または複数の側壁116によって相互接続される。図1および2において示されるように、側壁116は、外側アパーチャ112から内側アパーチャ114まで角度付けられ、または内側へテーパー状になることにより、側面開口部110aおよび110bの寸法は、カテーテル100の壁104、106の外部表面に隣接して最も大きくて、カテーテル100の壁104、106の内部表面に隣接して最も小さい。従って、第1および第2の側面開口部110aおよび110bは、管腔104aまたは106a中からカテーテル100外部の位置へ流れる流体に増大された流れ抵抗を、かつカテーテル100の管腔104aまたは106a内に流れる流体に減少された流れ抵抗を提供する。側面開口部110aおよび110bが、カテーテル100から出る流体に増大された流れ抵抗を提供するように構成されているので、第1の管腔104aまたは第2の管腔106aから出る流体は、それぞれ、遠位開口部104bまたは106bを通って管腔104aまたは106aから出る傾向がある。逆に言えば、側面開口部110aおよび110bが、カテーテル100に進入する流体に減少された流れ抵抗を提供するように構成されているので、カテーテル100に進入する流体は、遠位開口部104bまたは106bを通らずに、側面開口部110aまたは110bを通ってカテーテル100に進入する傾向がある。結果として、遠位開口部104bまたは106bを通ってカテーテル100から出る主な流体流れストリームと、側面開口部110aおよび110bを通ってカテーテル100に進入する主な流体流れストリームとの間の間隔が増大され、カテーテル100の動脈管腔と静脈管腔との間の流体再循環の可能性を最小にする。
【0022】
1つの実施形態において、図1および2において描かれるように、側壁116は、実質的に切頭円錐体であり得る。さらに詳細に議論されるように、側面開口部(すなわち、側面開口部110を規定する側壁116)は、さまざまな向きで配置され得、任意の適切な寸法および/または形状を有し得る。いくつかの実施形態において、側面開口部のさまざまな内側表面は、細長い管状本体の内側および外側表面に対して複数の異なる角度で配置され得る。
【0023】
ここで、図3〜4を参照すると、本明細書に開示されたカテーテルの別の実施形態が示され、概してカテーテル200と呼ばれる。カテーテル200は、実質的にカテーテル100に類似しているが、本明細書においてそれらの構造および動作における差異を説明するための必要な程度しか説明されない。カテーテル200は、細長い管状本体202を含み、細長い管状本体202は、長手方向軸「L」を規定し、第1の壁204、第2の壁206、および隔壁208を規定する。
【0024】
図4Aにおいて最もよく描かれるように、第1の壁204は、第1の側面開口部222を規定し、第1の内側表面204aおよび第1の外側表面204bを含む。第2の壁206は、第2の側面開口部224を規定し、第2の内側表面206aおよび第2の外側表面206bを含む。第1および第2の側面開口部222および224は、実質的に線形であり、または側面開口部110aまたは110bに対して前に議論されるように、任意の他の形状(例えば、正弦波の形、円形、多角形等)を有し得る。第1の壁204の第1の内側表面204aと隔壁208とは、第1の管腔205を規定する。管腔205は、第1の遠位流れ部分203aおよび第1の近位流れ部分203bを含む。第2の壁206の第2の内側表面206aと隔壁208とは、第2の管腔207を規定する。管腔207は、第2の遠位流れ部分209aおよび第2の近位流れ部分209bを含む。第1の内側表面204aは、細長い管状本体202の遠位端部において規定された第1の遠位開口部210から、第1の遠位流れ部分203aに沿って、ポイント216まで近位方向にテーパー状になる。ポイント216は、第1の遠位流れ部分203aの近位端部と、第1の近位流れ部分203bの遠位端部とを規定する。具体的には、第1の遠位流れ部分203aは、第1の遠位開口部210とポイント216との間に配置された領域であり、第1の近位流れ部分203bは、ポイント216の近位に配置された領域である。
【0025】
第1の遠位開口部210は、細長い管状本体202において、第1の壁204の第1の内側表面204aと隔壁208の上部表面208aとの間に規定される。第2の内側表面206aは、細長い管状本体202の遠位端部において規定された第2の遠位開口部212からポイント220まで近位方向にテーパー状になる。ポイント220は、第2の遠位流れ部分209aの近位端部と、第2の近位流れ部分209bの遠位端部とを規定する。具体的には、第2の遠位流れ部分209aは、第2の遠位開口部212とポイント220との間に配置された領域であり、第2の近位流れ部分209bは、ポイント220の近位に配置された領域である。第2の遠位開口部212は、細長い管状本体202において、第2の壁206の第2の内側表面206aと隔壁208の底部表面208bとの間に規定される。
【0026】
この目的のために、第1の内側表面204aは、第1の遠位流れ部分203aに沿ってポイント216まで、細長い管状本体202の長手方向軸「L」に対して(例えば、図4B:長手方向軸「L」に平行なライン「A」に対して)角度αで近位方向にテーパー状になる。このように、管腔205の寸法は、第1の遠位流れ部分203aにおいて遠位方向に増大する。第1の内側表面204aは、第1の近位流れ部分203bに沿って、ポイント216の近位の長手方向軸「L」に実質的に平行であり得る。
【0027】
同様に、第2の内側表面206aは、第2の遠位流れ部分209aに沿ってポイント220まで、細長い管状本体202の長手方向軸「L」に対して(例えば、図4C:長手方向軸「L」に平行なライン「B」に対して)角度βで近位方向にテーパー状になる。このように、管腔207の寸法は、第2の遠位流れ部分209aにおいて遠位方向に増大する。第2の内側表面206aは、第2の近位流れ部分209bに沿って、ポイント220の近位の長手方向軸「L」に実質的に平行である。ポイント216およびポイント220は、長手方向に整列され、そして/または長手方向にオフセットされ得る。
【0028】
第1および第2の遠位流れ部分203aおよび209aの各々は、遠位開口部210および212を通ってカテーテル200内に流れる流体に増大された流れ抵抗を、および遠位開口部210および212を通ってカテーテル200の外へ流れる流体に減少された流れ抵抗を提供するように構成される。例示されるように、管腔205と連通している側面開口部222と、管腔207と連通している側面開口部224は各々、側面開口部110aおよび110bに対して前に議論されるように、カテーテル200の外側表面からカテーテル200の内側表面に向って減少する寸法を有するように構成される。このように、側面開口部222および224は、カテーテル200からカテーテル200の側面開口部222または224を通って流れる流体に増大された流れ抵抗を提供し、側面開口部222または224を通ってカテーテル200内に流れる流体に減少された流れ抵抗を提供するように構成される。
【0029】
図5A〜5Cにおいて示されるように、管腔205および207の各々の断面寸法は、ポイント216および220からカテーテル200の遠位端部まで遠位方向に増大する。第1の内側表面204aおよび第2の内側表面206aが実質的に線形であると例示されているが、表面204aおよび206aは、長手方向において非線形または曲がった構成を有し、または第1および第2の遠位流れ部分203aおよび209aにおいて遠位方向に管腔205および/または207の寸法を増大させる任意の他の構成を有し得る。
【0030】
第1の遠位流れ部分203aおよび第2の遠位流れ部分209aと側面開口部222および224の構成との組み合わされた構成によって、流体は、動脈管腔の側面開口部222または224を通ってカテーテル200内へ流れ、かつ静脈管腔の遠位開口部210または212を通ってカテーテルの外へ流れる傾向がある。そのために、カテーテル200から出る主な流体ストリームとカテーテル200に進入する主な流体ストリームとの間隔が最大にされ、カテーテル200の静脈管腔から静脈管腔への流体の再循環の可能性を最小にする。
【0031】
ここで、図6を参照すると、本明細書に開示されたカテーテルの別の実施形態が示され、概してカテーテル300と呼ばれる。カテーテル300は、実質的にカテーテル100および200に類似しているが、本明細書においてそれらの構造および動作における差異を説明するための必要な程度しか説明されていない。カテーテル300は、細長い管状本体302を含み、細長い管状本体302は、長手方向軸「L」を規定し、第1の壁304、第2の壁306、および隔壁308を規定する。
【0032】
図6A〜6Cにおいて最もよく描かれるように、第1の壁304は、第1の側面開口部322を規定し、第1の内側表面304aおよび第1の外側表面304bを含む。第1の管腔305が、第1の壁304と隔壁308との間に規定される。第2の壁306は、第2の側面開口部324を規定し、第2の内側表面306aおよび第2の外側表面306bを含む。第2の管腔307が、第2の壁306と隔壁308との間に規定される。
【0033】
第1の壁304の第1の内側表面304aは、第1の遠位テーパー状表面310と第1の近位テーパー状表面312とを規定する。第1の内側表面304aの第1の遠位テーパー状表面310は、第1の管腔305の第1の遠位開口部311から第1の内側表面304aの第1の近位テーパー状表面312まで、細長い管状本体302の長手方向軸「L]に平行なライン「D」(図6B)に対して第1のリーディング角度δで近位方向にテーパー状になる。第1の内側表面304aの第1の近位テーパー状表面312は、第1の内側表面304aの第1の遠位テーパー状表面310の近位端部から第1の内側表面304aの第1の近位内側表面318aまで、長手方向軸「L]に平行なライン「E」(図6B)に対して第1のトレイリング角度θで近位方向にテーパー状になる。このように、管腔305の寸法は、第1の内側表面304aの第1の遠位テーパー状表面310および第1の近位テーパー状表面312において遠位方向に増大する。第1のリーディング角度δおよび第1のトレイリング角度θは、異なっても同じでもよい。第1の近位内側表面318aは、細長い管状本体302の長手方向軸「L」に実質的に平行である。
【0034】
第2の壁306の第2の内側表面306aは、第2の遠位テーパー状表面314と第2の近位テーパー状表面316とを規定する。第2の内側表面306aの第1の遠位テーパー状表面314は、第2の管腔307の第2の遠位開口部313から第2の内側表面306aの第2の近位テーパー状表面316まで、細長い管状本体302の長手方向軸「L]に平行なライン「F」(図6C)に対して第2のリーディング角度λで近位方向にテーパー状になる。第2の内側表面306aの第2の近位テーパー状表面316は、第2の内側表面306aの第2の遠位テーパー状表面314の近位端部から第2の内側表面306aの第2の近位内側表面318bまで、長手方向軸「L]に平行なライン「G」(図6C)に対して第2のトレイリング角度ωで近位方向にテーパー状になる。このように、管腔307の寸法は、第2の内側表面306aの第2の遠位テーパー状表面314および第2の近位テーパー状表面316において遠位方向に増大する。第2のリーディング角度λおよび第2のトレイリング角度ωは、異なっても同じでもよい。第2の内側表面306aの第2の近位内側表面318bは、細長い管状本体302の長手方向軸「L」に実質的に平行である。
【0035】
第1の壁304の第1の内側表面304aと、第2の壁306の第2の内側表面306aとが実質的に線形であると例示されているが、第1および第2の内側表面304aおよび306aは、長手方向において放物線状の構成を有するか、または第1の遠位テーパー状表面310、第1の近位テーパー状表面312、第2の遠位テーパー状表面314、および第2の近位テーパー状表面316のそれぞれにおいて遠位方向に管腔305および/または307の寸法を増大させる任意の他の構成を有し得る。
【0036】
図6Aから理解され得るように、第1および第2の壁304および306は、それぞれ、第1の厚さおよび第2の厚さを有し得る。第1および第2の厚さは異なり得る。第1および第2の側面開口部322および324は、細長い管状本体302の長手方向軸「L」に沿って長手方向にオフセットおよび/または整列され得、側面開口部110a、110b、222、および224に対して前に議論されるように、任意の適切な形状および/または寸法であり、かつ任意の適切な角度向きを有し得る。特に、図6Aにおいて最もよく例示されるように、例えば、第1の側面開口部322は、互いに対して異なる角度で配置され得る第1および第2の内部表面322aおよび322bを含み得る。同様に、第2の側面開口部324は、互いに対して異なる角度で配置され得る第1および第2の内部表面324aおよび324bを含み得る。
【0037】
従って、前述のように、カテーテル300は、第1および第2の内側表面304aおよび306aと、側面開口部322および324とによって、管腔305または307中から患者に流れる流体に増大された流れ抵抗を、および患者から管腔305または307に流れる流体に減少された流れ抵抗を提供する。
【0038】
本明細書に開示されたカテーテルの本明細書に開示された表面および/または部品のうちのいくつかは、平面または非平面(例えば、弓状、波状、網状等)であり得る。
【0039】
本明細書に開示された部品は、特定のカテーテル用途および/または実施者の好みに応じて、医療用途に適切な材料、例えば、ポリマーまたは金属(例えば、ステンレス鋼)から製造される。半硬質および硬質ポリマーも弾性材料(例えば、成形医療グレードポリプロピレン)も製造に対して思料される。当業者は、本開示に従って、組立および製造に適切な他の材料および製造方法も適切であり得ることを理解する。
【0040】
さまざまな変更が本明細書に開示された実施形態に加えられ得ることが理解される。それ故、上記説明は、限定としてではなく、単にさまざまな実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付した請求項の範囲および精神内の他の変更を認識する。
【技術分野】
【0001】
(1.技術分野)
本開示は、概して医療カテーテルに関し、具体的には、テーパー状表面を有するカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の説明)
カテーテルは、体腔、ダクトおよび脈管への流体の導入およびそこからの流体の引き抜きにおいて用いられる可撓性医療器具である。カテーテルは、液体の治療剤の投薬と、試験、モニタリング、または処分のための体液の除去とを含む、人の体内の多くの異なる用途のために使用される。カテーテルは、血液透析処置の特定の用途を有し、その用途において、血液は、血管から引き抜かれ、透析または浄化のために血液透析ユニットへ向けられ、その後に血管に戻される。
【0003】
一般に、透析カテーテルは、静脈管腔と動脈管腔を含む少なくとも2つの管腔を規定する。動脈管腔は、患者から血液を引き抜き、血液を透析器に送達する。静脈管腔は、透析器から浄化された血液を受け取り、血液を患者に戻す。静脈管腔および動脈管腔は、カテーテルの先端部に隣接する遠位開口部を含み得る。加えて、静脈管腔および動脈管腔は、側面開口部も含み得、側面開口部は、静脈管腔および動脈管腔に余分または代替的な流れの経路を提供する。
【0004】
血液透析処置の効率は、カテーテルの遠位端部における血液流れの再循環によって低減され得る。静脈管腔から出る透析された血液が、カテーテルの動脈管腔内に戻るように引かれる場合に、再循環は発生する。この欠点を克服するために、静脈管腔の開口部が動脈管腔の開口部を超えて遠位に配置されるように、いくつかのカテーテルデバイスは、カテーテルの開口部を互の位置をずらして配置する。しかしながら、これらのカテーテルデバイスはまた、さまざまな追加の欠点から悩まされる。例えば、静脈管腔および静脈管腔の互の位置をずらして配置された開口部は、カテーテルを通る流体流れを逆にすることにおいてそのカテーテルが適切ではないものにする。カテーテルを通る流体流れの可逆性は、カテーテルの開口部内の血栓の形成を除去するために使用され得る。従って、互の位置をずらして配置された開口部は、不利に、カテーテル内に流れの閉塞を間接にもたらし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それ故、カテーテル内の流れを逆にする能力に悪影響を与えることなしに、再循環の可能性を最小にする多重管腔カテーテルを用いて、従来の技術の不利点および欠点を克服することが望ましい。さらに、カテーテルおよびその構成パーツが、容易かつ効率的に製造および組み立てられることがより望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(要約)
従って、本開示は、細長い管状本体と隔壁とを有するカテーテルを対象とする。細長い管状本体は、長手方向軸を規定し、第1の管腔を規定する第1の壁と、第2の管腔を規定する第2の壁とを含む。第1の管腔および第2の管腔は、それぞれ、第1および第2の遠位開口部と連通している。第1および第2の壁は各々、第1の厚さおよび第2の厚さを有し得る。第1および第2の厚さは、異なり得る。例えば、第1の壁および/または第2の壁は各々、第1の厚さと、第1の厚さの近位に位置決めされた第2のより厚い厚さとを有し得る。隔壁は、第1および第2の管腔を分離する。第1および第2の壁のうちの1つまたは両方は、側面開口部を含む。
【0007】
側面開口部は、第1および第2の管腔のうちの1つと流体連通している。側面開口部は、外側アパーチャと内側アパーチャとを有する。内側アパーチャは、外側アパーチャより小さい寸法を有する。各側面開口部は、1つ以上の側壁によって規定される。各側壁が、外側アパーチャから内側アパーチャまで内側へテーパー状になることにより、外側アパーチャに隣接する側面開口部の寸法は、内側アパーチャに隣接する側面開口部の寸法より大きい。側面開口部は、実質的に切頭円錐体の形状であり得る。
【0008】
第1の壁は、第1の側面開口部を規定し、第2の壁は、第2の側面開口部を規定する。第1の側面開口部は、第1の管腔と流体連通している。第2の側面開口部は、第2の管腔と流体連通している。第1および第2の側面開口部は、細長い管状本体の長手方向軸に沿って長手方向に整列され得る。第1および第2の側面開口部は、細長い管状本体の長手方向軸に沿って長手方向にオフセットされ得る。
【0009】
第1の壁は、第1の内側表面と第1の外側表面とを規定する。第2の壁は、第2の内側表面と第2の外側表面とを規定する。第1の内側表面は、第1の管腔を規定し、第2の内側表面は、第2の管腔を規定する。第1の内側表面は、細長い管状本体の第1の遠位開口部から近位方向にテーパー状になり得ることにより、第1の管腔の寸法は、第1の遠位開口部付近で遠位方向に増大する。第2の内側表面は、細長い管状本体の第2の遠位開口部から近位方向にテーパー状になり得ることにより、第2の管腔の寸法は、第2の遠位開口部付近で遠位方向に増大する。第1および第2の内側表面のうちの1つまたは両方は、遠位テーパー状表面と近位テーパー状表面とを含み得る。遠位テーパー状表面は、第1および第2の遠位開口部のうちの1つから近位テーパー状表面まで、細長い管状本体の長手方向軸に対してリーディング角度で近位方向にテーパー状になる。近位テーパー状表面は、遠位テーパー状表面の近位端部から近位内側表面まで、長手方向軸に対してトレイリング角度で近位方向にテーパー状になる。リーディング角度とトレイリング角度とは異なっている。近位内側表面は、細長い管状本体の長手方向軸に実質的に平行である。
【0010】
1つの局面に従って、本開示は、長手方向軸を規定する細長い管状本体を含むカテーテルに関する。細長い管状本体は、第1の壁、第2の壁、および隔壁を含む。第1の壁は、第1の内側表面と第1の外側表面とを規定する。第1の内側表面は、第1の遠位開口部まで延在する第1の管腔を規定する。第1の内側表面は、第1の遠位流れ部分を規定し、第1の遠位流れ部分は、第1の遠位開口部から細長い管状本体の長手方向軸に向って近位方向にテーパー状になる。第2の壁は、第2の内側表面と第2の外側表面とを規定する。第2の内側表面は、第2の遠位開口部まで延在する第2の管腔を規定する。第2の内側表面は、第2の遠位流れ部分を規定し、第2の遠位流れ部分は、第2の遠位開口部から細長い管状本体の長手方向軸に向って近位方向にテーパー状になる。第1および第2の管腔の第1および第2の遠位流れ部分は、カテーテルの遠位端部に向って増大する寸法を有することにより、遠位開口部を通ってカテーテル内に流れる流体に対する抵抗が増大され、遠位開口部から流れる流体に対する抵抗が減少される。
【0011】
側面開口部は、第1および第2の壁の各々において規定される。側面開口部は、第1および第2の遠位開口部の近位に配置される。第1の側面開口部は、第1の壁において規定され得、第2の側面開口部は、第2の壁において規定され得る。第1および第2の側面開口部は、第1および第2の管腔のうちの1つの流れ入る流体または流れ出す流体に対する流れ抵抗の変化を提供する。各側面開口部は、第1および第2の管腔のうちの1つと流体連通しており、外側アパーチャおよび内側アパーチャを有する。内側アパーチャは、外側アパーチャより小さい寸法を有する。
【0012】
隔壁は、第1および第2の管腔を分離し得る。隔壁は、第1および第2の遠位開口部を超えて延在し得る。
【0013】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
カテーテルであって、該カテーテルは、
長手方向軸を規定する細長い管状本体であって、該細長い管状本体は、第1の管腔を規定する第1の壁と、第2の管腔を規定する第2の壁とを含み、該第1の管腔および該第2の管腔は、それぞれ、第1の遠位開口部および第2の遠位開口部と連通している、細長い管状本体と、
該第1および第2の管腔を分離する隔壁と
を含み、
該第1および第2の壁のうちの少なくとも1つは、該第1および第2の管腔のうちの1つと流体連通している側面開口部を規定し、該側面開口部は、外側アパーチャと、該外側アパーチャより小さい寸法を有する内側アパーチャとを有する、カテーテル。
(項目2)
各側面開口部は、少なくとも1つの側壁によって規定され、該少なくとも1つの側壁が、上記外側アパーチャから上記内側アパーチャまで内側へテーパー状になることにより、該外側アパーチャに隣接する側面開口部の寸法は、該内側アパーチャに隣接する側面開口部の寸法より大きい、上記項目に記載のカテーテル。
(項目3)
上記第1の壁は、第1の側面開口部を規定し、上記第2の壁は、第2の側面開口部を規定し、該第1の側面開口部は、上記第1の管腔と流体連通しており、該第2の側面開口部は、上記第2の管腔と流体連通している、上記項目のいずれかに記載のカテーテル。
(項目4)
上記隔壁は、上記第1および第2の遠位開口部を超えて延在する、上記項目のいずれかに記載のカテーテル。
(項目5)
上記第1および第2の側面開口部は、上記細長い管状本体の上記長手方向軸に沿って長手方向に整列されている、上記項目のいずれかに記載のカテーテル。
(項目6)
上記第1および第2の側面開口部は、上記細長い管状本体の上記長手方向軸に沿って長手方向にオフセットされている、上記項目のいずれかに記載のカテーテル。
(項目7)
上記第1の壁は、第1の内側表面と第1の外側表面とを規定し、上記第2の壁は、第2の内側表面と第2の外側表面とを規定し、該第1の内側表面は、上記第1の管腔を規定し、該第2の内側表面は、上記第2の管腔を規定する、上記項目のいずれかに記載のカテーテル。
(項目8)
上記第1の内側表面は、上記細長い管状本体の上記第1の遠位開口部から近位方向にテーパー状になることにより、上記第1の管腔の寸法は、該第1の遠位開口部付近で遠位方向に増大し、上記第2の内側表面は、該細長い管状本体の上記第2の遠位開口部から近位方向にテーパー状になることにより、上記第2の管腔の寸法は、該第2の遠位開口部付近で遠位方向に増大する、上記項目のいずれかに記載のカテーテル。
(項目9)
上記第1および第2の内側表面のうちの少なくとも1つは、遠位テーパー状表面と近位テーパー状表面とを含み、該遠位テーパー状表面は、上記第1および第2の遠位開口部のうちの1つから該近位テーパー状表面まで、上記細長い管状本体の上記長手方向軸に対してリーディング角度で近位方向にテーパー状になり、該近位テーパー状表面は、該遠位テーパー状表面の近位端部から近位内側表面まで、該長手方向軸に対してトレイリング角度で近位方向にテーパー状になり、該リーディング角度と該トレイリング角度とは異なっている、上記項目のいずれかに記載のカテーテル。
(項目10)
上記近位内側表面は、上記細長い管状本体の上記長手方向軸に実質的に平行である、上記項目のいずれかに記載のカテーテル。
【0014】
(摘要)
カテーテルは、細長い管状本体と隔壁とを有する。細長い管状本体は、長手方向軸を規定し、第1の管腔を規定する第1の壁と、第2の管腔を規定する第2の壁とを含む。第1の管腔および第2の管腔は、それぞれ、第1および第2の遠位開口部と連通している。隔壁は、第1および第2の管腔を分離する。第1および第2の壁のうちの1つまたは両方は、側面開口部を含む。側面開口部は、第1および第2の管腔のうちの1つと流体連通している。側面開口部は、外側アパーチャと内側アパーチャとを有する。内側アパーチャは、外側アパーチャより小さい寸法を有する。
【0015】
新規性を有すると確信されている本開示の対象および特徴は、添付した請求項において詳細に説明される。以下に説明されるように、本開示の動作の編成および態様の両方、並びに本開示のさらなる対象および利点は、添付の図面に関連して、以下の記載を参照することによって最もよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本開示の原理に従う本明細書に開示されたカテーテルの1つの実施形態の透視図である。
【図2】図2は、図1において示された本明細書に開示されたカテーテルの断面図である。
【図3】図3は、本開示の原理に従う本明細書に開示されたカテーテルの代替的実施形態の透視図である。
【図4A】図4Aは、図3において示された本明細書に開示されたカテーテルの断面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aにおいて線引きされた指示エリア詳細の拡大された断面図である。
【図4C】図4Cは、図4Aにおいて線引きされた指示エリア詳細の拡大された断面図である。
【図5A】図5Aは、図4Aにおいて線引きされた指示エリア詳細に沿って切り取られた、図4Aおいて示された本明細書に開示されたカテーテルの断面図である。
【図5B】図5Bは、図4Aにおいて線引きされた指示エリア詳細に沿って切り取られた、図4Aおいて示された本明細書に開示されたカテーテルの断面図である。
【図5C】図5Cは、図4Aにおいて線引きされた指示エリア詳細に沿って切り取られた、図4Aおいて示された本明細書に開示されたカテーテルの断面図である。
【図6A】図6Aは、本開示の原理に従う本明細書に開示されたカテーテルの別の実施形態の断面図である。
【図6B】図6Bは、図6Aにおいて線引きされた指示エリア詳細の拡大された断面図である。
【図6C】図6Cは、図6Aにおいて線引きされた指示エリア詳細の拡大された断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(代表的な実施形態の詳細な説明)
開示されたカテーテルおよび使用の方法の代表的な実施形態は、被検体の体に出入りする流体の管理のための医療カテーテルに関して議論され、具体的に、障害のない流体流れを容易にするために、使用中に望ましくない再循環を制限するカテーテル先端部を含むカテーテルに関して議論される。カテーテルが、カテーテルの管腔の間に可逆性の流体流れを容易にするように構成されることは有益である。本開示は、さまざまなカテーテル(例えば、血液透析、腹膜、PICC、CVCおよびポート)、および外科手術、診断、および被検体の疾患および体の不調の関連した処置を含むカテーテル用途に対して利用され得る。
【0018】
以下の議論において、用語「近位」は、実施者により近い構造の部分を指し、その一方で、用語「遠位」は、実施者からより離れる部分を指す。本開示に従って、用語「実施者」は、医者、看護師、または介護者を指し、かつサポートの人を含み得る。本明細書に使用されるように、用語「被検体」は、人間の患者または他の動物を指す。
【0019】
以下の議論は、本開示の原理に従うカテーテルの説明を含む。ここで、添付した図面において例示されている本開示の代表的な実施形態に対して詳細に参照される。
【0020】
図1〜2を参照すると、本明細書に開示されたカテーテルの1つの実施形態が示され、概してカテーテル100と呼ばれる。カテーテル100は、細長い管状本体102を含み、細長い管状本体102は、長手方向軸「L」を規定し、第1の壁104、第2の壁106、および隔壁108を規定する。第1の管腔104aが、第1の壁104と隔壁108との間に規定される。第1の管腔104aは、第1の遠位開口部104bまで延在する。第2の管腔106aが、第2の壁106と隔壁108との間に規定される。第2の管腔106aは、第2の遠位開口部106bまで延在する。隔壁108は、第1および第2の管腔104aおよび106aを分離し、第1および第2の遠位開口部104bおよび106bを超えて遠位へ延在し得る。第1および第2の壁104および106のうちの1つまたは両方は、側面開口部110を含む。1つの実施形態において、図2に示されるように、第1の側面開口部110aは、第1の壁104において規定され、第1の管腔104aと流体連通して配置される。第2の側面開口部110bは、第2の壁106において規定され、第2の管腔106aと流体連通して配置される。第1および第2の側面開口部110aおよび110bは、遠位開口部104bおよび106bの近位に配置され、細長い管状本体102の長手方向軸「L」に沿って長手方向に整列され、または長手方向にオフセットされ得、そして任意の適切な寸法および/または形状(正弦波の形、円形、多角形等)を有し得る。
【0021】
各側面開口部110は、外側アパーチャ112(図2)と内側アパーチャ114とを有する。内側アパーチャ114は、外側アパーチャ112より小さい寸法を有する。この点について、内側および外側アパーチャ114および112は、各側面開口部110を規定する1つの側壁または複数の側壁116によって相互接続される。図1および2において示されるように、側壁116は、外側アパーチャ112から内側アパーチャ114まで角度付けられ、または内側へテーパー状になることにより、側面開口部110aおよび110bの寸法は、カテーテル100の壁104、106の外部表面に隣接して最も大きくて、カテーテル100の壁104、106の内部表面に隣接して最も小さい。従って、第1および第2の側面開口部110aおよび110bは、管腔104aまたは106a中からカテーテル100外部の位置へ流れる流体に増大された流れ抵抗を、かつカテーテル100の管腔104aまたは106a内に流れる流体に減少された流れ抵抗を提供する。側面開口部110aおよび110bが、カテーテル100から出る流体に増大された流れ抵抗を提供するように構成されているので、第1の管腔104aまたは第2の管腔106aから出る流体は、それぞれ、遠位開口部104bまたは106bを通って管腔104aまたは106aから出る傾向がある。逆に言えば、側面開口部110aおよび110bが、カテーテル100に進入する流体に減少された流れ抵抗を提供するように構成されているので、カテーテル100に進入する流体は、遠位開口部104bまたは106bを通らずに、側面開口部110aまたは110bを通ってカテーテル100に進入する傾向がある。結果として、遠位開口部104bまたは106bを通ってカテーテル100から出る主な流体流れストリームと、側面開口部110aおよび110bを通ってカテーテル100に進入する主な流体流れストリームとの間の間隔が増大され、カテーテル100の動脈管腔と静脈管腔との間の流体再循環の可能性を最小にする。
【0022】
1つの実施形態において、図1および2において描かれるように、側壁116は、実質的に切頭円錐体であり得る。さらに詳細に議論されるように、側面開口部(すなわち、側面開口部110を規定する側壁116)は、さまざまな向きで配置され得、任意の適切な寸法および/または形状を有し得る。いくつかの実施形態において、側面開口部のさまざまな内側表面は、細長い管状本体の内側および外側表面に対して複数の異なる角度で配置され得る。
【0023】
ここで、図3〜4を参照すると、本明細書に開示されたカテーテルの別の実施形態が示され、概してカテーテル200と呼ばれる。カテーテル200は、実質的にカテーテル100に類似しているが、本明細書においてそれらの構造および動作における差異を説明するための必要な程度しか説明されない。カテーテル200は、細長い管状本体202を含み、細長い管状本体202は、長手方向軸「L」を規定し、第1の壁204、第2の壁206、および隔壁208を規定する。
【0024】
図4Aにおいて最もよく描かれるように、第1の壁204は、第1の側面開口部222を規定し、第1の内側表面204aおよび第1の外側表面204bを含む。第2の壁206は、第2の側面開口部224を規定し、第2の内側表面206aおよび第2の外側表面206bを含む。第1および第2の側面開口部222および224は、実質的に線形であり、または側面開口部110aまたは110bに対して前に議論されるように、任意の他の形状(例えば、正弦波の形、円形、多角形等)を有し得る。第1の壁204の第1の内側表面204aと隔壁208とは、第1の管腔205を規定する。管腔205は、第1の遠位流れ部分203aおよび第1の近位流れ部分203bを含む。第2の壁206の第2の内側表面206aと隔壁208とは、第2の管腔207を規定する。管腔207は、第2の遠位流れ部分209aおよび第2の近位流れ部分209bを含む。第1の内側表面204aは、細長い管状本体202の遠位端部において規定された第1の遠位開口部210から、第1の遠位流れ部分203aに沿って、ポイント216まで近位方向にテーパー状になる。ポイント216は、第1の遠位流れ部分203aの近位端部と、第1の近位流れ部分203bの遠位端部とを規定する。具体的には、第1の遠位流れ部分203aは、第1の遠位開口部210とポイント216との間に配置された領域であり、第1の近位流れ部分203bは、ポイント216の近位に配置された領域である。
【0025】
第1の遠位開口部210は、細長い管状本体202において、第1の壁204の第1の内側表面204aと隔壁208の上部表面208aとの間に規定される。第2の内側表面206aは、細長い管状本体202の遠位端部において規定された第2の遠位開口部212からポイント220まで近位方向にテーパー状になる。ポイント220は、第2の遠位流れ部分209aの近位端部と、第2の近位流れ部分209bの遠位端部とを規定する。具体的には、第2の遠位流れ部分209aは、第2の遠位開口部212とポイント220との間に配置された領域であり、第2の近位流れ部分209bは、ポイント220の近位に配置された領域である。第2の遠位開口部212は、細長い管状本体202において、第2の壁206の第2の内側表面206aと隔壁208の底部表面208bとの間に規定される。
【0026】
この目的のために、第1の内側表面204aは、第1の遠位流れ部分203aに沿ってポイント216まで、細長い管状本体202の長手方向軸「L」に対して(例えば、図4B:長手方向軸「L」に平行なライン「A」に対して)角度αで近位方向にテーパー状になる。このように、管腔205の寸法は、第1の遠位流れ部分203aにおいて遠位方向に増大する。第1の内側表面204aは、第1の近位流れ部分203bに沿って、ポイント216の近位の長手方向軸「L」に実質的に平行であり得る。
【0027】
同様に、第2の内側表面206aは、第2の遠位流れ部分209aに沿ってポイント220まで、細長い管状本体202の長手方向軸「L」に対して(例えば、図4C:長手方向軸「L」に平行なライン「B」に対して)角度βで近位方向にテーパー状になる。このように、管腔207の寸法は、第2の遠位流れ部分209aにおいて遠位方向に増大する。第2の内側表面206aは、第2の近位流れ部分209bに沿って、ポイント220の近位の長手方向軸「L」に実質的に平行である。ポイント216およびポイント220は、長手方向に整列され、そして/または長手方向にオフセットされ得る。
【0028】
第1および第2の遠位流れ部分203aおよび209aの各々は、遠位開口部210および212を通ってカテーテル200内に流れる流体に増大された流れ抵抗を、および遠位開口部210および212を通ってカテーテル200の外へ流れる流体に減少された流れ抵抗を提供するように構成される。例示されるように、管腔205と連通している側面開口部222と、管腔207と連通している側面開口部224は各々、側面開口部110aおよび110bに対して前に議論されるように、カテーテル200の外側表面からカテーテル200の内側表面に向って減少する寸法を有するように構成される。このように、側面開口部222および224は、カテーテル200からカテーテル200の側面開口部222または224を通って流れる流体に増大された流れ抵抗を提供し、側面開口部222または224を通ってカテーテル200内に流れる流体に減少された流れ抵抗を提供するように構成される。
【0029】
図5A〜5Cにおいて示されるように、管腔205および207の各々の断面寸法は、ポイント216および220からカテーテル200の遠位端部まで遠位方向に増大する。第1の内側表面204aおよび第2の内側表面206aが実質的に線形であると例示されているが、表面204aおよび206aは、長手方向において非線形または曲がった構成を有し、または第1および第2の遠位流れ部分203aおよび209aにおいて遠位方向に管腔205および/または207の寸法を増大させる任意の他の構成を有し得る。
【0030】
第1の遠位流れ部分203aおよび第2の遠位流れ部分209aと側面開口部222および224の構成との組み合わされた構成によって、流体は、動脈管腔の側面開口部222または224を通ってカテーテル200内へ流れ、かつ静脈管腔の遠位開口部210または212を通ってカテーテルの外へ流れる傾向がある。そのために、カテーテル200から出る主な流体ストリームとカテーテル200に進入する主な流体ストリームとの間隔が最大にされ、カテーテル200の静脈管腔から静脈管腔への流体の再循環の可能性を最小にする。
【0031】
ここで、図6を参照すると、本明細書に開示されたカテーテルの別の実施形態が示され、概してカテーテル300と呼ばれる。カテーテル300は、実質的にカテーテル100および200に類似しているが、本明細書においてそれらの構造および動作における差異を説明するための必要な程度しか説明されていない。カテーテル300は、細長い管状本体302を含み、細長い管状本体302は、長手方向軸「L」を規定し、第1の壁304、第2の壁306、および隔壁308を規定する。
【0032】
図6A〜6Cにおいて最もよく描かれるように、第1の壁304は、第1の側面開口部322を規定し、第1の内側表面304aおよび第1の外側表面304bを含む。第1の管腔305が、第1の壁304と隔壁308との間に規定される。第2の壁306は、第2の側面開口部324を規定し、第2の内側表面306aおよび第2の外側表面306bを含む。第2の管腔307が、第2の壁306と隔壁308との間に規定される。
【0033】
第1の壁304の第1の内側表面304aは、第1の遠位テーパー状表面310と第1の近位テーパー状表面312とを規定する。第1の内側表面304aの第1の遠位テーパー状表面310は、第1の管腔305の第1の遠位開口部311から第1の内側表面304aの第1の近位テーパー状表面312まで、細長い管状本体302の長手方向軸「L]に平行なライン「D」(図6B)に対して第1のリーディング角度δで近位方向にテーパー状になる。第1の内側表面304aの第1の近位テーパー状表面312は、第1の内側表面304aの第1の遠位テーパー状表面310の近位端部から第1の内側表面304aの第1の近位内側表面318aまで、長手方向軸「L]に平行なライン「E」(図6B)に対して第1のトレイリング角度θで近位方向にテーパー状になる。このように、管腔305の寸法は、第1の内側表面304aの第1の遠位テーパー状表面310および第1の近位テーパー状表面312において遠位方向に増大する。第1のリーディング角度δおよび第1のトレイリング角度θは、異なっても同じでもよい。第1の近位内側表面318aは、細長い管状本体302の長手方向軸「L」に実質的に平行である。
【0034】
第2の壁306の第2の内側表面306aは、第2の遠位テーパー状表面314と第2の近位テーパー状表面316とを規定する。第2の内側表面306aの第1の遠位テーパー状表面314は、第2の管腔307の第2の遠位開口部313から第2の内側表面306aの第2の近位テーパー状表面316まで、細長い管状本体302の長手方向軸「L]に平行なライン「F」(図6C)に対して第2のリーディング角度λで近位方向にテーパー状になる。第2の内側表面306aの第2の近位テーパー状表面316は、第2の内側表面306aの第2の遠位テーパー状表面314の近位端部から第2の内側表面306aの第2の近位内側表面318bまで、長手方向軸「L]に平行なライン「G」(図6C)に対して第2のトレイリング角度ωで近位方向にテーパー状になる。このように、管腔307の寸法は、第2の内側表面306aの第2の遠位テーパー状表面314および第2の近位テーパー状表面316において遠位方向に増大する。第2のリーディング角度λおよび第2のトレイリング角度ωは、異なっても同じでもよい。第2の内側表面306aの第2の近位内側表面318bは、細長い管状本体302の長手方向軸「L」に実質的に平行である。
【0035】
第1の壁304の第1の内側表面304aと、第2の壁306の第2の内側表面306aとが実質的に線形であると例示されているが、第1および第2の内側表面304aおよび306aは、長手方向において放物線状の構成を有するか、または第1の遠位テーパー状表面310、第1の近位テーパー状表面312、第2の遠位テーパー状表面314、および第2の近位テーパー状表面316のそれぞれにおいて遠位方向に管腔305および/または307の寸法を増大させる任意の他の構成を有し得る。
【0036】
図6Aから理解され得るように、第1および第2の壁304および306は、それぞれ、第1の厚さおよび第2の厚さを有し得る。第1および第2の厚さは異なり得る。第1および第2の側面開口部322および324は、細長い管状本体302の長手方向軸「L」に沿って長手方向にオフセットおよび/または整列され得、側面開口部110a、110b、222、および224に対して前に議論されるように、任意の適切な形状および/または寸法であり、かつ任意の適切な角度向きを有し得る。特に、図6Aにおいて最もよく例示されるように、例えば、第1の側面開口部322は、互いに対して異なる角度で配置され得る第1および第2の内部表面322aおよび322bを含み得る。同様に、第2の側面開口部324は、互いに対して異なる角度で配置され得る第1および第2の内部表面324aおよび324bを含み得る。
【0037】
従って、前述のように、カテーテル300は、第1および第2の内側表面304aおよび306aと、側面開口部322および324とによって、管腔305または307中から患者に流れる流体に増大された流れ抵抗を、および患者から管腔305または307に流れる流体に減少された流れ抵抗を提供する。
【0038】
本明細書に開示されたカテーテルの本明細書に開示された表面および/または部品のうちのいくつかは、平面または非平面(例えば、弓状、波状、網状等)であり得る。
【0039】
本明細書に開示された部品は、特定のカテーテル用途および/または実施者の好みに応じて、医療用途に適切な材料、例えば、ポリマーまたは金属(例えば、ステンレス鋼)から製造される。半硬質および硬質ポリマーも弾性材料(例えば、成形医療グレードポリプロピレン)も製造に対して思料される。当業者は、本開示に従って、組立および製造に適切な他の材料および製造方法も適切であり得ることを理解する。
【0040】
さまざまな変更が本明細書に開示された実施形態に加えられ得ることが理解される。それ故、上記説明は、限定としてではなく、単にさまざまな実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付した請求項の範囲および精神内の他の変更を認識する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、該カテーテルは、
長手方向軸を規定する細長い管状本体であって、該細長い管状本体は、第1の管腔を規定する第1の壁と、第2の管腔を規定する第2の壁とを含み、該第1の管腔および該第2の管腔は、それぞれ、第1の遠位開口部および第2の遠位開口部と連通している、細長い管状本体と、
該第1および第2の管腔を分離する隔壁と
を含み、
該第1および第2の壁のうちの少なくとも1つは、該第1および第2の管腔のうちの1つと流体連通している側面開口部を規定し、該側面開口部は、外側アパーチャと、該外側アパーチャより小さい寸法を有する内側アパーチャとを有する、カテーテル。
【請求項2】
各側面開口部は、少なくとも1つの側壁によって規定され、該少なくとも1つの側壁が、前記外側アパーチャから前記内側アパーチャまで内側へテーパー状になることにより、該外側アパーチャに隣接する側面開口部の寸法は、該内側アパーチャに隣接する側面開口部の寸法より大きい、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記第1の壁は、第1の側面開口部を規定し、前記第2の壁は、第2の側面開口部を規定し、該第1の側面開口部は、前記第1の管腔と流体連通しており、該第2の側面開口部は、前記第2の管腔と流体連通している、請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記隔壁は、前記第1および第2の遠位開口部を超えて延在する、請求項1〜3のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項5】
前記第1および第2の側面開口部は、前記細長い管状本体の前記長手方向軸に沿って長手方向に整列されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記第1および第2の側面開口部は、前記細長い管状本体の前記長手方向軸に沿って長手方向にオフセットされている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記第1の壁は、第1の内側表面と第1の外側表面とを規定し、前記第2の壁は、第2の内側表面と第2の外側表面とを規定し、該第1の内側表面は、前記第1の管腔を規定し、該第2の内側表面は、前記第2の管腔を規定する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記第1の内側表面は、前記細長い管状本体の前記第1の遠位開口部から近位方向にテーパー状になることにより、前記第1の管腔の寸法は、該第1の遠位開口部付近で遠位方向に増大し、前記第2の内側表面は、該細長い管状本体の前記第2の遠位開口部から近位方向にテーパー状になることにより、前記第2の管腔の寸法は、該第2の遠位開口部付近で遠位方向に増大する、請求項7に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記第1および第2の内側表面のうちの少なくとも1つは、遠位テーパー状表面と近位テーパー状表面とを含み、該遠位テーパー状表面は、前記第1および第2の遠位開口部のうちの1つから該近位テーパー状表面まで、前記細長い管状本体の前記長手方向軸に対してリーディング角度で近位方向にテーパー状になり、該近位テーパー状表面は、該遠位テーパー状表面の近位端部から近位内側表面まで、該長手方向軸に対してトレイリング角度で近位方向にテーパー状になり、該リーディング角度と該トレイリング角度とは異なっている、請求項7に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記近位内側表面は、前記細長い管状本体の前記長手方向軸に実質的に平行である、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項1】
カテーテルであって、該カテーテルは、
長手方向軸を規定する細長い管状本体であって、該細長い管状本体は、第1の管腔を規定する第1の壁と、第2の管腔を規定する第2の壁とを含み、該第1の管腔および該第2の管腔は、それぞれ、第1の遠位開口部および第2の遠位開口部と連通している、細長い管状本体と、
該第1および第2の管腔を分離する隔壁と
を含み、
該第1および第2の壁のうちの少なくとも1つは、該第1および第2の管腔のうちの1つと流体連通している側面開口部を規定し、該側面開口部は、外側アパーチャと、該外側アパーチャより小さい寸法を有する内側アパーチャとを有する、カテーテル。
【請求項2】
各側面開口部は、少なくとも1つの側壁によって規定され、該少なくとも1つの側壁が、前記外側アパーチャから前記内側アパーチャまで内側へテーパー状になることにより、該外側アパーチャに隣接する側面開口部の寸法は、該内側アパーチャに隣接する側面開口部の寸法より大きい、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記第1の壁は、第1の側面開口部を規定し、前記第2の壁は、第2の側面開口部を規定し、該第1の側面開口部は、前記第1の管腔と流体連通しており、該第2の側面開口部は、前記第2の管腔と流体連通している、請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記隔壁は、前記第1および第2の遠位開口部を超えて延在する、請求項1〜3のいずれかに記載のカテーテル。
【請求項5】
前記第1および第2の側面開口部は、前記細長い管状本体の前記長手方向軸に沿って長手方向に整列されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記第1および第2の側面開口部は、前記細長い管状本体の前記長手方向軸に沿って長手方向にオフセットされている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記第1の壁は、第1の内側表面と第1の外側表面とを規定し、前記第2の壁は、第2の内側表面と第2の外側表面とを規定し、該第1の内側表面は、前記第1の管腔を規定し、該第2の内側表面は、前記第2の管腔を規定する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記第1の内側表面は、前記細長い管状本体の前記第1の遠位開口部から近位方向にテーパー状になることにより、前記第1の管腔の寸法は、該第1の遠位開口部付近で遠位方向に増大し、前記第2の内側表面は、該細長い管状本体の前記第2の遠位開口部から近位方向にテーパー状になることにより、前記第2の管腔の寸法は、該第2の遠位開口部付近で遠位方向に増大する、請求項7に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記第1および第2の内側表面のうちの少なくとも1つは、遠位テーパー状表面と近位テーパー状表面とを含み、該遠位テーパー状表面は、前記第1および第2の遠位開口部のうちの1つから該近位テーパー状表面まで、前記細長い管状本体の前記長手方向軸に対してリーディング角度で近位方向にテーパー状になり、該近位テーパー状表面は、該遠位テーパー状表面の近位端部から近位内側表面まで、該長手方向軸に対してトレイリング角度で近位方向にテーパー状になり、該リーディング角度と該トレイリング角度とは異なっている、請求項7に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記近位内側表面は、前記細長い管状本体の前記長手方向軸に実質的に平行である、請求項9に記載のカテーテル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【公開番号】特開2013−75168(P2013−75168A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−217174(P2012−217174)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】
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